本会議 第57号
- 発言数
- 30 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1947/11/26
会議録
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。議員清水武夫君は、本月二十二日逝去されました。誠に痛惜哀悼の至りに堪えません。つきましては、同君に対し、院議を以て弔詞を贈ることにいたしたいと存じます。この際濱田寅藏君より発言を求められております。これより許可いたします。濱田寅藏君。 〔濱田寅藏君登壇、拍手〕
○濱田寅藏君 去る十一月二十三日のことでありました。長崎縣選出の社会党所属議員清水武夫君の急逝を聞いて、愕然と驚きの声を放つたのは、ただに私一人だけではなかつたと存ずるのであります。殊に私は故人とは特に親しくいたしておりまして、去る十月初旬上京いたしました際にも、清水君と門司駅から同車いたしたのでありますが、車中において急病を発しました私のために、何かと同君に御厄介をおかけしたような次第でありました。今更のごとく人の命のはかなさを痛感いたす次第であります。清水君は、四十八歳でありました。長崎市の実業界に重きを成していた人でありまして、今春の選挙には十数万の支持を得て政治界に進出せられたのであります。清水君は機会ある毎に、世界中の人間がみんな仕合せな生活のできるような世の中にしたいものだというようなことをば、朴訥な長崎弁で我々に常に漏らしておられたのであります。百千の理論学説と雖も、要約いたしますればこの清水君のお言葉の中に落着くものであります。この高邁な理想実現の端緒につきながら、突如として清水君が冥府へ赳かれましたことは何としても痛恨に堪えない次第であります。恐らく清水君の霊魂も亦この議場の空を低徊して去り難きものがあろうかと存ずるのであります。私はここに、清水君が常に堅持せられておられました高き政治理想は改めて又我々の理想とするところであることをここに確認いたしまして、清水君の霊前への手向けの言葉を贈りたいと存ずるのであります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 議長において起草いたしました清水武夫君に対する弔詞を朗読して、弔詞贈呈の件をお諮りいたします。 参議院ハ議員清水武夫君ノ長逝ヲ哀悼シ恭シク弔詞ヲ呈ス 只今朗読いたしました弔詞に賛成の諸君の起立を請います。 〔議員起立〕
○議長(松平恒雄君) 議員起立と認めます。よつて弔詞贈呈の件は全会一致を以て可決せられました。 〔拍手起る〕
○議長(松平恒雄君) 尚この際、鉱工業委員の補欠として村尾重雄君を指名いたします。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) 日程第一、郵便貯金法案(内閣提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。通信委員長深水六郎君。 〔深水六郎君登壇、拍手〕
○深水六郎君 只今議題となりました郵便貯金法案につきまして、委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。 先ずその提案理由でございますが、郵便貯金法は明治三十八年に制定され、その内容は制度の抽象的な根幹のみを最少限度に規定するに過ぎなかつたのでありまして、制定以來四十年間におきまして、制度の実体は非常に大きな発達を遂げておりますが、法律といたしましては、貯金総額の制限額についての数度の改正と、昭和十七年に新たに実施されました郵便貯金切手制度につきましての改正の外は、何らの改正がなく今日に及んでおります。先般新憲法が制定されまして、國民の権利の尊重及び官業の民主化が強く要請され、又法律用語の平易明確化が憲法みずからに行われましたので、郵便貯金法もそれらの精神に副つて再檢討を加え、從來の法体系を根本的に改めて、利用者の権利義務に関する基本的事項をすべて法律に定めると共に、不備不適の規定を改め、且つ又文章及び体裁を一般の人に分り易いようにし、更に現在の経済情勢に適應させ、なかんずく貯蓄の増強を図るための制度の改正をも附加えまして、新たな郵便貯金法を制定しようとするものであるという御説明がありました。 次にその内容について申上げます。大体現行法と比較しながら要点を申述べますと、第一に、この法律案におきましては制度の実体に関する規定をすべて法律で定めてあることであります。即ち現行法は僅か十八條から成り、制度の実体は殆んど省令に規定されておるのでありますが、事業の本体についての管理者の自由裁量の余地を最大限度まで圧縮いたしまして、郵便貯金を眞に民主的な制度としようとするのであります。第二に、郵便貯金の総額制限を從來の一万円から三万円に引上げてあります。第三に、新たに割増金附郵便貯金制度を創設したことであります。この制度は、現在の定額貯金制度の一つの態樣といたしまして、一年又は二年の据置期間中を無利子とし、その代りにくじ引によつて割増金を附けるというのであります。第四に、無能力者が郵便官署に対してなしました行爲は能力者がなしたものとみなす旨の現行法の規定を削除したことであります。これは國民個人の権利を一層尊重しまして、無能力者保護の一般私法に從うことにしたわけであります。第五に、郵便貯金に関する債務の履行遅滯による利用者の損害は原則として賠償することにいたしたのであります。これは現行法では郵便貯金事業の公共性に基ずく保護特権として認められて來たのでございますが、新憲法下におきましては適当でないと認め、本法案では郵便貯金の取扱の遅延による損害賠償は、原則として民法の規定に從つて処理することにいたし、ただ不可抗力その他事業の性質上万止むを得ない場合に限つて責任を免れることに改められておるのであります。第六に、各種の料金はこれを法律に明定するか、又はこの決定の基本を法律で定めることにしたことであります。尚又本法案におきましては郵便振替貯金に関する規定を削除いたしてございます。それは郵便振替貯金制度は送金並びに貸借決済の手段として効用を有するものでありまして、貯蓄手段たる本來の郵便貯金制度とは目的及び内容において著しい差がありますので、法律の内容を簡明にするために、これを郵便貯金法から分離させ、別に郵便振替貯金法として規定することとし、その法案は追つて提案することになつております。 委員会におきましては槇重審議をいたし、各委員はいずれも熱心に質疑を行なつたのでありますが、その主なる天を申上げますと、郵便貯金の現在総額及び貯金の運用による利益と事務費との関係はどうであるか。又長い間出し入れをしないいわゆる睡眠貯金を整理して、通帳、原簿を整理し、延いては人件費の節約をも図るべきではないか。又戰災貯金通帳の整理はどうなつておるか。又最近貯金の利子記入がなくて、槇通帳の交付を受けたときには、前の関係が分らないので利用者は非常に困つておるが、利子記入は停止になつておるのか。預け入れ額は最高三万円に改めるということになつておるが、三万円では現在の経済情勢では低過ぎはしないか。又野戰郵便局の貯金、外地郵便貯金、或いは旧満州國の郵便貯金はどうなつておるか等の質問がありました。 これに対しまして、郵便貯金の現在高は約四百六十億円であり、又資金の運用による利益と事務費との関係につきましては、運用利廻りは三分四厘六毛で、金額にいたしまして十五億八千万円、貯金者に対する利子は総体で二分五厘で、金額にいたしまして十一億四千万円である。その利差は四億四千万円でありますが、事務費は逓信、大藏両省合せまして約二十一億円以上となつておる。而してこのような状態は今年度初めて見る状態でございますが、その原因は主として人件費の増大によるもので、これが解決のために、貯金の増額による運用収益の増加と経営の合理化を図る方針であり、本案に規定されておりますところの割増金附定額貯金制度の創設、並びに貯金総額制限を一万円から三万円に引上げ、及び預入の最低金額を一円から五円へ引上げましたことなどは、その方針の現われの一つであるとの答弁がございました。又長い間出し入れのない貯金、いわゆる睡眠貯金、この貯金の整理は通帳及び原簿の整理、延いては人の節約にもなるのでございますが、この睡眠貯金は全体の口数の約四割くらいあると推定されておりますので、この整理を折角やりたいと考えておるという答弁でございました。戰災貯金通帳及び原簿の整理が全部済んでいないために、例えば貯金利子記入の一時停止等、他の事務にも影響を及ぼし、貯金者に迷惑をかけておるが、この整理を極力急いでおるとの答弁もございました。更に貯金総額制限三万円の点につきましては、郵便貯金には、所得税、印紙税の免除等の特典があり、一般金融機関との関係を考えました結果、國民貯蓄組合の貯金に対する所得税の免税点でありますところの三万円とすることが最も適当であると考えておるという御答弁でございました。又軍事郵便貯金及び外地郵便貯金等につきましては、外地でした郵便貯金を現在の建前以上に支拂つて呉れとの強い要望がありますけれども、それらの根本的な解決は、在外資産の処理との睨み合せもありますので、今直ちに定めることはむずかしいとの答弁でありました。尚本法案の施行によりまして、割増金附定額郵便貯金制度が始められるのでございますが、これによりまして本年度内に二十五億円乃至三十億円の貯金の吸収を計画しておるというお話がございました。尚詳細な質疑應答が重ねられたのでございますが、それは速記録によつて御了承お願い申上げたいと存ずる次第でございます。 かくて藤田委員の質疑打切りの動議が成立いたしまして、質疑を終了し、直ちに討論に入つたのでございますが、格別の御発言もなく、引続いて採決に移りましたところ、全員一致原案通り可決すべきものと認めた次第でございます。以上簡單でございますが委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) 議事日程変更につきお諮りいたします。この際日程第三より第三十九までの請願及び日程第四十五より第五十六までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。國土計画委員長赤木正雄君。 〔赤木正雄君登壇、拍手〕
○赤木正雄君 只今議題になりました請願並びに陳情に関する委員会の審議の状態並びに結果を御報告いたします。國土計画委員会に付託された請願並びに陳情は現業関係のものが非常に多いのであります。從つてこれらはよくその実地を調査研究しない以上は容易にこれを採択し難い。こういう関係がありますから、委員会或いは政府において十分調査したものを採択する。こういう方針を採りました。次に、よしんば採択しましても、種々の関係から数年間その実現が期し難いものは、採択の意味もありませんから、そういうものは採択いたさなかつたのであります。こういう見地からいたしましてこの結果を御報告いたします。 秋田縣米代川並びに阿仁川改修速成に関する請願、千曲川及びさい川改修工事に関する請願、黒瀬川並びに中川改修工事に関する請願、賀茂川改修工事に関する請願、常願寺川改修速成に関する請願、最上川災害復旧工事の促進に関する請願、旭川改修工事促進に関する請願、霞ヶ浦北浦治水工事に関する請願、吉井川下流改修工事費増額に関する請願、表六甲山系の治水事業促進に関する請願、肱川治水工事促進に関する請願、木曾川の上流改修工事に関する請願、信濃川の堤防工事促進に関する請願、荒川改修工事に関する請願、利根川改修区域を銚子河口まで延長することに関する請願、重信川改修工事に関する請願、蘆田川改修工事に関する請願、天龍川堤防復旧工事施行に関する請願、加古川中流改修工事に関する請願、鯖石川外二河川改修工事に関する請願、美嚢川改修工事に関する請願、北上川堤防補強工事施行に関する請願、狩野川改修工事並びに放水路開さくに関する請願、大淀川改修区域の國直轄測量調査に関する請願、大淀川改修工事促進に関する請願、鮎喰川改修工事に関する請願、五十里えん堤の築設促進に関する陳情、江合、鳴瀬及び吉田三川改修工事に関する陳情、迫川改修工事に関する陳情、荒川落堀改修工事に関する陳情、阿武隈川その他の河川改修工事に関する陳情、利根川水系改修工事に関する陳情、北利根川並びに常陸用改修工事に関する陳情、荒川改修工事促進に関する陳情、菊川改修工事に関する陳情、山國川改修工事國営施行に関する陳情、入間川改修工事に関する陳情、江合川堤防工事促進に関する陳情、これらはすでに内務省の直轄工事として、或いは府縣の工事といたしまして河川改修に着手中のものが、戰爭中工事が中止されていたために、この際改めて継続着手されたい。或いは物資並びに労銀の著しく高まつた現在におきましては既定の工費では到底予期の目的を達することはできないから工費の増額をお願いする。或いは最近の水害に鑑みまして、現在の河川状態に放置しては甚だ危險であるから、一日も早くこれが改修を図られたい。こういう三つの趣旨のいずれかに該当するものでありまして、國土の安定、食糧の確保、産業の増産の上から見ても、いずれもこれを採択の上に政府に送付するのを妥当と決したのであります。 次に清水港、甲府市間を國道とすることに関する請願、山口縣下の道路改修工事に関する請願、縣道手鎌、南関線改修工事に関する請願、旧飾磨市役所前、妻鹿間道路改修に関する請願、國道第三号線改修工事施行に関する請願、山陽國道玉島町附近改良工事に関する請願、これらは幹線道路の前後はすでに改修されておりながら、その一部分が未改修に放置されておること、或いは地方で最も重要な路線でありながら未だ改修されていない。從つてこの改修はすべての点から最も必要と認めまして、これを採択の上に政府に送付するのを妥当と決定いたしました。 次に瀬戸内海國立公園区域に愛媛縣を編入することに関する請願、兵庫縣赤穗御崎海岸一帶を瀬戸内海國立公園に編入することに関する請願、これらはすでに國立公園に指定されておる瀬戸内海國立公園の近接地域でありまして、景色の勝れておる点、或いは文化交通の上から見ましても、瀬戸内海國立公園に編入されて然るべきものでありますが、軍事上その他の関係で今日まで編入されていなかつたのであります。從つてこの際これを採択の上政府に送付するのを妥当と決定した次第であります。 以上御報告いたします。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採択をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定せられました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) 日程第二、金融機関再建整備法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。財政及び金融委員長黒田英雄君。 〔黒田英雄君登壇、拍手〕
○黒田英雄君 只今上程されました金融機関再建整理法の一部を改正する法律案につきまして、委員会の審議の経過並びに結果について御報告をいたします。 この法律案は、金融機関の再建整備に伴いまして、未拂込株金の徴収に関すること、並びに再建整備中に解散いたしました金融機関の措置に関しまして新らたに規定を設けたものであるのであります。 金融機関の最終処理に当りまして、株主に確定損を負担させます場合におきまして資本の未拂込があります場合には、これを徴収することになつておるのであります。その徴収につきまして、再建整備の趣旨に則りまして、且つ株主の事情を考慮いたしまして、商法の一般原則によらないで、別の手続によるというふうな趣旨で規定されておるのであります。これはすでに施行されておりまする企業再建整備法によりまする特別経理会社の拂込徴収の規定と同一の原則によつておるのであります。先ず拂込の責任は、指定時の株主即ち昭和二十一年八月十一日午前零時の株主が責任を持つものであります。併し指定時後株を新たに取得しましたところの新株主に対しましても、拂込の機会を與えることにいたしておるのであります。指定時の株主の責任につきましては、個人と法人とにおいて違つておるのでありまして、個人につきましては、失権によりまして拂込の責任は免かれるのであります。法人につきましては、大体責任を免かれないのでありまするが、金融機関と特経会社につきましては、拂込債務が旧勘定に属しまして、再建整備の一般原則に從つて打切り整理されるのでありまして、その他の一般法人は拂込債務を免かれないのであります。指定時後に新株主になつた者でも、これが善意で取得した、即ち未拂込が徴収されるということを知らないで取得した者につきましては、遡つてその譲渡人に対して求償権を認めておるのであります。それが順次遡りまして指定時の株主に至るということになつておるのであります。又本年の五月十三日以降に取得した者につきましては、これは求償権を認めない。これはその当時未拂込の徴収という方針が決まりました日でありますから、その後は知つておる者というように推定をされるのであります。 それから又各株につきまして計算いたました整理の負担額が拂込済みの金額を超えるような場合には、その超過額より一銭でも多い金額を徴収するということになつておるのであります。これは各株につきましていろいろ計算の方法があるのであります。 それから手続といたしましては、拂込の催告の規定であるとか、或いは株券を提出させまして、その金額だけを訂正して戻すというふうなことがあるのであります。若し指定時の株主が失権をしたような場合には、株式は未拂込徴収の金融機関に帰属することになつておるのであります。 尚民法、商法の例外規定といたしましては、閉鎖機関の失権株は、これが金融機関に帰属いたすのでありますけれども、その議決権は商法の規定の自己株の例外といたしまして、特殊管理人が代つて議決権を行使するとか、或いは拂込に相殺を認めまして、而も弁済期の到達いたしておらないものでも相殺ができるというふうなこと、又は拂込には現金ばかりではなく、國債その他の有價證券でもよろしいというふうな例外規定を設けておるのであります。 それから次に、再建整備中の金融機関が解散いたしました場合には、再建整備と精算措置との調整をいかにするかということの措置が規定されておるのであります。清算人のいたしますいろいろなことは、新勘定に関するものに限定をして、そうして準備をするのでありまして、旧勘定につきましては、清算措置をとらないで、再建整備法によつて整理せられるというふうな大体規定によつておるのであります。 これが本法案の大要でありますが、質疑應答に入りまして、その質疑の二三を御紹介いたしますが、拂込の責任について、個人と法人との間に区別を設けた理由につきましての質問に対しては、個人の場合は拂込能力から見て、財産税の負担等の関係もあり、個人を追及するのは酷であろうというので、個人が優遇されておるのであります。法人は一般の原則に從うことになつておるのであります。併し法人でも、銀行の株を持つておるものは、これは投機等の関係で持つておるのではないのであるが、これらに対して酷ではないかという御質問に対しては、株を持ちまする法人は、大体銀行か特経会社であろうと思うのであつて、それらは打切整理がされるのである、というふうな答弁であつたのであります。それから整理の見通しはどうなつておるかという質問に対しまして、本年の九月六日に一應暫定評價基準が決まりまして、十月の中旬にこれに関する法令上の措置が講ぜられたのである。目下中間処理の段階にあるのでありますが、九月に改正がありまして、又今回のこの改正によりまして、整理は一段進捗するであろうということであります。來年には最終処理の段階に入るのでありまするが、年度末ごろまでにはそれが整いまして、來年の夏か秋ごろまでには最終処理が完了する見込であるということであつたのであります。次に、本年度の予算で百億円の補償をすることになつておつたのを削除されておるかどうかということにつきましては、当初の見込では百億円でよろしいという見込であつたのであるまするが、地方銀行等割合に第二封鎖の方が少くて、第一封鎖の金額が多かつたような関係からいたしまして、今日の見通しでは、來年度において多少これを増額しなければならんではないかというふうな見込であるということでありました。そこで補償がそういうふうになりますれば、金融機関におきましては補償を成るべく多く貰わなければ損だというふうな考えを以ちまして整理に当るというようなことがあつては甚だ不都合であるが、十分に監督をして貰いたいというふうな御質問に対しましては、政府におきましても、根本の方針に基ずいて、補償を少しでも少くするよう適当な措置を講じたい。最終整理の計画につきましても十分に審査する考えであるということであつたのであります。尚、銀行の建物等が固定資本になつておるが、どれくらいあるかということであつたのでありまするが、それははつきり分らないのであるが、公称資本金額は合計三十五億八百万円になり、そのうち拂込が二十二億九千四百万円くらいあるということでありました。それに対してまして、これは時價によれば数層倍になるものと思うのである。これらにつきましては、十分に計画の上において考慮されなければならんではないか。尚評價基準を改める意思はないかというようなことに対しましては、評價基準を動かすということは困難であるが、将來補償の問題と関連して十分檢討をして、必要に應じましては、國会に対して所要の措置をとらなければならんかと思つておるというふうなことであつたのであります。 かくて質問を終りまして、討論に入りましたところ、共産党の中西君からいたしまして、自分は前回の改正等につきましても反対をしたのであるが、戰時公債の支拂の問題とか、或いは金融機関を徒らに援助して、金融機関が産業を支配するというふうなことがあるのはよろしくないというふうな考えから反対したのであるが、今回の改正は手続であつて、大したことはないと思うけれども、これらの観念が尾を引いておるような感じがするので、暫く一應態度を留保したいということであつたのであります。 他に御発言もなく、採決に入りましたところ、中西君を除きまする外全員一致の賛成がありまして、大多数を以て政府原案を可決いたした次第であります。これを以て報告を終ります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければこれより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。 —————・—————
○(松平恒雄君) 日程第四十、國字國語問題の研究機関設置に関する請願、先ず委員長の報告を求めます。文化委員長山本勇造君。 〔山本勇造君登壇、拍手〕
○山本勇造君 只今議題となりました國字國語研究機関設置に関する請願につきまして、委員会における審議の経過並びに結果につきまして簡單に御報告申上げます。 この請願は、安倍能成氏外五氏から提出されたものでありまして、その趣旨は、我が國の言葉、我が國の文字は非常にむずかしい。その上混乱をしている。これでは教育を普及させる上にも、亦文化の発展を図る上にも、或いは又事務の能率を挙げる上からも、非常な妨げを成しておる。これを整理統一して、國民の言葉、國民の文字にしなければいけない。そういうふうなものを定めるためには、政府がほしいままにこれを決定し、又は或る一派の意見を取入れてやるというようなことがあつてはならん。(拍手)これは、この問題をやるためには、先ず國語の本質、國語の移り行き、現代語のあり方等を十分に研究した上で決定をしなければいけない。維新以來、國語國字の問題はかまびすしく叫ばれておりますけれども、これが解決を見ないのは、そういう基礎的な研究が今までないがしろにされておつたためである。それであるからして、今度解決をするためには、是非共そういう基礎的な研究機関を設けるようにしなければならない。これが請願の要旨であります。 一体、この國語國字の問題と申しますと、こういうことは國語学者或いは國語運動家がやる問題であるというふうに誤解されておりまするけれども、この問題は決して國語学者乃至は國語運動家だけの問題ではないと思うのであります。これは國民全体の問題であります。(拍手)この頃盛んに民主主義という言葉が言われておりまするが、併しながら一方においてむずかしい漢語や漢字をふんだんに使う者があるのに、一方においては、そういうむずかしい言葉、むずかしい文字は、読むこともできない。書くこともできない。理解することもできないというような者が、國民の中に八五%もあるのであります。こういうふうな不公平なことがあつて、それでどこに民主主義があるのでありましようか。それでありまするからして、これからの國語國字というものは、理想といたしましては、誰にでも分り、誰にでも読め、誰にでも書けるものが定められなければならんと思うのであります。(拍手)教育を普及するという上で、学校の義務年限を延ばすということも勿論必要なことでありまするけれども、併しそれだけでは足らないのでありまして、この教育の根本になりまするところの文字とか言葉とかいうものの民主化が図られなければならんと思うのであります。そういう上からいたしまして、これは教育の上からも大事でありますが、教育だけでなくて、我々の実生活の上においても、これは大事な点であります。そうしてこれは我々現代人だけの問題ではなくて、子孫のため、又民族のためにも重大な関係を持つものであると私は思うのであります。(拍手)そういう建前からいたしまして、我々の文化委員会におきましては、この國字國語に対して研究機関を作つてくれというこの請願に対しましては、十分に審査をいたしたわけであります。從いまして、実は予算等の問題にまで立ち入つて質疑をいたしたのでありまするが、余り詳細に亘りますることは時間の関係もございまするから、質疑應答の簡單な報告を申上げます。 先ず第一にこの請願の趣旨について政府に質しましたところ、政府におきましても全くこれに賛成でございまして、むしろ賛成と申すよりは、この趣旨と殆んど同じような考えから、政府においては來年度において國語研究所を作り、そのために予算を実は計上している程である。こういうことなのであります。でありますからして、この請願の趣旨だけをとりまするならば、もう問題はないわけであります。併しながら先程申しましたように、我々はこの問題を非常に大事な問題と考えましたので、尚我々としてその点で考えましたことは、政府がそういうふうな研究所を作るということは大変結構なことでありますけれども、一体その研究所はどのくらい規模のものであり、そうしてどういう組織であり、又どこが所管するのであるか。立ち入つてそういうところも質問いたしたのであります。 第一に規模の問題につきましては、政府といたしましては、研究所の所員約七十人ほど、四百万円くらいの予算でやつて行きたい。こういう答弁がございました。併しながらイギリスのニユー・イングリツシユ・デイクシヨナリーという立派な辞書がございますが、これは一つの字引を作りますのに、二千人の人が三十年もかかつてやつているのであります。一つの字引を作るのにそれくらいやつておりますのに、一國の國字國語を定めるのにたつた七十人くらい、四百万円程度のことで、どれだけの研究ができるかということを質しましたところ、次の委員会におきまして、文部大臣が、前の予算の約二倍半近くの一千三十七万円を計上したい考えである。こういう答弁がございました。第二の組織又所管等のことにつきましては、委員から非常に痛烈なる質問があつたのであります。これに対しまして、現文部当局といたしまして、この研究所は決して文部省の直轄にするというつもりはない。又これは民間に設立準備委員会を作つて、できるだけ民主的な研究所にして行きたい意向であるということを明らかにしたのであります。 そこで討論に入りまして、これを民間に置くか、或いは議会に附属させるか、或いは國立にするかというようなことでさまざま議論があつたのでありまするが、いろいろ審議いたしました結果、これを國立のものとして、その予算とか施設とか事務上のことは文部省にやつて貰う。併しながらこの組織とか内容とかいうものについては民間人がやる。先ず最初に設立準備委員会を民間に作り、その内容はできるだけ学問的なものにして、時の政府乃至権力者のためにその研究を妨げられることがないような研究所にして行きたい。そういうふうなところで落着いたのであります。 そうして最後にこの請願につきまして採決をいたしましたところ、一委員を除きましたる外、全部の委員がこの請願は採択すべきものであるということに決定をしたのであります。そこで本会議にかけ、又これを内閣に送付すべきものであるというふうに決定いたした次第でございます。 最後にちよつと附加えさして頂きたいことは、或る一議員が採択の際に起立しなかつたと申しましたが、その議員は決してこの請願の趣旨に反対なのではなくて、ただ文部省の今までのやり方に疑念を持つておりましたために起立しなかつたのでありますが、併しながら文部省が本当に民主的にやつて行くのであるならば、この請願の趣旨には自分は賛成であるということを後の委員会におきまして言明をいたしておるのであります。勿論それだからと申しまして、前に採決しましたところの数を変えるということはできませんけれども、併しながら実質の上から申しますと今のような次第でございまするから、この請願の趣旨は全委員賛成のものとみなしましても誤まりではないと思うのであります。以上を以ちまして私の報告を終ります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本請願は委員長の報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本請願は採択し、内閣に送付することに決定せられました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) 日程第四十一より第四十四までの請願及び日程第五十八及び第五十九の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。電氣委員会理事飯田精太郎君。 〔飯田精太郎君登壇、拍手〕
○飯田精太郎君 只今議題となりました請願第百十号外三件の請願及び陳情第四百三十四号外一件の陳情の電氣委員会におきまする審議の経過並びに結果を簡單に御報告申上げます。便宜上類似のものを一括して御説明申上げます。 請願第二百四十五号、配電強化に関する請願、陳情第四百三十四号、九州地方における電力復興に関する陳情、陳情第四百六十一号、関東地方電源増強に関する陳情の三件は、九州及び関東地区における現下電力事情の窮迫に鑑み、発電力及び配電設備の増強或いは使用の合理化等が緊要であるとの趣旨であります。又請願第二百八十七号、でん粉加工事業用電力の取扱いに関する請願、請願第四百二十七号、電力割当に関する請願の二件は、電力窮乏を反映して、特定業務又は地区における電力割当に関する請願であります。次に請願第百十号、日本発送電株式会社水力発電工事に関する請願は、水力発電工事の中止が影響するところ多大であるから、工事を続行せられたいとの趣旨であります。委員会におきましては、これらにつき慎重審議をいたし、又政府関係当局の意向も聽取しました結果、請願陳情者の要望と、電力界の現状とを勘案し、それぞれ必要なる意見を附して内閣に送付するが至当であるということに全会一致可決した次第であります。詳細は文書表、意見書案及び速記録又は議事録を御参照願います。以上で御報告を終ります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情はこれを採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定せられました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) 日程第五十七、観光國策の確立に関する陳情の会議は、議事の都合によりこれを延期し、本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十七分散会