農林委員会 第38号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/12/06
会議録
○委員長(楠見義男君) それでは委員會を開會いたします。自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案、及び農地調整法の一部を改正する法律案を議題にいたしまして、只今から採決に入りたいと思います。この案は、自作農創設特別措置法の方は衆議院で一部修正をして參つております。この兩案を一括議題に供しまして衆議院の修正案通り可決することに御賛成の方の御起立をお願いいたします。
○委員長(楠見義男君) 多數と認めます。仍て多數を以てこの兩案は可決されました。尚多數意見者の署名、或いは委員長報告に對する御了承を頂きますことについては、前例通りどうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(楠見義男君) それから只今から引續きまして公團法案、公團法案は三つございますが、それと食糧管理法の一部を改正する法律案、この内容は、同じく食糧配給公團に關するものでございますが、これらについて質疑を繼續いたしたいと思います。今日お見えになつておりますのは、食糧配給公團關係では食糧管理局長官、それから飼料配給公團關係では畜産局長、それから食料品及び油糧配給公團關係では食品局長がお見えになつております。更に農林事務次官がお見えになつておりますから、どうぞ御質疑をやつて頂きたいと思います。ちよつと速記を止めて……。
○理事(木下源吾君) 速記を始めて。
○板野勝次君 次官にお尋ねいたしますが、今度の食糧管理法の改正の中の食糧公團の問題を始め、一連のこの公團方式を見まするのに、少しも民生的な要素がない。獨占禁止法でいろいろなものが公團に變つて來るけれども、それはそのまま官僚機構の中に盛り込まれて行つて、そうして從來でもいろいろな配給機關が官僚化して來る弊害と、そういう世間の指彈というものが相當あつたのに、今度は官僚機構の中に一切收めてしまつて、而も經濟安定本部總務長官が定むる基本計畫に基いて、一切やつてしまう。それでは何ら人民の意思と申しますか、民主的な意思が少しもその作られようとする政府の計畫の中に持つて行く途がない。これは食糧の供出制度の場合におきましても、今度の臨時農業生産調整法案の中にも現われて來て、どこにも食糧の集荷配給の面を通じて、民主化の點が少しも見ることができない。官僚機構をますます強めて行くと、こういうふうに公團の方向には、その點が強く見られるので、從つてこれでは重要な主食を始めその他の配給も、この官僚的な公團方式では、決してうまくは……、今日以上に惡い事態になるのではないかというようなことが、非常に危惧されるわけでありまするが、政府においては、今以上に、この公團に變えることによつて、官僚機構一點張りで、よりよく行き得る自信があるかどうか、そういう點を一つ伺いたいと思うのであります。 それからいま一つは、集荷の問題ですが、農業會が解體になりますると、農業協同組合と業者が集荷を行なうということになると思うのですが、そういうふうな規定が、この中に盛られていないように思うのですが、その點に對する處置を、或いは現行の施行令とか施行細則等を改正される用意を持つておられるかと思うのですけれども、その點が分りませんので、これは附帶的に伺つておきます。
○政府委員(笹山茂太郎君) 公團の方式によるところの配給統制の問題でありますが、これは官僚的というような御批判もありましたが、實際少い物資を全國的に公平に、而も適正な價格で以て配給するというような場合におきましては、全國的なこういつた組織によらなければならんことは、これは御承知の通りであろうと思います。ただこれが運營につきましては、全國的な面に亙つて操作をしなければならん關係上、それらは中央の、安定本部、そういつたところで基本計餐を定めて、そうして實施しなければ、個々の團體或いは個々の意見をそのまま反映するということでは、全國的な公平な分配ができかねると思います。これは實際の問題につきましては、民意を十分尊重して參りたいと思うのでございます。從いまして、公團の運営等につきましては、すでに本年安定本部訓令にありましたように、産業の統制をする半面におきまして、これらの運營につきましては、廣く知識或いは經驗者を活用して參るというような考の下に、諮問委員會を設置するというような制度も布かれておるのでございます。從つて、重要物資統制合によりまするところの物資の統制、そういつた問題に關聯しましては、安本で基本計餐を立てる場合におきまして、或いはその実施面に當りまして、よく民意を反映させるところの一つの方法というものを考えておるのでございますから、これらの運用によつて十分各方面の御意見なり或いはお考をそこに反映させて參ることはできるだろうと私は信じておる次第でございます。 尚臨時農業生産調整法の問題てございますが、これは我々の考え方からすれば、今までの供出制度からこれはあまりにも一方的であつたというような考が從來からありまするので、でき得るならば農民の創意工夫を供出制度の方に織り込みたい。こういう考の下に出ておるのでございます。從いまして運營につきましては、すでに御承知の通り農業調整委員會と水産調整委員會、そういつたものがありますので、これらの運營によつて、十分に地方の事情をそれらの委員會に反映して參ることができると思います。 それらの考がありまするので、この公團という方式によつてやることが、現在の段階としましては、從來よりは比較的適正に行く部面も相當あるだろうと思います。又公團方式によらなければならんという實際論の問題につきましては、獨占禁止法その他の關係、經濟全般の制度とも關聯して、かような制度を執らなければならんというような事情があるのでございます。 尚第二の問題の食糧の集荷の方面でございますが、これはこの法律そのものには詳しく書いてありませんけれども、他の法令と他の施行令、政令、或いは規則の方面で以てこの點を十分裏附けて參りたいと思うのでございます。
○板野勝次君 只今次官の説明では民意の尊重ということを強調されたようで、この點は同感でございますが、民意の尊重ということは同感であつても、この法文の中に民意の尊重をなし得るところの形態がなければ一片の抽象的なお世辭に終つてしまうのではないかと思うのです。 運營の問題として廣く人を集めて行き、更に諮問委員會等が作られるというのであるならば、この改正案の中にそのごとき機構を以て、そうして民意の尊重を具體的に示して行くということが私は最も大切ではないかと思う。ところがこの條項をこの改正案の中のどこにも見出すことができない。それでは民意の尊重が果して實踐され得るか、他の方法によつてやられても、何時その尊重が阻まれるかということが約束されていないので、只今の民意尊重の御意見ならば、そのどこかに民意の尊重をなし得るところの機構を具體的に現わして貰いたい。この點が一つ、それから民意尊重の一つとして諮問委員會等ができれば成るほど結構なようでございますが、併しそれは諮問機關として、お座なりに尋ねられたことに對して答申するのではなく、眞の意味で人民全體が一つの法律的に規定された機構として出て行つて、そうして人民全體の意思を代表して、その是非について問題が決定される。そういう責任を民間側から出て行つた者が持たなければ、なんにもならないと思うのです。從つて第一の問題に次ぐ第二の問題としては、この諮問委員會等のことではうまく行かないと思う。從つて本文の中に盛る際に、もつと何と申しまするか、例えば農民の組織、これは食糧の供出をしておる立前から見ても、耕作農民の代表者が出て行き、更に都市の勞働者の意見が反映されて行くと共に、一般の市民生活、この消費者の生活の立場から、この三つの部面から代表者が出た。政府が行うところの食糧の計餐配給等の問題について十分管理するところの形態が必要じやないか。これに對する見解を承つて置きたいと思う。
○政府委員(笹山茂太郎君) 民意を行政に反映させる手段でございますが、これは私は諮問機關で十分だろうと思います。諮問機關の運營の問題でございますが、これはお座なりというようなお話がありましたが、これは運營の仕方でございまして、この諮問機關が本來の使命を果すべき十分な活用をするように運營が行きますれば、それで十分民意の反映ができるだろうと思います。尚行政面全體に亙つて、その生産者の代表とか、或いは消費者の代表、それらが全部行政の責任者になるというような形態の下では、これは許されないことだろうと思います。
○板野勝次君 私などが今囘提案されておるところの四つの公團を審議するのについては、すでに實施されておるところの飼料公團の成績がどうであるかということをお伺いした上で、檢討した方がいいと思うのでありますから、飼料公團に對する成績を御説明をお願いしたいと思うのであります。 私の知り得た範圓内においては、飼料公團になつたために、職員が數倍、手數料が數倍になり、且その取扱が非常に澁滞して、農家が困つておるというような状況であるのでありますが、これは私の調査が間違いであつて、政府當局の調査ではそれと反對になつておるのであるかどうか、お伺いしたいと思うのであります。 次には食糧公團の方は存立時期が二十四年三月三十一日まで、殘りの公團は二十三年の三月三十一日までとなつておりますが、こういうような短期間の公團を年々作つて、果して經營できるのであるかどうか、食糧品、飼料、衣料の公團は設立の手續を濟ましたならば、直ちに解散しなくちやできない。又これに採用されるところの役職員は、すべて從來關係しておるところの方面から手を引かなくちやできない。こういうふうなのに果して適當な人が得られるというお考であるかどうか、お伺いしたいと思うのであります。
○政府委員(笹山茂太郎君) 飼料公團の實績につきましては、數字的な資料は只今持合せておりませんですが、私としましては、只今までいろいろ飼料公團の運營について、實は注意を拂つて來たのでございますが、お話のごとく職員が倍になつておるということは、從來の飼料統制會社時代の或いは職員だけについてはさようなこともいえるかと思うのでございまするけれども、飼料公團の運營の實際は從來の飼料統制會社のやつておつた仕事の外に、從來の縣農業會、その他の會の農業團體が行なつておつたような仕事も含めて、實際擔當しておるような状況でございます。從いまして縣農業會の段階までの仕事をこの飼料公團が行うということになりまするというと、從來の會社時代の人よりは、當然數が餘計要するのでございまして、それらの關係から若干の増員があつたわけでございます。又手數料等につきましては、實はこれは肥料公團が取扱うようになつてから肥料の値段が相當の値上がありました。さような關係があつたかと思うのでございますが、實質的にパーセンテージにおいて上つておつたかどうかにつきましては、よく資料を調べましてお答え申上げたいと思うのでございます。尚事務の運營でございますが、これはこの間或る種の肥料を關係方面の御指示によりまして二十四時間内に配給しるというような命令があつたのでございます。私はさような短期間において全國的にそういう緊急な措置がとりうるかどうか、非常に心配したのでございますが、各地からの電報の囘答によりまするというと、大體の點におきましては、二十四時間内にそれらの事務が完了したという報告を聞いたのであります。從いましてこういうような緊急な場合におきまして、短時間に事務が處理し得るという状況にあることを考えますというと、決して事務が澁滯しておるということは考えられないのでございます。勿論輸送その他の關係につきまして、豫定の通りに肥料が入つて來ないというような面から、肥料が農民の手に渡ることが遅かつたということはあるかも知れませんが、それは私共としまして十分注意しておるのでございますが、肥料公團のようになつたからという原因では多分なかろうではないか。こういうふうに考えておるのでございます。 尚公團の存續の期間でございますが注文にあります通り、いずれの公團も極めて短期間でございます。併しながらこれは將來の豫定し得ざるところの状態を基礎にいたしておるのでございまして、今後それらの物資關係につきまして、これらの公團によるところの統制が今後必要であるというような場合におきましては、この存續期間を又國會にお諮りしてその都度改めて參る。まあこういうふうなやり方をして行きたいと思います。公團そのものは決して恆久的なものではありませんで、結局暫定的なものであることは、これはその通りでございますけれども、期間の存續關係につきましては、將來の必要性に應じまして適當に伸縮して參りたい。かように考えております。
○高橋啓君 この公團方式については、前からこの問題を中心として各大臣の説明をとる、或いは他の關係常任委員と連絡をとりまして、この問題に對する檢討は十分やつたのであります。それと同じようにこの農林委員會でも、大體この問題に對しては全く必要がないというような意向が多いのであつて、私共は少くとも民衆を對象として行うこの制度に對して、果して輿論がどうだか、いわゆるこの需要者の方はどうだかというのでその輿論を欲しいと思つておつたのでありますが、たまたま宮城縣におきまして、この方法に對して果して需要者がこれに對して公團方式で行つた方がいいか、その他の方式で行つた方がいいかということの輿論調査をしたところが、委員長までその資料を出してありますが、全部が殆ど反對であつて、而も官吏がこれをやるということにいつては、一人の賛成者もなかつたのであります。先程の御説明によりますと今の機構に對してはどうか知らんけれども、官吏がこの方式によつてやる場合には、最も公平に配給が行われるのだということでありますが、現在の制度でやつておるのが果して不公平にやつておるのかどうか、私共はその資料が欲しいと、こう思うのであります。又この獨占禁止法による關係で、この方法を採らざるを得ないというような説明がございました。果して經濟獨占的な仕事を今の組織にさしておるかどうか、この問題であります。それから今の、人を一人も用いないでは、怒らくこの大きな仕事をできまい。そのときに今の從業員その他の係員を官吏という名前に置き換えて、果してこれが今よりもよりいい効果を得られるかどうか。私はこれを心配いたすのであつて、今ではやはりその仕事にタツチする人は時間が來てもその仕事を終えない中は歸れない。朝早く來て、とに角皆の口に間に合うように送るといつたような、熱意を以てやつておる配給所の有樣を私はそれぞれの巷において見ておるのであるが、これが官吏意識になつた場合に、今そちらこちらにあるように定時間出勤、定時間退廳というような方式でやられたならば、人間はどうなるか、これはもつともつと國民の創意工夫を各面に活かして行きたい。それでなければ能率は擧がらん。そこでこのような、先程板野さんが言われて通りの考より持てないようなこの職種に對して私共は心配いたしておりますが、官吏になつて今よりも能率を擧げて行かれるかどうかということであります。もう一つは期間がないのに、このような大きな、人の生命を預かるような大きな仕事をやるのに、果して一年や二年にこの適材を得られるかどうかということも非常に心配でありまして、お話によればこのような仕事を離れて他の仕事に行こうという有樣、今は或る程度副業をやりつつこの仕事をやつておる人もありますが、そういう人は非常に少額の給與によつてやつておるのだが、これが官吏となつて、官吏の規定に支配された場合に、間に合わないから出て行くということで、多くの體驗、經驗者を失う。こういうことも心配であります。もう一つお伺いいたしたいのは、實は炭のプール制によつて私は知つておるのであるが、全國一本でやつたがために、この生産意慾を非常に減じたのであります。そこでこれは各地區の獨立採算制をとつてそれぞれ働く人に慾を有たせるといつたようなことについてお考があるかどうか、この點にいつてお伺いしたいと思すのであります。
○政府委員(笹山茂太郎君) 官吏に置き換えてうまく行くかどうかというお尋ねでございますが、これは官吏と言いましても、實際に配給所におりまする方はこれは一つの現業員でございまして、四時になつたからすぐ歸るというような性質のものではございません。從いましてこの運用につきましては、十分その努力が酬いられるような待遇方法を講じまして、そうして家庭の方に御迷惑をかけて行かないというようなことでなければなかんと思つております。それらの運用につきましては、普通の官吏と全然同じように考えて行くというわけには參りませんで、それらに即したようにやはり待遇なり身分というものを考えて行かなければならんというように思うのであります。なかなかかような際に適材が得られないという點の御心配。これは御尤もだろうと思うのでございます。私共としましても、できるだけ從來の待遇を尊重しまして、そうしてこの公團運營について皆さんの御協力をお願いするように努めて參りたいと思うのであります。それらに關聯しまして、待遇の問題がやはり關聯して來るのでありますが、先程申上げたように十分これらの人が働き得るように、一つ待遇の點について考えて行きたい。尚プール制の問題から各地の採算獨立制というものをとつたらどうかというようなお尋ねでありましたが、これは全國的な一つの公團でございまするので、又それらの採算關係につきましても、それぞれの地方におきまして、獨立な關係を取ることは、ものによつてはよい場合もあるけれども、大部分につきましては相當困るのではないかと思つております。この公團を全國的に設ける所以の一つも、業務全體を全國プールにおいて經營するということの一つの意圖もあるのでございますので、ただ地方の人たちが働く場合におきまして、十分働き得るという環境を作ることは、これは十分考えて行かなければならんと思います。さような考でございまして、今直ちに各地に獨立採算制を採るというようなことは、これは私共としてできかねる問題でございます。
○理事(木下源吾君) ちよつと御報告します。今鑛工業委員會で速記が必要でありますので、これで散會することにいたします。 午後二時三十二分散會 出席者は左の通り。 委員長 楠見 義男君 理事 木下 源吾君 高橋 啓君 委員 太田 敏兄君 門田 定藏君 羽生 三七君 北村 一男君 西山 龜七君 平沼彌太郎君 岩木 哲夫君 木檜三四郎君 小杉 繁安君 佐々木鹿藏君 竹中 七郎君 石川 準吉君 宇都宮 登君 岡村文四郎君 島村 軍次君 寺尾 博君 徳川 宗敬君 藤野 繁雄君 松村眞一郎君 山崎 恒君 板野 勝次君 政府委員 農 林 次 官 笹山茂太郎君 農林事務官 (食糧管理局長 官) 片柳 眞吉君