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1回国会衆議院1947/10/02

電気委員会 第11号

発言数
7
登壇者
3
会派数
3
開催日
1947/10/02

会議録

前田榮之助日本社会党

○前田委員長 これより會議を開きます。  去る九月二十七日本委員會において可決いたしましたる石野久男君外四名提出の電力危機突破に關する決議案が本日の本會議に上程されることになりましたが、衆議院規則第百三十六條によりますと、「委員會は、その委員の中から討論者を指名して議長に申し出ることができる。議長が承認した討論者については、他の通告者より先きにその發言を許さなければならない。」と規定されております。この規則に基きまして、本決議案の討論者を委員の中から指名いたしたいと思いますが、これについてお諮りいたします。

櫻内義雄民主党

○櫻内委員 本決議案の本會議における討論者は、その數を四名とし、委員長において指名されんことを望みます。

前田榮之助日本社会党

○前田委員長 ただいまの櫻内義雄君の御意見に御異議ありませんか。

前田榮之助日本社会党

○前田委員長 御異議なしと認めます。それでは    石野 久男君  栗田 英男君    村上  勇君  川越  博君を討論者に指名いたします。なお後刻委員長より議長に以上の討論者を申し出ることにいたします。     —————————————

前田榮之助日本社会党

○前田委員長 石山賢吉君から發言の申出がありますからこれを許します。石山賢吉君。

石山賢吉日本自由党

○石山委員 私は將來の石炭計畫と關連した電力計畫について、一つの希望を申し述べて皆さんの御了解を得ておきたいのであります。私のこれからしやべりますことは、まだ調査中の數字が多々ありますので、概略を申し上げるにすぎません。この申し上げた數字は後日若干修正するかもしれません。またそれらの數字が完成した場合においては、一つの決議案のようなものをつくりまして、皆さんの御討議を得たいと存じておるものでありますから、あらかじめその點御了承の上お聽取りを願いたいのであります。  今囘商工大臣水谷氏から石炭増産五箇年計畫というものが發表になりました。これによりますると、石炭は來年度において三千三百萬トン、五箇年目においては四千二百萬トンに達せしめる計畫であります。ところが全石炭需要の大勢を見ますると、とうてい五年後においてはさように多量の石炭の需要がありそうには思えないのであります。それというのは今日の鑛業生産力は減退いたしまして、戰前の約三分の一程度にすぎません。これを戰前程度に囘復いたしまするには、なお相當年月がかかることと推測されるのであります。  そこで戰前にはおよそどれだけの石炭を各種の事業が需要しておつたということを調べてみますと、戰前におきましては、すなわち昭和九年、十年、十一年、この三箇年を平均いたしましたる石炭の需要數量は約四千萬トンでありまして、この内譯、すなわち用途別を申しますと、重工業に使ひましたものが三箇年平均で六百三十三萬トン、纖維及び染色工業に使ひましたのが三百五十六萬三千トン、窯業、すなわちセメントのようなああしたかまどでつくる窯業、これに使ひましたものが三百五十九萬九千トン、化學工業に使ひましたのが四百三十七萬六千トン、食品工業に使いましたのが二百八萬九千トン、船舶の燃料は四百四十二萬三千トン、鐵道が三百七十九萬八千トン、電力が二百八十六萬一千トン、ガス及びコークスに用ひましたのが二百二十九萬二千トン、官廳、家庭その他に用いましたのが六百五十萬四千トン、その合計は三千九百九十八萬七千トン、すなわち四千萬トンであります。この各種需要が、來る五年後においてもこれだけの需要があるかないか。これは將來の豫測に屬しますが、工業囘復力の遲々たるところの現状から見まして大體の推測をくだしますと、重工業は戰前三箇年と變らないものと推定されます。それは戰前において約二百萬トンの銑鐵をつくつておつたからでありまして、五箇年後の銑鐵製造高もおよそこの程度になるかと思うのであります。すなわち銑鐵二百萬トンを基礎とした鐵工業の石炭需要高というものは、およそやはり戰前三箇年程度のものと推測されるものであります。纖維及び染色工業は戰前三箇年の半分になるかと思います。それは戰前三箇年間におきましては、紡績の設備錘數が一千萬錘でありまして、綿の使用量は一千三百二十萬俵くらいでありました。現在は紡績の錘數は三百萬錘くらいでありまして、近く増加を許されましたものを見込みましても、五箇年後においては五百万錘を超えることは困難と思います。すなわち戰前の半分に過ぎないのでありますから、この纖維及び染色工業に使われまする石炭は、戰前の半分になると推測されるのであります。その次の窯業は戰前通り、化學工業は主として肥料製造、硫安を内容とするものでありますから、これも戰前通り、藥品工業も戰前通り、船舶にあたりましては非常にその數が減じておりますから、戰前四百四十二萬トンありましたこの石炭消費量は、おそらくこの中から四百萬トンくらい需要が減ずるものと推測されるのであります。その次に鐵道でありますが、鐵道は三百八十萬トンの戰前の需要でありました。しかしながら昨年の鐵道の石炭消費高は六百四十萬トンでありまして、本年は七百十萬トン、おそらくこれから先行きましても、八百萬トンくらいのところで一段落となるのではないかと見られるのでありまして、これは四百二十一萬トンの需要増加になるものと考えられます。それから電力に使いましたのは二百八十六萬トンでありましたが、これは戰前通りと見ます。その次はガス及びコークスに使用されたる二百二十九百萬トンの石炭も戰前通り、家庭、官廳その他に使われましたるものも戰前通りといたしまして、ここで需要の減るものと需要の増すものとを合計してみますと、減る方が五百七十萬トンで、増す方が四百二十萬トンあるのであります。この差が百五十トンぐらい、これだけ需要減になるのであります。この中に鐵道に使用される分は——鐵道が目下電化を計畫しております。今日を起點としての第一期工事、それのキロ數が一千五百キロくらいでありまして、これに要する石炭の量が二百六十萬トンであります。この全部を電化いたすと見まして、前の鐵道の需要増加高から引いて計算しますと、結局昭和九年、十年、十一年、すなわち戰前三箇年平均の石炭需要よりも四百萬トン需要が少くて濟むのでありまして、凡そこれから先五箇年間の石炭の需要は三千六百萬トンくらいと見て差支えないのじやないか。但しそのうち二百六十萬トンは電化するものと見て、そういうことになるかと推測されるのであります。  この石炭の必要高と、水谷商工大臣の發表された石炭の増産計畫の數字とを對照してみますと、水谷商工大臣の發表された増産數字は、昭和二十四年度において三千六百萬トンに達するのでありますから、すなわち戰前の四千萬トンから四百萬トンの需要減を引いた將來の豫想の需要數字、その三千六百萬トンと一致するのでありまして、石炭は鐵道電化をする限り、昭和二十四年度以降は増産の必要なしという數字が出てくるのであります。この數字は概算でありますから、前にお斷りいたしておきました通り、若干間違いを生ずるかもしれませんが、その點は御了承を願いたいのであります。  一方鐵道電化計畫を見ますと、これは先日當委員會において鐵道當局から示されたる數字でありますが、二百六十萬トンの石炭の節約、すなわち千五百キロの鐵道線路の電化を行いますには十三萬キロの電氣があればいいそうでありまして、そしてこの十三萬キロの電氣によつて、一年二百六十萬トンの石炭が節約されるのであります。すなわち電力一キロで一年に對しまして二十トンの石炭節約が行われるのであります。この經費を勘定いたしますと、電力十三萬キロを起しますものには、今日の建設費に照らしますと二十六億圓ありますれば電源は建設できるのであります。一方石炭の經費を勘定してみますると、運輸省が八月七日の日附をもつて示されたる石炭二百六十萬トンに對する經費の節約額は、二十八億圓と書いてあるのでありまして、これとそれとを差引しますると、石炭を消費する經費をもつて電力十三萬キロを起して、なおかつ二億圓のつりがくるのであります。すなわち電源をただ使つて、そうしてなおかつ幾分金が殘るという計算でありまして、この經濟は比較にならないほど鐵道電化の方が有利であります。しかも石炭は私が申し上げるまでもなく、石炭の從業者が地下深きところに毎日行きまして、そうして苦心して採掘をするものでありますから、一日も、また一トンも少く石炭を掘ることが、人類の福祉を増進する方法かと考えるのであります。一方またこの蒸氣を使います鐵道を見ますると、蒸氣をつくつてその一番大切な機關部を空氣にさらしまして、最も冷えやすい状態におくのでありまして、鐵道の装置というものは、科學的に見て最も不經濟につくられておるのであります。自動車は逆にエンジンを冷やす必要がありますので、これは空氣と水によつて冷やす必要からエンジンを前につけておきますが、鐵道はうしろに機關をつけますと運轉に差支えますので、よんどころなく前につけておきますが、あれは最も非科學的の方法でありまして、一日も早くああした非科學的な装置は破るべきが至當であります。その上に鐵道の運轉者は、非常に暑いときでも熱いかまのわきにおきまして、特にあれがトンネルにでもはいりましたときには、ほとんど焦熱地獄にもひとしい苦しみをするのでありますから、この從業員の幸福増進、危害を除くというような點から見ましても、一日も早く電化を促進し、電化の量を殖やすべきものかと思うのであります。ひとりこれのみならず、すべてこの熱量に用いておる方の石炭は、あるいは動力に用いるものでも、石炭をまるごとたいて、そうして他の化學成分を煙にしてしまうのでありますから、こういうことは一日も早くやむべきが至當であるにもかかわらず、政府は一路邁進、單に今日石炭が不足であるからと言つて、需要のいかんを顧みずして石炭のみ増産をするということは、すなわち石炭偏重の政策でありまして、電力の性能、電力の經濟を顧みない、すなわち國家總合經濟計畫から言いまして、私は遺憾の點がはなはだ多いように考えるのであります。  これは是正するためには、すなわち當委員會が最も重要なる役割を果すものでありますので、私もなおこの上研究いたしまして電力を速やかに開發し、そうして石炭の需要をできるだけ少くする案をつくりまして、後日皆さんの御審議にあずかりたいと思いますから、さよう御了承を願つておきたいと思うのであります。一言この機會に發言させていただきました次第であります。以上をもつて私の申し上げまする趣旨は終りました。

前田榮之助日本社会党

○前田委員長 次會は公報をもつて御通知申し上げることといたしまして、本日はこれにて散會いたします。    午前十一時五十九分散會

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