農林委員会 第29号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1947/10/09
会議録
○野溝委員長 ただいまより開會いたします。 會議に入るに先だちまして、委員長から一言政府委員特に安本長官竝びに農林大臣に對しまして、委員會の名におきまして御注意を申し上げたいと思います。本委員會は當面の問題でありまする米價問題に對して、これが解決に努むべく委員會を開いたにもかかわらず、その時間に政府當局の出席がなかつたことは、まことに遺憾とするものでございます。今後はさようなことなきよう十分御留意願いたいと思います。 なお先般の理事會の申合せによりまして、委員長から簡單ではありますが、左の點につきまして政府當局の御意見をお伺いしたいと思います。二十二年度産米の供出割當については、先般その決定が新聞に發表されましたが、米價に關しましては未だ確定を見ておりません。言うまでもなく、米價の問題は供出意欲に關連するところが多いのでございます。なお消費者價格にも至大の關係を有するところから、廣くこれは國民經済再建の基礎に立つて、これを決定する必要のあることは論をまつまでもありません。一體米價はいくらをもつて適當とするのか。一説には五千圓説もあります、あるいは三千圓、二千六百圓、二千圓、更に千八百圓、千五百圓というふうに、色とりどりに傳えられております。最高の五千圓説と最低の千五百圓説では、その開きが三倍以上もあるのであります。それほどに米價というものが、とり方いかんによりましては非常に大きな開きがありますので、この關係から、その算出に對しましても幾多の缺陷をさらけ出しておると思うのでございます。これを逆の面から言えば、今日の米價決定の算出の方法が、なお非科學的であることを裏書しておるということになると思うのであります。納得される價格というものは、科學的根據に從うということであろうと存じますが、現段階ではなおそこまで至つておりません。そこでいきおい低度の科學性をもつた協定價格ということに落ちつくものと思われるのであります。生産費基準が妥當か、均衝計算が妥當か、そのいずれでも数字のとり方によつて大きな開きが出ることはいうまでもありませんが、米價の決定は供出意欲に關連し重要であるので、早急に發表する必要があると思われるのですが、この際農林大臣竝びに安本長官に申し上げたいことは、算定に當る基本的態度として、さきに農林委員會供出小委員會において決定した供出價格の立て方を考慮に入れ、かつ均衡計算を行うに際し、生産費を考慮に入れ、可及的に科學的算定に郎してもらいたいということであります。一例を申し上げれば、基準年度のとり方、竝びに當時における他物價との指数の相違に慎重を期し、かつウエイトのとり方と品目の数に妥當を期すとともに、農家の現金支出たる自家勞働、家畜賃貸料、自給肥料、小作料、租税なども伴せて織込む必要があるということであります。ついてはこれが米價決定に先だち、農林大臣竝びに安本長官の基本的な考え方について説明を願いたいと思います。 なお本委員會としても米價の問題に萬全を期したいと思いますので、農林竝びに安本當局ににおいては、郎刻關係基礎資料と、現在行いつつある算出資料の提出を要求しておきます。特に資料についてはひとり米價の問題にかかわらず、進んでこれを提出し、あらかじめ險討をなし得る日数を考慮に入れて提出されることを要求しておきます。以上委員長としての兩大臣に對する意見竝びに質問をいたす次第であります。
○和田國務大臣 米價の問題につきましてただいまの委員長の御質問にお答えいたします。 米價を決定しまする基本的に態度といたしましては、これは先般の經済緊急對策の場合にも特にうたつておきましたように、やはり均衡計算によつてこれを出していく、こういうことに相なつておるのであります。これら米價の決定につきまして、昨年の米價の場合におきましても、やはり均衡計算というものをもとにして決定された事情があるのでありまして、ただその均衡計算をやつていきます上におきまして、その内容をどういう品目をとり、またそのウエイトをどういうウエイトをとつていくかいとう方法につきまして、政府といたしましては從來關係方面とも、またその道の專門家にも伺いまして、それぞれ打合せをいたしてやつておるわけでありまして、ただいまのところ、それらに關しまする資料をまだ御提出できる段階に至つておりませんことは、はなはだ遺憾どするところでありますが、しかし米價の決定の仕方におきましては、ただいま言いましたような方法でわれわれとしてはきめようといたしておるのであります。
○平野國務大臣 農林省といたしましては、米價の決定方法は日本建の線をもつて進んでおります。第一は食糧管理法に基きます農家の生産費を基調とし、その他物價の状況を斟酌して決定する。この原則に從いまして、農家生産費を基調として進むところの米價決定方法と、いま一つはパリテイ計算によりますところのいわゆる均衡計算と稱する方法、この兩建でやつているのであります。私といたしましては、去る十月五日三千五十五萬石という供出割當を敢行いたしましたので、米價は少くともこの供出割當とほとんど同じに發表いたすということが、最も望ましいことでありますので、極力急いだのでありますが、この供出割當までに米價を發表し得ざりしことは、まことに遺憾に存じているのであります。そこで早速米價問題に關しましては閣議に諮りまして、去る七日の閣議に特に私より米價問題を提議いたしまして、これの決定を急ぐことを承諾を願い、本日も特に午前九時からこの米價問題を主といたしまして、閣議で審議をいたしたのであります。ただいま御指摘になりました委員長からの材料については、農林省といたしましては、農家の生産を基準といたしますところの米價の材料と、パリテイ計算によりまするところの材料の、二本建の材料を本日の閣議に出しましたので、その材料は現在農林省の手もとにありますから、これは適當の機會に、あるいは本日でも委員長の方へ差出したいと思つております。しかしながら本日の閣議におきましては、ただいま安本長官からもお話のありましたように、種々なる材料がそろわないというような理由もあり、かたがた米價問題については他に非常な重大なる問題がありまして、未だ決定を見るに至つておりませんことは、まことに遺憾に思つているのでありますが、來る十三日の午前九時から、再度米價問題に關するところの閣議を繼續することに願いまして、極力私としましては、早く米價を決定いたしますように進めてゆきたいと思いまして、かような處置をとつている次第でございます。
○野溝委員長 米價問題について質疑の通告がありましたから、これを許します。安本長官は本會議で説明することがあるから、一時退席するそうでありますが、本會議が終り次第こちらへ來ることになつております。 〔「休憩々々」「委員長おやめになつたら」と呼ぶ者あり〕
○野溝委員長 それでは暫時休憩します。 午後二時四十八分休憩 午後三時二十一分開議
○野溝委員長 再開いたします。順位によりまして發言を許します。松澤委員。
○松澤(一)委員 現下食糧問題が重大で、殊に本年三千五十萬石餘の供出を引受けた農民は、この食糧供出を感遂させるために、非常な緊張と努力とを拂つておるのでありますが、さつき農林大臣も言われたように、未だ米價が決定されておりません。さきの安本長官のお話によると、未だ一切の資料がそろわないので、その決定に至つていないということでしたので、價格の問題をお尋ねすることはどうかと思うのでありまするが、現在最低二千四百圓、最高三千圓餘の農業團體竝びに農民團體等の米價に對する要望と、その發表があるのでありまするがこれに對する安本長官のお考えをひとつ承つておきたいと思うのであります。
○和田國務大臣 そういう團體方面の要望がありますことは、私も存じておるわけでありますが、それらの要望につきましては、どういう基礎で行われておるかといつたようなことにつきまして、私の手もとにある資料等につきましては、それぞれ檢討を加えてもらつておるわけでありますが、いろいろの、各相當の金額にわたる要望のありますことは十分存じておる次第であります。
○松澤(一)委員 農林大臣がいないときに質問することはできませんが、さつき農林大臣は、諸般の事情からまだ米價の決定に至つていないのみならず、まだほかに重大な問題もあつて、ということを言われたので、その重大な問題とはどういうことか承りたいと思うのですが、それは別といたしまして、今日安本長官は、あたかも米價を決定するのに、その筋を引出し、それでパリテイ計算だとか、あるいはどうだとかいうようなことをほのめかして、この米價においても天降り的な價格でこれをきめようというようなお考えの片鱗も見えるように承つたのであります。なお世上傳えられるところによると、安本案は千六百五十圓の米價だというお話でありまするが、そういう構想をおもちであるのでありましようか。
○和田國務大臣 私は個人としての意見を申し上げておるのではないのであります。米價の問題につきまして、今まで閣議の決定において、緊急經済對策におきましては、パリテイ計算によつて農産物の價格はきめるという一つの法則をきめてあるわけであります。從いまして、それに從つてわれわれの物價廳においてそれぞれの資料を集め、そしてその操作をやつておるのでありまして、もちろんわれわれといたしましては、それらの操作に基いてでき上つてきましたものを閣議にかけまして、閣議で御決定を經たものを向うと交渉するということにいたすのでありまして、そういうことについて私の説明が足りませんならば、その點御了承をお願いいたしたいと思うのであります。ただ米の生産費と二本建てでいくということを、農林大臣が申されたようにただいま言われましたが、それは米の生産費というものもパリテイ計算をやつていまする上においてあるいは一つの生産費でやつてみたらどの邊になるだろうかという参考にはなろうと思うのでありますが、米價の決定につきましては、ただいま言つたような、大體においてそれで一應の計算をしてみるという方式がきまつておりますので、われわれとしてはその操作をやつておるのであります。それから資料が、私はただいまお手もとに出せないと申しますのは、これはその資料等につきましてまだ未決定であつて、關係方面ともいろいろ連絡しておる。その未決定のものについては、われわれとしてまだ出すだけのものをもつておりませんので、發表をいたしかねる、こういうことを申し上げたのであります。
○松澤(一)委員 專門家に私はまわりくどいことを申し上げるようでありますが、今日農民があらゆる生産資材の高騰の中で、生産する米は並大抵でないのであります。しかも戰爭前は自分たちの生産した食糧が、深川の市場や大阪の堂島で決定され、戰爭中は軍の強要でその生産を極度に苛斂誅求を受けてまいりました。戰爭後民主主義的な供出を唱えられ、安本長官は前農林大臣時代にも、農民の納得のいく供出をさせるというモットーできておる。現在もそう思つておるのでありますが、農民が要望する、いわゆる耕作農民なりその他の團體が生産費の上に立ち、また生産の上に立つて計算した米價というものを、ただほんとうの輕い参考の程度で、今御返事の中にも關係方面という言葉があつたのでありますが、現在日本の食糧が絶對量が不足しておるときに、さつきも申し上げた通り、この三千萬石餘の供出を、農民は喜んで今日の國民食糧のために供出しようとするときに、もしその供出すべき食糧の價格が引合わなかつたり、あるいは納得いかない價格がそこに現われるとしたならば、農民の供出意欲というものを阻害するのみならず、供出の上に重大なる支障が起りはしないかと思うのであります。もしこれが—私は過去において他人によつて生産品の値段をきめられたということを申しましたが、現在でも供出は國の絶對なる要請のために、私たちは至上命令として、これを喜んで引受けるのでありますが、その値段が天下り的にきめられるとするならば、それはあまりに農民を虐げるものである。これは私は米價問題というものは、農林省が農業生産調整令を出し、供出に對する一つの準備をして、なおかつ三千餘萬石の絶對供出を宣言し、また農民もこれを受入れようとするときに、せめて價格だけでも自分たちの生産に引合うだけの價格をきめられないというと、とうていその要求を十分滿たすことにはなり得ないと思うのであります。いつの世にも農民を犠牲にして、農民を搾取の對象にして、農民のみ今日の國家の混乱した經済の上において無理な供出價格を強いられることは、私は断じて承服できないのであります。從つて私は今日資料がないという言葉に對して、あるいは實際資料がないかとも思うので、資料の上から数字的に申し上げることをさし控えますが、資料がないといえども、安本長官は、安本の米價は千六百五十圓見當だといううわさが、世上傳わつておるのでありまして、これが單なるうわさか、ほんとうにそういうものが練られておるのか。その邊のところははつきり言つていただいてもいいじやないかと思う。もしそこを、極端な言葉で言えばしらばくれて、不日千六百圓の案が安本から出たとすれば、それはやはり私をして、再び安本長官しらばくれるなという言葉を使わなければならないと思う。ここは國會の農林業性野最高會議であります。從つて私たちは、生産農民を代表して國家の食糧需給に應じようとするときに、その價格をきめることもわれわれの重大なる使命であります。必ずしも安本長官一人や農林大臣の考え方だけで値段をきめるわけにはいきません。その意味からも大膽率直に、腹を割つて、今日の米價に對する個人としての考えでもよろしい。あるいは安本としての考えでもよろしい。物價廳としての考え方でもよろしいから、いま少し腹を割つて、われわれ農民の代表に、いわゆる國家の最高機關の代表にそれを言われたらどうかと思うのであります。
○和田國務大臣 きようも閣議でいろいろの資料を出してお話したわけでありますが、決定的な物價廳としての意見はまだきまつておりませんので、ただいまのところ、これ以上問い詰められても、私は申し上げることはできないのであります。その點はどうかあしからず。
○松澤(一)委員 先どから私が申し上げた通り、農民は國家に食糧を供出することに躊躇いたしておりません。ただ一つ、米價が將來の再生産をやるに十分な價格であるか。あるいは現實の品物を出す上に公正であるか。それがはつきりきめられることが、今日の日本の食糧問題、食糧事情を解決する重大なかぎだと思つておるのであります。安本長官が未だ米價に對する考え方を言うことができないと言えば、私はきようの私の質問といたしましては、これ以上お尋ねするわけにまいりませんが、もし今後米價を御決定になるならば、少くも農民を搾取の對象しないこと、いつまで農民をばかにしないこと、少くも今日の文化人としての生活の上に、また今日の經済の上に立つて生産でき得る、眞の生産者としての立場の上に、また一切の物價との對照の上に、ひとつ適正なる米價をきめられるよう、安本長官にも御努力願いたいと思うのでありまして、私がきよう申し上げた、安本の米價に對する世上傳わつたことが、再びこの議場へ現われるようなことがあるならば、それこそ安本長官は私たちに對して、いわゆる國會に對して、何かしら暗い印象を與える國務大臣だということを私は考えますので、さよう御承知おき願つて米價の問題で御努力願いたいと思うのであります。
○野溝委員長 委員長から安本長官に伺つておきますが、明日の時間は、あなたの御都合はいかがですか。—今安本長官から、明日は午後豫算委員會があるだけで、豫算委員會に臨まれてすぐこちらに來られるという話でありますから明日午後續行いたしたいと思いますが、いかがでありますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野溝委員長 なお安本長官に要求しておきますが、今まで檢討の資料があるわけだと思います。よつて決定した資料でなくとも、今まで檢討した資料をこの際委員會に提出してもらいたいと思います。
○和田國務大臣 私は資料を隠しているのではないのであります。出せればいつでも出したいのでありますが、出せないから出さないのでありまして、委員長のお話よくわかりましたから、いずれやらして見ますが、農林省の方でも資料が集まつていないという話ですから、われわれとしても、今出せれば出すわけですが、ほんとうは出せない段階にあるものですから、しばらく御猶豫を願いたいと存じます。經過をお話してもよろしいのですが。—それでは經過を簡單に話しますが、パリテイ・システムのやり方につきましては、できるだけ新しい資料に基いてやつていくということが必要でありますので、われわれの方としては、この前の麥のときと違いまして、できるだけ新しい資料を蒐集いたすと同時に、パリテイのやり方等につきましても、從來のやり方については、いろいろの點から批評すべき點が多々あつたのであります。從つてそういう點を是正しまするために、こちらの方の専門的な學者、あるいはその道の人たちにお集まりを願い、また米價の決定はこれは内地において非常に重大な事柄であると同時に、やはり占領軍の方にも非常に重要視されておることは、皆さん御承知の通りでありますので、その方面のパリテイ・システムの方の専門家にも加わつていただきまして、一緒に今まで共同研究をやつてきたいろいろの項目なり、ウエイトなりの研究、どういう問題をどういうウエイトをもたしていくかという見當につきまして、まだやはり最終の結論に到達していない點が二、三あるのであります。從つてまだそういう未決定のものをもつて發表するということは、互いにさし控えよう。こういう關係になつておりますので、われわれとしては、發表いたしておりません。私はひとつきつちりときまりました後におきまして、これは當然發表してしかるべきものである。また發表したい。こういうふうに今考えているのであります。
○田中(健)委員 私はただいま長官から資料のことについていろいろお話がありましたが、特に私から要求いたしておきたいのは、昭和九年、十年、十一年の三箇年にわたる米價に關する一切の数字、それから農家の生活及び農業生産に必要な物資の値段、これはその當時のものでよろしうございます。それから終戰後今日までのそれらの一切の資料を、この次の委員會までに資料として出してもらいたいと思います。私ども今長官から出せないから出さないのだというお話を承りましたが、今の政治は出せないから出さないというような暗いやり方でなく、すべて國民の前に出して、それによつて安本はこういうふうにして現在價格問題を検討しているのだ、こういうふうに、むしろ世間に安本の内輪を出してもらつたならば、安本のためにもなることだろうと思う。こういうふうに暗い、強いて言えば國民にわからないところで、こそこそ仕事をしているようなきらいが見えて、そうしてやることは農林省から言うと、すぐ安本の方がやつているのだ、そういうふうに見受けられるので、あなたの方でどういう資料に基いて、どういうことをなさつているかということを知るためと、われわれがここで價格問題を審議するために、安本としてそれらの資料をぜひともお願いしたいと思います。まず今の長官の發言もありましたが、私のこの要求に對して應ぜられるかどうか。これは議事進行上の問題ですけれども、長官の御意見を拝聴いたしたいと思います。
○和田國務大臣 基準年次のたとえば平均の米價であるとか、それから今おつしやつたような事柄でありますれば、もう既存の資料がありますから、あるいは間に合うかもしれません。それは差上げて結構と思う。基準年次の米價とか、農家經營用品の價格とかいうようなものの調査はあります。ただそういう問題ではなくて、私が今資料として言つておりますのは、米價決定の最終の必要なる資料である各品目別のウエートの問題であるとか、そういうものについて、ちよつと應じ得ないということを申し上げておるわけでありまして、今あなたのおつしやつたような基準の九、十、十一、その當時の米價の開きはどうとか、あるいは農家經營用品がどういう値段であるかというようなことでありますれば、それは一向私は差支えないと思うのでありまして、私は皆さん方の今までの御質問から、私の受けました印象はそうではなくて、最終の基礎的な、物價廳としまして、そういうパリテイ・システムのできあがつたものを、というように考えたのでありますから、それはできないということを申し上げたのでありまして、ただいまの各九、十、十一ぐらいの米價の趨勢であるとか、あるいは農家經済情勢から出ますものは、これはわれわれとして、あしたの委員會に間に合わぬかもわからないが、これは出せると思います。
○八木委員 議事の進行と時間の節約上、私はこの際米價問題について、安本あるいは農林省において考えておる、基礎的な資料のあり方についてお尋ねしたいのであります。 第一は農林省は二本建てと言い、安本はパリテイだと言いますが、これは一應パリテイによるのだといたしまして、その際パリテイによるか、生産費によるか、二本建てによるか、そのことにも議論の余地がありますが、一應パリテイといたしまして、そのパリテイ計算の中にひそむ矛盾を、われわれはいろいろの角度、データーによつて發見いたしておるのであります。このパリテイ、均衡計算方式によるところのその中にひそむ矛盾について、安本としてはどういう角度から檢討をしているか、その結果最後の仕上げとしてでなくてよろしゆうございますから、その途中の方向については、本日でなくてよいが、あしたでも聴かしてもらいたいと思います。この點が一點。 第二點に考えられますことは、米價と均衡された品目の物價體系を堅持し得る確信の度合と言いますか、六十数品目があがつてくるが、この價格をどういう態度でどういう方式で堅持していくかという考え方、これは私は品目別に、できれば具體的に聴かしてもらいたいのであります。 それから第三點は、物の面でマル公によつてその裏づけになる品目を確保している—現在と、それから近き將來の實際の見透かしを第三點に伺いたい。 第四點は切符登録制による配給の物資で、農民の組織—現在では農業會を使つておりますが、近く農業協同組合になると、この配給制度と農民組織を活用することについて、商工當局に伺いたいのですが、きようはおりますか。
○和田國務大臣 おりません。
○八木委員 特にこの點は農民組織を活用する意思はない。配給業務は商業者にゆだねなければだめだといつたような考え方でないかとさえ思われるような節が具體的に地方から上つてきておりますから、この點を質したいと思います。 第五點はいわゆる中味取引の問題、俵を返してやる。この問題ぐらいははつきり態度がきまつておるのではないか、以上のような點の資料を、できれば明日持つてきて御説明を願いたいと思います。
○和田國務大臣 その點につきましてはわれわれもできるだけお答えいたしたいと思います。ただ過去の品目について一々具體的にやるのは、あした間に合うかどうかわかりませんが、あとの點は大體お答えできます。
○野溝委員長 では和田國務大臣は總理官邸に行かなければならぬので、明日午後一時から出席されるそうでありますから、和田國務大臣に對する質疑は明日にお願いいたします。なお農林大臣は明日から二、三日留守になるそうでありますので、この際農林大臣に質疑のある方は、質疑を願いたいと思います。重富委員。
○重富委員 農林大臣にお伺いいたします。先日供出に關しまして、從來の各地方長官との相談の上でなされるということを取止めにされ、上から眞正面に指令を出されるということになつたようでありますが、それが事實といたしますと、どういうわけでそういうことになつたのか、まずお伺いいたしたいのであります。なおそういうことになりますならば、今日の米價問題、それから飼料を圓滑に農村に流すということは、特にお考え願わなければ、農村といたしましても、また農業者といたしましても、どうしても納得のできないものがでてくると思います。せめても米價それから飼料等の確保につきましては、納得のいく方法を講じてもらいたいと思うのであります。とりあえずただいまお尋ねいたしたいことは、今の割當を相談してやつておられましたのをどこまでも、ある意味から申しますと、強制的な割當にせられたということにつきましてのお話を伺いたいのであります。それからその指令を出されましたところの基礎はどういうところにあるか、これをお示し願いたいと思います。
○平野國務大臣 この點は私の方から進んでひとつお聽取りを願つた方がよいと思います。
○野溝委員長 ちよつと速記を止めて、……。 〔速記中止〕
○野溝委員長 速記を始めて。
○重富委員 經過はよくわかりましたが、そこでお尋ねいたしたいことは、三千五十五萬石というものをどういうふうな基礎によつてお割當になつたか。その點、たとえば作付段別はどのようにし、段當収量はどのようにしたか。また農家の人口、それから農家の保有量、こういうものはどういうように見ておられるか。そうした割當の基礎としてお考えになりましたことを、ひとつお尋ねいたしたいのであります。
○平野國務大臣 今年の作柄は、水害、旱害、蟲害等によつて、相當の減収であることは承知しております。しかし、水害、旱害等のない所においては、相當の豊作であります。從いまして日本全體を通觀いたしまして、三千五十五萬石程度の割當は、かすに相當これらの手段をもつてすれば—もとより容易なことではありません。容易なことではありませんが、世界食糧事情の非常に緊迫せる状況、また現下の日本の食糧事情から見ますならば、日本政府としては、この三千五十五萬石の数字を供出割當として行うということは、今日やむを得ざる状況である。かように考えております。但しこれを各府縣に割る割り方については、その府縣府縣の事情がありまして、相當苦心をいたしました。その各府縣について、何縣がどういうわけでいくらにしたかということの内容は、食糧管理局には詳細にその理由書があります。その理由書を知事に渡しまして、知事は持つて歸つて、それぞれ地方の食糧事務所なり、食糧委員に、自分の縣はかようかようになつておるということを説明いたしておるわけであります。
○重富委員 重ねてお尋ねいたしますが、そういたしますと、その各知事に示されましたものの中には、やはり作付面積、あるいは段當収量、農家保有基準といつたようなものが示されてあつたかどうか。なおそれが各府縣とも違うようなことはなかつたかどうかということを、お尋ねいたしたいことが一つ。ただいまの御答辯の中にありました、かすに手段をもつてすれば、これは完遂できると考えるというお話でありましたが、そのかすに手段をもつてすればということにつきましては、いかようなことをお考えになつておるか。これをお尋ねいたしたいのであります。もとより私どもも考えますのに、米價問題あるいは農家の使用しますところの生産資材、あるいは生活資材、これらの物が、最も圓滑に流れていかなければならないというふうなことになると思いますが、それらに對しましていかなる方途ももつておられるか、それらを一歩でも誤れば、非常な問題が起つてくるのではないかという豫感を私は抱いておるのでございます。これらの點は非常に大事な問題と思いますが、どういうふうにお考えになつておるか、お尋ねいたしたいのであります。
○平野國務大臣 割り當てましたものをまず各村々におろす上においても、もとより公平にいかなければならぬと思います。かくして全國の農家に割當が屈きました上は、米價問題あるいは農業用の必需物資の問題、あるいはその他、結論としては現下日本の置かれておる食糧のきわめて困難なる状況、これらを十分農民諸君に認識を願つて、この割當は、どこまでも政府といたしましては必要であるという趣意を徹底しますならば、この数字は大體において供出はできるだろうと考えております。
○重富委員 今の農林大臣の御説明によりましては、具體的でなく非常に抽象的なのでわかりませんが、要するに農家の保有量はいくらにされておられるか。またむろんここでは値段のことなどは申し上げても、きよう聴くわけにいきませんし、また先ほどそれに對しては態度がはつきりいたしましたから、またあらためてお聴きすることにいたしますが、要するに生産資材、それから生産必需資材といつたようなものを、どういうふうな方法で農村へおまわしになろうとされているか。特に始めにお尋ねいたしたいことは、保有量をどういうふうにされておるか。この點がお尋ねいたしたいのであります。
○平野國務大臣 保有量と供出割當の問題は、これは生産がいくらであるかという問題が明確でないと、常に申し上げる通りに、非常に微妙な問題に相なるのでありますが、私どもといたしましては、大體において各府縣々々々に割り當てましたものについては、大體産出の基礎をもつて割り當てたのであります。これは先ほど申し上げた通り、私が全部その材料をもつておるわけではありません。食糧管理局に全部その材料があります。これは府縣知事に渡してある。あなたがごらんになるならならば、これはお見せするようにいたしたい。從つてその基礎についてはそれぞれの基礎をもつております。しかし實際問題といたしましては、水害、旱害、虫害等のほんとうの基礎資料というものは、もとより今後やつていつてみて、相當の食い違いがときにはあろうと思います。從つて農家の保育を割るという農家もときにはないとは限らぬと思います。しかしそれは多数のことでありますから、例外等はありましようが、大體私の見當といたしましては、本年の作柄その他から見まして、三千五十五萬石は、一應かすに手段をすれば供出が完納できる。また完納いたしたい。こういう趣意のもとに進んでおるのであります。また農家の必要なる資材におきましても、もとより十分でない點もありますが、これも具體的とおつしやいますが、それはそれぞれの係、それぞれの方法によつて、順次農村の方にまわすような手續をとつておりますので、さよう御了承願いたいと思います。
○重富委員 ただいまの御説明の中で感じましたことは、農家の保有量ということにつきましての見透しのないことであります。昨年も私ども非常に苦しんだものでありまして、私地震も四月二十日以後の食糧は全部出させられた一人であります。村人は涙ながらにそれを出したのであります。またそのために本年もどういうことになるかということを非常に心配して、私のところにも頻々と手紙をよこしております。にもかかわらず、今日の状態では農家の保有食糧はどうなるかわからぬ。消費者の方の保有ははつきりしたが生産者そのもののも保有がわからぬ。そうした態度ではたしてこれが出るか出ないか。この點は十分御考慮願いたいと思うのであります。なお昨年は、超過供出量が二百五十萬石ほどの中で、百七十六萬石未供出のように聞いておりますが、この點は現在どういうふうになつておるか。完納されておるかどうか。また未供出となつておりますならば、今年に非常な禍を來すのではないか。こういう點も顧慮されるのでありますが、その點はどうなつておるかお伺いしておきたいのであります。
○平野國務大臣 ごく嚴密にお答えいたしますならば、農家の保有量は昨年通りこれを四合といたしまして、その基準からいたしておりますので、農家の保有を切るということはないはずであります。ただ私が申し上げましたように、三千五十五萬石というものを割つていく場合、それがほんとうに公平に割れればいいが、ときには割れない場合がある。そのときにはある農家においては保有を切るという場合もあり得る。そのときはそのときの方法として考えたいということを申し上げたのであります。初めから農家の保有を切ついくということを前提として、供出割當をやつたものではないのであります。それから昨年の供出は一〇四%で頭打ちをいたしておりますので、約六%の供出は今日不能に終つております。
○重富委員 その不能のものはいかように處理されるのでありますか。このまま切捨てられるのでありますか。どうなるのでありますか。
○平野國務大臣 そのまま切捨てるというわけにもまいらぬのでありますが、大體麥の割當を行う場合において、昨年の米のわるい所はわるいように麥を相當に勘案し、また今度の麥のわるい所は今度の米について相當勘案する。言いかえますれば、すべてある程度まで供出のわるい所にある程度のものをかぶせていく、こういう處置をとつてまいります。しかしそれは供出のないものを全部かぶせるというわけにもまいりませんので、もとより供出のない所に相當不合理な點があることはやむをえない。かように思つております。
○重富委員 ただいまの御説明によりますと、やむをえない場合も起つてくるようでありますが、そういうことになつてまいりますと、要するに出さなかつた者得だということになるわけでありまして、私のごとく四月二十日までの食糧のみ残して、あと全部出したという者との比較は、どうお考えになつておるのでございますか。こういうことをひとつお尋ねしておきたいと思います。
○平野國務大臣 理論的には出さない者が得であるというようなことも、ある意味においてはあり得るのでありますが、私の見るところ、今日の麥の供出割當等から見ますると、大體において責任は果そうという氣分が相當横溢いたしておりますので、古いことを考えますならば、相當食糧政策には矛盾撞着もあるのでありますが、大體このへんで心氣一轉、皆さんの御支援、御努力と相まつて、私は今年の供出は相當いくのではないかと考えております。
○重富委員 では質問をかえますが、先ほど安本長官は、閣議でもつてパリテイ計算一本になつた。農林大臣はパリテイ計算と生産費計算と二本建でいつておるが、それは間違いであるといつたような意味のことを言われたのでありまするが、この點につきまして、はつきりした御答辯をお伺いいたします。
○平野國務大臣 農林省といたしましては二本建の計算方法をとつておる點について間違いありません。しかし最後の決定をされるときには、どれか一本できまるのでありまするので、かりに生産費調査の数においても、パリテイ計算の数においても同一の数が出たといたしますならば、これは結論において同じであります。また私といたしましても、パリテイ計算一本できまる場合においては一本でいいと思う。その問題はパリテイのとり方、そのきまつたものが農家の再生産を確保し、農民の供出意欲を阻害しないという問題になつたならば結構です。ただ農林省としては、食糧管理法にありますので、生産費を基調として案を立てる、同時にパリテイ計算の案も立てるこういうような方針をとつております。しかしパリテイ計算一本できまるということについても、何ら異存はないのであります。
○野溝委員長 的場委員。
○的場委員 私も今の點について、よくわかりませんからもう一遍お伺いしたいのでありますが、農林省では生産費調査とパリテイ計算と、二本建で計算をただやるというだけでありますか。それによつて米價をきめようとする努力をなさるのでありますか。ただきまるのはパリテイできまつてもよろしいというのでありますか。どうもそのへんがよくわかりませんから、もう一ぺん御説明願います。
○平野國務大臣 米價の決定の大體の私の心構えは、農民の再生産を確保することを條件とし、現在の供出意欲を阻害するような低い米價ではきめない、この二つを大體の心構えとして、現在進行いたしておるのであります。しこうしてその数字をとらえる方法として、パリテイでいく場合と農業の生産費を基準としていく場合と、二本の数字を見ながらやつていく。かように申し上げたのであります。あくまで農業の再生産を確保し、農民の供出意欲を阻害しない米價をとる。これに對して全力をあげておるということについては、私としては十分やつておるつもりであります。
○的場委員 生産者の生産意欲を阻害しない程度の米價にきめてもらえば、われわれはそれで満足をするのでありますが、今まで傳えられるところによりますと、農林省で調査されております生産費と稱するものは、努力なりあるいは自給肥料なりを、ことさらに安く計算してあるように考えますし、私たちはそういう生産費を積るにしても、どの費目はどんなに計算されておるかということを、米價の決定以前にこうした委員會等でも發表なさつて、その基礎となる生産費にしても、パリテイ計算にしても、基礎となる材料を提示されて、われわれにも一應檢討させる機會を與え、ともに研究をさせてもらうようにおやりになつた方がよくはないかと思います。ただ政府において、政府の事務官たちがこそこそ隠れて計算をして、あとで決定したとき、それをただ發表してその通りきまつた。これならば生産意欲を阻害しないと言つても、われわれは納得ができないのであります。この點農林省はもう少し親切に、計算なる一つ一つの項目について事前に御發表願い、またわれわれがともに檢討をして決定する米價であるならば、われわれも供出その他について眞劍なる御助成ができると思いますが、その邊大臣はどんなにお考えですか。
○平野國務大臣 私個人といたしましては、米價問題のような大きな問題は、議會において、また公の機關において相當論議をせられて、そういう意見が政府に反映し、しこうして決定する方法を最も望んでおるのであります。從いましてこの委員會等におきましても、米價について活發なる御議論の展開されることを望んでおります。また農林省といたしましても、必要なる材料はもとより提出することについては、何らやぶさかでありません。なお先刻委員長からお話になりました材料は今もつてまいりましたので、これは委員長の方まで若干部数お渡しします。ただ一言御了解を得たいと思いますことは、たとえば米價問題が、ある一つの数字を表向出して非常に論争をしております場合、その数字がその通りにならなかつたというときに、農民に與えるところの影響はよくないというような意見が、また相當支配的に強いのでありまして、從つて私どもとしては、別に隠れてやつておるわけでもなければ、かような問題を秘密にやろうという意思もないのでありますが、實は扱い方としては、新聞で御覧のような扱い方になつておるのであります。この點伴せて御了承願いたいと思います。
○的場委員 私がお尋ねしますのも、最後の決定する米價をどこにおくが、二千圓とか二千五百圓とか三千圓とかいう、その最後の米價を發表してともに檢討するというのではないのでありまして、その結果の出る途中の、諸般の事項をどこにおくのが適正であるかということを發表され、檢討をされることをお願いするのであります。もちろん決定もしないうちに、二千圓にするとか、三千圓にするとかいうようなことを發表なさることは、われわれとしても望まないので、これは非常に悪い影響のあることはよく承知をいたしております。その結果の出ます途中に、生産費にしましても、一つ一つの事項の扱いによつて、二千圓にもなり三千圓にもなると思います。勞賃をどうすることが正しいのであるか。自給肥料はいかに積ることがいいのであるか、農具の償却金はいかなる程度にこれを見積るべきであるかというような、一つ一つの事項について、はつきり農林省できめられた数字をお示し願つて、それについてわれわれは檢討いたしたい。パリテイ計算においても同様であります。それを今米價が今日、明日きまるというとき發表なさつたのでは意味をなさぬのでありまして、われわれにそれをお示しになつて、検討する機會を與えられる御意志はないかどうかということを、お尋ねしておるわけであります。
○平野國務大臣 これはむしろ私から言えば、農業會關係の諸團體あるいはあなたのような專門家の人たちが、進んで自給肥料の見積りはかようである。農具の損料はかようであるというような、活發な御見解を發表していただくことを望むのであつて、農林省としては、今日各生産費の計算についてきわめて明確にわかつておる肥料なら肥料というようなものについては言えますけれども、いろいろなこまかいものについて責任もつて農林省はこうであるということを發表することは、いささか輕率に失するおそれがありますので、たとえば九州と北海道とでは、すでにこれらの費目も相當相違があるのであります。責任ある数字を發表するということはなかなか困難でありますが、しかしながらこれは先刻申し上げておる通りに、われわれは材料はいつでも提供いたしますしまたわれわれとして進んで御相談することは當然であると考えます。
○的場委員 どうもはつきりしないのでありますが、農林省でもつておられる材料をお示しになるのと、われわれはこれによつて計算をしようと思つておるのだとお示しになるのとでは、それは大變な違いがありますので、計算をされます以上は、それがただ一つの材料でなしに、農林省はこれによつて計算をしようと考えておるという材料でなければ意味をなさぬと思います。私どもだつて集めれば、北海道では何はどういうふうになつておるか、九州ではどういう程度になつておるか、あらましぐらいなことは大體お互いでわかることであつて、その材料をいかに取扱うか、どういう材料を用いるのかということをお示しにならなければ、研究にも檢討にもならないと思いますが、その點どんなようにお考えになつておりますか。
○平野國務大臣 もつと具體的に言えばどうすればよいのです。
○的場委員 あなた方のおとりになつておる計算の途中における材料を、どの材料で計算をしようと思つておるのかということを、發表していただけばそれでよいのであります。
○平野國務大臣 すでに申し上げた通り、農林省といたしましては、農林省だけが米價を決定する權能をもつておりません。從つて農林省の米價決定のものはここであるというようなことをあまり公表してしまえば、そのこと自體ひつこみのつかぬようなことになるおそれがあるので、研究材料はいくらでもあなたに上げる。持つておるものは提供する。しかしこういう席上において、農林省は種代はいくら、肥料代はいくら、農機具はいくら、しかして米價はこうであるということを申し上げることは、實際米價の決定の上において、私は必ずしも賢明なる策ではない。かように考えます。材料はここにもつております。委員長の方に出しておきますので、これをごらん願いたい。こう思つております。
○北(二)委員 米價に對しましてはすでに論じ畫されましたが、農林省は一體今年米價をなんぼにするのか、基準計算にしても、パリテイ計算にしても、そういう計算はなんぼになるのか、それを一言聴かしていただきたいと思います。
○平野國務大臣 私はなるべく端的に言うならば、もとより物價體系等をにらみ合わせなければならないことになるでしようが、高くきめたいと率直に思つております。しかし金額をここで私がいくらいくらと言うことは、私の考えておる趣意にはむしろ副わぬことになるので、この席上で金額を言うことはひとつお許しを願いたい。
○北(二)委員 昨年からそうでありますが、大體麥の價格にいたしましても、生産者價格は一俵三百四十五圓で、消費者價格は十キロ九十八圓五十銭で、一俵六十キロといたしますれば五百九十一圓となりますが、その差というものは二百四十六圓にもなるのでありますが、今年は麥にしても米にしても、これだけ厖大の中間搾取をやるつもりかやらぬつもりかそれをお伺いしたいと思います。
○平野國務大臣 中間搾取をやるというその考え方は全然もつておりません。先刻來申し上げておる通りに、再生産を阻害しないように米價をきめる。こういうことをあくまで基調として考えております。
○北(二)委員 しかし主食から七割余の暴利をとるということは、中間搾取としか見えないのであります。七割でありますから。今年もそんなにとるつもりか、とらぬつもりか、これをお伺いしたいと思います。
○平野國務大臣 今おつしやるのは五百五十圓で買つた米價を麥とプールして千圓以上にした。この點についておつしやるのでございましようが、これはもうしばしば申し上げております通りに、すでに米價を大幅に引上げるということは決定的事實でありまして、五百五十圓という米價がすえおかれるはずがないことは萬々でありまして、あなたの御指摘になるような、そういう中間的な利益をとるような米價の決定は絶對いたしません。
○北(二)委員 それではなぜ麥においてこんな二百四十六圓もの中問搾取をせられたか、それをお伺いしたいと思います。
○平野國務大臣 麥のときは麥といたしまして決定して、これを全部消費者にかける、かようなことにいたしましたので、この點については麥の値段を大幅に引上げたということであつて、中間搾取とかそういうことになつておるものではないと思います。
○北(二)委員 しかし現に中間で二百四十六圓もの費用をとつておるのであります。この點お調べになつたことがあるかどうかお伺いしたいと思います。
○山根政府委員 消費者價格のことについてお述べになりますが、私も今手もとにこまかい数字的な資料をもつておりませんで、数字について御説明を申し上げかねますが、當時麥の買上價格を上げましたとき、從來米が御承知のように五百五十圓になつておりまして、逆に米の消費者價格が安くなるような關係がありましたので、そこで米と麥と調整をとりますために、そこに若干プール的名操作を行つた事實はありますが、中間にいささかの不當な、何というか、お言葉を借りれば搾取を行つたようなことはないのでありまして、こまかい計算は明日の委員會に持参いたして御説明をいたします。
○北(二)委員 實は私はそういうことを聴いておるのではない。今年の大麥の價格にしても、生産者價格が一俵三百四十五圓、消費者價格が十キロ九十八圓五十銭で、これを一俵六十キロとすれば、五百九十一圓になる。その差は二百四十六圓である。こういう主食からどうして七割からの暴利をとるのか、それを聴いておるのです。
○平野國務大臣 それは先ほど事務當局からご説明した通りでありますが、さようなことはないと思います。ないということだけでは御理解にならぬようでありますから、こちらの方も数字を調べて、はつきり麥の買上げから消費者に渡る經路を申し上げたいと思いますから。明日までお待ち願いたい。
○北(二)委員 先ほど來の米価の問題でありますが、一體昭和九年から十一年までの平均計算をやられるということでありますが、あの當時は實は米穀資金によりまして、國家が十億も出しまして、米の價格の維持に困つておつた時代であります。その一番安いときをもつてきまして、そうして今のパリテイ計算でいこうとすることは不合理ではないかと思いますが、この點について農林大臣はいかに考えられるか。
○平野國務大臣 もとよりこのパリテイ計算というもの自身にも、いろいろ矛盾したことや、またその方法によつては相當にいろいろな数字が出てまいりますので、はたして九年、十年、十一年の平均をとつたことが、いいか悪いかということは相当議論もありましよう。しかし九年、十年、十一年は支那事變直前で、日本の經濟がやや安定しておつた、こう言われておる。また當時は米が下ろうということになれば、政府が無條件で買うという資金をもつておつたのだから、米は極端に下らなかつた。こういうことを前提として、大體この三年間の平均すなわち二十七、八圓が當時の米價であるということになりますので、このこと自體は大してむりはなかろう、ただ問題は、この當時から上つた倍率を計算するのに、農業用の必需品目の値段をどういうふうにとるかという、この品目のとり方に議論があります。實際品目によりましては、六十倍、八十倍となり、八十五倍となり、ものによつては百倍にもなつておる。從つてこのとり方について議論がある。實は私どもの案と安本の案とが、同じパリテイでいきながら非常に差があるというのは、ほかの品物のとり方に差がある。米を九年、十年、十一年にとつたということについては、私はそれほど大した支障はない。こう思つております。
○北(二)委員 私は昭和十二年が正しいパリテイ計算の基礎になるのではないかと思うのであります。たとえば昭和十年、十一年にいたしましても、木綿反物にいたしますれば、越中縞で一反一圓九十八銭、遠州縞で一圓七十八銭でありましたが。これをどちらにとられるか。官製のタバコにいたしましても、今のきんしはその當時七銭であつた。それが一圓五十銭とすれば二十倍ぐらいになるのであります。その當時のきんしはほんとうのタバコであつたのでありますが、今のきんしはいたどりのようなタバコで、たとえば今のコロナと同じような質のものであつたとすれば、實に三百倍にもなると思いますが、大體パリテイ計算というものが、はたして成り立つか成り立たないか、大臣はこれが成り立つと思うかどうか、この點をお聴きしたいと思います。
○平野國務大臣 パリテイ計算を論ずる論者は、あくまでこの期間の間の農民の必需物資のある品目についての倍率をとつて、それを米價にかけたものを現在の米價とする。これは工業生産品との均衡をとつたものだという論をはつきりしておるのであります。從つてあくまでそれでやろうというのでありますから、このこと自體は、やはりパリテイというものに、その部分だけについては十分理由がある。ただこれが農民の現在の生産からみて、生産費を償つておるかどうか。これからあてはめてみると、パリテイの取り方によつて、あてはまることもあるし、あてはまらぬこともある、こういうことになります。
○的場委員 私はさつきちよつともらしておきましたから、補足しておきますが、私どもの考えております今年の米價について、農林省のあるいは安本の御参考になると思いますから、結論を申し上げておきたいと思います。いろいろな物について大變な値段を言う人もおりますが、私どもは百姓でありながら、そう乱暴なことは言わない。二千五百圓を下らない米價にしてもらいたい。二千五百圓を下るならば、生産費を償わない。生産意欲を阻害する價格であるから、農林大臣の阻害しない價格にするという約束と違うことになる。だから二千五百圓を下らない値段にしてもらいたい。その理由はパリテイ計算からいけば、私どもの計算では二千五百十一圓十七銭になります。だが少々まけて二千五百圓を下らないようにしてもらいたい。生産費調査にしても、私どもの公平なる調査では、二千六百圓という数字が出てきます、だがそうもいくまいから、農民も辛抱すべきは辛抱いたしまして、二千五百圓を下らざる價格に御決定を願いたい。それだけを申し上げておきます。その計算はどこから出たかということが聴きたければ、また私から御説明申し上げます。
○野溝委員長 本日はこれにて散會いたします。次會は公報をもつて御通知いたします。 午後四時三十三分散會