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1回国会衆議院1947/11/22

農林委員会 第50号

発言数
39
登壇者
6
会派数
2
開催日
1947/11/22

会議録

野溝勝日本社会党

○野溝委員長 會議を開きます。  本日議題となりました國有林野法の一部を改正する法律案につきまして、政府委員の説明を求めます。

井上良次日本社会党農林政務次官

○井上政府委員 それでは國有林野法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。  北海道の國有林野は從來内務大臣の所管のもとに、北海道廳が管理經營してきた關係もありまして、北海道には國有林野法は施行せられておりませんので、これに相當する法令として、北海道國有林野及び産物處分令が施行されておつたのでありますが、この勅令は舊憲法上のいわゆる獨立命令でありますため、昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際、現に努力を有する命令の規定の効力等に關する法律の第一條によりまして、本年十二月三十一日限り失効となるのでありまして、北海道の國有林野に對して、右の勅令に代るべき法律を必要とする次第であります。  また北海道の國有林野は、本年四月國有林野事業特別會計法の施行と、五月の官制の改正によりまして、舊御料林とともに農林大臣の所管に移り、内地府縣所在の國有林野と同一の方針のもとに、運營せられることとなつたのであります。以上のべました理由によりまして、國有林野法を改正して、北海道にこれを施行する必要があるのであります。  なほ本法の改正前に、北海道國有林野及び産物處分會に基いてなした國有林野に關する契約は、本法施行後においても有効であるといたしまして、既存の權利關係を保護することといたした次第であります。  また國有林野法第二十六條第二項は、沖繩縣の國有林野の貸付、使用及び賣拂い竝びにその産物の處分に關して、必要がある場合においては、勅令をもつて特例を設けることができることを規定しておるのでありまして、改正憲法の趣旨から見ますれば、これらは當然法律をもつて定める事項でありますので、この條項を削除いたすわけであります。  以上の理由によりまして、この法案を提出した次第であります。何とぞ愼重御審議の上、可決せられんことをお願ひ申上げます、

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 この場合若干の問題についてお尋ねいたしておきたいと思うのであります。御承知の通りに戰時中北海道の斫伐については、林力の増強よりは戰力の増強に重點をおかなければならないということで、林力にかかわらないでどんどん過伐、濫伐を行つたのであります。それは内地の方の山林もそうでありますが、殊に北海道においては非常に廣汎な森林の面積を有しておるにかかわらず、林道、森林鐵道その他森林の經營に對する基礎的な條件が備わつていないのでありますから、非常に手近な、運びやすいところから、開發的にこれを伐りましたために、奥地の林分の……。

野溝勝日本社会党

○野溝委員長 永井委員に申し上げます。國有林部長はすぐ來ますから、具體的なことは見えてからお願いいたします。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 それではそういうことにいたします。  從つて手近なところと言えば、民有林あるいは公有林でありまして、斫伐の比率から申しますと、民有林及び公有林におきましては、大體二、三十パーセントを伐つておつて、國有林に對しては、五、六パーセントより伐つていない。こういうような比率が出ておるのでありまして、こういう點から申しましても、公有林等に對する斫伐のウエイトが非常に強かつた。過伐、濫伐の弊というものが非常に強く結果されておるということが、明らかであるのでありますが、これは從來國有林と地方公有林とを一つにして、そして北海道全體の森林という總合的な經營の上から、こういうことが行われたのであります。それがこの法律の制定によりまして、國有林と公有林がはつきりと區分される。こういうことになりますと、北海道においては坊主にされた山を引受けて、そうして國有林の方は非常に戰時中から林力を保存されたままで國に移管される。こういうような非常に不公平な結果が、ここに生まれておるのであります。これに對なてこの區分の機會において、戰時中、の過伐、濫伐に對する公有林に對して、國有林においては特別に何らかの措置を考えていないかどうか。これが第一點であります。  それから公有林の經營につきましては、御承知のように全道に散在しておつて、あちらこちらにずつと國有林の間にはさまつておるのであります。そこでこういう機會に國有林と公有林との間に配置分合を行いまして、國有林においても經營を合理化するように、公有林においてもこの經營が合理的に經營されるように、全般的にわたる配置分合のお考えがないかどうか。  それからこの機會に、御承知の通りに北海道の森林というものは、明治初年以來内務省の所管において、北海道がこれを總合的に一貫的にやつていた結果といたしまして、非常に便利なところは中央における當時の政治家、財閥、そういう人たちがどんどん國有林の拂下げを受けまして、これを入手してほとんど坊主山にしておる。民林の經營は北海道においてはほとんど見るべきものがない。こういう状況になつておるのでありますが、これをこのままにしておきますならば、治水治山の上からいきましても、國土保全の上から考えましても、これは重大な結果が招來されると思います。また炭鑛汽船とか王子製紙あるいは住友というような大きな財閥が、非常に廣範圍な森林を所有しておる。そして、これを森林經營上合理的に經營するというのではなくして、ただ手持ちして土地の値上りと自然の木の生長をまつというような經營になつておるのですが、こういう過去の日本政治の罪惡史というものが、北海道の山に現實に現在現われておる。これは今後もずつと影響していく。そうして過去の權利が保續されるということになると、北海道の森林、日本に殘されている唯一の資源である、この森林の基礎的な經營條件を整備することができないのであります。でありますから、こういう機會に國有林と公有林との配置分合を行うとともに、民林に對しても何らかの措置、すなわち土地利用區分を調査確立して、ただ手持ちして自分の利潤追求的に山を經營するような面に對しましては、これを政府が買上げて、もつとも森林經營の上から効率的な經營に移していく。そうして過去の北海道の山林に對して行われた政治惡、經濟惡を、この機會に一線を畫して、合理的經營に移せるような基礎條件を整備するお考えはないか、お伺いしたいのであります。

井上良次日本社会党農林政務次官

○井上政府委員 第一の國有林と公有林の配置分合の問題でありますが、まつたくお説の通り、公有林が戰時來過伐濫伐された結果、また國有林の方はさほどでもないという不均衡な状態を是正しまして、そのおのおののもてる總合的なものにこれをまとめていくという配置分合の方針には原則として贊成であります。ただ、これをどうして行うかということになると、國有林と公有林一定の法的手續を必要といたしますので、ただいまの御意見を私どもも十分参酌いたしまして、御期待に副うように、必要な機會に法律の改正をして、北海道の森林資源を確保する方向に適正な處置講じてまいりたいと存じます。なお荒廢森林については、森林の効率を高めるという行き方は、當然やらなければならぬことでありまして、今これをどうするか具體的に調査中でありまして、それが完成した後に、初めて土地の利用をどう高めていくか、荒廢林にどうして植林造林をするか、また全體とにらみ合せて北海道の將來の森林資源の涵養にどういう手を打つかというようなことを計畫的にきめたいと考えまして、今その方向の調査を進めておりますから、これが完成した後に具體的な處置を講じたいと考えておる次第であります。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 もちろん國有林と公有林との配置分合については、法的手續も現地調査も要するでありましようけれども、土地利用區分の基礎條件は、土地利用區分を確立しなければいかぬのでありますから、それぞれの林地における調査が必要でありましようが、施業案というものはとりあえず現在は簡易に行つて確立と、それから森林經營の方法手段を講ずる段階にいくであろうことは想像するのでありますが、原則として贊成であるということでなしに、そういう現實があり、しかもそういう手續をしなければならぬことは明らかでありますが、どういう方向に調査するか、一つのテーマをもつて、そういういろいろなものを調査して、それに適合するように結論出すということでなければ、ただ漠然と原則として贊成だというだけで、いろいろな調査をしていつたのでは、正しい結論は出ないと思うのであります。でありますから、だれが見ても國有林と民有林との間における經營の不均衡が非常に顕著に現在出ておるのでありますから、これを修正しなければならぬことは明らかであります。また公有林があちこちに散在しておつて、地方林關係と國有林關係とが區分される現在の段階においては、これを合理的に配置分合しなければならぬことは明らかでありますから、それをどういう方法論において、どういう取運びにおいて、その原則を確立するような具體的な用意があるか、その内容を明らかにしておきたいと思うのであります。

井上良次日本社会党農林政務次官

○井上政府委員 今北海道の國有林、公有林の配置分合について、具體的に一つの計畫案を立てて、その計畫に基いて、それに結論をつける施業案を大體もつべきでないか、その具體案を示せというお話でございますが、政府の方におきましてはさいぜん申し上げました通り、大體一應具體的の事實を調査いたしまして、それに基いて、それは公有林としておいた方がよいか、國有林として經營した方がよいかという、具體的問題にぶちあたつて解決をしてまいりたい。ただ今度北海道の林地が國有林の主體をなしてきたのでありますから、この際公有林はできるだけ國有林化したい。そうしてその全體の經營をうまくやりたい、こういうつもりでいろいろ實際に當つて調査をしておりますと、なかなか地元の方では、そういうことには簡単に應じられないということもございまして、實際に北海道の將來を考え、日本の森林資源の唯一の寶庫でありますから、十分成案には法的にも財政的にも考えましてやりたいと思つております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 話がそこまでまいりますと、これが單に北海道だけの問題ではなしに、日本の林政をどういう規範の上に確立するかという本質的な問題に入つてくると思うのですが、それがはつきりしませんと、北海道の國有林と公有林との營經についても、問題が解決できないと思うのであります。そこで本質的な問題としてひとつお聞きしておきたいのですが、一體農地開放ということは、單に耕地にだけ關する問題であつて。放牧地及び林野一般に對しては何ら現在手を觸れてないのでありますが、これは日本の農村の民主化、あるいは日本全般にわたるあらゆる機構の民主化をはかるためには、第一段階としては農地の開放でありましよう。その次には林野の開放ということがくるでありましようし、宅地の開放ということも、續いては漁業權の關放、こういうものが有機的に、一貫的に、統合的に行わなければ、日本の各般にわたる民主化の基礎條件は備わらぬと思うのであります。今日農地にだけ關して農地開放を行つているのでありますが、引續いては林野の開放もしなければいけない、こう思うのであります。そのためには土地利用區分の確立をしなければいけない。ここは林野としておくか、採草地としておくか、放牧地として利用するかというような、土地利用區分を、民有林、國有林全般にわたつてそういう調査をした上で、その土地の利用區分に適應したような利用の方法に再編成をしなければならぬという、革命的な施策を政府において用意するのでなければ、日本の狹くなつた國土の効率的な經營ということはできないと考えるのであります。そこで森林經營に對する根本的な考え方、基礎的な考え方は、どういう考えをもちつつ現實の政策を處理していくお考えであるか。これをひとつ聽いておきたい。

野溝勝日本社会党

○野溝委員長 永井委員に申し上げます。國有林に對し、あるいは林政に對する今後の計畫で、少しく專門的になつたと思いますので、ただいま國有林部長がまいりますから、國有林部長に答辯を願うことにしていただきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 それではあとまわしにしまして、現在この森林關係が特別會計になつている關係で、自賄いの形態になつている。その自賄いの豫算の經營を各營林局の自賄いに任しているということで、北海道では現在御承知の通りに官行斫伐が多いのでありますが、政府みずからが伐出しの仕事をやつておるのでありますが、御承知の通りに現在の北海道の輸送状態というものは非常な最惡状態にありまして、何年前から伐つた木が動かないという状態にあります。從つて官行で伐り出した木が動きませんから收入がない。そこで各營林局では自分の局内の經營の自給自足を立てるために汲々としている。從つて豫算の面から收支を償うということを原則として、合理的な經營をするというところに基礎をおいていない。こういう間違つた經營が行われているのと、伐り出した木が動きませんから收入がないので、營林署員の給料も拂えない。また官行で働いた者の賃金も一部の支拂いだけをいたしまして、全部の清算がついていない。そま夫や運搬夫や、そういう人たちの給料もまだ拂われていないというような状態におかれているのですが、政府は一體政府の森林全體の特別會計において、いういう經營をしなければならないにもかかわらず、北海道の山に關しては營林局管内の自賄いにこの豫算を送りこんでほほかむりしている。こういうことは非常に不當ではないかと思うのですが、一體經營の實際状況、それから今後もそういうことを繼續する考えか、現在不拂になつている賃金その他は、どういう方法によつて支拂われるお考えであるか、これをお聽きしたい。

井上良次日本社会党農林政務次官

○井上政府委員 ただいま御質問の營林署所管の赤字といいますか、營林署所管だけで賄つておる關係から、營林署の官行斫伐が賣れないために給料が拂えない、そういうことはいかんじやないかという御質問だろうと思いますが大體御存じの通り、この會計は國有林全體の獨立採算制をとつておるのであつて、一營林署の獨立會計にはなつていないのでありますから、そういう地域的に赤字が出た場合は、直ちに地方營林局なり、または林野局において全體を賄うことにいたしておりますので、そういうことのないように十分注意をしてまいりたい。ただ給料の不拂とか、あるいは買入代金の不拂というような問題が起る豫想がつきました場合は、直ちにこちらから手當をいたしまして、そういうことのないように十分總合的にやつていくつもりであります。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 内容をよく御存じないようでありますから、部長が來てからお尋ねいたします。

佐竹新市日本社会党

○佐竹(新)委員 關連してお尋ねしたいのであります。私の縣でしばしば聞くのでありますが、國有林を賣り拂いますときに、ある特定の人間にこれを賣り拂うということで、非常に附近の農民から陳情され、私が農林委員であります關係上、こういう點を資料をあげて相當もつてきておられるのであります。それで今日の薪炭増産を唱えられるときに、これを特定の人間に賣り拂うということでなしに、公開入札拂下の方法をとられる方針であるかどうかということが第一點と、それからこの機會にお尋ねしたいのでありますが、本年六月以降において、北海道及び内地で大口な拂下げをやつた、これが特定の資本家、同一の資本家に拂下げをなしたというようなうわさがとんでいるのでありますが、そういう事實があるかどうか、こういう點をお聽きしたいのであります。  もう一つの點は、その六月以降に拂下げられた國有林の面積及び數量、拂下人の氏名の一覺表を本委員會に提出していただきたいということを附け加えておきます。

野溝勝日本社会党

○野溝委員長 ただいまの質問は非常に重大だと思いますので、國有林部長がまいつた際に、政府次官と相談の上、答辯を願うことにいたしたいと思います。

井上良次日本社会党農林政務次官

○井上政府委員 今の佐竹さんの御質問に對して、大要私から答えまして、詳細は國有林野部長からお答えをさすことにいたします。  第一の國有林の立木の拂下げの問題でございますが、これは大體營林署で、一應拂下げについては資力とか、資金とか、あるいは設備とか、信用とか、こういうものが十分認められる人を中心に拂い下げることにいたしております。もちろんそれらは大體營林署で特定の人として調査をいたしまして、十分奥地の立木の伐採いたしたものを搬出する設備をやるだけの能力があるかどうか、またそういう設備を實際やれるかどうか、それからその立木の代金の支拂能力があるかどうか、またそれだけの社會的信用をもつておる人であるかどうかというようなことを總合的に判定いたしまして、これならば間違いないということで拂下げをするということになつております。從つてそういう能力の人がございますならば、別段特定人だけに限らずやつていいと私は考えますが、從來は大體そういうやり方でやつておるそうであります。  それからその次に、六月以降に北海道または内地において、大口の立木の拂下げについてどうなつておるかという御質問であります。大體大口というのはどの程度のことを指しておるかわかりませんが、世間に目立つほど大口の拂下げをやつておる事實はないのでありますが、もし具體的に、たとえばこうこういうものであるということでございましたならば、早速私どもで調査をいたしてお答えすることにいたします。  なおこの際申し上げておきますが、國有林地において、最近の社會情勢から、戰災者あるいはまた海外引揚者等が非常に内地に歸還をいたし、また農村へはいりこむというような關係から、國有林地で開墾適地として必要な所は、それぞれ開墾地として拂下げをいたしておる事實はございます。これは開墾が目的であつて、立木は目的でないのでありますから、從つて立木は、大體國有林の場合は、營林署において製材をいたすということにいたしておるような次第であります。

三浦辰雄農林技官

○三浦説明員 大體の説明は以上で盡きておると思いますが、もしもつと詳細な點、特にどの點について申すことがありますれば、私よりお答えいたします。

佐竹新市日本社会党

○佐竹(新)委員 ただいま政務次官のお答えでは、資力、資金、信用等で特定の人間のそういう點を見てされるということをいわれましたけれども、私の知つておりまする廣島縣、これは資力、資金、信用は——もちろん會社組織にしております。そうしてそこにしか全然拂い下げない。どんなことがあつても拂い下げない。こういうことで、資力も、資金も、信用も、また搬出力も、いろいろなそういう設備ももつておるものがおつても、それには拂い下げない。こういう事實があるわけであります。そこでこの際聽いておきたいのでありますが、さつきも私が申し上げましたように、薪炭増産を今農林省ではやかましく言つておられますけれども、將來できまする農業協同組合法が實施されたときにおいて、この組合から拂下げを受けるというようなことをやる場合に、これをお認めになるかどうか。これはもちろん資金も政府は信用しておられるでありましよう。また薪炭増産という點においても、合致しておるのであります。そういう點から、この農業協同組合が拂下げを求めた場合に、これに拂下げられる御意志があるかどうか。  最後に私がお伺いいたしましたところは、最近拂下げをされたところの、數の大きい小さいは問題でなく、六月以降の拂下げの數量、面積人名の一覺表をこの委員會に提出していただきたいということを言つたのでありますから、これに對してのお答えを願います。

野溝勝日本社会党

○野溝委員長 私から申し上げます。本委員會は、委員からの資料要請のあつた場合は、委員長は政府に向つてその資料の提出方を命じます。

井上良次日本社会党農林政務次官

○井上政府委員 薪炭林の拂下げの問題でありますが、今御指摘のように、將來農業協同組合が一つの事業として薪炭の生産をやろうとする場合は、それが民有地でなく國有林の場合になりますと、當然せれが薪炭林として適當な立木であるかどうかということで、具體的に調査をいたしまして、また伐採基準に達しておるというようなことでありますならば、當然そういう公的な團體に拂い下げるべきものは拂い下げるということになります。しかし國有林の薪炭は、大體官行製炭を中心にいたして、おりまして、あまり民間にはやらさないという方針であります。それから今一つは、一方では薪炭の生産なり、木材の生産を非常にやかましく要求される反面、その地元の農村においては、できるだけ山は伐らぬでおいてくれ、やたらに山を伐つちや困るというような意見も非常に強いのでありまして、そういうものを總合的にやはり考えて、さいぜん永井委員からお話の通り、全體の配置分合を考えませんと、治山治水の上に重大な影響がありますから、そういうものを考慮いたしまして適当に處置したい。農素協同組合がかりに必要なものがありました場合は、そういう處置は講じなければならぬし、また當然そういう方向に將來もつていくがいいと私は考えます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 先ほど質問をしたのでありますが、十分な答辯が得られなかつたと思いますので、國有林部長に簡單に今までのことをお尋ねします。北海道の場合、戰時中公有林を食い荒して、國有林の方はそれほど伐らなつた。そうして今國有林と公有林とをぱんとわけて、食い荒した山だけを北海道に殘して、國有林はこつちへもつてくる。こういうことになつたら非常に不均衡でもあるし、北海道の公有林というものは今後の經營が成り立たない状況になる。そこでこういう所有區分を確立する機會において、國有林と公有林との間に、戰時中非常に食い荒した分について適當に調整する方法を講ずる考えはないか。それからまた公有林が全道に散在しておりまして、經營上非常に困難な状況にあると思うので、國有林と地方林との間において適當に配置分合するお考えはないか。この點についてお伺いたします。

三浦辰雄農林技官

○三浦説明員 永井委員からのお尋ねに對して御説明申し上げます。北海道の國有林は比較的荒さらなかつたが、その國有林は今度の四月の國有林野の林統一に際していわゆる農林省になつた。それで食い荒された公有林が北海道廳のものとして殘つている。その問題はどう考えるか、こういうお話でありますが、北海道における國有林野におきましても、相當に實は増産を重ねてまいりまして、私どもの調べによりますと、元來北海道の國有林の生産力と考えられます標準伐採量に對しまして九割五分、つまり九五%を伐つておると考えられます。民有林の方においてもまた同様な比率あるいはそれ以上伐つておつたものと思いますが、國有林の方においてもこういう状況であります。  そこでそういつた關係のものを調節する氣はないかという第二の點でございますが、御承知の通りに北海道の開拓につきましては、國有林關係ばかりと申しませんが、國有林關係においても相當に開拓の豫定地がございます。これらを逐次整理しますとともに、従来の御料林、従来の國有林というものをある程度再検討して、そこに今後の管理經營の上の合理化の點から見て、整理しなければならぬ點があるじやなかろうか。私どもといたしましてはその點について若干の豫算をもつて、來年度はこの調査にかかろうという計畫をもつております。

野溝勝日本社会党

○野溝委員長 ちよつと私から御了解を得たいと思いますが、なるべく午前中にこの林野法に對する質疑を打切りたいと思いますから、このおつもりで願いたいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 公有林の運營に關して、先ほど部長が言われたように、國有林も伐つたが公有林についてはより多く伐つておる。それは便利なところに多いからということが言えるのでありまして、その比率は今ここに資料を持つてきておりませんから明示することはできませんが、國有林の面積が廣いということもありますが、大體國有林の倍くらい公有林において伐つておるわけであります。このことをよく御調査願いたいと思います。  それからこういうふうに荒らされた公有林が北海道に殘されたのでありますから、これを運營していくためには相當造林を強化していかなければならぬ。造林ということは全國的な問題でありますが、殊に重點が北海道に置かれなければならぬということは、部長もよく御承知のことと思うのであります。それについて苗園地をまずつくつたり、公有林その他について、相當これを増強していかなければならぬという段階にありますので、今後の公有林運營に對して、北海道地方に對しては相當の國庫からの補助がなければ、これは滿足に動かないという状態にありますが、國庫補助に對してはどれほどの心構えと用意があるかどうか、これを承りたい。

三浦辰雄農林技官

○三浦説明員 お答えします。特に北海道の造林に對して他よりも強化せられなければならない、優先されなければならないというふうには私どもとしては考えておりませんが、造林の必要であることはもちろん十分に考えております。從來北海道は樹種の關係上、播種いたしましてから四年ないし五年經つてからでないとえぞまつ、とどまつというようなものの苗木ができない事情等も考えて、それに適するような數量を、苗園計畫等においても目下計畫というか調査中でございます。なお從來各支廳にお願いして、苗木の養成をしていつた面は、今囘の統一といつたような機構が變りましても、依然としてその方が便利であるというような特殊な事情があるので、それはそのままであるというような考え方でやつております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 さつきお聽きしたのですが、佐竹委員からも質問がありましたが、特賣權の問題であります。これもこの法律によるとこのまま繼承するということであります。この年度々々の賣拂いについては、條件を勘案して拂下者を決定するということでありますが、北海道の場合はほとんど特賣權というものが決定されておりまして、一つの權利になつておるのであります。こういう北海道における國有林賣拂いに對する特賣權の問題はどういうふうに考えておるかということと、それから官行植伐において、各營林局が經費を自賄いに任されて割當てられている。そのために今日のように林産物が輸送關係で賣れないという状況になると、各營林局は赤字になつて給料も拂えない、人夫賃も拂えないという状況で、北海道からは總理大臣を相手どつて訴訟が提起されておる現状でありますが、國有林の特別會計という一貫した會計をもつておりながら、何のために營林局單位に自賄いのような豫算を組んで、その局において何とかやつていけというようなむりなことをするのか。今後もそういうふうなことを繼續するのか。總理大臣に對して訴訟の提起されておる關係についてはどういうふうに考えておるか、これを伺います。

三浦辰雄農林技官

○三浦説明員 第一點の北海道におきまする立木處分の特賣權の問題、私どもはこれを特賣權というふうに考えておりません。北海道は御承知の通り、年期特賣というものがやや十數年程度ございました。そういうような關係と、北海道の業者の方々が非常に大きい力の人が多い關係から、自然そういうような關係のあつた人たちがやる方が有利だ——有利というと語弊がありますが、實行力が多いという點からいたしまして、その人たちの拂下げを受ける數が多いかとは存じますけれども、私どもはあくまでもこれは特賣の權利だ、こういうふうには考えておりません。 それから第二點の國有林野の事業は特別會計になつたが、これを各營林局の、その經費等は自賄いにしておる點に對しての御質問でございますが、各營林局の支出に對しては、その局が上げた收入をもつてやつていく、いわゆる完全な自賄いというふうには考えておりません。結局林野長官が支出官になりまして、收入、支出ともにその名においてやつておるので、各營林局から事業の實態に合う計畫をとり、そこで月別に收入がいくらになる、支出がいくらになるという、その計畫を各局の調整へ持ち寄りまして、あるいはある局からある局へ元受金を何月にはいくら出す。その代りその元受金は、その局が何月になれが收入が殖えるから、別の局に移すというように彼我調節を計畫上やつておるのであります。しかしながらただいま御指摘のように北海道の輸送がまことに思わしくない。その結果私ども非常に運輸省あるいは船の方に言つておりますが、必ずしもはかばかしくまいりません結果、製品の處分も必ずしも初め想像していたような時期に速やかに收入にならない。その結果かねて計畫いたしました全營林局をにらんで計畫された收支の關係がいささかこわれております。これについて北見、帶廣、殊に北見方面において今日問題が起きておることも承知しておりますので、これは電報を各營林局に打つて、應急の元受金の操作をいたしますと同時に、係の者をたてて打合せにやる、こういうことになつております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 最後に、これらの各營林局における、經費操作の問題、こいうものはいろいろ論議がありますが、ここでは小さな問題でありますからあとにまわして、先ほど基本的な問題としてお聽きしたのでありますが、日本の民主化をはかるためには農地の開放が第一である。農地の開放が終つたら、次いで林野、宅地、漁業權、こいうものを總合一貫的に開放するのでなければ、日本民主化はできない。殊に林野の關係については、農地がこういうふうになつたために、みな大口な資本が林野の方に投下されまして、手持して、ほんとうに日本の林野を造成していくという意味からではなくて、林野の土地と立木をもつて利潤の追求をするという、利潤追求の逃込み場所としてみな林野の方に集中されておるという現状である。日本のおかれている森林の状態はどうかというと、面積が四千五百萬町あつたものが二千五百萬町歩に、さらに蓄積が百億石あつたものが六十億石に減つておるというような状態であり、一方需要の面はどうかというと、薪炭は、毎年大體伐り量という限界が一億六、八千萬石よりないところにもつてきて、年々三億石以上の過伐をしておる。それだけを伐つて、しかも一億は用材であつて、一億七、八千萬石は薪炭林にこれを伐つておるというような状態にあり、數字に上つているだけでもそれだけありますが、やみで伐つておる量を見こみますと、おそらく三億五千萬石くらいを伐つておつて、少くも二億近いものが過伐になつておるのではないか。このような現況をもつていくならば、日本の森林というものは、ここ十五年か二十年の間に坊主になつてしまわなければならぬというような、非常に重大な時期にかかつてきておる。しかも今後における木材の需要というものは、建築の關係から考えても、いろいろな土木事業の關係から考えても、木材に過重してくる。坑木の關係も、パルプの關係も、電柱その他の厖大な需要というものがそこに起つてきて、縮減する見透しがない。薪炭もその通り、しかも林力には限度がある。こういうような追いこまれた状態にあるのでありますから、林政に關しては革命的な施策をするのでなければ、日本の國土保全はやつていけない。民族の復興はないということを考えておる。そういうような重大なところにきておるにもかかわらず、林政當局はのほほんとして、非常にその日暮らしをしておる。今ぼやぼやしていたらたいへんなことになつてしまうというにもかかわらず、施業案一つつくるにしても、さあこれは農政局が参加しなければならぬ。あるいは畜産局が参加しなければならぬというようなことで、積極的に施業案一つもできない。そうして荏苒日を送つておるというような現状である。そうしてまた民林の關係あるいは國有林の關係、それから林野、土地利用區分の基本的な問題にすら、全然手がついておらないという現状でありますが、これはどうしても速やかに土地利用區分を確立して、ここは農耕地、ここは放牧地、ここは採草地、ここは森林として、これを限度としてどうしても守らなければならぬ線であるということを確立して、速やかに施業案を立てるとともに、この利潤追求を目的として、ただ所有しておるという林野に對しては、國家が買收して、原則として林野全體は國有である。このような森林状態でありますから、ほとんど全部を國有にして、そうして民有林で經營できる合理的な限界だけを民間にもたせるとか、農業協同組合に農業經營の一環としてもたせるというような利用區分を確立して、あとのところは國みずから所有して、そうしてこれを造成をはかつて國土保全をする。こういう根本的な方策のもとに、急速にこれらの基本的な政策というものを樹立しなければならぬ段階であると思うのでありますが、一體こういう問題をどういうふうに考えるか、そうして土地利用區分の調査、それからこういう民林の買收國有化、そういうものに對してどういうふうに考えるか、これらの問題を時間的にどういうふうに運ぶ考えであるかということを明確にこの場所承つておきたいと思います。

三浦辰雄農林技官

○三浦説明員 ただいま永井委員の御質問でございますが、この問題は非常に大きい問題でございまして、私がここに自分の意見を申し上げるということもいかがかと存ずるのでございます。ただ御指摘のように、今日山林という問題がほんとうに國土計畫の線に沿つて、速やかに考えられなければならない。確立されなければならないということは、もとより私どももそのつもりでおるわけであります。從いまして今年になりましてから山林というものが今日どういう姿になつておるかということについて調査を開始して、大體この年度内にはそういう現在の山林のあり方、姿というものがはつきりつかめるような計畫はしております。そこであるいは關連の深い開拓の問題、あるいは畜産の問題、また燃料にいたしましても薪炭林がどのくらいなければならぬかということを決定するについても、石炭、電力等の問題にも關連がございます。私はこの山林というものを全體の産業、國土計畫的の意味で、早く全體の土地利用區分を確定していかなければならぬという御意見にはもとより贊成なのでありますが、それ以上私どもここで意見を申し上げるということは、特に御必要がなければ差控えたいと考えております。

野溝勝日本社会党

○野溝委員長 小川原委員、きようで打切りですから簡略に願います。

小川原政信日本自由党

○小川原委員 簡單にいたしたいと思いますが、なかなか大きな問題なのでしばらくお許しを願います。永井君から御質問がありましたことは、社會黨の案とか自由黨案とかいうのではない、永井君の主張も私の主張も北海道民として考えるときに同じ線を歩んでおる。永井君は大體において總論的な質問でありますから、その點は私は拔きにいたしますけれども、私は北海道として考えるとにろを一應申し上げたいと思います。林野局長が北海道においでになつたかどうかしりませんが、おそらくおいでにならぬと想像するのであります。北海道がこれまで拓植計畫をされまして、總額を全部勘定いたしましたが、その總額を今日の金に直すと、おそらくは何千萬億という金になると思います。そうして北海道の開發ができて、それが國家の力によりまして國有になつた。そこで北海道からみると、この根本的な施業案を變えてもらわなければならぬという心配は、内地の木でありますと百年で育つならば、北海道の木であるならば三百年を要する。そうして人口はどんどん殖えて、この八千萬の現在の國民をどこにやるかと言えば、北海道にもつていかなければならぬ。北海道は何によつて食うかと言えば、木を頼りにして食わなければならぬ。それは今も昔も同じである。そういうことからいうと、この林政ということに對しては非常な大きな關心をもつておる。そうして日本の國の森林の根本策は北海道から立てなければならないという現状であるのでありますが、ここに北海道が熱意をもつておるということをまず第一お認め願わなければならぬと思う。  そこで私どもの考えます點はどういうことか、餘計なことは申しませんが、ここに林政が一元化されたということに對しまして、どういう計畫をお立てになつたかということをまず北海道民として聽きたい。國家が林政を一元化して、その一元化した上の根本方針は何によつて立てられたかということであります。それが北海道長官を初めといたし、道民全體の聽こうとするところでありますから、この施業案というものができておつたら、ただちに御發表していただきたいし、できておらぬというのでありましたら、即刻お尋ねいたさなければならぬ。そこでなぜそういうことをとつくりお聽きするかというと、一體今日あるあの森林地帶はいりますと、御承知の通り伸びていくところの材積と、これをむしばんでいく荒廢に屬しておるところの材積とでは、大變大きな開きがあるのです。なぜかというと、森林に森林病菌とでも言うか、つきまして、倒壊していく材木は大したものです。これらの森林をどうして擁護していくかということを、まず私どもは聽かなければならぬ。それから帝室有であつたところの森林であるとか、あるいは牧野であるとか、山林であるとか、耕地であるとかいうものが、どういうふうに編入されてまいつたか。こういうことであります。それから今まで軍部がもつておつた國有林野をどういうふうに編入されておるか。それから大學林であつたものが、今度國有に歸屬した林野もあろうと思う、例をあげればもつとありましようが、大體以上の問題が代表的な問題であろうと思いますから、この點をわれわれは知りたい、一例を申し上げますと、帝室林野において農耕に適する土地はいかように開放されたか。その材木はどういうふうなことになつておるか。また今後それをどうしていくかという點であります。それがなければよろしいが、私はないと思わない。相當多數のものがあると私は記憶しておる。こういうことをまずお尋ねいたしたいのであります。  第二點においては、先ほど永井君からお話がありましたが、國有林と公有林の交換分合、このことは北海道では二十年前から申しておるのであります。これはただ一口に交換分合と言つても、それはまだ計畫しておらぬと言われればそれきりでありますが、これは北海道では相當に考えておるのです。北海道をお知りにならないから、さつき永井君にああいう御答辯をなすつたのだと思うのです。なぜわれわれがそういうことを聽くかと申しますと、都會地に近いところに國有林がある。奥の方に公有林があるということになると、非常にこれは開發上困ることになります。ですからこの國有林というものを公有林と交換いたしますれば、これがすぐ自由に開墾に付することができる。こういう部面がたくさんあります。ところがそうでなくて、公有林が細長く國有林の中にはいつておる。その反對に國有林が公有林の中に細長くはいつておるということで、交通の上から言つても、食事情の上から言つても非常に多くの支障を來たしておる。こういうことはもう調査はでき上つておる。それをただ實行するかせぬかというところに止まつておる。こういう點をいかようになさつていくかということであります。  それからもう一つ、非常に北海道の財政はこれまではよかつたのであるが、敗戰後は非常に惡くなりました。そうすると地方財政というものが破壊されてしまう。殊に北海道の開發というものは、明治時代には非常に心配されて、よそになかつた公有林という制度を設けられたのでありますが、今日は公有林ではとうてい北海道の收支は償わないという現状になつてまいつたのでありますから、國は公有林を殖やしていかれるところのお考えをもつておられるかどうか。今までに相當公有林をふやさなければならぬ。こういう三、四百の町村に對して、これからまだまだ町村が殖えてくるのであるから、公有林というものは相當に殖やさなければならぬという方針できたのでありますが、建設日本の今日の考えとしては、當局はどんなお考えをもつておられるかということを、一應特にお伺いしたい。この點についてお話申し上げたいことは、先に永井君から特賣の問題が出ておりましたが、私はもつと具體的にこの問題を申し上げなければならぬ。北海道は特賣によつて開發されたと言つても過言でない。たとえば三井に材木を拂い下げたときは、大きな道路がなく、金がないから道路をつくることができないので、三井に十何里も二十里も道路をつくらして材木を出したという、これは開發の當初であるが、こんなこともあつた。今日の時代はもうそんな必要はなくなつた。あるいは藤原に大きな面積の森林を賣渡しておるが、こういう必要はなくなつたのであります。今これをおやりになるかどうか。それから小さい特賣をやつておるのでありますが、この小さい特賣の中には、特賣をしなければならぬものもあるが、それで生活をしておるところの、妙な言葉を使えば中間搾取と申しますが、そういう人間がある。安く材木代を支拂つて高くそれを賣つて、それで食べておるという人があります。そういうものは特賣の必要はないのであります。これは道廳では調査ができております。これはやるかやらぬか、たつた一言で濟むことでありますが、これを農林省ではいかように御處置なさる御意思であるか。  第三點について申し上げたいのでありますが、さきのあなたの御答辯もありましたが、無理からぬことであると考えたのでありますが、國有林に對するところの採草地であるとか、放牧地であるとかいうものは、至急にやつていただかなければならない。今日私が申し上げるまでもなく、今まで牧野をもつておりましたものが四十町歩に切られてしまつて、北海道はこれからは牧畜というものを盛んにすることはできない。私どもは非常にこれを悲しんでおる。四十町や五十町もらつたつてやつていけないという理由をあなたがお知りであればさいわいであるが、お知りでなかつたら私委員長初め政務次官に聽いていただきたい。北海道の牧野というものは二つなければいけない。これは素人ではわからない。本当の専門家でなければわからない。こういう二つのものをもつのが理想であります。それがどれほどの面積をもつておるかというと、大體千町歩か二千町歩という土地をもたなければいけないのであります。それで雪が降らなければいいのでありますが、雪が降るのでありますから、大體千町歩あると、馬を三百頭かそこら放すのが限度であります。この牧場に馬を放すと、春雪が消えて草が芽を出す。そうするとそればかり食うから草がなくなつてしまう。三年も續けば荒廢してしまう。そこへあなた方を連れていくと、大變いい牧場だとお褒めになるかも知れない。そこで春ここの牧場の草を食わして、翌年はこつちの牧場へもつてきて馬を入れる。そうすれば先に入れた牧場の春草は食わないから、そこの草は育つのであります。そういうふうに交換していかなければ北海道の牧場というものは成立たない。殊に外國からは日本の馬が欲しいと言つてきておる。種牛が欲しいと言つてきております。朝鮮へも五十頭の馬を賣りました。ロシヤも日本の馬くらいいい馬はないから、ぜひ馬をくれといつて、満州へやつた馬を皆もつていつてしまつた。蒋介石は日本の馬でなければ支那の開發はできないと言つておる。そういう大きな金をどんどんと外國から入れてくることができるのに、牧野を荒してしまう。馬を育てられない。どうだと言つているのですが、これは實になさけないことであります。これはよけいな話でありますけれども、一應聽いておいていただきたいのでありますが、今度の貿易におきましても、百三十萬ドルの貿易を申込んでこられまして、そのうちの三十萬ドル以上は畜産であります。こんな大きな生産を日本はもつているのであります。それに牧野に對して四十町歩くらいに切つてしまう。それでは日本の畜産というものは將來火の消えたようになつてしまう。それをおそれるのでありますから、ここに計畫性があるのかないのか、そしてこういうふうになつてきたことは、一體どういうふうにして國有林で償われるか、われわれはこれを非常に心配しております。この點を考えていただきたい。これは理論の問題じやないのです。現實の問題であります。こういう點をよくお考えを願いまして御答辯願いたいと思うのであります。大分大きなことをべちやべちやと喋つて、三つ申し上げたのですが、この點についてひとまず御答辯を聽いて、次に私は二、三問お尋ねをしたいと思うのであります。

三浦辰雄農林技官

○三浦説明員 御答え申し上げます。北海道が山林に依存する點が非常に多い。それはもとより私どもとしても水産、鑛産とともに特に山林というものが大きい地位にあるということは認めております。國有林が北海道の山林面積のうち六割程度あるということから見て、國有林がまた當然大きな面積をもつておるということも想像しております。なぜ國有林野關係の林政が統一されたかという問題で、これについてはいろいろと御意見の點もあろうかとは存じますが、北海道が從來いわゆる農林省の山林局が預つておりました國有林野の面積というものは約4百萬町歩、御料林としてもつておられましたのが約百三十萬町歩、それから北海道の道廳が預つておられました分が二百七、八十萬町歩、こういうことでありまして、國有林の面積の合計が約八百萬町歩であるのに對して、農林省の所管しておりました面積はその半分四百萬町歩でございます。今日本材、薪炭というその生産自體が非常な國有林の大問題であり、またそのあと地に對する問題、あるいは施業といつたような問題も、根本的に非常に山林全體として問題になるときに、これを別々にやつていたのではいろいろの點において面白くない。これは併せていけば、ここに面積におきまして全體山林の三割程度、蓄積にいたしましては四割三分程度、こういうふうな一つのまとまつたものとなつていく。そのまとまつたものを一つの官廳で預つて、あるいは彼我融通するというようなことを全面的に考えた方が、今日の山林國ともいうべき日本としてしかるべきではないか、こういうことからなつたのでございますが、私どもは地元の人の協力がなければ山林というものは維持もされないし、ましてや改善發表というものはないというふうに十分承知しておりますから、北海道廳が預つていた國有林が、たまたま林野局が預つたということによつて變るという面は特にないように考えております。  それから戰爭が終つて軍用地の關係が林野になるようなところをもつてきたかどうか。まだこのことは今日きまつておりません。從來の例でありますればそういう問題にだんだんなろうかと思いますが、今日のところきまつておりません。  それから國有林と公有林の交換分合の問題、これは調査をされ、いろいろと案のあることも私承知しておりますが、しかしここに緊急開拓といいますか相當大きな林地というものを各地にわたつて開拓を行わなければならないという今日からみますと、そのもの自體にも内容的に大きな變革があるべきではなかろうかと考えます。従いまして逐次それとともに、先申し上げましたようないわゆる林野の整備、そういつたものをこの機會にやつていくことが双方に便宜と考えております。來年からは一部そういう問題を北海道についてだけは進めなければならないと考えて、豫算等にも一部措置を考えております。  それから國有林と地方財政との關係についてどう考えるかという問題は、これは私からこの問題に對する正面の答えにならないかと存じますが、先般國有林野の統一ができたという趣旨からして、私どもはこれを單に國有林が地方財源の一つとして最もよいものだというふうに考えません。  それから特賣の關係でございますが、これは先ほど永井委員の御質問に對して答えましたように、特賣というものは考えていません。ただたまたま從來の經過から、今日新しく大きな道をつくらないでよいようなところであつても、その人達がいろいろな設備、經驗、資本その他の關係でよいとすれば、新しい人とともに併せて考えても、なおその人達が適切であろうとして選んでいるのではなかろうかと考えます。ただお話中の中間搾取の人があつて拂下げの名儀だけをもらつて、それを實際はすぐよそへ轉売するというようなものがあるといたしますれば、これは速やかに直さなければいかぬ問題だと考えております。  それから國有林の採草地、放牧地の問題でございます。これは一面において畜産の行政がどこに行くかということと合わせて、私どもは大所高所からみてこれが全體の國の産業の上にどうしても開放されなければならぬ土地であり、それが當然であるということになりますれば、私どもは開放することについてはやぶさかではございません。

小川原政信日本自由党

○小川原委員 今までの御答辯の中で私の不滿な點はずいぶんありますが、これを繰返しておりますと、非常に委員長がお困りのようですから、時間をお許しを願つて、もう一囘お許しくださるならば……。

野溝勝日本社会党

○野溝委員長 小川原委員に申し上げます。資料を要求されておりますから、今一囘午前中だけやりたいと思います。

小川原政信日本自由党

○小川原委員 實は私も資料をいただきたい。資料を見ればまた腹にはいる點もずいぶんありますので、資料をひとつお出し願いたい。今開拓地のことをお話になつたのですが、この開拓地には不滿がある。道民一般が不滿なので、これを一應聽いておいていただきたい。今木を伐つたところに雜木林ができております。それを今度植林したところもありますが、それを今度開墾だといつて根こそぎ倒している。木を伐つてしまつて、トラツクターで起して、農業をやれと言つて笹小屋をかけたとて人ははいらぬ。北海道は木を伐らなければどうしても農業ができない。そういうところは木を伐つて開墾をしても、もう土地が荒れてしまつて、田にしたところで成立たぬ。木を植えてその木を賣ることが一番北海道の財産です。このくらいいい財産はない。それを今伐つてしまつて植林をしたところまで根こそぎ起してしまつて、そこでやれといつたつてできない。傾斜地でありますから、雨が降ればすぐ砂を流す。こういうような非常な不便な點がありますが、そういうところをむりやりに開墾なさらぬがいい。入れてみたところで、三年か五年しかおらぬ。ただ土地を荒してしまつて、せつかく大きくなる最中の木を倒してしまうのでは、國の財産をむだにするばかりで、こういうことは考えていただかなければならない。あなた方は森林の面から考え、一方は開拓の方から考えて、どんどん木を倒していこうと考える。あなた方は自分の分野であるから守ろうとして、そこにいろいろの軋轢が起つたり、問題が起るのでありますが、政務次官あたりはよく御考えくださつて、適切でないことをやらせないようにしてもらいたい。私は森林に味方して開發を妨げるということではない。お互いが研究して國の利益になることを考えることが開發なのでありますから、この點は政務次官もひとつお考え願いたい。  次に申し上げたいことは濫伐のことでありますが、たとえば坑木が要る。木であればなんでもいいわけにはいかぬ。白樺をもつていつて坑木にすればすぐ腐つてしまう。白樺はそのままにしておけば非常に大きな國の財産である。そうして伐つた木は拂下げさえすればもうかるというので、濫伐をいたして、その材木が出ぬで腐つている。この腐つた材木は大したものである。せつかくないところの米を増配してまでやつて、こういうことは山の役人も考えなければならぬ。また運輸の人たちも考えなければならぬ。こういうところに私は森林を保護していく途があろうと思う。この濫伐を埋合わせる上において、早く植樹をいたさねばならぬが、一體今後はどれだけの苗圃を北海道に設けて種苗を育成していくのであるか、この計畫があればこまかい數字を資料としてお出し願いたい。そうして木を伐つて森林は森林として進んでいるのでありますが、ここにおいて林道の創設はどういう計畫をお立てになつておるか。木を伐つた跡を植樹しないから、くまざさが生えて今のところ森林地帶はくまざさ地帶に變つておるという情ない状態である。山が荒廢しておる、これは濫伐の證據である。このくまざさを倒して元の美林にするには少なからざる經費がかかる。計畫をお立てになつてそういういうものを開發していく御意思があるか、もしあればそれらの計畫を承りたい。どうしても森林だけは百年の長計を立てていかなければ、われわれ現代の人間が山を荒してしまつた罪を子供に殘さなければならぬから、國家は永久の態度でこの御施設を願いたいと思う。  次は小さい問題ばかりを殘しておいたのですが、森林組合の振興方針について御計畫があれば承りたい。民有林が荒れておりますが、これらを振興していくところの計畫案があるのでありましようからお示し願いたい。もう一點、これは相當金がかかるが、北海道特有の森林軌道は、將來どういう御計畫になつておるかをお尋ねいたします。今日はこれで打切つて後日質問さしていただきます。

野溝勝日本社会党

○野溝委員長 小川原委員、あとは午前中だけです。小川原委員と永井委員に、北海道の方に質問が多いというわけであれしたのですから、この次は北海道のたれかから、北委員あたりからあるいはまた質問があるかと思いますが、午前中であげたいと思いますから、ただいまの資料の分だけについてまた質問を願うことにして御了解を願いたいと思います。

小川原政信日本自由党

○小川原委員 日にちをいつまでもかけておるわけにいきませんから、同僚で話合いをして、なるべく時間の經濟に資したいと思いますから、その點御了解願いたい。

三浦辰雄農林技官

○三浦説明員 北海道の苗圃の設置計畫は、現在苗木を育て現に使用中のものが二百五十九町歩ほど、土地を休ませる關係で大豆等をやつておるのが五百六十六町歩、その他番小屋敷地、堆肥その他附屬地等を入れまして千四百三一十町歩というものが、一應北海道の苗圃面積になつております。しかし北海道におきましても戰時中造林事業はかなり停頓しております。その關係でこれを至急造林を強化しなければならぬので、これについてはもつと増さなければいかぬのではないかというので、やつておりますが、何分にも本年の種子等が思わしくございませんので、現在ある中でさしあたり全面的にやれるようにということで計畫を考えております。  林道開發の計畫、これについては御指摘のように地元といいますか、既設の林道の周圍を切つた關係上、新たに奥地あるいは大規模のものを立てなければならぬ。こういうことで、現に土木の主任の者もこの夏行きまして、大きなもの三千ばかりは見て、とくと相談しております。ただ經費の關係上一遍にそれだけできるか、そういつた大きなものばかりでなく、來年度はどういうものをやらなければならぬかというようなことで、これを五箇年計畫に基いて逐次やつていきたいと考えております。  それから北海道の森林鐵道の問題、これはどうしても國有林の仕事というものもなるべく機械化していかなければならない。今日の勞務者といいますか、従業員の事情等、またあるべき當然な姿から考えまして、どうしても機械化というものを森林に入れなければいけない。こういうふうに考えまして、森林鐵道のごときものは、できます限り延ばせるだけ延ばしたいと考えております。  それから林産組合の振興の方針、これは林産組合あるいは森林組合、林業會という今日の段階の法規に從うと、一連の問題でございます。これにつきましてはいろいろと今どういうふうにもつていくのがいいかということで、研究中であると申し上げるしかできないのでございます。  民有林に對する振興方針、これは當然民有林といいますか山林というものは、どうしてもこれだけわが國の山林が小さくなり、しかも需要が多いのでありまして、しかもまたその山林それ自身が、治山治水に非常な大きな關係があり、また山村生活自體との關係、あるいは農耕地との關係で、山林というものはどうしても重要であるという線から、その大部分を占めておりまする民有林に對する振興というものは、あるいは造林の面において、あるいはこの搬出の施設の面において、逐次これは振興しなければならぬ問題でありますから、大いに大藏省方面との連絡においてやつておるわけであります。

野溝勝日本社会党

○野溝委員長 本日はこれにて散會します。    午後零時五十三分散會

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