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1回国会参議院1947/12/05

農林委員会 第37号

発言数
9
登壇者
6
会派数
4
開催日
1947/12/05

会議録

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) それではこれから委員會を開會いたします。  本日は昨日、本委員會に豫備審査として付託になりました、食糧管理法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を政務次官より聽くことにいたします。

井上良次日本社会党農林政務次官

○政府委員(井上良次君) それではこれから、食糧管理法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。  今次改正案の骨子は、從來の主要食糧に關する統制機關である地方食糧營團、日本甘藷馬鈴薯株式會社及び日本澱粉株式會社の解體と食糧配給公團の新たなる設立であります。元來主要食糧につきましては、その需要と供給とが著しく均衡を缺いていること及び連合國軍最高司令部の厚意に基き輸入食糧の放出により辛うじて不足を補いつつあることにつきましては、今更こと新らしく申上げるまでもなく、諸君の充分御承知の點であらうと存じます。このような條件の下におきまして、主要食糧の公正にして且つ迅速な配給を確保いたしますためには、特別の配給機關による特別の配給操作を必要とするのであります。即ち主要食糧の品目が特に最近甚だしく難多になつて參りましたこと、配給が非常に小刻みになつて來ていること等のいわゆる配給上の惡條件を克服して、公正なる綜合配給の確保、闇、横流し等の不正の排除、配給情況の迅速且つ把握等を障害なく遂行いたしますためには、非常に強力な國家的統制を行う以外に方法はないと考えられるのであります。この意味におきまして、現在政府自ら主要食糧の買入、賣却、輸送等の業務を營むと同時に配給機關としての地方食糧営團、藷類及び澱粉のそれぞれの取扱機關である日本甘藷馬鈴薯株式會社及び日本澱粉株式會社の三者がおのおのの分野におきまして、一元的買取販賣を行つて參つたのでありまして、政府即ち食糧管理特別會計竝びにこれら統制機關を通じての強力な國家統制によつて、主要食糧の配給が確保されて參つたと申すも決して過言でないと存ずるのであります。  しかしながら、これらの統制機關は、その資本も構成もすべて私的な民間團體であり、このような團體に國家的な統制權能を賦興いたしますことは、去る四月に改正された臨時物資需給調整法、七月二十日施行を見ましたいわゆる濁占禁止法等に見られる日本經濟の民主的再建えの一連の指向と相容れぬものであることは、否定しうべくもありません。即ちこの線に沿つて現在考えられる統制方式といたしましては、國家機關即ち公團による方式といわゆる切符制度のみであり、從來の民間統制團體による統制方式は、近く全面的に切替えて完全なる自由取引とするか、又は右のいずれかの統制方式によらなければならない事態に立至つているのであります。しかして、極めて窮迫した需給事情にある主要食糧について完全なる自由取引をすることは、到底考えられないことであり、又切符制度を採用いたしますことは、徒らに混亂を招來する虞があります。それ故に我々は、ここに現在の統制機關を解體せしめると同時に、新たに食糧配給公團を設立いたし、これらの統制權能をすべて新設の公團に吸收し、食糧堀理特別會計及び食糧配給公團という二つの政府機關が相俟つて強力な統制により、從來にもまして主要食糧の圓滑且つ公正なる配給を期したいと存ずるのであります。  新たに設立いたします公團の性格につきましては、前議會において御承認を得ました石油、石炭、貿易等の諸公團、或いは又本國會に既に提出され、目下御檢討を經ております食料品、油糧等の諸公團と殆ど同一でございますので、ここに新らしく申述べることは避けさせて頂きたいと存じます。ただ食糧配給公團が他の諸公團と異る點、即ち、食糧配給公團の特異な點につきまして、一、二申述べたいと存じます。  その第一は、食糧配給公團につきましては、消費者と直結して配給を行うことであります。油糧、食料品等の諸公團は、末端配給機關を持たず、これについてはいわゆる登録制度により公團が指定いたすこととなつておるのですが、食糧配給公團につきましては食糧營團の末端配給の機能を吸收し、消費者に對する配給業務を行わしめることとしたのであります。と申しますのは、末端配給機關を切離した場合、いろいろ一般消費者に對し適時に公平なる配給を確保するためには、現在よりも遥かに厖大な操作食糧を必要とするに至るものと考えられるのでありますが、このようなことは、現下の食糧事情下においては到底なし得る所ではないのであります、更に又、現實の問題といたしましても、末端の切離しは、種々の面において混亂を生せしめることが豫想せられるのであります。  第二點といたしまして、食糧配給公團につきましては、他の公團と異り都道府縣知事に必要なる權限を賦與し、その範圍内において、公團の都道府縣支部に對する指示權を認めることといたしました。即ち、主要食糧の配給の確保ということは、勿論中央政府の責任において、これを行うべきものではありますが、都道府縣内の主要食糧の配給が地方の治安、その他地方行政に最も重要なる關係をゆうする問題であることに鑑み、都道府縣知事が配給實施機關である食糧配給公團の都道府縣支部に對する指示をなしうる道を開いた次第であります。以上申述べました所は食糧配給公團の設立につきましての説明でございますが、今次の食糧管理法改正案におきましては、その外現行法中現状に即しない部分をもこの際改正いたしたいと存ずるのであります。  即ち、地主の小作米供出に關する規定を削除した點、藷類及び雜穀の供出割當に關する根據を米麥の場合と同一にした點、その他これらに伴つて法文の整理をいたしたのであります。  以上食糧配給公團の設立を中心とする食糧管理法の一部を改正する法律案の提案理由を申上げましたが會期切迫の折からでもありますが、何率速かに御審議の上可決せられますよう希望いたす次第であります。

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) 都合によりまして、暫らく休憩いたします。    午後二時六分休憩    —————・—————    午後三時六分開會

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) それでは休憩前に引續いて、只今から委員會を再開いたします。自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案及び農地調整法の一部を改正する法律案につきましては、大體豫備審査の際におきまして質疑も終了いたしておりまするし、本日衆議院の方から正式に囘付されましたので、これからこの兩案を議題に供しまして、討論採決に入りたいと存じます。先ず最初に討論に入りたいと存じます。

板野勝次日本共産党

○板野勝次君 この二つの改正案は何れも農地改革の不徹底な改正案でありまして、社會黨が選擧の際に公約しましたところの第三次農地改革といわれておる土地問題の民主的ないろいろな要求さえもが、全く徹底されていないのであります。ただこの改正案が新たに牧野の開放と薪炭林、採草地、放牧地の使用權の保護の原則を確立いたしました點は、一つの進歩には違いないのでありますが、その他の點につきましては、現行法實施上の不備、或いは他の法律の改正に伴いまして生じましたところの必要に基く事務的な改正に過ぎないものであります。  私は日本共産黨を代表しまして、かような不徹底な改正案によつて、農地改革徹底化の民主的な要求とすり換えますところの現在の官僚政府の企圖に、反對せざるを得ないのであります。第二次農地改革におきましては、封建的な土地所有の開放が目標でありまして、從つて不在地主の土地は全部買收することになつたのでありまするが、然るに在村地主については一町歩、北海道は四町歩の所有を認めまして、依然として封建的土地所有制を根絶しなかつたのであります。これは如何なる意圖に基くのでありましようか、このことは農林省當局もその據りどころを明らかにしていないのであります。一町歩の耕地の小作料では在村地主と雖もこれによつて生活を維持して行けないことは明らかでありまするし、そのことはこの委員會におきましてもしばしば質疑の題材となつたところであります。この在村地主の存在こそ誠に怪げな存在であるといわなければならないのでありまして、まだ六十町歩も小作地が殘つておるのでありまして、この一町歩の地主の存在は、將來の土地所有の基盤を殘すものであり、現に封建的反動勢力の根強い地盤となつており、地主の反動攻勢の據りどころとなつておるのであります。而も殘されました小作地は耕作權を確立することなく、市町村農地委員會の承認がありますれば、何時でも取上げることができるという拔け道が作られておるのでありまして、極めて不安定のものであります。而も地主が土地取上げを農地委員會をして承認せしめ得るところの政治勢力を持つておるのでありまして、これは普遍的な状態だと申しましても過言でないのでありまして、「自作を適當とする」場合が何時でも、現に横行しておるのであります。これは明らかに地主が自作農化することを認めて、耕作權を不安定なものとしておるのであります。農林省農地部の調査の我々に提出されました參考資料によりますると、終戰後一ヶ年間におきます地主の土地取上げ事件は約二十五萬件を超えるものと推定されると示しておりまするし、終戰後第二年目におきましても、第一年目に劣らない數字を示しておるということが書かれて、昭和二十一年八月十五日から二十二年の五月三十一日までに、大凡そ二十萬件を超え、その中地主の要求の一部又は全部が通つたものは約七萬件であるものと見積られると發表しておるのであります。そしてこの參考資料は更に次のように書いております。農地調整法の改正によつて、昭和二十一年十一月二十三日以後は、土地取上げの要求は、すべて農地委員會を通じて知事の許可を得なければ合法的にはできぬこととなつておるのであるが、上記の二十萬件を超える土地取上げ要求件數の中には、この許可申請手續をしたものが約四萬件含まれており、中一萬五千件が許可濟みである、二月以後の土地取上げは約三萬件と推定されるから、結局二月以後の土地返還の中、約半數が知事の許可を受けない非合法的な土地取上げであるということになると發表しておるのであります。この點からいたしまして、改正農地調整法は農地開放に役立つよりも、土地取上法と化してしまつたのであります。又自作地主の所有地は原則として制限していないのでありまして、これは地主が作男などを使用して、農奴的な、封建的搾取を本にして大經營を行なうことを點認する結果となつております。從つて今囘の改正を機會に、こうした土地制度改革の不徹底な點を改正しまして、農民を眞の意味において解放し、日本の民主化を徹底させる基礎を搖ぎなきものにいたしますれば、從つて勞働者その他一般勤勞大衆を、今尚殘つておる封建的な束縛から解放し、日本の民主化が前進し、日本農業の再建も可能なる基礎條件を作ることができると存ずるのでございます。そこで在村地主所有一町歩を認めないで、全小作地を開放し、自作地にも或る制限を設けまして、その實施も昭和二十年九月二日降伏調印の日に遡及する必要があるのであります。何故なれば、現行法によりますと、敗戰後一ヶ年年間に二十五萬件に達する土地取上げを大部分容認して、正當化しておるからであります。  次に土地の買上價格の額の問題でありまするが、これはいろいろこの委員會においても問題になつた點でありまするけれども、今はそれを問わないといたしまして、買收面積が一定面積を超える場合の報償金は、當然全廢さるべきものだと思うのであります。日本の耕作農民は長い間寄生地主的な土地所有制のために、言語にも絶する暴政と壓迫に苦しめられ續けて來たのでありまして、地主はただ土地所有の名義を持つておるだけで、小作人が生産した汗の結晶でありまするところの收穫物の半分以上も現物で取上げていたのであります。從つて農業利潤の發生の餘地が全くなかつたばかりか、むしろ小作料が勞賃部分にも食い込んでおるのであります。この比類を見なかつた高い小作料は、又反面では地價を吊上げ、經營を擴大して大きな經營主となるよりは、地主となつて土地を貸付けていた方が有利であり、このために我が國の農業は資本主義的な發展が阻まれて來ていたのであります。この苛斂誅求を續けて來、今日まで日本農業の發展を阻害して來ました寄生的であつたところの地主が、土地を或る一定限度以上持つておるという理由から、その買收に當りまして特別の報償金を出して特に優遇する必要は斷じてないと思うのでありまして、この改正を機會に報償金は全廢することを主張するのであります。更に農調法の改正案でも、小作調停に關する事項は、すでに私が質疑の際にも申した通り、土地取上げに惡用された從來までの事實に照して見ましても、當然廢止されなければならないものでありまするし、小作調停法も亦これに關聯してこの際廢止すべきであると存ずるのでございます。  小作料は今囘の農調法改正案におきまして、金納制を完金に確乎として確立しましたことは一歩の前進でございまするが、小作料率が、田にありては二割五分、畑にありては一割五分を超えることを得ざる規定はそのままとなつておるのでございまして、我が國の大多數の地主が、從來無爲徒食、農業の發達に寄與するところ少なく、祖先よりの田畑を繼承して、搾取を擅まにして來たので、その人達の利益を代表する人々には、或いは御理解できないかも知れないのでございまするが、他の企業利潤等から考えましても、低率にすることは當然でございまして、この改正を機會に、田畑共に一割に減額するのは當然であると思います。  それから農地委員會の構成でありまするが、先にも引用しました農政局農地部發行の参考資料によります市町村農地委員會の會長の階層區分によりますると、昭和二十二年八月末現在、小作が二千八百十五人で、全體の二五・八%、地主が四千百十四人で、全體の三七・九%、自作が三千七百五十三人で、三四・三%、中立が百十四人で二%となつておる點よりいたしましても、農村の地主勢力が今尚強く農村に根を張つて、土地改革を地主の側に有利に導きつつあることを雄辯に物語つておるのであります。この地主の勢力を排除するためにも、市町村農地委員及び都道府縣農地委員の構成を變更いたしますると共に、昭和二十年九月二日以降の土地取上げを原則として無效とする必要があると存ずるのでございます。  以上のような諸原則の附加によりまするところの修正を主張するのでありまするが、これは我が國の民主革命の完を成妨げ農民の生活と農業の發展を壓迫している封建的な殘存物を農村から後を絶つて、以て陰慘な農村を明るい農村に一變し、眞に日本經濟を破滅より救い、民主的日本を建設する礎石を築くための主張に外ならないのであります。而も我が黨が提案いたしまする改正案に對しまする修正案は、最小限度必要なもののみを提出することに止めたのでありまして、左にその修正案の要點を申上げたいと存じます。  先ず最初に自作農創設特別措置法改正案の修正案でございまするが、第三條に全面的に修正いたしまして、第三條は、農地所有者が所有する小作地は、政府がこれを買收する、前項の農地の外左に揚げる農地で都道府縣農地委員會、又は市町村農地委員會が命令の定むるところにより、政府において買收することを相當と認めたものは、政府がこれを買收する。 一、自作地で、その者の營む耕作の業務が適正でないものの所有する自作地面積が、北海道にあつては十二町歩、都道府縣にあつては中央農地委員會が都道府縣別に定める面積を超える場合、當該面積を超える面積の自作地、 二、自作地で當該自作地についての自作農以外の者が請負その他の契約に基き耕作の業務の目的に供しているもの、 三、法人その他の團體でその營む耕作の業務が適正でないものの所有する小作地、 四、法人その他の團體の所有する小作地、 五、農地で所有權その他の權限に基き、これを耕作することのできる者が現に耕作の目作に供していないもの 六、前各號に揚げるものを除く外、農地でその所有者が市町村農地委員會に對し政府において買收すべき旨を申し出たもの、  前項第一號の都府縣別の面積は、概ね三町歩になるようにこれを定めなければならない。  それから第十三條第三項乃至第五項は地主への報償金を全廢するためにこれを削除する。  第四十八條後段を削除いたします。  附則第二項を削るとなつておりますのを、その附則の第二項を生かしまして、この第二項中の「相當と認められるときは」というのを削りまして、「昭和二十年十一月二十三日」を「昭和二十年九月二日」に、「定めることができる」を「定めなければならない」に改めたいと思うのでございます。  次に農地調整法の改正案の修正でございますが、第九條の六を削る。第九條の八第三項但書の「田ニ在リテハ二割五分、畑ニ在リテハ一割五分」を「田畑トモニ一割」に改める。  第十條乃至第十四條を削る。  第十五條の二第三項第二號中「耕作ノ業務ヲ營マザル者又ハ」を削り、第六項中「五人」を「七人」に、「三人を「一人」に改める。  第十五條の十五第二項中「都道府縣知事」を「委員ニ於テ互選シ其ノ選ニ當リタル者」に改める。  第十五條の十六但書中「五人」とあるは「六人」、「七人」とあるは「十四人」、「一人」とあるは「二人」に改める。  附則として昭和二十年九月二日以後の農地の賃貸借の解除若しくは解約には更新の拒絶はこれを無效とする。但し市町村農地委員會が省令の定めるところにより再審議した結果、眞にやむを得ない理由があると認めるときはこの限りではない。  小作調停法はこれを廢止する。  以上の修正案を提出したいと存じます。

藤野繁雄緑風会

○藤野繁雄君 農地調整法及び自作農創設特別措置法案の改正案に對しましては、衆議院の修正通りに可決することに贊成する者であります。ただ本法の實施に對しましては、特に次に申上げるような諸點について政府當局の反省と善處方を要望する者であります。  農地改革は農村民主化の基本方策として農業生産力を高め、農民の社會的、經濟的、竝びに文化的地位を向上するために、これを斷行すべきものであることは何人も異論がないところでありまして、それはいわば民主的農村建設の土臺であり、前提であるのであります。從いまして新らしい農村の建設と發展は實に農地改革ができるか否かにかかつておるのでありますが、實情を見まするに、改革の意義の不徹底、施策の拙劣、事務の澁滯等の理由によりまして、必ずしも豫定通りには進捗していないのであります。特に小作、地主の對立、地主の非協力的態度等がいろいろの物議を釀しておるのは、遺憾に堪えないのであります。地主をして農地改革に協力せしむるか、或いは叛逆の方向をとらしむるかは、農地改革の成否、延いては新しい農村建設の成否の分るる重大問題でありまるから、農地改革の眞意を徹底し、改革の犠牲者たる地主が十分納得して、これに協力するような具體的方策を政府において講ずることが肝要であります。現在のごとく地主に對して不當の無慈悲、冷酷な取扱が繼續されるならば、改革への叛逆と怨嗟を起しまして、將來明るい民主農村發展に禍根を殘す虞れがあると心配しておるのであります。そこで私は第一に農地改革の目的は、封建的地主制度の打破が主體であつて、個人たる地主への制裁でないことを鮮明にし、地主に對する行き過ぎを是正するところの方策をとらなくちやいけないことであります。第二は地主が轉業するか自作をするか、いずれかによつて生活し得るような適當な方法を、講じてやらなくちやいけないのであります。第三には政府が農地改革決定後買收までに長い期間を要したために地主の負擔が過重となつたのでありますから、適當の處置を講じてこれを輕減して行かなくちやならないのであります。その方法といたしましては、諸物價が引上げられたのでありますから、これと均衡ができるような程度まで田畑の買收價格を引上げなくちやならないのであります。又田畑の買收價格は現在においては四千圓と千圓以下の端數ということになつておるのでありますが、これを決定した時期と現在の物價とは相當差があることは御承知の通りであるのでありますから、その現金拂いの限度を或る程度引上げなくちやならないと思うのであります。それから農地證券を擔保として金融の便を與えることと、農地證券が出るまでは、適當の方法によつて農地を擔保に、金融の方法を講じてやらなくちやならないのであります。又小作料も、すべての物價が騰つておるのでありますから、或る程度引上げはやらなくちやならないのであります。第四は農地改革事務の促進を圓るために積極的な措置を講ずることであります。その方法といたしましては、最末端の農地委員會の書記を優遇してできるだけこれに全馬力をかけて、農地改革が一日でも早くできるようにしてやることであります。又買收の計餐ができたのであつたならば、その買收計餐ができたところの土地をできるだけ速かに移轉の登記を濟まして、完全に所在權を移轉させることであります。又農地證券の發行が遅れておるのでありますから、これをできるだけ早く濟ます。こういうふうなためにいろいろの促進方法を講じなくてはならないと思うのであります。  最後に折角でき上つたところの自作農といえども、經濟界の變動において轉落する虞れがあるのでありますから、政府としては將來こういうふうな、折角作つたところの自作農の絶對的に轉落しないところの方法を今から十分考えて、その方策を講じなくちやならないと思うのであります。

木檜三四郎民主党

○木檜三四郎君 只今御審議になつております中で、農地調整法の第九條の二で、但書の除外が、これを削除するというのが原案であります。つまり「小作料ハ金錢以外ノ物ヲ以テ又ハ金錢以外ノ物ヲ基準トシテ之ヲ契約シ、支拂ヒ又ハ受領スルコトヲ得ズ」。こういふ規定がありますが、その除外例として、但し止むを得ざる場合はこれを許すという規定があるわけであります。理事者に聞いてみますと、岩手縣の方面に一つこういう除外例をやる所があると、こういう説明でございます、けれども全國を通じてみますというと、まだ舊慣に囚われて、この除外例に當るべきものがございます。つまり法律は實際に臨みますというと、人民を處罰するのが目的ではないのですから、そこで行政上の實際に觸れた場合の抜け道として、この但書ができておるのであります。こういうものまでも、無理にこの際削つてしまうということは、實際政治に當る者にとつて最も不適當なことであると私は思う。つまり法は國民を處罰することのみが目的ではない。この法の實行をするためには、止むを得ずこういう除外もあるという場合は、この但書によつて抜け道で許してやる。成るべくこの法の精神を實行させることは結構だが、全國を通じて、獨り岩手縣のみではありません。私共の知つている者にも、山間部にはこの除外例に當るべき者がございます。こういうものを矢鱈に政府自らこれを取り除いて、若しこの規準に背く者は處罰すると、こういうことにするのは、やはり行政上の實際に處する途でないと思う。それですから前の原案通りこれを削るということをお止めなさつた方が私はよかろうと思う。かような意味におきまして、この但書を削ることだけは前の原案通りに復活して、政府案の削除ということは、行政上の實際に觸れて甚だよくないことであるから、これは改正は止めて、舊法通りにいたしたいと、こういう意見を提出いたします。

佐々木鹿藏民主党

○佐々木鹿藏君 私も木檜委員の意見と同様第九條の除外例を認めることに贊意を表します。

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) では只今から懇談會に入りますから、一應これで散會いたします。    午後三時三十九分散會  出席者は左の通り    委員長     楠見 義男君    理事            木下 源吾君            高橋  啓君    委員            門田 定藏君            羽生 三七君            北村 一男君            柴田 政次君            西山 龜七君            平沼彌太郎君            木檜三四郎君            小杉 繁安君            佐々木鹿藏君            竹中 七郎君            石川 準吉君            宇都宮 登君            岡村文四郎君            島村 軍次君            寺尾  博君            藤野 繁雄君            松村眞一郎君            山崎  恒君            板野 勝次君   政府委員    農林政務次官  井上 良次君    農林事務官    (農政局長)  山添 利作君

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