P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
1回国会衆議院1947/08/15

予算委員会 第6号

発言数
14
登壇者
6
会派数
5
開催日
1947/08/15

会議録

鈴木茂三郎日本社会党

○鈴木委員長 會議を開きます。  これより昭和二十二年度一般會計豫算補正(第一號)を議題といたしまして、討論採決にはいります。討論は通告順によつてこれを許します。稻村順三君。

稻村順三日本社会党

○稻村委員 本豫算は豫算編成の常道から見ますと、勞働省だけ切り離してやるということはちよつと妥當を缺くように思われます。しかしながらわが國の當面せる經濟危機の切り抜けのためには、勸勞大衆の活動にまつところが、實に緊急を要するという提示から考えまして、當然勞働行政の革新強化が片山内閣の重大な使命となつておるわけであります。從つてこの使命を達するためには、勞働行政を強化する意味におきまして勞働省を設置して、迅速にその政策の實行に當らなければならないとかように存じております。その意味から申しまして、全般的な豫算の編成をまつてそれをなすという時間的餘裕がないと申しますか、それまでまつておるよりも、もつと早く急いでその任務の達成に邁進しなければならぬと考えております。しかして政府のこの豫算を提示したところによりますると、新規豫算といたしましては、主として前年度豫算の剩餘金からこれを賄つておりまして、別の財源にこれを求めるというような必要もないということは、本豫算が一應理論的には全般的な豫算を切り離すことができないようではありますけれども、その意味におきまして一應全般的な豫算から切り離しましても、大體そう不當な處置ではないというふうに考えられます。豫算書にもある通り、勞働省を設置するについては、五千萬圓の追加支出が必要とされておりますが、厚生省において極力經費の節減に努めた結果といたしまして、千三百餘萬圓の不用額を生じ、實際上は差引三千六百萬圓をもつて足りるようになつておるという要求が、健全財政の建前をここに多少織りこんでおる努力も見られるわけであります。なお勞働省の所管の事業として勞働保險は厚生省からそのまま引繼がれるのでありますが、そのほかに近く勞働保險に必要な豫算が提出されようとしております。それらの勞働關係の特別會計については、次の機會に十分愼重な審議を行わなければならないのであります。  最後に本豫算審議にあたつて、人件費の適當であるかどうかということが問題になつたのでありますが、これはもし變更する場合には、全般的な追加豫算にこれを提案することができるのでありまして、その際十分に論議を加えても、決してその機會がないというわけではないのであります。  要するに以上の理由によつて本豫算にわが社會黨といたしましては贊意を表する次第であります。但し次の點についてはちよつと述べさせてもらいたいことがあるのであります。本豫算の審議に際して最も問題になりましたものは、政府の説明による新物價體系における賃金の千八百圓ベースの計算の基礎については、未だ十分な科學的基礎をもつておるということが明らかでないように思われます。この點できれば全般的な追加豫算が編成され、その審議にあたる前に、十分に科學的な檢討を加えて、そうしてわれわれ議會竝びに國民に、その科學的な基礎を公表する必要があろうと存じます。かようなことを私たちは條件といたしまして、本案の決定に贊成する次第であります。以上私の贊成趣旨を終ります。  つきましてはわれわれの委員會におきましても日本社會黨、民主黨、ならびに國民協同黨、自由黨の四黨が、ここに共同で附帶決議をすることになりましたから、この附帶決議を讀み上げます。    附帶決議 健全財政を堅持し經濟再建の基礎を確保するため、補正豫算編成に當つて政府當局は、左記の三點に關し適當な措置を講ずること。  一、勤勞者の主食配給を確保する。  一、酒類、煙草類等勤勞者の生活に重大な關係をもつものの値上げについては、國會の愼重な審議を經た後これを行うこと。  一、政府は地方勞働基準局及び地方勞働基準監督署の設置に際しては、地方行政一元化の精神に則り充分な考慮を拂うと共に、これが設置については地方的負擔を來すことのないように注意すること。  この三點を附帶決議として、本豫算の通過に贊成するものであります。

鈴木茂三郎日本社会党

○鈴木委員長 川崎秀二君。

川崎秀二民主党

○川崎委員 民主黨は勞働省の設置に關する豫算に關しまして、ただいま社會黨の代表から讀み上げられました四黨の附帶決議を附したる決議事項とともに、贊成の意を表するものであります。  先ごろ勞働省設置案が上程をされました際に、勞働委員會、本會議を通じまして、勞働省が眞に勞働者の福祉をはかり、その職業の安定をはかり、もつて産業の興隆と國民生活の向上に資するという、文字通りの役目を果すために、各種の議論が展開されたことは衆知の事實であります。その際衆議院は附帶決議といたしまして、第一に勞働行政の中央地方を通じての一元化、第二は勞働者教育の重要性ということを附帶決議にいたいました。さらに第三には勞働委員會の權限擴充、第四には勞働省設置に際して、官吏の總數をなるべく可及的に増加することを避けることを附帶決議としてうたいましたが、本日四黨がうたいました附帶決議も、これに準ずるものであると私は考えるのでありまして、これらの附帶決議の趣旨を十分に活かされて、勞働省が勞働者の福祉をはかり、國民生活の向上に資する意味で、十分の御活動あらんことを希望いたしまして、民主黨の贊成意見とする次第であります。

鈴木茂三郎日本社会党

○鈴木委員長 西村久之君。

西村久之日本自由党

○西村(久)委員 私はただいま上程中の補正第一號に對しまして日本自由黨を代表いたしまして贊意を表するものであります。  この案につきましてはいろいろ意見もあり、また開會以來各委員から述べられておりますように、千八百圓のわく問題等につきましては、相當なる意見を有するものでございますけれども、この點に對しまする諸種のわが黨の意見は後日に讓りまして、今囘は本案が急を要するという建前上、意見を述べることを差控えることにいたしまして、本案に贊意を表する次第であります。

鈴木茂三郎日本社会党

○鈴木委員長 野坂參三君。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 私は共産黨を代表しまして、この豫算がここで討議され、それが終結し、また本日本會議に上程されるということについて、反對する者であります。というのはすでに昨日及び一昨日の討論でも明らかになりましたように、しかも今、稻村君から發言があつたように、この勞働者の豫算というものは、今度追加豫算として出される全豫算のわずかの一部に過ぎない。われわれとしてはどうしても一般的なこの豫算の審議、それと並行して、もしこれが特に急ぐならば、これと並行して審議していくというのが原則であり、當然履まるべき手續だと思うのです。ところがこれを切離して、特にこれだけを出してここで決定してくれということには、私たちは贊成ができない。特に昨日から論議された給與の問題について、この豫算の中のおそらく六割以上のものが人件費になる。こういうように考えれば、これが要するに豫算の中心點になりはしないかと思う。そうすればこの問題はわれわれは深く論議して、しかる後にこの問題を打切るいうことが順當ではないか。  第二に言わなければならないのは、われわれに配付された豫算額調というようなこの一枚の紙です。これは大まかな、ただ數字を上げただけで、細目というものは全然書いてございません。こういうような細目なしにわれわれはこれを討論終結し、これを本會議に出すということでは、われわれ議員としてとうてい責任を果すことはできないと思います。もし大藏大臣の方でほんとうに勞働省の立派なものをつくつて、われわれのほんとうの心からの贊成を得たいならば、なぜ今日までに細目にわたる豫算書をわれわれの前に提出されないのか、豫算委員會において、こんなでたらめなことが、過去にはあつたかも知れないが、現在及び將來許すべからざることであると思う。私はここにおられる豫算委員諸君にも申し上げたいことは、このような状態の下で、全然内容もわからない、細目も知らされない、こういう状態でこれを通過させるということで、はたして議員の責務を果し得るかどうか、この意味におきまして私はこれを上程することに反對です。  それからただその論據として、急ぐから急ぐからということであるが、私自身は勞働省設置については贊成です。しかしながら急ぐならばすでに國會が始まつて一箇月半以上濟んでおる。この間に一體なぜもつと早く出されないか。しかも今日審議を經て、今日の午後突然に本會議に出して決定する。こういうことをやらずに、むしろ豫算の整備をされ、細目がちやんとわれわれにまわつてくる。こういう時期まで待つて、そうしてもう少し十分討議を盡した後に、私は討論終結、本會議に上程するということでやられるならば、私はあるいはこのときこそ贊成するかもしれない。今の状態では私は絶對に贊成できないのであります。

鈴木茂三郎日本社会党

○鈴木委員長 今井耕君。

今井耕国民協同党

○今井委員 私は國民協同黨を代表いたしまして贊成の意を表するものであります。ただいま上程されておりますところの補正豫算が、他の追加豫算と切離して上程されまして、根本的に、總合的に檢討することができなかつたことはまことに遺憾とするところでございます。しかしこれらのことは、なお次の追加豫算の際にも檢討する餘地があると思うのであります。こういう點を考えまして、何分急を要する問題でもありますので、全面的に贊成をいたしたいと思います。

鈴木茂三郎日本社会党

○鈴木委員長 討論は以上をもつて終結いたしました。  これより採決をいたします。本案に贊成の諸君は起立を願います。     〔賛成者起立〕

鈴木茂三郎日本社会党

○鈴木委員長 起立多數、よつて本案は原案通り可決せられました。  次に共同提案の附帶決議につきまして採決をいたします。まず附帶決議の朗讀をいたします。    附帶決議 健全財政を堅持し經濟再建の基礎を確立するため、補正豫算編成に當つて政府當局は、左記の三點に關し適當な措置を講ずること  一、勤勞者の主食配給を確保すること。  一、酒類、煙草類等勤勞者の生活に重大な關係をもつものの値上げについては、國會の愼重な審議を經た後これを行うこと。  一、政府は地方勞働基準局及び地方勞働基準監督署の設置に際しては、地方行政一元化の精神に則り充分な考慮を拂うと共に、これが設置については地方的負擔を來すことのないように注意すること。 本附帶決議に贊成の諸君は起立を願います。     〔賛成者起立〕

鈴木茂三郎日本社会党

○鈴木委員長 起立多数、よつて本附帶決議は決定いたしました。  なおこの際お諮りいたしたいことがあります。報告書は議決の理由を附し、議案の要旨、議案の利害得失等を記載したものを提出すべきものでありますが、本日の本會議に緊急上程いたします關係上、委員長及び理事に御一任いただきたいと思いますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木茂三郎日本社会党

○鈴木委員長 それでは御異議ないものと認めてさよう取計らいます。本日はこれをもつて散會いたします。    午後二時二十一分散會    附帶決議 健全財政を堅持し經濟再建の基礎を確保するため、補正豫算編成に當つて政府當局は、左記の三點に關し適當な措置を講ずること  一、勤勞者の主食配給を確保すること。  一、酒類、煙草類等勤勞者の生活に重大な關係をもつものの値上げについては、國會の愼重な審議を經た後これを行うこと。  一、政府は地方勞働基準局及び地方勞働基準監督署の設置に際しては、地方行政一元化の精神に則り充分な考慮を拂うと共に、これが設置については地方的負擔を來すことのないように注意すること。  右報告する。   昭和二十二年八月十五日      豫算委員長 鈴木茂三郎    衆議院議長 松岡駒吉殿

国会会議録検索システムで原文を見る ↗