通信委員会 第13号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/09/26
会議録
○岡田委員長 會議を開きます。 これより前會において延期した請願竝びに九月二十三日本委員會に付託になりました請願につき審査ののち、さらに特定局制度問題について審査いたします。 日程第一、鎭玉村役場附近に無集配郵便局設置の請願、文書表第三七五號、紹介議員川合彰武君の説明を求めます。
○川合彰武君 靜岡縣引佐郡鎭玉村役場附近に無集配郵便局設置の請願の理由を申し述べます。この靜岡縣引佐郡鎭玉村と申しますのは、靜岡県の西北部に位しておりまして、愛知縣と境を接しておるわけであります。所在地點は濱松からバスで約二時間ばかりの所でありして、最も山間の僻村でありますが、本村は周圍が約五里でありまして、字は澁川、田澤、久留女木というような三つに、わかれております。戸數は七百五十戸、人口は四千五百六十七人であります。しかしながらその地域は靜岡縣におきましてかなり大きな方でありまして、いわば山林經濟地域であります。ところが現在郵便局はこの村の最も北部の澁川のみにありまして、ほかの久留女木とか、あるいは田澤區域の人たちは郵便局に參りますのに直線距離で道路を經て約一里半とか、あるいは二里というような不便な地域にあるのであります。從いまして本村の中央である鎭玉村役場附近に無集配郵便局を設置していただきたいというのがこの請願の理由であります。かような村の構成状態でありますので、小學校のごときも本村は三つになつておるというようなわけであります。殊に最近におきましては、本村が國有林開拓、あるいは入植事業、あるいは木材工業といつたようなことからいたしまして、産業經濟方面にも非常に隆盛を來しつつあるようなわけでありますが、先ほど申しましたような關係からいたしまして、一里あるいは一里半も遠くに行きまして郵便の用務を果すとか、あるいは赤石山脈を越えて愛知縣にある郵便局に行くというような、非常に郵便の用務に關しましては不便な状況に相なつておるわけであります。從いまして、最近村の状態が非常に經濟的にも隆盛を來たしつつあるような経状に鑑みると同時に、また本村が現在二つの村に分村計畫があるというような状態にあることに鑑みまして何とぞこの請願に御贊成を賜わりまして、ぜひとも御採擇を願いたいと思います。以上簡單に請願の理由を申し述べまして、まし御質問があれば承りたいと考えます。
○岡田委員長 本件に關する政府側の意見を聽取いたします。
○小笠原政府委員 ただいま御紹介のございました靜岡縣引佐郡鎭玉村役場附近に無集配郵便局を設置いたします件につきまして申し上げたいと存じます。本設置を豫定せられるところの鎭玉村大字別所字細口はただいま御紹介にございましたように、もよりの局でございまするところの澁川郵便局までの距離も四・四キロございまして、お話のようにその地方の方々の郵便局利用上御不便があることと存ぜられます。その細口にかりに郵便局を設置すると考えました場合の、その郵便局を利用いたします戸數の點から考えますると、大體遞信省として設置いたしております標準にようやく達する程度でございます。ほかにもこの種の希望せられておりますところの土地との權衡の問題、つり合いの問題が一つございますることと、もう一つは、現在の通信事業の財政状況は御承知の通り非常に苦しい状況でございますので、本年度におきましては、積極的な擴充というようなことになりますものは原則としてできるだけ差控えまして、現在の施設を維持し、そのサービスを改善するという方面にできるだけの重點を注いでいきたいと考えております關係もございますので、さしむき本年度におきましてはこの置局を實施いたしますことは困難であろうと存ぜられます。しかしながら御紹介の通りにその地方の方々の通信利用上御不便もあることと考えられますので、將來計畫上の參考といたしたいと存ずる次第でございます。
○岡田委員長 本請願に對する質疑はありませんか——それでは次に移ります。
○岡田委員長 日程第二、鹿兒島縣下硫黄島に無線電信電話局復活の請願、文書表第四六四號、上林山榮吉君紹介、日程第四、十島村、黒島及び竹島に特定郵便局設置の請願、文書表第四九三號、同じく上林山榮吉君紹介、この二件を一括して議題に供します。紹介議員上林山榮吉君から紹介説明を求めます。
○上林山榮吉君 第一に鹿兒島縣下硫黄島に無線電信電話局復活の請願についての要旨を御説明いたしたいと思いますが、該硫黄島は鹿兒島縣の十島村にあるのでありまして、戰時中は無線局が設置されておつたわけでありましたが、その後事情によりましてこれが撤去されたのであります。しかるに今日に至るまで政府においては何らの處置が講ぜられないために、この方面の島民は非常に不自由になつておるのであります。殊に南方に位する絶海の孤島でありまして、鹿兒島との通信運路はわずかに船によつてせられておるというよいな状態でありまして、この點先ほど政府委員の説明にありましたごとく、單に遞信省の基準による擴充というような概念からいきますと、あるいはその基準に達し得ない點もあるかもわかりませんが、こういうような特殊な方面については、特殊な見解をもつていただきまして、こういうような方面の交通、あるいは文化、經濟、あらゆる方面を助ける意味において本無線電信電話局の復活の請願をいたしたのでありますから、委員各位におかれましても、ぜひとも各般の事情を勘案せられまして、御採擇くださるようにお願いをいたしたいと思います。 次いで同じく十島村の黒島及び竹島に特定郵便局設備の請願でございまするが、これも先ほど御説明申し上げましたごとく、特殊の事情によつてぜひとも實現をせられたい。こういうのであります。なおこの島と島との距離は御承知のごとく非常に離れておりまして、この點特殊な事情があるものと考えまして紹介をいたしたのでございます。この點もぜひとも委員會におかれても御採擇を願いたいと思います。簡單に御紹介を申し上げます。
○岡田委員長 この二件に關する政府側の意見を聽取いたします。
○中山政府委員 ただいま御紹介をいただきました案件のうち硫黄島に無線通信施設を設置する件につきまして政府の意見を申し上げます。ただいま紹介議員の方から御説明がありましたような御事情は、遞信者といたしましても十分承知いたしておりまして、この島に無線施設を復舊いたしますことについては極力計畫中でありまして、殊に御説明のありましたように、戰時中にありましたものが軍の必要によつて破壞撤去てれまして、現在非常な御不便に當面いたしておられる實情からいたしまして、遞信省といたしましては、法規とかまた標準とかいうことにあまり拘泥せずに、むしろ戰災をこうむつたものという見地から、その復舊を優先的に考慮いたしたいと考えておられます。現在終戰後の混亂によりましていろいろな設備が行方不明になつておりまして、いろいろ困難もございますが、全力をあげまして來年度の計畫には優先的に考慮いたしたいと考えておる次第であります。その點ひとつお含みおきを願いたいと思います。
○小笠原政府委員 それではただいま御紹介のございました十島村大字黒島及び竹島に郵便局を設置する問題につきまして御説明申し上げたいと存じます。ただいま御紹介にございました通り、郵便局のありますところの硫黄島から相當距離が離れておりまして、また船便も缺航がちであるかのように承知いたしておりますので、島民の方々の通信利用に相當御不便があることは十分にお察し申し上げます。しかしながら郵便局を設置いたします問題といたしましては、他との振合上、今ただちに今年度實施いたすということは、まことに遺憾ながら困難であると考えられまするが、もちろん離島の特殊性に鑑みまして、郵便局を設置しないでも、さしむき何らかの方法で通信の利便を提供する方法ができやしないか、たとえば硫黄島郵便局から船便を利用しまして出張扱いをするというようなことも研究する價値があるものと考えられますので、所轄遞信局でありますところの熊本遞信局に照會いたした上で、もの實際實行可能で、また適切であると認められます場合には、これが實施方を考慮いたしたいと存じております。
○岡田委員長 本件に關して何か質疑はありませんか。
○千賀委員 ただいまの三つの島の面積と戸數、人口がおわかりになつたら承りたいと思います。
○小笠原政府委員 面積はちよつと材料をもつおてりませんけれども、戸數は黒島は百二十八戸、それから竹島は五十八戸でございます。それで御質問にはございませんけれども、距離から申しますと、硫黄島から黒島の方は大體十九海里それから竹島の方は六海里離れております。硫黄島の戸數はちよつと今資料をもつておりませんので……。
○千賀委員 わからなければ、また次の機會に知らしてください。
○岡田委員長 ちよつと私からお尋ねしますが、かような離れ島は通信は現在までどういう方法で實際配付され受付けておりますか。
○小笠原政府委員 離島に對しましては、もちろん一般の地況とは状況が違いますので、必ずしも一般的の標準のみに拘泥しないで、できるだけ實情に即して郵便局を設置するように考えておりますると同時に、その島々の郵便物を取集め、あるいは配達いたしますのは船便を利用いたしまして……。
○岡田委員長 それはわかつておりますが、その船便は月に一囘か二十日に一囘ぐらい出しておるのか、その都度だれか島に委託する人とか何とかあるのですか。
○小笠原政府委員 地況によりましていろいろございますけれども、直接本局から取集めに行き配達するといふ方法もございます。それからその島の人に契約で郵便物の集配をいたす仕事を委託するという方法もございます。それぞれその地況に應じましてやつております。
○上林山榮吉君 政府委員の説明の中に、あながち一定の標準によつてのみこういう問題を取捨選擇はしない、特殊事情を考慮する餘地は十分にある。こういうような御意見があるようでありますが、この御意見は當然のことであつて、特にこういうよう離島に對する不便というものは數字的にもよくおわかりになつておるのでありますから、どうしてもこの際これが採擇をお願いすると同時に、政府側においても私はもつと積極的な意圖を示していただきたい、こういうふうに概括的に考えますが、實際上月に一囘、あるいは海の荒れる場合はほとんど數十日も船が出ないというような状況もありましようし、しかも小さな船でわずか一つしかない硫黄島の郵便局まで、島民がいろいろな問題をもつていくというようなことは、ほとんどできないのでありますから、特殊郵便局をぜひとも設置していただきたいが、何か特別の方法があるかのごとく承りましたけれども、そういうような特別な方法でも、まず第一段階として熱意をお示しにならなければ、普通の基準によつて文化に浴しておる方面の者と比べて、あまりいも私は差別的なやり方ではないかというように考えます。そういう一般的な實情はもちろんのことでありまするが、この席上で大きく取上げられないけれども、日本の現在における南の方の島であるというような、そういう特殊の事情も私どもはよく大局的にお取上げにならなければならぬのではないか、こういうふうに考えるのであります。どうぞ特殊事情のうちの特殊事情だというようなことをお考えくださいまして、委員會におかれましてもぜひとも御採擇をお願いしたいし、併せて政府側においてももつと積極的な御研究と對策が願いたい。こういうふうに希望を申し上げまして、私の説明を終りたいと思います。
○小笠原政府委員 ただいまのお話はほんとうにごもつともでございまして、先ほど申し上げましたように、早速これは所轄遞信局に照會いたしまして、何とか適當な便法を考えたい、かように考えます。
○千賀委員 無線關係の政府委員がお見えになりますので、特にお伺いしたいのですが、硫黄島に無線局をつくるとすれば、鹿兒島と通信連絡の可能の程度のものができるのか、全日本と通信連絡ができるものをおつくりになるのか、その點を伺いたいのであります。というのは、なるべくそうしたものは効用の廣い程度でできることがよいのだと思うのですが、もしかおつくりになるならば、どの範圍のものをお考えになつておるか、伺いたいと思います。
○中山政府委員 具體的に硫黄島にどの程度の無線を設置しますかについては、まだはつきり技術系統の方から聽いておりませんが、大體從前のその他の例によりまして、一應鹿兒島との間に無線連絡が確保されるという程度のものを目標としておるのではないかと思うのであります。それは大體硫黄島におきまする設備の大きさが、いろいろの事情で制限されまして、發電能力、その他その地域で使われます波長の問題というようなことで、自然に鹿兒島を相手にする程度のものになると思います。しかし現在非常無線の連絡を計畫しておりますので、非常時に對應する施設能力としては、ある程度本州の中心近くまで無線効力が及ぶような設備にもしなければなりませんから、その點も考えまして、できるだけ充實した設備にいたしたいとは計畫いたしておりますが、さしあたつての目標は、鹿兒島を相手というふうに今考えておる次第であります。
○岡田委員長 ほかに質疑はありませんか—では次に移ります。 —————————————
○岡田委員長 日程第三、三尾郵便局で外國からの小包特殊取扱の請願、松本眞一君紹介。紹介議員松本君の説明を求めます。
○松本眞一君 私松本であります。問題の郵便局の所在地である和歌山縣日高郡三尾村は、日本でも名高いアメリカ村でありまして、今なお千数百名の村民が北アメリカ及びカナダに滞留いたしまして、毎月それらの人たちから送付せられてくる小包が三百箇ほどありまして、それがだんだん殖えてまいるのであります。ところがあいにく三尾村郵便局は無集配局でありまして、それでその小包を受取りに行くために二つの相當な坂を越えて、隣村の比井局へまいるのであります。ところがこの小包が、今日の時勢にありまして、なかなか高價なものが包まれておるものであつて、頼まれても、ちよつと萬一の場合に責任を負わねばならないのでとりに行く人がなくて、いきおい送られた者が一日の仕事を休んで、二つの坂を越えてとりに行くという現状でありますから、どうぞ特別のお計らいをもつて三尾郵便局に小包の特殊取扱をお許しを願いたいのであります。どうぞよろしくお願いいたします。
○岡田委員長 本件に關する政府側の意見を聽取いたします。
○小笠原政府委員 本件につきまして所轄遞信局でありまする大阪遞信局に實情を照會いたしましたところ、大阪の遞信局の方にも御同様のお申出がまいつておりましたので、同遞信局におきましてはつとめて受取人の方の住所に配達のできるようにしたいという氣持から、集配事務を受持つておりますところの比井郵便局の集配人の増強をはかりまするとともに、その小包の遞送のために必要な施設の計畫をいたしたのでございますが、現地は非常に不便な土地でありますので、その實地上いろいろな難點があつて、ただちに御期待に副うような處置がとれないで今日に至つておる由でございます。しかしながらただいまお話のような状況でございますので、御趣旨に副いまして、本件外國小包がすべて比井郵便局から三尾郵便局に送付いたしまして、三尾郵便局に留めおくことにして、受取人の方に對しましては、到着した通知書を發して御來局を求め、小包はその窓口でお渡しするよう、本月初旬、大阪遞信あてにすでに指令をいたしておきましたから、さよう御了承くださるようにお願いいたします。
○松本眞一君 ただいま御當局のお話を拜聽いたしまして、非常に敏速にお計らいを願つたことに對して、村民一同を代表いたしまして、厚く御禮を申し上げます。ありがとうございました。 —————————————
○岡田委員長 それでは次に移ります。日程第五、今町郵便局に電話架設の請願、紹介議員森山武彦君の紹介説明を求めます。森山君。
○森山武彦君 私は宮崎縣都城市今町郵便局に電話架設の請願につきまして御説明申し上げます。ただいま請願いたしておりまするところの郵便局は、このごろできたのでありますが、實はこの開局前約十數年の間、ここには電話が架設してあつたのであります。ただいまの郵便局の前の國民學校に電話が通じておつたのでありますが、終戰後の大暴風でこれが破損しまして、そのままになつておる次第であります。ここには國民學校、あるいはまた停車場、製材所、製茶の工場がありまして、市内有數の地點でありますけれども、何分市の本局から一里半も離れております。今までこの唯一の電話が、この部落の大事な機關であつたのでありますが、かような次第で破壊されましたまま、今日に至つたのであります。ところがここに郵便局が開局されまして、同時に電話が架設されるものと思つておりましたところが、ここには電話が架設されなかつたのであります。そこでいろいろ承りますと、二十三年度とか、四年度とかに架設する用意があるというお話でありますけれども、かような次第でありまして、電報の配達も約一里半離れております結果、配達料を徴收されるのでありまして、一日も早くこの架設を要望しておる次第であります。十數年間架設されておりましたところのこの國民學校の電話復舊の意味におきましても、また郵便局開局を意義あらしめるためにも、ぜひともこの請願者一同の意思をおくみとりくださいまして、御採擇あらんことをお願い申し上げる次第であります。
○岡田委員長 本件に關する政府側の説明を聽取いたします。
○中山政府委員 まことに恐縮でございますが、この請願の件につきまして、書類をいただきましたのが一昨日の夕方でありましたので、現地その他關係の遞信局の方に問い合せてはおりますが、實地の調査がまだできておりませんので、ここでちよつと具體的に政府側の御説明を申し上げることができません。恐縮でございますけれども、もうしばらく時日をかしていただきましたならば、仕合せと存じます。
○岡田委員長 本件に關して何か質疑はありませんか。野上君。
○野上委員 私は先般この今町に行つたのでありますが、今同僚森山議員からこういう請願があつて、初めてあそこに電話がないということに氣がついたわけですが、あそこに電話がないというのはまことに不思議に思う次第です。今森山議員からも請願がありましたように、地理的な條件いろいろ考慮しまして、速やかに電話を架設されるよう、お願いしたいと思うのであります。
○岡田委員長 ほかに御意見がないようでありますから、次に移ります。 —————————————
○岡田委員長 これより日程第六、特定郵便局制度撤廃の請願、坂東幸太郎君紹介。同じく第七、特定郵便局制度存續の請願外五件、庄司一郎君紹介。同じく第八、特定郵便局制度存續の請願外十一件、庄司一郎君紹介。日程第九、特定郵便局制度存續の請願外二件、庄司一郎君紹介。この四件を一括して議題に供します。この件に關しましては、前に紹介議員の説明竝びに政府側の意見の聽取も濟んでおり、なお參考としまして全遞側、全特連側の意見も聽取いたしたのであります。しかし本件はすこぶる重要な問題でありますので、委員會といたしましても、愼重にかつ委曲を盡しまして御意見を求めたいと考えますから、特に本日上程いたした次第であります。各委員におかれましては御腹藏なく御意見を闘わしていただきたいと存じます。なお本件の討論採決につきましては、他のたくさんの請願諸件とともに後日に譲りたいと思います。海野君。
○海野委員 この特定郵便局のそもそもの起り、どういうわけでこの特定郵便局を初め遞信省がつくつたのでありましようか。それをひとつお伺いいたしたいと思います。それからこの特定郵便局を廢止いたしまして、遞信省の管轄にするとすれば、建物その他豫算面においてはどれくらいの數字になるのでありましようか。また遞信省としまして特定郵便局があるために御不便なる點、及び利益のある點、そういう點をお伺いしたいと思います。
○小笠原政府委員 現在のいわゆる特定郵便局制度は、御承知のように明治初年日本に初めて新式郵便制度が實施せられた當時におきまして、その明治初年における明治政府の財政状況から勘案されまして、多數の郵便局を全國に速やかに普及させるためには、とうてい直轄してやるだけの當時の財政状況が許さなかつた模様でございます。さような意味で地方における名望の士等に郵便取締役という仕事を委囑いたしまして、その方々が郵便局舎等の設備を提供して、いわゆる請負式な經營方法でこの新式郵便制度を實施したのがその沿革のように承つております。かようなわけでわずかの期間の全國津々浦々まで通信機關が普及されるに至つたものと考えられますので、この特定郵便局制度は、まことに日本における通信事業の發達のために非常に大きな貢獻をしておるものと私どもは考えておるのでございます。 次に、これを全部政府の直轄にしたらどれくらいの經費がかかるか、こういう御質問でございますが、今日の特定郵便局におきましては、やはり郵便局舎は特定郵便局長が提供する義務をもつておるのでございます。御承知のように、局運營のために必要な物件費は官からいわゆる渡切費という形式によりまして支給いたしておるのでございます。人件費は今日におきましては全部直轄經理になつております。從いまして、局長に支給するところの渡切費を通さずに、一般の普通局の場合と同様に、從事員に對する給與は直接支給されておるのでございます。これをもしかりに、局舎であるとか、あるいは事業運營のために必要な各種の備品であるとか、そういつたものを國においてすべて提供し、設備するということになりますれば、何分にも一萬三千の局のことでありますから、もし理想的な形態として考えまするならば、國有國營というかつこうになるわけでございますが、一萬三千の局舎及びその一切の設備を國において所有して國有として經營するということになりますれば、非常に大きな經費が要ることは申すまでもない次第でございます。私はただいま手もとに具體的の數字をもつておりませんので、はつきりした數字は申し上げかねますが、大體現在の局舎は、集配事務を扱つております特定郵便局におきましては、平均して坪數が四十坪くらいでございます。それから集配事務をやつていないいわゆる無集配局は平均いたしますと十五坪前後だろうと考えます。さような約一萬三千の郵便局があるわけでございますから、もし理想町形態としての國有ということを考えます場合には、莫大な經費が必要であることは申すまでもないわけでございます。 それから次の御質問は特定郵便局制度のよすところと悪いところという御趣旨のように了解いたしましたが、御承知のように、特定郵便局の局長は、廣く部内外の有為の人材で、その地方の事情に即した有能の士を特定郵便局長に任用する建前になつておるのでございます。同時に、先ほど申し上げましたように、その局の運營のための經費は渡切過という形式によりまして、できるだけ經濟的に運營するように考えられておりますので、特定郵便局は一つには最も民衆的な制度であると考えられる次第でございます。ただいま申し上げましたように、局長はいわゆる自由任用の方法によりまして、その地方の事情に即した局長を任用し、比較的長くその郵便局に勤務するものでございますから、その地方の各方面との間にきわめて緊密な連繋を保つて、その識見、才能等を特定局の局務の運營に反映させ、局務成績を向上させることができますると同時に、郵便局の仕事を擔當するにあたりましても、單に特定局長としての責任感に止まらず、さらにこれをもつて自己の郷黨に對する責務として、永續的な努力を傾けることを期待いたしておるのでございます。さような結果、郵便局といたしまして民衆に最も親しみやすい性格を與え、通信機關の機能を一層よく發揮することができるものと考えられるのでございます。官廳機構の中におきましても一つのきわめて特色のある民衆的な機關である、かように考えられる次第でございます。なお、先ほど申し上げましたような特定局の經營の面から考えまして、できるだけ合理的な限度において、できるだけ經濟的に局を運營するように努力いたしておりまするので、通信サービスの普及をはかる上におきましても、比較的効果的な制度であろうと考えておる次第でございます。しかしながら、特定郵便局が今日いろいろと問題になつております點は、すでに各方面からの實情を御聽取りになりまして御承知のことと存じますが、あるいは請負的な點に對する意見もあり、あるいはまた世襲的であるというような點に對する非難もあるようでございますけれども、これらの現在の事態から見て適當でない點は速やかにこれを是正することにいたしたいと考えておる次第でございます。
○海野委員 そういたしますと、原則としては特定郵便局が存在するということはやはりいけないこと、間違つておることでありますね。つまり經費が足りなかつたから特定郵便局をつくつたのだと言われますが、遞信事業が國家の仕事である以上は、やはり原則としてはこの特定郵便局は將來存續すべきものでないというふうに私は考えるのであります。理論上は特定郵便局は存在すべきものではなく、直接政府がやるべきものであるというふうに思いますけれども、しかし現在の足もとをながめてみますと、ここに莫大な經費を要し、今日の日本の財政上一擧にこれを改めるということがとうてい不可能でありますがゆえに、この特定郵便局としていけない點、すなわち、局長がその局員を採用する上において、また、地方の特定郵便局において多々見受けることがありますが、局長の威令が行われていないというようなことを私は再三耳にもし、實際目撃をしておる一人であります。それゆえに、この缺點を補つて、そうして今の状態ではやはり特定郵便局を認めていかなければならないのじやないか、そうしてまた將來は經濟上の許す限りにおいて、その特定郵便局を順次政府の直轄のもとにもつていくべきではないかというように考えますが、根本は私はその存在するということがやはり間違いではないか、こういうふうに思います。間違いであつても、今足もとをながめていくと、國家の財政上いかんともしようがない。そうしてみたならば、この特定郵便局の缺點、そういものを補つて、とにかくこの特定郵便局の存續をやはり認めなければならないのじやないかというふうに私は考えるのであります。政府御當局はどういうふうにお考えでございましようか、御意見を伺いたい。
○小笠原政府委員 遞信省といたしましては、この特定郵便局そのものは、ただいま申し上げましたように、通信機關といたしましてぜひ必要な特色であるところの、民主性と言いますか、利用者の方々から親しまれる機關でなければならないというところから考えましても、また比較的の問題でございますが、きわめて小規模の通信機關でありまする關係から、できるだけ合理的な範圍において經濟的な運營をはかるという意味におきまして、特定局制度そのものは適當な制度であると考えるのでございます。けれども、その實際の運用におきまして、今日の時勢から考えまして、若干不適當と考えられる點がございます。さような缺陥を除去することによりまして、特定局制度のいいところを活かしていきたいというのが、遞信省の考え方でございます。
○海野委員 了承いたしました。
○岡田委員長 白井君。
○白井委員 申し上げるまでもなく、今この特定局の存發問題をめぐつて、世論が著しくにぎやかになつてまいつておるようであります。私どもは國民の一人といたしまして、國民的な立場に立つてこの問題を考えまする場合に、この特定局なるものが存在しようと、あるいは發止されようとも、要は國家の獨占事業であるところの遞信事業の本質そのものが、廣く國民の期待に副うところの結果を示すことになり、また國民一般に文化の惠擇を與えるという結果になれば、それで目的は達せられると思うのであります。先ごろ特定局の發止の問題につきまして、請願書がたまたまこの委員會に提出されたことによりまして、私ども委員會の構成分子の一人といたしまして、これに關心を寄せるに至つたのでありますが、要は結局特定局の局長であり、あるいは從業員でありましても、それは政府の職員であるはずであります。しかもその職員が中心となつて、そうして本省に對していろいろの意見をここに請願の形式によつて、内容を明らかにして訴えておるという實情であるのでありまして、それは請願書の内容にも明らかにされておることによつて、われわれはこれを知るのであります。私どもは決して國民に迷惑を與えることなく、また何らそこに國家事業としての本質を違えないという限度におきましては、あえてこの特定局の廢止ということを今考えたくないのであります。しかしこの内部的の問題におきましては、いろいろここに非難さるべき問題が多々あると思うのでありますが、とりあえず私はここに政府當局に對しまして一應お聽きして參考の資にしたいと思つておるわけであります。 先ごろ貿易再開によりまする貯蓄の奬勵運動がしきりに叫ばれておるのでありますが、普通郵便局におきましては、この責務の完遂ができないというようなことを言うておる向きがあるやに聞き及んでおります。定員増員の要求をはたして政府當局に提言しておりまするかどうか、この點であります。そこでこの特定郵便局は、いろいろ書類の内容を檢討してみまするというと、普通郵便局定員の三分の二の員數をもつて局務を處理しておるのみならず、その貯蓄奬勵運動に對しましても、何ら定員の増員を要求してないというようなことを聞き及んでおるのでありますが、この關係を承りたいと思います。 それから一般的な問題といたしまして、局長が業務用配給物資を流用する傾きがあるということを言われておるのでありますが、具體的にそういう問題を御檢討なされましたかどうか。それから局長は資本を代表するところの特殊官吏である。ゆえにその任用にあたつては手腕、力量、あるいは經歴というようなものを問わないとする意見が出ておるのでありまするが、はたしてそういうようにお認めになりますかどうか。 それから局長の任用に對しまして、局長會幹部または有志らの策動が行われるということでありますが、事實そういうことがあつたかどうかという點もひとつお伺いしたいと思うのであります。 なお局長の任用にあたつて地位の賣買が行われるということが言われておるのでありますが、そういう事例がはたしてあつたかどうかということも併せてお伺いしたいと思うのであります。 そうして最後に、狹隘なる局舎に執務しておるために、また局長がすこぶる利潤の追求に汲々たる結果として、一般の從業員が劣等感を抱くに至つておるというような精神的な影響は、どういう面に現われておるかというような諸點について、ごく簡潔に御説明願いたいと思うのであります。
○小笠原政府委員 ただいまの御質問の點につきましてお答えいたしたいと思います。第一の民間貿易再開に際しまして、貯蓄増強のために定員の増員を特定局方面から要求しておるかどうかという御質問でございますが、實は私は貯蓄の方を擔當しておりませんので、あまり正確なお答えはできませんので、これはなお調査いたしまして、間違つておりましたならば、別途さらにお答え申し上げたいと思います。今日までのところ正式な方法によりまして増員の要求が總體的にあることは聞いておりません。あるいは個々の郵便局につきまして、そういう事例があるかどうかは存じませんが、全體的に増井の要求は聽いておりません。 第二番目に局長が業務用の配給物資を流用しておるといううわさがあるが、具體的に檢討しておるかどうかという御質問でございますが、私どもといたしましては、特定局長が業務用のために配給されました物資を流用しておるということは聞いておりません。もちろん單に特定局長に限らず、すべていかなるものにいたしましても、業務用の配給物資を適正ならざる方面に流用しておるというようなうわさでもございますれば、ただちに關係の向きにおきまして、あるいは監察でありますとか、その他の機關によりまして、遞信省自身といたしましても嚴正に調査、檢討し、要すればこれを摘發し、處置するということにいたしておるわけでございます。 第三番目に特定局長は資本を代表する特殊官吏であるから、任用にあたつて手腕とか力量を問わないという説があるがどうであるかという御質問の御趣旨のように了解いたしましたが、先ほど申し上げましたように、特定郵便局長が今日におきましては、局舎竝びにその局舎の敷地等を提供する義務を負つておるということは事實でございます。しかしながらそういうような物的條件をもつておるからといつて、手腕力量を問わないということはもとよりなにわけでございまして、特定郵便局として最も人格、手腕、力量のあり、しかも地方の事情に即した人物を起用するように努力いたしておる次第でございます。 それから第五番目に、特定局度の地位の賣買の事例があるのであろうという御質問でございますが、特定局長の地位そのものの賣買ということは私どもは聞いておりませんし、またあるべき筋合のものではないと存ずるのであります。ただ先ほど申し上げましたように、局舎でありますとか、あるいは設備というものは特定局長が提供いたす義務をもつておりますので、甲の局長から乙の局長に送ります場合において、その設備等を前任者から後学者に讓渡するということはあり得るわけでございます。しかしながら、かりにさようなことがありましたところで、特定局長の人事は遞信大臣の責任のもとに行われておるわけでございまして、さようなことに左右されることは絶對にないことは申し上げるまでもないことでございます。 それから第六番目に、特定局長が利潤を追求し、それがために局員が劣等感を抱いておるようなことはないかという御質問でございます。今日の特定局長は現在の一般社會情勢に即應しまして、通信事義の發展のために鋭意努力いたしておるのでございまして、さような利潤を目的にして特定局を運營するというような人は、もちろん原則としてないものと考えるのでございます。しかしながら、もちろん多數のことでありますから、あるいはきわめて例外的に、必ずしも適正でない局の運營をいておる特定局長が絶對ないということも申し上げ兼ねるわけでございます。そういうような向きの發生を防遏いたしますために、遞信省といたしましてはいわゆる観察制度がございまして、これが常に全國の郵便局を監察いたしております。もし少しでも適當でない運營等をしておる向きがございますれば、かような場合には必要なる注意、警告をし、處置をとるということによりまして、十分遺憾のない局の運營を期しておる次第であります。 それから第四番目でございましたか、局長の任用にあたりまして、局長會であるとか、局長會の幹部等の策動であるとか、そういうようなことはないかという御質問でございますが、特定局長の任用にあたりましては、遞信大臣の責任のもとに遞信局長がその仕事を擔當いたしております。遞信局長がその仕事を擔當いたしますにあたりましては、よく地方の實情に即した人格識見すぐれた有為の士を特定局長に任用するように鋭意努力いたしております。そのために局長の選定にあたりましては、各方面の意見等も必要に應じて參考として聽取いたすことをやつております。さような關係から、もちろん場合によりまして遞信局長が必要であると考えます場合には、特定局長會の幹部の意見を聽取することもあり得ると存じます。しかしながら、それらのことは、遞信局長が適正なる人事をやるために必要な場合において、必要な方面の意見を參考として聽取するというだけでございまして、策動というようなことは絶對にない、かように考えております。
○白井委員 大體ただいまの御説明によりまして、平素私どが豫想しております線に沿うての御説明を拜聽いたしまして、十分滿足いたしました。但しただいまの御説明等を基磯にいたし、また内容に織りこんで、いろいろその他諸種の問題について最後の意見を決定いたしたいと思う次第でございます。本日は私の聽きしようとすることはこの程度であります。
○成田委員 特定局制度の利害得失、一長一短という問題につきましては、たびたび政府委員からも御説明になりました。先ごろ開催されました全特連、あるいは全遞の意のありところも十分了承いたしました。結局この問題は二月の二十三日でございましたか、全遞側と全特連、遞信省側で申合事項をしておる、この六つの申合事項の運用いかんによつて、この利點を殘し、また弊のあるところはためることができるのじやないかというように考えまして、この申合せ事項の合理的運用をやれば、結局特定局長制度は廢止される、あるいは考えようによつては存續させるという結果になるのではないかと思います。私の考えといたしましては、この六つの申合せ事項について政府が具體的にどういう對策をお考えになつておるかということをお聽きいたしまして、その内容いかんを検討してみたいと考えるわけであります。たとえば申合せ事項の第一であります自由任用において、現在の特定局長任用規程によりますと、相當財産の裏づけがなければいけない、あるいは世襲的のにおいのあるところもありますが、そういう點について政府はどういう改正意見をもつておられるか。特に全特連に政府の改正試案というものをお示しになつたそうでありますが、それに對して全特連からまた答申書が出ておる。その兩者の内容について御報告願いたい。 それから局舎の問題については有償とし、漸次これを直轄に移すということになつております。直轄に移すということは、直接に購入することでありましようが、買收することは現在の政府の財政状態から言つて困難だと思いますから、全面的に有償として賃貸借するということが當然の問題となると思いますが、その有償の程度いかん、たとえば坪いくらとか、そういう問題について政府はどうお考えになつておるか。 それから渡切費であります。この渡切費については、私經濟的な性質を拂拭して公經濟的な性質を與えるということでありますが、その内容的のお考え、それから切手渉合の經理、これについてもこれを合理化する。それから從事員の待遇竝びに厚生施設を、他の普通郵便局の待遇と同じにする。それについての具體的なこと。さらに特定郵便局長の生活費、給與の改善をしたいというようなお考えのようでありますが、その給與改善の内容について、本日でなくてもよういうございますが、この申合せ事項の六つの具體的な實行方針について伺いまして、それについて態度を決したら、大體において特定郵便局の長所は殘されて、弊害はためられるという結果になるのじやないかと思いますので、その點政府にお願いする次第であります。
○小笠原政府委員 それでは御質問の諸點につきまして、なるべく簡單に要領だけをお答え申し上げます。初めに特定局長の任用の問題でございますが、現在その特定局長の任用の一つの要件といたしまして、相當の資産を有する者ということが一つの要件になつております。これらの點は今日の一般の情勢から考えてみましても、適當でないと考えますので、特定局長の任用にあたりましては、人格見すぐれ、局運營の才能をもつていて、かつ地方事情に即した最も有能な人材を選考すること。この目的を十分に達成いたしますために、現在の相當なる資産を有する者という條件はこれを速やかに撤廢することに考えております。それから現在は特定局長は局舎等を提供する義務をもつておるのでございますが、これもこの種の物的條件を附加しておることは適當でないと考えまして、この提供義務はこれを廢止することにいたしたいと考えております。從いましてさような物的條件が排除される結果といたしまして、現在特定局長の任用に關連して設けられておりますところの身元引受人であるとか、身元保證人であるとかいうふうな制度は、これまた廢止することに考えております。それから局長に對する給與につきましてはこれは後ほどに御説明申し上げます。渡切費の公經濟化等との關連も考慮いたしまして、特定局長としての生活に不安なからしむるように是正していくことに取運び中でございます。それから郵便局舎あるいはその敷地設備というような問題につきましてお答え申し上げます。特定郵便局舎竝びにその敷地につきましては、さしあたりこれを先ほど申し上げましたように、提供義務を廢止いたしますうらはらといたしまして、これを國において借入れるということにいたしたいと考えております。すなわちその土地建物の所有者から國において借入れるということにいたしたいと考えておるのであります。今日は特定局長が義務として提供いたしておるのでありまして、それに對して若干の經費を支給いたしております。今度この改正によりまして、國において借入れる場合におきましては、もちろん適正な家賃、地代を支給することにいたしたい、かように考えておるのでございます。その額をいくらにするかという問題は、遞信省竝びに各遞信局に、この特定郵便局の局舎、備品等の借入れに關しまする評價等の問題もございますので、委員會を設けまして、その委員會には、特定局長の代表者の方にも、また學識經驗のある第三者の方にも御參加を願うことにいたしまして、その委員會において公正妥當な數字をきめるようにいたしたい。かように考えてるる次第でございます。それから郵便局の備品につきましても、今申し上げました局舎と大體同じような行き方でございます。すなわち國において借入れる。但し、從事員に最も直接關係の深い、特定郵便局において宿直する場合の寢具でありますとか、あるいは郵便、電報の配達に使つておりますところの自轉車とか、こういうものにつきましては、本年度からこれを借入れでなしに、できるだけ資材豫算の許す範圍におきまして官給するということに取運び中でございます。それから特定郵便局の經營の經費でありますところの渡切費の問題でありますが、これは物件費のみでありまして、人件費を含んでおらないのでございます。物件費であるところの渡切費は、從來特定局長に支給し、大體いわゆる請負的なやり方であつたのでございますが、今後はこれを一般の經費と同じように最後まで官金として經理するという方法をとることに近く實施する豫定でございます。それから郵便切手の賣りさばきの問題につきましては、普通局は、いわゆる割引制ではなしに、現品を各局に配給いたしております。特定郵便局の場合は、特定郵便局長に賣り渡しまして、特定郵便局長はその切手をさらに一般の利用者に賣りさばいておるわけでございます。この一定の歩合を割引いて特定郵便局長に賣り渡すという方法は、要するに會計上の各種のめんどうな點を排除し、比較的簡易輕便にこの仕事を處理するためで、切手を特定局長に賣り渡して、すなわち形式上は官品ではないというかつこうにして處理することは、その後の出納の監査その他會計上から要求されるところの非常にめんどうな手數を省略できるものですから、この割引制は存置することが適當であると考えますが、今日は、特定局長に支給される割引の歩合の中に、もちろん資金の金利であるとか、あるいは切手の賣りさばきに要する物件費であるとか、その他の經費を含んでおるわけでございますけれども、賣りさばきに要する手數につきましては、一般の通信事務の場合と同様に、これを定員化いたしまして、必要な人間を一般の仕事の場合と同じように配算することにいたしたいと考えております。 それから特定局從事員の待遇竝びに厚生施設につきましては、今日はもう特定郵便局の從業員なるがゆえに特別に差別的な扱いを受けておるという事實はないのであります。もうすべて普通局員と同じように、待遇にいたしましても、あるいは厚生關係の經費の配算にいたしましても、同じようにやつておる次第でございます。大體御質問の點につきましては以上お答え申上げた次第であります。
○岡田委員長 この際ちよつと皆さんにお諮りいたしますが、去る九月十九日の本委員會打合會におきまして、林百郎委員から、全遞側代表と政府委員を本委員會の席上に出席を求めまして、そうして特定局存廢問題に關して質疑應答をやらせたい、こういう要求があつたのであります。それについて先日理事會を開いて相談をいたしたのでありますが、理事會の意向といたしましては、國會が立法府であるという建前から考えて、この種のことは適當ではないという意見でありまして、大體これは許可しないことにいたした方がいいのではないか、こういう相談になつたのでありますが、一應皆さんの御意見を聽取いたしまして、この件を決定いたしたいと存じます。御意見がありましたらどうぞ。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡田委員長 それではこれを許可しないことに決定いたします。
○千賀委員 ただいま各委員から熱心な御討論がありましたので、私がさらに言葉を加えるのは蛇足のよいな感じもいたしますが、この特定局の問題といたしましては、私はすでに、私の抱懐する意見と申しましようか、思想と申しましようか、それは言葉のはしはしにすでに發表いたしております通りで、むしろこれは特定局長の意思の尊重いたし、缺點をできるだけ除去すれば、存續が適當であるという意見をもつておるのでございます。全遞側からもこの缺點に對しましては、いろいろ陳情書その他で意見を表明しておられますが、これまた政府の御答辯によつて、ほとんど完膚なくその指摘する缺點は除去せられる運びになつておることを承知いたします。およそ官業におきましても、民間の一切の施設を利用すべからず、これと混線すべからずということはできないことでありまして、將來、炭鑛の國管論にいたしましても、その他重要産業の國管論が出てくるにいたしましも、民間のそれぞれの施設を官が利用いたします場合は、あらゆる面にその混線が起つてくるのでございます。すでに明治初年以來、遞信事業におきまして、わずかに特定局長の資産でありまする家屋が、そのまま個人の所有のままで官がこれを利用するという制度が殘つておりましても、今日におきましてはほとんど弊害がないのにひとしく、また多少なりとも弊害と認められる點は、政府が鋭意これを除去することに努力しておられます。かような點から申しましても、すでにいろいろ世上に論議せられることは、杞憂に屬することと私は思うのでございます。また大石委員がかつてどこかで、特定局長の賣買が行なわれたじやないかという指摘をされたことがございますが、これまた適當な人と認められて三等局長が交代をいたしました際に、別の意味において金錢の授受が行われたことがあつたといたしましても、これは好んでなすべきことではないのでございますが、これまたいたし方がないので、なるべくかようなことは起り得ないような監督が望ましてのでございますけれども、大石氏の指摘が事實であり、また他にもかような事實が少數あつたといたしましても、かるがゆえに特定局の内容について、これをもつて決定な缺點であるというようなことをわれわれが斷定をするのには、ありまに薄弱な理由であるようにも思います。それこれ考え合わせまして、私どもはすでに特定局の存續問題につきましては、大體政府が所持しておられます意圖、これを正當なるものとして同意を表したいのでございます。その他質問をいたしたい點もあるにはあるのでございますけれども、大體今までの質問においてよく盛られておりますので、蛇足になることを慮りまして、ただ簡單に政府案の支持という意味において、意見を表明いたす次第でございます。
○海野委員 去る八月、山形市の交換臺のことにつきましてお伺いをいたしたのでありますが、なお調べてから政府御當局が返事をするというお話でありましたけれども、山形の交換臺をかえるのは、いつから實施させることになつておりましようか。進駐軍の方からも再三催促が來ているはずであります。もう磨滅しまして、ほとんど電話が聞えない状態になつているのでありますが、これはいつごろおやりになるお考えでしようか。
○中山政府委員 御返事申し上げます。先般海野委員から御質問のありました件につきまして、その後調べました結果、山形の電話交換方式變更計畫の實施模様を申し上げますと、大體敷地の買収と局舎の新營につきましては、本年度の第一・四半期で安本の認證を得ましてものですから、その後具體的に進行いたしておりまして、改式いつきましては、來年度の計畫に計上いたしまして、實行いたしたいと考えいてる次第でございます。
○海野委員 來年度から實施してくださるというお話でありますが、東北の方で交換臺がありませんのは、縣廳所在地では盛岡と山形ではありませんか。あとほとんどみな交換臺に變つて自動交換になつているように聞いておりますが、山形では進駐軍があそこにおりまして、非常に不便で困つております。どうか一刻も早くこの交換臺をかえていただくようお願いいたします。
○岡田委員長 ほかに郵便法の改正案が、去る二十三日の火曜日に閣議において決定いたしまして、ただいま提出の手續中であります。來週早々に本院に提出せよれることと存じます。 本日は、この程度をもちまして散會いたしたいと存じます。次の委員會は公報をもつて御通知申し上げます。 午後零時二十七分散會