農林委員会 第3号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/07/07
会議録
○野溝委員長 では會議を開きます。去る六月の二十八日の理事互選の際留保になつておりました理事一名及び増員理事一名を互選いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野溝委員長 御異議ないと認めまして、これより理事二名の互選を行います。
○清澤委員 理事は委員長において御指名されんことを望みます。
○野溝委員長 清澤君の御意見に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野溝委員長 では異議ないものと認めます。 萩原 壽雄君 北 二郎君 を理事に指名いたします。 —————————————
○野溝委員長 次に先般來農林委員會におきまして繭價對策に對しまして小委員があげられたのでありますが、小委員會の結果をこの際御報告願いたいと思いましたが、その係りの小林君、八木君がみえておりませんので、後廻しにいたしまして、政府から農林次官の笹山繁太郎氏がみえられておりますので、これより政府提出の豫定の法律案等々につきまして、一應説明を願うことにいたしたいと思います。
○笹山説明員 それでは私からこの機會におきまして、農林省といたしまして今議會に提案を豫定いたすものにつきまして、概略の御説明を申し上げたいと思います。農林省としましては、大體十四の法案について今議會に提案いたしたい、こう考えておる次第でございます。まず第一は農業協同組合法、その次は農業資産相續特例法案、それから肥料の品質保全に關する法律案、農産種苗法案、農業共濟保險法案、自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案、農地調整法の一部を改正する法律案、農業生産調整法案、食糧品配給公團法案、次は土地開拓法案、開拓者資金融通法案の一部を改正する法律案、こういつた法案でございまして、そのほかに農業藥劑取締法案も出す豫定でございましたが、さらに練り直すというような關係で、今議會には提案を見合わすことにいたしました。なお食糧品配給公團法につきましては、過日から設立するようにいろいろ意見がありましたが、食糧配給公團としましては今議會には提案をいたさない、こういう方針でございます。 〔委員長退席、清澤委員長代理著席〕 それから蠶絲管理法案を出す豫定でございましたが、これも從來の蠶絲業界におけるところの統制を、當分繼續していいという了解を得ましたので、この分も提案をいたしません。なお漁業法の一部を改正する法律案、漁業協同組合法案、これらにつきましては現在それぞれ折衝をいたすところでございますが、到底今議會には間に合わないという見込みでございます。これらの今述べましたところの法案の中で、大體の了解は得ておるのでございますが、中にはまだ意見の一致をみておらないという面も相當あるのでございます。われわれとしましては、それらの點につきましては、できるだけ急ぎまして、そうして了解を得た上で速やかに提案をいたしたい。こういう考えでおります。 まず第一の農業協同組合法案でございますが、これは御承知の通り農村の民主化、これらに伴いまして農業關係團體につきましても民主化をはからなければならぬ。こういうような要請から出ておるのでございます。從いまして從來の農業團體法によるところの農業會、こういうものを變えまして、今後農業協同組合でもつて農村の經濟的問題を處理してまいるというような考え方でございます。これらにつきましては、詳細それぞれいずれくわしく主管局長の方から説明をいたさせますが、大體の要點は、この農業協同組合は農民の經濟的、社會的地位の向上と、それから農業生産の増進をはかるための協同組織でございまして、これはその根本の理念におきましては、從來の産業組合法と異らないのでございます。ただ從來の産業組合法と違いまして、特に農業的な色彩をここに大きく掴み出してきておるのと、それから農業に特有ないろいろな經濟活動につきまして、われわれの指導方針なり、あるいは範圍を明確にいたしておる點でございます。さような點が違うのでございます。なお從來の産業組合法と違いまして、これは市町村の中に數個の組合ができてもいいということになつておりますので、考えか對策によりますれば、産業組合法よりももつとフリーにできておる、こういうような考え方でございます。いろいろの事業の内容、その他につきましては、從來の農業會とそう變つた點はないのでございますけれども、その理念とするところは、あくまでも協同組合精神は入用充足の原理の中、連帶主義、民主主義、こういう大きな理念のもとに出發しておるのでございます。從つて設立の過程におきまして、また官廳のこれに對するところの監督行政におきましても、從來のごとき農業會とはずいぶんその點については異つておるということをつけ加えて申し上げたいと思うのであります。 次は農業資産相續特例法案でございますが、これは御承知の通り新憲法の施行によりまして民法が改正せられ、相續におきましては、いわゆる多子相續の制度がとられることになりましたがために、從來のように、農家がここまでいきますれば、その澤山の子供にそれぞれ農業資産というものが分割されなければならないということに相なるのでございます。しかしながら農業、殊にわが國のような零細農業につきましては、これらの農業資産を各子に分散するということにつきましては、後の農業經營ということにとりまして非常に困難を來たす、また實際では、わが國の農業經營の基礎であるところの、農家の存立さえも非常に危ぶまれるというような關係にありまするので、これらの民法の措置につきまして特例を設けまして、農業資産につきましてはこれは分割してはならないという原則をとつているのでございます。かような民法に對する所の特例でございまして、その所期するところはいずれもわが國の將來の農業の生産力の繼續という方面に目的をもつておるのであります。この法案につきましては、實は前内閣におきまして提案いたしたいという考えでございましたが、これは諸種の事情で今なお延び延びになつているのでございますが、現在これらの點からみますると、われわれの方としましてはとにかくこの體制でもつていたし、原案のような體制でもつて進みたいという考えでおりまするが、種々の關係で、場合によつてはこの提案が多少おくれるかもしれませんから、その點御了承をお願いいたしたいと思ひます。 次は肥料の品質保全に關する法律案でございますが、この法律の目的とするところは、最近肥料の不足につけ込みましていわゆる不正粗惡の肥料が相當横行いたしまして、これらが知らないうちに農民の手に渡つて、そうして思わざる害惡を農業生産に及ぼしておるというような状況でございます。從いまして、政府といたしましてはこれらの粗惡の肥料の、いわゆる販賣なり、あるいは生産というものを十分取締つてまいりたい、こういうような考えでこの法案を立案いたしたような次第でございます。そのやることとしましては、まず一定の販賣肥料につきましては、必ず販賣の許可を得なければならぬ。それから品質その他につきまして必ず有效成分があるかどうかという點について、品質そのものには保証標をつけて、そうして農民が安心してこれを購入できるようにいたしたい。その他これらの取締りに關しまするところの、いろいろの檢査等につきまして規定をいたしておるのでございます。農業藥劑につきましては先ほど申し上げました通り、これは今議會に提案は間に合いかねると思います。 次は農業種苗法案でございますが、この法案のねらいはやはり肥料と同じような趣旨で、農家に優良な農業種苗を増強しなければならぬ。しかるに最近いろいろいかがわしいところの種苗が横行しておるというような關係がありまして、これを嚴重に取締るとともに、またその品質その他につきましても、肥料について申し上げました通り、たとえば蔬菜でありますれば、發芽力の關係がどれだけあるかといつたような點までいろいろ農民に知らせまして、そうして安心してこれらの種苗を農民が購入できるようにいたしたいと思います。なおこの種苗につきまして、新品種あるいは新系統を育成したものにつきましては、これを登録いたしまして、そうしてこれらの優良な新品種あるいは新系統の育成を將勵してまいる。こういうような考えでございます。 次は農業共濟保險法案でございますが、これは豫算の關係が伴いましていろいろ折衝いたしておつたのでございますが、大體におきましてそれらの豫算の見透しもつきました。今度の農業及び家畜保險制度につきましては、從來冷害關係につきましてはこれは保險の對象としておらなかつたのでありまするけれども、今度の改正によりまして、冷害によるところの災害もこの保險事故として加えてまいる。その他雪害あるいは病害等もこれも新しく保險事故に加えてまいる。それから桑につきましては、從來桑葉の災害につきまして保險があつたのでございますが、今度はその桑葉の保險にかわりまして、繭の遺作につきまして保險をしてまいる。こういう考えに改めておるのでございます。 それから家畜につきましては、牛馬、やぎ、めんよう、あるいは種豚の死亡及び牛馬の疫病、障害、出産の保險、こういつたものを新しくこの保險によつて實施しよう、こういうような考えをもつております。 なお共濟金額の限度の問題でありまするが、從來水稻等につきまして、反當六、七十圓程度のきわめて低い値段でございましたが、今囘いろいろ農産物の價格の騰貴によりまして、從來のそういつた程度の共濟金額では不足であるというふうに考えまして、水稻につきましては反當六百圓、それから麥につきましては反當三百圓、蠶繭の掃立卵量グラム當り三十五圓程度といたしまして、この點について改正を加えてまいることにいたしておるのであります。 それから保險料の負擔の問題でありますが、これは考え方といたしましては、通常災害に對するものにつきましては、これは農家が全額を負擔するという建前でございます。水稻、麥、繭等につきまして……。それから異常災害に對するものにつきましては、國庫負擔が二分の一というふうに考えておるのでございます。それから超異常災害、これは非常に災害の激しかつた場合、こういつた場合の保險料につきましては國庫が全額を負擔する、こういう立て方になつておるのでございます。 〔清澤委員長代理退席、委員長著席〕 この運營につきましては、從來農業保險は農業會というものを共濟事業の母體にいたしまして、それから府縣單位の保險組合があつたのでございますが、今度農業會の解散とともに、新しく保險組合というものをこしらえなければならぬことになつておるのでございます。これらの保險組合は、從來と同じように強制加入といいますか、一定の資格に該當するものは全部加入しなければならぬという建前をとつておりまして、その點につきましては協同組合の主義と異つておるのでございます。しかしわれわれとしましては、できるだけ今後でき得るところの農業協同組合、こういつたものを、この農業保險の下部機構につきましても十分活用してまいりたい。こういうふうに考えておるのでございます。 今囘これらの改正によりまして、大體國庫負擔を三億五千萬圓程度必要とするのでございますが、これらの財源につきましては、米麥等の食糧の消費者價格の關係を調整しまして、それから生れたところの金額をもつてこの財源にあてよう、こういう考えでおるのでございます。 次は自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案でございますが、これは第一は新憲法の施行によりまして、いわゆる戸主とかあるいは家族というような稱呼が改められまして、これを親族とかあるいはその配偶者というふうに改める等、まつたく字句の改正という點が一つ、その次には從來農業技術指導農場の用地としまして、相當從來の用地をこれにあてておつたのでございますが、この點についてあるい種の制限を設ける、こういうふうに考えておるのでございます。その他農地の買收計畫に對する異議または訴願を、農地の所有者ばかりでなくて、小作農にも認めてまいりたい、こういうような考え方。それから報償金算定の基礎となるところの農地の面積を、はつきり現わすというふうにいたしてまいりたい。それから政府が賣渡したところの農地の對償、代金を徴收するような場合におきましては、これは從來はつきりした制度がなかつたのでございますが、今度の改正法によりまして、市町村に代行させるということをはつきりうたつておるのでございます。かような點が改正のおもなる點でございます。 次は農地調整法の一部を改正する法律案でございますが、今度の改正によりまして、從來の農地改革によつて得られたところの結果を、さらによく生産的に、また農家の經營經濟におきまして、有效に働かさなければならぬという見地から、さらに一歩を進めまして、これらの農地の所有權あるいは賃借權あるいは永小作權、こういつた權利關係の交換分合を農地委員會をして行わせる、こういうことを目的といたしております。そのほかに從來農業經營としましてきわめて不可分な關係にありましたところの自家用薪炭林とか、あるいは採草地、放收地、こういつたものにつきましては、農地ほど保護された、あるいははつきり確立された權利はなかつたのでございますが、今後これらの權利につきましても、農地と同じやうな強さをもつて保護してまいらなければならぬというような關係で、この點をはつきり規定いたしておるのでございます。その他一昨年の十一月二十三日以後におけるところの不當な土地取上げにつきまして、舊小作人の請求によつて市町村農地委員會が救濟することができるような途を開いたのでございます。あと委員會の運營その他につきまして若干の改正を加えております。主として今度の農地調整法の一部の改正ということは、從來の農地改革によつて十分達成し得られなかつた不備の點を補強するという點に、重點がおかれておるのでございます。 次には農業生産調整法の點でございますが、これはただいま法制局の方で審議中でございまして、いろいろ意見が現に交換されつつあるような状況でございます。この生産調整法のねらいとします主要食糧の生産を確保するということは、今後の食糧政策を進めてまいります上におきまして、非常に大切であることはもとよりでございます。これらの生産の状態をみますると、米につきましても、麥につきましても、年々作付の面積なり、あるいは收量が減つておるような状況でございます。殊に面積等につきましては、統計方面に現われたところの數字によりますれば、年々減つてきておる。かような状況でございまして、この食糧の大切な際におきまして、これらの最も國民生活に直接つながる問題につきまして、かような減産をしておる。このまま放置するということは、國家全體から考えても非常に危險であるというような考え方もあるのでございます。またそれらの主要食糧の生産につきまして、もつと計畫的に生産をなすべきである。また農業者に對するところの指導につきましても、將來に見當をつけて確實な指導をしてまいらなければならぬ。こういうような問題もあるのでございまして、どうしてもこの生産の面について、もつと農業者が作物の選定をする場合におきまして、單に個人經濟から出發するばかりでなく、國民經濟の全體から考えて、これらの生産を計畫いたしたいというような考えから、これらの制度を考えたのでございます。一面また供出關係から申し上げますと、現在の供出は實收量制をとつておりまして、そうして現にこれらの食糧が收穫され、それらの實收量がいくらあるかということによつて、保有量を差引いた殘りの全額を供出させるという仕組になつておるのでございます。これらの點につきましては、いろいろ從來からも問題がありまして、殊に主要食糧をたくさんつくればつくるほど、非常に損だというような考え方を農民に植付けておるという點もありまするし、あらかじめ農民にそれぞれの責任數量をもたして、そうしてそれ以上できたならば、これは特別な取計らいをしなければならぬというような要望もあるのでございます。それらの觀點から考えましても、あらかじめ農民に、今後つくられるところの食糧その他の農産物につきまして、一應の目途をつけさせておきまして、そうしてその目途によつてわれわれの方では肥料その他の生産資材を先渡しするというような裏づけをしてまいる。必ずそれらの計畫されたところの面積の生産が營まれ得るというような状態をつくつてまいりたい、こういうふうに考えておるのでございます。こういうようにいたしまして、生産された分につきましては、あらかじめ地方その他を勘案しまして、それぞれの各農家の基準生産數量というものをつかんでおきまして、それに基きまして供出關係も考慮してまいる。それ以上農家の努力によりまして、生産を増強された分につきましては、特別な措置をもつて考えてまいる。こういうような考えであります。すなわちこの生産調整法のねらいとするところは、年々減少するところの食糧農産物の作付面積をいかにして維持させるか、それを維持させるために政府としましては、資材等の裏づけを十分やらなければならぬというようなこと、それから生産に引き續きまして起るところの供出問題、これをあらかじめ農民に目途を知らしておいて、そうしてその責任數量をはつきりさせておく。こういつた點がおもなるねらいでございます。この運營にあたる者は、都道府縣ごとに農業調整委員會、こういつたものをつくり、また町村におきましては市町村の農業調整委員會、こういうものをつくつていくのでございます。もちろんこれらの委員會の組織等につきましては、きわめて民主的に關係農民の支持によるところの人を委員に選擧するのでございますが、これらの民主化されたところの農業調整委員會によりまして、各農家に對するところの生産の目途の割當、その他につきまして運用をいたしてまいる。こういう考えでございます。なお生産の増強につきましては、この市町村の調整委員會に相當の指導陣、技術陣容を整備いたしまして、そうして今後協同組合になつていろいろ技術陣等が置けないことがあつても、これらの調整委員會の一つの機構の中に、それらの指導陣營を強化いたしまして、農業生産の發展充實を期しよう。こういうような考えをもつておるのでございます。 次は食料品配給公團法案でございますが、これは獨占禁止法の制定によりまして、從來の統制會社が現在農林省姿のままやつていくということが困難になりました關係上、主要なる國家統制を必要とするものについては公團をつくつて、その公團組織によつて流通系統を確立していかなければならぬ。こういうような考え方から、これらの公團をつくつておるのでございます。食料品の配給公團につきましては、みそ、醤油、アミノ酸製品、砂糖、カン詰め、こういつた品目をこれに扱わせる豫定になつておるのでございます。油糧配給公團につきましては、從來帝國油糧が取扱つておつたような加工原料、あるいは油糧製品、こういつたものを取扱わしてまいる。飼料配給公團につきましては、これは從來の飼料會社が取扱つておつた飼料の配給を、主として取扱う公團にいたしてまいりたいと思います。 これらの公團につきましては、かねてできるだけ早く設立せよ、こういうようないろいろ注文もありまして、すでに肥料につきましては實は議會に提案をしまして、皆さんの十分な御審議を經た上で、公團を設立いたしたかつたのでございまするけれども、非常に急がれてとうとうそれができずに、肥料配給公團が設立されたような状況でございます。これらの公團につきましては、だいたいにおいて了解も得ておりまするので、農林省關係の法案としましては、最も先に優先されるのではないか、こういう見透しをもつておるのでございます。公團の運營等につきましては、これは他の公團と同様、その根本原則あるいは運營の基本的な考え方につたましては、何ら變るところはございません。 次に土地開拓法案でございますが、これは今開拓局長がおいでになりますので、詳細あとから説明されると思いますが、從來開拓に關しましては、國營事業の分につきましては何ら法規的な制度というものはございませんでした。從いまして國營事業をやります上におきまして、用地獲得その他の事業の執行にあたりまして、いろいろ面倒な問題があつたのでございましたが、これらは從來主として話合いによつて解決をいたしておつた點が多分にあります。今度はそういつた方面につきまして制度的にはつきりしてまいる。こういう點が主たるねらいであります。 その次は耕地整理法というものが從來ありましたが、この耕地整理法は開墾、改良その他の事業を營むことができるのでございますが、主としてこの構成メンバーなり、あるいは事業の執行者というものは農地の所有者が中心であつたのでございます。しかしながら農地の所有者というものは農地改革の點から考えましても將來はどうしても農業に密接な關係をもつておりますところの耕地整理關係等につきましては、耕作者を中心として事業をしたい考え、またそれによつて運營されなければならぬというな考えのもとに、從來の農地整理法を廢止いたしまして、土地開拓法案のうちにその關係を規定いたしたのでございます。 その次は開拓者資金融通法の一部を改正する法律案でございますが、これは御承知の通り開拓者に關しましては、從來營農資金を政府の方で貸付をしておつたのでございますが、營農資金だけでは開拓者が十分でありませんので、開拓者共同の施設でありますところのいろいろな共同作業場、あるいはその他農村工業の施設、そういつた方面にまで資金の融通をはからなければ、現在の開拓を促進させることは困難であるというような考え方から、これらの開拓者の共同施設、多分それは開拓組合を中心にして、施設される施設でありますが、それらに對しまして政府資金を融通しよう、そのための改正法律案でございます。輸出農産物會社というものがあるのでございますが、これらにつきましては獨占禁止法の關係から、早晩解散されなければならぬ問題でございますが、この點につきましては特別な法律案をつくらずに、獨占禁止法の附則の方で改正してまいる、こういう考えでございます。大體ではございますが、以上の通りでございます。なおこれらの法案に關する詳細の點につきましては、關係局長の方から十分一つ御説明申し上げたいと思いますから、今後引續きましてお聽きとり願いたいと思います。
○野溝委員長 伊藤開拓局長から開拓法の説明を願うことにいたします。
○伊藤(佐)政府委員 私開拓局長の伊藤でございます。ただいまから開拓法の御説明を申し上げるわけでありますが、その前に現在行われております緊急開拓事業の概要を御説明申し上げます。今囘御審議を願いたいと考えておりまする開拓法は、この開拓事業を強力に推進をしてまいりたいための法案でございますので、その意味におきまして緊急開拓事業の内容を簡單に御説明申し上げたいと思います。 現在行われておりまする緊急開拓事業は、昭和二十年の十一月に日本政府が、閣議決定をもつてきめられまして發足いたしたものであります。概要は内地、北海道を通じまして、百五十五萬町歩の新しき耕地を五箇年間につくる。それから十萬町歩の干拓を六箇年間にいたす。それから三箇年間に二百十町歩の土地改良をいたす、それからこれらの新しくできました土地に對しまして、合計百萬戸の農家を歸農させる。この百萬戸と申しますのは純粹に入植いたしますものと、いわゆる地元増反、これは地元が非常に過小農でありますために、地元の一戸當りの面積を殖やしまして、それによつて地元の農家の經營を樂にするという意味合のいわゆる地元増反、これを合計いたしまして百萬戸のものを植えつける。それからこれによつて生じまするところの食糧の増産でありまするが、主食の米に換算いたしまして、合計二千百萬石の増産をいたす。こういうのが大要の計畫でございます。 それで昭和二十年の十一月から發足いたしまして、今年の三月三十一日すなわち二十一年の會計年度末まで約一年半の間に、どの程度のことがなされたかということを見てみますと、まず開墾におきましては合計二十一萬九千町歩餘り、約二十二萬町歩の土地が新しくできたのであります。このうち内地が十八萬六千町歩ばかりでありまして、殘りの三萬町歩餘りが北海道でございます。それでこれらは計畫に對してどういうふうなことになつているかと申しますと、二十年度におきましては約七〇・三%のものが實現いたしております。それから二十一年度におきましては九三・五%が實現をされたのでございます。北海道の方は兩年度合わせまして、計畫に對して五八%實現いたしております。 ただいま申しましたパーセンテージはいずれも豫算面から見ました計畫に對するものでありまして、當初百五十五萬町歩を五箇年間でやる計畫からいたしますと、豫算資材等に制約をされまして、結局これは約半分のものになつております。それから干拓の方は御承知のように手をつけましてから二年なり三年なりの年月がかかりまして、初めてでき上るものでございますので、今年の三月三十一日までにはまだでき上つたものはほとんどございません。約一萬一千町歩のものが施行をされている状態でございます。 それから入植の戸數でございますが、これは内地と北海道を合計いたしまして、約四十一萬戸のものが地元増反と入植とではいつております。そのうち十萬七千戸が純粹の入植數でございます。殘りの三十萬戸ばかりのものが、いわゆる地元増反になつております。それから土地改良事業でございますが、これは三箇年に二百十萬町歩の計畫でございましたが、この方は成績が計畫通りいつておりまして、事業の性質上六月末をもつて切つておりますが、一昨年から始めたものと、昨年から始めて今年の六月に終るものとありますが、一昨年から始めた分は百パーセントできております。それかう本年の六月をもつて終りますもの、これも大體百パーセントできている。まだ集計はできておりませんが、さように考えております。 そこで住宅の建設状況でございますが、これは十萬七千戸の純粹入植者に對しましては、これだけの住宅が要るわけでございますが、豫算その他の關係からいたしまして、昭和二十一年の三月までにでき上りましたものは、約三萬七千戸であります。住宅の點につきましては、今後相當必要とすると考えておりますが、いずれも舊軍用地等の建物等や何かを利用しておりますので、現在雨露にさらされておるというような状態のものはございません。獨立の農家を形成してやつてまいるという點は、ただいま申し上げましたようにまだ三萬七千戸ほどでございますが、この分は目下努力を續けておるわけでございます。ただいま申し上げましたのが緊急開拓事業の概要と、それから現在までの實績の概要でございますが、これらの點をにらみ合わせてみまして、この開拓事業計畫の改訂をいたしてまいる必要があると存じまして、目下その改訂案を檢討中でございます。近くこれも成案を得ました上で、實施に移したいと考えておるわけでございます。 次に開拓法の御説明に移りますが、これは先ほど次官からも御説明を申し上げました通り、現在この開拓事業を行つておるのでありますが、法制的の根據が非常に乏しいのであります。そのために強力に開拓政策を推進できない點が多々あるのでございまして、これらの點を法制の裏づけによりまして、強力な推進ができるようにいたしたいというのが開拓法を制定し御審議を願います目的であります。お手許に差し上げてございます開拓法要綱を順序を追いまして概略御説明を申し上げます。 まず第一の目的でございますが、この法律は土地の開拓を行うことによりまして、國土の農業上の利用を増進するということと、農業におきます人口收容力の安定的な増大をはかるということと、農業生産力の發展をはかることを目的としております。この中の農業における人口收容力の安定増大、これは何でもかんでも農業に人口を押しこめればよろしい。こういつたような考え方ではなくて、適正なる規模の、安定した經營を有するところの農家を新しく創定することによりまして、また既設の農家につきましても、それらの増反によりまして、安定した經營規模を有するものにしていく。そういつたような意味合いの農業人口を殖やしていく、これを目的をしておるわけであります。次の農業生産力の發展ということは、これによりまして主要食糧その他農業生産物の増産をはかつてまいる。この三點を目的としておるわけであります。現在の緊急開拓は、戰後の非常に混亂した時代におきまして、食糧の外國からの見透しも全然つかなかつたような時代、しかも戰災者あるいは外地からの復員、引揚者者というふうな者が、どんどんと歸つてまいりまして、失業者がたくさん出るであろう、こういうような事態が豫測されました時代におきまして、失業者の救濟と食糧の緊急増産というこの二つを目的として、現在の緊急開拓が行われておるのでございますが、元來開拓というものは、結果においてそういうことになろうと思いますし、またできるだけそういつたようなことは考えてやらなければならぬと存じますが、本來の開拓の姿というものは、ただいま申し上げましたような、この法律の目的に揚げましたようなものであると存じまして、この目的をここにはつきりと揚げたわけでございます。 次は國營開拓事業でございますが、この開拓事業の種類といたしましては、國營の開拓事業と國營の土地改良事業、それからこれらに附帶して起りますところの附帶事業と、土地開發事業、それから補助事業、大體この五つがございます。以下順を追いまして御説明を申し上げます。 まず國營開拓事業でございますが、これは政府がこの法律によりまして農業用地を新しくつくりまして、その土地に自作農を創設する事業を申しております。これがために以下のことを行うわけでございます。 まず第一に開拓地の決定でありますが、この開拓地の決定は、農林大臣がまず一定の期間を限りまして開拓の豫定地域というものを指定いたしまして、その地域内において一定の行為を制限するということを考えております。これは現在は開拓地の決定につきましては、地方の農地委員會に決定をしてもらつているわけでありまして、農地委員會がこれを開拓地と決定いたしますと、政府がその土地を買い上げるということにいたしているのでございます。大體その決定に至りますまでに、それぞれその地方々々では、これらの土地が開拓地になりそうだという氣配がありますと、まず立木の所有者などが立木を急いで賣つてしまうわけであります。その結果、開拓地ときまりました場合、防風林ないし薪炭林もないというようなことが往々にしてございまして、各縣とも開拓地の決定、土地の買收につきましてはこの點に非常に手を燒いているのであります。これではせつかくの土地が開拓地としまして有效に利用できない點がございますので、まず國が國營の地區につきまして開拓の豫定地と考えました場合には、一應網をかける。そうして一定期間、これは大體一年と考えておりますが、その期間内においては立木の伐採、處分、あるいは構築物の移轉、除去等の處分を禁止するということにいたしたいと考えております。そうして國の方で調査いたしました結果、差支えないものにつきましては適宜處分をしてもらうようにいたしたいと考えているのであります。 次は、國營開拓事業を行うべき土地は農林大臣がこれを定める。これはいわゆる開拓開墾適地でありますが、農林大臣がこれを定めることにいたします。但しこの場合には、中央竝びに地方の開拓委員會に諮問をいたしまして、その諮問に基きましてこれを定めるようにいたしたいと考えております。開拓委員會の機構は、現在の構成、メンバーでは十分でないと考えますので、これはそれぞれ關係方面の人を網羅した適當な構成にいたしたいと考えております。次は、農林大臣が開拓適地を決定いたします際には、現在立入權とか、あるいは測量檢査等の權限がございませんので、こういう法制上の權限を設けていきたいと考えております。 こういうようにいたしまして、まず開拓豫定地をきめ、續いて開拓適地をきめまして、その次は開拓計畫というものを具體的に立てるわけでございますが、これは農林大臣が開拓計畫を立てることになつております。 次は土地等の取得でありますが、政府は國營開拓事業のために必要がありますときには、以下申し上げますようなものを買收あるいは使用することができることにいたしたいと考えております。これは、土地、それから政府の所有する土地に關する所有權及び擔保權以外の權利、立木、工作物その他の物件、漁業權、水の使用に關する權利、公有水面の埋立に關する權利、こういつた權利を買收または使用することができるようにいたしたいと考えております。 次の2、3、4、は取得に關する手續及び管理の關係でございますから省略いたします。 次は事業の施行でございますが、この事業の施工者國營の開拓事業計畫に基きまする一定の施設、これは基本施設と申しておりまするが、これは農林省が行うことにいたします。ただし農林大臣が直營をもつて行いまする場合と、農地開發營團でありますとか、あるいは都道府縣入植者の組織する團體、農業會その他適當な團體に事業を委託することができるというようにいたしたいと考えております。これは現在と同じであります。右のこれらの事業を施行するに必要なる費用、すなわち基本施設を行いますに必要な費用は、全額國庫支出といたしたいと考えております。これも現在と同様でございます。 次は六の開拓者の決定でございますが、御承知のように開拓事業というものはなかなか容易なことではございませんので、よほどその人の選定を得ませんと、中途にして挫折することが往往にしてあるのでございます。現在軍用地等にはいつております開拓者が相當ございますが、これは終戰後の混亂した時代におきまして、まだ國の施策が發足いたしません前に、これらの土地と建物を使用してやつた人たちが大部分でありまして、ほとんど大部分の人たちは、從來農業に經驗のないという方たちが多いわけであります。大體軍用地というふうなところは、農耕地としては非常に不適當な、また改良にも困難なところが多いわけであります。それに經驗のない人たちがはいりましたために、非常に苦勞しているというのが現状であります。これにつきましては、國といたしましても、できるだけのことは今後ともいたしまするけれども、まず第一に適當な人を選んで入植をさせるということが一番大事なことと考えております。從いましてこれらの人はまず農家の子弟でありまするとか、あるいは海外において農業に從事していた人たち、あるいは農業に直接關係はなくとも、農業に從事する熱意とそれにふさわしい體力その他の條件を備えた方々こういう人たちにはいつてもらうのが適當ではないかと考えております。 次は、土地等の管理及び處分の問題でございますが、政府はこの基本施設に關する事業が完了いたしましたときには、開拓財産であるところの土地を一定の配分計畫によりまして、開拓者またはその組織する團體に對して無償でこれを使用させることにいたしたい。できるだけ土地の割當は早くやりたい。そのことが開拓者の前途を明るくいたしますとともに、落ちついて仕事ができるということになりまするので、土地の配分はできるだけ早くいたしますとともに、配分いたしました土地については、でき上るまで無償で使用させることにいたしたいと考えております。 次は開拓者あるいはその組織する團體は、使用の處分を受けたときから五箇年以内に開墾に成功しなければならないということにいたしまして、それまでに開墾に成功しないとき、あるいはその見込がないときにおいては、使用の處分を取消すということにいたしたい。ただしこの五箇年は、多少の事情によりまして延長をすることは差支えないと思います。 次は土地の賣却でございますが、開拓に成功いたしました場合は、政府は開拓者またはその組織する團體に對して、その土地を賣り渡すのであります。 この賣却の價格は、これはこの附近の類地の價格によつて賣り渡すわけでありますが、その場合に賃貸價格というものを同時につけておいた方が、別途につけるよりも手數が省けてよかろうというわけで、賃貸價格も同時に設定することにいたしたいと考えております。 次は開拓における農業經營の指導上必要な土地、指導農場をつくるとか、そういう措置でありますが、または處分の相手方がない土地につきましては、これは別途特別に處分をいたしたいと考えております。 次は流木等の賣渡し貸付でございますが、立木工作物その他の物件は、開拓者もしくはその組織する團體あるいはその基本施設に關する事業を行う農地開發營團等に貸付または賣り渡すようにいたしたいと考えております。それからこれらの國營開拓事業の結果できました道路、堤塘、溝渠、溜池等の公共的の基本施設は、都道府縣市町村等をして管理させることができるようにいたしたいと考えております。場合によつては國みずからも管理できるようにいたしたいと考えております。 次は防風林、薪炭林、採草地等でありまして、共同の利用に供するに適當とするもの、あるいは水の使用に關する權利は、開拓者もしくはその組織する團體または、基本施設に關するその事業を行う農地開墾經營團等に使用あるいは受益させることができる。國營開發事業終了後、必要があるときはこれらのものをそれらの團體あるいは公共團體等に賣渡し、あるいは引渡すことができるようにいたしたいと考えております。 それから次は土地等の對價の支拂いでございますが、これは一定の均等年賦支拂いの方法によるものとして、現在の措置法によるものと同様にいたしたいと考えておりますが、收穫率と年賦金額との割合が一定率以下になるような場合には、これは均等年賦支拂いの金額を減免することができるような規定を設けたいと考えております。 次は土地の賣渡しを受けました、つまり開拓者あるいはその相續人が自作をやめようとする場合には、政府がこれを買取るということにいたしたいと考えております。 次は國營土地改良事業でございますが、まずこの國營土地改良事業というのは、政府がこの法律によつて農業水利施設を新設し、變更し、または廢止する事業を申すのであります。いわゆる用排水幹線事業にあたるものがこれでございます。事業の施行につきましては、原則としてはこれは既耕地の改良の問題でございますので、地元からの申請があつた場合にやることにいたしたい。但し特に必要がある場合には、農林大臣が積極的に行うこともできるというふうにいたしたいと考えております。國營の土地改良事業は農林大臣がこれを行うことになるのでありますが、これは現在と同様に、場合によつては農地開發營團あるいは都道府縣をして行わせることができるようにいたしたいと考えております。 次は手續の關係でございますが、農林大臣が施行地區及び土地改良事業の計畫を定めますときにはその旨を報告して、一定期間それぞれの場所において縦覽に供する。それに對して異議のあるときには、農林大臣に異議の申立ができるようにいたしたいと考えております。 次はこれも手續上の問題でありますが、農林大臣が必要あるときにはこれらの國營開拓事業を行う場合に、既耕地内の物件を移轉したり、除却したりすることができるような權限を與えるようにいたしたいと考えております。 次の(5)のものはいずれも國費支辨の點、あるいは立入測量の點、あるいは土地等の取得の點でありますが、國營の開拓事業と同様の方法でやつていきたいと考えております。 次の道路、堤塘等の處分でございますが、これも前の國營開拓事業と同様な方法でやつてまいりたいと考えております。 それから四の受益者負擔でございますが、これは國營の土地改良事業の施行によりまして利益を受けるもの、あるいはその組合員の全部、あるいは一部とする土地開發組合に對しまして、その受ける利益の限度内において、事業の施行に要する費用の一部を受益者負擔とすることができるようにいたしたいと考えております。これも現在と同様であります。 次の特別附帶事業でございますが、これは土地の農業上の利用ということが主體になる地域でありまして、それに附隨いたしまして道路でありますとか、あるいは鐵道でありますとか、あるいは電力でありますとか、そういつたような施設を附帶して同時に施行することを必要とするような地區がございますので、そういつたようなものにつきましては、これは一緒に施行するような特別の方法をとりたいというので、この規定を設けたわけでございます。 次の事業の施行の點でございますが、そういつたような必要がありまする場合には、農林大臣はそのことを内閣に對しまして申請をいたすわけであります。内閣におきましてもこれらのものが同時に附帶事業として行うことが必要であるということを認められました場合には、農林大臣以外の關係大臣、あるいは地方公共團體に對しましては、内閣からこれらのものをやるようにということの命令、あるいは地方の公共團體に對しては依頼をすることができるというふうにいたしたいと考えております。これによりまして農地を主體といたしまする總合的な開發がはじめて行われることになると考えております。三は前の手續的なことを準用いたしたのでありますので省略いたします。 次の土地改良事業でございますが、これは先ほど次官から御説明いたしましたところで十分と考えておりまするが、現在の耕地整理法をここにもつてきたわけであります。違いまする點は、現在の耕地整理法につきましては、土地の所有者が主體になつておりますけれども、農地改革の今日におきましては、土地の耕作者が當然主體になるものと考えておりますので、その點を變えましてここに耕地整理法をもつてまいつたわけであります。耕地整理組合という名前は十分に意を盡くしておらぬと思いますので、土地開發組合という名前に新しくいたしたわけであります。それから從來の普通水利組合、これは耕地整理法の中にはいつておりませんが、今囘は普通水利組合もこの土地開發組合と同様なものといたしまして取扱つてまいりたいと考えております。その結果現在の水利組合法が一部改正されることになるわけであります。 それから次は第六の助成でございますが、土地の取得及び處分、政府は自作農の創設、土地開發事業、または都道府縣の行う農業水利施設の新設、廢止、もしくは變更のために必要がありまする場合には、前に申しましたような土地權利または物件をあるいは買收し、使用し、または政府の所有に屬する土地物件を當該事業の用に供する雜種財産とすることができることにいたしております。これらの右の買收等の手續、及びこれらの土地または土地權利または物件の賣渡しの手續等は、現行の自作農創設特別措置法の規定によつてまいりたいと思います。 その次は助成金でありますが、これは大體現在と同じでありまして、耕地整理組合、あるいは共同で施行する場合、あるいは個人で施行する場合もありまするが、これらのものが農業水利施設の新設、廢止または變更を行う場合に對しましては、毎年度これは豫算の範圍内で補助金を交付するようにいたしたい。これは現在の補助施設と同じように考えております。 それから先ほどの個々の場合を申し上げたのでありますが、農林大臣はこの法律によります職權、權限の一部を、必要によりまして、都道府縣知事に委任することができるようにいたしたいと考えております。 最後は他の法律との關係でございまして、これは自作農創設特別措置法、農地開發法、水利組合法の一部を改正いたします。耕地整理法及び北海道土功組合はこれを廢止することにいたしたいと考えております。以上は開發法の極く概要を申し上げたわけでございます。 その次に開拓者資金融通法中一部改正に關する件に對しまして御説明申し上げます。現在開拓者の資金につきましては住宅資金と營農資金と、この二つが供給されておるわけであります。住宅資金の方は現在一戸當り一萬五百圓、これに四千五百圓の國庫助成金が加わりまして、一萬五千圓、營農資金の方は一戸當り一萬圓ということで本年度からまいつております。昨年は合計いたしまして、一萬圓ありましたが、それではとても足りませんので、合計いたしまして今年度から二萬五千圓になつておるわけであります。それでもなお物價、勞賃がどんどん上つてまいりますから、むろん十分とは申し上げられませんが、ただいまのところは二萬五千圓になつております。それで資金の融通の點につきましてはそういつた個々のものに對するほかに、共同施設に對する資金の融通をぜひやつてくれという要望が非常に強いのでございまして、これはもつともでございますので、今囘共同施設に對しましても資金の融通ができるようにいたしたい。その點につきましての改正案でございまして、これは全額さしあたり二千萬圓程度のものと考えております。償還期間は二十年以内でございまして、住宅と營農資金の方も二十年以内で、年利三分六厘五毛の均等年賦償還でございます。違います點は住宅資金及び營農資金につきましては据置期間が五年になつております。この共同施設の方は比較的早く可耕農家によりまして利益を上げて行き得るという建前の下に、据置期間を一年といたしております、いずれも据置期間中は無利子でございます。 以上簡單でございますが、兩法案につきまして御説明を申し上げました。
○野溝委員長 お諮りします。政府提出豫定の法律案は大體以上で、概略の説明を終つたのでございますが、各法律案が上程されると、直ぐこれが委員會の方に付託されるのでございますから、委員會は十分各法案に對する審議ができると思いますので、本日は質疑は一應省略いたしまして、後日に譲りたいと思いますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野溝委員長 それではさようにいたします。
○松澤(一)委員 將來の委員會の運營で一言申し上げておきますが、御承知のように農林委員會は委員數も多いし、委員室が非常に狹いように見えるのであります。別の委員室に變更はできませんか。もしできないとすれば今日この机の配置をもう少し前に進ませて、餘裕のあるように一つやつてもらいたい、だんだん審議が複雜化してくると、とうてい後ろの者には私語が多かつたり、あるいは入り込んで暑さは暑いし、十分審議ができないと思います。委員會室を變更してもらうか、あるいはもう少し整備し、今度は傍聴も相當あると思いますので、その點ひとつ御考慮願いたいと思います。
○野溝委員長 松澤さんにお答えしておきますが、發言の順位の問題やら、會場整理の問題は理事諸君と懇談してきめたいと思います。
○平工委員 前内閣の政策を踏襲してやつていることでありますが、肥料の問題について商人が非常に跋扈しておりまして、半ば肥料商に渡すとか、また肥料商が地方にもつていた部分は商人の權利ができているのだというようなことを言つて、はなはだ前内閣の政策踏襲は迷惑だと思います。でき得れば肥料公團の手で直接農民の手へ渡して、今までのようなやみを防ぐためには、前内閣のやつていた通りではいかぬ。この問題はだんだんあとまわしになつていくが、緊急に現内閣において御研究願いたいと思います。
○野溝委員長 それは肥料の品質保全に關する法律案の出るときに、それと關連して御審議を願いたいし、なおそのほかにもいろいろ肥料問題については御意見もあることと思いますので、政府にも法律案の提案をなるべく急いでもらうようにしたいと思います。
○坪井委員 先般も質問の順位等をきめてもらうようにということを願つておきましたが、追つてそれはきめられると存じますが、いろいろ議事進行の關係もありますので、各法案を議會運營委員會にも連絡をとりまして、議會がいつまで延期されるかというような關係もありますので、なるべく審議未了に終らぬように、努めてその間に審議をいたしまして、各法案の可決のできるように委員會としては進んでいくことを要望しておるのであります。そういう見地から見まして、本日も井上政務次官もお見えになつておりますが、重要なる案件については刻々とひとつ委員會に各方面の御報告なり、あるいはまた場合によれば意見をお聽かせ願いたいと思います。 なおまたいろいろの議案でございますが、どうも整理があまりよくないと思うのであります。十八も羅列して出しておきながら、どうもその中でまだわからぬわからぬと言つておるようでは相ならぬと考えるのであります。大體この次はこういう法案についての趣旨辯明竝びに質問を許すということを、前もつて願いたい。この次にはこういう法案について辯明をする。あるいはまたそれについての質問をするというような方法にもつていかなければ、この委員會の權威を失墜するのではないかと考えまして、私の希望を申した次第であります。
○野溝委員長 この際一言申し上げておきます。もちろん政府の方においては、ただいま説明された案件は重要な法律案として出されることと思います。しかしこれを審議決定するのは國會であり、特にこの常任委員會であります。政府の方で遲く出したり、その説明に徹底を缺けば、それだけ審議が遲れるのでありまして、それは委員會の怠慢でもない、政府みずからが怠慢に陥るのでありますから、政府はその點を十分留意してください。
○松澤(一)委員 政府はなるべく早くいろいろな飼料を提出してもらいたい。たとえば今次官や局長の言われたような、數字その他の細かい資料を明らかにして、われわれの審議をして遺憾ならしむるようにしてもらいたい。今までの委員會は常に資料があまり提出されない。われわれが要求しても個人個人が要求したのではなかなか出さない。今日では秘密も公開もありませんので、資料はどしどし提出してわれわれに十分審議をさしてもらいたい。
○黒田委員 今日十三あまりの法案が提出されるように承りましたが、審議の期間も今議會は特別議會の性質上あまり長くないのであります。一體政府はいつころまでに法案を提出される見込みであるか、その點が非常に漠然としております。全部の法案が一時に提出されるわけでもありませんが、およそどの法案がいつころまでに提出されるという、大體の見透しがあればお聽かせ願いたい。
○野溝委員長 黒田委員に申し上げますが、今日十時から會期延長に關する各委員長の打合會があるそうであります。それがこの委員會が開けておるので延ばして、十二時からやることになつております。いずれ會期は延長になることと思いますが、政府當局としては、會期延長は延長としても、とりあえずこの羅列した法案のうちどれから提出してゆくか、政府の意見を聽くことにいたします。
○井上政府委員 各委員の方々に非常に御迷惑をかけておりますが、早く成案を得て提出する準備を急いでおります。革新的な法案がたくさんありますので、細かい打合せが、こちらの氣のせくほどに進まないのに弱つておるのであります。しかし政府は日曜も休まず夜通しかかつてでもどんどん進めるように今交渉しておりますが、多分來週の初めに第十、第十一、第十二、この配給公團法を御審議願えることになると思います。從つて來週初めに委員會をお開き願いますならばこの法案に對して當局から詳細な説明をいたし、皆さんの御審議の準備に資したいと思います。 その次には大體ただいま交渉いたしておりますが、農業協同組合法案、または土地開拓法案、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案、これらを順次御審議を願う準備を急いでおりますから、最初公團法を濟ましまして、すぐその次に土地開拓法案が先に出ますか、農業協同組合法案が先にでますか、とにかくこちらはこういう準備を今進めておりますから、さよう御諒承をいただきたいのであります。そこで政府といたしましても、皆さん方の御審議を圓滑に願いますために必要な資料及び準備を進めております。最初申し上げました第十食料品配給公團法案、第十一油糧配給公團法案、第十二飼料配給公團法案、この三案を一括上程する豫定を進めておりますから、これに關連する資料をひとつ要求してもらいたいと思います。こちらもできるだけ準備をいたしまして、早いめに皆さん方に資料を提供するつもりであります。
○森(幸)委員 いろいろ重要な法案でありますけれども、第二の農業資産相續特例法案、これは最も急ぐ法案であります。この家督相續は一日もないときはないのであります。これは憲法の附屬法文としてもつと早く出さなければならぬ問題でありますから、こういう問題を一日も早く提案するように私は希望するわけであります
○井上政府委員 ごもつともな御意見でございますが、この法律案は御存じの通り、家族制度の問題を結びつけまして、愼重を期しまして檢討を加えておりますが、政府も速やかに具體的したいということで全力をあげておりますから、御諒承を願いたいと思います。
○小川原委員 皆さんからいろいろ御意見がございましたが、私も一言申し上げておきたいと思います。この法案につきましてはもう草案が政府のお手許でできているはずでありますから、草案を至急お囘わし願いまして、われわれ檢討したいと思います。委員會でなければわれわれは檢討しないわけではないのであります。委員會に臨んでから初めて草案が出るということでは時日を空費することになりますから、早速お囘わし願わなければならぬ。そしてわれわれがそれを檢討して、疑問のある點は大いに政府に向つて逐次説明を願いたいと思います。草案の出ないような委員會は何遍開いても無意味だと思いますから、その點ひとつ御留意願いたいと思います。
○野溝委員長 各法律案件名に對する御質疑は一應この程度で打ち切りたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野溝委員長 それではこれで打ち切ります。 —————————————
○野溝委員長 次に先般來小委員會をあげまして善處を願つておりました繭價格問題の經緯について小林委員から報告願うことにいたします。
○小林委員 先般の委員會におきまして、繭價の特別委員會ができまして、われわれまだ大した活動もしなかつたのですが、委員會を開催する前から關係の議員各位におきまして、繭の掛目のことにつきまして方々飛び歩きまして、いろいろ働きました結果、われわれの期待いたしておりました値段にほゞ近い値段をもちまして決定をいたしたのでございます。この繭價につきましては、先般この席から申し上げましたように、一九二一年から一九三〇年までの十箇年間の繭と米のパリテイによりまして計算いたしました。本年度の米の値段と比較しました價格から起算いたしまして、その程度でありますと、大體二二四〇掛くらいになるのでありますが、それにさらに將勵的な意味を加えまして二割近くを上げまして二千六百掛に決定した次第でございます。この件につきましては政府でもいろいろ心配をしてくれまして、この點關係者としては感謝をいたしているような次第であります。何分にも繭價の問題はいろいろな食糧の値段等に關係もありますし、またさらに蠶絲業が食糧の見返品といたしまして今後も相當な重要な位置を占めるものでありますので、蠶絲業の問題につきましては、各委員におかれましても、今後とも關心をもちまして御援助願いたいとこの席からお願いする次第であります。 最後に、先般こちらにできましたのは、繭價の對策委員會のような形になつておりましたが、この委員會は繭價がきまつてしまえば一應終るというような感じを受けますので、これは繭價對策委員會でなくて、蠶絲對策委員會といいますか、蠶絲委員會のような名前に變えていただきたいことを私からお願いいたしたいと思います。
○坪井委員 ただいま小林委員から繭價に對する價格引上げについて今囘の發表で二千六百掛の線に上つたという報告がございました。まことにその數字から見ましても重要なる關係上、今囘の價格の點についてはまことに喜んでいる次第でございます。しかしながら米價を基準として今まで繭價というものが立てられておつたのでありますが、麥あるいは馬鈴薯、畑作におけるそうしたいろいろの價格を取入れて價格を上げるという點から見まして、なお米價も二十二年度参米については相當額まで上るのではないか。こういう觀點からいたしますと、蠶絲業の上においても、蠶絲五箇年復興計畫というような點から見て、十萬町歩の桑園を二十七萬町歩にしようというような計畫の線に沿つていく上においては、なかなかまだ至難な點があるではないか。養蠶農家というものが、ひとり國家の見返り輸入食糧を仰ぐ上において犠牲になるということではいけないということを先日も申し上げましたが、今後といえどもまだこれで滿足できません。なんといたしましても、この五箇年計畫の線に沿つて蠶絲業の復興をはかる上においては、まだまだ今後相當大幅な價格の引上げを願う必要があらうと思います。こういう觀點から見まして、ただいま小林委員は、繭價委員というようなことでは繭價のみに關係しているからいけないというような御意見がありましたが、私もこの説には同感でございまして、これは今後蠶絲と改めるということは當然のことに考えられます。繭價が二千六百掛になつたからといつて決して安心はできません。なお一層今後愼重に各般の資料を集めまして、米價のみでなくて、畑作の各作物の價格をとつて今度の掛目におきめ願うというような方向に特にお進め願いたいと思います。つきましては、なんとしても蠶絲五箇年復興計畫をする上においては、桑園の計畫増産をしなければならぬが、現在においては桑苗が非常に減反しつつある状況でございます、これに備えまして、なんとかして増反させねばならぬ。桑苗が今年度において二億二千萬本も必要であろうというのに對して、ようやく三分の一くらいしかできぬだろう。こういうことではいかに繭の價格を引上げてもらいましても、國の施策に副つた増産ができないと思う。この觀點からみまして昨年も桑苗の價格の引上げを願いましたが、本年もぜひとも、いわゆる繭價の引上げに伴う桑苗の價格引上げを願うということが最も必要だとかように考えておりまして、從いましてただいま小林委員から申し述べられたように、どうしてもこれら蠶絲業諸般の問題を解決していくためには、從つて委員會もその線に沿いまして、これを蠶絲委員會ということに改訂願い、設立をいたすとともに、當局におかれましても萬遺憾なきを期して、これらについて十分にこの蠶絲五箇年計畫の線に副うようにぜひ御留意願いたい。それで……
○野溝委員長 ちよつと坪井委員にお諮りいたします。坪井委員は小委員の方でございますから、その趣旨だけお話願つてあとは……
○坪井委員 ぜひとも委員長においてお諮りあらんことをお願いいたします。
○野溝委員長 お諮りいたします。繭價の問題につきましては一應結末を告げたのでございますが、しかしまだ他の物價とにらみ合わせ相當考えなければならぬ點があり、なお蠶絲對策の小委員會を蠶絲對策の小委員會として設置するように願いたひという小林、坪井委員の意見でございます。これは當然委員會の協議事項の中に蠶絲に關する事項というのがありますから、これを取上げて差支えないと思いますので、一應皆さんにお諮りいたします。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○清澤委員 ただいまの御提案でありますが、蠶絲という廣い線だけではちよつと困るのではないかと思いますので、一應その中から審議する目標をはつきりしておいた方が、審議の過程において便利だと思いますので、それを一つ決めた方がいいじやないかと思います。蠶絲全體を漠然とやつていくということになつたら、どこを掴んでどこを收めるのかちよつとぐあいが惡い、その蠶絲の中のどういう點をとり上げるのかはつきりしておいた方がいいと思う。
○野溝委員長 清澤委員にお尋ねしますが、これは小委員會で十分そういう問題をどこを取上げていくかということは、一應小委員會において御審議を願うことにしていつたらどうでしようか。
○清澤委員 今規定からいくと何か定められたものが對象がはつきりせぬのじやないですか。
○野溝委員長 別に差支えありません。さように決定いたします。では正式の委員會はこれで打切りまして、あと懇談會に移りたいと思います。 午後零時十四分散會