予算委員会第四分科会 第2号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1947/11/18
会議録
○川野主査 會議を開く前に皆さんにお斷りしておきます。開會の時間が豫定よりたいへん遲れましたので、それに午後一時からは第二分科會がこの部屋を使うことになつておりますので、質疑答辯も要旨のみ簡潔にお願いいたします。 これより會議を開きます。昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)昭和二十二年度一般會計豫算補正(第八號)昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)中、遞信省所管を議題といたします。まず遞信大臣より説明を聽取いたします。
○三木國務大臣 昭和二十二年度遞信省所管の補正豫算につき、その概要を御説明いたします。 まず遞信省所管一般會計歳出の補正豫算におきまして、今囘の追加額は二十五億一千八百七萬餘圓であり、これにすでに成立しました豫算額を合計いたしますと、二十九億二千十八萬餘圓と相なります。 右の追加額のおもなる事項を申し上げますと、飛行場維持管理業務の擴充に伴い必要な經費六百十七萬餘圓であり、政府職員の給與改善に必要な經費の増加が五百九十九萬餘圓であります。また通信事業特別会計へ繰入れに必要な經費二十五億圓などであります。 次に通信事業特別會計の補正豫算について御説明いたします。まず歳入でありますが、今囘の追加額は百三十五億五千七百八十三萬餘圓、修正減少額は三十五億三千四百十六萬餘圓であり、差引いたしますと、その増加額は百億二千三百六十六萬餘圓でありまして、これをすでに成立しました豫算額と合計いたしますと、二百三十四億九千八百六十五萬餘圓と相なります。 歳入のおもなるものを申し上げますと、事業收入の増加が七十一億九千三百九十一萬圓、公債金の増加が三十五億九千八百十九萬餘圓、一般會計よりの受入が二十五億圓、借入金の減少が三十四億三千百四十四萬餘圓などでありまして、本年度の公債金の合計は、五十八億一千九百八十八萬餘圓と相なります。また借入金は、前に申し述べましたやうに減少いたしましても、なお、本年度において十八億六千二百六十三萬餘圓の借入をいたさなければならぬ實情であります。 次に歳出でありますが、今囘の追加額は、百十四億九千七百四萬餘圓であり、修正減少額は十四億七千三百三十八萬餘圓であり、差引増加額が百億二千三百六十六萬餘圓でありまして、これをすでに成立いたしました豫算額と合計いたしますと、歳入と同額の二百三十四億九千八百六十五萬餘圓と相なります。 歳出のおもなる事項は、物件費の値上げに伴う經費の増加が三十三億七千二百十七萬餘圓、政府職員の給與改善に必要な經費が三十億二千八百八十七萬餘圓、廳舍及び電信電話施設等諸設備に要する經費の増加が三十七億一千二十六萬餘圓、豫備金の増加が四億六千萬餘圓、人件費の節減が十一億六千二百五十九萬餘圓、政府に移管された國際電氣通信施設の維持に要する經費が一億五百二萬餘圓、保險業務取扱いに要する經費が一億四千八百十九萬餘圓などを計上いたしております。 右の歳出増加の内容を要約いたしますれば、最近の物價の値上りに伴う物件費の増加と、職員の給與改善に伴う經費の膨脹などが、その大部分でありまして、物件費につきましては、極力これが節約に努めますとともに、人件費につきましても、通信會計における本豫算定員四十九萬三千餘名を、四十三萬六千餘名に縮減する等、經營の合理化について相當英斷的措置を講じた次第であります。 最後に簡易生命保險及び郵便年金特別會計の補正豫算につき御説明申し上げますと、第一に保險勘定でありますが、歳入追加額は五億一千四百四十萬圓、歳出追加額は十億一千八萬餘圓でありまして、これをすでに成立いたしました豫算額と合計いたしますと、歳入は二十七億一千三十六萬餘圓、歳出は二十五億二千五百七十九萬餘圓と相なりまして、差引歳入超過額一億八千四百五十七萬餘圓であり、これを保險積立金に編入する豫定であります。 第二に年金勘定でありますが、歳出の追加額は一億百七十四萬餘圓でありまして、これをすでに成立いたしました豫算額に合計いたしますと、歳入は六億五千七百九十二萬餘圓、歳出は二億四千九百七萬餘圓と相なりまして、差引歳入超過額は四億八百八十四萬餘圓であり、これは年金積立金に編入する豫定であります。 以上で遞信省所管の一般會計及び特別會計、昭和二十二年度補正豫算の概要を申し上げました。何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○川野主査 これより質疑を許します。中崎敏君。
○中崎委員 全遞從業員の待遇改善に關する問題についてお尋ねいたします。今囘の中央勞働委員會の裁決に基く從業員に對する待遇改善案に對し、政府はいかなる態度をとられるかをお尋ねいたします。
○三木國務大臣 政府は勞働問題の處理を、できる限り平和的に處理したい方針でありまして、その限りにおいて、中央勞働委員會の權威を尊重し、またその調停案もできる限りこれを尊重していきたい考えであります。しかしながら、そこには國家財政の能力等を勘案いたさなければなりませんので、ただいま政府は、連日中央勞働委員會の調停案を中心として、檢討を加えておる次第でございます。今日ここに政府の諾否を申し述べる段階にはまだ來ていないのでありますが、できるだけ尊重したい。しかし結局は財源の問題であります、これをいかに困難な國家財政の中において、政府職員の待遇を改善していくか、こういう諸般の一般的財政状態をにらみ合わせて、できる限り待遇を改善したいという決意には變りはないのであります。そういう點について、ただいま檢討を加えておる次第であります。
○中崎委員 いずれにしても、中央勞働委員會の裁決がありました以上、これに對し、政府側においても意思表示をされる必要があると思いますが、それについて、いつごろその意思表示をされる見込みであるか。さらに、かりに全面的にこれを認めないとしても、少くともある部分の要求に應じていかなければならぬと思うわけでありますが、その際においては、追加豫算的な處置をとられるのか、あるいはその他の方法を講じられることになりますか、その見透しをお尋ねしたい。
○三木國務大臣 調停案は十日間の期限が切られておりまして、政府はでき得る限り、この十日間の期間において、結論を得たいと思つております。またその調停案に對しては、たとえば新しい一つの給與體系をつくる問題等は、いろいろ給與體系をつくることについての前提條件になつておることについて、政府も相當疑義があるのでありますが、明年一月からそういう新しい給與體系をつくるべく、勞働組合、あるいは政府の側も加わつて、これを檢討することについては、政府は原則的には異議はない。また生活補給金という問題については、過去の生活の赤字を補給するかどうかという問題については、相當根本的に檢討しなければならないが、十二月には何とかしたいという意向をもつて政府は調停案が出ない前からこの問題を檢討しておつたので、全面的な調停案の否定ということはないと考えております。從つてそういう場合には、結局國民が政府の處置に對して納得のいくような、政府は政府としての態度をとらなければならぬ。いずれにしても、もし調停案がそのままのめない場合には、のめない理由を明細に國民の前に明らかにして、議會の御意見も承り、國民も納得のできるような形で、政府の態度を決定したい、その結果あるいは追加豫算等の提出の場合も起り得ると思います。
○中崎委員 米窪勞働大臣は、中央勞働委員會の裁決には服するというような意味のことを述べられておるのでありますが、ただいまの遞信大臣の説明によりますと、尊重はするけれども、國家財政等の建前から、必ずしもそういうふうにもできない場合もあるというふうに言われております。そうなると、中央勞働委員會の裁定に服さないということによつての政府の政治的な立場における責任というような問題も起つてくるだろうということは、想像されるわけですが、そういうふうに考えていいものかどうか伺いたい。
○三木國務大臣 ただいま申し上げましたごとく、連日政府はこの問題について檢討いたしております。この調停案を政府が承諾するか、あるいは承諾できないかということは、今後の檢討にある問題であります。この際いろいろな假定に立つて御答辯申し上げることは、今日の段階では、かえつて誤解を招くと思いますから、ただいま檢討をいたしておるという程度で御了承をお願いいたします。
○中崎委員 一月からの給與體系の問題でありますが、これについては、原則的には一應給與體系を新しく考えられるというように言われておりますが、そうすれば千八百圓の賃金體系というものは、變更されるというふうにも想像されますが、そういうふうに解釋していいものかどうか。
○三木國務大臣 これは非常に重大な政府の施策の面に觸れる問題であります。こういう問題もひつくるめて檢討をいたしておるのであります。必ずしも、待遇の改善というものは、貨幣賃金の面ばかりということも言えません。たとえばインフレーシヨン等の問題等もにらみ合わせて、できる限り實質賃金を充實していく、そういう點で配給物資の確保等ということが、より以上重大なる問題であろうと思うのであります。こういうことに對しては、政府は、今まで、生鮮食料品等については、確かに政府の計畫通り參らなかつたことを、率直に認めております。こういう施策については、今までのことを反省いたしまして、徹底的な處置を講じたい、近くこれは發表の段取りになると思います。こういう點もにらみ合わせて、單に一つのベースをどうするという問題ばかりでなしに、一方においては配給物資の確保等によつて、その間の調節をはかつていく場合もある、こういう點もにらみ合わせて、ただいま檢討をいたしておるところであります。
○中崎委員 次に電話の問題でありますが、戰時中たくさんの電話機械類が燒失しまして、電話の通信の上において、非常な不便を感じておるわけであります。物資の不足等によりまして、これらの復舊が思うに任せぬということは、われわれも十分了承し得るところでありますが、通信機關が非常に十分でないために、商業上、あるいは日常の生活上、不便を感じておる面が多々あるわけであります。この點について現在までの復舊の程度、さらに今後の復舊あるいは新設の計畫というものを御説明願いたいと思います。 さらにまた、こうした通信の非常に圓滑でないのは、一面從業員側における綱紀の弛廢といいますか、えてこのごろサービス本位であるべきこの電話の面において從業員側において親切を缺いておる。同時にまた、十分に通信の重要な役目に携わつておるということを忘れておるか、どうかしりませんが、誤まられた民主主義というふうな考えのもとに、あるいは官尊民卑というような、古いとらわれた考えであるかもしれませんが、非常に親切の程度が缺けておるということばかりでなく、熱心にこの業に携わつて職務を果すという、その意欲が缺けておるのではないかというふうな氣持もしておるわけであります。これらの點について、遞信大臣の説明を求めます。
○三木國務大臣 御指摘のように、遞信省の理想としては、ガス、水道のごとく電話というものが一般に普及することを理想といたしております。いろいろ豫算との關係において、今年度においても、遞信省が計畫いたしておりました程度の増設は困難であろうと存じます。増設の計畫については、あとで事務當局から御説明をいたします。しかし何といたしましても、通信特別會計の中においても、これを將來改善いたしていくについては電話の増設ということが、一番特別會計改善の近道でありますし、また國民も非常に便宜をいたす、こういう點から、できるかぎり電話の復舊増設ということには死力を注いでいきたい。こういう點から特別會計を改善していかなければ、なかなかほかの點ではいろいろくふうをいたしましても、大した金額には上つてこない。この點は將來そういう方針に進みたい。御指摘の、この通信事業というものは、これだけ國民と結びついておる事業はない。鐵道等も國民と關係があると言つても、通信事業は口から口に、手から手に渡つていつておる、非常に國民との接觸面が多いのであります。この場合は、ほんとうに國民の公僕として親切なサービスをするということは、遞信從業員が常に心がけなければならない點であまりす。こういう點で、御指摘のようにこれは遞信從業員ばかりでありませんが、一般の傾向として、非常にこのサービスの低下ということは認められるのであります。それには、いろいろ設備、器具等の不足等によつて心の中では思つておつても、それを十分に發揮できない面も多分にありますが、また一面御指摘のような、ほんとうに公僕としての精神に徹底しない面もあろうかと思います。これは政府全體の大きな問題であります、新しい憲法下における官吏のあり方として、やはり公僕精神に徹底さすということにさすということについては、今後一段の努力を要すると思います。私も苦心をいたしておる面であります。
○大野(勝三)政府委員 電話の復舊擴張等の状況につきまして、數字的に補足いたして御説明申し上げますと、本年の十月二十一日現在の調べでございますが、十月二十一日現在で申込みを受けておるもの、及び戰災その他で復舊を要するものの電話の總數は四十萬七千九百九十四と相なつておるのでありますが、そのうち開通復舊をいたしたものが五萬九千二百九十七、それから受理いたしまして復舊の通知をしておりまして、工事をこれからやらなければならないものが四萬一千三百四十四。この開通したものと通知濟みでこれから工事をいたしますものの二つを合わせました約十萬のものを差引いたしますと、來年度以降におきまして、さらに復舊開通をしなければならないものが三十萬七千餘に上つておる勘定でございます。今年度におきましては、當初は一般電話の開通——これは普通の擴張と復舊と兩方でございますが、その數をおよそ七萬三千と本豫算の當時には豫定いたしておつたのでございますが、ただいまお話のありましたような、電話の需要の非常に大きいこと、その他を考えまして、追加豫算におきまして相當の經費をさらに見積りまして、この當初の計畫を、一般の電話につきましては八萬四千五百まで引上げる、これだけを今年度内にはぜひ開通させたいと考えておる次第であります。殘りの復舊計畫その他につきましては、ただいまのところ、まだしつかりとした見透しはついておりませんが、できるだけ短い期間内に復舊をいたしまして、非常に産業復興、その他に必要な電話のほとうの使命を果し得るようにいたしたいと、せつかく計畫を練つておるところでございます。
○中崎委員 電話の架設の通知を受けた場合におきまして、實際において係といいますか係りの主任といいますか、それらの人々に、いわゆるうまくやらないと早くつけてもらえない。そうでないと、いつまでもほつたらかしにされるというようなことを、しばしば耳にするわけでございます。これらは先ほど申しました綱紀肅正の一端として、當局において十分に戒飭されるように、御注意願いたいと思います。 次に今囘の補正豫算におきまして、二十五億の一般會計からの繰入を豫定されておるわけでありますが、これは今後七箇年の計畫に基いて、通信特別會計の獨立計算の建前から一般豫算に返されるというふうに承つておるわけでありますが、これについて具體的にどういうような計畫をもつて返されようとするのか。たとえば、さらに郵便電信等の料金の引上げによつて、これをやろうとするのか。もしそうであつたとするならば、それをいつの期間において、どの程度の値上げによつてカバーされんとするのか。さらにまた、人員の整理、その他經營の合理化の面においても、やはり同じような面が考えられるのでありますが、それらについて、どういう計畫をもつておられるか、御説明を願いたい。
○三木國務大臣 具體的な長期計畫を、まだお示しをいたしまする段取りになつておりませんが、大體の構想といたしましては、一つには料金の値上げ問題が起つてくるわけであります。御承知のように、今年度の豫算等も、物件費においては、昨年度の九月の物價を基準にして組んである。また人件費等においても千二百圓のベースの上に豫算が組まれておるわけであります。それにマツチしたところの郵便料金値上げをいたしましたけれども、大體その値上げの基準は、人件費が千二百圓ベース、物件費が昨年の九月の物價、こういうところから、郵便料金が今日の物價の状態から考えまして、マツチをしていない。そこで郵便料金をある程度値上げをしなければならない事態になつておるのでありますが、しかし今日の諸般の經濟情勢等も勘案いたしまして、今囘は値上げをいたしますことを差控えておりますが、これは遲くも二十三年度の豫算におきましては、やはり値上げをいたさなければならない事態かと考えております。何と申しましても、今年度においても四十三億という大きな赤字があります。それで一般會計から二十五億の繰入れをいたしておりますが、それをいたさなければ、そういう赤字になるわけであります。これについてのいろいろな増收策と申しましても、結局においては、やはり料金の値上げということでなければ、これの解決にならない。しかし一方において、できるだけ國民の負擔を少くするということは、遞信省を預つておるわれわれとしての大きな義務であります。できる限り料金の値上げの幅は少くしなければなりませんので、増收の面についても、いろいろな面から増收策を考えていくし、また經營の面から申しましても今度年におきましても、相當豫算定員から人員を削減をいたしましたことは、先ほど申し上げた通りであります。できる限り、今後は人員の面からも、新規の採用を抑えて、配置轉換等によつて人件費を少くし、また物件費の面においても、節約のできる面は節約して、一方において支出を合理化し、一方において増收策を積極的にやつていく、そうしてその上に通信料金の値上げをする。こういう形でまいりまして、五箇年ないし七箇年間の長期計畫のもとに、通信特別會計を健全なものにしたいという考え方で、ただいま一つの長期計畫を練つておる次第であります。いずれ具體的な點は御發表をいたしたいと思つておりますが、ただいま數字的に申し上げるところまでまいつておらないのであります。
○中崎委員 私の質問はこれで打ち切ります。
○川野主査 苫米地英俊君。
○苫米地英委員 一、二お伺いしてみたいのであります。その一つは、先日新聞に郵便の七割五分の値上げは、二月から實施するというようなことが出ておりましたが、それは事實でございましようか。
○三木國務大臣 二月からやればどうかという説もあるのでありますが、しかし、そういうことを決定はいたしておりませんので、おそらくその新聞記事は、臆測の域を脱しない。未だ二月からするというような考え方を、現在のところもつてはいない次第であります。
○苫米地(英)委員 この機會にお伺いしておきたいのは、都内各所に安全通信というような名義で、いろいろ通信事務の澁滯が起つておるように見ておるのですが、その通信の安全ということは、どういうことを意味しておるのか、お伺いいたしたいと思います。
○三木國務大臣 御指摘のように、新しい一つの組合の戰術の形と申しますか、安全通信というようなことが、落合長崎局、杉竝局、世田谷局、目黒局、江戸川局というような所に起つたのであります。これは先年でありましたか、鐵道も安全運轉というようなことで、こういう式のことをやつたことがあると思うのでありますが、安全通信というものは、どういうことをやつておるかと申しますと、電信につきましては、通信の速度を落す、一分間にいくらキーをたたくという速度を、普通より落す。あるいは東京の中央電信局から中繼をして局に電信を打つておるわけですが、その受信をやらない、向うから打つてきても、それを受取らない。あるいは時間的にある時期は通信を中絶する。あるいは東京中央電信局に電報がまわつていくわけですが、それを人間をもつて——使送と申しておりますが、これを送るというよでなことで、通信の速度を落しておる。これは電信についてでありますが、郵便については、一日二囘配達をやつておるものを一囘に落す。こういう二つの方式がいわゆる安全通信と言われており、サービスを落していく。かくのごとき方法は、明らかに遞信省といたしまして惡質な一つのサボ行爲である。働いてはおるのだけれども、これは非常に能率が低下して、通信機能に與えます影響は輕視できない。こういう事態が全國的に蔓延いたしますと、全然通信は止らないけれども、しかし國民に與える影響というものは、非常に重大でありますので、仕事は一應速度を落してやつておつても、かくのごとき勤務の態度は、惡質な、やはり爭議行爲であるということで、これに基きまして——これはおもに東京だけに起つておるのでありますが、東京遞信局から組合に警告を發しまして、これを惡質な一つの爭議行爲の形式として、これに基いて俸給の問題、あるいは處分の問題等も考える方針のもとに組合に警告をいたしましたところ、これは組合の指令に基いてやつておらないようでありますが、組合としてこの問題を取上げて、ただいま各郵便局とも、この安全通信を中止いたしました。組合として中止いたしまして、今申し上げました、郵便局に關する限り、安全通信は中止をいたしたのでありますが、今後こういう事態の發生については、嚴重な態度をもつて遞信省は臨みたい、こういう考え方をいたしております。
○苫米地(英)委員 今大臣の御説明を伺いまして、成行き竝びに政府の御方針もよく了解いたしました。ただこの通信がそういうことのために機能を鈍らせ、それが國民生活に及ぼす影響が多い。今後もこういつたようなことはしばしば起すと思いますが、この通信の遲延その他の理由で、國民が相當損害を受けることがあるのであります。これが政府事業の怠慢から、國民に損害を受けたことが明瞭になつた場合には、政府はその損害を賠償される責任があると思いますが、この點はどういうふうにお考ですか。
○三木國務大臣 爭議の場合においては、政府はその損害を賠償しない方針であります。しかし具體的な形においていろいろな爭議が起つてまいりますので、結局そういう場合にはその場合場合によつて、裁判所の決定をまつよりほかにない場合も起り得ると思います。原則としては、爭議行爲は不可抗力として、損害を賠償しないという建前に立つております。
○苫米地(英)委員 ただいまの御説明の通り、爭議が正式に認められる形で行われた場合には、政府は責任を負わないでよいと思うのでありますが、一種惡質の爭議——正式に見れば爭議でない、爭議をやる手續を履んでいない場合、つまり官公廳の從業員が爭議形式を履んでいないとすれば、政府では惡質の爭議と認めて處斷されるのはよろしゆうございますが、それはあくまで内部のことで、政府對國民のことは解決できないと思いますが、いかがでございましよう。
○三木國務大臣 結局具體的な個々の場合においては、實際において、裁判所の判定をまたなければならぬ場合が、確かに起り得ると思います。爭議の形式がいろいろ複雜になつて、その内容等が個々の場合において形が違つてまいりまして、一概にここで原則的に申し上げることは困難だろうと思いますが、原則としては爭議は不可抗力として賠償の責任を負わない、こうは言いましても、今後起つてくる新しい事態に對しては、個々の場合、確かに御指摘のような裁判所の決定を仰がなければならぬ場合も起り得ると私は思います。
○苫米地(英)委員 その點はよくわかりました。官公勞働組合の人々が爭議をやる場合には、正規な手續を履んで爭議に入れるように、十分御指導を願いたいと思うのであります。近ごろ各所に新しい戰術が生れてきていることは、皆樣御承知のことと存じますが、そのやり方が一種共通した特徴をもつておりまして、世間ではある政黨とか、もしくは團體とかいうようなものの、そういう新戰術の指導が非常に行き渡つているのだというような見方をしている人々も多數あるのであります。從いまして、今後いわゆる新しい戰術で、正式の爭議でなくて、しかも國民は非常に被害を受けるということが起つて來るだらうと思いますので、どうか爭議ならば、堂々とした正當の爭議をやるように御指導をいただきたいと存じます。これは希望でありますが、これをもつて私の質疑を終ります。
○川野主査 ほかに御質疑はございませんか。——それではこれをもちまして本分科會における遞信省所管に對する大體の質疑を終了いたします。 討論にはいります前に暫時休憩いたします。 午後零時五分休憩 ━━━━◇━━━━━ 午後零時十四分開議
○川野主査 休憩前に引續き開會いたします。
○苫米地(英)委員 動議を提出いたします。この際計論は省略し、採決を保留し、總會において議決せられんことを望みます。
○川野主査 ただいまの苫米地君の動議に御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野主査 ではさよう取計らうことにいたします。 次會は總會に讓り、本日はこの程度にて散會いたします。 午後零時十五分散會