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1回国会参議院1947/11/28

農林委員会 第35号

発言数
27
登壇者
6
会派数
3
開催日
1947/11/28

会議録

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) 只今から委員会を開会いたします。最初に議題として國有林野法の一部を改正する法律案を議題に供します。昨日本案は衆議院を通過いたしまして本院に正式に送付されました。從つてこれから正式審議に入る訳でありますが、本案につきましては先般予備審査において一應質疑を終了したのでありますが、更に本日討論、採決に入ります前に、若し御質疑がございますれば御質疑をして戴きまして、なければ直ちに討論、採決に入りたいと思います。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 直ちに討論、採決に入らんことの動議を提出いたします。

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) 御異議ないようでありますから、それでは木下さんの動議に從いまして、これから討論に入りたいと思います。では別に御発議もないようですから、これから採決に入りたいと思います。國有林野法の一部を改正する法律案を議題に供しまして、これより採決に入ります。本案に賛成の方の御起立を願います。

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) 全会一致、從つて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました、それから例の如く多数意見者の署名を戴きます。尚委員長報告も從來の例に從つて御諒承を得たいと思います。宜しくお願いいたします。

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) それでは次に農地関係の農地調整法及び自作農創設特別措置法を議題に供します。昨日に引続きましてこれから質疑に入りたいと思います。尚お断りいたして置きたいことは、衆議院の方で現在この法案は目下馬力をかけてやつておられるようでありまして、当委員会としましては、相当の回数この審議に費やしたのでありますが、尚未だ予備審査でありますので、できれば農政局長は衆議院の方に割愛いたしたいと思いますから、できるだけ要領を纏めて御質疑を願いたいと思います。それからもう一つお断りして置きたいことは速記の関係で、もう暫くいたしますと外の委員会にこれも割愛いたさなければなりませんので、その点も予め御諒承を願いたいと思います。

板野勝次日本共産党

○板野勝次君 昨日は土地の問題に対して多少この農地改革の推進を逆行させるような質問が展開されましたことは、誠に私は遺憾に思うのでありまして、この昨日における委員会がちようど日本の農地改革の推進を妨げておるような縮図であるというような感が窺われたのでございますが、現在土地の取上げはいろいろな形で現われて來て、政府の発表では非常に買收等も順調に進んで行き、農地改革の方向が非常に明朗なように伺つておるのですが、実際はその如き状態ではなくして、頻繁に土地取上げが行われておる。殊に大正十三年にできました小作調停法がこの場合に今尚利用されまして、本來なら農調法に從属せられなければならないものを、土地取上げの場合に小作調停法によつてやる。從つて地主側がその権利を守るために民事訴訟によるところの仮処分等に附して立入り禁止をやるというふうなことが随所に見られるのは誠に遺憾でございまして、現在政府当局はかくの如き方法に対してどういうふうにお考えになつておるか。そして小作調停法が現状の如く惡用され、眞に耕作農民に利益にならない、もう対立的なものになつておりますので、この際小作調停法を廃止する断乎たる意思を持つておられるかどうかという点と、それから土地取上げ問題に対して小作調停法を適用する問題に対してどういうふうに考えられておるか。そして最近の土地取上げの具体的な状態、これはずつと前に農林大臣に土地取上げの件数、その内容等について質問して、或る機会に答えるということでそのままになつておりまするので、その状況をも併せてお知らせ願いたいと思います。

山添利作農林事務官(農政局長)

○政府委員(山添利作君) 裁判所によるところの小作調停が、すべての場合とは申しませんけれども、多くの場合にお述べになりましたような色彩を持つておることは、我々も実は遺憾としておる訳であります。そこで、そのようなことから、又土地取上げの取締等に関しましても、この夏農林、司法、内務次官名を以て注意を喚起したこともあります。我々といたしましては絶えず司法省とは、いわゆる掛合はいたしておるのでありまするが、しかし今の社会情勢からいたしまして、特に又農地改革の影響もありまして、未だに土地取上げという問題はなんら解決を見ておるような段階に行つておりません。そこで建前といたしましてはこの農地に関する紛爭の調停は、農地委員会で処理することを建前としておるのであります。その判断によるべきことは妥当であるという方針は持つておりまするけれども、然らば今の裁判所による所の調停を一挙に廃止するかということになりますと、これはそういう段階ではないと思うのでありまして、一方の農地委員会による所の運営におきましても、一方の裁判所による所の調停を廃止して宜しいという程自信が持てない所もあるわけであります。そこで当面両立で行く。そうして小作調停の方は内容的に改善したい。即ち調停委員になる人の質が相当問題であります。それには理解のある人を調停委員に選んで貰うというように希望をいたしておりますし、又司法省でも実際そういう措置をやつておられる。府縣によりましては非常にうまく行つておる所もあると思います。併し概して申せば今御指摘のような色彩が濃厚であるということは認められると思います。そこで裁判所による所の調停を廃して、農地委員会一本で行くということにつきましては將來の問題として、機の熟する場合に篤と考慮をいたしたい。こういう方針でおります。  それから今の土地返還の状況でございますけれども、只今資料を持つておりません。そこでこれにつきましての最近の資料は、後に取寄せて差上げたいと思つております。そこで、こういうような状況もありますので、今回はこの農地調整法第九條に「合意解約ヲ含ム」ということにいたしまして、そこに今まで合意解約を含むが如く含まざるが如く、又実際の場合におきましては、合意があれば農地委員会へ掛けずに処置をされておる。それが正当なる合意でありますれば、それは無論問題はありませんけれども、合意に名を籍りて眞正なる合意でない場合が相当含まれておるということは、こういうことが十分あると思う。今後はそういう点は十分考慮したいと思います。同時に小作調停におきまして、調停が成立した。即ち小作者の方から同意をいたしたという場合におきましても、それが裁判所における……私は余り裁判所に行つたことがないのですが、想像するのに、ああいう法廷の空氣の中において、何らかの威圧を感じて、調停が成立したというような場合であれば、これは勿論農地委員会において再び審議をなる得るということも、今回の改正でなし得るわけであります。尤もこれは非常に異例の場合だと思います。そういう運用上の点も考えられておるわけであります。何れにいたしましても、この農地改革を廻つて、土地取上げが非常に頻繁に行われておるということは、一方に非常にいいことでありながら、一方に非常に大きな弊害を成しておるわけであります。この点につきましては、取締法規の整備、農地委員会の運用、又一般の自覚、これらの点を徹底いたしまして、事態を改善いたしたいという考えでございます。

板野勝次日本共産党

○板野勝次君 只今の農政局長の説明によりましても、土地取上の非常に違憾な点がある事実は認められたようでありまするが、その場合にまだ小作調停法を置いておかないといけないという、存置の理由が非常に不明瞭だと思うのです。そこで又存置されておることによつて……勿論現在の農地委員会が腐敗堕落の過程にあるということも歴然たる事実でありまするが、同時にそういう農地委員会であるだけに、小作調停法を活用することによつて土地取上を完全に地主の利益の方に廻して行くという、こういう弊害が多分に認められるし、唯小作調停法の一部分を改正して見たところで、その改正は地主擁護に傾いて行く。どうしてもそういう小作人側が不利益になるような法を存置しておけば、それを益々利用して行くという結果になるので、現状の土地返還の状況からして見ても、何らか小作調停法を今直ちに廃止する手続が取れないとするならば、これを使わない。こういうようなことをはつきりと通牒をするというふうな意思がおありかどうかということを重ねてお尋ねしたいのであります。

山添利作農林事務官(農政局長)

○政府委員(山添利作君) そういう通牒を出す意思はございません。制度があればその制度を利用するのは、やはり利用せんとする人がそういう権利を持つておると考えるわけであります。通牒によつてそれの途を塞ぐということは、これはできないことであると思つております。

太田敏兄日本社会党

○太田敏兄君 今の問題ですが、小作調停法によつて、地主の土地取上を裁判上認めた場合に、農地委員会がそれを妥当と認めずと決定した場合には、それはどうなりますか。

山添利作農林事務官(農政局長)

○政府委員(山添利作君) これはその合意が……裁判所における調停が成立すれば、固よりその調停によつて合意が成立したということになるわけであります。併しその成立したる合意なるものが、眞正の合意なりや否や疑わしい。即ち裁判所の空氣に押されて物を言えぬ人もありませう。そういうような場合におきましては、即ち合意の解約と雖も、これは農地委員会において一應承認を受けなければ、この規定の採用によつて、農地委員会においてそれを眞正なる合意にあらずと認めれば、そのような状況に即して又判断をする機会がある。こういうわけであります。

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) 外にございませんか。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 私は質問ではありませんが、ちよつと意見として御参考に申上げたいと思うのでありますが、私多少実際の農地問題に携つて來た一人でありますが、私が一番痛感したことは、こういうことであります。但しこれは純然たる農村、新潟とかその他の純然たる米作事業地帶では多少事情が変つておるかも知れませんが、多少市街地的な形態を取つた町村においては、非常に著しい例であります。それは五反歩か六反歩の土地を廻つて、非常に大きな爭があるわけでありますが、その著しい例として、大体俸給生活者、特に学校の先生であるとか、或いはその他の官公署へ勤めておる人達が、自家用菜園として二三反歩程度を作つておる。併しこれは在村地主でありますから認められております。この問題を廻つて非常に土地爭奪の上に大きな問題が釀されておるのであります。そこで私はこの問題は非常に扱いに困つたのでありますが、日本の食糧事情がこうである以上は、或程度は止むを得ませんけれども、併し日本のように耕地面積が一戸当り八反歩程度というような、狹い農村で、將來は農業による事業的な生活形態が成立つかどうかということについては、非常に大きな疑問がありまするけれども、その程度の面積の中で誠に恐ろしい爭いが起つておるわけであります。新潟のように数十町歩というような所は別でありますが、そこで私はこれは農政局長に申上げたつて始まらないことでありますけれども、ただ意見として申上げるのでありますが、ただ俸給生活者が俸給だけで生活できるという建前が確立されれば、日本におけるこういう市街地的町村における零細な土地爭奪は、殆ど大部分私は解決できるという確信を持つたのであります。これは場合によると、そういう例を見ない所もあるかも知れませんが、私の関係した範囲においては、殆ど大部分はそれであります。そこで私はどうしてもやはり俸給生活者は俸給でやつて行くんだ、農家は農家でやつて行くんだという建前が日本で確立しないと、この紛爭はなかなか解決しないと思います。学校の先生は多くは菜園に困るから、この二段歩は確保しなければならん。それじや教育は一生懸命に当つておるかというと、菜園に勤めるために、教育の方もそうやつておれない。二段歩や三段歩作つても、それで自立はできない。その人もだめだし、他の村の純粹の農家も困る。そういう例は、非常に日本の農村に多いのであります。私はそれをいやという程見せつけられて、その解決に苦心して來た一人でありますけれども、これは質問ではありませんが、こういう事態が存在しておるという、而もこれは農村の中における大きな事実であるということを例として申上げてみたいと思うのであります。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 都市計画区域にある耕地、これは随分今までも開放に紛爭が屡々起きておるのですが、この問題をもつと明確に何か法規で、宅地法とかなんとかいうようなものを作るとか、その他の方法ではつきりするような考えか準備がありませんか。

山添利作農林事務官(農政局長)

○政府委員(山添利作君) 都市計画をやつております区域の中、農地改革の対象にする土地と然らざる区域との区分でありますが、これは今まで実は余りはつきりいたしませんのでありましたが、最近農林省、戰災復興院、都廳並びにGHQの方と協議をいたしまして、はつきりした基準を作りました。目下その通達を出すべく準備をいたしております。その要旨は大体七〇%以上宅地化されている場合は、これを買上の対象としない。それ以下の所であれば原則的に買う。それから政府が買收いたしましたものでも、こういう基準でやりますけれども、五ヶ年間必要があると認めれば、先ず所有権は留保して置いて、將來の状況を見る。又その場合に今の日本の状況ではなかなか五ヶ年間で総てが片附くとも思いませんので、更に必要があればその際に、五年間以内で國に所有権を留保して置くことがある。これが本当に宅地になるべきものであれば、その際にこれを地元市町村に政府から賣却をする。こういうようなラインを以て案が纏りましたので、準備していたしております。これが届きますると、判断の基準が明確になりまするので、問題は片附くと思います。そうして大体の多くの地区は農地改革によるところの買上げの対象になり、その中將來或いは用途変更になるのじやないかというところは、政府が所有権を一時留保しておくという扱いにすることになつております。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 同一市町村に二個以上の農地委員会を作る場合の、何か基準が明確になつておりますか。

山添利作農林事務官(農政局長)

○政府委員(山添利作君) 普通の場合には置かないのでありまするが、御承知のように、最近は特に戰爭が始りましてから、市町村の合併が行なわれた。そういうところでは、元の村毎に置く。こういう原則を採つております。例えば福岡のごとき、確か委員会を十五くらい置いたと思います。このことは例の不在地主であるかどうかということに関係するわけです。

板野勝次日本共産党

○板野勝次君 臨時農業生産調整法案は農政局長に……。

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) そうです。

板野勝次日本共産党

○板野勝次君 ちよつとお伺いして置きたいのですが、臨時農業生産調整法案がすでに議会を通過したものとして、最近麦の作付け等の統制をすでに開始しておられるというのですが、これはどういう根拠に基いてやつておられるのでしようか。そうでなければ法案がまだ海のものとも山のものとも付かん際に、すでにそれがやられるものと予想されてどんどん進行されるということは、極めて非民主的だと思うのです。どうも納得が行かないので、その点に対する一つ御説明を願いたい。

山添利作農林事務官(農政局長)

○政府委員(山添利作君) あれは別段法的根拠は全然ございません。行政措置としてやつておるのであります。大体この内閣ができましても、緊急経済対策の食糧部面の第一番目に生産調整法が謳つてあるわけでありまして、それからこれを法律化して議会に提案になつたわけでありますが、その通過の時期等を考えますると、到底麦の作付には間に合わない。併し一方來年度の麦「じやがいも」から事前割当の制度によつて供出を改めて行きたい。こういう希望から、法律の通過乃至は成立等を待たずに、その前に行政措置としての面績割当を取敢えずいたしたのでありまして、若し法律が通りますれば、これはその面績を基準として数量を計算し、そうしてこの生産数量並びに保有米の保有量を差引いた供出量というものを決めて行く。正式には供出量というものが法律によるところの割当になるわけです。このことが果して民主的であるかどうかということにつきましては、或る程手続の点といたしましては、法的な根拠は何もないのでございまするけれども、併し事前割当という制度は、私共の知つておる限りにおいては、これは農村の輿論であります。又その制度をやるからには前からやつた方がよいという考えを持ちまして、ああいう行政措置を執つたわけでありまして、この事柄は又一面からいえば関係方面の慫慂……、慫慂ということもおかしいですが、まあそちらの方のあれもあり、そういう意味でやつておるわけであります。

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) 速記のある間に私からちよつと申上げて置きたいことだけお許し願いたいと思います。それは今丁度問題になつております農業生産調整法案について、かねてこの委員会のお話合がございまして、衆議院と事前によく連絡を遂げるために小委員を挙げる。こういうことでありましたが、理事の方とも御相談をすることで、今日まで延びておつたのでありますが、その委員を委員長の指名によつてさして頂くことに御了承を得ておつたのでありますが、羽生さんと、それから竹中さんと、北村さんと、山崎さん及び藤野さん、この五名の方にお願いいたしたいと思いますので、そのように御了承願いたいと思います。それから陳情、請願の問題について、山林及び開拓関係の陳情は林業等の小委員会で御審議を願うことになつておりますが、それ以外の陳情、請願につきましては、やはり別途、林業等の小委員会は御承知のように十一名の委員会でございますが、大体それに近いような数で以て林業関係以外の陳情、請願を御審議願いたいと思つておるので、本日まだ小委員の方に御委嘱するところまで至つておりませんが、その前提としての小委員会の数及び指名等も一つ委員長にお委せ願いたいと思いますが。

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) 御異議ないようでありますから、そういうふうに取り計らいまして、別途又御連絡申上げたいと思います。それだけ一つ……。

木下源吾日本社会党

○木下源吾君 この機会にちよつとお尋ねして置きますが、政府は第三次土地改革に対して、なんらか計画をしておられることをありましたら、この機会に一つお伺いして置きたいと思います。

山添利作農林事務官(農政局長)

○政府委員(山添利作君) 事務的にはなんら計画いたしておりません。

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) それではこれから速記を省略いたします。    午後二時十二分速記中止    —————・—————    午後二時十六分速記開始

楠見義男緑風会

○委員長(楠見義男君) 速記を始めて、それでは本日はこれにて散会いたします。    午後二時十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            木下 源吾君    委員            太田 敏兄君            田中 利勝君            羽生 三七君            北村 一男君            柴田 政次君            木檜三四郎君            小杉 繁安君            石川 準吉君            河井 彌八君            徳川 宗敬君            藤野 繁雄君            松村眞一郎君            山崎  恒君            板野 勝次君   政府委員    農林事務官    (農政局長)  山添 利作君

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