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1回国会衆議院1947/07/05

水産委員会 第2号

発言数
39
登壇者
12
会派数
3
開催日
1947/07/05

会議録

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 これより會議を開きます。  開會にあたりましてちよつと御挨拶申し上げたいと思います。  日本國憲法が示す國の最高機關の地位をもつ國會の委員會の活用が、今までの行政官廳の獨善を排して、眞の民意による立法の枠の中においてのみ行政せしめていくために、本日より水産委員會が所管事項に關して審査し、調査し、立法する第一歩を踏出すことは、水産政治史上にも一新紀元を畫することでもありまして、漁民の幸福のためにも欣快に存ずる次第であります。國内の食料事情が窮迫しているにもかかわらず、米作に行き詰まつており、殊に日本人が澱粉を必要以上に攝ることなく、外人の食卓がパン粉と獸肉とによつて賑わつておるように、日本人の食膳が魚肉と未利用資源と適量の米とによつて調理されていくことは、臺所を預かる婦人の手腕に俟つこと太なるものあるとともに、水産の使命がここにあると考える。國民の生活は國民の手で守らなければならぬ。いたずらに外力に依存することなく不足なものは廣大な水面に求むべきものであると考えます。もちろん漁船と漁場の問題はあくまでも連合軍の行為に甘えたいのでありますが、わが國水産の方向がこれによつて決定されると考えます。漁民の最低生活を保證する上にも、また敗戰日本の果たすべき賠償を、水産人もまた國民の一員として責任を分擔したいという熱願に燃えておるのであります。戰爭を放棄した文化國家建設のためにも、歴史と經験と環境とをもつ海の子としての日本民族の特性をおさえることは、世界の平和を保障するゆえんにはならぬと確信します。この構想を懷く私たちは深き内省を要するのであつて、農民の民主化が農地改革によつて達成されるように、漁村の封建制度を打破せられ、眞に働く漁民の幸福が約束されなければならないのであつて、漁民の民主化は、漁場の國有に類した所有權の否認では斷じてないと考えます。私は祖先傳來の美田を離れていく地主の悲しみを身につけた小作人の父として、昨年の議場に健鬪してきたつもりでありますが、この熱意と意氣をもつて内外の期待に副いたいと念願しておるのでありまして、私はいわゆる漁業會社とはなんらの関係がありません。まつたくの白紙でありますが、漁民諸君とは二十年の政治を通じて密接なつながりをもつております。私の最も憂うるところは漁獲と資材の不均衡、不圓滑、そして食糧不足の生活が漁民の懐中から新圓を奪い去つて、それで命數盡きた漁船をつくり、漁具を調えるだけの餘力が果して現在の漁民にあるかどうか。もしこのまま放任いたしますならば、大昔の封建制度に還元し、一勞働者として鞭打たれなければならない運命におかれておると考えます。また消費者の立場を守るためにつくられた荷受、配給のルートなどにしても、自由販賣と責任販賣との調和按配には充分考慮すべき餘地があると考えられるのであります。以上はいずれも祖國日本の運命と國内の現状に深いつながりをもつておるものでありまして、本委員會がこの點に着眼し、民意に從い、われら獨自の考えをもつて漁業法及び漁業協同組合法の立案にあたり、政令にして民意にはんするものがありますならば、これが改廢を法制委員會に要求せんとする牢固たる決意をゆうするものであります。しかも、國會に水産委員會が設置され、農林部面から獨立して運用されることができますことは、多年の宿願である水産廳創設への前提をなすものとしてまことに欣快にたえない次第であります。各位が立法府における權威を發揚され、選良として名譽を保持さるるとともに、不肖私が委員長としての重責にたえ得ますように格段の御支援を希望してやまない次第であります。     —————————————

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 次に、本委員會に理事一名を増員いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 御異議ないものと認めまして、これより理事一名の互選を行います。庄司君。

庄司彦男日本社会党

○庄司(彦)委員 理事の選任は委員長においてご指名あらんことを願います。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 ただいまの庄司君の御意見に御異議ありませんか。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 御異議ないものと認めまして、それでは加藤吉太夫君を理事に指名いたします。     —————————————

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 次に、最近重要問題になつている水産廳關係等について政府の説明を求めたいという要求が出ておりますので、順次發言を許します。矢後嘉藏君。

矢後嘉藏日本社会党

○矢後委員 時局重大な析柄現政府が成立いたしまして、平野農相が、特に融資以來かつてないといわれるような、深刻な食糧危機に食糧大臣として擔當されましたことは、實に私どもといたしましては敬意を表するとともに、全力を上げて協力を申し上げたいと、こう思うのであります。私の御質問申し上げたいことを簡單に申し上げますが、現在水産行政機構でございますが、これは今わが國にとりまして、先ほど委員長から申されましたように、食糧問題のやかましい析柄、水産のもちまする任務というものは實に重大であると思うのであります。從來のように農林省の一局として、殆ど今までは行政上においてもあまり關心をもたれておらなかつたというような感じがいたすのでございますが、今日主食として生鮮魚もとり入れなければならないこういうような時代におきまして、なおこの戰爭のために生産力が非常に減退しておりまするが、これらの復興というような意味からいきましても、この際行政機構を擴充されまして、そうしてできるならば、水産廳といつたような程度の擴充をなさることが大體一般の業者の要望であり、なおまた一般識者のいけんであります。そういうような行政機構の擴張をなされる御意思があるかどうか、こういうことをお伺いいたしたいのであります。  それから、漁業權の解放の問題につきましては、先ほど委員會の申合せによりまして、これは後日に讓るということで本日はもんだいにしない、こういうことでございましたが、これは一應私といたしましては、農村で地主の土地が解放されたという析柄、特に農村よりももつと封建制の強い漁村におきまして、漁村の民主化という點につきましても、なおまた増産という觀點からいきましても、漁業權の解放はなされるべきである、こういうように考えておりますので、この程度にいたしておきます。  それからさらに漁業協同組合法案の問題でございますが、これは先ほど申しましたように、漁村は農村よりももつと封建制が強く残存しておるものであり、それから連合各國におきましても、日本の漁村の民主化ということに對しては、對日理事會等でしばしば問題になつておるのでございます。農村におきましても農業協同組合法案が今囘の議會に提案されるようでございますが、それと同じような意味におきまして、漁業方面におきましても、漁業協同組合法案を御提出になる御意思があるかどうか。願わくば速やかに本議會に間に合うように御提出を願いたい。こう希望いたすものであります。  なお復興増産の計畫につきまして、いささかお伺いをいたしたいのでございます。從來水産業者は、昭和十一年におきましては大體百五十萬程度であつたように思うのでございますが、最近昭和二十年ごろには百十萬程度に減じておるのでございます。これは戰爭中の應召とか、あるいは徴用というようなこと、施設であるところの漁船、あるいはその他のものが破壊され、減退しておるというような關係もあるのでございましようが、少くともわが水産業は戰前におきましては千島、樺太、そういつたような北洋漁業關係と、それから南方遠洋漁業というような、實に世界屈指の漁業國であつたと思うのでございまするが、今日あらゆる觀點からこの漁業を速やかに、少くとも戰前までの漁獲高まで増産しなければならないのじやないか、こう思うのでございますが、これに對して當局はいかなる御計畫をもつておられましようか。この點をお伺いいたしたいのでございます。  それから資材關係につきましてお伺いというよりも、要望を申し上げたいのでございまするが、資材關係につきましては、現在私は主といたしまして富山縣の零細漁民の關係につきまして、最近研究をしてみておるのでございまするが、魚の獲れないというのは今の状態から申しますと、資材の不圓滑、これが大部分の原因であり、その次に金融の問題といつたようなことになつておるのでございます。この資材の關係につきましては、最近の状態は戰前のパーセンテージから申しますと、大體二十一年度には重油が四〇・二%、その他ロープが昭和十九年が〇・一、綿糸が一といつたような、實に問題にならない資材のまわり方であるのであります。こういうような状態では、とうていその所期の漁獲の目的を達することができないことは當然でございます。特に私どもの縣におきましては、大體において雜魚をいたしまする勤勞漁民は三日に一日ぐらいしか出漁ができない。網でも傷めますと、スペーヤーがない。こういつたような關係が大部分なのでございます。さらに資材の状態につきましては、これはほかの部門と同じように資材はないのではなしに、配給ルートに乗つてくるものが少いのであります。やみならばなんぼでもある。こういつたような状態で、ご承知のように綿糸やロープというようなものは三十倍、五十倍といつたような多額の金を出せばこれまたなんぼでもある。こういうような状態になつておるのでありまして、私はこの資材の確保という點につきましては、政府の方でも一般の物動關係の計畫の中に立案されておるはずでございますけれども、特にやみに流れておるものを、あるいは隱退藏の資材というものを、嚴重に政府が摘發をして抑える、そうして正規のルートに流す。こういうようなことがなされなければならないのではないか。この點につきまして當局はどういうような御意思をもつておられるか、お伺いいたしたいのでございます。  さらに勤勞漁民の諸君が特に要望しておりますのは、加配米のことでございますが、去年の七月ころまでは、その加配米が一合二勺といつたような程度であつたわけでありますけれども、それ以後は加配米はなくなり、本年になりましてから御承知のように百貫に二升五合というリンク制になつておるのでございます。ところがこれだけではとうてい漁民といたしましてはやつていけない。もつとも定置漁業とか、あるいは遠洋漁業というようなものと雜魚漁民とは非常に仕事の内容も異なりますし、また漁獲の程度においても違うのでございます、雜漁は御承知のように零細な漁しかないというような關係がございます。また遠洋漁業におきましてはリンク制のほかに一日一合五勺という加配米があるのでございますが、これに對して雜漁漁民の諸君らは、われわれの方は時化でもあれば櫓櫂を押さなければならぬというような關係もあつて、實は漁民の中で最も重勞である。そういう關係から考えて、この遠洋漁業というものは、どちらかといえば、工場で働く勞働者と同じように屋内作業にひとしいものである。それにかかわらず差別を附せられるというのはきわめて心外である。こういうように言つておるのでございます。この雜漁に對しましても一定の加配米を、工場や遠洋漁業と同じように配給する御意思があるかどうか。願わくは同じように取り扱つていただきたい。こういうような御希望申し上げるわけであります。  次に金融の問題でございますが、現在政府は昭和二十一年の第四・四半期におきまして、約六億の復興資金を見ておられるのでございます。これは復興資金として三億、一般には三億というような大體予定になつておるようでございます。しかしながら今日特に一般の零細漁民におきましては、資金難に襲われておる。こういう關係上思うような仕入もできないし、仕事ができない。こういうことになつておるわけでございます。これにつきまして引揚漁民、あるいは失業漁民というものが多いのでございますが、これらの人々に對しても、何らかの資金の面においてめんどうをみてやりますならば、これらの失業漁民というものも救われるのではないか、こういうように考えておるのでございますが、この一般の各状態と同じように非常に資金に惱んでおりまするこの漁業界に對して、金融面においてどの程度のお考えをもつておられるかどうかということをお伺いしたいのであります。  次に最後に私の意見でございまするが、魚價の構成でございます。大體私はこういうように考えております。いわしとかさばとかあじ、そういつたようないわゆる大衆魚というものは、これは統制にして押さえまして、一般の雜魚というものはこれは自由販賣にしていいのではないか、こういうように考えております。このことは説明を申し上げるまでもなく、にしん、さば、いわしといつたやうなものは價格におきましても、一般に大衆に向くものでございますが、雜魚は大體におきまして一般、特に國民の大多数でございます勤勞大衆の需要というものはあまりない、こう見ているのでございまして、これはむしろ自由に販賣をさせることによつて、この漁民の生計も大體成り立つていくし、それからまた比較的配給の不圓滑も補われるということになるのではないか、こういうような意見をもつております。  大體質問の要旨はこの程度でございますが、特に、これはほかの産業を同じように、漁民の場合も一般の物價と、それから生産いたしまする生産物の價格との釣合いがとれない、こういうような状態になつておりまして、一時去年の夏ごろまで漁民のふところには相當の新圓が流れこんでおつたのでございますけれども、最近はほとんど新圓も貯金もなくなつておる、こういうような現状でございます。わたしどもの方の富山縣におきましては、引揚漁民や復員漁民というものが四、五千もおりまして、それが現在定置漁業なり、從來から漁業をやつておりまする土着の漁民との間にしよつちゆう亂鬪騒ぎが起きている。こういうような状態でありまして、これをこのままにいたしておきますと、今年の食糧危機におきましては、相當暴動化するというような危険性もございますので、一つこの引揚漁民に對する對策につきましてもお考えのほどを願いたいと、こう思うのでございます。

平野力三日本社会党農林大臣

○平野國務大臣 矢後君から、まず最初に激勵の言葉をいただきまして感謝いたします。御質問に相なりました第一點の水産行政に關する問題でありますが、水産廳を設置する意思があるかないか、こういう御質問でありますが、私といたしましては水産廳を設置いたしたい、こういう考えをもつておるものであります。具體的には今直ちにこの水産廳というものが閣議の承認を得られるかどうか、こういう問題につきましては二つの問題があるのであります。御承知の通り、漁船に關する問題といたしましては、運輸大臣との間に話をつけなければなりません。それから漁網鋼の問題に關しましては、商工大臣との間に話合いをつけなければならぬのであります。この問題に關しましては、既に前内閣以来相當に折衝も行われたのでありまするが、具體的なる事務の折衝において相當暗礁がありまして、まだ未解決であるのでありまするが、私は農林大臣といたしまして、この水産廳設置の問題に關しましては、でき得る限り全力を盡しまして、水産廳設置の方向に萬進をいたしたい、かように考えておることを申し述べたいと思います。  次にお述べになりました漁業權の問題と農業協同組合法に關する問題でありまするが、私は漁民の問題は、食糧の給源地であるという點において重大であると同時に、農民自體の生活、これがそれと不可分に重要な問題であると思うのであります。言い換えますならば、單に漁業というものが魚をとつて國民を養うという點において重大であるということは言うまでもないのでありますが、同時に漁民自體の生活、漁民自體の人間としての解放、こういう點にもむろん重點をおいて考えなければならないと思うのであります。ただ當面いたしまする問題が、食糧問題にいたしましても、農村において農民の解放ということ以上に、現在の食糧をどうするかということが重點であつて、農村問題といえば食糧問題というように、漁業問題といえば、魚をとつてどうして食糧に供するかという點が重點でありますることは、現下の食糧事情からいいまして當然のことであるのであります。かような意味におきまして先刻申し上げました水産廳は、ここに新たなる日本の水産行政に關する非常に重大なるこの兩面の意義を、全國民に徹底する意味において重要であると考えますので、水産廳設置に對しては先刻申し上げたように、相當信念的に進みたいと思うと同時に、ここに御質問に相なりました漁業權の問題に關しましては、特にG・H・Qの方面におきましても、相當にこれらの點に對しまして重大に考えておらるるのでありまして、私といたしましては、日本の農村におきますところの耕作權の問題と竝んで、この漁業權という問題に關して最も合理的な、最も漁民諸君が納得のできる一つの方法によりまして、この問題を處理していきたいと思うのであります。具體的の方法といたしましては、現在の漁業法の一部を改正する法律案というものを、でき得るならばこの議會に上程をいたしたい。かような意味において今準備をいたしているのでありますが、この漁業權に關しまする問題は、今私が申し上げました事は、非常に抽象的ではありまするけれども、さらに具體問題として掘り下げますると、ここには非常に複雜な問題が介在いたしておりますので、この複雜なる問題をよく處理いたしまして、一つの法律としてこれを上程するに至りまするには、なお相當の研究の日子を要するのではないかと考えます。さような意味におきまして、この議會がかりに八月の中旬ごろまで開會せられるといたしますならば、あるいはその期限には間に合わないかとも考えております。さいわいにしてこの議會が長期に延長せられてゆきますならば、あるいはこの議會の終りに上程できるのではないかと考えておりますので、この點については、はつきり申し上げられないのでありますが、その點御了承を願いたいと思います。  第三の漁業協同組合の問題でありますが、これは一方において農業協同組合法というものを制定する事になりまして、この農業協同組合法は大體においてこの議會に上程できると思います。從つて私の考えといたしましては、この農業協同組合法と竝んで漁業協同組合法というものが提案されなければならないと思うのであります。これまた現在事務當局におきましても、漁業協同組合法の問題について、十分檢討を加えているのであります。この協同組合法の狙うところの精神は、漁民に對してきわめて自由なる形において組合を組織せしめ、いわゆる漁民の生活權、漁民の人間としての解放、漁民としての今後の團結權、こういうような點に關しましては、この漁業協同組合法の中に十分織りこんでゆく問題であるのであります。問題はこれまた、この漁業協同組合法というものが上程せられますると、わが國におきまするところのいわゆる漁民の經濟上、あるいは政治上の立場における一大變轉期でありますので、この法案の上程にあたりましては、われわれといたしましては相當に愼重を期せなければならぬのであります。よつてこの法案も漁業法の一部改正法案と同じように、はつきりこの議會に上程できるかと申しますと、準備の都合におきまして、あるいは間に合わないかと考えます。しかしこれまた會期が非常に延長せられまして、十分間に合いますならば、この議會に提案いたしたいと思います。私といたしましては、水産廳設置の問題、漁業權の問題、漁業協同組合法の問題といたしましては、農林大臣として誠意をもつて全力をあげて盡力するものであるということを矢後君にお答えいたしたいと思います。  その他御指摘になりました現在の生産の状況、あるいは資材の問題、あるいは金融の問題、その他諸般の問題に關しましては、水産局長より説明をいたすことといたします。

藤田巖農林事務官

○藤田政府委員 ただいま大臣から御説明のございました爾余の問題につきまして、私からお答え申し上げたいと思います。  まず水産の生産の問題でございますが、これについては私といたしまして、水産の基本計畫というものをこの際樹立いたしまして、そうして生産の目標を大體きめてまいりまして、それに應ずるところの資金、資材、そのほかの漁港の關係、各種の施策をこれと綜合的に組立てて進んでまいりたいというふうに考えておるのであります。現在大體の目標といたしましては、今後五箇年の後におきまして、昭和五年ないし十一年の戰前の水準まで生産を復歸せしめる。從がつて昭和二十六年度におきまして、魚類の生産高を焼く十億萬貫まで確保するというふうな對策を立てまして、今これを檢討いたしておる次第であります。これは大體の案の骨組も纒つてまいりましたので、これがもう少し固まりました曉には、これを御説明申し上げまして、この案についての御意見をまたいろいろとお聞かせいただきたいと、かように考えておる次第であります。  それから資材關係。資材の確保の問題でございますが、水産で重要な資材といたしましては、現在大きく問題となつておりますものはやはり油と漁網鋼の問題であろうと考えております。油の配給につきましては、相當數量増加をいたしてまいつております。最近に至りまして、大體月に重油にいたしましてニ萬二千キロリツトル程度の配給が確保されております。私どもの大體の見當といたしましては、おそらく需要量の七割程度までにはまいるのではあるまいかというふうに考えるのであります。しかしながらこれにつきましても、現物の受渡の問題で相當遲れることもございます。あるいは今後船が相當増加をしてまいります。そういうふうなこともにらみ合わせまして、今後とも所要の燃油の確保については極力遺憾のないような措置を講じてまいりたいと、かように考えておる次第であります。  それから漁網鋼の問題でございますが、大體漁業の中で船を主とするもの、資材の少いところの漁業、こういうふうなものにつきましては、油の方の配給が今申したような事でございますので、なんとかかんとかやり繰りをしてやつておるわけでございますが、網に頼らなければならぬ漁業、たとえば定置漁業、こういうふうなものについての漁網鋼の不足が非常に深刻なことは、これはその通りであろうかと考えております。これは棉花の輸入が相當増加はしてまいつておるのでありますが、一方見返物資として再輸出する棉製品の割合が非常に大きくなつて、はいります棉花のうち、見返物資として出て行きますところの棉製品が最重點になつておつて、この方は計畫通りにとられてしまうわけであります。そういうような關係からいたしまして、漁網鋼の棉花につきましてもなお十分とは考えておりません。大體私どもの感じでは需要量の四分の一が配給量として確保されておるのではないかと考えております。これは從來は、戰災によりまして製網工場も大半が運轉休止をいたしまして、非常に能率が落ちております關係上、このわくはもらいましても、現實に網ができてこなかつたというような状態になつておるのであります。だんだんとこういうような工場も最近は殖えてまいつておりますので、今後はこのわくさえ確實にとれば、相當數量殖えていくというように考えられますので、私どもといたしましては、できるだけ漁業用資材のわくを確保することに努めてまいります。そうして資材の不足によつて生産が非常に阻害されるというふうなことの極力ないようにいたしたいと考えております。從つて、棉糸の網の方面についてはさして悲觀すべき現状ではないと思います。だんだんとよくなつてまいるであろうと私どもは考えております。ただ問題はマニラであります。マニラはどうしても輸入をいたさなければならぬのであります。これが終戰後ほとんど配給がございません。そうして國内の代用麻につきましてもまた言うに足らざる數量であります。この點については、近い將來において、マニラの供給がそんなに殖えるということは私どもとしてはちよつと考えられないのであります。現在わずかばかりはいつてきておりますが、これとても現在需要量のおそらく六・七%程度ではないかと考えております、こういうような關係で、できるだけマニラ麻の需要を、他の麻によつて置き替えるというふうに考慮してまいらなければならぬかと思つております。なおやみに流れるものでありますとか、あるいは隠匿物資の問題についても、これは所管官廳でありますところの商工省の方ともよく連絡をいたしまして、そうしてやみ、隠匿物資、まの他のものもあります折は、これを極力引出すことにやつておるのでありますが、御承知のように、隠匿物資につきましてはなかなか的確にこの所在をつかむことができず、また從來つかみましても、調べていますうちに結局なかなかはつきり手にはいらなくなつてしまうというような事情がございまして、非常に困難であります。今後ともこの點につきましては、私どもとしては努力をいたしてまいりたいと、かように考えておる次第であります。  それから、加配米の問題でございます。お話のように、加配米につきましてはトロール、捕鯨、かつお、まぐろ、機船低引、これらの大體規模の大きなものにつきましては、定量加配をいたしておりまして、一合五勺の定量加配をいたします上に漁獲のリンクがあるわけであります。それ以外の漁業につきましては、これは船によるもの、船によらざるもの、いろいろまちまちであります。そういうふうな關係からいたしまして、全部を漁獲リンクというふうになつているのであります。最近計畫的に遲配がだんだんとひどくなつてきておりますので、加配の數量も、縣によつては當然出すべき数量も、米で出すことができないという點で、非常に漁業者の方もお困りのところも多いかと考えます。これは全般的の問題で、非常に米のストツクが少くなつている關係から、ある程度は我慢して、米以外のものでも、何とかして船の中に炊爨し得るようなものについてこれを確保するよう、食糧管理局ともいろいろ折衝してやつているわけであります。なおこの遠洋漁業以外の一般の漁業についても、一定程度の加配米を観とめることができないかということでございますが、これは現在加配米を認められておりますところの根本的なやり方からいたしまして、相當難點があることだと考えております。これは食糧管理局方面その他とも十分検討をいたさなければ、われわれだけでは何ともお約束ができないことだと考えます。われわれの現在の考え方としては、この點は非常に困難だと考えますので、やはり從來通りの漁獲リンクのやり方でこれを確保する方向に進んでまいりたいと考えております。  それから引揚者に對する金融の問題でございます。引揚者につきましては從來とも水産局におきましては、仕事を與える問題、たとえば許可をいたしますような問題については、できるだけこれを優先的に考慮してまいつておるのであります。資金その他の點につきましても、われわれのできる範囲内におきまして、具體的な問題といたしまして、金融機關との話合をつけることについては御援助をしております。ただ全面的に引揚者についての資金、これを一定程度のわくでもとるというような問題については、これは現在の水産資金のわく自體が非常に困難になつておりますからして、非常に難しいかと考えております。これは具體的な處理といたしまして、引揚者その他の方々が資金の方で困つているために更生ができないという點については、私どもは十分に考慮いたしまして、具體的な問題としてこれを處理してまいるというふうに考えております。  それから魚價の問題、そのほか統制の問題でございます。いわし、さば、あじ、そのほかの大衆的なたくさんとれるものについては、これを統制し、その他の雜魚については、これをむしろ放任した方がいいのではないかというような御意見でりあます。現在は川の魚については統制いたしておりません。こいとかいうようなものについては統制いたしておりませんが、海の魚については一應全部統制いたしております。この海の魚のうち、ある一部のものを統制から除くという問題については、やはり一體どういうところでこれをわけていくかという點については、相當技術上困難な問題もあろうかと思います。なおよくその點は檢討してまいりたい、かように考えておる次第であります。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 矢後君もうありませんか。

矢後嘉藏日本社会党

○矢後委員 もうよろしうございます。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 それでは三好竹勇君。

三好竹勇民主党

○三好委員 私がお尋ねしようとする問題は、大體矢後議員によつて申されたようであり、これに對しては、大臣及び局長殿より、懇切丁寧なるご囘答がありまして、私は十分承知いたしたのでありますが、私の特にお聴きしたかつたのは水産省設置の問題でありましたが、この問題については大臣には、明確に水産廳を設置せねばならぬという御意見をご發表くださいまして、私はまことに安心しておるのであります。しかしながらここに私の申し上げたいと思うのは、第一囘國會において政府が提出を豫亭しておるところの經濟緊急對策關係の法律案中には、食糧對策として農業關係法案のものが多數あるのでありますが、それにもかかわらず、水産關係案というものが一つも提出せられないというようなことは、まことに私は遺憾に考えておるものでありまして、今日の窮迫したところの食糧危機は、この狹小なる國土と乏しい資源しかもたない日本の、いわば宿命とも申しましようか、これをただ單に農業對策のみによつて解決しようとする傾向が見受けられるのを、私は遺憾に考えておるのであります。われわれ初め漁民は、今日のこの食糧緊急問題を解決するには、まことに自信と誇りと責任をもつて、食糧増産のために漁獲物増産に奮鬪しておるのでありまして、この際に水産法案が一つも出ないということになると、漁民は何かしら、漁業が農業關係のものに比較してよほど輕視せられておるように感じて、漁民の失望はまことに大なるものがあると私は考えるのでありまして、この點において私は農業對策と關連して、水産對策の基本方針を速やかにお立てくださつて、本議會にも提案していただきたいことをお願いするものでありまして、そしてわが水産立國の實をあけて、産業行政の一元化を一日も早く提唱して、大臣のご在職中にこの水産省の設置をぜひともお願いいたしたいと考えるのであります。  さらに附け加えて申し上げたいのでありますが、それは漁業權の問題であります。この漁業權に對してましては、今日漁民は皆自分たちの漁業權を全部とられるのではないか、今後のわれわれの仕事はどうなるだらうかというような、一時憂慮した考えをもつておる方がおるのでありますが、私はどうしても漁民が正しき權利を履行して、その正しく履行しておるところの漁民の權利というものは、ある程度これを確保してもらいたいという基本のもとに、今後の漁業權のあり方というものを考えていただきたいことを、特に強調しておきたいと思います。

平野力三日本社会党農林大臣

○平野國務大臣 三好君からの重ねての御質問でありますが、水産廳設置の問題に關しては、私といたしましてはほんとうに誠意をもつてやるつもりであります。  それからこの議會に他の農業政策に關する法律案は相當出るようであるが、水産關係の法律案がまだ提出されていないので、漁業方面に大変な失望を與えるのではないか、こういう御質問であります。まことにごもつともであります。これは決して水産關係を輕視して法律を出さないという趣旨ではないのでありまして、先刻も申し上げましたように、漁業權という問題については、非常にむずかしい問題が介在いたしておるのでありしまて、これは私が説明いたさなくても、本日の委員各位は十分御承知でありましようが、この問題をいよいよ法律として決定をして出すということについては、十分あらゆる方面の納得のいくような檢討を加えないと、一時の行きがかりや、あるいは惰性でもつてやるべき問題ではないのであります。從いまして、殊にこれは政府といたしましても、G・H・Qの關係もさることながら、よく漁民諸君の意見というものも聽き、これならばという十分な納得の上に法律にいたしたい。かような意味において法律案の上程がやや遲延をするということは、決して漁民を輕視するのではなくして、むしろ政府といたしましては、きわめて愼重に漁業問題の将来に對して、誠意と熱意をもつて考えておる表現であると御解釋を願いたい。從つてできるならばこの議會に上程をするようにいたしたい。  それから漁業協同組合法と漁業法の改正という問題は、これは不可分でありまして、一方だけでやるというわけにはまいらぬのでありますので、これまた相當に時間を要するという點を御諒承願いたいと思います。  それから考え方について御質問がありましたが、一言申し上げたいと思うことは、かりにこの漁業權を私どもが扱うにいたしましても、單なる理論や、あるいは從來の行きがかりにとらわれることをいたしたくない。もとより他の農業生産の部面におきましてもそうでありまするが、この際の段階といたしまして、かりに出た法律というものが、ただちにその減産になる、あるいはそれによつて混亂を起こす、こういうことは嚴に避けなければならぬのでありまして、理論が整然として通るとともに、すぐその法律案というものが増産の線に向う、こういう點も併せ考えておるのでありまして、決して實情を無視したような改正法律案や協同組合法を出す意思はないのであります。この點につきましては十分に檢討を加えて、あなた方にも十分なる御滿足のいくよう、また今後水産委員會の皆さんの意見も十分聽いた上において、いよいよ法律となる場合におきましては、これが萬全を期したい、かように考えておるのであります。從いまして、今すぐこの水産に關するところの法律案をただちに議會劈頭上程いたされないということは、まことに残念でありますが、かような趣旨を十分御了承願いたいと思います。

馬越晃民主党

○馬越委員 簡單に、關連しておりますから……

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 それでは馬越君。

馬越晃民主党

○馬越委員 ただいま平野農相は、水産廳設置實現に對しまして全力を揮つて御努力くださることをお誓いになられた。このお言葉は、以前から、その時々の農相から常に承る言葉なんであります。この水産廳設置の問題が生じましたのは、これはずつと以前からなのでありまして、九十囘議會におきまして、當時は水産省の設置につきまして、各黨が一致いたしましてこの省の設置の決議案を提出いたしました。もちろん滿上一致で通過いたしましたことは農相もよく御存知の通りなのであります。その後この問題が、水産省から一つ格下げになりまして、水産廳としての實現をしようということになつた。これも私ども、事情やむを得ざるものとして、省が廳になることも了承いたしまして、ひたすら水産廳の實現を鶴首してまつておつたのであります。吉田内閣におきましては、この水産廳設置の問題は閣議にまで上程せられたと承つております。閣議に上程せられまして、そうしてついに、ただいま農相のお話の通り、あるいは關係省であります運輸省とか、商工省とかとの間において、意見の一致點を見ずして、ついにそのままになつて今日に至つておるのであります。その意見の一致を見ないというのはどこにあるか。これはただいまお話の通り、運輸省の海運總局における漁船の建造の關係事務と、商工省の漁網鋼の關係の事務と、おのおの自分の省から手放すことが困難だと稱して、これが實現できぬのが最大の原因になつておる。これがいわゆる私どもから申しますと、各省の繩張り爭いにすぎないのであつて、いわゆるここに官僚の官僚たるいき方のゆえんがあると私どもは考える。もはや水産廳の設置は、これは單なる努力をするというくらいな程度のものではないのでありまして、これらの問題さえ打開することができるならば、これはたちどころに實現できる程度に立ち至つておるということをよく御了承を願いたいと思うのであります。ただこの上は、平野農相の強力なる政治力によつてこれを解決しなければ、とうてい事務的な方面におきましては解決は不可能なのであります。政治的に解決するよりほか途はないのであります。もし平野農相にして必要ありといたしますならば、われわれ委員會の全員は、あげて平野農相の政治力發揮の上に御援助申し上げて、この實現を期したいと思うのであります。これに對しまする農相のいま少し具體的な御決意について承りたいと思います。

平野力三日本社会党農林大臣

○平野國務大臣 ただいま馬越君から、きわめて適切なる御質問を受けたのでありますが、私、實は入閣まだ一箇月でありますが、閣議におきまして、農林大臣としての心構えとして常に論じておりますることは、現下の食糧危機を打開するということは、現内閣の最大重要使命なのであります。從いましてこのことが、その線に沿うかどうかという問題に對しては、かなり強硬にやつているつもりなのであります。内閣が第一囘に發表いたしましたいわゆる危機突破對策としての食糧行政の中をごらんになつていいただくとわかりますように、そのかなり大部分が水産物によつておるのであります。具體的に檢討いたしますとおわかりでしようが、箇々について見ればむろん加工水産物というものが現實には大量に上つておるのでありますが、その加工水産物にいたしましても、結局は水産物にほかならないのでありまして、現在、先日本會議においても説明いたしました、約一箇月に近いところの遲配をどうするかという問題については、もとより主食に對しまして相當の手を打ちますことは當然でありますが、結局するところ國民栄養という點から申しまして、水産關係に依存しなければならないということが、きわめて明白なる事實になつておるのであります。從つて私といたしましては、單にこの水産廳の設置ということを、從來の閣議において、農林大臣が水産の委員諸君におざなりに答辯をしたその關係上、おざなりに閣議において申し述べるというような考え方は毛頭ないのであります。この際私といたしましては、新たにこの水産廳設置という問題に關しましては、現下の食糧危機を突破するという點において、どうしても必要であるということを極力力説するつもりであります。もとより前内閣におきましても、十分この問題について御檢討を願つたことは當然でありましようが、私といたしましては、この食糧の危機がいよいよ深刻であればあるほど、その食糧の危機が深刻であるということと相まつて、この問題は推進できるとい自信をもつておるのであります。もとより私自身の單なる力によつてできるというような、大それたことを言うのではありませんが、ただいま御激勵の御言葉もありましたように、水産委員會も國會のうちにできたのでありますから、これを機會といたしまして、私はそのあなた方の意見を特に代表して、水産廳設置に關しましては自分の信念として、あくまで運輸大臣及び商工大臣に向つて交渉するつもりであります。特に商工省に關する問題といたしましては、大體その具體的關係の内容といたしましても、すでにこれは商工省において特に反對すべき筋合いはないと思います。それから運輸省につきましても、船舶の管理という點において支障もありましようが、これは現在の情勢をもつて説明いたしますならば、十分水産廳設置は理由が通ると思いますので、私はこの問題については全力をあげてやるということを、あえてここに申し上げる次第であります。

石原圓吉日本自由党

○石原(圓)委員 ちよつと關連しますが……、ただいま大臣より水産廳のことにつきまして熱意ある御意見を承り、まことに意を強うするものであります。参議院の水産關係者が集まりまして水産クラブをつくつておるのであります。この水産クラブが去る二十五日に總會を開きました席上におきまして、水産廳もしくは水産省の設置を強力に主張いたしました。そうしてもし内閣において遲れるならば、議會の發案權をもつてでも實現したいという意向が出ておるのであります。從いましてこれが設立につきましては、關係者は全員一致で支持することは申すまでもないのであります。私は今は野黨の立場にありますけれども、自由黨におきましても、この問題は絶對反對をしないという見透しをつけておる次第であります。  なおまた先刻のお言葉のうちに、前内閣が名目的に提案するという熱意のないような内容のごとく見込んでおられるような御説があつたのでありますけれども、全然そういうことはないのであります。この水産廳を設置するということは、和田さんが前の農林大臣の時の御意向のもとになつたと私は心得ておるのであります。そのことは、水産局長も内部の事情はよく御承知であると思います。その時分には、水産廳で満足するか、一躍水産省にするかということで議員間にもいろいろな意見がありまして、いくらか一致を缺く點があつたのでありますけれども、まず段階的に水産廳をつくつてもらおうということに意向がまとまりまして、その意向を傳える時期になつて前内閣はやめるというような事態にまいつたのであります。さような經過でありまするから、この水産廳を、設置することは少しも躊躇逡巡することなく速やかに立法を願いたい。私はここに参議院、衆議院の水産關係委員全部の意向を代表しまして、この希望を申し上げる次第であります。

平野力三日本社会党農林大臣

○平野國務大臣 重ねて申し上げますが、だんだんみなさんの御意向を聽けば、いよいよごもつともでありますので、私といたしましては全力をげるつもりであります。なお同時に、當委員會におきましても、先刻來御議論のありますように、十分一つ國會の力をもつて内閣を御鞭撻くださることをお願いいたします。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 冨永格五郎君。

冨永格五郎日本自由党

○冨永委員 ただいま大臣の三好君に對する答辯にもありましたし、また前の質問にも答辯せられておりましたが、今期の國會にはあるいは間に合わないかもしらぬが、もし延期せられるのであるならば提案せられるとのことでありましたので、私は特にこの場合お考えを承つておきたいと思うのでありますが、この漁業協同組合の問題についてであります。もとより水産政策は目先の食料充足のみにあるのではなくて、勤勞漁民の漁村として、近代的漁業の基盤たらしめるという深い考慮の上に組立てられなければならないのであります。從つて漁業協同組合は實行組合または經營組合の組織體となるが、その場合協同組合は少くとも中小企業者の共同組織であることが考えられますから、組合員となるべき者の資格が、單に漁業を經營するということが指定されるだけでありまして、その經濟體に何らの規定がないということでありますならば、必ずしも中小企業者の共同體になり得るか否かという點についてであります。資材あるいはその他の事情から考えますならば、最小の資材、勞力をもつて最大の效果を収めるという見當から考えますならば、大資本を能率的に動かすということももちろん取上げて考えなければならないのでありまするが、その協同組合の趣旨があくまで中小企業體にあるとするならば、やはりここに大企業と中小企業とのどこかに一線を劃されなければならないのではないか。しからばその一線はいかなる點において劃することができるかという點については、當局はいかなるお考えをもつてこの協同組合員の資格をお考えになるかどうかという點であります。  次に實行組合、經營組合の小規模な勞力を組織した程度に止まらないで、他の大きな資本を導入して生産共同體の力強い施策を必要とする事はもちろん當然でありますが、この場合共同生産組織をどうして民主的組織ならしめるか、この頃民間商人が漁村に進出して、漁村の成長を妨げるようなことがかなり少くないのではないかと思いますので、無制限な轉換資本の漁業進出に對して、あくまで漁村の成長を育成しなければならない。いかにして共同體組織を進めるか、これは漁民の共同出資によつて、あるいは市町村單位、あるいは道府縣單位の會社組織をつくることも考えられる。もちろんこれにも弊害があるから、出資額にもある程度の制限を設けることもあり得る。いずれにしても協同組合の事業は、いわゆる共同販賣または共同購入というようなものが當然考えられてくるが、それにさらに漁業の其同經營を認めるという場合におけるこの共同經營體が、どんなふうにこれを民主化せしめていくかという點を伺いたいと思うのであります。  なお漁業權の免許官廳であるところの行政官廳の設置に關しても一つ承つておきたいと思います。先般水産局長からわれわれに示された案を拝見いたしますと、漁業權の免許官廳はもちろんこれは決定的なものではないことは承知いたしておるのでありますが、全國を八海區に分けまして行政廳を設置して漁業權の免許官廳としよう。こういうふうにお考えになつておるようであります。そうしてまた下部組織としては、あるいは漁業調整委員會、あるいは漁民公會、これらも設けられるお考えのように拜承したのでありますが、しかしこの漁業調整委員會は、やはりただ單に漁民公會と大同小異の存在でしかないというふうに見受けられるのであります。なおその當時水産局長の説明にも、漁業調整委員會を重要視していくことは當然將來は考えられるが、今ただちにはやはりそのいろいろな弊害ができると思ふから、これは行政廳を設置することによつて、その免許をするようにいたしたい、こういう説明も附加えられたのでありますが……。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 御演説中でありますが、漁業權や漁業協同組合法等に關しましては、まだ政府の法律案として提案されてもおらないことでありますから、大體どういうような方針において政府が提案する見込みであるかというような點について御質問願つて、なるべく御議論にわたらないようにお願いしたいと存じます。

冨永格五郎日本自由党

○冨永委員 わかりました。協同組合の點はさついお尋ねしたような點で結構であります。また漁業權の問題も、大體水産局長のお考えや、その當時示された案によりますと、行政廳ををもつてこれを許可するというお考えのようでありますが、私はこの場合さらに強調して、必ずしも議論にわたらない程度においてお伺いしておきたいと思いますのは、われわれをしてこれを考えしめますれば、行政廳をして免許官廳たらしめるというのは、やはり漁業者の死活を扼するところの免許關係であるから、漁民の公平な選擧によつてあげられた委員によつてつくられる調整委員會を輕視するということは、漁民の總意に副わないのではないか、かように考えられる點についてお伺いいたしたいと思うのであります。これはあくまでもいわゆる官僚の獨善的な考え方を温存するゆえんであると考えるのでありますが、この點に關して御意見を伺いたいと思います。  なおまた現在御承知の通り、沿岸における遭難漁船に對する救助關係につきましては、ほとんど何らの施設をいたしておらないと言うても過言でないと思います。御承知の通り日本海難救濟所というようなものが、宮様を會長として戰時中あつた。今もそれを多少残してはおりますものの、これらはほとんどその機能は發揮しておらぬというような形にあるのでありまして、この漁業が大きく取上げられた今日といたしましては、まずその現場で遭難を救濟するということと、これを復歸せしめるということに關して、當局は積極的に何らかのお考えがないかどうかという點をお伺いしたいと思います。  それからもう一つごく簡單に伺いたいと思いますが、今日危機突破對策として、しかも水産がその重責を擔うという場合に當面いたしておりますが、政府は一、ニ箇月前に底引網漁業の七月、八月の休止を命令いたしておるのであります。これはあくまでもいわゆるこの危機を突破しなければならないという昨今の情勢に鑑みまして、少くとも今年くらいは休止期間を廢されまして、またさらにお考えになられる御意思がないかどうかという點等を簡單に御説明願います。

庄司彦男日本社会党

○庄司(彦)委員 次の會合もありますから、答辯がもし長いようでしたら、この次の會合に答辯していただくことにして、これで休憩をしていただきたいと思います。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 農林大臣に申します。答辯は簡單ですか。

平野力三日本社会党農林大臣

○平野國務大臣 簡單にやりましよう。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 では農林大臣。

平野力三日本社会党農林大臣

○平野國務大臣 冨永さんの御意見非常に具體的でありますので、先ほど委員長からもお話のありました通り、農林大臣といたしましては、協同組合法なり漁業權の改正法が確定した後におていは、はつきり申し上げたいと思いますが、現在經過中にありますので、これらは先般來水産局長が出まして、いろいろ委員會でない場合において申し上げた點をもつて大體御了承願いたい、こう思うのでございますが、いかがでございましようか。

藤田巖農林事務官

○藤田政府委員 北海道の底引網の休止期間を、今年に限つて解除する問題でありますが、私どもといたしましては、北海道で獲れました魚を、これを確實に計畫的に、たとえば六大都市への配給に充てたい、こういうふうな具體的計畫が立ちますならば、その意味におきまして今年限りこれを考慮していいだろう、さように思つております。ただ實際問題といたしましては、輸送能力の問題が大分重要でございますので、この點は現在具體的に考えておりますから、さよう御承知願います。

本間俊一民主党

○本間委員 ちよつと私お願いを申し上げておきたいのでありますが、從來の特別委員會とは、今度の常任委員會は初めから性質が違つておりますので、私どもが當局の水産行政を檢討し、いろいろ立案をいたす點からいたしまして、正確な水産統計なり、その他いろいろな資料をどうしても必要とするのであります。はなはだ恐縮ではありますが、できるだけ詳細な水産統計その他の資料を、できるだけ速やかに委員の手もとに御提出を願いたい、それだけお願いを申し上げておきます。

西村久之日本自由党

○西村(久)委員 農林大臣御出席の機會に、先ほど矢後君からお尋ねのありました漁業勞務者の加配米のことにつきまして、水産局長から、食糧管理局との關係について困難なる實情は伺つたのでありますけれども、最高當局である大臣が御出席になつておられますから、大臣はこれに對していかなる御方針をもたれておるか。ちよつと大臣の御意見を伺つておきたい。

平野力三日本社会党農林大臣

○平野國務大臣 勞務加配全般に關する考え方といたしましては、私どもの最近の方針としては、ただ從來の惰性を追うてやつておるということに對して、相當なる改正を加えたいと思つております。と申しますのは、たとえば肥料、石炭等はすでに政府の直配になつておる、その他の産業についても政府直配ではないが、勞務加配を認めておる。しかしこれは畢竟するに、日本全體の現在の危機突破という見地から見て、それがほんとうに食糧問題の打開となり、延いては現在の危機突破になるという關連性がなければ、ただこの工場に三千人勞務者がおるからといつて單に特配するというようなことは、むしろ穏當ではないかということから、從來加配米を加えつつある工場に對してもよく監督をして、たとえば電力會社等においても、相當現在議論があるのでありますが、やつておるのであります。從いまして漁業者に對する米の特配という問題については、まだ實際問題といたしましては、閣議においては議論をいたしておりませんが、ただいまお述べになりましたことを中心として、殊に水産によつて現在の食糧危機を突破するという見地から、水産勞務者に對する加配米が眞に必要である。こういうはつきりした一つの數字をいただきまするならば、これによつてやりたい。また水産局長にもそういう點において、はつきりしたる數字を出していただきまして、これを食糧管理局にはもとより交渉し、私は國務大臣として閣議においてこの問題を檢討したい、かように思つております。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 宇都宮則綱君。

宇都宮則綱民主党

○宇都宮委員 この機會に大臣にお尋ねいたしますが、今日の食糧危機を突破するのは水産以外にないのです。これは理窟を抜きにして、ひとつ水産をもつて今日の食糧危機を突破してもらいたいという考えをもつておる者であります。水産問題については、いろいろ漁業權問題で隘路があるかもしれない。しかしよいと思つたら、これは斷乎としてやる勇氣をもつてやつてもらわなければ魚はとれません。私は大分縣の者でありますが、私の縣の保戸島という島に遠洋漁業のまぐろ、かつおを專門にしておる部落があるのでありますが、これは戰爭前には日本のまぐろ、かつお船が百二十ぱいばかり出しておるうちの九十五ぱいがこの保戸島から出ておつたのでありますが、戰爭後わずかに三、四はいのものに減少しておるのであります。そこには優秀な遠洋漁業の勇敢な漁師が待機しておるが、残念ながら船は徴用され、その他いろいろな理由で船がなくなつてしまつて、遠洋漁業に出られない。金もない。どうすることもできなくて、大變な人数が腕を組んで魚の群れを見送つておるというような状態であります。これをどうすれば復活し得るのでありましようか。私はこれに對して、どうすればそういもものを復活させ得るかというようなことを、極く手近に御指示が願いたいのであります。金融の方法があるのかどうか、あるいはそういうものには船を貸してやることができるかどうか、あるいは漁具の世話でもしてやるというような方法があるかどうか。そういうようなことをひとつ手近に御教示願いたいと思うのであります。

藤田巖農林事務官

○藤田政府委員 かつお、まぐろ漁業の許可方針といたしましては、私どもとしてはまず第一に、いわゆる徴用滅失漁船の代船、つまり戰前に許可をもつておりました船を單に徴用されまして、それが沈んでしまつた。その代船によつてかつお、まぐろ漁業をやろう。これは私の方では、徴用滅失漁船の代船と俗に呼んでおります。この徴用滅失漁船の代船については最優先に考えております。これにつきましては許可は當然やつてゆこう。もちろん隻數の關係がございますから、從來與えております隻數をそのまま認めるということも困難な場合がございますが、少くともこれは一定隻數限度までは必ずやつていく。そうしてまたこれに對する資金は特別に復興倉庫から貸すということで、許可につきましても、資金につきましても優先的に考えておるのであります。從來そいういう方針で相當許してまいつております。ただ最近御承知のように、四次の漁船の建造が禁止になつたのであります。その理由は戰後船はどんどん殖えてまいりましたので、現在の状況では戰前の状態まで復歸しておるものと認められる。從つてかつお、まぐろ漁船、底引網の漁船というような船というようなものは、これ以上増加する理由に乏しいということであります。現在この分は今申しました徴用滅失漁船の代船として出てきておるものが相當あるわけであります。從つてそういう人がやれなくなるということについては非常に憂慮をいたしております。ただこれについては、從來すでに建造許可を受けておるものの中で中止をさせ得るものがあるわけでありますから、つまり許可を受けておるけれども、船の方は進んでいない、そういうものもあるわけでありますから、そういうふうなすでに許可濟の分の穴埋めといたしまして、四次の申請の中から非常に必要なものからこれを埋めていこうというふうに今考えておるわけであります。從いまして、現にすでにこの具體的な大分縣の船が建造許可になつておる問題でございますか、あるいはそうでなくて、その前提としての漁業の許可の問題でございますか、そこのところが判然といたしませんが、新しい許可の問題ということになりますと、先ほど申し上げましたように、かつお、まぐろ漁業はすでに現在において船が多いからというふうに抑えられておる現状から、事情は十分わかるのでありますけれども、やはりこれ以上新しく許可をしてまいることは、一應は差控えてまいらなければならぬと考えております。

庄司彦男日本社会党

○庄司(彦)委員 特別な問題については、一つ局長なり大臣なりと個々に會つていただきたい。それをまず第一にお願いします。それから大臣も水産問題を非常に重要視して、先ほどから熱のあるようにわれわれは見受けますが、今後も水産の委員會にはなるべく時間を割いて出てくださることをお願いしたい。併せて本日はこれで散會を希望します。

青木清左ヱ門民主党

○青木委員長 皆さんに申し上げますが、國會法によつて發言は各自に機會を均等ならしめ、なお發言請求の順序によつて發言を許したいと委員長は考えております。また從來の慣例によりまして發言の機會は各黨公平にいたしたいと考えておりますので、發言の御希望のあります方は、あらかじめ委員長までお申出を特にこの機會にお願いしておきたいと存じます。次囘は來る八日午前十時より開會いたします。 本日はこれにて散會いたします。    午前十一時五十九分散會

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