水産委員会 第24号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1947/10/22
会議録
○青木委員長 これより會議を開きます。 日程の順序を變更いたしまして、陳情書の第二、臨時資金調整法による漁船建造資金借入促進に關する陳情書、第四〇六號を議題に供します。本件は茨城縣久慈郡久慈町漁業會長田所初太郎ほか十一名よりの陳情でありまして、さきに臨時資金調整法による漁船建造資金の借入に關して農林中央金庫竝びに茨城縣水産業會の勸奨指導により、昭和二十一年十二月、これが借入申請をしたのでありまするが、今日に至つてもなお融資に接しておらないのでありまして、その間漁業の不振等の事情によつて、この資金を得て漁船の建造をやらなければ、今後の漁業自體すら營むことができない窮状に至つておる模様なのであります。從つて政府においては、この漁船の建造の資金にしてなお農林中央金庫よりの貸付に接しない部分については、至急これが貸出を促進するよう手配さるるとともに、場合によつては復興金融金庫等により肩替融資せられるよう、特段の方途を講ぜられるよう陳情いたしておるのであります。その船舶の總數は十五隻、金額にして八百三十萬圓であります。
○鈴木(善)委員 漁船建造の金融につきまして、ただいまの陳情はきわめて重要な意味をもつものと考えるのであります。特に陳情の中にあります漁船は、沿岸の小型漁船であります。これら働く漁民の最も大事な生産手段である小型漁船が、金融梗塞のために非常に現在苦しんでおることは、ただに茨城縣のみでなく、全國的な傾向にあるのであります。つきましては政府におかれましてはこの陳情の趣旨を十分諒とせられまして、最善の措置を講ぜらんことを要望するものであります。本陳情の採擇に贊成いたします。
○青木委員長 本件に關する政府當局の御意見を承りたいと存じます。
○佐々木説明員 本日は局長が都合がありまして出席ができませんので、代わりまして佐々木事務官より御説明申し上げます。 御承知の通り漁船建造資金は、他の産業同様に金融の逼迫によりまして、全國的に非常な建造資金の窮迫を告げておるのは事實でありまして、政府におきましては、これが打開のために種種の努力をいたしておりますが、問題は最近發せられました融資規正の問題が一番大きく影響しまして、この陳情書にもありますように、農林中央金庫及び地方の銀行等は、その融資規正の影響で、出したい資金もなかなかこの規正によつて出せないという事情に立ち至つておるわけであります。なお復興金融金庫におきましては、漁船建造資金に對しましては、從來より非常な好意により、現在十六億の殘高に上る漁船建造資金の放出をやつております。ただ問題は非常に漁船建造の數が多いために、この復興金融金庫をもつてすべての業者を拾うということは非常に困難でありますために一應これに基準を設けまして、戰爭前から漁業を營んでおり、その特船を徴用され、または戰災によつて沈没してしまつたものの代船を復活するというものに、優先的に復興金融金庫の資金を與えていこうではないかという申合せの上、現在に至つても同様でありますが、そういう趣旨をもつて進んできております。なおこの陳情書にあります茨城縣の久慈漁業會は、ここに陳情が出ておりますほかに、相當の大きい船を計畫しておりました分につきましては、茨城縣水産業會と打合せの上、第一囘目に農林中央金庫から復興金融金庫に借入先を變更してもらいたいという件の中まず五件を決定いたしまして、この金額ははつきり覺えませんが、二千萬圓程度ではなかつたかと覺えておりますが、その金額は復興金融金庫から貸出濟であります。そこで現在この陳情書のなかにあらわれております二、三人の人に對しては、水産局におきまして、復興金融金庫への借入先變更を認めた上、現在その手續中にはいつておるものであります。なおその他に非常に金額の小さいものがここにあらわれておりますが、一時と違いまして、農林中央金庫の金繰りもいくらか樂になつておる情勢はあるのでありますから、水産局におきましても、茨城縣の水産業會、農林中央金庫と連絡の上で、これが解決に十分の盡力をいたしたいと思います。以上で説明を終ります。
○青木委員長 本件は水産金融に關する小委員會に付託し、審議を繼續いたしたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 御異議なければさよう決定いたします。 —————————————
○青木委員長 次に陳情の第四、生鮮食料品竝びに水産加工品統制撤廢に關する陳情書、第四一六號を議題に供します。本件は福岡縣の縣會議長稻員稔氏より意見書として提出されておるのであります。すなわち「主食と副食は人類生存上絶對なもので、これが適正なる配分は民主安定上きわめて重要なる事案である。しかるに鮮魚の統制を實施されて以來十數囘、次々とその方法と機構を改變せられ、今年の四月登録制による配給規則が制定され、本縣においても七月一日より實施せられたが、四月選擧にもまさる猛烈さで運動を展開し、同業者相喰む醜状を呈した。しかるにようやくできた配給登録を小賣店舗の店頭は、すでに二箇月は閑として淋しく、その原因としては荷受機關の複數制によるものと思料せられる。生鮮食料品は名のごとく生鮮ならざればその價値なく、統制のわく内にあつてはいたずらにこれが鮮度を失う愚を繰返すのみであり、すべからく末端における需要の配給は、消費者と業者との自由なる競爭によつて自然解消するものと信ずるので、これが撤廢方を要望する。右本縣議會決議に基き地方自治法第九十九條第二項の規定により意見書を提出する」という文案と相なつております。
○井上政府委員 本件に關する政府の意見を申し述べたいと思います。 生鮮食料品竝びに水産加工品の統制撤廢に關するただいまの陳情に關しまして、この問題は實は現下國民生活の安定の上に、きわめて重大な問題でございまして、これが統制の圓滿なる遂行が、いろいろな悪條件の上に圓滑にまいらぬ關係から、統制を撤廢をしたならば、もう少し潤擇かつ適正に、これらのものが食膳に供せられることになりはせぬかという、悲痛な撤廢の要求となつて現われておるのでありますが、この際特に申し上げておきたい點は、この生鮮食料品及び加工水産物については、諸種の事情より現行の如き統制をいたしておるわけであります。これが今御指摘のように生きた品物を扱う、千度の高い、かつ味覺を尊重する品物を扱うために、よほどこの統制は適正に合理的にいたしませんと、まつたくその意義を失うのでありまして、これらの品物の統制については、政府としてもいろいろ對策を講じ、實施を促進もいたしておりますけれども、何分今日悪性インフレの中において、これを完全に配給するのに非常な協力を國民の方々に求めなければ、實際政府の考えております十分の一の效果もあげ得ないような状態でございます。しかしこれをかりに撤廢をいたした後のことを考えたときに、はたしてこれらの物資が消費者の要望するように、眞に國民に必要な量が確保されるかどうかということは、これは絶對保證できない状態にあるのであります。たとえて申し上げますと、今日果物の統制の問題についてもいろいろ意見がありますが、これらのものの中で特に重要な生果物を除く以外は、一應政府はわくをはずしたらという意見をもつて今準備を進めておりますが、そういうことがちよつと響きますと、果物がべらぼうに値上りをいたしまして、とうていまじめに、正直に働いている勤勞大衆の口にははいらない状態に今日あるこの實情を考えてみても、鮮度の高い、かつ味覺を尊重し、榮養を重點にしなければならぬ生鮮食料品が、一體統制をはずした場合に、ほんとうに國の再建の中心になつて働いているところの勤勞大衆の口にはいるかどうかということを考えたときに、なかなかこれは容易ならぬ結果になるではないか。そにでわれわれとしては、どうしても必要なる、生活の基礎になつているこれらの物資は、いま少し統制の民主的なやり方を考えてみて、これが完全に各家庭に配給されるような方法を推進しなければいかぬ。それがためには今の集荷機關、あるいはまたは荷受機關、あるいは小賣制度というようなものを一應檢討を加え、かつ價格の面において、あるいは資材の裏ずけの面において、それらを總合的に考えまして、十分にわれわれの責任において、少しでもこれらのものが適正に、圓滑に配給されるように、全力をあげてやるつもりでございますから、その點御了承をいただきたいと思うのであります。
○鈴木(善)委員 水産物の配給統制の問題につきましては、魚價竝びに配給機構の小委員會において檢討中でございますので、小委員會の意見として他日まとまつた意見を委員會に報告されることと存ずるのでありますが、今日は井上政務次官も御出席の上で、政府の御所見を御披瀝になりましたので、この機會に一言申し上げたいと思うのであります。水産食料品が國民生活の安定の上にきわめて重要な意味をもつことは、ただいまお説の通りでありまして、しかもそれが關係方面の御指示に基いて現在遂行されているということも承知しておるのであります。われわれといたしましては、この統制が圓滿かつ合理的に行われることを強く期待いたしているのでありますが、現在の實情を檢討いたしますに、ただいまの次官の御所見とは、現状はまつたく背馳しているような實情にあるのであります。先般新聞紙上に現われました荷受機關の安本の査察報告を見ましても、いかに現在の荷受機構が正しい任務を遂行していないかということが、はつきりいたしておりますし、また末端配給におきましては、特にいろいろな矛盾と弊害が露呈されているのであります。鮮魚の末端配給におきまして、いわゆる希望配給と稱して、ほとんど計畫的な家庭配給は行われていないという實情であります。希望配給は、これを言葉をかえますればまつたくの自由販賣でありまして、このような事實がほとんど各消費都市において公然と行われておることに對して、現在のところ何らの監督指導が行われていない。また加工水産物につきましても、現在の登録店鋪は、その質において、登録の當時におけるいろいろな經過を見まして、決して適切な者の手によつてこれが行われていない。その結果、登録店鋪に對して消費者が豫約注文をいたしましても、ほとんど登録店鋪はこれをやつかい視しておる。マージンの少い配給物資はできるだけこれを取扱わずに、登録店鋪になつたことを奇貨として、公々然とやみの加工水産物を取扱つておるというのが現状であります。配給物資でありますれば、荷受機關から末端配給に割當があつてから、兩三日のうちに配給を完了すべきものが、いずれの登録店舗においても、こんぶ、するめ等が店頭に飾られておるという事實は、明らかにこれは配給の加工水産物にあらずして、やみのものであるということが歴然たるものであるにもかかわらず、當局はほとんどこれが取締りを行つていない。こういう實情にあるわけであります。でありますから政府とされては、統制するのであれば、十分統制の目的と成果があがるように、最善の努力を末端行政部面に浸透さすべきであると思うのであります。もし現在のような諸般の事情から、なかなか完璧が期待できないというのであれば、家庭配給の對象となるべき、いわし、あるいはさば、あじ、にしん、いか等々の數品目にこれを限定して、その他の水産物はすべからく公設小賣市場等によつて、正しい價格によつて自由に配給する措置を講ずる等、現在の統制方式に思い切つた再檢討と加えるべきである。こういうぐあいに考えておるのであります。いずれ小委員會において具體的な案を作成いたしまして、本委員會に御報告申し上げたいと思いますが、一應所見を申し述べた次第であります。
○井上政府委員 今鈴木委員から以上に御参考になる御意見を承りまして、政府といたしましても、現行の統制機構というものが、實際御指摘のように效果をあげ得てないということを見抜きまして、本日も實は東京都長官を農林省に呼びまして、今まで東京都において監督をしております荷受機關の實際の實情を檢討を加えしめ、かつ登録店舗の不正の横流し、あるいはまた不正配給等に對する責任を追究しております。そしてほんとうにその監督の實績をあげ得ないようならば、農林省といたしましても東京都に對してもそういう監督權を任すわけにはいかないというくらいの強硬な意見で、交渉を進めております。なお今お話を承りますと、水産委員會において魚價及び配給機構に關する小委員會を設け、これに對する結論を見るべく御檢討くださつておるそうでありますが、ぜひ皆様方の御協力を得まして、至急にこの問題は解決をいたしませんと、國民生活の上に重大な影響がございますので、政府といたしましても、眞劍に檢討を加えて、その成果のあがるように、一日も早く立案を見たいというつもりでおりますから、御協力をいただきたいと思います。
○多賀委員 ちよつと速記をとめていただきたいのですが……。
○青木委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○青木委員長 速記を始めてください。
○外崎委員 今の政府の御意見だというと、これはりつぱな意見であつて、このままではいけない。だからして裏づけを完全にしてやつて、そうして出させようということを考えておるという御説明でありましたが、これは非常なごもつともな話で、そういうようにやらなければならないので、今までそれを數囘われわれもお願いしておつたのであるが、政府は裏づけをするだけの施設準備がないために、思うようにいかない。こう言つておられる。政府が今あらためて考えて、はたして裏づけするだけの品物があるであろうか。もしないとすればやはり同じような結果になるのではなかろうか。そうすればやはり今までのような方法でやつていくのか。この點をお伺いしたいと思います。
○井上政府委員 問題は裏づけの資材、資金の問題でございますが、これがはたして漁業者が要求するだけのものが確保できるかできぬか。できなかつた場合は、結局やみでやらなければならぬことになるから、結論は一緒ではないか。こういう理論も成り立ちます。しかしながら從來食糧問題について、これは主食の場合でも、あるいはまた生鮮食料品等の副食の問題についても、今までの政治にそんな積極的な考え方で、これらに必要なる資金、資材を確保しておつたか。また計畫的な生産をやつておつたかという問題であります。たとえて申すと、石炭という重大なる生産をやつておりますものについては、資金、資材、勞力、食糧、その他あらゆるものを重點的にこれに注ぎこんで、他のものを犠牲にしてもやつておる。人間の生活に一番大切な食糧の供出、この問題に對して一體國は何を裏づけておるかということになると、まつたく問題にならぬ。米の供出の場合でも一緒でありますが、いろいろなリンク物資、報奨物資、あるいは肥料、農機具等の問題がございますが、こういうものが計畫的に資材が割當てられ、資金が融通され、そうしてそれが計畫的な生産を確保して、責任配給が行われておるかというと、行われていない。今までまつたくそういうことをやつていないのであります。少くともわれわれ片山内閣においては、政府がやろうと言うて發表した以上は、必ずそれだけは確保して、必要なときに必ずやるという政治をやらなければ、政治に信用がついてこない。こういうつもりでおります。だから私は少くとも生鮮食料品に、必要なる資材、資金にしても、國の全體の生産とにらみ合わせて、そうして一定の計畫生産をやる。計畫的に生産されたものを責任配給をやるという點を、明確にしませんといかぬ。この點はわれわれの責任でありまして、全力をあげてそういうものに對する裏づけに必要なる資材、資金等を確保する。こういう方向に私はもつていきたい。少くともそうしなければいかぬ。こういうつもりで私はおるのであります。ただつもりでおるばかりでなしに、そうしなければ確保できない。責任はもてない。こういうつもりでありますから、その點でひとつこの委員會としても御協力願いたいと思つておるのであります。 〔委員長退席、馬越委員長代理著席〕 なおしからばどの程度できるかという問題は、全體の國の生産計畫なり、あるいは資金計畫なり、または他のものとの比重を、どちらを重く見るかという、實は政治力の問題でありまして、われわれ食糧關係を受持つておる者としましては、少くとも食糧が今日國民生活の絶對條件である以上は、これを除いてはわきの問題は片づかない。これに必要な資材、資金は優先的に第一主義で確保しなければいかぬ。これは閣内においても、また國會においても、その意見をわれわれはあらゆる機會に主張いたしまして、これに必要なる對策を立てることにいたしておりますから、御協力をいただきたいと思います。
○外崎委員 政府の決心にはわれわれもまことに感謝いたしますし、また協力もいたします。しかし今言つた通り、片山内閣においてはということをすこぶる力強く仰せられるが、これまた御存じだと思いますが、片山内閣ができてからすでに半年になるのであります。半年間にしからば前内閣以來の配給ルートが完全に行つたかというと、ますます困つてくるわけであつて、さらに一歩も進んでいない。もう一つは今の資材の裏づけということを力強く考えておると言われる。それは政府としては熱心にやるであろうけれども、はたして裏づけするだけの品物があるかないか。米の供出にしても報奨物資の割當ということを、前の内閣から繰返して言つておるけれども、さらに農家には一つもいつていない。一つもいつてないと言うとおかしいけれども、ほとんど言うておるだけの百分の一もいつておらぬということで、農家は非常に困つておる。漁師も困つておる。それよりもないものである。ない袖は振れぬのであるから、ないものであつて裏づけができなかつたならば、むしろもう一歩進んでないと言つた方がいい。ないものをある振りをしてやろうやろうというからできない。できないから品物が出てこない。出てこないから政府に政治力がないということになつて、われわれがいかに委員會を開き、小委員會を開いて研究したところで、政府に聽いてみなければならぬ。聽いてみれば品物がない。ないものを裏づけをする。そこに大きな矛盾がないか。だからしようとする決心は多とするが、はたしてし得られるか。事實においてあなた方が言明するほどの品物があるかないか。これも一應はつきりと言明を願いたい。
○井上政府委員 問題は漁業の生産を裏づける必要な資材でございますが、これは私はこう考えておるのです。現下の公定價格による完全な供出をやる。その場合にこれこれの資材が要るという場合は私は計算が出てくると思つております。決してその資材が不足をするということはないと思つております。ただやみによつて資材を買いこむ。だからそのやみで魚を流さなければならぬという問題が起つてくるのでありますから、あくまで公定價格による水揚げと、それによる資材の仕入れということへ行きますならば、私は少くとも國家計畫としては成り立つ考え方をもつております。ただ資材をやみで買わなければならぬということが先決條件になつて、それではマル公の水揚げをしていたのでは引合わぬということが問題になつておるのであります。しからば一體この資材というものが魚をいくらやみへ流しても思うように獲得ができるかと言えば、資材が限度があつて、いかにやみで高く買おうとしても買えない限度があると思います。だから問題は結局は全體の總合計畫の中で、すくなくとも新物價體系に基くマル公價格で流します場合は、マル公の資材を裏づけるという計畫は、私は成り立つと考えております。
○外崎委員 そこなんです。マル公の裏づけができたと考えておるが、物が出てこないところに問題がある。やみで買えば幾らでも品物がある。そのやみを政府が取締り得ないのである。政府は一體どんな考えをもつておるのか。これがわれわれにはわからない。現に商工省に行けば品物を出したと言う。農林省も渡したと言う。しかるにそれがほとんど渡つていない。網の問題や綿絲の問題を聽いてみますと、工場からは出たと言う。工場からどのくらい渡つて、どのくらい殘つたかという數字が出ていない。こういうような政府のやり方でいつたら、いつまでたつてもだめだ。やるならば品物に對する責任をもつて、どのくらいの物が配給になつておるか。配給した物が届いておるかどうかということを見ていなければならぬ。しかるに今までの役人はそれを見ていない。商工省は出しつ放しだ。それが漁民に渡つていない。渡らないからやみの物を買う。やみの物なら出てくる。品物がないと言いながらも、やみならばあるというところに問題があるのじやないか。これに對してはもう一歩掘り下げて、強力な方法でもつて勞働者に品物がはいる方法をとらなければならぬ。現内閣はもう六箇月も經つておるのだから、これは現内閣の責任であるが、未だに何にも責任を負つた事實がない。ほとんど配給がないじやないか。一つとして國民の手に正規のルートではいつてこない。これを一體どうするのか。われわれはこれを聽きたい。私は別に役人を攻撃するのじやない、政府にもつと強力な方法をとつてもらいたいのです。あなたのおつしやる通り、東京都において取締りができなければ、農林省がやる。そんなことを言つておる場合ではない。一刻も早くやらなければならぬ。國民がまさに死なんとしておる場合だ。榮養失調にかかつた場合に注射一本ではどうにもならない。二言目には進駐軍がどうのと言うが、できなければ今の政府は投げ出した方がよい。片山總理にはわれわれも投票したが、片山内閣自體の何らの方針がない。大體こんなことをわれわれが問題にしているうちに國民が死んでしまうのだ。そういうわけであるから、政府はもう一歩進めて、商工省から農林省、すべてその責任をもつて、出した物の行先をはつきりつきとめる。そこまでやればもう少しよくなると思うが、それをやらない。役人に聽いてみると、出しました、渡したつもりでありますと言う。渡したつもりの物が行つてみれば渡つていない。こういうことについて完全な政治が行われていない。ここを、一應どうするのか。忙しいのに各省か來てもらい、われわれも出てきて委員會を何回開いても、こういうことではしようがない。さいわいあなたははつきりした意見をもつておられる方だから申し上げるのだが、これはどういうふうにやつていくか、われわれの納得のいくように、責任をもつてお答えをいただきたい。
○井上政府委員 問題は私がさいぜん申しました通り、たとえば今日日本のもつておるところの水産の施設において、どれだけの年間漁獲物がある、それで大體國民に配給できる量はどれだけある、こういう大體の見當がつきます。その見當に基いてそれに必要な資材は政府において責任をもつてやる。今お話のように政府はそれらの配給資材の適正な配給が行われるかどうかということについて、何らの對策を講じていないじやないか、こういうお話でございますけれども、われわれ今までとかくこの問題で政府の信用を失墜した例は知つておりますから、少くとも政府が約束した、天下に公表して、これだけ渡すといつた品物は、できるだけ速やかにそれを現物化して、そうしてその生産者の手にはいるように手當をするということは政府の責任でありますから、ぜひそういう方向に私はやりたい。現に米のリンク物資、報奨物資、あるいはまた春の麥、馬鈴薯のリンク物資、報奨物資につきましても、單に數字だけ發表して、また品名だけを發表して、それが待てど暮せど生産者の手にはいつてこないというようなことがあつてはいけませんから、これだけの數字はいつ一體現物化されるか、それでこれはいつどこの倉庫に入れるか、いつそれはどこの縣の農業會に渡るのだということをちやんと推し進めていつております。現にここにことしの春の麥、馬鈴薯の書類をもつております。これによりましても、たとえば作業衣とか銘仙とか、ゴム長とか、酒とか、タバコとか、 とかいうものがリンク及び報奨物資として割當てられておりますが、割當の計畫はこれこれにある、そしてそれを現物に引換えた數字はこれこれだ、これが配給された數字はどこの縣へなんぼ行つておるかということをちやんと調べて、私の方ではその資材の動きますあとを追うて、速やかに生産者に必要なものが必要なときに配給されるように、現實に推進をいたしておりますから、もし他の物資においてそういうことが十分行つてないものがあります場合は、われわれの方において十分推進をいたします。特にこの漁業關係において、油でありますとか、漁網でありますとか、ロープでありますとかいうものを、それぞれ中央から割當配給をいたしておりますが、これらのものがほんとうに適正に配給されてない事實がありました場合は、ただちに私の方へ申し出てもらいたい。さいわい現在各省に行政監査委員會を設けまして、これらの行政がうまく適正にいつておるかどうかということを、今監査いたしております。その見地からもわれわれは十分これが適正にいけるように、行政上の責任をもつて監査しなければならぬ立場に立つておりますから、そういうふうにやつていきたいと思つております。 なおまた大體必要な物資が必要なだけ確保できるかどうかという問題につきましては、これは國全體の總合計畫において考えられることでありますから、われわれといたしましては、少くとも主要食糧及び生鮮食糧品は、國民生活から切離すことのできない、これがなければ日本の國は成り立たないという強い信念に立つてやつておりますから、これに必要な物資は最優先的に確保するという熱意をもつて各省と交渉し、また關係方面の了解をも願いまして、善處したいと考えておる次第であります。
○馬越委員長代理 お諮りいたします。生鮮食料品竝びに水産加工品竝びに水産加工品統制撤廢に關しましては、短時間をもつて終結を見ないほど各位におかれましても十分なる御意見をもつていられることと存じます。つきましては本陳情書は魚類の價格及びその集荷配給機構に關する小委員會に付託いたしまして、一層詳細に當局とも論議いたしまして、適當なる決定を見たいと思うのであります。同小委員會に付託いたすことに御異議ありませんか。
○外崎委員 ちよつと一言だけお願いします。今までずいぶん政府委員の御説明を伺いましたけれども、きようほど氣持よく、また決意をもつた答辯を伺つたことはありません。非常に喜ばしく考えますが、そこでちよつと申し上げます。二十一年度、二年度における漁網の綿絲の商工省及び農林省の各工場に出した數字と、それからでき上つた品物と、殘つているものと、それから行先と、完全に渡つているかどうかということを調査した書類を作製して議員の方に出してもらいたい。それならばすぐわかります。實際まわつてみると渡つていませんのです。
○馬越委員長代理 ただいま外崎君が言われました資料の請求でありますが、それは先般の委員會におきまして、私からも政府へ要求をいたしておるのであります。どうか政府におかれましては、至急に右資料を御提出願いたいと存じます。それから委員長から特に井上政府委員にお願いしておきますが、本委員會におきましては、しばしばこの委員會を開いて、いろいろ論議いたしておるのでありますが、つねに事務當局であります藤田政府委員の御出席は煩わしておりますが、大臣、政務次官の御臨席を得る機會がきわめて乏しかつたのであります。本委員會といたしましては、大臣竝びに政務次官の御出席を要望いたすもの切なるものがありましたけれども、現在まで米の供出割當量の決定、竝びに米價決定等におきまして、大臣竝びに次官におかれましてはずいぶん御多忙であつたと存じますので、御出席の請求を差控えておつたのでありますが、今後におきましては、大臣、政務次官も努めて本委員會に御出席になられますように、特に委員長よりお願い申しておきます。
○井上政府委員 承知しました。 —————————————
○馬越委員長代理 それでは日程第二、舞阪漁港の防波堤修築に關する請願、小松勇次君ほか四名紹介、文書表第八七〇號、右を議題に供します。紹介者の御説明を願います。小松勇次君。
○小松委員 紹介議員といたしまして請願の要旨を御説明申し上げたいと存じます。この舞阪港は濱名湖口今切東岸に位いたしておりまして、静岡縣西部におきます唯一の漁港でございます。當地には漁船數も六百餘艘有しております。その漁獲高におきましても年一億餘圓を産しております。かつまた指定陸揚地といたしまして、縣内はもちろん愛知、岐阜、滋賀等に出荷いたしております。當舞阪港は昭和十九年の十月の暴風雨によりまして港口東端の防波堤が決壞いたしました。それで遠州灘特有の砂が流れこみましたために、航路を埋没いたしまして、漁船の航行が今日不能の状態に陥つておるのであります。爾來三箇年、幾多の犠牲を拂いまして浚渫に努力いたしてまいつたのでありますが、完全なる事業を遂行できず今日に及んでおるのであります。從つて漁船はやむをえず當地の辧天島及び新居辧天海岸を大迂囘いたしまして出漁いたしておるのであります。從つて今まではわずか十分間定らずで外洋に出ることができたのでありますが、迂囘することによりまして往復一時間半を要するような状態にありますために、漁撈の實働時間の短縮を餘儀なくせられるとともに、貴重な油だけでも一日一トン餘をむだに消費いたしておるのであります。これを一箇月の出漁日數十五日といたしましても、一箇年間には二百七十トンという莫大な數字になるのであります。右のような事實は、生産増強をはかり、かたがた重要資材の消費節約を期せねばならぬ今日の國情より見まして、まことに遺憾に存ずるのであります。今般地元民はこれらの問題を解決すべく、科學的調査によりまして、港灣の改良に乗り出しておるのであります。その工費一千三百五十萬圓をすでに農林省に國庫補助の申請をいたしており、二十三年度の豫算繰入れ方を懇請いたしておるのであります。なおこの工事が完成いたしますれば、以上申し上げましたような困難な問題が解決するとともに、そこに幾多の利益が生れてまいるのであります。たとえば鳥羽港、清水港間における唯一の避難港ともなり、多數の船舶に便宜を與えるのであります。また大型船の建造もでき、遠洋漁業が發達して、漁獲高においても年間約一億圓の増収を豫想せられるのであります。また濱名湖内の流潮がよくなりまして、自然的に魚道が構成されまして、魚族の養殖ができ、湖岸十六箇町村の漁民の福利は相當なものがあるのであります。また外洋及び湖内漁獲高の増加は、うなぎの養殖に飼料の供給を容易にいたし、再び日本一の養鰻事業の復活を見ることができるのでありまして、この利益は年間約二億圓を豫想せられておるのであります。 〔馬越委員長代理退席、委員長著席〕 また一般漁獲高の増加と養鰻事業の復活は、水産加工事業の振興となり、特に輸出カン詰等いわゆる見返品が生産せられまして、外國貿易をも助長することと相なると思うのであります。 右のような事情より何とぞこの工事を速やかに完成せられんことを熱望いたしておりますがゆえに、本委員會におきましてもこの趣旨を御採擇くださりまして、適當なる方途を講ぜられんことを切望するものであります。
○井上政府委員 静岡縣舞阪港の修築の問題は、地元町村の非常な熱望でございまして、實はこの港が御存じの通り昭和十九年十月の暴風雨で防波堤が決壞をして、港の出入口をまつたくふさがれてしまつて、この港を基地にして漁業をやつております漁船は、實に一時間ないし二時間の迂囘をせなければ大海へ出られないという實情にあるということを聞きまして、旅行途次私は現場を見に行つたのであります。そして實際上、この港の重要性と修築の緊要性を政府としましても見まして、本年の九月の災害によります復舊につきましては、別途に豫算を計上いたしまして、さしあたりの應急處置を講じたい。なお根本的な計畫につきまして、相當莫大な豫算も伴いますので、國の財政の豫算の許す限りにおいて、この實現を速やかにはかるようにいたしたいと考えておる次第であります。
○青木委員長 本件は、漁港に關する小委員會に付託し、審議を繼續いたしたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 御異議なければさよう決定いたしました。 —————————————
○青木委員長 次に第六、樺島村本竃に船入澗築設の請願、西村久之君紹介、第九〇二號、紹介議員西村久之君の御説明を願います。
○西村(久)委員 私は本竃港漁船入澗修築の件に關し紹介者として、一言本竃の實情を申し上げたいと存じます。 樺島村本竃は、長崎縣五島列島の中央部に位し、西方向きの一漁村でありまして、現在漁港と申すだけの施設もなく、港の修築の必要性は認めながら今日まで放任され、その間幾多の不利不便を忍び來つたところであります。 漁業の盛漁期に入りますと、季節風とも申すべき北、西の風が眞正面より、吹きこみます關係上、船舶の出入りは申すに及ばず、船の繋留に困難を感じ、ときに船舶を破損する等、漁業者のこうむります損害は莫大であります。のみならず動力船ですら風浪の都度他に避難するため、燃料の消耗もはなはだしく、また小型の船は陸上に引き揚げる等、その不便としけの場合の混雜は言語に絶する状態であります。本竃港は、捕鯨船、あぐり網漁船その他一般漁船の根據地として有望視されておりますが、船入澗設備が不完備のため、前述の通り漁船は少々の風でも他に移動するような有様であります。かくのごとき状態では、漁場には天惠的に最短距離の利を占めながらも、漁獲の増進をはかることができず、日を追うて疲弊の一途をたどるほかはないのであります。從つて地元民として魚族の増産をはかり、食糧難緩和に一役買わねばならぬことの熱意のもとに、ここに船入澗修築の計畫を立て、縣とも密接の連絡のもとに、ぜひ完成させていただきたく本請願に及んでおるのであります。本船入澗完成の曉には、漁船、運搬船の出入は容易となり、捕鯨船、あぐり網船、その他一般漁船の集積も激増して、名實ともに漁港として面目を一新することは火を見るより明瞭であります。よつて窮状御賢察の上御採擇を願い、地元漁民の熱意を達成せしめていただきたく、紹介者としてここに切望する次第であります。簡單でございまするがこれをもつて紹介者の説明といたします。
○井上政府委員 ただいま西村委員から御紹介されました樺島の船入澗の設營につきましては、この港が附近漁港の發展に非常に重要な港と認められますので、具體的によく檢討を加えまして、あらゆる點を十分調べまして、國の財政の許す限り、近く必ず實現するように努力したいと考えております。
○青木委員長 本件は漁港に關する小委員會に付託し、審議を繼續いたしたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 御異議なければさよう決定いたします。 —————————————
○青木委員長 次に第一、魚津漁港擴張工事施行の請願、佐伯宗義君ほか二名紹介、第七八七號、紹介議員の御説明を願います。矢後嘉藏君。
○矢後委員 魚津漁港の擴張に關する紹介議員といたしまして一言紹介の理由を申し上げます。 魚津は富山縣におきまする最も漁民の多い町でございます。富山縣は御承知の通り海岸線はきわめて短かい縣ではございまするけれども、隣縣新潟縣と石川縣の能登半島にかこまれておる内海でございまして、そのやや中央近くにこの町があるのであります。この町は有名なあの蜃氣樓の名所でございまするが、同時に魚類の豐富なことではこれまた日本有數の地でございます。魚津町の現在ある漁港は大正十一年に指定著工いたしまして、十二年に完成をいたしました。その當時は漁船が大體二百隻ほどあつたのでございますが、現在では四百五十隻にも上つておりまして、現在の漁港が狭隘なために、同町を流れておる角川という川に漁船をつなぎ、あるいは砂濱に漁船をあげているよいう状態でございます。しかもこの漁港は、單にこの町の漁民だけの使用ではもとよりないのでありまして、避難港として達く新潟縣あるいは石川縣の船すらも避難するという實情でございます。それで現在同町が立てている計畫は、二千九百四萬圓という五箇年計畫でございまして、大體を申し上げまするならば、現在の漁港を防波堤を出してもう少し擴張するということを、主として陸揚設備を完成したい、そういうもくろみになつているのでございます。富山縣といたしましては、この港は氷見と竝んで最も重要性のある港であり、殊に終戰後におきましては、樺太、北海道、千島方面の引揚漁民も約一千名近くおりまする關係上、この町といたしましては、現在の定置漁業であるいわし、ぶり、たいだけではなしに、この日本海のまん中にいるやまどだいの漁獲に乗出そう、こういうような擧町一致のもくろみがございますので、どうしても現在の港では手ぜまであり、同時にまた陸上設備も急速に完備しなければ、ほんとうに漁港として、また漁村として立つていかないというような實情にあるところでございます。なおこの町の漁獲高は、最近の數字によりますと、一箇年約三千七百トン。それから今まで北海道、樺太方面からはいつておりました魚類は二千二百トン、それにこの町は單に漁港というだけではなしに、地域的ないろいろな關係から、農産物であります米も、最近までは約二萬六千トン、それからわら工品が一萬五千トンといつたような輸出もこの港からやつておるのであります。從來は北海道方面の魚肥、その他の輸出入貨物もございますので、富山縣といたしましても、また裏日本の中繼の港といたしましても、伏木や岩瀬もありますけれども、この港はこの程度のものがぜひとも必要なのでございます。どうか本委員會におかれましても御採擇をお願いいたしたいと思うのであります。
○井上政府委員 ただいま矢後委員から紹介されました魚津港は、裏日本において屈指の漁場でありまして、この漁港の擴張の必要性を強調されたのでありますが、政府におきましてもこの漁港の擴張の必要性を認めまして、具體的には昭和二十三年度に船溜りの設備を新設いたしたいつもりで今豫算を請求しております。この豫算が得られますならば、さしあたり船溜りの設備をいたしまして、將來根本的にこれが活用のできますような計畫も併せて進めたいつもりでありますから、御了承いただきたいと思います。
○青木委員長 本件は漁港に關する小委員會に付託し、審議を繼續いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
○馬越委員 殘餘の請願、陳情は次の日に譲りまして、本日はさいわい初めて井上政務次官が御出席になつておられますので、井上政務次官を圍んで、現在わが委員會が最も重要視しております水産廳設置の問題につきまして懇談いたしたいと思います。ついては本日はこれで散會せられまして、懇談會に移されるように切望いたします。
○青木委員長 馬越君の御意見には御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 それでは本日はこれをもつて散會いたします。次會は公報をもつて通知いたします。 午前十一時五十五分散會