農林委員会 第58号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1947/12/05
会議録
○野溝委員長 これより會議を開きます。 お諮りいたします。昨四日農林委員會に付託となりました食糧管理法の一部を改正する法律案の説明を聽取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野溝委員長 御異議なきものと認めまして、食糧管理法の一部を改正する法律を議題とし、政府の説明を求めます。
○井上政府委員 それではただいまから食糧管理法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。今次改正案の骨子は、從來の主要食糧に關する統制機關である地方食糧營團、日本甘藷馬鈴薯株式會社及び日本澱粉株式會社の解體と食糧配給公團の新たなる設立であります。元來主要食糧につきましては、その需要と供給とが著しく均衡を缺いていること及び連合國軍最高司令部の厚意に基づく輸入食糧の放出により、辛うじて不足を補いつつある事につきましては、いまさら事新らしく申上げるまでもなく、諸君の十分御承知の點であろうと存じます。このような條件の下におきまして、主要食糧の公正にしてかつ迅速な配給を確保いたしますためには、特別の配給機關による特別の配給操作を必要とするのであります。すなわち主要食糧の品目が特に最近はなはだしく雑多になつてまいりましたこと、配給が非常に小刻みになつてきていること等の、いわゆる配給上の惡條件を克服して、公正なる總合配給の確保、やみ横流し等の不正の排除、配給状況の迅速かつ適確な把握等を障害なく遂行いたしますためには、非常に強力な國家的統制を行う以外に方法はないと考えられるのであります。この意味におきまして、現在政府みずから主要食糧の買入れ、賣却、輸送等の業務を營むと同時に、配給、機關としての地方食糧營團、藷類及び澱粉のそれぞれの取扱機關である日本甘藷馬鈴薯株式會社及び日本澱粉株式會社の三者が、おのおのの分野におきまして、一元的買取販賣を行つてまいつたのでありまして、政府すなわち食糧管理特別會計竝びに、これら統制機關を通しての強力な國家統制によつて、主要食糧の配給が確保されてまいつたと申すも決して過言でないと存ずるのであります。しかしながら、これらの統制機關は、その資本も構成もすべて私的な民間團體であり、このような團體に國家的な統制權能を賦與いたしますことは、去る四月に改正された臨時物資需給調整法、七月二十日施行を見ましたいわゆる獨占禁止法等に見られる日本經濟の民主的再建えの一連の指向と相容れぬものであることは、否定し得べくもありません。すなわち、この線に沿つて現在考えられる統制方式といたしましては、國家機關すなわち公團による方式といわゆる切符制度のみであり、從來の民間統制團體による統制方式は、近く全面的に切替えて、完全なる自由取引とするか、または右のいずれかの統制方式によらなければならない事態に立至つているのであります。しかして、きわめて窮迫した需給事情にある主要食糧について、完全なる自由取引とすることは、とうてい考えられないことであり、また切符制度を採用いたしますことは、いたずらに混亂を招來するおそれがあります。それゆえに、われわれはここに現在の統制機關を解體せしめると同時に、新たに食糧配給公團を設立いたし、これらの統制權能をすべて新設の公團に吸收し、食糧管理特別會計及び食糧配給公團という二つの政府機關が相まつての強力な統制により、從來にもまして主要食糧の圓滑かつ公正なる配給を期したいと存ずるのであります。 新たに設立いたします公團の性格につきましては、前議會において御承認を得ました石油、石炭、貿易等の諸公團、あるいはまた本國會にすでに提出され、目下御檢討を經ております食料品、油糧等の諸公團とほとんど同一でございますので、ここに新しく申し述べることは避けさせていただきたいと存じます。ただ食糧配給公團が他の諸公團と異なる點、すなわち、食糧配給公團の特異な點につきまして一、二申述べてたいと存じます。 その第一は、食糧配給公團につきましては、消費者と直結して配給を行うことであります。油糧、食料品等の諸公團は、末端配給機關をもたず、これについてはいわゆる登録制度により公團が指定いたすこととなつておるのでありますが、食糧配給公團につきましては、食糧營團の末端配給の機能を吸收し、消費者に對する配給業務を行わしめることとしたのであります。と申しますのは、末端配給機關を切離した場合、ひろく一般消費者に對し適時に、公平なる配給を確保するためには、現在よりも遥に尨大な操作食糧を必要とするにいたるものと考えられるのでありますが、このようなことは、現下の食糧事情下においては、とうていなし得るところでないのであります。さらにまた、現實の問題といたしましても、末端の切り離しは、種々の面において混亂を生ぜしめることが豫想せられるのであります。 第二點といたしまして、食糧配給公團につきましては、他の公團と異り、都道府縣知事に必要なる權限を賦限して、その範圍内おいて、公團の都道府縣支部に對する指示權を認めることいたしました。すなわち、主要食糧の配給の確保ということは、もちろん中央政府の責任においてこれを行うべきものでありますが、都道府縣内の主要食糧の配給が、地方の治安その他地方行政に最も重要なる關係を有する問題であることに鑑み、都道府縣知事が、配給實施機關である食糧配給公團の都道府縣支部に對する指示をなしうる道を開いた次第であります。以上申し述べましたところは、食糧配給公團の設立につきましての説明でございますが、今次の食糧管理、法改正案におきましては、そのほか現行法中現状に即しない部分もこの際改正いたいとと存ずるのであります。すなわち地主の小作米供出に關する規定を削除した點、諸類及び雑穀の供出割當に關する根據を米麦の場合と同一した點、その他これに伴つて法文の整理をいたしたのであります。以上食糧配給公團の設立を中心とする食糧管理法の一部を改正する法律案の提案理由を申し上げましたが、會期切迫の折からでもありますが、何卒速やかに御審議の上可決せられますよう希望いたす次第であります。
○野溝委員長 ただいま食糧管理法の一部を改正する法律案の提案理由の説明がありました。本日付託になつておる議題は他に食料品公團法案、油糧、飼料の公團法案が付託になつているのでございますが、以上の三法律案につきましては質疑は打切られておりますので、これから質疑に入る法律案は、ただいま提案理由の説明になりました食糧管理法の一部を改正する法律案でございます。これについて本日質疑を續行いたしますか、本日はこの程度で散會いたしますか、いかが取計らいましよう。 〔「本日は散會」と呼ぶ者あり〕
○野溝委員長 では本日は散會いたします。 午後二時五十九分散會