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1回国会衆議院1947/08/01

文化委員会 第2号

発言数
25
登壇者
12
会派数
4
開催日
1947/08/01

会議録

福田繁芳民主党

○福田委員長 ただいまより會議を開きます。  去る七月二十九日の打合會におきまして、觀光事業に關し、運輸省鐵道總局長官伊能繁次郎君、全日本觀光連盟事務局長武部英治君、並びに日本交通公社理事長高田寛君の説明を聽き取つたのでございまするが、本日は、この委員會におきまして、さらにこの主題について關係當局の説明を求めることにいたしたのでございます。すなわち第一番に内務省道路課長金子君からは、道路その他觀光事業に關連ある内務省所管事項の説明を聽き、次に文部省社會局長柴沼君並びに社會教育局文化課長小林君からは、國寶、史跡名勝及び天然記念物の指定保存、その他觀光事業に關連がある文部省所管事項の説明を聽きたいと思うのであります。なお引續いて、國立公園その他觀光事業に關連ある厚生省所管事項については、一松厚生大臣と、公衆保険局長三木君を煩わすことにいたしたのでございます。最後に貿易館、バイヤー接遇、その他觀光事業に關連ある商工省所管事項については、貿易廳次長新井君を煩わすことにいたした次第でございます。  實は時間の關係もありますので、各省におかせられましては、大體十五分平均ずつの御説明を願いたいと思います。そうして最後に約一時間ほど殘りますので、委員諸君からの廣範圍にわたつての質疑に充てたいと思うのでございます。なおその節は、自然運輸省の所管事項にも觸れることがあると存じますので、運輸省業務局長加賀山君、同じく業務局觀光課長間嶋君にも、特にこの際ご出席を願つた次第でございます。  まず最初に文部省の教育局長柴沼君の御説明を願いたいと存じます。

柴沼直文部事務官

○柴沼政府委員 文部省で所管いたしております國寶重要美術品等並びに史跡、名勝、天然記念物等につきまして、概略の統計等をお手許にお配りいたしておるのでございますがこれらはそれぞれに關して法律が制定せられておりますように、いずれも指定した上に保存をするという點に、重點があるのでございます。つまりできるだけ現状を變更しないで將來に遣そう、日本國の一つの特徴であり、また物によつては世界にも誇るべきこれらの關係のものを、できるだけ現在の状況を變えずに保存をする。もし現状が腐朽破損などによつて變更してまいるような場合には、修理を加えてでも保存をしようというような建前を、趣旨といたしておるのでございます。從つて今までの文部省のやつておりましたことを一言にして申しますと、その史跡なり國寶なりを一般に顕彰する、一般に知らせるということよりも、技術的に專門的に保存をするという點に、重點がおかれておるのでございます。そのために、實はあまりに專門的な保存に過ぎまして、これが利用、活用等も自然少く相なりますし、また一般の觀光その他に利用することも、自然文部省としておろそかにしておるような點が、なきにしもあつたのでございますが、將來はその保存そのものをよくするためにも、現状をよりよく保つためにも、さらにこれらのものを一般に知らせ、特に外客等にも見てもらうというような方法によつて進んでまいりたい。これは直接法律にはないのでございますが、やはり保存の裏に、ただちにそういう問題を含んでおるというふうに考えて、その方向にもつてまいりたいと思うのでございます。戰爭によるこれらの物件に關します損害は、割合に多くなかつたのであります。その統計もお手もとにお配りしたものにあるのでありますが割合に輕く免れておるのであります。ただ寶物類等で非常に惜しいものが燒失したものもありますし、また都會等における建造物で燒けましたものたとえばこの近くで申し上げれば、芝のお靈屋が燒けたというような、そういう有名なもので燒けたものも相當にあるのでありますが、全體の數からいいまして、あれだけの戰災に比べますれば、比較的輕く濟んだ方であろうかと考えておるのでございます。ただこれら戰災のほかに、なお毎年の風水害によります災害が相當あるようでありまして、これもその復舊等が、保存の上からも、一般に顕彰してまいります上からも、きわめて必要なことになつてくるのでございます。ごく最近の事例で申し上げますれば、嚴島が洪水のために山崩れを來しまして、あの島中に土砂があふれまして、有名な嚴島神社が現に土砂に埋まつておるのであります。そういう問題もあるのでありますが、しかし現在の敗戰状態から申しますと、なかなかこれの復興は困難であります。われわれとしては、ぜひ復舊したいと念願いたしますが、なかなかこれらの復舊の豫算がとれない、從つてあれだけ有名な宮島の遊覧ということが、おそらくその生命の半ば以上を失われているという實情にあるのは、まことに殘念に存ずるのであります。  それからこれらの國寶重要美術品並びに史跡、名勝、天然記念物等を鑑別いたしまして指定をしてまいります上には、いずれもこれは非常に特殊な專門家の手によつていたしております。從つていわば學術的な見地から指定されてまいつておるのでありまして、從つてこれらの指定と一般の地元等の觀光等のためのいろいろな要望と、必ずしも一致しない場合が出てまいるのであります。たとえば、富士山にケーブル・カーをかけようといふような案は、觀光方面から申せば、非常に歡迎されるのかもしれないのでありますが、あそこの歴史なり、名勝なりを受持つております學者連中から申しますれば、非常にこれを毀損するようなことが殘念になつてまいりまして、從つてそこに意見の相違が出てまいります。こういう事例がいろいろとございまして、その都度適當に裁いてまいつたのでありますが、ようは國のこういう寶でありまするものを非常に損壞することなく、しかも便利にこれを利用し、活用することができるというところに、結論をもつてまいらないのでありまして、それらの點でこれらこれら觀光というものが盛んになればなるに從つて、いろいろ問題が出てまいるのではないか。われわれの方もそれに備えまして、具體的にどういうふうな程度において利用ができるものか。たとえば名勝を損壞しない橋のかけ方、道路のつけ方というようなことも、多少技術的な檢討を交えて、各省にもご協力を願つて保存をしてまいりたい、同時に顯彰してまいりたい、かように考える次第なのであります。  觀光直接の問題といたしましては、なおそのほかにこれらの寶物等を入れて示しまする容れ物でありまする博物館の問題等もあるのであります。御承知の通り、日本では博物館事業は、全國的に見て非常に遅れております。從つて國内の青少年はもとより、成人の利用に對しましても、十分な内容の説明等が行われておらないのであります。まして外客等に對してましては、これらの點でほとんどの施設がないと申してもよいようであります。わずかに上野にあります國立博物館におきまして、英文の説明書のカードがついておるという程度が、まず關の山なのでありまして、これらの點につきましては、さらに博物館當局と相談をいたしまして、それらの創意くふうをさらに進めてまいらなければならないだろうと考えておる次第であります。觀光直接の問題としては、一見たいへんわれわれの方は消極的なふうに見えるのでありますが、それは法律の建前がそういうふうに見えるのでありまして、實際にはわれわれ決してそういうことを粗略に考えておるわけではないのでありまして、一層御指示を得まして、そういう方面にも努力してまいりたいと考えておる次第であります。非常に簡單でございますが、所管事項の概況だけを御説明申し上げた次第であります。(拍手)

福田繁芳民主党

○福田委員長 次に貿易館、バイヤー接遇その他觀光事業に關連ある商工省所管事業について、貿易廳次長新井君の説明を願いたいと思います。

新井茂貿易廳次長

○新井政府委員 實はご連絡が少し悪うございまして、資料を本日お手もとに御配布いたすことができませんで、はなはだ殘念でございますが、概況について御説明申し上げます。貿易の状況は御承知の通りに入超になつておりまして、昨年度におきましては、連合軍司令部よりも發表のございました通り、ドルにいたしまして約一億八千萬ドルの入超であります。一面輸出の方は、國内のいろいろな状況によりまして、必ずしも豫期の通りにまいつておりませんので、わが國といたしましては、なんとか輸出をいたしまして、日本に必要とする食料等の輸入の代金を賄わなければならぬ事情に相なつておるのであります。ところが御承知の通り、わが國の現在の特殊な國際的な地位からいたしまして、貿易はすべて國の責任においてやることに相なつておりまして、日本においては、商工省の貿易廳が全責任をもつて、外の關係におきましては連合軍總司令部がすべてこれを行うという體制によつて貿易が營まれておるのであります。それで最近までの状況におきましては、こういう特殊な形態等からいたしまして、日本から輸出される商品は大體品質、規格がまとまつたようなものが多いのであります。たとえば、綿布のようなもの、あるいはお茶のようなものというふうに、大體品質のまとまつた種類が大部分を占めております。ところがこれらのものだけをもつて日本の輸入代金を賄う輸出をやつていくことはできないのでございまして、何といたしましても、わが國としては、いわゆる雜貨の輸出をもつと盛んにいたさなければ、入超をカバーすることができないような實情からいたしまして、今般連合軍司令部の御斡旋によりまして、外國から貿易關係の業者の方々の來朝を願いまして、そうしてこの業者の方が日本の關係業者と直接商談をする。その商談のまとまつたものを貿易廳竝びに司令部の承認のもとに輸出をやつていくということが認められることに相なりまして、今月の十五日を期しまして約四百名に上る連合各國の關係業者の方が來朝せられることに相なりました。それでこれの應接につきましては、國營でホテルを東京、大阪、京都、名古屋の四都市に設備をすることになりまして、目下著々と準備いたしておるような次第であります。  今度の外國の貿易代表團は、そういう意味におきまして商談を主としてやられるのでございますが、しかし日本の國内の觀光等をしてもいいという状態になつておりまするので、われわれといたしては、この機會に大いにその方面の觀光を願い、また日本の文化も大いに紹介いたしまして、平和日本のほんとうの姿を、今度來られる業者の方々に紹介をいたし、そうして國に歸られたならば、これを大いに宣傳をしてもらつて、ほんとうの日本の姿を外國に知らせしめるようにしたいという希望をもつておるのでございます、特に觀光にこの代表團の方々が使われる金は、外貨でもつて日本の收入にしていただけるということになつておる關係からいたしまして、この機會に日本の觀光をでき得るかぎりやつていただくというふうにしたいと考えているような次第であります。  それで今度の代表團を迎えるにつきまして商工省といたしましては、商品の紹介のほかに、觀光竝びに文化の宣傳紹介も、でき得る限りいたしたいというので、これらの計畫をつくりますために、關係各方面の有力な方に委員をお願いいたしまして、應接委員會というものをつくることを今日の閣議にかけて決定を願いたいと思つておりまするが、この委員會におきまして、そういういろいろな計畫を總合調整をいたしまして、でき得る限り觀光の方もやつていただくということにいたしたいと思つているような次第であります。なお文化の紹介につきましても、この委員會におきまして、そういう方面の方々にいろいろな計畫をお願い申し上げたい、かように存じている次第であります。

福田繁芳民主党

○福田委員長 次に道路その他觀光事業に關連ある内務省所管の説明を、内務省の道路課長金子君に願いたいと思います。

金子柾内務技官

○金子説明員 道路と觀光事業の關係について、御説明申し上げます。  内務省で所管しております道路と申しますと、國道から府縣道、市町村道に至る一般公共用の道路につきまして、その改修を直接國で施行しましたり、あるいはまた地方で施行される道路の補修をやつたり、そういう仕事を擔當しておるのでありますが、日本全國の道路を見てみますと、御承知の通り、道路の改修は非常に遅れておりまして、國道におきましてもまだ企畫通り改修ができたのは、二割三分しかないという程度でありまして全國的に見て、自動車を縦横に走らせる能率的な道路というものは、まだ非常に少いので、今後道路の改修をしなければならぬという面が非常にたくさん殘されておるのであります。また一方戰時中に資材勞力その他の面からして、道路の維持が等閑視されまして、そのために路面が非常に荒廢したりあるいはまた橋梁が腐朽してきまして、交通上相當な支障を來している現状でありますために、ただいま道路の仕事の重點をまず、幹線道路——國の幹線道路と申しますと國道でありますが、その幹線道路の整備、それから産業に直接關係のあるいわゆる生産道路——これは山の中から木材や薪炭を搬出するとか、あるいは石炭亞炭を搬出するとか、また農産物の搬出、水産物の搬出そういうような直接生産物の搬出に役立つ道路改修、また路面補修、そういう點に重點をおいております。また一方連合軍が相當多量の車をもつてまいりまして、非常なスピードでもつて全國を走りまわつておりますが、路面も荒れており、また道路が狭くて困る。そういう點で連合軍の方から要望がありまして、そのために路面を整備したり、あるいは改修をしたり、そういう面を特別整備と申しておりますが、そういう仕事も今重點的にやつております。  そういうような關係でありまして、觀光に關係する道路の整備ということも、私どももとより早く着手しなければならぬというふうに考えておつたのであります。そこで今年度の事業の計畫におきましても、觀光道路の整備という點で、豫算をある程度要求したのでありますがこれはまだ時期が早いからということで、一應見送られました。しかしながら觀光事業について考えてきますと、これは大きなスケールでもつて考えなければならぬじやないかと思います。交通の面から考えますと、まず飛行機、船、汽車、自動車また徒歩、そういうものを考えまして、たとえば、東京から船で出まして瀬戸内海へはいる瀬戸内海の風景を船から觀賞して別府へ渡りまして、別府から阿蘇の地帶を自動車で突破してそして熊本へ出まして、それから雲仙の方面へまた船で渡つて、それから自動車で長崎の方の遊覽地をまわつて、あとは汽車で歸るとか、あるいはまた自動車で歸るというような大きなスケールで考えられる面が相當にあるのだろうと思います。そういうふうに考えてみますと、現在國道網の整備をやつておりますが、その國道網の相當な部分がこれは將來の觀光道路として十分に役に立つというふうに考えられます。また現在いわゆる生産道路として改修しております地方の山の中へ入つていく道路、そういうような道路のうちにも、非常な景勝地を通るものがありまして、これは他日觀光事業が活發に動き出しましたときに、觀光道路として十分に役に立つ面があると思います。  そういうふうに考えてみますと、現在私どもがやつております道路の仕事の中にも將來觀光道路として十分に役立つものが相當あると思います。たとえて申しますと、現在十和田湖、それから松島、また猪苗代湖、日光、淺間、その他志賀高原、諏訪湖、それから富士、箱根、伊豆、琵琶湖、天の橋立、瀬戸内海方面、阿蘇の關係、雲仙の關係、別府の附近、そういうようなところに相當道路の改修箇所がありまして、それを合計しますと、約三億圓に近い工事をやつておりますが、これは將來觀光事業として役に立つと私どもは確信しております。  なお今後の問題につきましては、これは明年の計畫におきまして、ぜひ觀光道路の整備の一項目を起したいと考えておりまして、ただいま關係各方面と連絡をとつておりまして、計畫を進めておりますから、これが豫算化すれば、明年度から着手して實效を現わすことになると思います。  以上道路に關係して概略觀光事業との關係を申し上げました。これで一應御説明を終ります。

福田繁芳民主党

○福田委員長 次に、國立公園その他觀光事業に關連ある厚生省所管事項について、厚生省公衆保険局調査課長飯島君御説明を願います。

飯島稔厚生事務官

○飯島説明員 國立公園に關しまして、一應概要を御説明申し上げます。お手もとに資料をお配りいたしておきましたので、大體その順序に從つてお話を進めてまいりたいと思います。  まず第一に、國立公園の沿革についてでございますが、國立公園設置に關しまする運動は、明治四十四年第二十八議會に、日光を帝國公園となす請願が採擇せられたのに始まりまして、爾來毎年議會に提案せられた請願陳情はおびただしい數に上りまして、世しようやく國立公園設置の機運が釀成されてまいつたのであります。御承知の通りわが國は世界獨得の火山國であり、また南北に長い島國でもありますために、その地形氣候あるいは動植物等、かくほうめんにわたりまして、きわめて豊富な風景要素を集めておりますので、山岳、湖沼、河川、海岸というふうな面に、變化極まりなき景觀を到るところに展開している次第でございます。從いまして、國民はこぞつてこの天與の美しい國土の自然によつて育まれて來たということを自覺するに至りまして、ここに初めて本邦各所の風景中、眞にその精粹ともいうべきものを國立公園に定めて、これを永遠子孫に傳え、かつは觀光施策を樹立いたしまして、この國土の計畫が廣く内外人に均霑せられんことを想起するにいたつたのであります。  こういう情勢に鑑みまして大正十年から外務省で國立公園に關する調査というものを開始することになりまして、昭和六年に至りまして、これに即應して國立公園法制を確立することになりましたので、これを機會に政府は、朝野の權威者、あるいは達識者を網羅せる國立公園委員會の協力を得まして、昭和九年から十一年までの間に、全國で十二箇所の國立公園を正式に指定する運びに至つたのでございます。その國立公園の指定の場所および年月日につきましては、一番最初の紙の裏の方に、第一囘が昭和九年三月十六日、瀬戸内海・雲仙・霧島・第二囘が昭和九年十二月四日、阿寒・大雲山・日光・中部山岳・阿蘇、第三囘目といたしまして昭和十一年二月一日、十和田・富士箱根・吉野熊野・大山、第四囘昭和十三年十二月十七日、富士箱根(一部區域の追加)というような國立公園をしていしてまいりまして昨年終戰後初めて伊勢志摩國立公園を指定いたしまして、現在では十三箇所の國立公園を日本に設置いたしている次第であります。  この十三の國立公園は北は北海道、南は九州に至る一道二十四縣にわたつて分布いたしておりまして、総面積は約百六萬六千八百二十七ヘクタール、日本全面積の三・六%に近い面積を占めている次第であります。これはいずれも我が國土の精粋として優に世界に誇示するに足る大景勝地であるのみでなく、学術上きわめて貴重なる資料をも包藏しまして、他面國民的興味をつなぎ得てこれに接する者をして日常体験しがたき靈感を受けしめるものであります。他面また保健、休養、教化の實効をも併せて、外客の誘致、國際親善に資することは少くない状態にあることを確信いたしている次第でございます。  ただこの國立公園は、從來文化の恵澤の薄かつた大自然の景勝地に設定せられたものが多いのでありまして、未だ設備が非常に不備でありますので、官民がよほどその完成を期しなければ、日本國立公園が、ただにその風景におけるのみならず、その施設においても、世界に誇示するに足る段階に至るまでには、今後の努力にまつものが非常に多いであろうと考えているのでございます。われわれは大体この觀点に基きまして、國立公園施策を現下の國家再建上、文化的、経濟的諸使命を達成せしめるために、強力に推進したいと考えておりまして、すでに現在基礎的の資料調査の終つておりまする全國の景勝地につきまして、速やかに國立公園を指定したいと考えている次第でございます。  その計畫といたしましては、一番最後につけてございますが、まず第一番に「概ね左の地区を新たに國立公園として指定する」と書いてございまして、洞爺湖、登別定山渓地区、八幡平田澤湖地区、磐石梯吾妻地区、奥秩父地区、伊豆半島伊豆七島地区、三國山脈地区、琵琶湖地区、というようなものを、速やかに國立公園大系の中に織りこんでいきたいと考えておる次第であります。なお既存の國立公園に近接いたしております地域で、戰時中軍事目的その他のために風景資源としての目的を阻止されておりました場所につきましても、今囘軍事目的の解消に伴いまして、國立公園に編入するを適当と認めまして、左記に掲げておりますような地域、鬼怒川・塩原・那須山方面を日光國立公園に、潮岬・金剛山・高野山方面を吉野熊野國立公園に、由良・鳴門海峡・藝豫叢島・石鎚山方面を瀬戸内海國立公園に、宍道湖・隠岐島方面を大山國立公園に、英彦山・耶馬渓・別府裏山方面を阿蘇國立公園に、櫻島・指宿方面を霧島國立公園に、それぞれ編入することにいたしました。國立公園大系を速やかに整備いたしたいと考えておる次第でございます。  しからばこれらを編入するに際して國立公園のいわゆる選定の標準は何かと申しますと、目下法律改正方、手續を進めておりますけれども、現行法の解釈といたしましては、一應二枚目に選定標準をつけておきましたが、要するに一國の風景を代表するに足る自然の大風景地であり、そこがすなわち國民的興味をつなぎ得て、探勝者に対しては日常体験しがたき感激を與うるがごとき傑出したる大風景地であり、海外に対しても誇示するに足り世界の觀光客を誘致するの魅力を有するものでなければならないというふうに考えいるわけであります。同一型式の風景を代表して傑出せること、自然的風景地にして区域廣大なることというようなことも、当然考えられなければならないと考えております。他面また自然的素質が保健的にして多數人の利用に適するものなること、すなわち空氣、日光、氣候、土地、水、というような自然的素質が健康的であり、多數人の登山、探勝、散策、つり魚、温泉保養、あるいは野営宿泊というような利用に適するものでなければならないと考えております。また同時に文化的使命を達成するために、神社仏閣、史跡天然記念物等の自然現象等、教科上の資料の豊富なものでなければならないと考えているわけでございます。反面また史跡その他と表裏をなす地質、植物、動物その他自然科学的な現象についても、これは保存する必要の有無を検討しなければならないものと考えている次第でございます。選定条件といたしましては、大体そういうようなことが骨子となつて、現在選定いたしておるわけでございます。  しからば現在の國立公園の大体の面積はどういうことになつておるのかと申しますと、三枚目に國立公園の面積調というのがつけてございますが、大雪山が二十三萬ヘクタールで一番大きく、中部山岳が大体十六萬ヘクタール、一番小さいのが大山で一萬二千ヘクタールということになつております。  國立公園の利用者の状況につきましては、戰時中の調査はわれわれ把握できませんが、一應十五年の調査によりますと、一番多いのは富士箱根の三百九十六萬八千、日光が百三十五萬三千、その次が阿蘇の六十五萬四千ということになつております。吉野熊野は第四で五百十一萬、一番少いのが寒地景觀を備えている阿寒の一萬七千五百二十八人ということになつておるわけであります。これらへの外人の觀光客についても、昔の資料でございますが、參考までにつけてございます。なおわれわれの方で推測いたしました将來のいわゆる外客その他國際的利用による國際親善、あるいは國際觀光客の誘致などに資する人數及びそれに伴い收入も一應の概算でございますが、次の頁に一應われわれとして算定し得るところを算出した資料をつけておきました。  これらの國立公園行政を強力に推進いたしまするために、現在の國立公園法では、國立公園の目的が法律の中にはつきりいたしておりません。と申すのは、昭和六年に國立公園法が制定せられたときの理由によりますと、自然の大風景地であつて、國民の保健、休養、教化に資するという文化的使命と、外客を誘致して國際親善、その他貿易貸借に意識ある発展を策するという、文化的、経濟的両方の意味を達成するために本法を制定するという理由になつておるのであるます。われわれはこの制定の趣旨にそ真に戰後の平和的、あるいは文化的日本を建設する上に、そのまま適用されるものと考えまして、新憲法によつて、國民は民主的にして文化的生活を保障されるわけでありますから、國立公園法にその精神を織りこみたいと考えまして、この第一條を改正することにいたしまして、目下手續を進めておる次第であります。法律の改正案はその中ほどにつけてございますが、「政府は國民の健康にして文化的なる生活に資する爲傑出せる自然風景の地に國立公園を設定し、國立公園計画及國立公園事業を行う」というふうな目的と、事業主体が政府であるというふうな行き方を一つとつてみたらどうかというふうに考えて、それぞれ現在の國立公園法の不備と考えられる點を改正したいと、目下愼重考慮を進めておる次第でございます。  しからば、國立公園法はどういう内容をもつておるかということを、この際現行法について簡單にご説明申し上げますれば、まず國立公園の指定については、厚生大臣が指定する。國立公園計画及び事業については、樹立の方法、決定の方法、執行者また事業會社に対する特許國立公園地域においてそれぞれ觀光事業を行うものに対する特許の機構及び費用、施設の管理、占用料及び使用料というふうなものについて一應規定を設け、また國立公園地域内の公用制限と申しますか、その保護、利用のためには、一定の行爲を禁止し、もしくは制限するとか、また事業上の開発をする觀点から、ある程度の必要な借地を命ずるとか、事業に作爲、不作爲を負わしております。場所、手段、態樣等に關する指導規定なんかも設け、また原状囘復に關する規定をも設けております。なお實地調査のためにする公用制限その他についても規定をいたして、最後に行政救濟の規定を設けておる次第でありますが大体國立公園法の体系といたしましては、一應この計畫及びその事業によつて完成し得るものでございますけれども、なおこの際計畫の施行区域が國立公園法施行区域内のみに限定されることは、著しく現状に副わないおそれがございますので、この際計畫及び國立公園区域外にも國立公園の保護または觀光事業の必要に応じて延長いたしたいと考えておる次第であります。この觀点につきましては現行法第二條の改正案にその旨をうたつておいたのであります。  なお國立公園委員會に關する規定が、昭和十六年の諸委員會等の整理に伴いまして一應廢止になつておりますので、この際國立公園の委員に關する根拠規定をこの國立公園の中にうたつた方が適当であろうと考えまして、それもこの改正の際に考慮したいと考えておる次第であります。なお現在の日本の精粋とも言うべき國立公園以外に、各地方に地方保健地、地方公園というような、保健、休養、その他觀光諸施策に非常に適当なる地域が少なくないのでありまして、これらにつきましては、國立公園法の保護またはその觀光に關する規定を準用するのを適当と認めまして、國立公園法の保護、利用に關する規定を、これらの保健地、地方公園というようなもの、具体的な例を申し上げますならば、奈良公園とかあるいは松島とか、そういう國立公園にならない、國立公園に準ずるような地域につきまして、國立公園法を準用するようにいたしたいと考えておる次第であります。それらにつきましては今囘の國立公園法の改正によつて、各地方の要望をも容れ、全般の日本の觀光諸施策の推進に支障のないように改めたいと思つておる次第であります。  なお、この機會に外國の國立公園の制度につきまして、簡單に申し上げたいと思います。資料が不十分で、はつきりいたしませんが、われわれのところでわかつた所だけを御參考までに申し上げたいと思いますが、おしまいから四枚目につけてございます。  まずアメリカでございますが、アメリカは一八七二年今から七十五年前でございますが、ナシヨナル・パークス・サーヴイスというものが國土省の中にございまして、有名なるエロー・ストーン公園なんかも、造化の妙に心を奪われて、野営のともし火を圍みながら自然に親しむ場所として、この地方を自然の状態を破壞しないようにして保護したいということが、事の起りのようであります。その後二十七箇所の國立公園を設定いたしまして、國立公園局のもとに管理いたしております。カナダでも一八八七年ということでありますから、今から六十年前でございますが、ロツキー山脈公園初め十八箇所の國立公園を、内務省の國立公園局の管理下に置いて、施設整備をはかつておるわけでございます。イタリーににつきましても國立公園局があり、また内務省に、療養地・滯在地・觀光地中央協議會というようなものを設けまして、療養、滯在、保健、休養というような面について、特にその觀光諸施策を推進いたしておるようでございます。フランスにつきましても、觀光、温泉、氣候というような點で、景色のよいところを觀光地として選定して、いろいろ觀光諸施策を推進いたしておるようであります。  第一次欧州大戰後の欧州各國は、特に資源的に恵まれない國において觀光諸施策を推進し、これによつて経濟的に、またひいてはそれが國民相互の國際的友情の交換、相互の國情の理解というような、高い國民外交的な使命をも担わせまして、觀光諸施策を強力に推進いたしてまいつたのであります。われわれとしても経濟再建のみならず、平和國家、文化國家として國際社會に名誉ある地位を獲得するためにも、戰爭の破壞より免れたるこの自然風景を通じて國際親善の目的を達成し、國際社會に名誉ある地位を占めたいと考えておりますので、何とか國立公園法の目的を強力に推進いたしますために、國立公園法の改正法律案を初め、これを豫算化して、政府の施策として大いに進めたいと考えておるのでありまして、現在豫算額として本委員會に御承認を得なければならぬと思つておるのは、総額五百五十萬圓でございまして、その豫算の概要をおしまいから七枚目くらいにつけてございます。まだ確定はいたしませんけれども、大体省内においても、これによつて早急の準備調査を進めることとしたいと考えておる次第であります。現在におきましては國立公園に關する部を設置いたしまして、一部、二部というようなかつこうで、さしあたりスタートした方がよいのではないかというふうに考えておる次第であります。どうぞよろしく法律案竝びに豫算案につきましても、また國立公園全般につきましても、御協力を得て、國家目的のために進んでまいりたいと思つております。

福田繁芳民主党

○福田委員 次に觀光事業に關して運輸政務次官田中源三郎君から発言を求められておりますから、これを許します。

田中源三郎民主党運輸政務次官

○田中(源)政府委員 觀光に關する一般的な施策に關しましては、私の方の省といたしましては、鐵道総局の長官なり、業務局長なり、觀光課長から、それぞれ施策の面につきましてのことを申し上げたことと存じます。また足らざるところは本日これより説明いたすことであろうと思います。  觀光と言いますものは、日本が國際的に解放されてこそ、初めて國際的なる人の集まりを見るわけであります。近く講和条約を豫想いたし、日本が解放されるということを前提として、その準備態勢を整えていくという面から、私ども考えておるのであります。觀光というものは、いわゆる國際的でなければならぬということを根本といたして、しかもヨーロツパにおきましては、ヨーロツパ自体が戰火に多く破壞されておる。東洋におきましても、支那といわず、日本といわず、ほとんど破壞されておるのであつて、日本の今後の復興に伴つて國際的に觀光施設を考えていかなくてはならないのであります。それには日本経濟と日本國民の文化とが併行していかなければならない。觀光というものは單に見て驚く、驚くべき美觀であるというだけが本体ではない、世界の國民が最もその國を愛するということが根本であります。すなわち世界の國民がその國に住みいい、何とも知れない親しみを感ずるということが、觀光の根本的な考え方でなければならぬということを、まず第一に考えなければならない。そうした國に日本をもつていく。自然と人工的の施策とが相まつて、そこに國際人が喜ぶべき觀光日本が生まれてくるよう、まず根本的な概念をもつていかなければならない。  そういたしますとともに、日本がいかに美しいといいましても、いかに國立公園を沢山つくるといつても、第一、足がなければならない。つまり日本の國外的の施策と國内的の施策と相併行して、ただいま申しました日本の自然と日本の國のもつゆたかなる文化とを、世界に親しまれる觀光國としてつくつていく。そして國際的に見た外の眼と國内的の自然と人工的な施策をもつ。そしていわゆる足をつくつていかなければならない。この足というのは、まずもつて船であります。オーシヤンを渡るところの船の施設、御承知のごとくに、かつてフランスが八萬五千トンのメイフラワーで大西洋を航海させたときには、そのキヤビンは實にコンフアタブルであつたが、その會社はその船で損をした。しかしながら、この船によつてフランスの文化を國際的に宣傳をし、そうしてフランスというものを楽しませた。會社はこの船で損をして、ただ荷物その他でいくらか弁償しておるという状態であります。こういうふうに海の面一つを見ても、考えていかなければならない。  しかも外貨獲得という一つの企業面から見る場合と、文化教育の面の施設と企業面の施設との二つが觀光においては伴つてまいります。今申しましたメイフラワーは、フランスが、企業面をもつてした一つの大きな教育であり、またフランスの文化を世界に示しておつた一つの例でありまするが、今、日本の船はこつぴどくたたかれております。世界の船が日本に多く寄つてくるところの、港の施設もしなければなりません。そうして世界的な船のライン、航空路の二つの大きなものもどうしてもこれにつながりがあるのであります。同時に鐵道であります。将來平和になりまするならば、パリを発したところの國際列車は、日本内地に入りますときに、實にコンフアタブルの旅行ができるというところに、日本の鐵道を考えていかなければならない。それから日本に留まつた人たちにまず住みいい日本親しみのある日本としてのホテルの施設、こういつた内部的な企業面の政策は、文化教育面と併行した施設を、ここに考えていかなければならないと考えておるのであります。かような大きな觀点からいつて、私どもは日本の将來の觀光というものを律していきたい。ただ一つの省でやつていくべきものでなくして内閣全体の施策になるべきものであろうと考えております。さしずめ從來の経験もあり、國際的の關係もありますし、また世界各國のいろいろな事情等についても一番海と空からのメールをもつて、またこれをタツチいたしまする運輸省といたしましては、まず觀光局というものは戰時中ほとんど有名無實のようになつた。これは将來は少なくとも今の觀光課を運輸省の外局といたしまして、各種の調査資料、これに伴うところの学術的の文献等も兼ね合わせまして、從來とつておつたような觀光施設のやり方でなく、企業面は少くとも民間の経濟力を大いに利用してやる。國家はいつまでもこの問題についての仕事を、國家経濟でやつていくということはできません。これはどこの國に行つても、民間の企業でやつております。民間企業として、國家がこれを指導し監督をして、國家の力と民間の企業の力とを合体して総合的な大きな一つの觀光施策をとつていく。それとともに今の觀光課を外局としてこれらすべての萬端の施策に當つていきたいと考えておるのであります。なおまだ講和条約も許されておりませんが、許された後においては、おそらく國會竝びに民間の各位が世界をおまわりになることと思われます。そのときにおいて、ただ日本から見たる世界と、世界から見たる日本というものとの觀点から、各位も変つて見られることと存じます。こうした近き将來において各位が世界をおまわりになり、そしてその上においてのまた世界から見た日本、日本から見た世界というものの上に立たれて、おのおのずから大きな觀点の觀光施策というものが國會においてでき上がるものと私は期待しております。その準備としてわれわれはただいま申しましたとおりに、國内的、國外的に大きいところの根本のスケールの面をもつた一つの準備工作として、現在の觀光課を外局として進んでいきたいと、各省との連絡をとつて、そして日本のくるべきときに備えて、その施策を施していきたいと考えておるのであります。ただいまの豫算外におきますところの事柄においては、それぞれの事務局から御説明を申し上げましては、さような考え方をもつておるということを御了承願つてご參考に供したいと思います。

福田繁芳民主党

○福田委員 以上をもちまして、觀光事業、國立公園に關する關係当局の概略の説明が終わつたのでございます。  委員諸君においても、御承知の通りわが委員會の所管事項の一部である觀光事業、國立公園、これがこの通り五省に關連しておるというような問題でありまして、この問題を取上げていく場合にはとうていこの程度の説明では足りません。しかしながら、委員會を繼續していく順序といたしまして、所管事項の概略を説明願つたので、これから諸君がさいわい五省の關係当局がおられますから、自由に御質問願つて、その質問のいくところにおきましては、ときに關係省一省ずつお招きして、質疑を繰返すときもありましようし、なおまた五省あるいは民間團体の者も入れて、一つ懇話會、懇談會形式でやる必要もあるかとも存ずるのでございます。  それでは本日はこれからまだ時間もありまするから、せつかく關係五省の方がおられますので、委員諸君の廣範圍にわたるところの御質問を願いたい。かように思います。御発言がありますればお申し出願いたいと思います。

受田新吉第一議員倶楽部

○受田委員 まず文部省当局に御質問いたします。史跡名勝、天然記念物、國寶の保存については、それぞれ關係法規がありまするので、それで十分保存をする措置がとられておることを承知しておるまするが、あの戰災を受けて相当な損傷のあるこれらの対象に対して、實際において復興対策がいかにとられておるか。ここに網羅せられてある統計を見ましても、相当數の損害があることは、はつきりしておるのであります。一例を嚴島の鹿にとりますと、この鹿はあの土砂のため、もしくはここに特別の事情のために、鹿が今はほとんどいない、一匹もいないと。私聞いておるのであります。また近く指定されるであろうといううわさのある奈良公園の鹿にいたしましても、非常に數が減つておる。こういうような點が放任されておるのではないか。先般私の郷里の山口縣の史跡に指定されようとしておる某古墳が、発掘されて、中に埋葬されてあつた千數百年前の貴族の死骸が持ち去られた、こういう事實があります。それから先般奈良縣地方の文化状況を視察したのでありますが、その際にも重要建造物が放任状態にあるために、どろぼうがはいつて器物を汚損したり、もしくは持ち逃げするというような状況を、官幣大社の宮司その他からかずかず聞きました。主として保存を中心にするということでありますし、宣傳の方は第二に考えておる關係上、守ることが精一ぱいであるということは御同情に値しまするが、この際この再び得がたい重要國寶史跡名勝天然記念物を、さらに一層復興を速やかにして、将來の觀光の対象となるものでありますから、宣傳の方面にも重点をおいていけるような対策をとつていただきたい。この豫算をみますると、まことに貧弱な、すずめの涙ほどのものでありますが、これをもつてしては柱一本建てるほどの仕事しかできない、人件費などはまつたくとることさえできないような状況であります。この點國寶にしまするならば、國寶保存會に詰問して、維持修理不能なるときは補助金を與えて、これを管理するようなことになつておりますが、この國寶に指定されるものが、あるいは名家の没落で財産税の対象となつたり、もしくは盗難その他によつて滅失のおそれがあります。これらに対して強力なる措置をとつて、少くとも文部省の全責任において、現存するこれらの重要なる器物建物については、絶対に保護を全うするように御畫力を願いたい。これらについて、まず現にとりつつある保存の対策をお聽きし、同時に、復興に対する御計畫をお聽きしたい。  次に内務省關係になると思うのでありますが、都市計畫法による公園、それから風致地区、こういうようなものは、先ほど厚生省關係の國立公園法によつて準用したいというようなことを申される。その言葉によりますると今後の公園というものは一体どういう方向へ統一さるべきであるか。從つてこれらに關連して、少くとも五省にも六省にもわたるこうした觀光事業を、速やかに統制する機關を設けて、各省が独自の見解で独自の計畫を立てることなく——もちろんその計畫を立てられることは結構でありまするが、これらを統制する機關が必要であると、思います。そのために各省の出身の委員及び國會から出た委員、もしくは民間團体から出た委員會のごときものを設置して、これによつて全体の企画運営がなさるべきではないか。こういうことを先ほどからの御意向を伺つて、私は考えるのであります。  さらに行政機關の點で、今の委員制を設けるとともに、併せて觀光事業に關する從來の法規が實に不整備であります。觀光事業の國家的公共的性格は、實にもうはつきりしているのでありまするから、この際外國の例に徹しても、速やかに觀光關係法規の整備をする必要がある。目下單行法規として直接法規であるものは國立公園法一つです。そのほかの史跡名勝天然記念物保存法、國寶保存法のごときも、みなこれは間接法規でありまするから、假稱觀光事業法のごときものを設けて、觀光事業の法制化をはかり、そして各地任意團体が勝手な事業をするのではなく——今、全國に觀光事業會社が簇立する傾向があります。こういう點についても一つの目標を與え、そして積極的な指導をして、新生日本のために最も大事な觀光事業の統一をする必要があると思うのであります。この點各省の御意向をお伺いして、法制化の點と、關係当局の御意向をお聽きしたい。以上文部省に対する質問と、關係各省間における二つの點についての御意向をお伺いして、特に觀光事業法については、私は各省間の連絡調整をはかる意味において、議員の提出にかかわる法案として審議さるべきではないかと思います。併せて觀光關係に關する文化委員會の小委員會を設けられて、速やかにこれが対策を樹立協議すべきであると思います。

柴沼直文部事務官

○柴沼政府委員 史跡名勝天然記念物にいたしましても、國寶重要美術物等にいたしましても、現在戰災あるいはその他の災害により、あるいは自然腐朽によりまして、修理保存を要するものは、相當多數あるのでありまするが、一應概活的な調査は、われわれの方でも終戰直後に着手いたしまして、その計畫を立ててあるのであります終戰直後の計算でありまするから、今日の物価に比べますと、少し合わない點があるかと思いますが、ちようど二十年の十二月ごろの推計で、大体これら全部を合わせまして、ただちに著手を要するものが約六千萬圓と推定されておるのであります。文部省自体といたしましては、五箇年計畫によりまして復舊をいたしたいと存じまして、その計畫のものに豫算要求などの措置に出たのでありますが、いろいろ事情で当初に著手いたしますものが先ほど配布いたしましてごらんいただいておりまする程度の豫算に止まつておるのであります。これは資材とも非常に絡んでおりますので、われわれとしてやむを得ず大蔵省竝びに安本の査定に同意しておるのであります。實はこれも余計なことではございますが、この復旧につきましては、進駐軍当局が非常に熱心でありまして、實はわれわれがむしろ毎日のように激勵をされておるのであります。まことにわれわれこういうものに直接關係しておる者が、逆に進駐軍から激勵を受けるというのは、ちよつとさかさまなような形で、非常に殘念でありますが、しかしまた一面これらの保存について、將來平和會議等が濟みました後のことも考えますると、いろいな點で心強い情勢が展開されるであろうと、感謝もいたしておる次第でございます。それから宮島に關して鹿の話がございましたのですが、奈良の鹿も神社の飼育するままに任せておりまして、これを指定する、あるいは保存するということにつきましては、從來文部省は直接關係はいたしておらなかつたのであります。これは終戰後の人心の荒廢という點もあるのでありますが、おそらく重要なる理由は鹿の飼料がないということ、それから一般に食糧が少いということ、これらを併せてこの鹿の減少するに至つた理由だろうと思うのでありますが、さきほどお觸れになりましたように、奈良につきましては奈良縣當局と相談をいたしまして、縣の假指定をいたす運びに進んでおります。間もなくそういうことになりますれば、おそらく縣も相當力を入れてこれが保存に當り、またそうなれば、相當法制的に奈良の鹿の減少を防止するような強力な措置もとれますので、おそらく危ういところでその絶滅を食い止めることができるのではないか。かように考えておるのであります。なお山口縣における古墳の發掘は、實は大變申譯ないのでありますが、私、本日初耳なのであります。この種のことは實は法律によりまして文部省に報告すべきことになつておるのでありますが、どうした加減かまだ報告が參つたことを聽いておりません。早速調査いたしまして、何らか適當な善後措置を講じたいと思つておりますので、しばらく時日をお貸し願えれば、ありがたいと思うのであります。概略お尋ねの項目につきましてお答え申し上げた次第であります。

八島三郎内務事務官

○八島説明員 私内務省の計畫課長であります。お話のございました都市計畫法によりまして、公園なりあるいは風致地區を擴張いたす。これは御承知の通りに、都市厚生の立場におきまして、都市の美觀を保ち、あるいは都市民の慰樂、あるいは保健の向上、あるいは文化に資するという意味におきまして、都市のいわゆる建設の立場において、公園の設置なりあるいは風致地區の設定ということはやつておるのであります。觀光方面から見ましての公園を一元化するというようなことにつきましては、厚生省當局とも十分打ち合わせを遂げました上で、考えてまいりたいと思つております。その他いろいろこの觀光問題につきましての一元化と申しますか、調整と申しますか、そういう問題につきましての御意見かございましたが、いろいろの機構を設ける、委員會をつくるということにつきましては、今後の問題としていろいろ研究を重ねてまいらなければならぬと思つておるのでありますが、現在いろいろの問題につきまして、たとえば、風光の美を重んずるということと、産業の開發というような問題とを、どういうぐあいにしていかなければならぬかということにつきましては、關係各省が寄り集まりまして、國土計畫上の見地からこれの調整をはかるという措置を、現在もやりつつあるのでございます。なおまたさきにお話があつただろうと思うのでありますが、毎月全日本觀光連盟が御集合になり、關係各省の者も寄りまして、いろいろと觀光の事業について各省の横の連絡ということにつきましては万遺憾なきを期しておつた次第であります。これをさらに一元化してやつていくというようなことにつきましては、いろいろ今後各省の機構の問題もございますので、その仕事の問題と、どういうぐあいに調整をとつていくかという問題は、十分に研究しなければならぬ問題じやなかろうかと思つております。現在やつておることは、今申しましたように、國土計畫的の立場によつて考慮していく。また關係各省の横の連絡は、民間團體の者が中心にやつておるというようなことを申し上げたいと思います。

福田繁芳民主党

○福田委員長 運輸省政府委員加賀山局長より發言を求められておりますからこれを許します。

加賀山之雄運輸事務官

○加賀山政府委員 先ほど政務次官からお話がございましたし、またただいま受田さんからお話がございましたので、運輸省としての考え方を申し上げたい。  實はただいま内務省からご囘答がありましたように、ただいまのところといたしましては、觀光の仕事に關しましては、關係の最も深い四省連絡會議がございまして、ここで遺憾なく協調をとつてやつておりますが、これからの觀光事業の重大性に鑑みまして力強く推進していこう、この準備時代を乘り切つていこうとするには、私は何かそこに力強い施策が生まれなければならぬのではないかと考えるのであります。ただいま關係の深い四省と申しましたが、實は觀光については、先ほど政務次官が申されましたように、さらにこの觀光事業に關する資金なり資材の面ということになつてまいりますと、商工省當局なり大蔵當局が、非常な重要な役割をもつておられますし、また最近特にスイスなんかでは盛んに觀光を始めておりまして、外客をよんでおりまして、食糧の問題が、やはり歐州でも問題になつております。こういうことになつてまいりますと、やはり農林省というようなものも、非常に重要な役割をもつことになりますので、そういうように考えてまいりますと、關係部局というものは實に廣凡なもので、いわば觀光事業というようなものは、總合藝術というか、あるはツーリスト・インダストリーといわれておりますが、總合工業的な性格が非常に強い、役所といたしましては、そういう状態でございまして、もちろん國會といたしましても、第一に文化委員會、それから國土計畫、あるいは運輸交通、こういつた委員會にそれぞれ關係をもつのではないかといえふうになつてまいりますとますます受田さんのおつしやるような、何か施策が必要なのではないか、さように考えるのでございます。  もう一つは、われわれといたしまして過去に鐵道省の外局として國際觀光局なるものをもつておつたのでありますが、その當時の經驗からいたしましても、これは當時觀光に關する主官局といたしまして、相當の活躍をいたしました。けれども、やはりその當時といたしましてもはたして國策として強く行くのに、これで、十分であつたかどうかということを考えますと、これも活躍はしたりとはいえ、まだその當時としては十分でなかつた。いわんや、今後の日本といたしまして、この觀光事業の重要性が過去とは比較にならぬウエイトを占めてまいりますことから考えていきますならば、當然そこに何か強い施策が行われなければならぬ。かように考えるのでございまして、實は先ほども政務次官が申し上げましたが、われわれはその準備時代といたしまして、過去の經驗に基きまして、過去の調査や資料を集めこれの經驗をもととしてさらに大發展を期する意味におきまして、とりあえず觀光課を設けたのでございますが、もうすでに段階は、一課をもつて處理するには少し小さ過ぎるのではないかというふうに考えまして、現在觀光局なるものを實は構想をしておるのであります。しかし、これはあるいは運輸省全體の意見と考えていただくのには、少し早いかと存じますが、將來觀光委員會といつた、ほんとうの國策機關が生れ、これがほんとうの民主的な觀光に關する國策の決定と總合的運営に當るということになりました場合には、その事務局に當るような考え方をとつてもいいのではないかというふうな考え方を、實はしておるわけであります。  觀光につきましては今申しましたように、二つのそういつた考え方でございます。一つは先ほど各省からお話がございました重要なポイント、たとえば國立公園でございますとか、道路でありますとか、その他天然記念物、史跡、そういうものが一體になつて整備される、整備してそれがほんとうにうまくつながり合うということが一番必要でありますが、それと同時に觀光事業の運営につきましては、お客を氣持よく歸すまでの實施の面が、非常に重要な役割をもつ。いくら宣傳がうまくて景色がよくても、そこに一貫された方策がなくて、ただ宣傳に迷わされて、來てみれば樣子が違つておつたというふうなことがあつてはなりませんので、そこらは經驗をもつて接遇と交通の便といつたものを、どうしても考えなければならないのでございまして、そういつた面がまた非常に重要な役割をもつてくる。つまり觀光資源の維持保存、その開發はもとより大事でございますが、觀光事業にとりましては、その觀光の實施ということも非常に重要な役割をもつものと考えますので、これらにつきましては、實は當省といたしましては、從來日本交通公社をいたしまして、諸外國のやつておりますように、宣傳あるいは直接の接遇に當らしめてきた次第であります。

鈴木里一郎日本自由党

○鈴木(里)委員 先刻から各省係官からいろいろの説明を伺いましたが、概して抽象論に過ぎ、また机上プラン、まあ一口にいえば、夏期大學のような感じがすることは、はなはだ遺憾に思うのであります。私は實際問題として觀光問題について二、三質問申し上げたいのでありますが、今日の段階におきましては、觀光問題としましては、まず第一に主眼を外客誘致、第二義的に國内人というように重點を置かなければならないと考えます。すなわち外客を誘致いたしまして外貨の獲得に努め、國際收支のバランスに資する、これが最も緊急な問題ではなかろうか。殊に豫想されておるように講和条約が來年度に開かれまして、平和が克復されるならば、今日からその受入態勢を整えなければならない。大理想の實現ということは、今日の段階といたしまして、殊に今日の國情ににらみ合わせまして、一朝一夕に實現を期するわけにまいらないと私は考えております。そこで緊急欠くべくべからざる手近な問題のみについて、私は關係係官に伺いたいのであります。  まず第一に伺いたいことは、ホテルの問題であります。御承知のごとく戰災によりまして、京都、奈良を除く大都市のホテルは、ことごとく戰災にかかつておるのでありまして、今日ホテルの建設は緊急の問題になつております。そこでこのホテルの建設について、資材あるいは資金その他の面において隘路がありますが、これに對する計畫があるかないか。  その次には外客誘致の宣傳でございますが、今日はなさけないかな管理下にあつて、思うようにならないことは、はなはだ遺憾と思いますが、この外客誘致の宣傳について、どういうような計畫をもつておられるか。  次には鐵道の改善でありますが、先ほど政務次官からいろいろ大理想を拜聽いたしまして、もとよりこの趣意においては大贊成であります。しかし現在の状況を見ますると外國人はおろか、われわれでも觀光意識を喪失するようななさけない状態であります。これは豫算の裏づけがなければできない。すなわち政治問題になるかもしれませんが、鐵道の特別會計が、今日赤字を克服するために、鐵道の經營合理化をはからなければならぬと私は思います。根本問題は建設の面に積極的に費用をたくさん使うか、消極的な人件費等整理して、建設的のものにまわすかという問題でありますが、鐵道當局におきましては、消極的な消費の面を節約いたしまして、露骨に申し上げますならば、戰前二十六萬になつておりますが、これを整理して、積極的に觀光に備えるために、たとえば、米國、歐州におけるプルマン・カーのごとき高級車をつくつて、しかもこれを非常に高い料金をとつて、いわゆる政務次官のコンフアタブルな感じを與えるような意思はないか。そういう計畫をやつたらよかろう。ぜひやつてもらいたい。  次には治安維持であります。外國を旅行いたしまして、最も不愉快に感ずるのは、戰々克々として外國を見てまわることであります。私どもが參りましたときに、鐵道省のある役人が、ある所でホールド・アツプを食つて、そのために歐州をまわつて歸つてくるまで、ほとんど憂鬱のうちに歸つてきたという話を聞きましたが、御承知のごとく敗戰後なさけないかないろいろな原因からしてチンピラの横行、あるいはすりの活躍というように、まことに嘆かわしい世相であります。今日進駐軍當局に對しては一籌を輸しておりましてそういうことを聞きませんが、もし外客が渡つてくるようなことがありますならば、必ずや外人に對してこういつたような危害を加えるのではなかろうかということが豫想されます。今日、警察の民主化にあらずして、弱體化だというように考えております。この治安取締りについての御意見いかん。  それからもう一つは、文部省の管轄になりますが、先ほどいろいろ國寶あるいは重要美術の保存あるいはこれを觀光の目的に利用するということでありましたが、これはわが國の古代美術が主眼でありまして、少くとも日本の文化を知らせるためには、近代美術館の建設が必要ではないか。この近代美術館の建設につきましては、世上いろいろの議論がありまして、また官廳方面では非常にめんどうくさいように考えておられるかもしれませんが、私をして言わしむるならば、ただ容れ物さえあれば、ほかの美術品は、あるいは所藏家に、あるいは文部省に買上の品物がある、あるいは帝室にあるというようなものを借りて陳列したならば、わずかな豫算でもつて事足りるのではなかろうか。あるいはアメリカのシカゴ・ミユージアムにいたしましても、メトロポリタン・ミユージアムにいたしましても、全部民間の物を借りて陳列しているような状況でありますから、現代美術あるいは近代美術につきましては、少くともかような構想のもとに建設するならば、この逼迫せる財政状態でも、多大の豫算を要せずして實現できるのではなかろうか。これについて文部省當局に意見はどうでありましようか。  それから觀光について、私は卑近な掘り下げた、最も外客にタツチしたことを申し上げるのですが、大體旅行者というものは、金を使うつもりで來る、ぜいたくな人が來るというようなことが言えるだろうと思います。そこではなはだ汚い言葉でありますけれども、人間の欲望を滿たさなければいけない。かつて根津嘉一郎氏が健康な時分に、あの初島を一大歡樂場に開放するというような計畫がありました。ところが、當時わが國においては、日本の體面上いかがかというようなことでもつて、これを取上げなかつたのでありますが、外國人が日本に參りまして、天然の景色あるいは晝間における娯樂——競馬であるとか、ベース・ボールであるとかいうものには退屈を感じないのでありますけれども、夜をいかにして樂しく過すかはなはだ汚い言葉でありますけれども、これが核心であります。結局この施設でありますが、全國少くとも十箇所くらい、ある地区を限つて、人間の本來の欲望を滿たすような一大歡樂場を設定する必要があると思うが、これに對する見解いかん。  以上をもつて實際問題はこのくらいでありますが、關係各係官の御説明を願いたいのであります。

加賀山之雄運輸事務官

○加賀山政府委員 主管事項につきましてお答え申し上げます。  觀光事業といたしまして、今御指摘になりましたように、ホテルが實は一番大切なものなのでございますが、これは先日私どもの長官が參りましたときに、ホテルの状態と將來の計畫につきまして、概略をお耳にいれましたはずでございますが、實は戰災によつて非常に大きな部分のホテルがなくなりました。そこでその緊急性に鑑みまして、大體來年度以降三箇年の計畫で、重要な地點を定めましてホテルを設備していく。こういうことで、現在經濟安定本部とも連絡をしている次第でございます。また各重要な地點に觀光事業會社が興りまして、この觀光事業會社がその先達となりまして、まずホテルを整備していく。これに對しまして、いわゆる資金の問題、あるいは資材の問題につきましては、その有能な將來性あるものに對しては、できるだけ援助をしようという態度で臨んでいる次第でございます。いずれにしましても、こういう計畫は政府みずからの計畫としていきますよりは、むしろ民間の企業として發展していくことを、われわれとしては望むのでございまして、有識のかたがこの問題に着眼されまして、着々とこの整備ができていくことを、われわれとしては心から望んでおる次第でございます。  次に外客誘致の将來計畫いかんというお尋ねでございましたが、實は外客といたしましては、昭和十年、十一年ごろが最高でございまして、當時四萬三千人ばかりの外客がわが國へ參つております。當時一億萬圓餘を使用いたしておりまして、貿易收入に竝ぺて第四番目に位しておつたような次第でございまして、お説のように、一人當りといたしましても、二千數百ドルを使つたというかつこうになつております。われわれといたしましては、實は今後の觀光事業の重要性に鑑みますときは、もちろん四萬人そこそこでは足りない。かように考えております。スイスとか、あるいはフランスとか、ヨーロツパ諸國においても、年間百數十万人あるいは二百萬人を超すような外客がはいつております。そういうことを考えますときに、われわれとしては、どうしてもさしあたつてここ數年後には、三、四十萬人の外客を呼び入れたい。實はそういうように考えますと、やはり今の交通事情なり、ホテルの事情から申せば、まことに空想にもなるようでありますが、實はわれわれとしては、どうしてもそこまで考えなければなるまい。それに對する計畫を、今から交通機關なり、ホテルなり、その他の觀光施設全般にわたりまして整備をいたしていかなければ、間に合わないのではないかというふうに考えております。現在の國内事情から申し上げますと、まことにその點は時期尚早であつて、今の食えるか食えないかといつた國内の經濟、あるいは生活状態から見て、あまりとつぴであるという説もあるのでありますが、私どもとしては、決してそうは思わないのでございまして、今からその準備をしなければ間に合わない、しかも、これは早急に國策として行われるべき事柄であるというふうに考えておる次第でございます。  この觀光事業に關連いたしまして、鐵道の經營の合理化を御指摘になりましたが、私どもといたしましても、一方においてこういつた少し明るいと申しますか、これは必ずしも浮いた觀念ではないと思います。觀光事業を考える傍ら、國内の鐵道の整備に邁進しなければならない。殊に最近現われました財政上の缺陷などを考えまして、また設備の荒廢を考えますときには、この鐵道の合理化こそは、すべて産業の再建もこれにかかつている、いわんや觀光事業のごときは、まつたくこれにかかつているというふうに考えるのでございまして、その點からいたしましても、ごく最近に國會に對しましても、あからさまな國鐵の現状を御報告申し上げて、忌憚のない御批判を受ける。同時にわれわれとしては、その實情把握に伴いまして、その根本的對策を現在練りつつある次第でございます。その中のもつとも根本となりますものは、財政問題でございますが、財政については、第一には、積極的に國鐵の増收をはかる方法を考えなければなりません。これはどうしても現在の輸送力を増強して、旅客貨車を十分に運んでお役に立つことを考える。これが第一の經營の合理化であるとわれわれは考えておるのでありまして、それと伴いまして、消極面として極力経費の節減をはからなければならぬ。第一點、第二は物件費の問題であります。今囘の運賃値上げの結果として経費を考えますときに、實を申しますと、從來經營費の面において、人件費と物件費のは半々、五〇%ずつくらいであつたのでございますが、二十二年度の豫算面においては、人件費は四〇%以下に落ちまして、物件費が六〇%以上を占めるという状況を示したのでございます。これはその點から端的に御觀察願えると思うのでございますが、鐵道で大量に使用しておりますところの石炭、木材、鋼材その他の値上がりが非常に強く響いておることは御承知願えると思うのでありますが、それにも拘らず、やはり人件費の面は何としても節減をして能率を上げていかなければならない。實は私、昨年は職員局長として、國鐵の職員の關係を扱いましたので、その間の事情はよく承知いたしておるつもりでございますが、その當時は非常に多いとという表現を私どもはいたしました。確かに多すぎたのでございます。また現に多過ぎるということは言えるのでございますが、數字を拾つてまいりますと、いわゆる基準的な定員に對して、あまりにも、それを多くしなければならぬ理由が多いのでございます。ここで詳しく申し上げることの時間のないのを非常に殘念に存じますが、また機會を見まして、これは個々にも、單獨にも申し上げてよいと存じますが、非常に人員を殖やさなければならぬ理由が多く出ておるということを申し上げたい。しかし、その多いままでわれわれは放つておく氣持はないのでございまして、極力能率を上げる、そうしてその配置を適正にするということを根本として節減をはかつていきたい、かように存じております。物件費中の最大を占めるものは石炭でありますが、本年度においても、安定本部から割り當てられた石炭が、七十七萬トンでございまして、日本全體の産出のものの四分の一を占めておるわけでございます。これも非常に質が悪くなつてまいりまして、たとえば、旅客列車においては七千カロリー以上の石炭を使つておつたものが、現在は五千カロリーそこそこといつた石炭になつてまいつております。その點において非常に大きな差が出てまいつております。しかし、これはさらに粉炭處理をいたしますとか、あるいはたき方の研究を積みますとか、その他あらゆる方策をとりまして石炭の節減をはかりたい。これはひいてはその節減した石炭で輸送方が増強できるし、またこれが他の産業にまわるということになれば、國家的には大きなプラスになるのでございますので、國家的見地、國鐵の財政的見地兩方から、石炭の節減を今、關係部門、技術研究所等を初めとして、大車輪で實はやつておる次第であります、御了承を願いたいと存じます。  その他治安の問題、近代美術館の問題は關係の方にお讓りいたしまして、治安維持の問題については、内務省一般警察の分野でございますが、鐵道を舞臺として非常に犯罪も多いのでございまして、御承知のように非常に物がなくなるまた鐵道のいろいろな建築物あるいは器材が壞されますので、これは自衛的見地から鐵道自體の手で、できるところまで防衛をしなければならない。かように考えましたので、實は追加豫算にも鐵道公安局というものをつくり、善良な旅客の保護に任ずると同時に荷物事故等の防止、あるいは車輌が壞されるとか、あるいは交通秩序を攪亂するという事件の防止に邁進いたしたい。かように考えておる次第であります。  この問題に關して、ちよつと申し上げたいことはそういう大ざつぱな問題はもちろんでございますが、實はこれは國民教育の問題になつてくると存ずるのでありまして、單に取締りの問題だけではなく、たとえばイタリーなどでかつ払いあう、あるいは乞食が多いといつたようなことは、いずれも國内に外客をよぶ場合には、非常な支障になると存ずるのでございまして。これは國民教育全般の大きな問題になるのではないかというふうに、私どもといたしましては考えるのでございます。また外客を誘致いたします場合に、單に獨り相撲になつてはならないことは、申すまでもないのでございまして、あるいは室の中が暗過ぎる。あるいは早く電燈が消えて十時後になると何もすることができないということになつてはならないのでありまして、外客と申しましても當分は主たるものはアメリカ合衆國だと存じますが、今後はあらゆる國の方々に來ていただくかなければならぬ。そうして立て直つた國の中を見ていただくというからには、そういう人に合うような施設を各所につくる。そうしてすべて氣持よく、そこで氣質も違つておる國民性に對してそれぞれ合うような接遇をするということが、一番大切な點ではないかというふうに考える次第であります。以上お答え申し上げます。

柴沼直文部事務官

○柴沼政府委員 現代美術館について、御意見なり、御質問があつたのでありますが、御趣旨につきましては、私どもも非常に御賛成申し上げるのでございます。實はわれわれといたしましても、前から何とか現代美術館を實現してまいりたいという希望をもちまして、相當のその計畫を練つてまいつてきておるのです。たまたま實は終戰後いろいろ建物の施設が他の用途に転換される際にも、このことを考え及びまして、ある程度かつこうな地位にある不燃性の建物に目をつけて、交渉を開始したことがあるのであります。これは實現できなかつたのでございます。非常に殘念に思うのでありますが、御承知の通り適當の場所にありさえすれば、後は若干の裝餝の設備だけで、割合に經費はかからないと、われわれの計畫では考えられておるのであります。しかしそれが實現困難でありますので、やむを得ず現在では上野の國立博物館の古い方の建物の表慶館というのがありますが、これを現代美術的な運營に活用いたしまして、少しでもその滿たされない希望の一部分を滿たしてまいろうかというような程度になつておるのでありますが、これは場所が必ずしも適當ではございませんし、また建物も小さいのでございまして、將來の計畫としては、何らか皆樣方のお力もひとつお借りいたしまして、適當なものができるような方法を、續けて努力してまいりたいと考えておるのでございます。短期展覽會のようなものは、相當會場等もあるのでございますが、現在美術館として固定的な一定の規格をもちますための建物は、東京都内におきましても非常にまれになつておりまして、建物を探すのに非常に苦勞をしておるのであります。近い將來に、何かこの種の施設を實現したいという希望だけ申し上げておきたいと思います。

福田繁芳民主党

○福田委員長 鈴木君にちよつと申し上げます。あなたの御質問の中に内務省なり厚生省の所管事項があつたように存ずるのですが、ちようど今政府委員が出席しておりまんので、次會に御答辯さしてもらうように保留いたしたい、かように思うのであります。     —————————————

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 いろいろ大きな問題がありますので、これは今日で打ち切つて、また午後にやるか、それとも主管大臣に出席してもらつて、この次の委員會にするかという動議を出したいと思います。   (「贊成」と呼ぶ者あり)

福田繁芳民主党

○福田委員長 それでは佐藤君の動議について御相談いたしますが、本日は午後に再開いたしますか。それとも、本日はこれで散會にいたして次會にいたしますか、それを諮りしたいと思います。   (「次會」と呼ぶ者あり)

武藤智雄文化委員會專門調査員

○武藤專門調査員 議院事務局法の第十一條に「常任委員會の專門調査員は、常任委員長の命を受け調査を掌る。」ということがございます。この常任委員長の命を受け調査を掌れない、ゆゆしいことが起こりましたので、一言申し上げさせていただきたいと思います。本日の委員會において各省の關係者を御出席願うのにつきましては、一昨日、委員部の書記、この常任委員會の書記と、私と三人で、關係各省の委員内における政府連絡室、政府委員室を歴訪いたしました。そのときもつてまわつた書面がここにございますので、朗讀いたします。   前囘七月二十九日、火曜日、觀光事業に關し、運輸省鐵道總局長官伊能繁次郎君、全日本觀光連盟事務局長武部英次君、あるいは日本交通會社理事長高田寛君の説明を聽取したるに引き續き、さらに右主題で、關係當局の説明を求めることにいたしました。   一、説明は各省十五分とし、質疑應答の時間的餘裕を與えられんことを希望します。   一、參考資料は少くとも三十通御用意、御持參願います。   一、八月一日金曜日午前十時第四委員室において、開會。   一、説明事項及び説明者。  こういうわけで内務省に關しては道路、その他觀光事業に關連ある所管事項の説明をお願いすることにし、文部省に對しては國寶、史跡、名勝及び天然記念物の指定、保存その他觀光事業に關連ある所管事項の説明をお願いし、國立公園その他觀光事業に關連ある所管事項の説明は厚生省にお願いし、貿易館、バイヤー接遇、その他觀光事業に關連ある所管事項の説明は商工省にお願いして、それ以外にこれだけ集まられます前に、運輸省からは一應御説明を承つておつたのでありますが、質疑があつた場合は、運輸省からもオブザーバーとして御出席をお願いしたいということを、關係各省の政府委員室を歴訪してお願いしたのであります。御無理とは思いましたが、一昨日のうちにどなたかこちらにおいでくださいまして、御返事願いたいということをお願いしておきました。さいわいにして商工省を除くほかの省の方は、一昨日のうちにことごとく御返事があつたのであります。商工省からだけは、一向御返事がございません。それで私は、一昨日政府委員室を一度皆でお尋ねしましたあとで、二度お尋ねしておりますが、もう少し待つてくれということであります。そのあとで、御承知のようにここで文化委員會の打合會が開かれましたけれども、私はその席をはずせませんので、常任委員會の大津書記に御無理を願つて、御返事を求めに行つたのでありますが、遂に一昨日のうちにお約束の御返事が求められなかつたのであります。政府委員室にこちらから行つてお返事を承るということは、まことに不見識なことでありますが、昨日大津書記がまた商工省の政府委員室にお伺いにまかり出ましたところが、貿易廳次官がお越しになるというお返事があつたのでありまして、それで貿易廳次長の定めし御懇切な御説明があり、資料も揃つておると確信しておつたのでありますが、今朝ここにおいでになつて事情を申し上げると、恐縮でありますが、私は實は何も聞いていないが、一體どういうことだろう、何を話せばいいだろうかというお話であります。私どもは不敏ながら官廳分課規定というものを一生懸命精讀しております。これは私は今事務室から借りてきたので新しいのでありますが、私自身のは古いので、ずたずたに紙が切れておるのであります。政府委員たるものは、國會關係の法規を御研究になつてしかるべきではないかと思います。衆議院規則というれつきとしたものもできております。各常任委員會の所管事項というものもできておるのであります。こちらから申し出た事項が何であろうと、一應文化委員會からの申出ならば、大體どういうことだろうという見當は、おつきになるだろうと思います。またその見當がおつきにならないにしても、文化委員會から出席を求められたならば、當然八月十五日の貿易再開に關連あることではないかとお氣づきになるのが、あたりまえではないかと思うのであります。現に全日本觀光連盟の方に貿易廳から毎日役人がおいでになつて、バイヤー接遇のための御準備をなすつておるのであります。すなわちホテルとして帝室林野局、住友ビル、名古屋の常磐ビル京都の洛陽ホテル、大阪では病院を直すなど、一生懸命に仕事をしていらつしやると思います。またこの間の新聞を見ますと、バイヤー接遇のために、貿易廳當局者の談として、いろいろなパンフレツトを贈ることにして、それはすでにできておるという談話が載つておるのであります。それが本當なら、なぜ今日ここにそれを持つておいでにならないかと思うのであります。私は商工省に對しては、前の次官の椎名さんは、私の高等學校時代の親友であります。奥田新三君は、中學時代の一年後輩であります。現次官の岡松成太郎君は、東京の大學の法學部で一年間助手をやつたことがあるので、私と机を竝べてともに勉強したのであります。個人的には、商工省に對しては非常な親しみをもつておるのでありますけれども、あえてこの文化委員會といわず、衆參兩院を含めた常任委員會の權威のために、一言申し上げておきます。(拍手)

新井茂貿易廳次長

○新井政府委員 ただいまの問題については、たいへん恐縮でありますが、實は内部の連絡が少し不十分であつたので、この機會に厚くおわびを申し上げておきます。今後は十分そういう點のないように注意いたします。ただいま仰せの資料等につきましても、届けて差上げます。

福田繁芳民主党

○福田委員長 今武藤調査委員のお申出ももつともと存じますから、委員長においてもよく協議した上、政府各委員に何分の勸告をいたします。  本日は、時間の都合上これをもつて散會いたします。    午後零時十六分散會

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