予算委員会 第12号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1947/10/13
会議録
○鈴木委員長 これより會議を開きます。 審査にはいります前に、ちよつとお諮りいたしたいことがあります。委員の黒田寿男君から理事辭任の申出がありましたので、その補闕選擧を行いたいと思いますが、これは委員長において指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 それでは稻村順三君を理事に指名いたします。 これより前會に引續いて質疑を繼續いたしますが、まず大藏大臣に對する質疑を先にいたしたいと存じます。上林山君。
○上林山委員 まず大藏大臣に質してみたいのは、政府職員に對する一時手當の支給に關する問題であります。この問題については、すでに大藏當局に對して私は質疑を試みたのでありますが、その際大臣が出席してなかつた關係がありますので、この際特に大臣の率直なる御意見を質して善處をば希望したいと考え、質問を續けるわけであります。要點は一時手當の支給に關する差額の按分の基準が、地方と中央の格差があまりにもはなはだしくて、實情に適しない。だからこれを諸般の事情をよく勘案せられて、連絡すべき方面には連絡をとつていただいて、これが適正なる按分をしていただく意思はないかどうか。この點についてまず伺いたいのであります。この詳しい事情については、すでに先ほど申し上げましたごとく給與局長に質疑を試みておりますからして、この際その説明を略することにして、明確なる大藏大臣の答辯を要求いたしたい。
○栗栖國務大臣 ただいまの御質問に對してお答えいたします。前會以來各方面からもそういうような御質問があり、またただいまも重ねて御質問がございまして、御趣意のところは私よく了承いたしたのでございます。これはすでに連絡すべき方面には連絡をいたしまして、かような案をつくつておりますけれども、御趣意のあるところをさらにまた一度お傳えをして、十分連絡の上善處もいたしたい、かように考える次第であります。
○上林山委員 大藏大臣の率直なる、しかも含みのある御答辯を了承いたしました。この點について一段の御努力を要望して、この點についてはこれ以上質問をいたしません。 この際一、二財源に關連して質しておきたいのは、第一に官有物の拂下代中に牛馬の拂下げを含んでおるのでありまするが、この問題は聞くところによると、單價はわずかに牛にして三百圓内外、馬にしてわずかに二百三十二圓内外というような基準によつて、これを拂下げんとしておられるのであります。もつともこれは農林省の關係もありますし、あるいは増産對策としての意味も含んでおるのでありますから、ほかの相場に比べて相當に安いということは當然のことと考えますけれども、今日牛馬によりますと、二萬圓から五萬圓くらいするような實際の相場を考えますときに、一方の農家にはかような安いものが拂下げられて、ほかの農家には、あるいは必要とする方面には、二萬圓も五萬圓もするような高いものを買わしめるということが、はたして事情に適しあるいは親切なやり方であるかどうかということを非常に疑うのであります。私は財源について過大に見積るのもどうかと思うが、かように過小に見積るのも適正なる財源の組み方ではないと考えておるのでありますが、農林省との折衝のぐあい、あるいは大藏當局の考えておられるこれに對する説明を求めたいのであります。單に大藏當局としては數字を合わせればいいとか、あるいは農林當局の言う通りすればいいとかいうような考えは、もうとうもつていないものと私ども考えますので、この際この點について伺つておきたいのであります。殊に一人について十頭とか、あるいは五十頭とかいうように拂下げるものなどはないか。ないしは農家以外の方面について、どういう方面にこれらのものを拂下げていくつもりであるか、この點についても併せて伺つておきたいのであります。
○河野(一)政府委員 便宜私から御説明申し上げます。家畜の拂下代、國有の役牛、役馬の拂下代が非常に單價が安く計上しているのではないかというお尋ねでございますが、この問題につきましては、おつしやる通り農林當局ともいろいろ折衝をいたしたのでございますが、この役牛、役馬の拂下げにつきましては、御案内の通り無償で當初貸付てやりまして、その飼育管理は無畜農家にさせてやる、そうして二年乃至四年の後に、雄につきましては當時の購入の原價で拂下げてやる。それから雌につきましては子供を返えす、こういう約束で貸付はされているのでありまして、その契約の條項に違反と申しますとなんでありますが、こういう條件のもとに貸付をいたしましたので、今にわかにその條件を變更するということについて、法律上いかがな點があろうかということを考えまして、さしあたり契約の條項に從つて拂下げる豫定のことにいたしております。但し御趣旨の點もございますので、この點につきましては十分研究いたしまして、農林當局と協議いたしまして、適當に善處いたしたいと考えているわけであります。
○上林山委員 この點については極力健全なる財源の見積りをやつていくという點から注意をさらに喚起いたして、これ以上希望を申し上げません。この際大藏大臣に特にお尋ねいたしたいのは、あるいは希望も含んでいるのでありますが、申し上げたいのは、富くじ等の發行者の納付金に關連する問題についてであります。私は前の内閣の時代に、戰災地の復興とか、あるいは水害の緊急對策とか、あるいは六・三制の財源に充當するためとかいうような公共事業、しかも特別の方法によらざれば財源の捻出はできないような地方自治團體に對して、富くじの發行を許したらどうかというようなことを進言したことがありまするが、これについて一部制限されて、そういう方面に許されている點もありますが、多くは大きな自治團體でなければそういうことを許さない。あるいは許してもまた納付金が非常に大きいので、大した利益を受けることができない、こういうようなことを聞いているのでありますが、今日戰災地の復興のごとき、あるいは緊急水害對策のごとき、ある事は六・三制の實施による地方の町村、あるいはその他の自治團體が非常に財源的に困つている。この際大藏當局は、思い切つてこういう方面にも富くじ、あるいは場合によつては競馬法の改正、そういうことによつて財源を地方自治團體に與えるような意向をもつていないかどうか。この點はきわめて大きな問題であるし、各地からの要望も非常に強いので、この點について大藏當局の意見を質したいのであります。なお重ねてこういう方面の納付金について半減するとか、あるいは全面的に免除するとかいうような考えはもつていないかどうか、この點を明らかにせられたいのであります。
○栗栖國務大臣 お答えいたします。地方財政が多くの土地においてほとんど例外なく非常に危殆に瀕しておるということはだれも知つておるところであります。殊に昨今のように水害あるいは災害、その他のはげしかつた所におきましてはなおさらで、これが復舊のためには國庫で相當の補助をいたしますけれども、なおかつ地方の負擔にも相なるところも生ずると思うのであります。それがためには地方財政をますます苦しめるところに追いこみやしないかと非常に心配をいたしておるのであります。そこでこの地方財政の健全化については、中央の殊に大藏省におきましては、圓家の財政、地方の財政、いずれも健全をはからねばこのインフレの脱却はできないのでありますから、そういう點から、また地方民の將來における發展とか福祉というような點を考えまして、どうしても危殆から救わなければならぬ。こういうように考えておりまして、それがためには大藏省といたしましては、十分の財政建直しの指導もいたしたい、かように考えておる次第であります。建直しの方法としては中央からのいろいろな補助その他もあるわけでありますが、また地方において財源を求めて自力で建直しをするということも、きわめて必要になるわけであります。しこうして地方に財源を求めるにつきましては、あるいは地方税その他の形のものを創設する、あるいは税率を引上げるというようあ點もなりますけれども、また地方におきましては、寶くじとか競馬というようなものをも行わすということも一つの方法であるわけであります。ただこの寳くじにつきましては、これがまた公衆一般を相手としておる關係もございまして、たいまだいま都道府縣にこれを認めておるのであります。小さい地方自治團體までこれを許すかどうかという點については、なお考慮すべき點が多々あるのであります。都道府縣に許してそれが間接的にその管下の、より小さい市町村にまわすということも考えられるわけでありますが、そういう點は状況に應じていろいろ考慮したいと思うのであります。なお競馬につきましても同樣であります。それから寶くじその他の政府へ納付する金のことについてでありますが、これも資金が使われる用途、地方の財政の苦しんでおる有樣というようなことも考えまして、去る八月一日に二割から一割へと引下げをいたしたのであります。今後さらに下げるかという問題であります。これは中央の財政との關係もありますし、また地方の財政をも考えねばなりませんので、地方その他の状況に應じては、いろいろ考慮もいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○上林山委員 大藏大臣の積極的な改正の意圖ある御意見を承りまして了承したのでありますか、特に私は戰災都市に關する復興に對しましては、格別の考慮と研究を續けられ、さらに六・三制の實施に對してもまたこの點を、特に勘案されたいという希望を申上げまして、これ以上追究申し上げません。この際六・三制に關連して考えられることは、健全財政をとるという建前から、一應三十一億二千萬圓の六・三制の實施に伴う豫算が計上されていたものが、場合によつてはこれがある程度削減されるかもしれないというような話があつたのでありまして、いよいよ本日頃閣議があつたと噂を聞いておりますが、それらによつてどの程度にこの問題が考慮になつておるものか、あるいはこの際許されるならば、今度出される追加豫算の額は大體どれくらいであるか。この二つの點についてお尋ねして、大藏大臣に對する質問を打切りたいと思います。
○栗栖國務大臣 お答えいたします。六・三制の問題でありますが、去る七月十七日に政府は大體三十一億餘の資金を六・三制に振り向けるということを一應きめたのでありまして、そのうち半分弱を國庫負擔、他は裏づけのある資金を地方起債でする。すなわち預金部その他の引受先の確定した、また引受先を斡旋して資金を供給する、こういう方法で一應きめたのであります。その後その筋その他といろいろ交渉をしておりまして、未だもう少しお待ちを願わないとはつきり申し上げるまでに至らぬと思うのであります。やはり六・三制も片山内閣としてとります一つの重要な政策でございますし、また資金の面のほかに資材物資等の方面をもいろいろ考え合わせなければならぬ點もございますし、その筋との交渉もなお殘つておりますので、今しばらくお待ちを願いたいと思います。 追加豫算の點でございますが、お尋ねもございましたので、この機會に申し上げてお答えとしたいと思います。たいへん時間がかかりましてまことに恐縮いたしておる次第でございますが、しかし三月にわたつてほとんど一日という休みなしに、われわれ交代して先方とも交渉をいたしておる次第でございます。これも大體もうごく近い日においてきまるように相なろうと思つておる次第でございます。きようも一應の閣議はありましたけれども、經過報告でございまして、さらに引續いてまた閣議などで具體策をきめていろいろ交渉する都合もございますので、いまちよつとの間お待ちを願いたいと思つております。六・三制につきましては十分私もその一應内定を見ましたところについては、資材その他の許す限りはこれを尊重して實行をいたしたい。かように考えておる次第でございます。
○上林山委員 三十一億二千萬圓という内定した線は、大體において確保される見込みであるか、あるいはそれも半分になるかもしれない、資材その他の裏づけがないためにそういうふうになるかもしれないという程度のものであるか。簡單でいいのでありますが、その點をひとつ御答辯願います。
○栗栖國務大臣 お答えします。政府は何とかして一度きめましたところのものを維持したいと、非常に努力いたしておる次第でございます。
○川野委員 簡單に御質問したいと思います。ただいま上林山委員から今囘の財政金融委員會に御提案になつております法律關係から推しまして、給與關係の差が非常にはなはだしい。これを訂正したらどうかというような意味の御質問がありましたときに、大藏大臣は關係方面と折衝いたしまして希望に副うように善處する。こういう答辯があつたのであります。しかし財政金融委員會に御提案になつております法律案の内容を檢討してみますと、法律案にはつきりと給與の月額の二割ないし十二割に相當する金額を一時手當として支給する云々。こういうふうに十二割ないし二割ということが法律にはつきりとうたつておるわけであります。それで、もしただいま上林山委員が希望したような事柄を善處するということになりますと、ただいま財政金融委員會に御提案になつておるところのこの法案の、修正をせねばならないことと相なるかと考えるわけでございますが、政府においてはこの法案を、政府みずから修正する御意思があるかどうか。この點を伺つてみたいと思います。
○栗栖國務大臣 お答えいたします。法文の方は限度が示してあるのでございまして、そのいろいろ善處いたしますにつきましては、その限度内でこれをやるとすればやり得るのではないかと考えておる次第であります。
○川野委員 しかいたしますと、法律に十二割と明記いたしてありますが、必ずしも十二割まで支給しなくてもよろしい。こう解釋してよろしゆうございましようか。
○栗栖國務大臣 二割ないし十二割という言葉を使つておつたように思つておりますが、それは一應最低最高の限度を示した趣意でございます。
○川野委員 最高最低の基準を示されたということは、これはわかつておる問題であります。しかし法案の建前からいたしますと、最高が十二割とはつきりうたつてあります以上は、特地方面に對しては最高の十二割を支給せねばならないというふうにも考えるのでございますが、しかし必ずしも十二割は支給せぬでもよろしい、こういうふうに解釋していいのでありますか。もう一度お尋ねしてみたいと思います。
○栗栖國務大臣 各方面との連絡の必要もございますし、法律というもので、一應の政府でやり得る權限をきめていただきまして、さらに豫算においてこれを具體化したいと考えた次第でございまして、その「ないし」という言葉で、われわれどもはその範圍においてこれを動かし得ると考えておる次第でございます。ここで委員皆樣の御意向によつていろいろかわる場合も豫定して、私どもは限度を示す趣意であの法案をつくつた次第でございます。立法の趣意はそういう次第でございます。
○川島委員 大藏大臣にこの機會に簡單にお伺いいたします。説明を拔きにしまして短刀直入に質問だけ申し上げます。この千八百圓ベースの堅持に伴つて、今後いろいろの經濟實態の事情等を考慮いたしますと、一般官公廳職員の實質的な生活というものは、かりに千八百圓になりましてもなかなか容易でないということが想像される。そこで從來われわれ一般勤勞者に對するいわゆる實質賃金の充實の上から申しましても、勤勞所得税あるいは扶養家族控除額の問題等も、きわめて重大な關連性をもつたものといたしまして、できるだけの免税點の引上、あるいは扶養家族の控除額の引上等をも、相當に考慮すべき問題じやないかという考え方を、われわれは年來もつてきたのでありますが、この機會に大藏大臣は千八百圓ベースの堅持はもとよりでありましようが、それに伴う措置といたしまして、勤勞所得税の免税點の引上げ、扶養家族控除額の引上げ等をお考えになつておるかどうか。これについての御方針を示していただきたいと思います。
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この勤勞所得者に對していろいろ課税上の重い點などを改善をしようということは、私どもも常に心がけておる次第でありまして、これを一擧になし得るかどうかということについてはいろいろ問題がありますが、今度の追加豫算においても政府としては家族控除の形式で、千六百圓から千八百圓のベースに上りましたそれに相當するだけの引上げと申しますか、負擔輕減はいたすつもりで、ただいまもいろいろ努力いたしておる次第でございます。なおこの所得税に對して上層部に、つまり高率の所得者に對して重い課税をするということは、片山内閣の成立以來總理からもしばしば聲明し、われわれも申し上げておる次第でございます。それを實現をいたしたいと思つております。その際にも勤勞所得者にはこの負擔が下りてこないようにということで非常に努力をいたしておる次第でございます。これは何とかできるのじやないか、かように考えております。
○川島委員 もう少しはつきりお尋ねしておきたいのですが、今のお言葉だと免税點の引上げは別途のようで、單に扶養家族の控除額の引上げだけを考慮されておるというふうに聽えたのでありますが、その點をもし免税點の引上げについても、扶養家族の控除の引上げについても、全面的にお考えであるならば、それを明瞭に御説明を願いたいと思います。
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この免税點の引上げということでありますが、これを併せて行きますということになりますと、國庫の收入にも非常な影響を及ぼしますし、ただいま追加豫算についてもこの收支を合し、健全財政を維持するという點において非常に苦鬪をいたしておりますものでございますので、ただちにその分は實現はむずかしいかと思つております。しかし千六百圓から千八百圓に上つたその差額に相當するだけの負擔輕減は、まだ本きまりになりませんけれども、大體實行ができると思つております。それからなお勤勞所得に對してはなるべく率の引上げ等を避けて高層の所得者に對して率の引上げをしたい、こういうようにもくろんでおる次第でございます。
○川島委員 まだはつきりしないのですが、問題の焦點はこういうことなんですか。要するに千六百圓から千八百圓に引上げて、その引上げた現行の税率でいきますと相當引上げても負擔がかかるので、實質の賃金増收にならないという面が相當にある。そういう面に對しては扶養家族の控除の引上げでそれを緩和するということに方針がきまつておるというふうに受取つてよろしいのですか。
○栗栖國務大臣 さようでございます。
○鈴木委員長 それでは和田總務長官への質疑が、稻村順三君と、上林山榮吉君と、野坂參三君から保留になつておりましたが、野坂君は本日御出席がございませんでして、追加豫算の本豫算というようなものが提出された場合に、長官への質問を保留したいということでございます。長官への質問に移りたいと思いますが、稻村順三君、きよう議了いたしたいと思いますから、なるべく簡潔に……。
○稻村委員 和田長官への私の質問は結論でありますので、ごく簡單にいたしたいと思つております。この委員會の眞先に、G・H・Qから豫算の編成に關しまして、一切の政府の購入するもの、それに關連するものは公定價格でなせという指令がまいつておることが發表されたのであります。つきましては大藏大臣も言つておるように、この豫算がはたして實行されるかどうかということは物動計畫に非常に影響があつて、これは主として安本長官の受持のように御答辯がありましたが、私もさように思うのです。そこでこういうふうな指令を堅持して豫算を實行していくという上から申しまして、殊に公定賃金でもつて終戰處理費などを賄つていかなければならない。こういう事態において一應の物動計畫の完成によるところの流通秩序の確立が、きわめて重要な意味をもつてくると私は解釋しております。つきまして政府としては、この豫算を指令通りに實行する上において、確信あるところの一應の物動計畫、流通秩序の確立に對して計畫をもつておられるかどうか、この點最初に簡單に……。
○和田國務大臣 公定價格ですべてを調達しろという指令でありますが、これについてはもちろんこれを實行する上においては、われわれの方としてもここにいろいろの對策を講じていかなければならぬこともあると思います。その點についてこの間指令を受取りましてから、われわれの方としては今それをどうやるかについて、いろいろと相談をいたしておるのでありまして、これは率直に言つてこちらだけで守つてもしようがないのであります。やはり向うの内部も守つてもらわなければ困るのであります。率直に言えばそうであります。國内内部だけではなく、連合軍司令部の内部においても、そういうことを守つてもらわないと崩れてくるのであります。そういつた複雜な問題を含んでおりますので、その點についていろいろG・H・Qと打合わせて對策を講じておる次第であります。事柄自體は非常に重要でありますので、ぜひこれを實現していくよういたしたいと思います。
○稻村委員 この點についてなお詳しいことをいろいろ聽きたいのでありますが、特に公定價格で問題になるのは、やはり勞働賃金の問題であります。そしてこの勞働賃金の問題は、結局流通秩序の確立ということに非常に大きな關連をもつてきておると考えるのでありますが、政府では先ほど私がこの前に質問したときにも申しました通りに、すでに當時の千八百圓ベースを決定する。その前に豫想したところよりも公定價格においても上つておる。和田長官も豫想よりも上つておるということをお認めになつておると私は思います。そうしますと今度流通秩序の確立に格段の努力を拂いまして、配給すべき商品のやみ物價と、マル公との比率については、前のときに三割四分と六割六分になりますか、十一月にはこの比率よりもさらにどうかと言うと、百パーセントに公定價格で配給するというくらいな案があつてこそ、初めて千八百圓ベースはある程度維持せられるということが言えると思います。しかしはたしてそういうふうなことができるかどうかということに非常に大きな疑問をもつております。まず第一に私たちが考えられることは、今われわれの生活必需品として最も重要な部門を占めておる食糧、その中でも特に重要な部門を占めておるところの農産物——主食を別として蔬菜及び生鮮魚介の價格でありますが、今日それがこの前に私が申しました通り、これの公定價格は全部豫想よりも多少ずつ上つているのであります。それでもその公定價格で配給せられるというならばまだしも、大體においてこういう農産物は公定價格制度によらず、協定價格というものが、大體生鮮魚介におきましても、また蔬菜についてもあるのであります。そうしてこの協定價格というのが、いわゆるマル公價格の三倍ないし四倍の値段をもつて賣られておるのであります。この協定價格というものは、これは農林大臣に聽かなければ、あるいはわからぬかもしれませんが、こういう協定價格の存在というものを、一體安本として認めているのかどうか。この點御質問いたします。
○和田國務大臣 この公定價格をきめておりますものは、公定價格一本でありますが、前には地方に多少任したものがありましたので、それがおそらく例外價格として認められたものだと思います。しかし一本になつております價格のものについては、これは協定價格は本來ならば認むべからざるものであります。
○稻村委員 私は事實東京は例外價格があるということを知らなかつたのであります。ほかはみな公定を一應はずしてしまつたので、こういう協定價格は地方においては存在するかもしれません。しかしながら東京において軒並に蔬菜や魚類が、みんな協定價格をもつて賣られているということは、どういうわけでありますか。この點お尋ねいたします。
○和田國務大臣 おそらくそれは、たとえば操作上配給が間に合わなかつたので、自由な方へ流れてきたのでありましようが、すべて公定價格のきまつておるものについては、これは價格違反をしておるということになります。
○稻村委員 そうするとこういうふうなものは、東京においては、少くとも蔬菜と生鮮魚介に關して、これが行われているものとすれば、全部これは價格違反であるということを、安本長官はお認めになりますか。
○和田國務大臣 協定價格というものが認められていないのに、公定價格を協定價格で勝手に賣るとすれば、これは違反をやつているということになります。
○稻村委員 もしもこれが公定價格があるのに、こういう協定價格があるものとすれば、安本長官はこれを嚴重に取締る意思をもつておられるか。
○和田國務大臣 私どもといたしましては、これは價格違反その他の點につきましても、嚴重にこれを取締るつもりでおるのであります。ただ今までの實績等において、わからない點があるということは、御指摘の通りだと思うのでありますが、經濟安定本部としましても、今までの殊に蔬菜と生鮮魚介につきましては、實績を十分に檢討いたすために、先般この配給の實績を監査いたしたわけであります。そこである結論を得ましたので、われわれはその結論に基いて、それぞれの實行官廳に對してはつきりとした意思表示をし、勸告をしていきたい。かように考えておるのであります。蔬菜、果實について今のままでいいということは、もうとうわれわれとしては考えておりません。
○稻村委員 その點はそれ以上私追究いたしませんが、もう一つ私は問題になつておる流通秩序の問題と關連いたしまして、先ほど申しました通り、やみの比率を非常に少くしていかなければ、千八百圓ベースというものは、最初の豫定よりももつと殖やしていかなければならないと考えておりました。安本のいわゆる料理屋の閉鎖の問題、あるいはまた統制の強化に對する努力に對しては、私たちは一應その努力を了とするのでありますが、それにもかかわらず、最近こういう取締りをよそ目に、たとえば露店において——これはここにおられる荒畑委員から聽いたのですが、それによると阿佐ケ谷の市場で、白砂糖が百匁三百八十圓で公然と賣られておる。あるいはまた私の知つている限りでは、閉鎖されたはずの料理店の裏口營業が公然と行われておる。はなはだしいのになると、その附近の人の話によりますと、官公吏の職にある人間が、その裏口營業を利用して車をとめておるような噂さえ立つているのであります。こういう問題についても斷固たる處置をとつて、取締りをするならするで、はつきりした態度をきめていただきたい。政令だけで取締つておつたとしても、裏口ではこういうことが公然と行われておる。これを認めておいて、いくら流通秩序をわれわれが確立しようと努力しておつても、一つの空念佛に過ぎないのであります。こういう取締るものからぴしぴしと取締つて、はじめて勞働者諸君に對しても、千八百圓で我慢しろということが言えると思います。こういう裏口營業をやり、禁制品が公然と露店で賣られておつても、それに對して何らの取締りもしないで、勤勞者に對して千八百圓ベースで我慢しろと言つたつて、むつかしいと思います。この點の取締りに對して和田長官の答辯を聽きまして、私の質問を打切りたいと思います。
○和田國務大臣 お話の通りでありまして、この前も荒畑委員の御質問に對してお答えいたしましたように、われわれの方でそういうための委員會をつくりまして、關係各省から寄りまして時々報告を求め、また實際にやられておるところを檢討いたしまして、その取締りに關しましては、各關係官廳が歩調をとつてやつていくという態勢で、ただいまやつておるのでありまして、お話のようにいろいろな具體的なものがありますならば、われわれとしてもお話のように勤勞者の俸給ということを考えます以上は、そういう點についても今後は遺憾なくやつていきたいと思つております。
○上林山委員 私がまず總務長官に質したいのは、千八百圓ベースに關連いたしまして、片山首相は、安本長官が十一月には黒字が出るという説をなしておるのは、あれは理論であつて、實際上はそういうふうにいかないと自分は思つておるのだ。しかし政府としてはできるだけ今後も努力は續けたい。こういう答辯を本委員會においてされておるのでありますが、和田長官はこれに對して現在どういう考えをもつておられるか。この點について伺いたいのであります。なお米窪勞働大臣は、十一月にもし黒字が出なかつたならば、この千八百圓のベースは再檢討してもよい、というような意味を含んだ答辯をされておるようでありますが、これに對してどういう考えをもつておられるか。まず私はこういう點から質問を續けていきたいのであります。
○和田國務大臣 片山總理の御答辯は私直接聞いておりませんから、新聞で拝見しただけで正確にはわかりませんが、私に對しては八月に、將來の千八百圓ベースの生計費がどういうふうになるかという御質問がありましたので、われわれの方といたしましてその際考えられ得るいろいろな假定を設けましても、十一月になれば經濟緊急食糧政策の面、あるいはいろいろな面の政策が實現され、また實際的にやみの下落があり、いろいろな條件が備わるならば、十一月になつてくれば、これはやはり家計にゆとりが出てくるということを申し上げたのであります。その後最近の情勢によつてわれわれが檢討いたしてみますれば、これは先般稻村委員からもいろいろと御質疑があつたのでありますが、そのときに豫定いたしましたものの中で、計畫通り、たとえば生鮮魚介にしましても、野菜にしましても、その通りには今のところまだまいつていない。それからその後になつていろいろ交通變動等が起りましたので、もちろんわれわれが最初に豫定しておりましたようなそういうゆとりは出なくなつたとは思いますが、しかしやはり今千八百圓の基準がそれならば基礎的にどうかといえば、その點については私はまだぐらついてはいないと思います。千八百圓の基準は、御承知のように新しい物價體系を立てるときに、その物價の中に織りこむ勞賃ということでこれを採用いたしたわけでありまして、それを一應家計に直してみるとどうなるかということを出してみたのであつて、その點は十分に御理解を願いたいと思います。それから米窪さんが千八百圓がどうにもならなかつたときに、それを檢討するとおつしやつたとかいうことでありました。しかしこの點について、千八百圓基準というものを維持していくことについては、おそらく米窪さんと私との間に意見の相違がないかとも思うのでありますが、いかなる場合にそういうことを米窪さんがおつしやいましたのか直接私も聽つておりませんので、私は米窪さんの御意見と大して差はないものだ、こう理解しております。
○上林山委員 端的に申し上げると、一つの理論として家計の基準をつくるために黒字説をつくつたのだ。しかしその後の變化によつて、あるいは緊急對策が十分に效果をあげることができなかつたとか、今おつしやるように、やみ値が非常に高くなつていたとか、配給物質が非常に少く配給されたとか、こういうような意味によつてこの黒字説は今日は支持していない。もつと裏を返えして言うならば、これは再檢討をして、安本としてもこれが改訂を試みる用意をもつておる。こういうふうに考えてよいのであるかどうか。さらにまた米窪さんの問題も出ましたが、ここで言い爭いはやめたいと思いますが、ただ一つ、さらにあとで關連してくることでありますからこの際申し上げたのは、平野農相が新米價を基準として、そうしてこの米價がどうきまるかによつてさらに千八百圓のペースも改訂してよいと思う。こういう新聞報道がなされております。これらに對してどういう見解をもつておるのであるか。この二つの要點について説明を希望したいのであります。
○和田國務大臣 十一月の黒字の點について、それを放棄した、こういうふうに考えてよいかというお話のようでありますが、それはそうではなくて、實は私の申し上げておるのは、あのとき假定しましたいろいろの條件は變つてきておるから、今その條件を檢討しておるということを申し上げたので、それからひいて千八百圓の基準をどうこうするということは私としては考えておりません。それから平野さんの御意見でありますが、これは私どもはさようには考えておらないのでありまして、やはり米價をきめ、それで物價をまたもう一遍かえていくということではないのであつて、どこまでも米價も新して物價體系の一つとしてこれをきめていくという方針をとつておりますことは、御承知おきを願いたいと思います。
○上林山委員 非常にあいまいなところを承るわけですが、この十月に百九圓あまり、十一月には約四百圓の黒字が出るという家計表の推定計算でありますが、この中には緊急對策の效果というようなものを非常に期待しておられただろうと思うのであります。その當時豫思した緊急對策の效果と、現在においてはどれくらいの食い違いがあるか、現在その計算をされておりますかどうか、この點をお伺いいたします。
○和田國務大臣 これは實はよくつかめないのであります。なぜかと言いますと、われわれの所は計畫官廳でありまして、實施官廳の末端、配給の末端まではなかなかつかめないのであります。そこで一應計畫と實績との比率を調べますと、生鮮魚介で、八、九月までしかわかつておりませんが、東京だけをとつてみますと、やはり實績は計畫にくらべて八二%くらいの比率になつております。九月も同樣程度であります。これについて、この成績が惡かつたというのは、八月でいえば、茨城の定置漁業が非常に不良で、荷がはいつてこなかつた。あるいは九月にはあてにしておつたいわしがそれほどとれなかつたというような、いろんな理由がありますが、大體その程度になつております。それから野菜は、實は八月は計畫の七〇%くらい東京では行つております。それから九月は三〇%ということに現在なつておりますが、この九月が入荷が惡かつたのは、御承知の通り東京にはいつてきます野菜の元地が非常に水害を受けて、これが野菜が惡かつたという原因になつております。それから旅荷の輸送が斷たれたたということ、また干魃によつて特産地の作柄が少し遅れたということで、九月はそういうことになつております。
○上林山委員 流通秩序の確立も思うようにいかなかつた。あるいは追加豫算がどういうふうに決定されるかはつきりわかりませんが、想像するに、あるいは八百億から九百億くらいの範圍内で決定されるのではなかろうかと思いますが、そういうようになつてきますと、どういうふうに追加豫算が決定されたにいたしましても、通貨と物價に非常な非響を及ぼしてくる。なかんずく追加財源である煙草の値上げ、あるいは所得税率の引上げ、あるいはあとで詳しく承りたいのでありますが、新米價の決定がどういうふうになるかということによつて、再檢討を加えなければならぬことは必然のことだと考えているのであります。こういう事情を考えても、十一月には今豫定しているような黒字が出る、あるいはこの基準でわれわれとしては押していきたいのだ、こういうことを相變らず考えておられるのかどうか、この點をはつきり承つておきたいのであります。 なお、これは大藏大臣にも質問したかつた問題でありますが、人件費に關するところの官吏の給與は、これはほとんど豫算定員で計上されているのであつて、實際の實人員というのはこれより非常に少い。こういう點から考えても、すでに千八百圓の水準は事實上破れているのだ、こういう解釋をわれわれはもつているのでありますが、これらについて和田安本長官はどういう見解をもつているのでありますか。これを承りたいのであります。
○和田國務大臣 今日本のインフレーシヨンが非常に危險な状態まで來ているということは、これは御承認くださるだらうと思います。たとえば通貨發行にしても千五百億を超えているというように、いろいろな點から見ましても、これは通貨の面と物の生産の面とのバランスは非常にとれていないのであります。そこで豫算がきまります、そのきまり方によりましては、インフレーシヨンに對して非常に大きな影響をもつてくる。その面からでもインフレーシヨンというものが促進される危險はやはりあるのであります。そこでわれわれとしては、そういうような面からインフレーシヨンというものが促進されてきますならば、かりに千八百圓の基準をかえたとしても、それだけでは何も勞働者の生活が樂になるわけでなくて、また物價も結局かえていかなければならぬ、こういうことになるわけでありまして、そういうぐるぐるめぐりを、今よりももつと高い水準でもう一ぺんやつていくということが、結局今の經濟の面から私どもが政策としてとるべき方法であるかどうかという點については、私はやはりそういう方法をとるのじやなくて、豫算そのものも、追加豫算につきましても、收支の點から考えてたとえばむりな歳入をはかつて、むりに收支を合わせるということではなく、また千八百圓のベースについても、それをかえて何するということではなくして、政策の目標となつておる蔬菜にしても、その他生鮮魚介にしても、その他の點についても、もつとそこに努力して、そして流通秩序の面から、生計というものもやはり樂になつてくるような方へわれわれとしては向けていきたい、こう考えて、ただいま米價の決定にしましても、あるいは追加豫算の編成にいたしても、われわれとしては努力をいたしておるのでありまして、その點については今までも私はそういうように考えております。
○上林山委員 いろいろと理論的に今お答えになつた點について質してみたいのでありますけれども、先を急ぎまして私質してみたいのは、米價の問題についてであります。言うまでもなく米價はこの千八百圓基準にも直接影響する根本的は問題だと考えるのでありますが、しかるにすでに供出を前に控えまして、本年度の米價が閣内に對立があつて、いまだその決定に至つていない、こういうようなことを聞くのでありますが、これは生産者側からみても、ないし消費者の面からみましても、これが早くきまらぬということは大きな支障を結果として現わすのだ、こういうふうに考えているのであります。これに何が閣内における意見の相違というものが、世間に報道せられえおる通りにあるのかどうか、この點をまずあらかじめ承つてみたいのであります。
○和田國務大臣 お答えいたします。米價の決定は御意見のようにあらゆる面に影響をもつてまいりますので、閣議としても愼重を期しておるわけでありまして、すでに二囘も開きまして、きようもその問題について閣内で各閣僚がいろいろ意見を出されたわけでありますが、やはり米價の決定ということにつきましては、それぞれの立場から所管の行政廳の長官としてではなくして、國務大臣として發言をされるわけでありまして、その間におのずと決定に至りますまでに意見のありますことは、問題が問題でありますだけに當然だと私はむしろ思うのであります。そういうふうに各方面から意見を戰わしまして、閣議として一致した結論に達したいと思つておるのでありまして、そこに何も意識的に對立しておるというようなことはないのであります。それは閣僚の中で意見の食い違いがあるということは、それは多少顔が違つておるように、結論に達しますまでにいろいろ意見、議論がありますことはこれは當然の事柄でありまして、そのためには特別にどうのこうのということは別にないのであります。
○上林山委員 そうしますとあなたは安本長官として米價に對してどういう基準で、あるいはどういう程度の價格でこれをきめた方が最も適正であると考えておられるか、その點を伺いたいのであります。殊にあなたは主として消費者の側というか、あるいは家庭の家計計算というような點から考えまして、パリテイ計算によるところの値段をきめたがいい、こういうような主張をされておるらしく聞くのであるが、そういう意見をもつておられるか、その點をひとつ明らかにしてもらいたいのであります。
○和田國務大臣 米價の決定はこれは御承知のように、もとは生産費を基礎にして、ほかの物資を斟酌してきめるということになつておつたのであります。それが去年の米價から生産費によらずして、パリテイの均衡の方法によつてきめていく——米價の決定權はこれは司令部にあるのでありまして、均衡計算でやつていくということにいたしております。均衡計算という形でこれをきめていく、こういうことになつておるのでありまして、その意味で私は均衡計算できめて、一應そこから數字を出して、それをもとにして議論することが正しいということを申しておるのであります。もちろん米價の決定は米の供出にも非常に影響をもつてまいりますので、農民の立場ももちろんそこに考えられなければならぬと思うのであります。それと同時に米價の決定は、消費者一般の殊に勤勞者の階級にはこれが非常な影響をもつてまいりますので、お互いにこれは對立した立場からものを考えるべきものではなくして、やはりそこに一つの調和點を見出していくのがいいのではないかと思つておるのであります。その調節方法というものは、私をして言わしめれば、むしろ均衡計算がそういう點を滿足させる制度ではないか、こういう考えで、解釋いたしておるのであります。ただそれをどの邊にきめたらいいかということは、私はそれを言うべき自由をもちませんから申し上げませんが、そういう考えでやはり廣い觀點から米價というものは決定していく必要がある。ただ供出とかあるいは農村の立場から、あるいは消費者の立場からということであつてはいけないのではないのではないかと思うのであります。
○上林山委員 もちろん生産者、消費者が兩方とも滿足すべき價格というものは出てこないのであつて、結論としては妥協價格にならなければならぬとは思うのでありますが、何といつても生産者側がある程度これに協力し、ある程度滿足して供出に熱心になる。その結果がもちろん消費者にもいい影響を與えていくというような方面から考えますと、どうしても再生産ができる生産費價格というものを當然考えていかなければならないのであるが、傳え聞くところによると、生産費を中心にした米價と、いわゆる生計費を中心にしたパリテイ計算による安本の價格とは非常な開きがある。こういうことを聞くのでありますが、それに對してはどういうふうになつておるか、なお最後の價格の決定は、あなたとしてはここに發表の自由をもつていないとは思うが、パリテイ計算による價格は一應どういう數字になつて出てくるものであるか、この點を一應質してみたいのであります。
○和田國務大臣 そのパリテイ計算においてどうなるかということが私はまだ言えないというのであります。それからもう一つこれは生産費の方でいろいろの御議論もあることはもちろんでありまして、そういうようにいろいろな觀點から、やはり政府としましては一つの結論に到達しよいというので審議をいたしておるわけでありまして、再生産價格といいますけれども、これはもちろん日本の農業というものは、もう上林山さん御承知のように、いろいろの規模の農家があるわけでありまして、地帶によつても違うし、あるいはそれぞれの大きさによつても違うし、その再生産ということだけを中心にしていいましても、これはなかなかそこの捕えどころというものはむずかしい點が多々あろうかと思うのであります。米價そのものが供出に影響のあることはもちろんでありますので、そういう點も十分に考慮に入れた上で、各閣僚會議には私どもとしても出席して議論いたしておるのであります。ただ農家の再生産という點からいいますると、これはやはり農業部面における再生産資材あるいは他の消費資材にしても、農家の生活と同時に作業に必要なものが、やはり今の段階に十分にまわつていくように努力することはもちろん今後とも當然であろうと思いますが、お話のような觀點をわれわれちつとも考えずにやつていこうというのであります。ただパリテイ計算は消費者だけの立場かと申しますと、そうではないのでありまして、パリテイ計算は農家と消費者の兩方の立場を調和していく、こういう考えに立つていることを御了承願いたいと思います。
○上林山委員 この米價の問題について平野農相は、米價の問題が閣内で非常に對立しているために、われわれとしては生産費を中心にした相當大幅の米價にしたいということを考えておるのだけれども、安本その他の方面で相當にこれに反對をしておる、こういうような意味の報道がなされているのであるし、われわれもまた農林省が考えておるこれらの米價に對する意見などもそれぞれ聽いておるのでありまするが、そういう點から言うと、非常に閣内に對立がある。場合によつては平野氏は、この問題を中心にしていわゆる總選擧を行つてこれを國民の信に問うべきである。こういうようなことを言つておると言われておりますが、こういうような點から考えまして、相當に開きがある。だからこれは結論においては、今申し上げるごとく、和田長官が説明されるごとく、適切な妥協價格でなければならないのであるが、その開きが非常に大きいといわれるその開きは、どの程度くらいになつておるものであるか。あるいはあなたが言うように、それは閣内の單なる議論であつて、決して對立的なところまでいつていないというのならば幸でありまするが、いずれにいたしましてもこの問題がいつまでもきまらずにおる。しかも十月の中旬には遲くともきまらなければならない問題であります。この問題が未だきまつていないというようなことは私は内閣がこの問題に對して非常に對立している結果だ、こういう點を指摘したいし、さらに米價の決定によつて、平野農相が言うように、結局千八百圓ベースにも影響してくる。この千八百圓のベースに影響してこないようにしたいというあなたの御希望はわかるけれども、實際問題としてこれが影響してくるとは思わないかどうか、お尋ねしておきたいのであります。
○和田國務大臣 新聞で傳えるところはどうか私存じません。それについて私別段何も關係はないのでありますが、千八百圓基準を平野農相も崩していいとは私は言つていないと思います。米價の決定についてはそういう意味で——それは農林大臣として私も去年は非常に供出の問題で苦しみ、米價の決定でも苦しみましたがゆえに、農林大臣としての立場から御發言なさることについては、これはまた農民側の感情として、いろいろの事柄が反映されてその口を通じて出てくるということは私もよくわかります。しかしいやしくも米價の決定ということは、ただそれだけから決定さるべきものではありませんで、片つ方に非常にたくさんの勞働者も控えておる、勤勞者も控えておる、片つ方には農民がある。そこでやはりそれぞれの立場から眞劍な議論をたたかわして、そうして決定に行くのであつて、政府は早くきめたいがゆえにこそ、片山さんの言葉をもつて言いますれば、誠意をもつてやつておるのでありまして、その點は一つ御了承願いたいと思います。
○上林山委員 私はこの米價の問題のごときは國民と最も密接な關係であるからして、たとえばパリテイ計算によつてどうなるかというような程度の問題については、最後の政治價格ないしは妥協價格のところは閣僚として發表はできないといたしましても、こういうような問題については、豫算とも密接な關係があるし、國民生活と最も密接な關係があるのですから、こういう委員會の席上において私どもは生産者、消費者兩方面からの、大局的な意見をまとめる意味において、當然論議せらるべきものであると思いますけれども、閣議の對立は單に新聞その他によつて、報道を通じてわれわれは推察しているにすぎない。その結果がこういうような質問になつてくるのでありまして、私はこういうような大きな問題が、單にわるく言うならば閣僚間の政治取引というか、あるいは樂屋裏においてのみこれが論議されるという態度は、一から十までそうはいかないが、少くともこういう重要な問題については私は正々堂々と、あなたの立場から考えておることを、あるいは農林大臣は農林大臣としての立場から考えておることを、當然數字についても發表していいものだと考えるのでありますが、これに對してあなたはどういう考えをもつておりますか。
○和田國務大臣 お答えいたします。米價につきましては政府が責任をもちまして決定をいたすわでありまして、その決定までには、再三繰返しますように、いろいろの意見が出まするわけであります。しかしそれを一々われわれとしては未決定なものをしやべるというわけにはまいりませんので、そこで私はただいまのようなお答えをいたした次第であります。
○上林山委員 決定したものを審議するというのはもう從の從であつて、その決定に至るまでのいわゆる論據、あるいは實情というものをお互いが知るということが、最も必要であると考えていますが、相變らず現政府のやり方は今までのやり方と大差はない。むしろ今までよりももつと官僚的であつて、今までより以上に官僚的な面が見られることはまことに遺憾でありまするが、どうかこういう點について、もう少しざつくばらんにひとつ眞相をお互いに協議する、こういうふうに進んでいかれんことを希望しまして質問を打切ります。
○大神委員 緊急動議——議事の進行について申し述べたいと思います。 和田長官の説明と勞働大臣の説明竝びに總理の説明が、わずか千八百圓ベースについてもまちまちである。各大臣が一人々々のあたまで囘答されるということでは、われわれ審議する上において非常に苦しまなければならない。少くとも閣僚においては、こういう問題については意見が同一でなければならないと思う。しかるに一人々々の個人の囘答では、われわれが審議する上において非常にあたまを使い、迷惑をしなければならぬ。また議事は絶對に進まないと思う。少くとも今後閣僚におかれましては、こういう重大なる問題については、閣僚一致の意見をもつて豫算を組んでもらわなければならぬと思うのであります。しかるに閣僚は一人々々の意見であつて、一つもまとまつていない。車の兩輪のごとく、片一方がはずれておつたならば、これは滿足に進んでいくことができない。われわれ豫算委員會においても當然そうなる、また政府において政治を行うことも絶對にできないと思う。でありまするから少くとも今後は追加豫算が出るにおきまして、各閣僚の意見は一致していなければならぬということを私は考えられる。でありまするから、今後閣僚におかれて豫算を審議せられるときには、一致をみて後われわれに審議をしてもらうようにしていただきたい。しからずんば議事はなかなか進行しないだろうと思います。わずかなことで何日かかつておりますか。まとまるところはまとまるにもかかわらず——これは閣僚においても相當に仕事が忙しいのであるから、一人一人の意見によつて違つておるからといつて、それを委員が一々反駁していくということは私はおもしろくないと思う。どうか追加豫算におきましては、閣僚の意見一致をしたところでもつて臨んでいただきたいと思います。議事進行のためにこれだけ申し上げておきます。
○鈴木委員長 ただいま議題になつておりますのは、御承知のように支拂いに非常な緊急を要しまするので、千八百圓の問題に關しましては、いずれ近く提案されてまいりまする追加豫算の第五號といいますか、追加豫算のいわゆる本豫算と申しますか、その際に公聽會を開いて十分審議する豫定になつております。從つて政府におきましてもただいまの動議の點につきましては、十分御注意あらんことを希望いたします。質疑はこれをもつて終了いたします。
○川野委員 委員長、ちよつと待つてください。前に質疑の通告をしておいたのですから……。 〔「けしからん」「質疑は打切つた」その他發言する者多し〕
○鈴木委員長 私は別に故意に何もやつたわけではないので、大藏大臣への御質疑だと思つておりました。
○川野委員 大藏大臣と安定本部長官です。
○鈴木委員長 それでは川野君。
○川野委員 非常に時間が遲れましたのと、委員長が議事の進行を急いでおられますので、私は大部分の點は後日申し述べることにいたしまして、本日は二つの問題について安定本部長官にお尋ねしてみたいと思う次第であります。新物價體系をお定めに相なりました本年七月頃の工業平均賃金は、千六百圓弱であつたと思います。また官公廳等におきましては千二百圓であつたと思います。ゆえに七月の新物價體系をお定めに相なります場合におきましては、俸給水準を千六百圓とし、また賃金水準は昭和九年乃至昭和十一年の三箇年平均の五十倍乃至五十五倍程度にお定めにならないこともなかつたろうとは考えるわけであります。しかるに物價水準を昭和九年乃至昭和十一年三箇年平均の六十五倍とせられ、賃金水準を千八百圓と大幅に引上げられましたその理由をまずお尋ねいたしてみたいと思います。
○和田國務大臣 お答えいたします。この七月價格改訂をやりまするときに、その價格改訂の中へ織りこまれる勞賃費でありますが、勞賃費をどれだけにとるかということは、政府としても非常に愼重に構えまして、給與審議會の小委員會にやはり諮りまして、給與審議會小委員會の方で實はそれをきめていただこうと思つたのであります。ところがいろいろと議論を小委員會の方でもつくしたのでありまするが、とにかく結論といたしましては、この問題を審議するのには時間がない、そこでこの改訂價格に織りこむ賃金については、政府の責任においてこれを決定してもらいたい、という答申がありまして、その他二、三の附帶の希望の條件がございました。そこで政府は、あの七月の状態のときにおきましては、それまでの公定價格と實際價格が非常に開いておる。やはり早く價格の改訂をやらなければ、いろいろな面において支障が來ておつたのでありますから、そこで價格改訂を急ぎまするので、政府の責任におきまして、小委員會等の意向も斟酌して、千八百圓という基準を採用いたしたわけであります。あの當時の水準はたしか全工業平均は千六百圓に滿たない程度であり、官廳のものが千六百圓の水準であつたと思います。それで價格改訂をやりますると、改訂した結果、生計費としての賃金の方へもはね返りが考えられますので、そこでそれらの點を考慮して、千六百圓の基準を千八百圓ということにして、われわれは價格改訂に織りこむ勞賃費として、賃金水準を全工業平均千八百圓と、こういうことにいたした次第であります。
○川野委員 ただいま安本長官は、當時の俸給基準が千六百圓、こう申されたようでございまするが、私の記憶するところによりますると、千二百圓であつたと考えます。しかし官公廳の俸給値上の要求が起つてまいりまして、千六百圓にしてもらいたい、こういう強い要求のあつたことは私も記憶いたしております。が實際は千二百圓であつたと思います。そういたしますると工業賃金の平均水準が千六百圓弱であつた。また官公廳の俸給値上の要求も千六百圓であつた。こういうところから勘案いたしますると、俸給の水準を千六百圓とお定めになつても、私は一應物價體系が成立つておつたのではなかろうか、こう考えるわけであります。がしかしただいま御説明のありましたように、はね返りということを御心配になつて、千八百圓にきめて、物價水準を六十五倍にきめた、こういう説でございますので、この説をかりに了承いたしたいとするならば、少くとも今囘の千八百圓對六十五倍のこの水準というものは相當期間は保つものと、こういう確信のもとに政府はおきめになつたものと私は考えるわけであります。この點をまずお尋ねしてみたいと考えます。
○和田國務大臣 あの當時の官吏の俸給水準は千六百圓でありまして、千二百圓ではございません。從いましてわれわれとしては、今申しましたような理由で、千八百圓の賃金水準をとつたわけであります。そして價格をそうしよつちゆうかえていくということは、これは企業の面から言いましても、不安定な要素がそこにあるわけでありますから、企業の少し長い計畫なんかは、價格がそんなにしよつちゆう變動しておつたのでは、とうてい立つはずもないわけでありますので、われわれといたしましては、この價格體系をやはり相當の間は維持していく、こういう建前でやつたわけであります。
○川野委員 ただいまの御説明によりますると、新物價體系は相當期間守つていくべきもの、こういう考えのもとにお定めになつた、こう私は了承いたす次第であります。しかいたしますると、先刻も上林山委員から述べられましたように、平野農相の説をもつていたしまして、新米價決定いかんによつては千八百圓ベースが崩れてまいる。また先日米窪勞働相は、ただいま中勞委にこの千八百圓ベースの問題が提訴されている。その決定いかんによつてはまた閣議で檢討して、そうしてその追加豫算をあるいは豫算委員會に求むるであろう。こういう意味の御答辯をされたと私は思います。そういたしますと、現内閣の閣僚間におきましても、すでに千八百圓ベースというものがあるいは壊れるのではなかろうか。實はこういうようなお考えをもつておるところの閣僚があるものと私は推定する次第であります。しかし靜かに考えてみますると、千六百圓對五十倍でございますか、五十五倍になりまするか。この物價水準竝びに賃金水準というものは、私は本年七月においては一應成立つたものと思う。しかしこれは成立つたといたしましても、數箇月の後にはこれは崩れておる。それで今囘現政府のおとりになつたところの千八百圓對六十五倍のこの物價水準を私は適當であると考えまするが、この物價水準が萬一短い期間に壊れたということになりまするならば、これは國家にとつて由々しき問題になると私は考えるのであります。すなわち千六百圓對五十倍の物價水準をもつて數箇月守れたものと考えます。しかるに千八百圓對六十五倍の物價水準が、かりに數箇月のうちに破れたということになりますと、現内閣は非常なる責任を負わなければならぬと私は考えます。この點に關しまして安定本部長官の御意見を伺つてみたいと思います。
○和田國務大臣 われわれといたしましては、ただいま申し上げましたように物價改訂を行いまして、新價格體系というものができまして、これをできるだけ維持していくという努力を今も續けておる次第でございます。
○川野委員 この問題につきまして、私はもう少し安定本部總務長官につつこんで質問を試みたいと考えまするが、しかし時間が非常に迫つておりますのでこの程度で切りあげたいと思います。ただし今囘改訂になりました新物價體系が壊れたということになりますると、現内閣は非常なる責任を負わなければならない。私はこういう點を申し述べましてこの點は質問を打切ります。 なお先般給與問題につきましていろいろと御質問があつたわけでありまするが、しかし給與が地方差のあるということは、私はもつともなことであると考えます。いろいろ今日問題になつております十二割ないし二割というような、非常な差のあることはまことに遺憾でありますが、ある程度の差のあることはやむを得ないことであると私は考えております。いかんとなればわが國におきましては、從來も大都市というものは俸給が高かつたわけであります。また賃金が高かつたわけであります。賃金が高く俸給が高かつたのでありますが、從つてまた物價も高かつた。こういう結論に到達いたしているわけであります。しかるに今日におきましては、物價水準をいろいろ調べてみますると、地方と大都市の物價水準はあまり變つていないのであります。先日今井給與局長は、やみ物價について非常な差のあるかのような御答辯がございましたが、私が知る範圍においては差はあまりないと考えている。ただし地方にまいりますと、經濟警察官が非常に嚴重な取締をやつておりますので、ほとんどやみ物資は店頭に竝べてないという實情になつております。しかるに大都市においては、ほとんどやみ物資が竝べてあつて、そうしてやみ價格が掲示してある。東京を調べてみましても、ほとんどやみ物資でありまするが、このやみ物資に對して、やみ價格が公然と掲示してある。こういう實情である。ときどき警察官によつて取締が行われまするが、取締が行われまする二日前には、業者には内密に通知があるものとみえまして、かかるやみ業者は店をたたんで、そうして取締の日には休業いたしておるような實情であります。それで地方と大都會の取締の差をなくするということになるならば、おそらく地方におきましてもやみ物資は店頭に現われまして、そうして大都會と同じようなやみ價格というものが現われてくるものと、こう私は考えるわけであります。殊に公定價格であります。公定價格が地方と大都市というものは、ほとんど同一にきめられておられるようであります。もちろん重要物資についてはきめられることも結構であります。しかし私はここにその一例を申し述べてみたいと考えまするが、木炭と薪であります。現在木炭一俵の値段が、生産者の販賣價格というものは六十九圓五十錢である。それを小賣價格は百七圓五十錢で賣つておる。こういう實情でありまするが、百七圓五十錢という小賣價格は、炭がたくさんできるところの生産地、すなわち生産者が六十九圓五十錢で賣つておるところのその生産地でも、また東京のまん中でも、同一價格百七圓五十錢で販賣されておるという實情であります。また薪の例をとつてみますると、長さ一尺二寸、胴囘り二尺五寸の薪が、生産者價格というものは五圓四十錢であります。五圓四十錢の生産者價格の薪が、小賣價格は十三圓九十錢で賣られております。すなわち八圓五十錢の途中の費用が消えまして、十三圓九十錢で賣られておるという實情であります。山の中でも薪一把の値段が十三圓九十錢、東京でも同じ薪一把の値段が十三圓九十錢、かくのごとく山間でも東京のまん中でも、同じ値段で賣られておるという實情でございます。私はこの點が非常に不合理ではなかろうかと考えるわけであります。それで少くとも物價におきましても地方差を設けまして、あるいは三段、四段、五段という階級を設けまして、そうして生産地等の値段を安くし、消費地である大都市に關しましては値段を高くする。こういうことが私は適當でなかろうかと考えるわけでございますが、この點について安本長官の御意見を承つてみたいと考えます。
○和田國務大臣 木炭の價格で、生産地の生産者價格と消費地の消費者價格との間に非常な開きのあることでありまするが、これは大部分が運賃と、それから小賣商のマージンと申しますか、そういうものになつております。で生産地の生産者價格と生産地の消費者價格というものが、生産地を離れた大都市の消費者價格と同じであるという點で、そこに多少の矛盾があるようでありますが、これはやはり運賃のブール計算をやりまする以上は、結果的にはどうしてもそうなつてくるのであります。しかしこれはいろいろ技術的に考えましてむずかしい點も實は出てくるので、ありまして、段階別に定めるということも、一つの合理論であろうかと存じます。木炭などでも、あるいは生産地の生産者價格と消費者價格というものとは、もつとくつついており、それから大都會のやつはもつと離れておる、こういうことが一應合理的にも考えられまするが、しかし多くの荷物をたくさん取扱つて、それを一つの所にまとめて、また配給していく、こういう制度になりますると、運賃のプール計算をやつた價格を出すことに自然なつてくるわけでありまして、今のようなきめ方をいたしたわけであります。しかしこの點については、われわれとしてももう少し、産地によつては輸送その他いろいろの關係で荷が溜つてしまうと、かえつてうんと値段が下がる場合もあり得るわけでありますから、價格の決定の仕方につきましては、これはいろいろ檢討する餘地もあろうかと考えております。ただ、今きめております公定價格は、最高販賣價格でありまするから、その公定價格を消費價格が割るということは、これはむしろ場合によつて、ほんとうに生産が殖えない。そして需要が少くなつてきたというものでありますならば、むしろそれは喜ぶべき現象である。その場合には價格改訂をやつて、もつと價格を下げていくということで應じていけばよいのではないかと思つております。
○川野委員 現在でもその薪あるいは炭の産地においては、公定價格を割つておるわけであります。薪の例をとつてみますと五圓四十錢で生産者が賣つておる薪を、十三圓九十錢でその山の隣村の人が買わなければならない、こういうようなまことに机上論と申しますが、こういうことをやつておられます關係上、ほとんど生産地においては横流れをしておるという實情であります。また生産者にいたしましては……(「總理大臣が證明しているじやないか」と呼ぶ者あり)やじると長くやりますよ。小賣價格は十三圓九十錢でありますのに生産者側は五圓四十錢、そうしますと今申しましたように八圓五十錢のいう莫大な差額があります。生産者の立場においては、こういうような生産者が取るところの金よりも、中間で消えるところの金が多いような實情からいたしまして、もう生産意欲なんか非常に減退いたしておるというのが今日の實情であります。それでどうしてもこういう問題は机上の計畫だけではいけない、實際問題として私は取扱つていただきたいと考えますので、安本長官におきましてもよく御研究いただいて、こういう無理な事柄はなるたけ早く御訂正になり、そうして先刻申しましたように、この俸給に對しても地方差があることは結構であります。これと同樣に物においても地方差をつけてそしてこういう問題を解決していただくように私は希望いたしまして、今日は非常に時間が遲いのでこれで質問を終ることにいたします。
○鈴木委員長 質問は終了いたしました。ついで議題となつておりまする昭和二十二年度一般會計豫算補正(第四號)、昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第一號)を議題といたしまして、討論採決にはいりたいと思いますが、討論はいかがいたしたものでございましようか。
○川島委員 本案の採決にあたりまして附帶決議を附したいとの動議を提出したいと存じます。この附帶決議案には社會黨、民主黨、自由黨、國民協同黨、第一議員倶樂部所屬各員の贊成を得ておるものであります。最初に決議案文を朗讀いたしたいと思います。 附帶決議 一、昭和二十二年度一般會計豫算補正(第四號)及び特別會計豫算補正(特第一號)の支給率に關しては、地域別支給率の較差のはなはだしき點に鑑み、官公職員待遇改善委員會準備委員會と協議の上、適切なる措置を講ずべきこと。 二、國家公務員給與法案の起草に際しては、給與體系の整備及び確立を期し、地域差については適切な考慮をなすこと。 三、地方財政の窮迫化に鑑み、地方財政費の支出を敏速、確實に實行し、地方職員の給與の支給に支障なきよう政府において萬般の措置を講ずること。 案文は以上であります。 簡單に本附帶決議案の理由を説明いたしたいと思います。第一の決議案文につきましては、本委員會におきましても、それぞれ各委員から熱誠なる審議が進められたのであります。その審議に際しまして政府當局におきましても地域別の、殊に支給率の較差の問題につきましては、あえて別表配分の價格に對しては固執をするものではない、十分に委員會の意を體しまして最も適切な措置を講ずることにやぶさかでないとの答辯がありましたので、本委員會といたしましてはその政府の方針に期待しましてこの法案の採擇をいたしました上、さらに政府當局は十二分にこの地域別支給率の較差のはなはだしい點に鑑みられまして、あらためて官公職員待遇改善委員會側との愼重な協議の上に、適當な措置を一日も早く講ぜられまして、しかもその上にその支給の最も速やかなる方法をとられんことを望むための決議案であります。 第二には政府は近く國家公務員給與法案をこの國會に提案するとの方針で、目下同法案の起章を急いでおると傳えられておりますが、從來竝びに現在實施されております給與體系というものは、さわめて複雜であつて非常に合理的であるとは申されぬ點が多々あると、われわれは考えておるのであります。そこで政府は今囘あらためて提案いたそうと努めておられますこの公務員給與法案の起草にあたりましては、從來の給與體系の複雜なしかも缺陷の多きに鑑みまして、その體系の確然たる整備を期すると同時に、地域差についてもこれまた申すまでもなく、適切な考慮を十二分に拂うべきであるという考えであります。 第三の問題につきましては、政府も御承知のごとく昨今における地方財政の窮迫化に鑑みまして、地方職員の給料の支拂等が、ややもすれば遲延するという實情が全國にまれでない形になつているのであります。かくのごとき状態でありますることは、地方府縣その他に奉職をいたしております職員の、さなきだに窮迫いたしておりまする生活の上に、非常な困難を加えることでありますることは、申し上げるまでもない事柄でありますので、この點にも政府は十分に留意をされまして、地方財政の支出のような問題につきましては、殊に敏速に、確實に、これを實行され、あるいはまたさらに金融等の措置につきましても、十分に親心をもたれまして、この地方職員の給與の問題については、いささかの支障のないようにすべきであろうという考えであります。 以上が本附帶決議案の理由であります。なお提案者はこの機會に、この附帶決議と併せて本案採決に際しましては、委員長において討論を省略して採決あらんことを望みまして、提案理由の説明といたす次第でございます。
○鈴木委員長 討論の省略には異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 それでは討論を省略いたしまして、ただちに本案の採決をいたします。 ただいまの決議案をあとにいたしまして、兩案に贊成の諸君は起立を願います。 〔總員起立〕
○鈴木委員長 起立總員。よつて兩案はいずれも原案の通り可決いたしました。 次にただいまの社會黨、民主黨、自由黨、國民協同黨、第一議員倶樂部の各黨共同提案の附帶決議を採決いたします。この附帶決議に贊成の諸君は起立を願います。 〔總員起立〕
○鈴木委員長 起立總員。本附帶決議案は決定いたしました。 本日はこれをもつて散會いたします。 午後四時三十一分散會