水害地対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1947/08/21
会議録
○本間委員長 遲れましたが、それではこれより會議を開きます。 發言の通告がありますからこれを許します。田中君。
○田中(健)委員 私は和田さんにお尋ねいたしたいと思いますが、今度の東北地方の過般の水害にあたりまして、發送電關係の被害報告は政府より何ら本會に對してなされていないのですが、これは全然ないのであるか、それともどういう状態になつておるか。私の方で調査いたしたものもありますけれども、まずこれだけちよつとお伺いしておきます。
○和田國務大臣 まだ私の方に何にも報告がまいつておりませんです。
○田中(健)委員 ただいま長官から、何も報告が來ておらない。こういうお答えでありますけれども、私は今囘東北水害調査に本委員會から派遣されまして、いろいろと調査してまいつたのでありますけれども、この場合において港灣關係あるいは運輸關係、通信關係、それから發送電關係は被害があつたのであります。ただいま和田さんのおつしやるところによると、何も報告がないという話でありますけれども、それは發送電について調査いたしたところを見れば、安本に對して當時すぐ報告してある、こういうことであります。その報告の内容を申し上げてみたいと思いまするが、一々こまかいことを申し上げると時間がかかりますから簡單に申し上げたいと思います。秋田縣の生保内發電所、これは三萬一千五百キロワツトの出力もつておりますが、これは湖畔の水路が決壞いたしております。秋田縣は生保内ほか十三箇所の發電所が水路の決壞あるいは鐵管が山崩れによつて破れ、あるいはタービンが流出した。あるいは蓋が崩壞したといつたような大きな被害を受けておるのであります。これが原因となつてもし發電が止まるようなことになりますと、東北地方の産業に重大な影響を及ぼします。また餘分を關東地方に送つておりますけれども、これに對しても重大な影響を及ぼすのではないかと考えておる次第であります。宮城縣の遠刈田の發電所もこれは取入口が埋没いたしておりますけれども、ここの四箇所の發電所も被害を受けております。山形縣は沼山の發電所、青森縣は十和田發電所、こういうふうにたくさんの被害を受けております。これだけの大きな被害が、ただいま和田さんのおつしやる通り、何も報告がないということは、これはただごとでは濟まされないことであつて、私はこれは怠慢ではないか、こう思つておるわけでございまするが、これに對して一方では報告をしてある。一方和田さんは報告を受けておらないという。私はその點について、ほかの官廳ではみな報告をしておる。發送電だけは報告がないということはどういうわけか、私はどうしても受け取れないと思います。もう一遍重ねてこの點に對して、はたして報告が來ておらないかどうか。お伺いしたいと思います。
○和田國務大臣 東北の水害につきましては、これは各關係省が調査に出ておるのでありまして、われわれの方といたしましては、出て行きました實施官廳の調査を信用いたしまして、それをもとにしていろいろわれわれの方として講ずべきこと、また手を打つべきことを考えておるのでありまして、私の手もとには今まで發送電の方から報告を受けておりません。あるいは下の事務の方には來ておるのかもしれませんが、私の手もとには來ておりませんので、報告を受けておらないとこう申し上げたわけであります。
○田中(健)委員 それを聞けば奇怪至極だと思いますけれども、かりに電力關係でありまするから電力局の方でいろいろ調査をしてはおつただろうと思うけれども、それを電力局からあなたの方に御報告がなかつたということは、どうしてそういう結果になつておるかは、調べてみなければわからないことでありますけれども、これが復舊に要するところの資材といたしましては、セメント一千七百六十トン。木材一千五百四十二石、鐵鋼四百トン、木材一千五百四十二石、鐵鋼四百トン、くぎ千三百二十キログラム、鐵線二千五百七十五キログラム、作業衣、地下足袋、ゴム長、軍手、タービン油、絶縁油、食料油、こういつたようなものを要求してある。それにもかかわらず安定本部の方でこれをやつてくれない。こういう非難が現地に起きておるわけなのです。もしかりに道路が復舊し、河川もある程度の復舊ができた場合に、あるいは橋梁が復舊になつても、それだけによつて木炭であるとか、あるいはまた供米だとかいつたようなものはできるのではなくして、電力が復舊しないと、結局精米所なり、あるいは籾摺りなりというような機械が動かないのでありまして、これが早急の囘復をはからなければならないと考える次第であります。從いまして今度の復舊對策に當りましては、政府はこれらの點も含めまして、總合對策を立てなければならないのでございまして、これらの發送電の關係が拔けたということは、ただいまどういう事情であるか詳かでありませんが、私の最も遺憾に思つておるところであります。元來緊急の對策を立てなければならぬ場合において、安本が本來から言うならば迅速果敢にこういうことをやらなければならぬところの責任をもつておるにもかかわらず、ただいまのように、何だか安本がこういう緊急對策を立てられないような阻止しておるのじやなかろうかと思うほど、そういうような印象を私は受けます。この點について世間の方々が言うには、安本がその中にあつて、どうも緊急對策を迅速果敢にさせないような状態になつておる。このことがはからずも發送電の報告があつたとかないとかいうことによつて、ここに露呈しておるわけでありますけれども、何かそこには安本イデオロギーというものがあつて、そういうことになつておるのかどうか、單なる事務的のものであるかどうか、將來こういう問題があつた場合には各省と協力いたしまして、これを果敢に敏速にやるというのであるか、これらの點について長官に一應お尋ねいたしておきたいと思う次第でございます。
○和田國務大臣 經濟安定本部は、この災害につきましては、關係の閣僚の懇談會をただちにもちまして、そのときに集まりました内務省關係、農林省關係の早速集まつてきたその資料に基いて、臨時の應急對策をただちに立てたのであります。從つてお話のように經濟安定本部が緊急對策を邪魔をしておるということは毛頭ないのでありまして、それは何かの誤解だろうと思いますから、ひとつその點は御了解をお願いしたいと思うのであります。むろんわれわれとしては早速に各關係方面の調査がどんどんきまするならば、それを基礎にしましていち早く緊急對策を各關係廳と話し合つて立てていこうとしておるのでありまして、お話の水力電氣あるいは港湾というようなものの實際の被害が調査としてきまするならば、これは將來の災害對策として當然われわれとしては考えていきたい。こう考えておるのでありまして、どうかそういう妙な誤解はひとつ解いていただきたい。こう考えるのであります。
○田中(健)委員 私は別に妙な考え方に立つておるのではなくして、私も片山内閣の與黨でありまするから、こういうことをこの場において言うことはまことに私も心苦しい點でありまするが、大體昔は封建官僚、それから軍國官僚、最近に至つては何と言うか、安本官僚とでも言おうか、第三官僚とでも言おうか、そういうものが芽生えておる。これが片山内閣の施策を圓滑ならしめないところの原因である。こういうことをわれわれが調査なり、あるいはあつちこちをまわつて歩く場合にしばしば耳にいたしまするので、しかもまわつておる最中にこういう實際の問題が起つてきたので、これを長官にお尋ねしたところが、報告がきておらないとかいつてような、しかもあれだけの大被害を受けておるにも拘らず發送電に關する被害は何もきていない。報告をしないところの各省も各省であるけれども、私はそれらの點について、實はこういうところにいろいろとデマやあるいは誤解があるのではないかと思いますので、これは與黨に關係したところの問題でもあり、重大だと思いますので一應お尋ねいたしたので、ただいま長官の御説明を承りますと、そういうような特定のイデオロギーにとらわれているのでもなければ何でもないという説明を承つて大體安心いたしましたが、でき得べくんば將來もそのような御方針で安本長官が進まれることを望んでやまない次第であります。これをもつて大體私の質疑を打切りたいと思います。
○本間委員長 早川委員。
○早川委員 東北關係の水害對策に關しましては、すでに前囘において大體全貌が明らかになり、ほとんど論及せられてあることでございますから、私は他の被害地に關する問題に對しまして、大藏大臣竝びに安定本部長官にお伺いしたいと思うのであります。その前に、私は政府が水害對策を實施する場合に、まことに私は奇怪に思うのでありますが、今度の水害というものを主として東北に限定されておるという點でございます。和歌山縣の例をとりまして申し述べますれば、同じように七月二十日に洪水が出たのでございますが、その被害の甚大なること決して東北には劣らないのであります。すなわち降雨量を具體的に調べてみましても、あの紀南地區二日間において五百五十ミリの降雨量をみております。これを東北の十日間で五百ミリの降雨量に比べますとはるかに大きい降雨量と申さなければなりません。さらに具體的な數字を申しますと、木材の流失を例にとつてみましても、わずかあの和歌山縣の紀南の半分におきまして、二十七萬三千石の流失をみておるのであります。東北五縣の秋田縣全部を入れましても二十一萬石より木材の流失はしておりません。さらに耕地關係の被害に關しましても、和歌山縣はあの南半分のわずかなところで岩手、青森、山形と匹敵するだけの耕地が流失埋沒しております。しかしながら私は國家の政治の公平という點からいたしまして、何ゆえに伺うかと申しますと、われわれは何ゆえにあの和歌山縣の大震災よりわずか半年後の今日において、あれだけ大きな被害をこうむつたにかかわらず、東北地方の水害に對することは非常に御熱心であるが、和歌山縣に關してはそれに準ずることということで、何ら具體的な施策も講ぜられないのをまことに遺憾に存ずる一人であります。特にこの前の閣議に、二億數千應萬圓の金が一東北五縣に緊急支出されることになりました。これはまことに結構なことでございます。しかしその十日前の閣議において、和歌山縣竝びに兵庫縣を含めまして、八千萬圓の臨時融資をするということをおきめになつている。ところがその後一向にその具體的な施策を講じられないのでございます。東北地方の水害に關する緊急對策要綱というものを私は一昨日の本委員會においても聽きました。またしてもその備考の欄で和歌山県、高知縣及び兵庫縣等の水害については右に準ずる措置を講ずること、まことに冷淡なる扱いより與えられておらないのであります。御承知のように現在の政府はヒユーマニズムをもつて立つている政府であるということであります。あの大震災においてほとんど財力を失い起ち上る力を失つている和歌山縣に、ふたたびかくも甚大な水害がおおいかぶさつており、現在三十數萬に上る南紀州の住民は拱手傍觀なすところを知らないという實情を私たちの方面にもつてきているのでございます。私はこの機會において經濟安定本部長官竝びに大藏大臣に對しまして八千萬圓の緊急融資がきまつたのであれば、何がゆえに東北だけを具體的におきめになるか、右に準ずることという一片の文字のみで少しも具體的におきめにならないのはどういうわけであるか。これが政府の怠慢であれば私はまことに遺憾である。この點に關しましてまず安定本部長官竝びに大藏大臣のお考えをお聽きしたいと思う次第であります。
○和田國務大臣 お答えいたします。和歌山縣の水害につきましては、まことにわれわれといたしましても御同情申し上げているわけでありまして、農耕地關係で和歌山、兵庫として八千五百萬圓、山林關係として五百八十三萬圓をきめまして、これはもうすでに今大藏大臣の話によりますとやつてしまつたということになつているのでありまして、なおまた内務省關係として一應二億の公共事業費を出しまして當座のしのぎとして、これでわれわれの方としては一應やつていつて、あとは國全體の、東北もそうでありまするが、十分に調査ができますにつれて、將來手を次ぎ次ぎと打つていく、さしあたり公共事業から出します二億圓の中にも、和歌山も當然含めておりまして、これはわれわれの方においてさようにいたしているのであります。どうかさようにお含みを願います。
○栗栖國務大臣 和歌山地方の水害に對して、財政金融の面の手を打つた内容を申し上げます。むしろ東北の方が廣範圍でございまして、まだ手が及ばぬかとおそれているくらいでございます。同時に手を打つたのであります。それは日本銀行から大阪の日本銀行支店に指圖をいたしまして、縣下の金融機關を動員して資金の融通をする。そうしてもし資金が足らぬ場合には、大阪の日本銀行から資金をその金融機關にまわすという手配をしております。なお農業會に對しては、農林中央金庫その他と連絡をとりまして、同樣な手續をしております。資金が足らぬ場合には日本銀行から農林中央金庫の方へ資金をまわして、さらに資金を被害者のところまで及ぼす。こういうような手續を打つております。
○早川委員 ただいま具體的に手を打たれたということを聽きまして、まことに意を強くいたした次第でございますが、この東北水害に關する緊急對策要網の第一項に關しまして、内務省、大藏省、安本の間には若干私は食い違いがあるのではないかと思いますので、その點を御質問したいと思います。すなわちこの緊急對策の第一項によりますと、單に農林關係に限らず、災害復舊のために必要であれば、將來六割五分、あるいはそういう補助費、あるいは府縣の負擔する額を見こんで適當な額は支出するということになつておるわけでございますが、この前の委員會のいろいろな話を聽きますと、内務大臣がお知りにならなかつたせいもございますが、どうも農林關係に極限されておるようにわれわれは思う。東北の二億六千萬圓に關しましても、主として農林關係のように伺つたのでございますが、私はこの項目を讀みますと、單に農林關係のみならず、たとえば土木事業、これはここに國土局長がおられますが、内務大臣は前の委員會において、土木費というものは今すぐ金は要らぬというまことに認識不足のことを申されておりますが、今の府縣の状況から申しますと、俸給すら、あるいは勞務賃すら拂つておらないという、まことに悲しむべき状態であることは各府縣とも同じである。しからば、たとえば土木費といたしまして一億八千萬圓あるいは二億といわれるものは、國土局長はこの四月に遡つてそれをバリテイー計算で割つておる。それはまことに緊急費とは言えないのであります。たとえば東北にいたしましても、和歌山縣にいたしましても、最近できた水害に對しては、わずか一千萬圓、あるいは二、三千萬圓とかいうよりほか出ないのであります。私は第一項目を讀んで感じますことは、たとえば八千萬圓を緊急支出するというのであれば、その中に土木の緊急費一千萬圓ではとうてい足りないのであるから、それに二千萬圓加える場合には、こういう緊急對策要網の第一項を準用いたしまして、そのわく内で土木費にまわすことは差支えないかどうか。私はこの點を關係閣僚にお伺いいたしたいと思うのでございます。
○栗栖國務大臣 お答えいたします。むしろ水害對策も第一項は單に農業用ということでなしに、廣く土木工事その他の復舊の費用を公共費で賄います。しかしそれでは時間が經ちますから、その前に早く金融の面において融通をしていこう。こういう趣意であつたのでございまして、もちろん土木費などが大部分を占めるかもしれんと思うし、その中に含んでおると思うのであります。なお農業だけの對策であるかどうかというようなお話がございましたが、もちろんそう考えぬのでございまして、あるいは工業、殊に中小工業などのところにおいて復舊を要するものがございますれば、それぞれまた金融その他の措置を講じまして、復舊に遺漏がないようにいたしたい、かように考えておる次第であります。
○早川委員 たとえば八千萬圓のわくの問題をさように了解いたします。もう一點大藏大臣に私が伺いたいのは、和歌山縣は木材の國でございますので、大體東北五縣を合わした二十一萬石ぐらいよりもはるかに多い二十七萬三千石くらいが流失しておりまして、木材事業はほとんど壊滅状況にあるわけでございます。しからばそれは補助費とかあるいは府縣の負擔する災害復舊費の合計の範圍内というものではいけませんので、これは當然この産業の復興は、復興金融金庫よりある種の融資を受けるべき性質のものではないかと私は思うのであります。さしあたつてわれわれの要るのは四、五千萬圓の復金よりの融資でございますが、これはただちに復舊となつて現れるのであるから赤字支出には私はならないと思う。そういう意味で、木材業に對しましては、二十六、七萬石も流れております和歌山縣の林業復活のために、適當な五千萬圓という要求をしております。これに對する復興金融金庫からの融資の御意思ありやなしや。私は農林大臣にこの點をさらに確めたいと思います。
○栗栖國務大臣 大藏大臣から御答辯いたします。木材の流失の囘復をするための復興金融というお話でございますが、それはもつと具體的にいろいろ調べてみなければわからぬ問題でございます。具體的に調べまして、一般の金融その他で復興の措置ができるものでございますれば、そういう方面によらしむることにいたしたいとも考えます。さらに森林でございましたが、農林中金とか勸業銀行、そういうような方面で金融その他をはかるのが便宜であるということになれば、そういう方面でも考えてみたいと思います。復興金融金庫というようなものについてなお必要があればまたその際に考えたい、かように考える次第でございます。
○早川委員 最後に、ちようど國土局長もおいでになつておりますので、一言私は國土局長に御忠言を申したいことがあるのであります。それは東北が非常に大きいように報道されましたので、周章狼狽されるのはごもつともでありますけれども、われわれは内務省當局に對して調査委員の派遣を再々要求したのであります。縣廳からも電報がはいつておつたはずでございますが、何らこれに對して調査委員を派遣されない。解體前の内務省とは申しながら、あまりにも不誠意であり、水害問題の主管省として不熱心であるという憤りを感ずるものでございますが、私はこの點に關しまして、たとい内務省が解體いたしましても、これは生きるか死ぬかの重要問題でございますから、一省の改廢というものに無關係に、今後とも公平に調査員を派遣されるのであればされるのが政府の義務である。この點に關して國土局長の御答辯を願つて私の質問を終ります。
○岩沢政府委員 和歌山縣の災害に對して何ゆえに調査員を派遣しなかつたというお叱りを受けたのでありますけれども、内務省といたしましては、年年歳々起る災害に對しまして、できれば今お話のように、各府縣の實情に應じてただちに派遣するということが最も望ましいことでありますけれども、ちようどいろいろの事務の關係また人のやりくり上、ただちにこれが派遣することができなかつたことは非常に遺憾に存ずるのであります。なおこの災害につきましては、内務省の從來のやり方というものは、大體應急措置のものは縣ですぐこれに取りかかつて、そうしてほうとうの災害復舊工事の査定の設定ができて初めて動くというのが從來の慣例でありましたから、大體その線に沿うて内務省は動いておるのでありますが、たまたま東北六縣のこの大水害によつて、國會の皆樣が非常な熱意をもつて動かれたために、やはり内務省といたしましても、主管の關係上これに對してお供を申し上げ、説明をしなければならぬというような關係で、特に東北だけは重大災害に鑑みて調査員を派遣いたしました、そのほかの府縣に對しましては、やはり從來と同じような意味において、査定する場合においてのみ派遣をするというような關係で、特に和歌山縣を云々したというような意思は毛頭ないのでございますから、その點御了承おき願いたいと存じます。
○細野委員 和田さんには農林大臣御在職當時お尋ねしたことでありますが、農地の増産をあげるについて、今まで食糧の自給自足を目ざして、あるいは干拓とか埋立とかあるいは開墾というようなことに相當力を注いで來られました。ところが實際こういつた仕事は、たとえば、今度の秋田縣の水害を見まして感じたのでありますが、八郎潟の干拓事業は地質學者は技術的に不可能だと言つておるにもかかわらず、干拓を決定になつたそうであります。それからいろいろ開懇などをやる計畫もされておりますが、これらの仕事はどうしてもその實を結びますのは五年あるいは十年後になるのであります。それで手つ取り早いところは、何といいましても河川改修などによつて今まで危險であつたところを手つ取り早くやつた方がいいのぢやなかろうかということを、和田さんが農林大臣當時から私はしばしば主張したのであります。今度災害の起りました米代川は、内務省の方針で直轄河川として、昨年から改修に取りかかられることに計畫ができておつたのであります。このことは岩澤國土局長からも私は聽いておりますし、三島河川課長からも聽いております。ところがその計畫を安本にもつて行つたところが、安本の方ではそういうことも必要であろうけれども、しかしそれと相竝んで干拓なり開墾の方が必要だからということで、米代川の改修は削つてしまわれたのであります。當時和田さんは長官ではありませんが、その點についてどういうお考えをもつておられるかをさらにお伺いいたします。
○和田國務大臣 お答えいたします。安定本部ではどういう公共事業を優先的にやるかということになりますと、やはり一應は何と申しましてもすぐ生産に役立つもの、直接生産に結果の現われるものに重きをおいておるようでありますが、今の日本は御承知にように、また今あなたの御意見がありましたように、むしろ今手を盡しておかないとすぐそれが災害として出てくるような危いものがたくさんあるわけでありまして、どういう事情でその河川改修が後まわしにされたか私はその間の事情を存じませんが、安定本部としましては豫算で許された限りにおいてすぐ生産に貢獻するものと、それからちよつと手をかければ生産の減少を防止できるといつたようなものについては、やはり相當の考えをもつて査定をしておると存ずるのであります。ただ干拓につきましては、八郎潟のようなものもあるが、一方九州地帶の干拓地のように、それを干拓することによつて生産が上がるのみならず、既墾地の一毛作のところが二毛作のところになる、むしろ干拓がいわば一つの宿命のようになつておつて、何年かの後には必ず干拓をやつていかなかれば既墾地まで水が出てだめになるというようなところがあるわけです。そういうようなところは一年くらい、または二年もかかるものではありましても、それを區分して早く工事が終てえ一年後くらいには作物ができるというようなところは、こういう際ではありまするができるだけやつていく。こういう方針をとつておるのでありまして、そこらの調整がなかなか豫算に制約がありますので、いろいろ困難を感ずるのでありましようが、お話のような點は、十分今後私どもとしましても斟酌いたしまして、公共事業の査定はしていきたいと考えております。
○淺利委員 ただいま農林省關係の調査表を頂戴しましたが、内務省關係のはありませんが、資材の問題であります。災害復舊のためには、あるいは恒久及び根本的措置を講ずるために、セメント、鐵類その他の資材を多量に要するものと思うのであります。この全體の資材を何ほど要するかということは、すでに内閣において、あるいは安定本部において、全體をおまとめになつておるかどうか、それからこの資材を確保する上においてはどういう御方針でおられるか。大體今次の現状から言いますると、資材面において非常に窮迫しておるということはわれわれも承認いたしておるのであります。しかしセメントのごときは、あるいはこれは進駐軍關係の方にも多量に使用されておるがために、すでに國内需要においての制約を受けておるというような事實もあるだろうと思うのであります。しかしながら今次の災害のごとき前古未曽有とも申すべき大災害において、殊に將來の生産にも關係し、また民生の安定に上にも重要なる關係を有するものにつきまして緊急の措置を要する場合においては、あるいは特にその事情を具申してG・H・Qの御了解を得るとか何とかいう方法をもつて、これを確實に早速手配できるように御配慮願いたいと思うのであります。これに對して安定本部長官はどういう御方針をもつてどの程度のものを確保するか。その點についてまず伺いたいと思うのであります。
○和田國務大臣 お答えいたします。資材は大體私どもの方で調べましたところ、鋼材が約千五百八十トン、セメントが一萬二千六百四十トン、木材が六十三萬石というものが必要なんですが、これは今の資材状況からいきますと、なかなか困難でありますが、われわれの方としましてはこれだけのものはぜひ優先的に確保するつもりでおります。
○内海委員 この間からの委員會において委員と大臣との間における質問應答を聞いておるのでありますが、特にこのたびの水害に對しまして、内務省においては内務省獨自の立場において御計畫をされ、そうして安本長官に向つていろいろな要求をなす。また農林省におきましては、農林省獨自の立場において、あるいは植林なりあるいは開墾なりあるいは農産物の被害等を唯一の材料といたしまして勝手な御要求をなしておられるようであります。で、この問題の解決は最も急速を要するものでありまして、あるいは安定本部長官がどう言うたとか、あるいは大藏大臣の方で承認をしなかつたというようなわけで、この問題の歸趨に迷う點が多いのであります。この際特に政府におきましても、またわれわれの立場からいたしましても、この問題の對策決定までに少くも主管大臣をきめられる必要があるんじやなかろうかと思うのでありますが、安定本部長官としても、おそらくそう考えておられることもであろうと思いますが、この點に對する安定本部長官の御意見を承つておきたいと思うのであります。
○和田國務大臣 お答えいたします。水害の對策につきましては、お話のように各省に關係する分野が、多いのでございまするので、特に關係閣僚の懇談會を設けまして、そこでお互いに相談し合つてきめていく、こういうことにいたしたわけでありまして、ただ私が公共事業というものを經濟安定本部の仕事としてもつておりまするので、幹事役を勤める、こういうことにいたしておるのでありまして、これはやはり各省が調査して、そうしてそれに從つてそれぞれ案を立ててきましたものを、われわれの方といたしましては、できるだけ各省の調査の立派なもの、またこれは當然やらなければならぬというものはそのままわれわれはやるつもりであるわけでありますが、資材とか財政方面とかいろいろな關係がありますので、やはり關係の各大臣が集つて、それぞれ意見を交換し合つてきめていく、こういうようなことにいたしておる次第であります。經濟安定本部が公共事業をもつておりまする關係上、幹事役を勤めていくということにいたしております。
○島田委員 私はまず第一に、今囘の大水害にあたりまして、財政當局の基本的な立場というものをお聽きしたいのであります。同時にまた大藏大臣の決意を伺いたいのであります。大藏大臣は御就任以來機會あるごとに、健全財政、健全金融ということをおつしやられてまいりました。私どももその趣旨においてはまつたく贊成であります。しかしながらこの健全財政というものは決して單なる名前だけの、言葉の上だけの健全財政のための健全財政という意味で、私どもは贊成しておるのではありません、私どもの立場というものは、これは水害に直接關係のある非常に根本的な立場にありますので、簡單に申し上げますが、私の考えております健全財政というものは、要するに自主的な積極的な意味におきまして、日本におきまする經濟再建、生産の再開、これを一口に申しますれば、經濟危機を突破するための健全財政でありまして、單に閣外で聲のみの、名前だけの健全財政というのではありません。この點は豫算委員會においても委員長の發言があつたと思うのであります。また財政當局におかれましては、數字の金額の面におきまして收支のバランスをとりまして、赤字をなくしていくという御方針については當然であります。しかしながらこれもよく考えますれば、昨日の財政金融委員會で、私どもの同僚委員からも發言がありましたが、經濟安定本部の出しました例の經濟白書におきまして、國家の赤字というものと家計の赤字、企業の赤字といつた三つの要素を竝べられまして、同じ一つの比重をもたせた同列のもとにおかれるいとう考え方に對しましては、私どもは多大の疑問をもつております。つまり企業の赤字というもの、あるいは家計の赤字というものは一つの經理上、あるいは國民生活の面における場合でありまして、國家におきましては、なるほど豫算面におきましては金額、數字の上の赤字ということは當然あります。そういう面が最も端的に現われたものでございますけれども、もう少し深く考えますれば、國家財政の赤字というものはつまり國家が敗戰によりまして受けた再生産上におきまする赤字、ここにほんとうの國家の赤字が胚胎するのでありまして、單に赤字の財政が出るのだというような表面的な金銭的なものだけでは解決できないと思います。しかして私どもがこの健全財改における方針を支持いたしますのは、片山内閣が天下に約束しましたところの緊急對策を實施するための健全財政であると私どもは承知いたしております。殊に今囘におきましては、この未曽有の大水害が、これは私どもは一口に申しますれば、歴代政府の施政にこの天然のいたずらと申しますか、こういう禍害が加つて今囘のような大きな水害になつたと思います。これはもちろん現内閣といたしましての緊急對策に關係のないことでありまするけれども、それだけにこれを何とかして早くカバーしないと、私どもの申しますほんとうの再生産上の赤字はますます大きくなつていく、從つてこの再生産力を、阻害しておりますところの赤字を、一日も早く適確なる方法によつて埋めることが、健全財政の根本となると私どもは考えております。今までのように、ただ豫算面がない、追加豫算における收支の均衡という點のみに今度の水害を考えられてはいかぬと思う、これは東北のみではありません。ただいま和歌山の委員からもお話がありましたが、東北だけが決して優待されておるのではないのであります。あとで質問しますが、たとえば金融の面でありますと、お約束を得た金額はごくわずかな金額でありますが、それもまだ融資を受けておらない實情にございます。そういつた面におきまして、今までのような考えでなくて、ほんとうに日本の經濟再建、殊に經濟再建の基礎となります農業生産力の囘復、少くとも今破壞されましたところの農業生産力を前の状態までもつていく、また將來とも生産力を維持發展させるという見地から、すなわち國家的なほんとうの意味の赤字を埋める意味における見地から、今囘の水害對策に對する報告書、あるいは各方面の希望要求と申しまするか、豫算面における査定につきましても言つておるのですが、私どもの希望は單なる數字の面でけでなくて、もしも非常に嵩まつて、今までの歳入の計畫ではそれが賄いきれない場合におきましては、新たな歳入の源泉をつかまえる、そういつたことを御成案を得て、少くとも、できるだけいたしますというような今までの月なみの御返事でなくて、あくまでもこの水害對策を講じ、現在の生産力を囘復するとともに、また將來再びかようなことのないようにしたいという現意がおありになるかどうか。またそういう決意をもたれないかどうか。やはり普通の單なる金融面から見た、あるいは數字の面から見て各方面を勘案してできるだけ、というような御答辯だけに終るものであるかどうか。その基本的なお考えを伺いたいと思います。
○栗栖國務大臣 お答えいたします。健全財政、健全金融というお話がありましたが、私はこういう一連の財政金融に關する政策は片山内閣が使命としております經濟危機突破だけでなしに、さらにその次には一定の年間計畫を立てまして、經濟復興、産業復興に關する計畫を實行し得るために缺くべからざるものだと考えておるものでございまして、片山内閣の危機突破對策、それからその次に來るべき經濟あるいは産業復興に關する對策というようなものはいずれ出ることと思いますが、そういう場合にも、その線に沿い、それを促進するような財政及び金融の態勢を整えたいと考えております。なお從來とられました健全財政というものは、實際を見ますと、ただいま御質問のような、數字面とか、表だけを合わせて、裏の金融の面その他に大きな抜けがあつて、やはり通貨膨脹を來し、促進し、インフレーシヨンを助長するというようなきらいがあつたのであります。私も今日まで民間の財政金融に携つておりまして、その弊害、すなわち國民に實を知らさないゆえに國民の協力を得られなかつたような弊害は痛切に感じておるのであります。そこで今囘の追加豫算の編成にあたりましても、特別會計そのものにつきましても十分の檢討を加えまして、特別會計と一般豫算というものを一體的に見て、國民の前にこの國會を通じてありのままを申したい。そして國民の經濟再建への奮起をお願いしたい、かように考えておる次第でございます。 なほ東北その他の水害に對する對策の財政及び金融面の心構えと申しますか、これすでに一般豫算にも九十五億ばかりの公共事業費を計上してあるのであります。今度の追加豫算にも非常に大幅な、大體四十億内外の追加豫算を計上いたしたいとただいま研鑽中であります。かようにして百四十億内外のものをもつてこういうような水害對策——なほ一昨年昨年以來この水害によつて堤防その他が壞れておるのでありまして、この復舊ということも十分でございません、こういうものも財政の許す限りにおいては根本的にやつて水害を事前に防ぎたい、あるいは植林その他もやりたいと考えまして、今囘の追加豫算の面においても相當の資金の増加を見込み、さらにない資金のうちでも相當大幅に割つてこういう方面を重點的に財政上賄い、そうして實際の水害對策を事前にいたしたいと考える次第でございます。
○島田委員 私は健全財政の問題を議論しているのではありません。先ほどのお話のように、つじつまを合せるだけでいろいろの抜け道があつたというようなことを申したのではありませんので、これは別個の觀點から、ただいまお話のありました四十二億何千萬圓というのが今度の追加豫算として計上されているというお話でありますが、本委員會に配付されました資料によりますと、昭和二十二年度の融資所要見込額は全國で十四億三千萬圓でありますが、このうち緊急の資金として金融操作により融資される額はどのくらいになつておりますか。三億と聞きましたが事實でございましようか。それから東北はそのうちどのくらいになつておりますか、ちよつと伺いたいと思います。
○栗栖國務大臣 お答えいたします。これは一通りの調査を基礎としまして、東北ではこの復舊のための費用が二億三千五、六百萬圓、さらに農業上の損耗した農機具とか、あるいは秋作の肥料とか、種子等で一億二千いくら、こういうような數字が計上されております。これは一通りの數字でありまして、もし必要がなければそれ以下に打止めるかもしれません。必要があればそれ以上にも出すように指圖をいたしておるのでありまして、その結果地方銀行あるいはその他の金融機關において手許資金がないから、これで融資ができないというようなことがあつてはならぬと思いまして、そういう場合には日銀資金をわく外で放出しまして、必要な資金は供給を滯りなくする、こういう指圖をいたしておるような次第でございます。そこで必要なる金額は、第一次の報告でありますが、もう少し殖えるかもしれません。かようにも考えまして、二段構えの指圖をいたしております。和歌山縣その他にも同樣であります。
○島田委員 指圖のことはわかりましたが、東北殊に秋田縣は一番被害が多かつたですが、別に各縣の被害の大きさをここで比べることはいたしませんが、指圖をいたしましても實際にその金がはいりませんと仕事ができない。殊に農村におきましては——都會の人は農村にはよく新圓がだぶついているというようなことを申しますが、大都會の附近の町村にはそういう例もあつたかもしれませんが、東北におきましては、農村をまわつて見ましても、世間が考えるほど新圓がないのであります。殊に秋田縣は米作一本でありまして、どんな町村でも新圓がないのであります。何をするにいたしましても金がかかるのであります。なるほどこれを裏づけます資材の面も大切でありますが、今日新圓のない人にはまづもつて金を早く與えてもらわないと何の復舊もできない。資材、金、資材というふうに順序を追つていかなければできない。縣で立替えると申しましても、縣の財政では足らぬ。また地方銀行もお話のようにほとんど資力はありません。これは餘談でありますけれども、戰時中もそうでありますが、戰前におきましても、地方の銀行に預けました金というものはほとんど大半が中央へ引上げられました。そうして地方の産業開發にはほとんど用いられなかつた。今日になりまして貯蓄奬勵のために地方で集めた金は、地方で使うようにということを、この間日本銀行で各支店に通達したようでありますが、實はときすでに遲しでありまして、もはやそういう蓄積力はないのであります。從つてこれはただ指圖ばかりでなくして、具體的に各當該縣から要求がありましたならば遲滯なく日本銀行が各支店を通じ、その他の機關を通じまして、すぐわく外の融資のできるようにお取計らい願いたい。農林省の統計によりますと、農林中央金庫方面からの融資、これも農林中央金庫の現状から見ますれば、おそらく資金はどこでも不足だと思うのであります。これまた日銀の手を通じなければ融資ができないと思うのであります。この點につきましては豫算面と切り離しまして、この緊急の融資、つなぎ資金につきましては、大臣のお話はわかりますけれども、末端におきまして何だかんだというやかましいことのあることは、今までの例からみても往々あるのであります。この點はごく簡單に、簡易に、緊急迅速的確に融通できるような途を講じたいと思います。この點につきましてはどうか日本銀行とも十分打合せの上善處していただきたいのであります。 なおここにございます。第一封鎖預金についてでありますが、五千圓というわくがここにあります。もちろん第一封鎖預金のないものは農民にはないのでありますが、一人當り千圓、一世帶五千圓の範圍内において第一封鎖預金から自由支拂ができる、こういうことになつておりますが、かりに封鎖預金がありましても、五千圓程度では、馬一匹買うにも二萬、三萬かかるという状態でありまして、これは今までの先例を重んじたかとも思いますけれども、もつとわくを機械的、畫一的にしないで、實情に應じたところの處置をとつていただきたい。この點に對する大臣の御見解を承りたいと思います。
○栗栖國務大臣 お尋ねのうちの前段について申し上げます。實は金融は申すまでもなく貸す方の態勢と借りる方の態勢と兩方が一つ心になつてすることが必要なのでございます。そこで私はこの間の關係閣僚の會議におきましても、速やかに内務省側において、あるいは一縣においては縣が代表して資金の融通を受ける、あるいはそうでなければ一町村とか、そういうような團體的に資金の融通を受けませんと、なかなか速やかにいかない。かようなことまで申しまして、その邊の手配をも内務省に依頼しておるような次第でございます。なおお話のごとくに、よく中央では指示が徹しておりましても、末端につきましては指示が徹底しない、かようなこともしばしばあるわけでございますが、これはないように努めてこの日銀あるいはその他縣廳において金融機關を集めて話をするというぐあいまでに手配をいたしております。 それからなお今の封鎖預金の解除でございますが、これは實はわずかばかりの金額で十分とは申しませんので、金融の面でひとつやつていただきたい。しかし封鎖預金のありますところにおきましては、なおその解放についての特例を開いていくのが便利であろう、かように考えまして、これにはいろいろ制約がございますが、とりあえずそういうような解放の處置を併せとつたような次第でございます。
○細野(三)委員 私は財政金融のことはまつたくの素人であります。ただ先般水害地の視察にまいりましたときに、水害地の町村長が集まりすした席上、一番今町村長の希望しておることは何かということを聽いてみましたが、ほとんど大部分の町村長というものがやはり金融の問題を一番先に心配しておるのでありまして、私はこの會の結論としましては、災害の復舊ということは根本的な改修とか調査ということも必要でありますが、何よりもまず眞先の問題はスピードの問題だということを感じたのであります。ある町村では、今年の春の融雪期から今まで、すでに四囘の水害を受けておる。しかるに最初の水害のときの補助金さえもまだ村に著いておらぬ。こういつたことは一體どういうことになつておるのでありましようか。それからまた今まで補助金というものは常に工事の完成した後に、工事の完成の出來高を見てそれから支拂うというようなことをやつておつたそうであります。しかし今度の場合はそうでなく、何か概算拂いとか、前渡しというような形において金融ができないものであろうか。こういうふうな注文が強かつたわけであります。こういうふうなこともお尋ねしたいのであります。それからまた政府から下つてくる補助金というものは、使用の費目というものは非常にこまかく規定されておつて、項目外への横の使用ということが非常に嚴重に制限される。しかし工事をやつております場合には、やや進行している間には初め甲の費目に費そうとして豫算しておつたものが、工事の進行上からその方が必要がなくなつて、乙の方の費目にあてて融通して使つた方がよいような事情になつた。そういう場合の融通性が政府の方にない。こういう費目の融通性というものをもう少し寛大に認めてもらいたい、こういつたような注文もあつたのであります。これらについても政府の御答辯をお願いしたいと思います。なお最近農地改革によりまして、買收計畫によつて買收になつた農地が、これまた費渡し計畫が進まぬで、現在政府の所有になつておる農地があります。これはまだ農林省の方に移管になつておりませんから、多分大藏省所管と思いますが、國有農地の相當おびただしい面積で、今度の水害によつてほとんど何ら農地としての用をなさぬような慘憺たる埋沒、流失をした面積が相當多いのであります。こういう農地の對しまして、今まで耕作しておつた農民というものはもう全然それに手をつけようという氣がないのであります。この方の農地の復舊を擔當すべきものは一體だれであるか。つまりこれは當然國家でなければならないと思うのです。從つて當然にその場合の復舊費は全額國庫で負擔しなければならないと思うのでありますが、政府はどういうふうに考えておるか。
○栗栖國務大臣 具體的な事例をお伺いしませんと、斷定的に申し上げられませんけれども、概算拂いにつきましては、事情その他が許しますれば、これはやり得ると思つております。それからさらに費目の流用でございますが、これも具體的にいろいろ承りませんと、ちよつと御返事がむずかしいかと考えております。なお農地改革で國有に屬しておつた場合の土地の復舊はどうするか、こういうことでございます。これも農地改革の全體の線からみましても、もし國家が費用を負擔すべきであるならば、もちろんこれは負擔しなければならぬと思うのであります。はなはだ抽象的でありますが、實例をくわしく知りませんと、ちよつと申し上げられぬことを御了承願いたいと思います。負うべきものは當然負うべきであるということでお許しを願いたいと思います。
○田中(織)委員 和歌山縣の水害の問題については、先ほど早川委員から東北水害に準ずる取扱いでは十分でないという點を強調されて、政府側においても十分この點を重視せられることと存ずるのであります。私はこのたびの水害の問題に對しまして、政府のとつたいろいろの應急の處置等については、遺憾ながら敏速を缺いておる。水害があつてから一週間も經過して國會がしびれをきらして取上げてから、初めて役所が動くというようなことではならないと思うのであります。先ほど國土局長におかれては、年々歳々ある問題で、内務省としてもその都度調査会を派遣したり、その他の處置を講じておるということでありますが、ただいまこの對策委員會は東北水害なり、あるいは和歌山縣の水害等のために特に設けられたのでありますが、そのほかにも、たとえば四國の愛媛縣、あるいは鳥取縣、山口縣、最近は北海道というように引續き全國的にこの水害があるのであります。できることならば次の委員會までに、そうした殘餘の部分の被害状況その他について詳細な報告を、委員長からどうぞ政府側に要求していただきたいと思うのであります。特にこの際大藏大臣にただいま細野さんからも指摘されたのでありますが、最近の地方公共團體の財政經理面は非常に窮屈でありまして、職員の給料の支拂いにも借入金をもつて賄わなければならない。しかもそれは地方銀行ではその借入に應じきれないというような實情にありますので、ただいま細野委員からの要求にもありましたように、豫算の支出に關しまして、この際思いきつて概算拂いを實施していただきたいということを重ねて大臣にお願いしたいのであります。 それからこれは和歌山縣の方から政府に要求しておるのでありますが、一般の復舊資金でありますが、和歌山縣は御存じの通り、南海大地震でちようど半年前に非常な痛手を受けておるのであります。私別の機會に政府側からいただいた資料によりますと、この震災復興關係の資金の融通についても、和歌山縣は恩典に浴していないような状況にあるのであります。さしあたり五千萬圓程度のもの、これは特に和歌山縣の林業の復活の問題にも重大なる關係をもつておるのでありますが、復興金融金庫を通じて、ぜひともこの資金を放出していただきたいと思うのでありますが、當局はこれについて用意があるかどうか伺いたい。
○栗栖國務大臣 この概算拂いにつきましては、これは概算拂いをし得る状態にどこまで至つておるかというような、いろいろな問題があるのであります。支拂いをする方も國民の汗と血とでできた金をお支拂いうるわけであります。しかしそれあたりはよく調べまして、支出し得るものについてはなるべくして、そうして効率的に識金を運用するようにいたしたいと考えます。 それから和歌山地方の震災に對する復興資金のお話でございましたが、本問題とは別でございますけれども、これについて私は實は銀行におります當時にも、ある種の中小工業その他にも資金を出しておるのであります。普通の資金の面におきまして金融機關から、あるいは金融機關が普通に融通ができぬ場合においては、復興金融機關から、融通の途も開けておるわけでありますから、もよりもよりでお申込みを願うようにして、國家全體から復興金融金庫も審査をしまして、これが緊要なる資金という場合には資金の融通も必ずいたす。かように考えておるような次第であります。
○本間委員長 ちよつと申し上げますが、大藏大臣關係のことをお願いしたいと思いますが、主計局長が殘つておられますから、もし主計局長でよろしければそれでもいいのですが、いかがいたしましようか。
○淺利委員 根本方針ですから、なるべく大藏大臣に……。
○本間委員長 それではこの次の機會にお願いいたします。高倉君。
○高倉委員 内務省關係にお伺いいたしますが、去る八月十五日、北海道の最も米産地であり穀倉である旭川を中心とする石狩地方が水害を受けたのであります。この被害の程度はまだ詳細にはわかりませんけれども、今まで新聞紙上竝びに道廳の方に電話等で調べました結果といたしまして、その被害の町村の數が、旭川市を中心として四十八ヶ町村被害をこうむつているのであります。しかも死傷者が二十一名、家屋の流失破壞が百五十六戸、家屋の浸水が床上が二千六百七十六戸、床下が四千二百三十八戸、家畜の死傷數が千八百六十ございます。被害の耕地面積は、冠水いたしましたのが、水田におきまして一萬二千五百餘町歩、畑におきまして七千九百八十餘町歩、流失いたしましたのが、水田が三百六十餘町歩、畑が三百餘町歩、道路の破壞が大體において百六十箇所、橋梁の流失が二百五十餘箇所、その他堤防の破壞等が五百六十餘箇所になつているのであります。これは概算でありまして、まだ公報がはいりませんので、私の方ではわかりませんが、内務省の方に公報がまいつておりますれば、この際詳細に承りまして、いかなる對策を講じられるか、お聽きしてみたいと思います。
○岩沢政府委員 北海道の八月十五日における被害状況はまだ連絡不十分でありまして、ようやく本日長官から受取つたようなわけであります。私の方の關係いたしております土木關係は、いずれ今度の會までに十分に精査して御報告申上げたいと思います。
○高倉委員 北海道の今度の水害はちようど、内地と違いまして稻の開花期にやられたので相當の損害でないかと私は思つているのであります。詳細なことはわかりませんけれども、先ほどの質問がありましたように、和歌山縣その他のような、手遲れの對策を講じていただいたんでまつたく困りますから、急速にお調べを願い、急速に視察を願いまして、特段の緊急對策をお立ていただきたいことをお願いしておきます。
○大石(倫)委員 國土局長が見えておりますからお尋ねかたがた希望を申し述べたいと思います。七月二十二日以降の豪雨のために、東北五縣がこうむつた被害の甚大なることはあらためて申すまでもないのであります。私、岩手、宮城兩縣を實地調査いたしましたところが、今囘の水害には特徴がありまして、岩手縣の水害は中央山脈を中心とした豪雨が、やや山津波式の形によつて被害を大ならしめておる。第二囘目の岩手縣におけるものは、降雨水量による北上川の氾濫が中心になつておる。宮城縣は普通の水害の轍を踏んでおりまして、河川の改修が不完全であるというところに被害の大いなる原因をなしております。もちろん岩手といい、宮城縣といい、この水害の起りました近因は、樹木の濫伐であることは見逃すことができないのであります。兩三年前における出水時間の割合に今囘の出水時間は非常に早かつた、こういう關係がありますが、この水量を呑みきれなくて、遂に堤防の決壞あるいは耕地の冠水、橋梁流出等幾多の悲慘なる結果をもたらしたのは河川の改修が不完全であつたということをはつきり認めたのであります。もし岩手縣の水害が、五大ダムの計畫が完遂しておれば、もちろんあの慘害を見ないで濟んだものと思われます。また宮城縣における關係を見ますると、迫川の上流改修の工事が遲々として進まないことが中心被害をなしておるのであります。次には直轄河川であります鳴瀬川と江合川の合流工事が未完成のまま放置しておるのが原因であります。ただいま栗原、登米兩郡を縱貫しております迫川は下流の改修はすでに終つて、その翌年から引續き上流改修の豫算も通り、工事に著手せられることになつておつたのであります。しかも昭和十六年から今日に至りますまでわずか一、二箇所の狹窄地の開鑿が成功しておらなかつた、そういう關係から十六年の水害はやむを得ないものといたしましても、さらに十九年、本年と二大水害を招來いたしておるのでありますが、この迫川の狹窄地の開鑿は實地を見ますると、ようやくこの土地の買收や一部の買收家屋の移轉が終つておりますが、まだ全部の家屋の移轉が終つておりません。しかし、この計畫を立てました當時の水量と今日の出水量とは、時差において非常な違いがありますから、この計畫において將來完全なる水害の除去はなし得るとは考えられないのでありますけれども、ともかく現在のこの計畫でも一日も早く竣工しておりましたならば、十九年の水害も、本年の水害もなくして濟んだのではないかと考えられるのであります。最もはなはだしい例は、ただいま申しました鳴瀬川、江合川の合流工事の未完成であります。これは大正十一年のころ、もつとさかのぼりますと今よりちようど三十年前に計畫せられて、工事に著せられて、その後工事の計畫變更がありまして、數年後にまた地鎭祭や起工式をやり直されてやつておりました。その計畫はただいまの鳴瀬川、江合川の合流工事であります。それでこの工事が著手せられてからすでに三十年に近い今日、合流工事の新川掘鑿をいたしましてからでも滿二十年も過ぎております。良田をつぶして、そうして鳴瀬川と江合川との合流の河川を掘鑿しぱなしで今日まで放棄しておる。どういうわけで水が通らぬのかとみますと、わずかに取入口の一部、ごくわずかのところの工事が完成をしない。あるいは縣道二箇所の橋が架設されていない。こういうような程度に過ぎないのであります。かような關係がこの江合川の出水となりまして、昭和十九年及び今囘、また十六年にもありました。最近わずか足かけ七年の間に四囘以上の水害をこうむつておる。こういう實情にあるのであります。この合流工事が完成をいたしておりますれば、江合川に關する限り災害がなかつた。またこの工事が完成をしておりますならば、迫川筋における逆流というものの緩和もできまして、この迫川水系におけるところの災害の幾分なりとも緩和されたじやないか、こう考えられるのであります。御承知のごとく江合川といい、迫川といい、登米郡及び桃生郡におきまして、北上川に流入する水系であります。それで今年の出水量をみますと、鳴瀬川はわずかに水位一メートルくらいの出水に過ぎなかつた。しかるに江合川は洪水警戒水位と申しますか、それよりもさらに一メートル以上、約二メートルの出水をいたしまして、遂に沼部村において大決壞をいたして、家屋は流失いたし、從つて數千町歩の良田があるいは皆無となり、あるいは大減收となつた。この合流工事さえ完成しておりますならば、これだけの水位の差がありますから、この江合川の水を鳴瀬川が飲みこんでくれるということによつて、決壞は免れ得たと言い得るのであります。かような次第でありまして、迫川におきます水害も、十六年、十九年、この兩度の決壞箇所の復舊に至りましても、なかなか完成をいたさないのであります。本年の水害に對する復舊工事のごときも、もう秋水が心配されておるときでありまして、この復舊工事が一日も早くできておりませんければ、この秋水の受入もどうかと心配されておるのであります。さらにまた來年の作付にあたりましても、農民は非常な不安に陷つておるのであります。それで從來内務省のやつておる有樣をみますと、わずかの經費にとらわれて、そうして大きな缺損、被害をこうむることの原因を忘却しておることは、私は國家のためにまことに不利益なることであると思うのであります。先般私はこの迫川の決壞のことにつきまして、決壞後一兩日經つてお目にかかつてお話したのであります。その後私は實地に行つて見まして驚いたのであります。こういうような工事は迫川におきましては、佐沼の町を中心としたる現計畫におきましては、わずか二十メートルの河川を擴げるというのであります。これは私素人でありますけれども、これではとても將來の水害は妨げない。なぜならば佐沼の町上におきまして、この迫川へ磯田川を抱きこんでおる夏川というのが流れこんでおります。それから三千町歩の灌漑をいたしております中田沼關係の干拓地の放流水路にもなつておるのであります。さらにその水路に流れこんでおる一千五百町歩の惡水地であります。ここに伊豆沼という惡水沼があります。この沼も食糧營團が幾多の開墾をするために堤防を沼内に築きまして、流水地帶をいつまでも妨げておるような關係もありますし、その沼から流れ出る荒川、これらのものが佐沼の町上において迫川へ流れこんでおりますから、二十メートルの幅員擴張によつてはとうてい根本的の治水策にはならない。これは第二の計畫をお考え願わなければならないと見てまいつたのであります。素人考えからは方法があると考えますが、今ここでは申し上げません。いずれにしても現在の計畫を促進速成させることは、恆久策というよりもむしろ應急的の處置としてやつていただかなければならないのであります。こういう點につきまして、内務省ではそれぞれのお考え、御準備があるのではないかと思いますので、御意見を伺つてみたいと思うのであります。
○岩沢政府委員 ただいまの宮城縣における水害の例をおとりになつて、いろいろ御説明を拜聽いたしたのでありますが、ひとり宮城縣のみならず、現在における日本の治山治水というものは、戰爭以前から戰爭中また終戰後におきまして、非常に荒れに荒れはてておるのが現状でありますために、私どもとしては荒れてそのまま放任されれば、國土が全然壞滅するというようなことを非常に憂慮いたしまして、國土の保存、民生の安定というような見地から、ただいま内務省におきましては、この治山治水という面において五箇年計畫を樹立いたしまして、全面的にこれを檢討しておる次第であります。いずれ來年度の豫算において財務當局とも折衝して、でき得る限りこの實現を期したい、こういうように考えております。 また先ほど大石さんのお話で、内務省はつとめて工費を少くするというようなおしかりを受けたのでありますけれども、私どもとしてはできるだけこういつたような河川工事は三年よりは二年、二年よりは一年で目的を達するのが一番效果的でありますけれども、何しろ國家財政の都合上、われわれが要望しておるだけの金も財務當局からまわされないために、ついにその御希望に副わずに二年のものが三年になるとか、三年のものが五年になるとかいつたようなことで、その間に今日のような不慮の災害を起しやすいということは、何とも遺憾にたえない次第であります。 なお迫川の點につきましては、なるほどお話の通りに、佐沼までは一應改修は濟んでおつたのでありますが、その上流が戰爭中中斷いたしまして、そうしてその上流部分を今年度からようやく中小河川として縣でこれを取上げてやるように相なつたので、たまたま佐沼の凶作部とか、あるいはその他の上流部分の難所の工事にさしかかつた際において、この出水で、ますますこの改修の急務であり、必要であることを立證したような次第でありますから、この點につきましては、急速に流量なりあるいはその他のことを檢討いたしまして、工事を促進したいと思います。 それから江合、鳴瀬の合流の非常に遅々として遅れておるというおしかりを受けたのでありますが、この點につきましては何とも申譯ない次第で、今お話のように掘鑿は相當進んだのでありますが、たまたま戰爭に相なりまして、そこの間を從貫しております縣道を切り擴げることが、戰爭中において、軍の方からなり、あるいはまた生産物を搬出するという意味から、非常に難色があつたために放任をした。そして終戰後においてただちにやるというような氣構えであつたのでありますが、これまた豫算に制約せられ、また資材に制約せられて、遂にこういつたような江合の慘害を成瀬によつて救濟することができなかつたことは非常に申譯ないと考えておりますけれども、この點につきましては、内務省といたしましては、できるだけ早くあの縣道の切落しと架橋問題を促進しますれば、どうなりこうなり江合と成瀬というものが貫通いたしまして、いずれかが出水すれば、もちつ、もたれつの效果を擧げることになると思いますから、この點は十分促進するように注意したいと思います。
○島田委員 主計局長にちよつとお尋ねをいたします。東北水害對策の各省の要求追加豫算は出揃つたのですか、まだ出揃つてなければ、いつごろまでに、どのくらいの期間をおいて出せるという見透しでありますか。
○野田(卯)政府委員 東北の水害に對する豫算關係につきましては、災害地の復舊經費を主としますから、各省から安定本部に出しており、安定本部において目下それを檢討中であります。差當りとしましては全部の査定を終る前に緊急にその一部分のものでも應急經費として出すということに決定いたしまして、本日の閣議だと思いますが、二億圓くらいとりあえず出すということに決定いたしまして、今手續を進めておる次第でございます。
○本間委員長 ほかにありませんか。 それでは本日はこの程度で散會いたします。 午後三時二十五分散會