水害地対策特別委員会 第13号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1947/12/05
会議録
○本間委員長 ただいまより開會いたします。 この際皆樣にお諮りいたしたいことがあります。去る十一月二十六日理事葉梨新五郎君が退かれましたので、これより理事の補缺選擧を行いたいと思います。
○馬場委員 理事の補缺は投票を用いず、委員長において指名されんことを望みます。
○本間委員長 馬場委員の御意見に御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本間委員長 それでは私から指名いたします。小笠原八十美君を理事に指名いたします。 なおこの際大藏大臣の見えられます前に、私の方から御報告いたすことがありますから、前もつてその御報告をいたしたいと思います。御承知のように、公共事業費の追加豫算は五十二億でありますが、そのうち災害關係の豫算を申し上げますから、どうか御承知を願いたいと思います。河川關係が十四億であります。それから一番大きいのから申し上げますが、農業關係が四億九千一百萬圓、山林關係が五千七百萬圓、水産關係が一千一百萬圓、港灣關係が一千二百萬圓、道路の關係が三千五百萬圓、學校關係が一千八百萬圓、厚生關係が三百三十八萬圓、旱害應急が五千萬圓、砂防關係が千七百萬圓、大體災害にきわめて關係のある項目を申し上げますと、かようなことになるわけであります。 大藏大臣がお見えになりましたので、皆さんに申し上げたいと思いますが、本委員會は、大藏大臣がしばらく健康をそこねられておりましたことと、その間に追加豫算が豫算委員會に提出されたものでありますから、大藏大臣はその方に忙殺されておつた關係上、しばらく委員會を休んだわけでありますが、その點は御了承願いたいと思うのであります。先日委員各位に御報告申し上げておつたのでありますが、五十二億の公共事業費のうちで、先ほども申し上げました通り、河川關係で約十四億圓でありますが、すでに第三・四半期に支出をいたしました額を總計いたしますと、約十二億五千萬圓ばかりに相當するのであります。これを差引きますと、第四・四半期分として今後河川關係に使用し得る豫算が約二億七千萬圓であります。それから農林省關係は、先ほども御報告申し上げましたように、四億九千萬圓、それに山林、水産を含めますと約五億六千萬圓ばかりに相當するのでありますが、そのうちすでに三億四千萬圓第三・四半期分までに支出が濟んでおりますから、それを差引きますと二億二千萬圓程度のものが、第四・四半期分の豫算として殘ることになるわけであります。それだけ御報告しておきますが、先日委員の各位にお集まりを願いまして、追加豫算が決定いたしましたあとの處置をどうするかということについて、打合せをいたしたのでありますが、その際に河川關係を一例にとつて見ましても、二億數千萬圓の金では直轄河川の方に充當いたしましても、これは十分でないのであります。從いまして第四・四半期の各府縣の河川に對する補助金の財源が、全然見込みが立たぬというような状況になつておりますので、ぜひとも次の國會に新たに追加豫算を計上してもらいたいということが、委員會を開きしました際の全員の一致した要望であつたわけであります。この問題をきようは中心にいたしまして、大藏大臣の御意見を承ることにいたしたいと思いますから、どうかさよう御了承願いたいと思うのであります。最初に大藏大臣の方から一遍どういうお考えをもつておられるかお聽きした上で、會議を進めたいと思いますから、どうかさよう御了承願いたいと思います。
○栗栖國務大臣 どうもこの間から病氣と忙しいのと兩方で、こちらに上る機會を逸しまして、自然申し上げる點が大分たくさんあるのでございまして、それを申し上げ、また御疑問の點、こうしてほしいという點を十分お話を願いたいと思います。實は公共事業費のうちで、災害對策に關する費用というものは、私ども追加豫算として、六・三制とか、旱害對策とか、官公吏の特別手當というものをさらに計上いたしたいと思つたのであります。ところがいろいろ調べてみますと、財源その他の點においてまだその筋との話合いのつかむ點もいろいろあるのであります。さらに財源その他を別途の點でもう一度見てみますと、災害對策には、實はよい財源があつたのであります。それは何かといいますと、前内閣のときに、豫算外國庫の契約、こういうものが十億圓ほどあるのであります。これはいわば一切の支拂いがうまくいかぬ場合は政府で補償し、一切のめんどうを見る。こういう十億圓の豫算外契約というものが前内閣で通過したのであります。これが何にも使われておりません。これは驚いたことだというので、今その筋といろいろ交渉をしたり、また資材はどうか、セメントはどうかという交渉をしますと、急ぐ公共事業費その他に、殊に災害對策については、一月、二月につい流れてしまいます。來年度の稻作等、その他にも間に合わぬというようなことが起ると思つたのであります。そこでこの間、實は先月末の閣議で、十億圓のうちの豫算外契約というものを利用して、すでに國會を通過して、前内閣のときに出ておるものでありますが、これを災害對策に振り向けよう。こういうことに實はきめたような次第であります。そうしますと、もう國會その他を經る必要はないのでありまして、これによりますと、大體地方の府縣その他で地方債を起される。そういう場合、むろん預全部で引受けをいたしますが、それも國庫のいわゆる豫算外契約で補償することになり、利息も支拂えぬ場合は國庫で補給をするというようなことに相なるのであります。このうちをもつて——七億圓がお約束の金額でありますが、十億圓ありますから、そのうちで早く必要な手當をなさるのがよいのじやないかというように考えたのであります。そうして各府縣で十分計畫をお立てになつて、これが安本と内務省の兩方で相談をして話がきまつて、どこにどれくらい割振るかということが私どもの方へまいりますれば、われわれの方としてはそれによつて處理ができるわけでございます。これならばもうすでに前内閣の石橋大臣のときに通つたもので、しかも何にも使われていない。これはもう國會の議を經る必要もないし、殊に急を要するものですから、これを使用しようということで内閣できめたわけであります。 重ねて申し上げますが、各府縣その他で計畫を立てて、その中にどういうように盛りこんでなされるかということを内務省、安本等できめて、大藏省へも重ねて相談を受けるならばこれで賄えると思う次第でございます。こちらさんには關係ありませんが、旱害對策のものについてもこの間の追加豫算では五千萬圓しか計上されず、これでは不足だと思い、十億圓の中で七千萬圓くらい賄つてみようというように考えた次第でございます。そうすれば各位の御要望の金額に大體應ずることができると考える次第でございます。
○本間委員長 ただいまの問題について御質疑はありませんか。——それでは石田博英君。
○石田(博)委員 ただいま十億の豫算外の契約があつた。それを災害對策費に充てようという御説明でしたが、これが決定したのは先月の初めですか。
○栗栖國務大臣 先月の終りでございます。その筋との話合いもし、きまつたのですが、ちようど内務大臣がおるすでしたしあるいは農林大臣もおいでにならぬものですから、お話が十分できなかつたのでありますが、二、三日前に大體その筋との了解も得て本ぎまりにしてしまつた次第でございます。これを中心にして必要なものについては大いにやつていただきたいと思います。
○石田(博)委員 各府縣で、計畫を立てられて、内務省、安本と相談をされたら、それに對して出すというお話でありましたが、第三・四半期分はすでに決定されたものの中から相當額各府縣とも引かれております。第四・四半期分はすでに安本、内務省の了解が濟んで、各府縣の要求の出されたものは決定されているはずでありますので、あらためて内務省、安本と相談するとか手續がなくてもすでに決定された範圍内において至急に支出していただくという方法がとられないものか。 それから先月閣議で決定されたと承つたが、その後において内務省あるいは安本へ私どもの府縣の當局者あるいは縣會その他の諸君がおいでになつたのですが、そういうことは全然聞いてもおらないようだし、その點の連絡が行き屆いていなかつたために非常に結論を得ずに歸つたということがありますから、それと兩方をにらみ合わして、第三・四半期分、第四・四半期分の所要額、特にすでに工事を計畫に基いて施行した分に對する支出だけはあらためて内務大臣が歸つてきてからとか、安本と内務省とがどうこうということではなく、既定計畫で支出を願う便法をとつていただきたいと考えます。
○栗栖國務大臣 それでも結構でございますけれども、實は金額その他においても多少のゆとりができ、一度新しい支出が出たものですから、もし時間その他に餘裕があるならば、十分御相談になつて、こちらにもつておいでになつていただきたいと思うのであります。それは豫算外の契約でありまして、豫算自體とはちよつと違いますから、實質において資金が出ればよいということになると思うのです。結論は同じでございます。それからこれもそれならば早く氣をつけたらよかつたじやないかというお話もありましようけれども、實は前の大臣とも私は多少知つておりまして、そのことは知つておつたのでありますが、なかなか財源その他がなくてとことんまでいかなければその筋との交渉がうまくいかぬのでありまして、そういう意味においてようやくここに了解を得て使うことができるように相なつた次第でございます。
○石田(博)委員 重ねてお伺いいたしますが、たしかすでに計畫分のものは、第三、第四・四半期分を加えて、水害對策というものは七億前後だと記憶しておりますが、そうするとそのほかになお三億ほどの使つてもよいという豫算が出てくるわけですね。つまり合計十億といたしますと……。
○栗栖國務大臣 實は七千萬圓は旱害對策の方にまわしたいと思うのです。これも特にひどいところがあるものですから、これを全部お使い願つて差支えないというわけじやありませんで、必要やむを得ないものなら七億圓を少々はみ出てもよいと思うのでございます。そういう意味でございますから、そこであらためて三者が相談をしたり、皆さんとも相談なさつたりする必要があるのじやないかと思うのでございます。この方は七億圓なのでございます。
○石田(博)委員 この經費の問題は他府縣も同樣だと思うのです。各府縣とも工事にあたつて困つておりますのは、第三・四半期分も通知のあつたものが削られてしまつたということでありまして、その經費の充當には困つております。なるほどあらためて話合いをし直すよう取計らえるかもしれないということもありましようが、それはあとで話合いをするとしまして、とにかく既定計畫分だけは速急に支出願うようお取計らいを願いたい。そしてあらためて話を三者の間で進めて餘剩分を追加していただく。そういう便法をとつていただくということと、それからこれは水害對策費とほかの對策費も同樣でありましようが、大藏省で査定せられる場合にあたつて、各省からもち寄られた原案の詳細にわたつて檢討されて支出されるのだろうと思うのですが、現實の問題として大藏省で査定された額を實行する官廳の方において、適當に按分のし直しをするという事態が今度の場合にありました。そういう取扱いは豫算技術上どういうことになつておりますか、ちよつと御説明を承りたい。
○栗栖國務大臣 それは實は初耳でございますけれども、そういうことがあれば、さらに大藏省の方に安本を通じて訂正の了解を得た上でそれをやつておつたと思うのでございます。そうすれば同じ對策費であるならば使用ができるわけだと思うのであります。
○本間委員長 ちよつと大藏大臣にお尋ねしたいのでありますが、豫算外國庫の契約の財源が發見されましたので、その分で災害復舊の豫算をぜひ得たい。こういう御説明でありましたが、そうなると安本と内務省の方で話合いをした結果、どの縣にはいくら、あるいはどの縣にいくらというように一應きまると思いますが、その場合にその割當を受けた縣が割當を受けた額だけの起債をする用意をいたしまして大藏省の方に願い出る。こういうことに一應なりますかどうでありますか、その點ちよつとお尋ねいたしたいと思います。
○栗栖國務大臣 それはそういうことになりまして、この災害對策については、貯蓄を大いに増強していただく代りには地方にも還流するという意味において、預金部の資金をおもに流用いたしたいと思うのであります。その手續等はこれは地方の方にもよくご存じのない方があると思いますから、私の方と内務省その他で相談をいたしまして、そうして十分末梢まで屆くようにひとつ要綱でも書いて徹底させたいと思つております。ところでそういう手續をするうちに一月も經つじやないかということもあるのでありますが、そういう場合には金融的措置をして、一時つなぐというようなことも考えられますから、なるべくはせつかく資金を見出したのでありますから、それを十分利用していただくために、一月でも空費をしないようにいたしたいと考えております。金融機關の場合には十分連絡をとりたいと思つております。
○竹尾委員 ちよつと旱災害費の對策害の方でありますが、その旱害はこの間五千萬圓をいただきました。それからその次につい先月でありましたが、もう七千萬圓やる、こういうお話に承つておりました。ところがそれが出ないようになつた、財源がない、こういうことをちよつと聞いたのですが、その財源がなくなつたので七千萬圓を豫算外國庫で出していただく、こういうことに了承してよろしうございますか。
○栗栖國務大臣 今お話の通りでありますが、財源がないというよりも、實は財源は考えておるのでありますが、その筋の了解を得るためと、まず砂糖消費税をやりたいと思いましても、こちらへ屈くまでにどのくらいあるかというと、まだ期限がありまして、できればこの臨時議會に出して通してしまいたいと思つたのでありますが、これは災害對策の費用も同じであります。ちよつと間に合いませんのです。そうすればこの十億のうちで七千萬圓でも出せば、前の五千萬圓とで一億二千萬圓でありますから、まずこれで大體できるのではないか、それから先は先でまた考える。こういうようにいたしたいと考えた次第であります。
○竹尾委員 われわれ七千萬圓が出なくなつたということは悲觀しておつたのですが、悲觀しなくてもいいことになりますか。
○栗栖國務大臣 その通りでございます。
○根本委員 ただいまの大藏大臣の説明によりまして、豫算外國庫負擔で賄うというようなお話でありますが、そうしますと、これは本年度の豫算には計上されていない、從つてこの金額は利用するとしても單なる融資に止まる、こう解釋するのですが、そういう状態でありまするならば、地方債がもし行われたとしても、地方にそれを償還するところの財源はない。こういうような場合においては、どうしてもこれは融資でなくして、はつきりとした國庫補助をもらわないと地方の災害復舊がほとんど進行できないじやないか、こう思うわけですが、これに對する大藏大臣の答辯を願います。
○栗栖國務大臣 實は今お話のようなことに仕組んであるわけであります。それは融資といいましても、豫算外國庫負擔の契約をしますと、一種の保證をするわけでありまして、そうすれば預金部資金が使えるわけであります。出る金は預金部資金ですからすぐ使えます。出るまでに時間があれば、前貸等の金融機關の措置を講じます。そうしてもし拂えないやうな場合は、それは保證でございますから利息その他を國庫が負擔をするわけでございます。そうして不拂いのような場合は、國家が責を負つてすべて支拂うということになつておるわけであります。償還の財源があつて地方で拂わないでもよいというわけじやありませんけれども、そうならばまあこの際豫算に出さなくてもそれと同じことになるのではないか。そして本議會などにかけてすると非常に遅れます。その間を非常に空費して時期を失するというようなこともなくなるのではないか。こういうふうな次第にいたしたわけであります。
○根本委員 趣旨は非常によくわかりましたが、そうしますとすでに災害復舊費については、初めから全議員が全額國庫負擔、あるいは高額補助ということを今日まで要求してきておりますし、また地方の實情からみてもそれが當然だと思います。それで一時の處置として今の豫算外國庫負擔のこの金でも利用することは非常に結構であると思いますが、大藏大臣としては今までの状況はよくおわかりでありましようから、通常議會においてでもこれの豫算外國庫負擔に該當する災害補助金を追加豫算として組んでくださる。こういうふうにお考えになつておるかどうか。この點を明らかにしておきたいと思ひます。
○栗栖國務大臣 この次の本議會に出るかどうかということは、今も私どもは、六・三制にしましても、ほかの點にしましても、豫算に盛りたいという點はたくさんあるのであります。ところが一方財源の方との見合しで、さつきの砂糖の消費税のように、船がついてにぎつてみなければ出していけないとかいうことがあるものですから、間に合わないことがあつては時期をはずしてはいかぬというように考えます。しかし豫算外契約というものの性質上、當然利拂いといいましても、半年か一年後に出てくるのですから、この三月までには起つてきません。そういうような場合には今後保證をする。補助をする。こういうことになりますれば、そこにその場合に豫算を組みましてこの穴埋めをが政府がするわけであります。それは契約があるわけでありますから義務としてするわけでありまして、その點は御心配はいらぬと思います。ただ財源その他があればおそらくこういうことはやめて、その新しい豫算に組んでくれとおつしやるよりも、むしろ金額をひろげてくれというお話になると思いますが、そういう點も情勢に應じて考えたい。二十三年度の豫算にも災害の對策については考えておるわけであります。どちらでも都合のよいようにやりたいと思う次第であります。これはちようど前内閣の前大臣もよく知つておりまして、あることを思い立つてみたのでありますがどうしてもパスしなかつたのであります。ようやくこれが、通るようになりまして、それでこういうふうにお話できるようになつた次第であります。
○本間委員長 ちよつと大藏大臣にお尋ねしておきたいのですが、この預金部の資金が日銀を通じて地方に流れていくことになりますか。
○栗栖國務大臣 このやり口については、負擔をなるべく輕くしたいという點につきまして、實は要綱を省議などできめまして、全國へ指圖したいと思うのであります。實は預金部の資金というものは日銀が保管をしております。そこで地方債を發行しますと、預金部資金というものを拂込金として、たとえばある縣であれば縣の金庫のところへ日銀から振りこむことになるわけであります。ですからこれは國庫補助の場合はほとんど同じであります。やはりそれが縣會の決議とかその他で時間をとると思われます。その場合には金融機關も償還時期がはつきりしておりますから、短期の金融であるから喜んで金融してくれる、こういうことになろうと思います。それも十分指導いたしたいと思います。
○本間委員長 そうしますと、三月の三十一日までには手續さえ縣の方でよくやれば、必ず各府縣の方に金が届くというふうに了承してよろしいのでございますか。
○栗栖國務大臣 それはむろん届くようにいたしたいと思います。あるいは手續で少々遅れましても、その方はなお届くようにいたしたいと思つております。その手續その他はこれは久しぶりにこういうものをやるのでございまして、今省議にかけてきめまして、こちら樣にもごらんをいただき、各府縣及び日銀の支店の方にもこれを配付したいと思つておる次第であります。
○竹尾委員 この豫算外國庫の場合は起債をいたしましても、結局はこれは償還しなくてもいい、こう了承していいのですか。
○栗栖國務大臣 そうおつしやられると非常にぐあいが悪いのですが、償還ができなかつたときには國家が穴埋めをするという考えでございまして、初めから償還をしなくてもいいというお氣持じや、これは豫算外契約という性質がぐあいが悪いのでございますが、しかし償還ができないものを政府がむりに取立てるということは一囘もいたしたことはございません。拂えぬ場合にはそれだけのものをその年の豫算の面に盛りまして。そうしてこの支拂いをしておるような次第でございます。
○竹尾委員 そうなりますと、國庫から補助するということと、結果においてはあるいは同じかもしれませんが、ちよつとその觀念が違うように思われますが、その點はいかがでしようか。
○栗栖國務大臣 その行き筋が違う。富士山へ登るのに、吉田口からでなしに大宮口から登るというようなことでございますが、今ここで地方財政の性質などもいろいろ考えまして、地方の負擔の多いということは十分別途に考えますけれども、この際急にやるのにはこれが一番いいのじやないか、こういうふうに考えておる次第でございます。そうして拂えないものをむりにおとりするということもありませんが、まあ拂へるものならお返しを願う。どうしても拂えない部分について國庫が補助をする。こういうことになるわけであります。それで性質が違うのは豫算外契約ですから違いますが、何にもしないでおくよりも、これは大いにやつていただいた方がいいじやないか。地方財政全體を通じてはいろいろ根本的に考えていかないといかぬと思うのでございます。
○石田(博)委員 ほかに御質問がなければ、ちよつと希望までに申し上げておきたいのですが、今度こういうお話を承つて、大體各府縣の所要額というものは、たとい融資の形によろうと、あるいは當初われわれが期待したような形ではなかろうとも、とにかく工事ができる段取りになつたことは、はなはだ感謝にたえないことでありますけれども、被害地の縣民のこの問題についての政府の取扱いに對する考え方と申しますと、非常に印象批判的であつて、そのことの實態に觸れていないように見えますけれども、中勞委の調停によつて官公勞働者の手當を二・八箇月分出すと、全體として百億圓になる。それに對して未曽有の水害に見舞われた各縣の復舊工事十五件近くのものをやるのに、わずかに二十數億の金しか出せない。しかもその差額を出すのに、すつたもんだ日にちをかけなければならぬというような現在の豫算のあり方について、相當の不滿というか、非難の聲が現在起つておることを私どもは見聞きするのであります。從つてこの問題から一足飛びに申し上げるのは少し議論が飛躍するようでありますけれども、地方の被害地の縣民の氣持というものは、特に身近に起つた問題に鑑みまして、行政整理の必要と申しますか、豫算面に含まれている人件費の量について考え方が深刻になつてきているということをこの席で申し上げて、この問題だけでないかもしれませんが、今後の御方針について、特に行政整理についてのお考え方を承つておきたいと思つております。
○栗栖國務大臣 その中勞委の裁定をどうするかということは、その筋との交渉も全然まだ承認など得ておらぬので、これはわからぬのでございます。この上財源をどうするかということはなお別でございます。私どもとしましては、災害復舊とか、あるいは急を要する費用、これは再生産でございますが、どうしても再生産ということをやらなければぐあいが悪い。それと一つは、生活の安定というような線とにらみ合わして豫算を立てよう、こういうことを考えておるのでありまして、今度の追加豫算は、實はあなたの方がよく御存じかもしれませんが、前の豫算のつまり追加でございまして、これが物價と賃金が非常に上つたために、そういう面で大いなる制約を受けておる。もう一つやむを得ない大きな支出もあるわけでありますが、それで非常な制約を受けるわけでありますが、内閣としまして、殊に私といたしまして、もう少し生産というもの——この生産というものも殊に國内生産ですが、國内生産をするのにも、やはり資材その他を入れなければ、今、日本は設備はあつても資材その他がないためにできないのがたくさんあるのでありますから、そういう點から、さらに原料なども海外から輸入してやりたいというように考えておる次第であります。それと同時に、われわれ國民の生活安定ということを十分考えたいと思つております。ちようどこの公共事業費の中の災害對策のごとき、旱害對策の費用のごときは、その生産の面と國民生活安定の面に強くひつかかるものでありまして、十分考えたいと考えるのでありますが、今囘の追加豫算ではどうにもならぬものでございまして、さらに追加豫算の一部の追加豫算を將來出そうとしましても、財源等で話が十分いきませんから、それを荏苒待つよりも、むしろこれを使つた方がよいのではないかと思つておるような次第であります。 それから今後の豫算の問題でありますが、二十三年度の豫算などにつきましては、私は終戰處理費その他にも相當の減少があろうと思います。他面におきましては賠償物の撤去費が今の四十億よりは殖えていくとも思いますが、差引きましても相當その邊に節約できれば、それをもつて再生産と民生安定ということの線にもつていきたいと思つております。それにつきましては官業もそれから民業も、すべて戰爭中のいろいろな厖大な働かない機構及び設備、人をもつておるのであります。こういうようなものも民業については企業再建整備、金融機關再建整備という線によつて整理をいたしております。この官業及び行政機構については行政機構の改革というものがすでに進みつつあるのであります。この線に沿つて、それより生ずる整理というようなものも行います。それを行うのでなければ、この二十三度の豫算は十分盛り切れぬと思うのであります。官業、官廳、民業、こういうものを併せ行つて、すつきりしたベースメントの上にこの豫算を盛り立てたいと思うのであります。しかしそこで人の整理その他というものが起るということは——配置轉換その他を考えますが、起るものということを考えますと、それを單に消極的という面において、失業手當とかその他の面においてこれを受けるというのでは、私はいかぬと思うのでありまして、それはやむを得ない問題でありまして、それよりはむしろこの生産面にもつていつて、それを受けなければならぬと思うのであります。受入れ態勢を生産の面にこしらえなければならぬと思うのであります。そういう意味においても中小企業というものの促進、殊に貿易産業、輸出向けの産業という方の態勢を早く整えて、そうしてその方面に受入態勢を十分つくつて、そうしてすぐ生産の方に迎える、再生産と民生安定というものを行い得るようにする。そういう受入態勢をこしらえる等一連の政策を立てて、これを一月も早く實行しなければいかぬのじやないか、こういうふうに考えております。そういう構想のもとに今度の二十三年度の豫算その他を盛つてみたい。かように思つておる次第であります。
○淺利委員 先刻の豫算外契約による融資の問題でありますが、伺つておると何だかわかつたようなわからぬようなすつきりしない點があるのであります。これは一時の便法としておやりになるのであつて、將來豫算をお組みになつて、補助の形で府縣に支給をして、それによつて償還せしめるという御意思なのか、あるいはこれを當分このままにして、もし府縣が返せるなら返してもらう。返してもらえぬときにはその借金のしりぬぐいとして政府が補助する。こういう方法をおとりになるのか、その點をはつきりお伺いしたい。
○栗栖國務大臣 豫算外契約というのは、戰爭前及び戰爭中はしばしばあつたものでございまして、形はいろいろなものがございます。たとえば政府保證の社債とか、債券というようなものが、これは豫算外契約があるわけであります。それから日本發送電の補給をいたします。これも一つのそういう契約であります。利益保證とか、あるいは配當保證というようなものも皆豫算外契約であります。今度のはまず起債をさせまして、それに政府が元利支拂の保證をするわけでございます。そうしてもしそれが拂えぬ場合には、政府が新たに豫算を組んでそのときの不拂の金を補給する。こういう形のものでございます。そこでこれは先ほども申しましたように、豫算を組んでどんどんやりたいのでございますが、そうして一度は閣議でも大體きめておつたのでございますけれども、その財源の見合いが實は砂糖消費税を目當にしたのでございますが、その砂糖にしましても、品物をわれわれがにぎらないと豫算が出せぬというような關係があるものでございまして、そうするとこれは非常に遲れるわけでございます。遲れてはいけないというのでちようど前内閣の前大臣のときにいろいろと相談も私受けたことがあり、それで思い出してこれを使いたいと思つたのでありまして、ようやくそれが使えるようになつた次第でございます。しかしこれはあくまで便法でございます。それですから將來財源が出てきて——それはこの二十二年度内でもよろしうございます二十三年度内でも財源が出てくればその方でもつて切替えてやる。あるいは切替えるよりももつと金額は多くせよということであれば、そういうこともできるわけでございます。そういうような仕組でとにかく何もしないで各府縣で困られるということを救いたいと考える次第でございます。
○根本委員 今の淺利委員の質問を連關していますが、便法として、豫算外國庫負擔契約でいくということはわかるのですが、先ほども申しましたように、委員會全體の動きとしては、補助金の額を高率補助をしていくかどうかということが今まで問題になつたのでありますが、それについてはまだ大藏大臣の明確なる言葉を承つていないと思います。それでどうしてもこの問題を、今までのところの状況では、三分の二の割合で補助をする方針できておつたと私は了解したのでありますが、これをどこまでも堅持してくれるかどうかということ。それからもう一つは今の豫算外國庫負擔契約で今後どこまでもいつて、借入金が地方によつて償還できないときにのみしりぬぐいする、こういう方針で今後進むかどうか、この點を明確にしていただきたいと思います。
○栗栖國務大臣 この前の問題について先にお答えいたしたいと思います。補助をいくらの割合にするかということは、一に財源と見合わしてせざるを得ないのであります。私どもとしては、できるだけ從來の方法の割合に寄りたいと思います。情勢に應じては、どうしてもいかぬときはまた増すということも考えられるのですが、しかしこれは一に財源でございますので、その具體的の問題のときにあたつてみないとはつきりしたことが申されぬ次第であります。 それからその次の問題ですが、保證になりますと、これはできるだけお返しを願う。それからお返しができぬ場合は元本のみならず、利息をも國家がすべて補給をする。こういうことになるわけでございます。これは一應はまたその契約の性質としてもお返しを願う金なんです。しかしできなくなつた場合には、その元本と利息については政府が補給をする。こういう建前のものでございます。
○山崎(岩)委員 ただいまの大臣のお話でございますが、この間の委員會におきましては、大藏省のどなたか局長さんがこの補助率に關しましては、南海の震災と同樣の、最低限度の補助を出そう。そうすると九二%程度の補助金になるという話を聞いておつた。ぜひそれをやつてもらわなければ、地方としては仕事ができない。私は二、三日前に青森の方に參りまして、ずつと地方を見てまいりました。ところがやはりこれは橋をかけなければなりません。護岸工事もやらなければなりません。もう仕事をやつているのです。借金をして、やりくり算段で町村がやつておる。そこで縣廳へ行きまして、どれだけの補助をくれるかと聽いてみたところが、縣廳の答えはあいまい模糊である。橋を半分おけてやめておる町村もできておる状態です。それから雪が降るとすぐ植付けもしなければならぬ。護岸工事もできていない。橋もかかつていない。この橋を使つて、今のうちの肥料を運ばなければならぬ。堆肥や何か橋を利用して雪の上を田畑に運ぶわけですが、橋もないというわけです。だんだん聽いてみると橋を半分かけただけで投げておる。どうしたと聽いたら、補助金が出ない。どれだけ借金してどれだけやつたらよいかわからないから、これより方法がないのでやめておりますという答えです。まことに困つた状態でありますので、何とかして補助率をおきめくださいまして、地方廳においても町村においても安心して仕事のできるようにお指圖のほどをお願い申し上げたいと思います。
○栗栖國務大臣 今のお尋ねの五十二億の中に盛つてある公共事業費の中の災害對策の費用の補助のことじやないかと思うのでございますが、それは今資料をもつておりませんが、御趣意の點はよくわかりますので、ひとつ事務當局にどういう状態になつておるかを確めまして申し上げたいと思います。あるいは、もう一度ここに參りまして、しつかりした契約文その他をごらんに入れ、取扱いのことをきめて、ここで申し上げて、休會になれば皆さんお歸りでございましようから、皆さん方からその方法を言つていただくことが便宜ではないかと思うのでございます。
○本間委員長 それでは八日午後一時に來ていただいて、いろいろ具體的な御説明を伺うことにしたいと思います。 なお一つ私から御要望申し上げておきたいのでありますが、河川ができて、それから田畑の復舊工事をやるのが理論上常識でございますが、農業土木の方は補助金その他の關係で非常に停頓しておるのであります。御承知のように、田畑の復舊の方は、どうしても來年の五、六月ころまでになんとか種子も下ろせるようにだけはしてやらなければいかぬ状況になつておりますから、この點の金の方をどうかひとつ十分お考えくだすつて御善處せられることを要望しておきたいと思います。
○海野委員 軍の拂下げでありますが、田無町にありますもとの自動車學校の跡を軍が借り受けて、あすこに増築をやりました。終戰のどさくさに軍の方でその古い建物を拂下げてしまつた。大藏省の帳簿には載つていないという御返事をいただいたのであります。あの終戰後つまり軍の方でそれを拂下げたということでございましたが、あすこに建てたところのあの古い建物などを利用すれば、かなり役立つものであるのでありますが、それは拂下げてしまつて、大藏省の方の管轄にはいらない。軍の方で處置してしまつた。軍の方では、終戰になつてからどういうふうにして處理したのでありましようか。そういう類似のものが、全國にかなりあるのではないかと思います。住宅難、水害地などで家に困つている、そういうふうな所に、この古材をもつていけば相當助かります。いかがなものでありましようか。
○栗栖國務大臣 私どもは簿外財産と言つておるのです。どうも簿外財産などが大分あるし、大藏省には引繼がれないで處分されたとか、あるいはまで各省に殘つておるとかいうようなものも相當あると思うのであります。そういうものについては、この際それを資産の上に計上すれば相當の豫算もできるのでありますから、實は今後の追加豫算については、そういうものを政府としては一應調べ上げて、そうして大藏省に移すべきものは皆移そう、こういうことに實は話をきめておるような次第でございます。今お示しのものはどうもどさくさでそうなつたので、今追つかけるということはむずかしいかもしらぬけれども、その種のものについて所在でもわかつておれば、私どもあるいは國有財産局にでも話をしていただけば、十分處置をとりたいと思つております。
○本間委員長 本日はこの程度で散會いたします。 午後三時二十三分散會