農林委員会 第36号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1947/12/04
会議録
○委員長(楠見義男君) それでは只今より農林委員会を開会いたします。 本日は飼料配給公團法につきまして提案の理由を伺うことにいたします。尚提案理由を伺つたあとで、昨日公團法案につきまして委員長がGHQに参りまして交渉いたした経過を御報告申上げたいと存じます。御了承願いたいと存じます。
○政府委員(井上良次君) それでは只今から飼料配給公團法案の提案の理由を御説明申上げます。 畜産の基礎である飼料については、昭和十三年以來、飼料配給統制法に基く一元的な集荷配給機関である日本飼料株式会社の運営によつて統制して來たのでありますが、最近における飼料の需給状況は、相当窮迫しておるのであります。昭和二十二年の需給状況の推算を申上げますと、需要三百二万トンに対し、供給は百四十八万トン程度にしか見積りは得ない状況でありまして、差引程百五十四万トン以上の大幅の供給不足が存在すると推定せられるのであります。このような供給減少の理由は、昭和十四年において百七万トンの輸入があつたものが、昭和二十一年度においては輸入食糧、副産物を加えても僅かに四万トンに止まつたこと及び國内食糧管理の強化並びに飼料資源の食糧轉用等を挙げることができるのであります。このような事情のために、家畜の能力は低下し、家畜の数は減退して、ために農業生産力の低下は固より、牛乳の生産は減退し、食糧の供出にも惡影響を及ぼし、輸送にも重大なる影響を與える等、極める廣汎深刻な影響を國民経済に及ぼしておるのであります。かかる飼料不足に対処いたしましては、先ず農業生産の増大の見地から、畜産を採り入れた農業経営の合理化の方途及び範囲を確立し、その結果農業経営の輪作化、適当な飼料作物の栽培による耕地利用の合理的増進を図ると共に、國内飼料資源を合理的且つ徹底的に活用することが第一義でありますが、その他農場副産物の利用増加、草その他山林牧野の未利用資源の利用促進を図る等、自給飼料の確保を期したいと考えております。併し當面の不足を補うために必要な飼料の輸入懇請については、特に政府としても固より努力をいたしておる次第であります。このような飼料需給の事情の下に、この少い飼料資源を重点的且つ合理的に活用して、乳牛飼料、輓牛馬飼料、種畜種禽飼料、その他配給飼料に依存する家畜家禽に飼料を配給することは、畜産の維持発展を図る上からは勿論、國民経済上重要なる農業生産力の向上、牛乳の確保、輸送の確保、及び食糧の統制自体のためにも必要であるのであります。然るに飼料資源の現状においては、この重点的配給を行うためには、集荷配給を自由に放任することなく、何らかの機関において強力に遂行する必要があるのであります。從來はこの機能を飼料配給統制法に基き日本飼料株式会社が行なつていたのでありますが、獨占禁止法の精神により、この種の機能は民間会社でこれを行うことができなくなつたのであります。而も飼料需給の現状では、ここに述べますように、これを放任することができないのでありまして、この操作も公團形式によつて政府みずからの責任において遂行することが適当であると考えるに到つたのであります。 これを並行していわゆる切府制によつて飼料の配給を行うのでありますが、御承知の通り、飼料は、総量が少い上に、非常に種々雜多でありまして、食糧加工製造の副産物も多いので、飼料として生産が計画的に行われないので、切府制度のみでは統制し難く、又種類が多い飼料資源の栄養價値は、物によつて相当開きがあるので、成るべく完全な栄養價値のあるものを供給するために、いわゆる配合飼料の形で配給することが必要でありますが、このためにも一手に集荷配給する機関がないと、この操作がうまくやれないのであります。 その他需給の機動性を持たせるためには、或る程度の予備貯藏をなし得ることが必要であり、又飼料輸送の円滑、生産配給の徹底、飼料價格の安定等のためにも、公團形式による把握を適当と考えるのであります。 以上のような考えで飼料配給公團を設立することを考慮したのでありますが、飼料配給公團は、大体他の公團と大同小巽であります。 政府は、この公團設立によつて、飼料の重点配給を確保し、農業生産力の向上、牛乳の確保、輸途の円滑、食糧統制の確保等を図りたい所存であります。 本法案は、以上のような理由によつて上程するのでありますが、何卒御審議の上速かに御協賛あらんことをお願いをいたします。
○委員長(楠見義男君) ちよつとこの際木下さんから政務次官に對して緊急の質問がございますので、それを許可します。
○木下源吾君 この際一つ承わつて置いて、我々委員会として何らかの処置を講じなければならんと考えておるのでありまするが、それは御案内の通り、過般の水害によつて、非常に被害方面では困難をしておる。從つて國に向つて補助或いは融資を要望しておつたのであります。農林当局においても、被害地を調査し、その査定の結果、相当の額を要するものとして認めておるわけであります。その結果として査定額が一應纏まつておつて、それに對する補助又は融資等を、農林当局は極めて熱心に計上するために努力をせられておつたのでありますが、今日の実情に見まするというと、最初の復旧費に対して一割程度も行つておらんというような実情にあるのであります。そうして又、最初農林当局から地方に明示しました額が、地方においてはそれを現金化することができないで、逆に復旧の仕事は、地方民の異常なる努力によつて着々進行しておる。にも拘わらず、これが跡始末に非常に困窮しておるという実情であります。それは私から申上げるまでもなく、地方から頻々として農林省又は國会に対して陳情等が参つておる、この実情でも明瞭であるし、地方民の困窮の実情も、今日では忍び難いものがあると考えられるのであります。 これは、要するに、食糧増産がこういうことでは停滯するのではないか、こういうことを憂うるのであります。農林当局がこれに対して、食糧の増産上、將又我が日本再建の上において遺憾がないと考えておらるるか。非常に遺憾であるけれども、國費の多端の上において止むを得ない、これは後廻しにしても止むを得ないと考えておるのであるか。御案内の通り、昨今政府においては、政府職員に對する給與の問題、又は教育上の重要性に鑑みる六・三制実施に対しても、近く補正予算を提出せられるようになつておるのであります。かたがた併しながら食糧は一切の根本でなければならないのであつて、固よりその見地から農林当局が非常な努力を拂つておられるとき、私は今日農林省において專任の農林大臣が居らないことは、誠に遺憾と考えるものである。併しながら諸種の事情でこれが專任大臣を置くことが遅れておるといたしましても、尚農林当局が全力を擧げて食糧増産のために予算を計上するの責任があると考えるものであります。この点につきまして一つ政務次官に御意見を承り、更にその御意見の要旨によつては、我々農林に関係あるところの議員としてはでき得る限りの努力を政府にいたさなければならない、かように考える次第であります。
○政府委員(井上良次君) 只今水害対策費の問題について熱心なる御質問がございましたが、関係当局として、又特に農産物の被害及び今後の問題についての責任当局として、今御指摘のように、実際思うように予算がとれませんのを全く残念至極と考えております。併しながら我々といたしましては、今お話のありました通り、差当りこの水害地の復旧を急速に実行することが、直ちに明年の食糧増産になることであるし、又河川その他の改修を速かに実行しておきませんと、出水期に再び被害が拡大をして参りますので、この見地からもこの水害復旧費については全力を挙げて交渉を進めております。第一次、第二次、第三次、第四次と、いわゆる國の財政の許す限りといいますか、他の財政の繰り廻しのつく限り、でき得る限り全力を挙げてこれの財源の要求をいたしておりますが、地元関係当局の要望するものから比べますと、全くお話にならんような國庫負担でございまして、これではとても駄目でありますから、更に一層、現在決まつておりますものより更に追加を要求いたすつもりで、今事務当局をして折衝さしております。 尚この年末から來年の春にかけまして、この問題は解決をいたして置きませんと、御承知の通り、東北、關東方面の來年の出水期までに、何とか目鼻のつくような事態に押し進めたいという一つの目途を以ちまして、全力を挙げて参りたいと思いますが、この問題は單に我々農林省所管だけで交渉いたしましても、御承知の通り内務省所管において、或いは又その他の関係所管においてそれぞれ又要求もされておりまして、全体を打つてこれこれという額でいつも押えられて参りまして、農林省の本当に必要とする経費が思うように押えられませんので、これらの点につきましては、是非國会の関係委員会の御協力を願つて、少くとも最少限度我々が必要とする分までは漕ぎつけたい。又漕ぎつけなければならんというつもりでおりますから、今後ともよろしく御協力を願いたいと思います。
○木下源吾君 それで、今日まで地方に一應内諾を與えたところの補助額、それに対して現金化しておる率及び融資を承認といいますか、そのことについての融資の各縣別の額並びに地方各縣における緊急に復旧を要する、年度内の復旧を要するという工事の進捗状況等について、資料を一つ成るべく早く御提出を願い、それに基いて又我々相談いたしまして方途を講じたいとかように考えます。
○政府委員(井上良次君) よろしうございます。只今木下さんの御注意の点は至急に事務当局に作らせまして、提出することにいたします。
○委員長(楠見義男君) 速記の方の都合がございまして、これで速記は他の委員会に割愛したいと思います。御諒承を願いたいと思います。ではこれにて一應散会といたします。 午後一後五十六分散会 出席者は左の通り。 委員長 楠見 義男君 理事 木下 源吾君 高橋 啓君 委員 門田 定藏君 羽生 三七君 北村 一男君 柴田 政次君 西山 龜七君 平沼彌太郎君 岩木 哲夫君 木檜三四郎君 小杉 繁安君 佐々木鹿藏君 石川 準吉君 岡村文四郎君 河井 彌八君 島村 軍次君 寺尾 博君 藤野 繁雄君 松村眞一郎君 山崎 恒君 政府委員 農林政務次官 井上 良次君