農林委員会 第19号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1947/09/16
会議録
○叶委員長代理 會議を開きます。 この際お諮りいたします。委員外埼玉縣選出の馬場秀夫君より、利根川の堤防決壊により、農作物の被害状況に關して調査のため、農林委員派遣方申請等について發言を求められておりますが、これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○叶委員長代理 それでは馬場君の發言を許します。馬場秀夫君。
○馬場秀夫君 本日正午に出ました新聞の號外及びラジオの特別放送で皆さんご承知のことと存じますが、一昨日來群馬及び埼玉縣下を襲いました豪雨で、縣民は非常な不安の中に日を送つておりましたが、本日午前一時過ぎに、氣づかわれた栗橋の北の利根川の堤防が決壊いたしまして、埼玉縣の北埼玉東部、及び南埼、北葛の三郡下にわたる約五十箇町村が、この濁流にのまれておる状態であります。一方氣づかわれておりました荒川の堤防も北足立の北部箕田村地先において決壊いたしまして、北足立の北部、吹上町小谷村、箕田村、鴻巣町、田間宮村、常光村という町村が、これまた濁流にのまれまして、その實相はまた調査中で明確にはわかりませんが、かつて明治四十三年に利根川が決壊いたしましたときの状況から判斷いたしますと、今囘の被害は埼玉縣といたしましては、いわゆる穀倉——水田の中心地である北埼玉、南埼玉及び北葛飾の三郡が濁流に流されたということは非常に痛手であります。殊に今年は埼玉縣といたしましては豊作を豫想いたしまして、今年こそは十分國家に協力し得ると、農民は非常に期待をもつてこの秋のでき作を待つておつたのでありまするが、この災害に遭いまして、縣下の人たちは落膽その極に達しておるのであります、状況はまだ明細を缺いておりますが、それがわかれば人畜の被害は實に大きいのではないか、殊に利根のあの排水が奔流となつて流れて参りますその様を想像するだに、われわれはかつて明治四十三年當時のことを連想いたしまして、實に物凄い川になつておると思うのであります。北埼玉はこの春ひよう害を受けまして、非常に麥その他の畑作に被害を受けて苦境に瀕しておりましたので、この秋の稲作だけはと大いに意氣込んでおつたのが、今度の被害をこおむつたのであります。今手もとにあります材料だけでは皆様には十分御理解を求めることはできませんが、とにかく今朝一時に決壊いたしました事件でありますので、明細を缺きますが、その豫想せられる大被害を前提といたしまして、農林委員の方々はぜひひとつ實情を調査されて國民、縣民にうなずかせていただきたいと思いまして、お願いに上がりました次第であります。どうぞよろしくお願いいたします。
○叶委員長代理 成瀬君から發言を求められておりますので、これを許します。
○成瀬委員 ただいま埼玉縣に對する水害の深刻な點につきまして、委員外の馬場君から農林委員の派遣方についての要請がありましたが、號外を耳にいたしますと、單に埼玉縣ばかりでなく、茨城縣におきましても相當深刻なる災害を受けておるように存じております。この際埼玉、茨城その他災害を受けたこれら地方に對しまして、私ども當委員會におきまして、即時その實相を調査いたしまして、農林員會はもとより國會におきまして、これら被害農民に對し相當徹底せる對策を構ずべきであり、一面慰安の途を講ずる必要があると考えられるのであつて、このような見地からこういつた關係各縣に對する委員の派遣方について相當御協協議願いたいと思います。
○叶委員長代理 この際皆様お諮りをいたします。馬場秀夫君、成瀬喜五郎君の發言によります利根川堤防決壊による水害地帶派遣委員の件につきまして、その方法、委員の人數等につきまして皆様の御意見を伺いたいと思います。
○大島(義)委員 馬場君の今の動議は最も適切なものと存じますので、この水害の實情調査のために委員を派遣いたしたいと思います。その被害縣の調査は埼玉、茨城、群馬の三縣下にわたる利根流域の水害實情調査として、員數は八名といたしまして、社會黨、民主黨、自由黨各二名、國協黨一名、その他會派一名計八名とし、この委員の氏名は明日の委員會までに決定の上、各黨より委員長に申告していただきたいと思います。
○叶委員長代理 大島君の御發議に御異議ありませんか——御異議ないようでありますからさように取計うことにいたします。
○小林(運)委員 ただいま關東地方の水害の調査の話がありましたが、農林省におきましては、昨日今年度の米の収穫高が六千萬石以上期待できるというような発表があつたそうでありますが、また一面聞くところによりますと、十九日に地方長官を招集して、今年の供出割當の會議を開かれるそうですが、ただいまのような關東の實庫である米産地に水害があつたのですが、この水害の状況は本日農林大臣もお見えになつておりますから、あるいは大體でも相當の被害だというようなことがおわかりではないかと思いますが、それを御報告願うと同時に、今年の割當を十九日に協議するというお話ですが、關東の水害の状況をを見てからおやりになりますか、それを考えないで後囘しにして一應の割當をおやりになりますか、その邊農林大臣にお伺いいたしたいと思います。
○平野國務大臣 先刻馬場君より今囘の水害について御發言がありました。農林省といたしましては、まだ正式に今囘の被害についての報告を受けておらぬのありますが、今朝閣議におきまして内閣大臣の報告によりますれば、大體馬場君御指摘のように、利根川におきましては大體約四百メートル、荒川におきましては約百メートルほどの堤防の決壊を見たのであつて、この決壊の模様は實に空前の大きなる被害であるという抽象的な報告を受けております。また雨量などにいたしましても、六百ミリという空前の大量でありまして、その被害の状況も異常のものであるということは想像できるのであります。從いまして農林當局といたしましても非常にこの問題を現在心配をいたしておるのでありまして、これに對する對策については、東北その他の水害對策と同様に、これに劣らざる對策を立てなければならない。かように考えております。その具體的な方法については、被害の實況を見た上でないと立てられませんので、本日はこの程度のことに止めるよりほかいたし方がないと思います。農林委員會において調査隊の派遣はまことに結構と存じます。農林省におきましてももとより調査慰問に派遣することは當然であると思います。 それからこの被害に對して、供出及び収穫量に對する問題の御質問がありましたが、大體今年はある地方においては非常なる水害、ある地方におきましては非常なる旱魃、かような状況がありまして、非常に統計には困難を感じたのでありますが、大體十九日に知事會議を召集する段取りといたしましては、ほぼ全國的なる數字をつかむことができましたので、十九日からいよいよ供出割當の會議を開くことになつたことは御承知の通りであります。しかしこの際關東の被害があつたからということによつて、供出の會議を延期する意思はありません。供出の方法は十九日には大體において東日本方面半分の縣知事を集めて會合いたしまして、翌日は大體四縣ないし五縣平均に、一週間にわたつてその縣縣の割當會議をやるのでありまして、ちようど埼玉、群馬、茨城、栃木、千葉方面の縣知事との會合のときに、この水害に對する被害がだんだん減つてくるだろうと思いますので、その縣別の會議においてこの問題については當然相談をするつもりでありまするが、この水害だけによつて今すぐ全國的な統計を改める、また割當會議を延長し、割當を相當に内輪に見るということは、實際の被害を見た上でなければ今日言明いたしがたい、かように考えておりますので、その點一つ御了承を願いたいと思います。
○八木委員 水害の調査に著手するにあたりまして、この際一言希望を申し上げたいと思います。それは申し上くるまでもなく治山、治水は敗戰日本の再建復興の基礎であり、食糧問題を解決する恆久對策の基盤をなす問題でございますが、技術的に實際現地問題にはいりますと、農林の所管問題の内務省の所管以外は、農林及び國土に關係しております問題とが、相疏通いたしまして對策を立てなければならないという、實際具體的な問題を各地に見るのでございます。私どもも浅い經験でありますが、さような事態に幾たびも當面いたしておりますので、この大災害を機に、現地に足を踏み入れる際に、かかる農林及び國土の兩委員からおそらく關係者が出てきておりましようから、相携えまして、まつたくかかる大きな試錬を經たこの機會に、人力のありつたけをつくして對處策を講ずる。それにはわれわれが同志的な形において農林省、内務省が、また農林、國土の兩委員が向かうという意味におきまして、よく連繋をとり、實際に腹を割つて對處策を相談するような計らいをお願いいたしたいと希望するものであります。
○平野國務大臣 一言申し上げますが、今囘の水害は、私も東北の水害視察慰問に参つたのでありますが、特徴としては非常に水が早く出て早く引く、これが特徴であります。現に關東の水害でも、今朝に至つては、水は非常に早く引いております。これはどういうところに基因するかと言えば、要するに山林を濫伐した結果、水の出ようが早いと同時に水の保有力をもつておらぬ。こういう點に特徴がある。このことは治山、治水の關係上からきわめて重大なことでありますので、われわれといたしましては、當面の水害對策に關する施設、應急的救濟については、もとよりこれを至急にやることは當然でありますが、基本的な問題といたしましては、ただいま御指摘の通り、われわれは治山、治水の根本的見地から将来再びかような大水害を日本に起こさない。こういう基本原則に立つて水害對策を立てることは當然である。かように考えておりますので、一言所見を申し上げます。
○叶委員長代理 本日はこれにて散會いたします。明日は午後一時より第十一委員室において開會いたします。 午後二時二十五分散會