商業委員会 第21号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1947/12/03
会議録
○喜多委員長 これより会議を開きます。 本日は百貨店法を廃止する法律案及び石油配給公團法等の一部を改正する法律案を議題といたします。両法案に対する質疑を継続いたします。
○松田政府委員 先般の委員会におきまして、林委員から公團全般の問題につきまして、公團の独立採算制の問題に関連して特に手數料との関係上、どういうような考え方を政府はもつておるか、第二は公團の役職員の給与と豫算との関係ついてもう少し詳細に話をしてもらいたいという御意見がありました。第三点としまして今度基本金が減額されるわけでありまするが、その減額された基本金を依然として認めなければならぬその存在理由は那邊にあるのかという点をもう少しはつきりと説明してもらいたいというお話で、今日の委員会にお答えを留保になつておりましたので、とりあえずそのお答えを申し上げたいと思います。第一の公團の独立採算制の問題に関してお答えを申し上げます。公團が独立採算制をとり得るためには、公團が受取ります手數料が人件費とか、事務費とか、あるいは營業諸掛といつたようなものを賄うに足るものでなければならないのであります。しかるに御承知のように手數料は物価政策の面から決定されなければならぬ。またその上で考慮されなければならない問題であります。すなわち手數料決定の當時におきましては、手數料の額が公團の人件費あるいは諸経費を賄い得るものでありましても、その後のいろいろ経済事情の変化によりまして、あるいは物の値上り、あるいは人件費の値上りというような関係から、どうしても今の手數料ではペイし得ないようなことに至つておるものも少からずあるのであります。また一方において、しからばこれに対應する手數料を値上げしていいかということにつきましては、現在の物価體系の維持という建前もあり、特に配給公團の取扱い物資でありますところの石炭、石油あるいは肥料といつたようなものにつきましては、重要基礎物資でありますだけに、なかなかその価格を変更するということも非常にむずかしい問題がございまして、そういつた観点から現在の物価體系維持という建前から申しまして、軽々しくこの手數料を変更することもできないような状況になつております。從いまして現在の経済情勢の下におきましては公團が独立採算制をとるということは、きわめて困難な事情にあるのであります。 また次に公團法でありますとか、あるいは公團の定款に照らしてみましても、公團の人件費並びに事務費は先般も申し上げましたように國庫から支弁することになつておりまして、これに見合いの財源といたしましては毎期の決算におて剰余金が公團から出ました場合には、これをすべて國庫に納入する、また納入すれば事足ることになつておるのであります。從つてその中から今の人件費並びに事務費を賄う建前になつておるのであります。それがどうしても足りぬという場合もあるかと考えられますので、法律の上におきましても公團に対して独立採算制を特に強く要求しておるものでもないのであります。しかしながら御承知のように現在の公團は、いわゆる從来の營團その他統制機関と違いまして、損失が出ました場合に、損失を補償するという途も開かれておらぬのであります。できるだけこの独立採算制という趣旨は尊重しなくてはならぬ問題とも思うのであります。從つてこの各公團の経營の合理化、経營費の節約といつたような点につきましては、政府といたしましてもできるだけ公團を指導いたしまして、いやしくも経營が放漫に流れることがないように、強力に監督しなければならぬ。またそのつもりでおるのであります。ただここで特に申し上げたいのは、同じ公團と申しましても先ほど申しましたような石炭あるいは石油、肥料というような配給公團、いわゆる産業の直接建設の面を取扱わなければならない産業復興公團とは、いささかその間に性格が違うのでありまして、配給公團等におきましては、できるだけ独立採算制ということに重点をおかなければならぬ分野が多いと思うのでありますけれども、産業復興公團のように今後の日本の産業経済の復興という点につきまして、あらゆる角度から設備の関係あるいは資材の関係、そういつた点からあるいは整備をはかり、あるいは活用をはかるという建前で、産業復興に力強く寄与しなければならない、産業復興公團等につきましては、この独立採算制という点にのみ重点をおいて、活発な活動ができないようなことではいかぬのでありまして、それに対しては政府としてもできるだけ復金からの融資であるとか、その他必要なものは十分考慮いたしまして、本来の公團の使命に対して支障のないように努めなければならぬと考えております。 第二の公團の役職員の給与と豫算の関係でございますが、公團の役職員は法律上明示されておりますように、いずれも政府委員でありまして、その給与はすべて國庫から支給されることになつておるのであります。特に昭和二十二年度におきましては、本豫算においてすでに國会の御承認を得ましたうちに、公團の人件費及び事務費に當てるために物資及び物価調整事務取扱費という部に十五億円が計上されております。そのうち第三四半期分の公團人件費としましては、総額約二億四千六百萬円が認められておるのであります。内訳を申しますと、そのうち配炭公團に充てられておりますものが一億一千九百十一萬円、肥料配給公團に充てられておりますものが二千四百八十五萬円、石油配給公團に充てられておりますものが二千六百八十七萬円、産業復興公團が三千七百四十萬円、原材料貿易公團が六百九十萬円、鉱工品貿易公團が二百五十萬円、食糧公團が一千二百萬円、繊維貿易公團が二千萬円、船舶公團が百二十四萬円、価格調整公團が五百三十九萬円、大體こういうような内訳になつております。しかしながら今申しました第三四半期の公團の人件費におきましては、先刻もちよつとその点に触れましたが、大體一般官庁の給与水準の三割増というものをとりあえず給与水準とする、しかしいろいろな関係もございますので、この第三四半期分のみについての暫定的な一應決定と今のはしてございますが、この給与水準を、さらに公團にほんとうに有能ないい方を迎え、またそういう方に長くこの仕事をしていただきますためには、どうしてもこの給与水準では問題の点もあると思いますので、これに関しましてはただいま関係方面ともいろいろ交渉を続けておるわけであります。從いまして今申し上げました額は、一應第三四半期分の暫定的措置とおくみとりいただきたいと思うのであります。 最後に、この減資された基本金の存在理由は那邊にあるのかという御質問でございますが、これにつきましては先般も大體お話申し上げたのでありまするが、要約いたしますと、結局公團のおもな固定資産は、先般申し上げましたように配給公團に関しまして、その存立の時期等を考えまして、すべて國庫の方でこれをみることにいたしまして、それに應ずる金額を基本金から減額したわけであります。また運転用の資金は、すべて復興金融金庫から借入れてやるということを建前といたしておるのでありまして、從つて残された基本金の大體の使途と申しますか、建前といたしましては、公團の中でもたとえば自動車でありますとか、あるいは什器、備品といつたような、同じ固定資産といつても公團自體が持つてしかるべきそういつたような固定資産の購入費に充てるのが一点、それから公團の取扱物資、石炭、石油、肥料とかいうものはこれは言換えればランニング・ストツクでありまして、從つて相當投入した資金が固定化する傾向のものでありますので、これもやはり基本金のうちから賄うのが適當ではないか、かように考えておるのであります。なお全般的に申しますならば、やはり公團のこういうものがいやしくも存立しております以上は、その信用の基礎というような意味から申しましても、ある程度の基本金は存在せしめておく方が適當ではないか、こういうような意味からわずかではありますが、それぞれ公團に基本金を残しておる次第でございます。大體以上が先般お答え漏れの点についての御説明を御了承願いたいと思います。
○林(大)委員 大體公團に関する政府の今のお立場がそれでわかりましたが、私どもの考えといたしましては、大體において公團を設立したということはその事業の基礎が一つの言わば特権の上に立つたものでありまして、しかも從来自由主義盛んだつたころには十分それで採算がとれた事業なのであります。從つて普通民間のものにこれをやらせれば利益をあげることは容易なのであります。それを公團という形で公益を対象としてやる場合には、國庫の豫算の方にも相當食いこむが、しかもなおかつ手數料を取るということに相なりまして、自由營業ならば十分採算の立つような特殊な事業でありながら、それが公團という形であるがために、うまくいかない面がどうも多分に現れているように私は思うのであります。そういうことを考えますと、公團というものを公企業の社会化の面から、將来日本で相當運用をしていかなければならないという今日におきまして、十分この公團の運營について、この際しつかりした方針をきめて進む必要があると思うのであります。私の見解をもつていたしますれば、大體利益を得る者がその税金を払うというのがまず民主主義政治の一つの考え方の主たるものでございますから、やはり公團のごとくその特殊のラインを扱うものの収支は、公團を独立採算制にもつていきまして、そのラインから利益を生み出して償いをつけていく、しかしそれが豫算の中に収入を組入れて支出を出すということはかまいませんが、どうしてもそこに独立採算制をとらなければいけないものだと私は思うのであります。繰返すようですが、普通の私設株式会社ならりつぱに重役の報酬を出して、お互いに満足しながらなおかつ経済的にのみ申しますと、公團より以上の働きをなすことができるかもしれない事業でございますから、事業のやり方を政府に頼らない独立採算制で株式会社の運營のごとくやつて、しかも公益に十分にこたえていくようなやり方がそこになければならないと思うのであります。それで先ほども局長のお話に十分なる監督をするつもりであると言われましたが、経済機構の監督というものは言うべくしてなかなかできないのであります。戦争中から今日までほとんど経済機構に対する政府の監督は言うだけでやつておられない。私の見解をもつてすれば、この監督はやはり経済法則によつたところの自然的な監督ができると申しますか、採算が合うというような、ある程度独立採算制そのものをもたしていつて、それを大所高所から間接的に見ていくという制度に公團の制度をもつていくのでなければ、公團の制度というものは豫算を食い、なおかつ手數料をとつて一般の民衆にも御迷惑をかける、いわば國家の経済活動を非常にだらしなくする一つの制度になつてしまわぬとも限らないと思うのであります。こういう点から考えると、公團の性格についてはこの上にもよくお考え願いまして、独立採算制をとつて、そうして豫算も食い込まないようにし、なおかつ一般の需要者に対しても満足のいくような方向にこれを指導されんことを希望するものであります。 最後に資本金の問題についてお話がございますが、公團が法律によつてできております以上、これは問題ではありません。資本金はなくてしかるべきものと考えるのであります。 それからもう一つ附け加えておきますが、公團の経理は株式会社同様、もしくはそれ以上にはつきり公開すべきものであると思うのであります。私はいまだかつて新聞紙上に公團の経理が公開されたのを見たことがないのでありますが、これは株式会社以上にはつきりと納得のいくように新聞紙上に公開すべきものである。むしろ株式会社の方は悪いは悪いなり、いいはいいなりに明朗に世の中に訴えておるという点は、公團制度の國民の監督の上におきましても、もつと明朗活発なものにしていかなければならない点であると考えるのであります。そういうことを強く希望いたしまして私の質問を終ります。
○松田政府委員 第一の点につきましてはお考えは私もごもつともと思いますので、今後政府といたしましても十分注意をいたし、努力ををいたしてまいります。特に先ほど申しました監督の点につきましては、多少私の言い現わし方がまずかつたと思いますが、最後にお話になりました公團の経理状況、先ほども申しましたような経營の合理化、経費の節約といつたような点にいても、一方において公團が独立採算制をできるだけとつていくようにしなければならない。反面におきましては當然そういうようなことについては始末のできるものは十分始末をしていく。特に石油とか石炭、肥料とかいうような、現在の需給状況からどうしてもこういつた特別な組織によつて政府と同じ意味においてやつていくこと、今日の事情から好むと好まざるにかかわらず、必要な面につきましては、もちろん營利というようなことは考えずに、できるだけ國民に迷惑のかからぬ範囲において、必要な経費をとるようにしていかなければならぬのでありますから、他方におきまして、今申しましたようなその中でもできるだけの節約をはかつて、あまり方々の御迷惑にならぬように、言いかえれば、できるだけの範囲において独立採算制をとつてまいることは十分私たちとしても努力し、その方針のもとに進んでまいりたいと思つております。 第二の点につきましては、先ほど申し上げましたような三点を申し上げましたので、一應御了解願いたいと思います。 それから特に強く御主張になりました第三の公團の経理の公開の問題でございますが、これにつきましては、御承知のようにこの公團の経理は、今回特に政府機関と同じ意味において会計検査院の厳格な検査を受けまして、その結果はすべて國会の方に決算として御報告を申し上げることになつておりまして、あるいはその際公表すべき必要があればそういうことも自然にできるのではないかと思つておりますので、その点につきましては十分御趣旨に副うように考えたいと思います。それからまた先般来商工省についても、各省と歩調を一つにして行政監察委員会を設けて行政の監査をいたしておりますが、最近公團関係が特に商工省にも多いものでございますから、この行政監察委員をさらに増員いたしまして、各公團関係の行政監査もいたしておりますので、それらについてもその結果は公表できるのではないかと思つておりますが、公團自體の今後のやり方につきましては、十分皆様の御監督が具體的にいけるように、われわれとしても努力をいたしたいと考えております。
○喜多委員長 前回の關内さんの御質問に対する御答弁が残つておりますので、この際お答え願います。
○始關政府委員 先般石油公團の下部機構としての配給公團に対して担保を提供いたします場合の公債の評價の問題について答弁を留保しておりましたが、大體ただいまのやり方は、お話がございましたように、公債につきましては、発行價格の六五%、一般の有價証券につきましては時價の七〇%、不動産につきましては時價の六〇%というようなやり方をいたしております。この公債の六五%につきましては、市中銀行が貸出しの際の擔保の評價の價格を基準としておるということでございます。これは政府の問題でもございますが、同時に擔保としてとる公團の直接の問題でございますので、ンの六割五分をさらにもう少し高く評價するようにするという点につきましては、今公團の方と相談をしてまいりたいと存じております。販売業者の信用が特に高いような場合等につきましては、特に有利な扱いをするようにしたいと存じております。
○關内委員 ただいまの御説明で大體わかりましたが、さらにお尋ね申し上げたいことは、不動産は時價の六%に評價することに相なつておるようです。それから石統の價格が一株五十円の払込み、これを全額にみるというような御通知があるようでありますが、これはやはりこの通りにやられるお考えであるかどうか。この石統は清算事務に現在移つておりますが、この清算事務に移つておる石統の株を、從来のように額面通りの払込みの五十円で擔保としてよいかどうか、この点を伺いたいと思います。
○始關政府委員 石統の株券につきましは、ただいまお話がございましたように、払込み五十円で評價いたしております。今後もそういうふうに続けてまいりたいと思つております。
○喜多委員長 關内君、もうよろしゆうございますね。ほかに御意見ございませんか。――では本日の議題になつております法律案の審議はこの程度で打切りたいと思います。 委員中より緊急質問が出ておりますが、関係官庁の方に今交渉に行つておりますから、政務次官が見えましたら、委員の方から御発言を願いたいと思います。――では高橋君。
○高橋(長)委員 本日の委員会にたまたま農林政務次官の御臨席を得ましたので、わが商業委員会といたしましても、看過でき得ざる問題がございますので、この機会に御質問申し上げ、また私どもの意のあるところをお傳えいたしまして、さいわいにして御共鳴くだされ、善處していただくなら、まことに結構だと存ずるのであります。すでにこの問題は、委員各位も十分御承知の問題でありますが、砂糖の主食代替配給といたしましては、食糧營團にこれを扱わしめるということは、農林當局が閣議に提出されておるのでありまして、これはきわめて急を要する問題であると私は思うのであります。このことを全國の砂糖業者が聞きつけまして、猛然と起上り、すべての利害得失を離れて、砂糖は砂糖業者に扱わしめるものであるという叫びのもとに、毎日全國的な猛運動が続けられておるのでありまして、今日のわが商業委員会の一員といたしましても、私どもはこれを看過することができないと考えまして、自分はこの問題に対しまして、以下三点の角度から研究いたしましたことを、まず申し上げてみたいと思うのであります。なお私の観点以外の点からお考えになつた委員各位もおありと思いますので、またその委員各位よりも御質問があろうと思いますが、私は自分の考えました角度から御質問申し上げてみたいと思います。 まず砂糖の小売業者の現状を十分理解すべきであるという点であります。砂糖の小売関係の取扱いは、全國において昔から乾物商の分野に属しておつたのでありますが、戦時中より今日まで引続きその取扱い量は漸減の一途を辿り、今日では乳児用のみの配給を取扱うに過ぎません。加うるに從来より乾物商の取扱い分野に属しておりました乾麺、雑穀類等は主食として食糧營團にその實績の保証もなく委譲せられてしまつたのであります。かような状態のもとにおきましては、わずかに残された砂糖の取扱いが前述のごとく少量であり、かつその取扱い利潤の僅少なることにおきましては、まつたく他のいかなる商品にもその比を見ないのであります。 次に、この商品の取扱い分野の明確を期すべきであるという見方から、主食確保は目下日本政府に課せられたる他のいかなる問題よりも重大であることは言をまちません。この意味におきまして、最悪の場合においては、鮮魚も、加工水産物も、漬物も、醤油も、みそも、ともに主食としこの取扱いにならぬとも限らぬのであります。砂糖は主食代替として配給せられるがゆえに、食糧營團にこれを取扱わせねばならぬとすれば、敍上の鮮魚その他の物資も皆食糧營團に取扱わせねばならぬ結果になるのではなかろうかと考えられるのであります。ひいては國内における食糧品は全部あげて食糧營團の取扱いとなる不合理が生ずるのではないかと考えられます。私どもはもちはもち屋で、從つて砂糖の配給は砂糖の小売業者をして取扱わしめることが最も妥當であるという考えをもつのであります。 次にマイナス配給、すなわち主食代替配給のことは當該業者に取扱わせしめるも、事務的處理に何らの不便もないという見方から、すでに酒、ビール、カン詰、サツカリン、ズルチン等をマイナス配給として當該業者に取扱わしめて何らの不便も感じなかつたごとく、砂糖の場合もまた同様であると言い得るのであります。なお消費者にとりましては、主食の満配に全力を注ぎつつ、なお配給制に労力の不足を告げ混雑しておる食糧營團の配給所より購入するよりも、感度の高いはかりをもち、かつ取扱いには専門的知識をもつておるところの乳児用砂糖配給所より購入する分が數等便利であることは、ここに申すまでもないのであります。また事務的處理につきましても、食糧營團配給所において米穀通帳に主食の差引計算のみの記入証印を受けるか、あるいはまた別途の用紙に臨時購入券のごときものに記入認印を受けたものを砂糖配給所に提出して購入せしめ、また砂糖配給所においては、毎日受配世帯數及び砂糖配給數量を差引き主食糧を集計の上報告書を提出せしめれば足るのでありまして、この点すでに配給済みのことであります。こういう観点から見ますときに、ここに砂糖業者の部門よりその仕事を奪い、食糧營團に任すということは、私どもまことに當を得ないように考えるのでありまして、特に先ほど申しました通りに、全國的に業者が利害得失を離れて自分らの傳説を元に戻そうとする猛然と起つたこの気持に逆らうということは、民主主義政治下においては、われわれとしては當然考えなければならぬと思うのであります。かるがゆえに、これは當然農林當局は方針をかえまして、業者の手にこれを委ねることが當然であるという考えから、ここに次官どのに御質問申し上げ、ぜひとも砂糖業者の手にこれを戻すように善處を願いたいというのが、私の質問する点であると同時に、要求申し上げる点であります。
○井上(良)政府委員 今回主食代替として輸入いたします砂糖を砂糖取扱業者に配給させよという御質問でございますが、御趣旨はよくわれわれも各業者並びに衆参両院議員からもたびたび陳情を受けておりまして、十分理解し、かつそういう方面に何とか扱えないものかということで、この問題についていろいろ検討を加えてまいつたのであります。ここで御了解を得ておきたい問題は、今度輸入する砂糖は大體来年六月まで、日本政府が連合國から輸入いたします附属食糧約百九十萬トン近くのうちで、われわれは法體穀類を輸入いたしたいというつもりでございましたけれども、世界食糧事情の非常に緊迫した状態におきましては、穀類のみの輸入は困難な實情にあるのでありまして、そのためにやむを得ず他の食糧をもつて代替輸入をしなければならぬことになつてまいつたのであります。そこでその第一として今回砂糖を輸入することになりまして、大體豫定は主要食糧としておよそ二十一萬トンを充てるつもりでおりますが、この砂糖が今申します通り主要食糧の代替として輸入する、このことから考えますと、當然國内へ輸入された砂糖は、主要食糧として取扱いをしなければならぬ。この場合お考えを願いたい点は御承知の通り、主要食糧は食糧管理法によりまして、政府が主要食糧として認定をいたしましたものについては、食糧營團において一手配給を命ずるという法的條文がございます。從つて政府といたしましては、これが國内産の代替食糧でありますならば、何とかまた方法もつくのでありますけれども、これが輸入食糧であり、しかもその食糧の保管及び配給においては非常な責任を政府の最終まで全うしなければならぬ立場にもありますので、かたがた今申します通り、主要食糧としてこれを繰入れます場合、當然その配給は食糧營團において取扱わす、こういう規定もありますので、この際これを食糧營團で扱わすという建前をとらざるを得ない結果になりまして、全國の砂糖業者の熱烈なる御要求に対して御期待に副うことができ得ませんことを、まことに遺憾に存じます。この問題はすでにお話のありました通り、閣議でも問題になりまして、一應全國の砂糖業者の要望に副うように何とか手配はできないか、またそうすべきであるというような強い要求もございました。しかし今いろいろ砂糖業者が砂糖を取扱うことの正當なる理由をおあげになつてお話がございましたが、全くその通りでございます。ただしからばこれを食糧營團に扱わせた場合に一體どれだけ不都合が生ずるかという問題もございますが、しかし大體において今日食糧營團の取扱う内容をわれわれがとにかくここで營團側の立場に立つて弁護する必要もございませんが、第一は、先ほど申しました通り法的基礎で責任の所在を明らかにしなければならぬということが一つ、もう一つは、できるだけ消費者の便宜をはかるということが第二、すなわち食糧營團で正確にこれが配給されるということになるならば、大體大消費地におきましては三日分なり五日分なりの持込配給が行われます。そういう関係上消費者としては、仮にこれを砂糖業者に扱わすということになりますと、營團の法で一應米穀通帳に自分の受配される量を記入してもらつて、それから今度また砂糖配給所に行つて、そこで配給を受ける、二重手間をしなければならぬ関係もありまして、それを一度でやる方が消費者にとつては便宜である。それからいま一つは、これの取扱いが、御承知の通り世間で非常に渇望している品物であるという関係上、保管設備というか、これが非常に厄介でございます。相當の保管設備をもつて、配給の管理を最終まで責任をもつて實行するものでないと、これが輸入食糧であるという関係であり、同時に社会的に非常に目をつけられる品物であるだけに、その保管設備なり配給設備というものが非常に責任のある機関において行われなければ、萬一問題が起つたときにお互いに迷惑することが大きい、そういう点で取扱いの上において食糧營團に扱わす方がいいのではないかという考をもつております。 それから食料營團にははかりがないとか、あるいは容れ物がないとか、あるいは配給技術が未熟であるとかいうようないろいろな意見も伺いますが、これは最近小刻み配給を食料營團はやつておりますし、また計量器にいたしましても、最近小麦粉その他の小刻み配給をやつておりますから、それらの設備は相當持つている。萬が一營團において、この品物が取扱上非常に消費者に不便を感じさせるような地域に対しましては、地方砂糖業者の協力を求めて、末端まで円滑に配給をしたい、こういうつもりで一應責任の所在は食糧營團にして、どうしても取扱いの困難な地域におきましては、地方事情に應じまして、地方長官の申告に基き、砂糖業者と協力をして配給をしてもらうという建前をとつていきたい、大體こういうつもりでおります。從つて一應理屈から申しますと、當然砂糖は砂糖屋が配給すべきであるという、何人も理解しやすい、また何人も常識的に考えられる意見に対して、われわれは根本的に反対するものではございません。ただそういうような法律的に、また責任的にやむにやまれぬ諸條件がございまして、これは食料營團に扱わしてもらう。但しあと六萬トンほど育児用としてはいつてきます分、さらにまた農村報奨物資としてはいります分約四萬トン、これら合計十萬トンは主食ではございませんから、砂糖業者に扱つていただく、こういう建前を明らかにいたしておりますから、その点を御了承いただきたいと思います。
○高橋(長)委員 ただいま次官から御答弁をいただいたのでありまするが、御承知の通り、すでに農林當局は成案として閣議に提出しておるのでありまして、この場合私からの質問に対しまして、御説ごもつともでございますと言うと同時に、またそういたしますという答弁のできないことは、初めから承知しております。そこでただいまの御答弁を要約いたしますれば、三点に帰すると私は思うのであります。 まず前段におきましてはただいまの御説ごもつともである、また参議院方面からも話があり、各方面からそういうお話があつて、まことに同感であるという結論。その次に法文によつて、主食なるがゆえに、營團に扱わすべき規則になつているから、こうしなければならぬということと。最後の点は、國民がのどから手の出るような欲しい品物なるがゆえに、保管の上にきわめて慎重を期さなければならぬという点もあつたのであります。もとよりそうでありましようけれども、私の再びお伺いしたいことは、まず前段におけるごもつともである、同感である、業者の實情はよくわかる、また各方面からもそういう御意見を承つておる、この事實をお聞きになつている次官が、これをこのままにごもつともであるといつて聞き流す、その点について私は少し疑問をもちます。規則の点は國民の多くの要望であるならば、直し得るものと私は思います。それから倉庫の点におきましては、各地方には完全なる保管のでき得る機関があると私は信ずるのであります。結論として、今日の民主主義政治は、國民の深き理解と協力なき政治は、民主主義政治ではありません。御説のように各方面からよく伺つている、意見を聴いておるというならば――このほんとうの民主主義政治を運行せんとする意思が農林當局にあるならば、どうかして民意にこたえていこうという気持がなくてはならぬと私は思うのであります。この点につきまして再質問いたします。
○井上政府委員 一應御意見のあるところはわかりますが、ただかりにそういう意見が一方的に相當高まつてまいりましても、國全體として一つの責任にある仕事をやります場合には、一應それらの意見を参酌して、公正妥當なる政治方針をきめ、行政の運營をはかつていかなければならぬと考えております。かりにわれわれが一應そういう方向が正しいと考えてみましても、いろいろな諸條件を考慮いたしました場合、一應その意見に対しては、新らしいわれわれの意見によつて満足を願わなければならぬ場合が起り得ます。ましてやこれが國内産の商品であります場合ならば、日本政府の責任においてどうでも動きはとれますけれども、これは輸入食糧でありまして、從つてそれが主食の中に入れられるということから考えますと、これは他の甘味料として輸入した砂糖とその性質を異にするのでありまして、この点をどうか御了承いただきたいのであります。そういう関係から、單に日本政府だけの匙加減によつて、これが自由に處分できるものではない。やはり司令部の方との十分の話合いもつけて、大體の方針をきめてやらなければならぬ品物でございますし、一應こつちが引取つた以上は、日本政府において最終までの責任を負わされますので、そういう関係において、できるだけ明るい公正妥當なる配給をやるためには、食糧管理法に基く食糧營團の配給が最も是なりという結論をみるに至りましたので、これは皆さん方の御意見に副わぬ点があろうかと思いますけれども、この際はやむを得ない處置であると考えてやりましたから、御了承いただきたいと思います。
○高橋(長)委員 たいへん次官の責任の強い御回答をいただいてまことに一應結構と思いますが、私は日本の國の政治は、政府だけの責任でないと考えるのであります。もとより日本國の政治の最高の責任者は内閣総理大臣であると思います。その内閣総理大臣は、國民の代表であるわれわれの投票によつて総理大臣になつておるのでありまするから、われわれも國の政治には十分責任を痛感しているので、ひとり農林當局が責任を負うべきものではないということを申し上げると同時に、なお他の委員各位からも御質問があるようでありますから、一應私の質問はこれで打切つておきます。
○岡野委員 今高橋委員からの質問に対して、農林政務次官の御答弁を詳細に承つたのでありますが、御答弁を承つていると、次官は法文の解釈を非常に重くみておるようであります。なるほど法文の解釈は大切であります。そして次官は、それゆえに殊に連合國の主食代替であるから非常な責任があるということを申されております。責任があればこそ、その法文を乗り越えても萬全を期して配給をしなければならないと私は思うのであります。そこで配給するときに萬全を期するならば、私は砂糖業者にやらせることが、その配給の面で一番萬全であると思う。何となれば業者は多年の経験によつて、砂糖を取扱うことについては、技術的にもあるいは指の先まですべて御存じでありまするから、私は砂糖業者にやらさなければならぬ、それが配給に萬全を期するゆえんだと思うのであります。そして法文の方でどうしても食糧營團に扱わせなければならないならば、法文の筋合だけを營團にとにかく扱わせる筋をとつて、配給の面は、その経験ありまたその設備をもつており、また各消費者も砂糖業者から砂糖を買いたいというのが世論でありますので、砂糖業者にやらせることをお考えくださるならば、法文がどうあろうと、それはその法文を乗り越えていけることであろうと思うのであります。また連合國の御好意によりまして、貴重な砂糖が國民の主食代替としてはいつてくる以上は、なおさら政府當局はその責任に立つて、どうしても砂糖業者にやらせることがいいのだということを、もう少しお考えをいただきたいと私は思うのであります。また消費者の便宜をはかることが必要だということはごもつともであります。消費者の便宜をはからないで食糧を配給してはならない。それはもちろんであります。そこで消費者の便宜をはかるならば、砂糖業者にやらせることがよい。次官は今持込配給と申されておりましたが、砂糖は持込配給はできない。殊に今度の砂糖は現物的にどろどろしておつて、持込配給など言うてもできない。あの黄色いどろどろしたキユーバの砂糖は、持込配給なんかできないのでありますから、業者の手によつてやる方が、その取扱いの仕方が違うと思うのであります。砂糖業者は砂糖の取扱いには多年の経験で指の先まで動いて、ほんとうの配給ができるのでありますから、こういうことはどうしても業者の手に委ねなければならぬと思うのであります。今また次官は、特別な地方に限つて砂糖業者に協力を求めると申されておりましたが、特別な地方また特別な事情ということは、そうたくさんあるものじやございませんから、當然扱わなければならない砂糖業者に、なかなか食糧營團はもつていかないと思うのであります。でありますから、次官のお答えのような筋合いであれば、當然それは食糧營團一本にいつてしまいはしないかと思う。この点ひとつ特に御考慮を願いたいと思うのであります。さいわいきようは數十名の業者が出てきておりますので、委員長におかれまして、業者の御意見をお聴き取りくださる機会をお与えくださつたならば、はなはだ結構だと思うのであります。このことを申し上げておきます。
○井上政府委員 たださいぜんから申し上げます通り、一般の普通の甘味料として、また農村報奨用として扱います普通の砂糖の取扱いを、食糧營團に取上げてやるというのじやないのでありまして、この点をひとつ御了承いただきたい。やはり連合國からこれを主要食糧に代替をしろという、一つの指示がまいつておりまして、その関係で政府の責任において、政府の監督の届きます食糧營團においてこれを配給しよう。こういう建前になつておりまして、決して砂糖屋さんのやつておる仕事振りが悪いから、どうこう言うて私は非難攻撃しておるわけではございません。私自身個人的な腹の中の考え方は、砂糖業者の代表者の方にも申し上げました通りできれば砂糖屋さんに現品を扱うてもらつてもいいと軽く考えてまいつたのであります。しかしながら一切の諸情勢を考え、またいろいろな事情を伺いますと、どうしても今申しましたように、主要食糧であるという関係かろ、政府の責任ある機関においてこれを配給しなければならぬという立場に立つておりますので、この点は一應御了承いただきたいのであります。なおその問題につきましては、いろいろ御意見もあろうと思いますが、いずれもう一度閣議に御相談申し上げまして、最後の決定を願わなければならぬことになつております。別にこれは農林省から閣議に提出したものではありません。閣議できめなければならぬ重要な問題ではありませんが、ただ一閣僚から、この問題について閣議で発言がありましたので、そこでこの取扱いについて、農林省から一應説明をしたということになつておりまして、閣議の決定事項とかどうとかいうわけではありませんから、さよう御了承願いたいのであります。 なお今後御承知の通り輸入食糧として、いろいろなものがはいつてまいりましようが、特に甘味料はわが國においては不足しております関係上、相當今後は砂糖の輸入については農林省としても全力をあげ、砂糖、甘味料の配給については、將来砂糖業者の取扱いの機関にお願いをいたしてやるつもりでありますから、ぜひその点ひとつ御了承いただきたいと思います。
○岡野委員 井上次官から詳細な御丁重なお答えを頂戴したのでありますが、承りますとまだほんとうにその配給をどこにやらせるかは、決定的な最後の段階に至つていないように承つたのであります。どうぞひとつ御再考をいただきまして、よりよき配給ができますように、御考慮をお願いいたしまして、私の質問を打切ります。
○多田委員 ただいま井上次官からいろいろお話がございまして、次官の御配慮並びに御意見は、お立場上ごもつともと思うのであります。しかしながら次官が今申されました点を要約いたしますと、最初に法的な関係で法的に責任を明らかにする必要がある。こういうお話でございますが、これはもちろん法的に配給の責任を明確にするということは、申し上げるまでもないことであります。しかしながら實際問題といたしまして、先ほど高橋委員からお話がありましたように、酒の配給にしましても、人工甘味品の配給にしましても、これは業者直接の手を通じて配給しておりますし、さらにパンの配給にしましても營團の委託によつて、業者から配給しておる現状であります。さらに輸入食糧であるところのカン詰の配給にしましても。一部では業者の手を通じて配給しておるという現状であるのであります。從つて食糧管理法の建前から、主食である以上食糧營團の手を通じて配給しなければならないという、この建前が動かすことができないとするのならば、パンあるいはカン詰の配給と同じように、最も配給の技術を有し、設備を有するところの、業者の手を通じて配給するような方法を、農林省として考えていただくことができるだろうと考えるのであります。現に農林省案として傳えられておる案によりますと、地方の實情によつて地方長官の認定した場合には、砂糖の配給機関に協力させることができるという案もあるかに傳えられますので、これを全面的に業者の機能を活用するという建前から、一應責任の所在は營團として、實際の配給部面は業者の手を活用するということに、御再考願いたいと考えておるのであります。 なお大臣として、消費者の便宜をはかることが大事である。これもごもつともでありまして、消費者の利便を離れて配給はできないのであります。しかしながら持込配給については、先ほどから岡野委員から申されました通り、九一%程度の糖分をもつところの原料糖であります関係上、持込配給をかりに實施するとしましても、しかも月にわずか一人當り三百五十グラム程度の少量の砂糖を營團自體が持込配給するということは、これは言うべくして行われがたいことだらうと思います。現に主食にいたしましても、一部では持込配給をいたしておる場所もありますが、ほとんど持込配給は行われていない現實にあることを考えますときに、現在の營團の人員をもつてして、わすか一人あたり九十三匁くらいの砂糖の持込配給ができるかどうか、これはできないということが常識的であろうと考えられますし、しかも消費者自體からいたしますれば、御承知のように砂糖の支給規則が近く公布になりました暁におきましては、消費者の自由な選択によつて商人を指定し、その商人から砂糖を購入するという消費者の便利を第一に考えた砂糖の配給業者を活用することが最も消費者の便利であらうと考えられますし、また通張にしましても、通帳の記入方法につきましては、いろいろ技術的に方法があろうと思いますので、この点につきましても營團が扱うよりも業者が扱う方が消費者にとつては便利であるということが言い得るのであります。 なお第三点としまして、砂糖が非常に渇望されておる貴重品である関係上、その配給あるいは保管については非常な責任を負わなければならないという御意見でありまして、この点につきましては營團で扱わせることが最も適當であるという御結論のようでありましたが、私ども承知しておる範囲におきましては、營團の倉庫は現在でも食糧を収容するのに十分であるとは言えないと思うのであります。現にいもの配給にしましても、いもの俵を道路に積重ねて幾日も置くとこういうようなことを見ますと、はたして保管に対する責任が負えるかどうかということが非常に不安になつてくるのであります。しかも砂糖の場合は米と性質が全然違いまして、倉庫にしましても米の場合は空気の流通が必要でありますが、砂糖の場合は空気が流通すると砂糖が溶けてしまう関係上、倉庫の設備自體も米の倉庫と砂糖の倉庫とは非常に違うのでありまして、これは營團の倉庫にそのまま砂糖を入れるということは、砂糖の保管上非常に弊害があると考えられるのであります。しかも業者の倉庫の場合は全國的に相當多數の倉庫をもつておりますし、この倉庫を利用することによつて保管あるいは配給の面においても、非常に利益があろうと考えられております。これらの点から考えましても現在砂糖の配給を農林省の案の通りに營團で扱わせるという考え方は、實際問題としますと、砂糖の主食代替の配給を不円滑にし、しかも弊害を助長するというような結論になるのではないかと考えられますので、井上次官が先ほど申された責任の所在を明確にするという点については異論はないのでありますが、實際の取扱いの面についてはこれらの点を勘案いたされまして、業者の機能、業者の設備を活用することが必要であると考えられますので、この点御留意願いますとともに御見解をお伺いしたいと思うのであります。なお營團に扱わせるという一つの理由として傳えられております点は、主食の代替としてくる砂糖をかりに業者に扱わせた場合に、米の消費者価格を決定する際に、營團の手數料の算定基準が輸入食糧の數量を基本にして、數量を含めて算定した関係上、營團全體として全國で約三億五千萬円の赤字が生ずる。從つてこの赤字を補填する意味においても、砂糖は營團で扱わはなればならないというような一つの理由があげられているのでありますが、これらの点につきましても、それぞれ話合いのつくことだろうと思われますし、さらにまた傳えられるところによりますと、營團で扱つた場合には百斥あたり約四十九円のマージンで扱えるにかかわらず、業者が扱う場合には百斥あたり二百七十六円のマージンが必要であるから、これは當然營團で扱うことが消費者に非常に利益であるというようなことも傳えられているのでありますが、この点につきましても四十九円で營團自體が配給し得るということは絶對不可能でありまして、金利にしましても、あるいは保管料、運賃これらを計算すると四十九円では現物はとうてい動かないということは、計算をすれば明瞭にわかると思いますが、營團で扱う場合には營團の純収入、手數料が四十九円程度はいるのであつて、金利あるいは保管料、運賃は含まれていない計算であろうと思いますので、この点についてのお考え方をお伺いいたしたいと思います。
○井上政府委員 大體さいぜんお答えいたしました点とあまり変りませんが、第一は砂糖屋さんがお扱いになる方が本質的には當然であるという御意見であるという御意見に立つての御質問でありますが、私自身はそのことを否定しているわけではない。ただ問題はこれが輸入食糧であつて、政府の責任の所在を明らかにしなければならぬ立場上食糧營團に扱わす。但し食糧營團において扱うことが困難な事情にある場合は砂糖業者の協力を求めるという建前になつております。だから責任の所在は一應政府と食糧營團でこれを遂行していく建前でありますので、その点は御了解をいただきたいと思います。 なおいろいろ取扱いについてのお話がございましたが、私の方に集まつておりますいろいろの資料によりますと、たとえて言いますと関東、近畿の各県でこれを取扱う場合、砂糖業者に扱わした方がいいか、あるいは營團でやつた方がいいか、いずれがいいかというようなことについても問合せを発しております。最近集りました結果によりますと東京地方、京阪地方の各県の方からは大體食糧營團で扱つてもらわないと、取締上その他の上に非常に困るという意見が多いのでございます。ただこれがあまり欲しがらない品物であります場合は、案外簡単に操作もできますけれども、御承知の通り全國各主要都市に砂糖業者の方も相當おいでになりますが、末端の配給ということになつてまいりますと、はたして實際上責任をもつてやれるかどうかということについては、一應これは御了解を得なければならぬ点が多いのであります。御承知の通り戰災地帶におきまして砂糖の配給部門が、實際どうなつているかということについては、一應考慮を払う必要があろうと思います。もちろん戰災を受けなかつた地域におきましてはそういうところも整備されており、かつまたこれらの業者も元の住所においでになりますから、そういう点は明らかになるといたしましても、戰災地域その他におきましては相營業者の移動もあつて、なかなか配給網が整然化されていないではないかという点も指摘されておるのであります。 なおまた最後にお尋ねになりました砂糖取扱いの手數料の問題でございますが、こんな安い手數料ではとても扱えないという御意見でございますが、食糧管理局において調べたところによりますと、大體この程度で扱えるではないか、そういう点からも、これがもし業者に扱わす場合になりますと、一匁二円六十銭ほどにつくかと思いますから、そういたしますと、この開きは一體だれが負担するかという問題にもなつてまいりまして、いろいろ困難ならぬ事情もある、そういうことも傳えられております。ただ私どもはそういう枝葉末節的なことで議論をするのではなしに、やはり責任の所在を明らかにして、最後まであまり問題を起さないようにしていきたいという建前でありますから、その点を御了承いただきたいと思います。
○多田委員 ただいま主要食糧であるから問題を起さないように扱つていきたいという建前のもとに食糧營團をして扱わせるという御意見でございましたが、最初に申されました関東並びに近畿各県の意見を聴いたところ、大部分食糧營團に扱わせることが賛成であるというような次官の御意見でございました。これは片柳食糧長官も関東の各県の経済部長の意見は全部食糧營團に扱わせることに賛成であると申されておりました。しかしながら私ども聴き、あるいは各県の経済部長に照会した結果からみますと、この御見解は相當違うように承知しておるのであります。関東の各県の経済部長は、營團に扱わせることが適當であるという全部の御意見であつたというお話は、これは相當な食い違いがあるように承知しております。いずれにしましても、問題は次官が申されました責任の所在をはつきりとし、しかも問題を起さないようにやつていきたいという御考慮につきましては同感でございますが、營團に扱わせることが業者に扱わせるよりも問題を起さないかどうかという点については、相當私どもとしては異論があるのであります。末端の配給機関、すなわち小売業者が實際に砂糖の配給について、砂糖の統制以来どれだけの問題を起しておるかという点は、砂糖の犯罪の事實を調べてみてもおわかりになる通り、砂糖配給業者としての問題を起した事實は、ほとんどないと言つてもいい。しかも戰災地における配給店舗の関係でありますが、これらの店舗につきましても、私どもの承知しておる範囲におきましては、從来の店舗がそのまま戰災地において復興しておる。そうして現在乳児用その他の配給についても、いささかの不便も生じていないということは、これもまたはつきり申し上げらると思うのでありまして、營團だけのいろいろな犯罪と砂糖業者の犯罪とを比較してみますれば、どちらが問題を起さないかという点はおのずからわかろうと思うのであります。ただ責任の所在をはつきりしていきたいという政府のお考えはごもつともでございますが、責任の所在をはつきりさせるとともに、問題を起さずに、しかも消費者に便利なように配給する方法を講ずることが、一番必要じやないかと思うのでありまして、この点いま一應、お考え方を承りたいと思います。
○井上政府委員 私は決して營團が扱うから絶對不正はない、砂糖屋が扱えば不正が多いというような意見を出しておるのではありません。ただ營團は、主要食糧の配給に対しては、非常に訓練をされており、技術的にも洗練されておりますし、帳簿整理においても明確な數字がすぐ出てまいります。この場合砂糖屋になつてまいりますと、何と申しましても末端配給はやはり専業で砂糖を専門に配給している店はないのでありまして、いろいろな業者が砂糖の配給店を引受けているような形態にある現状におきましては、何と申しましても対外的に映る印象は、いろいろそこに不安を抱く危険性はあり得るのであります。そういう点から言いますと、帳簿整理におきましても、あるいはその他上級機関への報告事項についても、相當その点は正確にいくのではないかということは事實的に申し上げることができると思います。ただ問題は、私も絶對これを砂糖業者に扱わせることがいかぬと言つているわけでないのでありまして、地方事情によりまして營團としては砂糖業者の協力を求めることが、この配給に最も公正妥當な處置がとれるということを考え、かつまた地方長官もそれを認めまして、両者の間に話がつきますならば、そういう方向へもつていつていいということを、本省としては指示するつもりでありますから、その点で一つ御了承願いたいと思います。
○多田委員 井上次官の非常に御理解のある御意見、それから先ほどからの御意見ごもつともでございます。ただ言葉尻をつかまえて申し上げるわけでございませんが、業者よりも營團の方が対外的な信用がある。あるいは業者に扱わせることが一般消費者に非常な不安を与える点があるというような御意見でございましたが、今後中小商業者が日本の経済の中核體となつて、大いに活用することに非常に大きな期待をもつている際、業者に対する一般消費者の信用が非常に薄いという御見解に対しましては、私どもは同意できないのでありまして、この点を申し上げまして、私の質疑を終ります。
○山口(靜)委員 諸先生方から多くの意見が出まして、私の考えております点も多々重複するところがございますので、またただいま私の要望いたしておりました点を多田先生によつて申し上げられたような次第で、私の意見はご遠慮申し上げようと思いましたが、やはり商業委員の一人として、考えております点を披瀝さしていただきたいと存じます。井上次官よりいろいろ御意見がございまして、井上次官のお立場の上でたいへん御苦心なさつていることもよく私わかるのでございます。また主要食糧管理法の法規によつて、どうしても砂糖業者の意見を通すことがむづかしいというような御意見に対しても、私は理解をいたしておりますが、しかしただいま多田先生のおつしやいました通りに、私たち商業委員の立場からいたしますと、中小商業者擁護の建前からいきましても、何とかして砂糖業者に対する配給の許可をもう一歩進めて御研究を賜りたいと希望いたす次第でございます。先ほど井上次官より購入帳に対する御心配並びに持込配給に対する御心配等は、これは方法によりましては解決つく問題だと存じます。これらの問題をとり上げまして、両方によつてよきあしきを言い争いますならば、これは水掛論になつて解決つかない問題と存じますゆえに、この中小商業者擁護という建前から、私は砂糖の配給機関を砂糖業者にもたせてもらいたいということを重ねて希望いたす次第であります。
○井上政府委員 どうも私の答弁がはつきりしないかわかりませんが、この点誤解のないように願いたいと思います。私自身中小商業者の利害を無視してどうしようというのじやないのであります。問題は政府が砂糖屋さんが配給すべき砂糖をとり上げて食糧營團に配給さそうというのではないのであります。砂糖屋さんが扱おうとする甘味料、いわゆる普通の砂糖として輸入した物をこれは主食だからと言うて食糧營團に無理矢理あてはめて配給さそうとしておるのではないのであります。砂糖屋さんが扱う部分は扱う部分として、當然それは扱つてもらつていいのであつて、この商券を奪つたり、生活困難に陥れようと考えておりません。ただこれは主要食糧としてわくをきめられておる関係上、向うさんとの話の結果やむにやまれず、これを食糧營團に扱わせねばならんという事情を説明しておるのでありまして、この点御諒承願いたいのであります。しかし主要食糧であつても、さいぜん御質問がありました通り、やはりパン屋さんが食糧營團の下請になつてお手傳いを願つておるところもありますし、また輸入カン詰カン詰業者にお手傳い願つておることもあるそうでありますから、それと同じように、地方的にいろいろ困難がある地域におきましては、砂糖屋さんの協力を求めて正確迅速にこれが配給されることを政府は望むのでありまして、決してその点誤解のないように特に私はお願いをしておきたいと思います。
○松井委員 私はだいぶ遅刻いたしまして、本問題に対する各位からの御質疑も、内容の詳細はよくわかりませんでしたが、井上政務次官に二、三の点をお伺します。本日業者が傍聴されておりますが、この取扱いについてあまり徹底しないような政務次官からの御答弁が先刻ございました。これはなかなか重大問題に考えられます。營團が取扱いまして不正行為はないと承知しておりますけれども、業者に信用ができぬというようなことはないと私は考えます。さらに関東方面を中心とする経済部長その他の御意見を聞き、また県當局も營團にこれを取扱わせることを諒としているというような御意見でございましたが、その点についても相當慎重研究する必要がある。第一に政務次官にお伺いしたい。兼務で配給するから帳簿上複雑している、この点はどの点から複雑しておるか。 なおこの問題に対して一部は失業救済の面もあり、大局からいうと營團が取扱うことが合法的かもしれませんけれども、いやしくも中小業者は納税しておる、そういう面も十分考慮願つて、今後、さらに適當な方法を希望する次第であります。
○井上政府委員 大分私の答弁の仕方が悪いために誤解があるようでございますが、一つは配給操作の上に、砂糖營業者が扱う場合にいろいろ困難な事情があるだろうということと、食糧營團の配給技術の上で比較対象したときに、末端配給の機関において、何と申してもいろいろの点で御主人さんが責任をもつて最後まで仕事はやられるのでありましようけれども、今日まで経験した事實から考えますと、やはり奥さんなり息子さん娘さんなりが主として配給事務を担當するという事例がたくさんあります関係上、帳簿やそろばん上に相當時間を要するということが當然起るじやないかという考えから、さようなことをさいぜん申し上げたのでありまして、決してこれが配給機関としてその能力がないとか、不正なことでも行われるのじやないかという印象を与えるじやないか、こういう考え方は全然もつておりませんから、さよう御了承願いたい。私の建前はさいぜんから申す通り、砂糖屋さんが扱う砂糖を食糧營團が横取りして、配給させるというのではない、砂糖として配給してもらうのでありまして、ただこの砂糖が連合國の好意によつて主要食糧の代替として輸入したものでありますから、從つて食糧としてこれは配給しなければなりませんので、その関係から食糧營團に扱わすのでありますから、この立場さえ御了解いただきますならば、大體筋道はわかつてきはせぬかと思います。なおいろいろ取扱上困難な問題ございますから、當然長い経験と深い技術をもたれております業者の御協力方を願う處置を地方的に十分とつて差支えない、こういうつもりで政府はおりますから、その点はまたいろいろ解決していくのじやないかと思います。
○松井委員 いろいろ具體的説明がありまして了承しましたが、しかし長い間營業税を払い、商売をしてきたその権利を若干認める意味においてそういう点も必要じやないか。ただ政府の方で信用できぬというようなお考えもあるかもしれませんけれども、はたして營團が今日まで全國的にどの程度まで不正行為をしておつたか。これについては必要に應じては全國の不正行為をした材料を大體もつております。そういう関係もありますから、この際一應業者にこれでやれ、もし必要があるならば今の配給所を整理してもよろしい。一應業者の権利も若干お認めになつて、その点についても一應再考慮を、また再相談を願いたい、こう思うのであります。
○高橋(長)委員 もう少し次官と解け合つた話をしたいと思つたのでありますが、先ほど山口委員の御質問に対する御答弁、あるいは松井委員に対する御答弁には、誤解があるようだとか、誤解されては困るとかいうことでありますが、われわれは少くとも誤解している者は一人もないと思います。われわれは農林當局の施策に対して間違つておるぞ、それはこういうふうに考えるのだ、國家のためにこの方がよいのだという観点から論じておるのであつて、誰も誤解しておる者はないと私は信じます。それから先ほどの次官の御答弁の中に、われわれの方から提出したのではないけれども、閣僚の中で質問されたから、それに対するところの材料を出したのであつて、閣議できめるのじやないという御答弁がありましたが、ここで私は委員長にちよつとお伺したい。そうなりますれば、本委員会にもすでに請願がまいつておりまして、審議中であると思います。なお續續と議長の手もとに請願が参つておるのでありますが、しかも本委員会としてこれを取上げて審議中のことでありますゆえに、まさかこの審議中に、しかも公の機関にかけて審議されつつある間に、農林當局か勝手な行動はなかろうと思いますが、この点について委員長はどういうふうにお考えになりますか。
○喜多委員長 高橋委員の御質問に対する正式な請願あるいは陳情は、本日は當委員会にまわつておりません。ゆえにあなたの緊急質問を許可して、當局をお呼びして緊急質問を願うという範囲しか論じられない状態にある。ゆえに業者の発言に正規に速記を交えての御意見を承りたいということもでき得ない實情であることを御了承願いまして、正式な請願あるいは陳情が本委員会にまわりました場合には、正規の手續をもつて政府との間に意見の交換を交え、併せて委員全體の意見によつてこれを採択するか、保留するか、あるいは却下するというようなことを結論づけますことによつて政府當局に強く當る。こういうふうな手續がありますので、本日この緊急質問はこの程度で打切りたいと思う次第であります。
○林(大)委員 請願の審議はあとになると思いますが、その際は業者のみならず消費者の声も聴きたいということをつけ加えておきます。
○喜多委員長 それでは本日はこれで散会いたします。 午後一時二十七分散会