治安及び地方制度委員会 第39号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/11/22
会議録
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員會を開會いたします。 本日の日程は警察法であります。 私から事務的の質問をいたします。第十五條中におきまして、この規定によりますと、第十五條「國家地方警察本部に、國家公安委員會の定めるところにより、次長一人、部長五人以内及びその他所要の所屬職員及び機關を置く。」とありますが、これによりますと、職員中には警察官がないことになりますからして、その中に警察官がはいるように、こうした方がいいと思います。すなわち「部長五人以内竝びに警察官」と加えまして、この職員内におきまして警察官もはいるようにいたしたいと思いますが、政府の御意見を伺います。
○久山政府委員 この國家地方警察本部、竝びに警察管區本部の職員の中に、もちろん警察官がおることが望ましいのでありまして、むしろお尋ねのように、はつきりとここで警察官及びその他所要の職員と明瞭に書き改めておく方がその點はつきりいたしますので、さようにいたされた方がはつきりして結構だと考えます。
○坂東委員長 次は第十七條、「警察管區本部に、國家公安委員會の定めるところにより、本部長その他所要の職員及び機關を置く。その組織は、國家地方警察本部の例による。」とありますが、これも同様に警察官を入れ得るようにした方がいいと思いますが、政府はどうお考えになりますか。
○久山政府委員 ただいま申し上げましたように、同様明瞭にさした方が結構と考えます。
○坂東委員長 次は第二十二條であります。第二十二條、「委員は、都道府縣、特別區若しくわ市町村の議會の議員又は有給吏員を兼ね、又は政黨その他の政治的團體の役員となることができない。」これが第一項で、第二項は、「前項の外、委員の服務に關する事項は、國家公務員法第三章第七節の規定に準じ、都道府縣規則で、これを定める。」とありますが、その公安委員につきまして、嚴格にこの通りでありまするならば、兼職を禁ずることによりまして、ほとんど人材を得られぬ點がありまするから、それを緩和する意味におきまして、第二項の但書を入れたらいかがでありますか、すなわち「但し、同法第百三條及び第百四條に規定する制限は、都道府縣知事において委員の職務に支障があると認める場合の外、これを行わないものとし、又委員の勤務については都道府縣公安委員會でこれを定めるものとしなければならない。」という但書を入れてはいかがでありますか。
○久山政府委員 その點におきましては、御質疑のときに大體の考え方については私どもの考えておるところを申し上げたのでありますが、ただいまお話がありましたように、現在の規定によりますれば、公務員法の一般的な適用によりまして、所屬しております長の許可を得た場合に、初めて他の仕事と兼職できるということになつておりますのを、むしろこの際、規定の上で明瞭に支障があると認めた場合のほかは、自由に他の職業をもつておつても委員になれるというふうにいたした方が、眞に適材を得る上において適當であろうと考えまするので、お話のような規定を置くことにつきましては、私ども別に異存はありませんし、むしろそうしていただいた方がはつきりするために結構だと考えるのであります。
○坂東委員長 なお第四十條第一項に「市及び人口五千以上の市街的町村(以下市町村という。)は、その區域内において警察を維持し、法律及び秩序の執行の責に任ずる。」とありまして、次の第二項に、「前項に規定する市街地町村は、官報に告示した最近の國勢調査の人口に從い、政令を以てこれを告示する。」とありますが、この法文の建前は、昨年の四月の國勢調査という見地でありましようけれども、昨年の四月の調査は正式の國勢調査ではありませんから、この「國勢調査」を削るということが適當と思いますが、いかがでありますか。
○久山政府委員 その方が最近の實情に合うわけでありまして、ここに書いてありまする國勢調査という意味も、實はそういう意味のつもりで書いておつたのでありますが、今お話がありましたように、昨年行つて官報に告示されましたものは、いわゆる國勢調査ではないのでありまして、政府が必要があつて臨時に人口の調査をやつて、その結果を官報に告示をする。いわゆる國勢調査ということでなくて、相當大規模に權威をもつて行われることがいろいろの必要からあるわけでありまするので、やはりそういう權威のある最近の人口統計に從うということが一番實情に即するわけでありますから、そういう意味でやつたのでありまするが、國勢調査という字がはいつておりますために、そういうものが逆にはいつてこないということになりまするので、この際「國勢調査の」という字を削つて「官報に告示した最近の人口」とすることは結構だろうと思います。
○坂東委員長 次は第五十條に「警察職員の任免、給與、服務その他の事項は、國家公務員法の精神に則り、市町村條例でこれを定める」とありますが、しかしながら、それにつきましては、警察職員の實力あるいは資格ということについては、何らかの基礎的の條件がなければならぬという關係から、その下に「但し、基礎的な警察訓練の過程を經ない者は、これを市町村警察の勤務につけることができない」という但書を置いてはいかがですか。
○久山政府委員 國家警察の場合警察官の任免につきましては、三十六條によつて、國家公務員法の規定に基いて都道府縣警察長がこれを任命いたすのでありますが、ただし基礎的な警察訓練の過程を經ない者は、これを國家地方警察の勤務につけることができないというふうに、少くとも基礎的な訓練を經るということを警察官たることの要件として、明瞭に法に規定いたしておるのであります。從いましてそういう精神というものは、自治體の警察官の場合においても、もちろん適用さるべきものと考えるのでありまして、市町村條例をもちまして、公務員法の精神に則りまして、自治體がそれを定めるのでありますけれども、三十六條と同様の意味合におきまして、基礎的な訓練を經るということだけは、少くとも警察官たることの最小限度の資格要件であるということを明瞭に書いておきますことは、毫も支障がないことでありますし、三十六條の規定の精神と照し合せまして、その方がはつきりいたしますので、これも私どもとして別に異存はないのであります。
○坂東委員長 次は第五十一條でありますが、すなわち現在では特別區というのは東京都の場合でありますが、特別區の存する區域においては、特別區が連合してとありますけれども、單に連合してだけではその費用負擔等におきまして法律上曖昧の點がありますから、それをつまり二十三區連合して組織する組合という關係から、「特別區が連合して」とありますのを、「特別區の組織する組合が」と改めたらいかがでございますか。
○久山政府委員 連合してということは、法律的に解釋いたしますと、今お話がありましたように、特別區が組織いたします組合という意味でありまして、法律的にはむしろお話のように連合してというふうな言葉でなくて、特別區が組織する組合というものがその責任 もつというふうに訂正いたしますことが却つてはつきりして結構だと思います。
○坂東委員長 次は第五十二條でありますが、すでに二十三區が組合をつくり、そして費用も負擔するという以上は、公安委員はその特別區の方から出るのが當然であるにかかわらず、第五十二條には、「前條の特別區には、都知事の所轄の下に市町村公安委員會に相當する特別區公安委員會を置き、その委員は、都知事が、都の議會の同意を經てこれを任命する」とありますけれども、すでに二十三の特別區が組合をつくりました以上は、その費用を負擔するからには、特別區の方の議會において委員を出すことが當前だと思います。從つて第五十二條を「前條の組合には、都知事の所轄の下に市町村公安委員會に相當する一の特別區公安委員會を置き、その委員は、都知事が、組合の議會の同意を經てこれを任命する」こう改めたらいかがですか。
○久山政府委員 五十一條の連合してということが、特別區が組織する組合ということに明瞭になりましたことと關連して、當前五十二條につきましても、ただいまお話のようにはつきりと、その特別區が組織します組合ということに書替えまして、ただいまお話のように、前條の組合に一つの特別區公安委員會をおきまして、その委員は都知事がその組合の議會の同意を經てこれを任命するということに當前書き改められることになると思います。
○坂東委員長 第五十五條に「都道府縣國家地方警察の警察官は、」とありますけれども、しかし都道府縣でなくても、單に國家地方警察でもよいのじやないですか。
○久山政府委員 お話のように、國家地方警察本部なり管區本部にも警察官たる職員が明瞭におることになりまする以上は、「都道府縣」という字句を削りまして、「國家地方警察の警察官は、」ということで十分であり、またそれが事實に副うことでありますので、これもそういうふうにはつきりと書き改めることが適當なことと思います。
○坂東委員長 なお五十五條の「市町村公安委員會から援助の要求があつた場合は當該市町村の區域において、援助の要求をした市町村公安委員會の運營管理の下に、その職權を行うことができる。」というのは、國家地方警察の方の援助を受けるという規定になつておりますけれども、しかしながら國家地方警察の方でも、やはり市町村の方に援助を求めることがあります。そういう關係におきまして、そういう規定をけ設る。すなわち國家地方警察の方から市町村警察の方に援助を求めるという字句を入れる方が適當であると思いますが、いかがですか。
○久山政府委員 大體建前から申しまして、國家地方警察というものが、常に市町村の要求があつた場合に、その援助に出ていくということだけを考えておつたのであります。そういうふうに國家地方警察というものが自治體の治安維持の後ろ楯となりまして、絶えずこれを要求されることによつて援助することができるということでありますけれども、そうしてまたそういうことを建前としていきたいのでありまして、國家地方警察の方が、市町村の警察の方から援助を受けるというふうなことは、できるだけなくすると申しますか、ないことを建前としていくように考えておるわけでありますけれども、ある特別の地域におきましては、むしろ自治體の警察の方が非常に強大でありまして、あるいはその方から逆に一時的に援助を求めなければならぬような事態 發生することも確かに考えられるのでありまして、そういう場合にちようどこれと反對のことを規定しておきますことは、あるいはそういつた場合に必要があろうかと考えまして、そういうふうに定めることにつきまして、別に私どもといたしましては反對をする理由はないのでありまして、適當なことと考えます。
○坂東委員長 なお一點お伺いいたしますが、第五條であります。つまり、「國家公安委員會は、五人の委員を以て、これを組織する。」とあります。ところが、一番最後に「委員の任命について、衆議院が同意して参議院が同意しない場合においては、日本國憲法第六十七條第二項の場合の例により、衆議院の同意を以て兩議院の同意とする。」すなわち拒否權の發動を別に規定してありますが、憲法第六十七條におきましては、衆議院か議決した結果に對しまして、参議院が贊成同意しない場合には、拒否がなくても當然できますから、これがなくてもできることになりますが、しかしこの場合の委員をきめた場合、憲法の議決ということとは違うのでありますか。もし違うなら別でありますが、違わなければこの條文はなくても當然拒否權が發動できると思うのでありますが、その場合の御意見を承りたい。
○久山政府委員 憲法の第六十七條は、内閣總理大臣を國會が指名をいたす場合の規定でありまして、本條にあすまするように、内閣總理大臣が兩議院の同意を得て委員を任命するという場合と趣きが違つておると思うのでありまして、憲法の六十七條は、國會議員の中から國會がみずから議決によつて内閣總理大臣を指名するという場合であるのに反しまして、公安委員の場合は、内閣總理大臣が兩議院の同意を得て委員を任命するということでありまして、大分その内容が違うのであります。そういうわけでありますから、當然この六十七條によりましてこの公安委員を任命いたす場合の同意につきましても、同じ精神がそのまま行われるかどうか。むしろ内容、精神が非常に違つておりますから、やはりその場合の例によつて衆議院の同意をもつて兩議院の同意とするという規定がありませんと、そのまま當然にその精神がこの公安委員任命の場合の議院の同意について行われるかどうか疑問でありますので、ここにはつきりと、その場合の例によつて衆議院の同意をもつて兩議院の同意とするということは、やはり書いておく必要があると考えたのであります。
○坂東委員長 そうしますと。憲法第六十七條の議決という中には、同意を與える場合ははいらないという解釋でありますか。
○久山政府委員 議決という言葉の中に、ここで申しまする同意というのがはいりますか、はいりませんか、あるいはこれは法制局あたりでさらに詳細な答辯をいただいた方が適當であらうと思うのでありますが、この六十七條は國會が國會議員の中から國會の議決によつて總理大臣を指名するというのでありますが、この場合は、前に申し上げましたように、内閣の方で委員たるべき人を選びまして、そうして兩議院の同意を得てこれを任命するということでありますので、大分法の精神が違うように考えるのであります。そういうわけで、その場合の例によつて衆議院の議決によつて兩議院の同意とする、かように書いたのでありまして、嚴格な法律的な解釋として、同意というものが六十七條にありまする議決の中に、はいるかはいらないかというふうな點につきましては、ひよつ法制局あたりで詳細な意見を述べていただくことにいたしたいと思います。
○坂東委員長 その點は、討論採決の前に御答辯願いたいと思います。多分月曜日になると思いますが、それまでに御囘答を願いたいと思います。 ――――― 酒井俊雄君
○酒井委員 本日で大體質問も終了になると思いますから、最後に少しお尋ねをしたいと思います。それは先日もこれに關してお尋ねをしたのがありまするが、警察法別表の管區本部の場所についてでありますが、この前申しましたように、あらゆる條件から考えてみまして、名古屋市に本部を一つ設けることはぜひ必要であると私どもは考えるものであります。その考えておる根據を申しますれば、大體名古屋市におきましては檢察廳あるいは高等裁判所、いういう裁判關係、檢察關係の東海、北陸方面における中心になつておりまして、從つてこれを最も關係の深い警察管區がこれと一致をいたしませんと、警察廳あたりでは非常にその取扱いに不便を來し、從つて逆の立場から警察方面としても、はなはだしい不便を感ずるのであります。一面現在愛知縣警察部が關係方面の東海、北陸にわたる警察事務を擔當してゐます關係上、この東海、北陸地方につきましては、名古屋を中心にするということが必要であり、またこれを中心にしなければ、警察關係の事務をうまく取扱うのに不可能な状態でありますので、ここを中心として進駐軍關係におきます警察事務も行われている現状であります。なおその警察の機能のうち、經濟關係というものは今の社會状態におきましては、最も重要な部門であると思いますが、その經濟關係におきましても愛知縣、特に名古屋市というものは東海、北陸地方のまた中心地であります。ただ地理的な中心地でなくて、經濟關係の内容の中心地であります。金融機關方面におきましても、ほとんど名古屋が重要銀行の所在地になつておりまして、近縣はこの名古屋における中央の金融諸機關の支配のもとに行われている状態であります。こういう經濟方面、あるいは金融方面のいろいろな出先官廳というものがありますが、これがすべて名古屋を中心として、その管轄が定められている。そこで出先官廳のうち、名古屋地方經濟安定局、名古屋地方物價事務局、名古屋財務局、名古屋專賣局、名古屋地方商工局、東海海運局、配炭公團名古屋配炭區等は東海、北陸六縣を管轄しております。東海亞炭支團愛知亞炭支部、これが愛知、岐阜、三重、富山、石川の五縣を管轄しております。繊維貿易公團名古屋支部、鑛工品貿易公團名古屋支部なおこの公團關係で原材料の公團、食糧公團、日本雜貨公團、石油公團、能料配給公團、産業復興公團 生活物資公團、石油配給公團、これらがすべて東海、北陸六縣を管轄しております。なお、日本銀行の名古屋支店は愛知、三重、岐阜の三縣を管轄しております。價格調整公團、終戰連絡東海、北陸事務局、東海、北陸地方賠償協議會事務局、それがまた東海北陸六縣を管轄しております。こういう經濟關、係金融關係から見ましてもその出先の官廳なり機關なりというものが、やはり名古屋を中心としまして東海、北陸六縣をまとめて、ここに單一の系統ある機能として運營されておるわけであります。從つて金融關係、特に經濟關係とは密接な關係をもちます。しかも大幅に關係をもちます警察の區域というものは、その管區の本部を、やはり東海、北陸六縣を一つの區域といたしまして、名古屋にその本部をおくということは必要缺くべからざるものだ。それでなければ、警察の方面と一般行政の方面とがちぐはぐになりまして、警察運營はとうてい私は目的を達することはできないだろうと考えております。 なお警察で最も重要に考えられるのは通信の關係だと思いますが、やはり通信關係におきましても、愛知縣は東海、北陸六縣の一つのブロックの中樞として、從來から通信網が發達をしてまいつておりますし、それのみならず、この名古屋を中心にいたしまして、本省關係あるいは大阪方面に對する關係において有線電話、無線電話というものが相當完備され利用されておつたわけであります。ところで有線電話の關係におきましては、東海地方ブロックのセンターとして内務省、警視廳、大阪府に對する直通線及び當ブロック内各縣に對する直通線をそれゞ有しております。しかも名古屋を中心といたしまして、靜岡、神奈川、内務省へは府縣連絡線三面線をもつており、これに全部警察電話線がやはり三囘線あるわけであります。また三重、滋賀、京都、大阪、こちらへ連絡するものが同じく三囘線ございます。それから警察電話はなおこの愛知縣を中心といたしまして岐阜縣、石川縣、富山縣、長野縣、東京、神奈川、靜岡、松濱というふうにずつと一まわりまわつておりますし、なお中央線の筋を經て多治見、中津川、長野というふうにも通じております。岐阜から多治見へも通じておる。その他いろゝな通信網が有線電話として囘通發達しておりまして、これらはまつたく東海、北陸の中心地として非常に警察設備、通信設備が備わつております。なおここが中心地となりますれば、この方面のいろゝな連絡はただちに今言いましたように、大阪、東京の方面に對しまして直通した連絡が三囘線にも及んでおるわけであります。なお愛知縣の警察部の調査によりますと、本年十月中のこれらの長距離有線電話の利用の状況は、一日平均發信が役三十一通話、著信が二十六通話、中繼したものが十一通話、最大の日は一日に發信が五十九通話、著信が四十八通話、申繼が二十三通話、このように利用されております。 なお無線電信については御承知の通り、東海一といわれるような無線電信の設備が愛知縣にはございます。これは本縣ブロック間にこの電信の送受が行われておるだけでなくて、全國に跨つてこの無線電信というものは非常に利用されております。十月中の通信量を見ますと、内務省に對して發信をいたしましたのが二百三十六、内務省から通信を受けたのが三百九十三、中繼したのが七百七、宮城に對して送信したものが、二十七、宮城から通信を受けたものが三十八、中繼したものが二十三。北海道に對して送信六、受信八、中繼十三。靜岡に對して送信二十、受信十九、中繼が三百九十七。岐阜に對して發信九、受信五、中繼三百十五。三重縣發信十、受信九、中繼三百十五。石川縣發信十、受信十六、中繼三百、富山發信十二、受信九、中繼三百二十五。これは無電による十月中だけの取扱數量でありますが、このような電信網をもつておりますところを度外視をいたしまして、せつかくこうして實體が備わつておる場所を見逃すというこは、警察運營の上に非常に不利なことでありまして、殊に改めてこの警察の通信機構を再編成するということは各部面において困難な點もあるだろうし、いろゝな莫大な費用などの必要も生じて來ると思います。なお最近愛知縣警察部においては電送寫眞機を備えまして、内務省通信課、大阪府警察部に對して寫眞電装を實施するという設備がもう近日中に整う手はずになつております。 なお交通運輸の關係を少し申しましすと、省線は名古屋鐡道局がその管轄區内に東海ブロック六縣を掌握して、省線による名古屋驛より六縣所在地までの到著の時間は、おおむね普通で四十六分ないし十時間三十分をもつて到著することができるのでありまして、時間的にも非常に連絡が都合がよいので、取扱貨物及び人員の流れも常に名古屋を中心として呑吐しております。十月中一日平均名古屋の乘降人員は約六萬人を算しております。全國鐡道局管内の取扱客の數において、名古屋鐡道局管内は第三位であります。東京、大阪に次ぐ輸送を見ております。これは省線でありますが、なお地方鐡道の側を見ますと、愛知縣下の地方鐡道としては名古屋鐡道株式會社、近畿日本鐡道株式會社がありまして、いずれも名古屋を起終點として四通八達して、兩會社の名古屋一日平均乘降客は二十萬人を算しております。なお愛知縣内には名古屋市電、豊橋市電、岡崎市電がありまして、名古屋市電は一日平均乘降の客が七十萬人、このほか市街バス、これが十二萬人、實に莫大な數を算しております。そうして前記の省線や地方鐡道との交流が激しく、交通の要衝となつておるわけであります。なお今後名古屋高速鐡道敷設というような案も出ております。これは實現は遠いと思いますが、いずれにしても交通網の大中心であります。この事實は否定できないのであります。 なお陸上小運送關係の方を眺めてみますと、貨車自動車、乘用自動車、乘合自動車、陸上小運搬、これは主として牛馬車でありますが、これらがますます増加の一途を現在たどりつつあるのでありまして、自動車においては一萬臺、牛馬車においては二萬臺を算しております。なお名古屋には名古屋港がございまして、これは今後の貿易關係というような方面から考えてみましても、非常に重要な地位を占めるとともに、いろいろの物資の集散がここを門戸として行われ、特に東海、北陸にきわめて關係の深い重要な役割をここで果しております。物資の輸送經路を申しますと、名古屋市という消費地を控えまして、東海、北陸六縣内の生産物資、その交流、これはもう大部分名古屋へ集まるのであります。特に岐阜、三重、靜岡の物資の名古屋へはいる數は夥しいものであります。これらの間を結ぶ鐡道、軌道、小運送等の取扱物資の交流が非常に多い、そこでこういうような輻湊した交通量、あるいは物資の交易、これに對しまして交通取締というような部面から見ましても、常に名古屋を中心としてこの關係六縣が統一ある警察事務を行いつつまりりましたし、將來もその必要があると私どもは考えております。 なおその他いろいろの面から、いろいろの材料をもつておりまするが、あまり長くなりまするからそれらを省略いたします。いずれにいたしましても警察法を、單に法律さえつくればいいというような、投げやりな氣持なら別でありますが、ほんとうにこの警察法を活かして、そして民衆警察が活きて働くということを考えましたならば、いろいろのむずかしい事情はあろうと思いまするけれども、萬難を排しまして日本の治安の維持のために、生命財産の保護のために、最も適當であるという管區の分け方をし、管區本部の所在を定めなければならぬと思います。しかも窮迫した經濟に直面しておりまする日本の現状として、せつかくあるこうしたいろいろの設備制度を、今さらこれを十分に利用せずに他へ移して、この中心を逃がすというようなことは、國家經濟面から申しましても、これは非常に不利なことだと思います。どうかこの點につきましては、いかなる困難がありましようとも、私どもの考えといたしましたならば、ほんとうに警察機能發揮のために、東海、北陸六縣を中心とした名古屋へ、警察管區の本部をぜひひとつ設置したい。こう私どもは考えまするが、名古屋を除外された理由が私どもにはどうしても呑み込めない。どうかこういう點を、單にむずかしいからということでなしに、ほんとうの氣持で、これに向つて勇往邁進するという御意思があるかないか。そういう點を承りたいと思います。
○千賀委員 ちよつとこれに關連して、御答辯の前で結構ですから……。私も酒井委員とまつたく同じ觀點からこの問題を眺めておるのでございます。ただいま酒井委員が詳細に、中部日本におきまする名古屋市の實力の梗概、あるいは實情その他の諸點についての梗概を述べられましたが、ことごとくこれは私も異論なく承認をいたしておる點でございます。當然名古屋市に地方警察の中心をもつていかなければ、その機能を發揮することは斷じてできないと考えております。噂に聞きますると、名古屋市を入れることは、當然全國に八つの管區を置くことになる前提となり、八つということは昔の軍閥時代の師團の管區に以てくるから、これはその筋で忌避をせられることになるのだというような噂を聞いておるのでありまするが、八つが惡ければ七つでもよろしいのであります。いずれにいたしましても、名古屋を除外することは、どうしても中部日本におきまする中心をそらすことになりまして、警察機能の發揮がそれできるといけことは、まつたく思いもよらないと同時に、折角ある、今まで永い間施設をされましたいろいろな施設が、ことごとく烏有に――烏有というわけではありませんけれども、まつたく開店休業になつてしまうわけで、これは國民生活の上から申しましても一大悲しみであり、痛恨事であると思います。どういう障害がありましても、これは斷じて名古屋市にこの中心を置くということでなければ、私どもは警察機能のほんとうに完全な働きを期して、この法案を通して國民に呼びかけるということは、何としてもでき難いことであります。私は、この點に關しまして政府の皆様が努力をしてみたけれどもいかぬということであるならば、われわれも協力をいたして、某方面も説得をいたすことに努力を惜しまないということを、ここに聲明するわけでございまするが、この法案をみまして、努力が足りない、一番やさしい道をとつて、イージー・ゴーイングというようなことをやつたのじやないかという氣持が、何としても離れきれないのであります。私はこの點に關しまして、趣旨におきましてはまつたく酒井委員と同様な觀點に立つて質問するのでございまするが、併せて御答辯を得たいと思います。
○坂東委員長 ちよつと私は御兩君にお伺いいたしますが、名古屋を中心にしてこしらえたいという希望の六縣をはつきりこの際言つていただきたいと思います。
○酒井委員 これは今までの關係からみますると、愛知縣、岐阜縣、靜岡縣、三重縣、石川縣、富山縣、こういう關係に大體の通信網からいろいろな連絡はつけられておつたのであります。しかしここではあえてこれのみを固執するわけではありません。かりに靜岡縣は東京の方が便利がよいということになれば、福井縣などがむしろ地理上からみましても、交通の關係からみましても、大阪の方へはいるよりは、こちらへ來た方が便利がいいと私どもは考えております。この點多少これが異動をみましても差支えないのでありまするが、せつかくこの網の目のように張られました交通網、運輸機關、經濟流通、あらゆるものが調和した一つのブロックを壊しては、結局警察機能というものは眞に發揮されず、借りものになつてしまうと私どもは考えますので、あえてこの縣を私は固執しようとは思いません。名古屋を中心として、現在實質上あらゆる經濟方面から必要だと見られる系統、その交流ある縣をともかくここへまとめることが必要だと考えております。
○久山政府委員 名古屋を中心といたします一つのブロックの必要につきまして詳細に御説明になつたのてありまして、おそらくお話がありましたように、現在名古屋というものが、東海、北陸のブロックの中心地として、いろいろ役所もあり、また經濟生活その他におきまして、事實中心になつておりますることはお話の通りであろうと思うのであります。ただ警察管區を置きまする場合に、通常の今までのわが國のブロックのわけ方からまいりますと、八つというのが普通でありまして、今お話がありましたように、名古屋を中心にしました東海と北陸のブロックと加えまして八つというのが普通のわけ方であり、またそこにそれぞれの理由があるわけなのでありまして、私どもは、すなおに日本を管區にわけます場合に、わが國の實情から申しますれば、八つの管區にわけることが現状に最も適することである、またそういうふうにいろいろの施設があり、連絡が通じておるわけでありますので、そういうことで話をいたしたのでありまするが、結局のところ六つということに數がきまつたのであります。六つということにきまりますと、現在あります通常の八つの管區を二つ減さなければならぬのであります。そういう場合に、ただいまお話がありましたように、東海地方及び北陸地方は、名古屋に集まつておると同時に、それは大阪を中心といたしまする京阪神との間に密接なる關係がありまして、交通とか通信とかいう點からいたしましても、大體名古屋を中心といたします東海、北陸の縣の關係は、もちろん名古屋の方が中心になつて現在できておるのでありますから、その方が便利ではありますが、これを大阪に加えることによりまして起りまする不便と、名古屋に一つ中心をつくりました場合に、中國四國というものを大阪に全部つける場合とのいろいろの問題を檢討いたしまするときに、交通通信の密接に張りめぐらされておりまする名古屋地域と京阪神というものが、むしろ一體として一つのブロックを構成する方が、いろいろの點から非常に便利でありまして、殊に名古屋を一つの管區にいたしまして、中國四國を全部大阪へ入れまする場合の管區の範圍なり通信交通の連絡から申しますと、これは非常に支障を來すのでありまして、そういうような關係を總合いたしますと、どうしても大阪を中心にいたしまして、現在名古屋を中心にいたしておりまする縣の中から靜岡を東京につけまして、十二の府縣を大阪のブロックに入れる、そうして中國と四國を一括いたしましてこれを廣島に入れるということが、六つと限りまして管區をわけまする場合には、どうしても結論がそういうふうになるのでありまして、その管區の數を殖やすことができるということでありまするならば、また別の考え方かできるのでありますが、六つというふうに數がきまります以上は、どうしても私どもといたしましては、この法案の別表に書いてありまするような管區のわけ方が最も適當である、かような結論を下さざるを得ないのでありまして、お話のように、たしかに名古屋が一つの中心ではありましようけれども、六つという數から、萬やむを得ずこういう管區のわけ方になつているのでありまして、こういう管區のわけ方になりまたゆえをもつて名古屋が事實上中心であり、それを中心にいろいろの連絡なり警察の活動が行われることを毫も阻害するものではないのでありまして、大阪に本部がありましても、名古屋が事實上東海、北陸の中心地であることには、實際の活動において變りはないと思うのであります。そういうふうな管區の數からきまする制限と、それから中國四國というものを大阪につけまする場合、あるいは名古屋を中心として一つの管區をつくります場合との、交通通信の施設の關係なり、管區全體に對する中心地としての關係からいたしまして、どうしてもこういう結論が最も適當であるというふうにならざるを得なかつたような次第でありまして、私どもといたしましては、管區の數が變りません限り、現状の別表の管理を現在のところ變更することは困難であると考えておるのであります。
○酒井委員 管區の數を殖やせということを私は少しも申し上げません。六つのものを七つにし、七つで惡かつたら八つにし、八つでいけなかつたら九つにしたらよいというのではありません。現在警察機能の發揮に非常にこうした方が都合がよいと知りながら、頭から六つときめてそれを一歩も出ないという考えは、私はどうも國民にとつて忠實な考えじやないと思います。あくまでやる、あくまで了解してもらうという必死の力をこれに注ぐべきだと考えております。六つということが、ほんとうに民主警察の運營に都合がよいという信念のもとに、あなたがそういう答辯をせられるということなら私どもは納得しますけれども、六つよりは七つがよい、あるいは八つにしてもらつたらなおよいのだという信念をもちながら、六つと頭からきめてかかるということは、私はどうも忠實な氣持じやないというふうに考えるわけです。いかなる人も、いかなる機關も、日本の警察がほんとうに民主的に、よりよく效果をあげるということを否定しようとする者は一人もないと思います。こういう點からいたしまして、眞に日本の民主警察の運營が、こうした方が最もいいのだということがわかりさえすれば、私は必ずこの目的はどの方面に對しても達せられる。こういう自信をもつております。今これはこれ以上御答辯をお願いしようと思いませんが、私どもは少くともそういう氣持でひとつ最後まで努力していきたい。こう考えておる次第です。
○小暮委員 簡單に申し上げます。附則第七條の恩給の通算の件であります。これは附則第七條に、國家警察から自治體警察に移行するときには、恩給が通算されるということが規定してあります。これと反對に、自治體警察から國家警察に移行する者に關しては、通算されるということが書いてない、通算されないのだというように承つておるのでありますが、これは士氣作興の上から非常に遺憾なことで、ぜひともこれは修正してもらいたい。やはり自治體警察から國家警察に移行する場合にも恩給は通算される、そういうことにしていくことがきわめて必要だ、かように考えておるのであります。御承知の通り新制度の確立に際しまして、國家警察に殘留する者と、自治體警察に移行する者との希望をとつてみますると、先日見學した千葉縣でも詳細なる説明がありましたが、これは千葉縣に限らず、各府縣とも國家警察に殘留したいという希望の者が壓倒的に多い。しかしその希望を容れれば、自治體警察は成立が困難である。そこでやむを得ず自治體警察にまわるように、本人の意思、希望に反してしなければならない。そういう説得に努めておるということは、これは全國を通じてみなそういうように聞いておるのであります。そういうときに際しまして、附則第七條のような規定がありますることは、これは非常に支障になる。こういうように考えますので、ぜひとも國家警察から自治體警察に移行するときと同じように、自治體警察から國家警察に移行するときにも、恩給の通算ができるというように訂正することが士氣作興の上に最も適切なことだ。かように存じまして、この修正を私は希望するのであります。附則の十五條に「地方自治法の一部を」云々ということがありますが、私が今希望しているように、自治體警察から國家警察に移行するときに、地方自治法から見て支障がある場合には、地方自治法を改正すればいいと考えるのでありますが、この點についての所見を伺いたい。
○久山政府委員 お話のように、現在國家警察に職を奉じております警察官が、自治體の警察に轉換いたしまして、その自治體の公務員になるという場合に恩給を通算するということは、これは當然考えねばならぬことでありまして、第七條には當分の間恩給法の規定を準用することにいたしておるのであります。しかしさらに、自治體の公務員になりました者が、再び國家警察の方に轉換をいたします場合に、さらに引續いて恩給繼續のことを考える必要があるという點につきましては、もつともな理由もあると思います。しかしまた一方國家警察と自治體警察という、全然切り離した別個の系統による警察組織が確立されますにつきましての根本の考えといたしまして、自治體から國家警察に、また國家警察から自治體にというふうに、相互に勤務をかえるというふうなことは考えておらぬのでありまして、自治體に職を奉じますものは、そのままその自治體の警察官として勤續をいたすということを、自治警察の本旨といたしておりますような關係もありまして、一般的にその兩者の間におきまする人事の異動なり、それに伴います恩給の繼續ということにつきましては、相當これは愼重に考えねばならぬ問題があるように考えるのであります。しかし今お話がありましたように、現在の者が自分の希望にかかわらず、自治體の方に身分がかわるということにつきましては、いろいろ同情すべき事情があるわけでありますので、その人に關します限り、本來國家警察を希望いたしました者は、その自治體の警察官が整備せられました暁におきまして、それが再び自分の希望であつた國家警察の方に、かわつてまいるというだけの途は、少くとも現在の警察官につきましては開いておくことが、この際安んじて自治體の方に職を轉換していくということになる點を考えますと、確かにお話のように現在の警察官に關します限りは、少くも再びそれが國家警察の方にかわつてくる途を開くとともに、その恩給の繼續につきましても、そういたような規定をおくことが、この際安心して自治體の方に轉換をせしむる上に、效果が非常にあるということにつきましては、私どもも確かにお話のように考えるのであります。
○小暮委員 お答えによりまして、私どもの考えておりますところと、政府の考えておるところと一致しておるのでございますから、ひとつ恩給法につきましてはよくお諮りくださいまして、申請するように希望いたす次第であります。御承知の通り日本の警察を見ますときに、國賓ともいうべき平和的な、りつぱな民主警察人として、數十年にわたつて勤續しておる者を見ますときに、要はいつもその恩給法について一般世人が見ておるというような點は通念であります。さようでありますがゆえに、ぜひともこの恩給法の通算は實行に移しますよう、成文化の御處置を希望いたしてやまない次第であります。
○坂東委員長 川橋君、ありますか。
○川橋委員 昨日の委員會で石田君が、この新警察法によつて公共の秩序の維持、あるいは生命及び財産の保護、あるいは犯罪の豫防、鎭壓といつたようなことが、はたしてそういう運營ができるかどうかということにつきまして、非常に危惧を懐くものであるといつたようなお話がありまして、新警察法の今後の運營について非常に心配申し上げましたが、われわれもこれに對しては多少同感するものであります。しかしながらこの警察法は、その前文に書いてあります通りに、國民に屬する民主的權威の組織を確立する、すなわち民主政治の徹底、また國民のために人間の自由の理想を保障する日本國憲法の精神に從い、また地方自治の眞義を推進する觀點からといつたような字句がありまして、いわゆる民主主義の徹底と、そうして地方分權の確立、こういうことが大體眼目になつておるのであります。今日までの警察制度は、いわゆる中央集權の警察でありました關係において、あるいは政黨がこれを惡用する、あるいは軍閥がこれを利用する。今日わが國が敗戰のみじめな境涯におかれておるのも、あるいはこういつた中央集權の警察の餘幣であると考えておるのであります。また地方におきましても、強力なるバツクを利用して警察官が、あるいは被疑者を拷問する、あるいは經濟警察が盛んにいろいろな仕事をやるといつたようなことは、われわれの目にあまる問題であります。こういう點から見ますと、新警察法は確かに今後平和を愛好し、民主的の國家をつくるといつたような方面に向つて、相當有效に働くものと考えておるのであります。 これだけならいいのでありますが、石田君はその際に、大體今の警察制度は、アメリカのある人が今の警察制度がいい警察制度であると言つたようなことを言われまして、進駐軍方面においてもそういつたような思想があり、またその一面新警察法のような制度が必要であるといつたような、二つの意見が對立してあるかのごとき話でございました。私は、なるべくこの警察法にも相當缺陷がありまして、先ほど酒井君から申されましたように、管區の問題でも、われわれ最初から申しましたように八管區でいいという感じをもつておりました。その後ある方面に折衝されました結果、そういつたことが用いられずして、やはりどうしても六管區でいかなければならぬという理想からいたしまして、こういうような法案ができたわけであります。しかし一面そういつたように、進駐軍の方面に現行の警察法がいいのだといつたようなことが、はたしてありとすれば、なおその方面に折衝の餘地があると私は考えるのであります。できれば酒井君のような希望も、この警察法によつて實現したいといつたような考えをもつておりまするので、今後當局竝びにわれわれも、そういう方面に十分の折衝をいたしまして、われわれの念願する理想をこの警察法によつて實現したいといつたような考えをもつておるのであります。この點につきまして警保局長にお聽きしたいのは、協力して、そうしてそういつた方面について、われわれの理想實現のためになお交渉の餘地ありや否やということを伺いたいのであります。もつとも今まで再々申しましたように、いろいろ折衝の結果これが最後の至上であるといつたようなことで修正の餘地がないならば、これはまたはつきりおつしやつてもいいだろうと思います。ただ御答辯の中には、あるいは修正が可能のようであり、あるいはまた、あるときにはそれはできないのだといつたような言辭を弄されます關係上におきまして、われわれは相當極端な修正もしたいのでありまするが、これについて局長の意圖を尊重して、幾分手加減をしておるような状態でありますから、私はその點をはつきりされることがいいだろうと思いまして、局長のそういつたことに對する最後の決意をお聽きしたいのであります。
○久山政府委員 先ほど委員長からいろいろ字句の點、あるいはその字句が表現せられておりまする内容と字句と合つていない點、その他字句が落ちておつて手を入れた方が意圖するところが明瞭になるというような點につきまして、いろいろ御質疑がありまして、私どももまつたくそういうふうに書きかえた方がはつきりいたすというふうなことについてお答えをいたしたのでありますが、そういう點につきまして、ただいまお話を申し上げましたようなこと以外の點、もちろん字句等のより明瞭にするための訂正等につきましては問題はないと思うのでありますが、全體から通じまするこういう制度の立て方なり、こういう考え方、しかもそれが具體的にこういうふうに數の上にはきりと現われてまいつております事項につきましては、われわれといたしましては、これ以上修正などということにつきまして交渉をいたす餘地は全然ないように考えておるのであります。
○川橋委員 それでいいのです。はつきりと今申されました。名古屋に管區を置くの問題も大體了解できるのです。ただ今申します通りに、修正できるようでもあるし、できないようなお答えであるために、まだ問題が殘るのでありますが、はつきり申されましたから、これ以上われゝは修正の餘地はないと斷念いたしまして、これ以上申し上げることを差控えます。
○井手政府委員 私が列席いたしておりません時に御質問がございまして、そこで保留いたしておりました點につきまして、私からこの席においてお答えをいたしたいと考えております。 御質問は、國家公安委員會の委員と國會法の三十九條との關係のようでございます。私どもは、國家考案委員會の委員は三十九條の一項の方に適用されまして、二項の方でないというぐあいに解釋しております。實は官吏という言葉が使つてございまして、先般成立いたしました國家公務員法では、官吏という言葉を使わないで、今後國家公務員という大きな言葉でまとまつております。從つて他の法令中の官吏と書いてある言葉につきまして、いろいろ疑義が出ますので、本格的に施行になります來年の七月までには、他の法令の適用の疑義を避けるために、いろいろと法制的な措置をお願いしなければならないと考えておる次第でございます。この三十九條もその意味におきまして、これはおそらく國會の方で御提案いただいた――國會の方の發議になつたものでありますから、そちらの方で御研究をいただくことになろうと思いますが、もし多く疑義がございますれば、この問題も國家公務員法との關係において、さらに御研究を願うことが望ましいような感じがいたします。 さて官吏という言葉がこの國家公安委員會にないのであるから、むしろ委員という言葉の方にいくのではないかというような意味の御質問もあつたようでありますが、大體三十九條の一項と二項はその本質から見まして、一項の方は行政の本格的の職員を大體考えておりますし、二項の方は、何と申しますか、本格的でないような意味のものを考えておるように私ども考えております。その委員の言葉があるだけで一項か二項かということにならないように考えております。たとえば先日成立いたしました人事委員會の人事委員も、委員という言葉を使つておりますが、正しく天皇の認證を受けることになつておりまして、憲法上天皇が認證をなさるのはこれは官吏でございますから、委員という言葉がありましても、實質は三十九條の一項であることが明らかなことであると思います。從つて言葉からでなくて、その實體がどうであるかということから御判定を願いたいと思います。國家公安委員會の委員は、この六條あたりにも第三章七節の規定を準用しておる。他の職務につくことは一應禁じておる。それから給與でございますが、これも第九條に檢事總長の俸給に準ずる報酬を受ける。すなはち國家公安委員會の委員になることを本務としておる。他に本務を前提としていないというようなことから、これは三十九條の一項にあてはまるものだと私どもは考えておる次第でございます。
○坂東委員長 お諮りいたします。ただいま林百郎君から委員外として發言の議がありますが、これを許すことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 御異議ないものと認めます。林百郎君。
○林百郎君 それでは、皆さんの御迷惑になると困りますから、簡潔に四點ほどお伺いしたいと思います。 第一點は公安委員竝びに各市町村警察署長、都道府縣警察部長、あるいは國家警察本部長官、警察管區本部長、こういう人たちに對する公選竝びに彈劾權と召喚權との關係でありますが、この公安委員を直接選擧にしなかつた、單に内閣總理大臣あるいは地方長官が、國會あるいは都道府縣會議員の承諾を得るということに止めて、直接公選にしなかつた理由。すなわち憲法十五條の、國民が公務員を選任し、竝びに罷免することは國民固有の權利であるという憲法十五條との關係からどうなるかということ、すなわち公安委員を國民の直接選擧にしなかつた、公選にしなかつた理由。それから少くとも國家警察本部長官、あるいは警察管區本部長、あるいは都道府縣警察署長、市町村警察署長に對する人民の彈劾權あるいは召喚を認めなかつた理由、これが第二點、それから第三として、將來こうした警察の公務に從事する者に對しては、かつて特高警察あるいは憲兵、職業的な軍人、こうしたものに關與した者を一切排除するというようなことを特に本法中に規定しなかつた理由。それから第四點としましては、この警察法については、機構の點については説明があるけれども、警察官に從事している者に對する生活給の制度、あるいは勞働時間の制度、あるいは警察官の團體交渉、あるいは團結權の確認というような點について全然規定がない。いわゆる警察官吏、殊に下級警察官吏の生活問題について何らの規定がなされていない。この四つの點について政府側の御説明を願いたいと思います。
○久山政府委員 この國家公安委員の選定の方法は、まつたく公務員法にある人事委員の選定に準じて、その資格要件なり選定の方法を規定いたしたのでありまして、そういう方法によつて最も適切なる公安委員が得られる。こういうことから本法に書いてありますような、總理大臣が國會の同意を得まして公安委員を任命するという形をとつておるのであります。それから市町村の自治體におきます公安委員については、彈劾の規定を附則で設けておるのでありますが、國家公安委員については、最高の權威である國會が同意をいたしまして、總理大臣が任命をいたした委員でをりますので、これに對しては絶えず國會及び内閣總理大臣が、これを監督しているとしますか、その行状を査察いたしまして、その方面によつてこれを彈劾と申しますか、罷免することができるのでありますから、その任命いたしました總理大臣と同意をいたしました國會、この國家最高の權威をもちます機關にその罷免の權限を與えることによりまして、適正に公安委員の任務の執行ができるように規定をいたしておるのであります。それから特高警察に關するお尋ねでありましたが、これは特別にこの法律に何も規定をいたしておらぬのでありまして、これは一般の官吏の任命採用、その他いろいろの勅令等によりまして資格の問題は決定されておりまするので、一般の公務員法の規定によりまして、資格のある者のうちから選ぶということだけを本法は書いておるのでありまして、お尋ねのような事項につきましては、それぞれ所要の法規によりまして資格問題がおのずと決定をいたしておるのでありますから、こに改めて取上げて書く必要を認めないのであります。それからいろいろ勞働時間とか警察官の團結權とかいうふうな問題につきましても、これも一般の勞働法規の定めるところに從うわけでありまして、特にこの警察の組織を定める法律に特別に書く必要はないと考えておるのであります。
○林百郎君 國會に諮つて罷免することができるということになつていますが、たとえば最高裁判所のごときも、最高裁判所の判事を彈劾する權利が國會に與えられておる。ところがこれによりますと、彈劾する權利が内閣總理大臣の發意にあるけれども、國會自身には與えられていないと思います。そういう點をあるいは人民自身――今政府委員の言われるように、かりの國會自身に與えるという方法を設けなければ、内閣總理大臣の發意に基いて公安委員の罷免が行われるということになつて、明らかに憲法十五條のいわゆる國民固有の權利を無視しているのじやないか、しかも最高裁判所は十年ごとに總選擧の際に、國民にその信任を問うことになつておる。ところが公安委員も、また國家地方警察本部長官も、何ら國民の審査を經るという手續も經ておらないということになつていますが、この點の説明をお願いしたい。
○井手政府委員 國家公務員法の方におきましても同様の議論がございまして、國會の方の御修正を受けまして、公務員についての彈劾をする彈劾手續をきめる法律は別途つくることになりまして、この彈劾の問題が近く法制化すると考へております。そのときにこの公安委員會の委員のようなものにつきましても、同様の制度が妥當であれば、あるいはそれは多少の變革を加えてもおくべきであるというような研究がつみますれば、この點を十分に考えたいと思いまするが、今日のところではまだそういうところまで決定いたしておりませんので、他に先がけましてはつきりそういう制度をつくるほどの考えは政府としては現在ございません。しかしわれわれとしまして憲法で言うところの、國民の公務員に對する進退についての權限というものを、十分尊重しなければならなぬと考えておりまするから、その機會に併せて十分に御趣旨に副うべく研究さしていただきたいと考えております。
○林百郎君 そうすると、將來そういう考慮をめぐらす際には、私の希望としては、できる範圍において公選の方法を考慮されるということ、それから衆議院の選擧の際あるいは一定の時期に、國民の審査に附するような方法も考慮されたいということを望望しておきます。 それから次に、附則の第二條によりますと、公安委員の任期は、地方の公安委員はくじによつて一年二年三年、それから中央公安委員は一年二年三年四年五年となつておりますが、こうしてこの委員が固定化して、それによつて委員が特權化することを防止する規定があります。ところが本案の第七條によりますと、委員の再任は認めるということになつておるのであるが、この一年、二年、三年、四年、五年というような、くじによつてそれぞれの固定化を防ぐという法案と、七條の再任を妨げないという法案との間には矛盾があると思うが、この點の説明を願いたい。
○久山政府委員 別に食い違うところはないと思うのでありまして、最初五人の、あるいは三人の委員が毎年一人ずつ迭つていつて、一度に全部迭るということがない。だれか一人は繼續して殘つておるというふうないき方が、委員會の永續性と申しますか、委員會の權威を維持する方法であると考えますことと、その人の人物その他によりまして、適當な人の再任を妨げる必要はないのでありまして、再任が可能であるということと、一年ごとに任期を交代して迭つていくということとの間に、そういつたような矛盾は別にないように考えておるのであります。
○林百郎君 そうすると、一年二年三年というふうに、一人ずつ交代させるということは、何のための交代でありますか。これはおそらく同じ人が、五人が五人とも五年間の任期を勤めるということによつて、そこに一種の特權化あるいは固定化ということが行われるから、毎年々々一人ずつ交代さす。しかし全部が一度に交代するということでは專務の引繼ができないから、そうさせるものだと思う。そうしておきながら、また再任することを許すということになれば、一人の人が十年任期を勤めることができるというようなことになる。そうすると今政府委員の言われる一年ずつ交代させるということは、何のために設けた規定か説明願いたい。附則第二條です。
○久山政府委員 今林さんがおつしやいましたような意味合で、一年ごとに交代をしていくのでありますが、しかし適當な人は、極端に申しますれば、何年公安委員で職務を行われましても、それが一番望ましいわけでありまして、適當な人をある年限によつて排除するという意思は全然もつておらぬのであります。適當な人は繼續して何年おやり願つてもいいのでありますが、制度といたしましては、全部が一度に迭ることなく一年ごとに交代をしていく、こういうことでありまして、適任者の繼續することを否定する意味はもつておらぬのであります。
○林百郎君 今の點は政府委員と私の方との見解の相違で、これはいつまでやつても仕方がないことでありますから、もう一點最後にお聽きしたいことは、五十四條ですが、「市町村警察は、國家地方警察の運營管理又は行政管理に服することはない。これらの警察は、相互に協力する義務を負う。」とあるのでありますが、この市町村警察は都道府縣警察の運營管理または行政管理に服することがないということにしないと、市町村警察の自治體の獨自性というものが無視されるかと思うのであります。もし市町村警察が國家地方警察の運營管理または行政管理に服さないということになると、同時に都道府縣警察の運營管理竝びに行政管理に服することがないということを一項入れないと十分でないと思うが、この點についてのお考えを伺いたい。
○久山政府委員 林さんのおつしやる通り、國家地方警察ということによりまして都道府縣警察も包含しておるのであります。
○林百郎君 六十條ですが、今の點について市町村警察が都道府縣警察に對して報告義務をもつということが、結局何らかの監督、上下從屬の手續になるような心配があると思いますが、この點についてはいかがですか。
○久山政府委員 これは報告をしていただかないと、統一ある警察運營の能率が發揮できませんので、純然たる犯罪捜査上の技術的な問題に屬するのでありまして、こういうことをやりますということと、運營管理なり行政管理に服するということとの間には、別に關係はないのでありまして、これはもう純然たる技術的な、指紋とか手口とかいう鑑識上の問題でありますのでこれはどこかにまとめまして、そこで全體を利用するということにしなければ犯罪捜査等が的確にいきませんので、こうやりますことと管理との關係は、そういう御心配のようなことはないと思います。
○林百郎君 それは五十四條の、警察は相互に協力し連絡する、これで十分足りると思うので、特に報告義務を課すという必要はないと思うのだが、その點について……。
○久山政府委員 もちろん相互に協力する義務がありまして、そのこによりまして全部報告をしていただけばそれでよいのでありますが、そのことをより明瞭にならしめるために、報告する義務を、あらためて六十條で、犯罪の鑑識上必要なる事項について書いておるのでありまして、これはこういうふうに明確にいたしておきませんと、一つでも二つでも抜けておりますと、全國的な犯罪捜査の運營を阻害するのでありまして、これだけは必ず義務として絶對に報告していただかなければならぬということでありまして、もちろん一般的に相互に協力するということから出てまいることでありますけれども、特に問題が單なる強力をし合うという程度でなくて、全體の犯罪捜査の徹底を期するために、自治體として必ずこれだけのことは報告するという義務として特に明確にいたしたのであります。
○坂東委員長 お諮りいたします、委員外宮幡靖君から簡單に御質問の要求があります。御異議ありませんか――宮幡君。
○宮幡靖君 審議の中途で御迷惑と存じますが、決算委員會において、行政機構の改革に屬します警察法については、合同審査の希望を申し入れたのでありますが、審議の都合上當委員會で單獨に御審議なさる、さような意味で決算委員會の責をふさぐ意味から相當量の質問をいたしたいと思いまして、上程第一日に伺つたわけでありますが、審議の都合で今日まで質問の機會がなかつたのであります。しかしお尋ねしたいと思いましたことの數々は、もうすでに各委員の方々によつて論議し盡されておると思います。きわめて事務的な簡單なことを一、二お伺いいたしまして、決算委員としての一應の責任を果たしたいと存じております。 第一番に伺いたいことは、この警察法を制定實施するということの豫告的の發表が、あまりに早く世上に傳わりましたために、しかもそれが新聞紙といわず、あるいはラジオといわず、はなはだしきにいたつては、あたかも國會を通過して法としての效力を發生したかのようにまで宣傳流布せられました關係上、現在の警察官吏の思想に與える影響がはなはだ甚大であります。おそらく警察官の個々の胸を打つてみますならば、彼らは現在自己の職責に誠をいたそうなどとは考えておらないような、實に憂慮すべき事態になつております。ときあたかも年末の犯罪頻發の時期にあたつておるのでありまして、この國會の權限をむしろ無視したような先走つた宣傳が、現在の警察官の心理状態に影響を與えた點について、御當局はいかなる收拾對策をお進めになつておるか、この點を御明示願いたいと思います。
○久山政府委員 法案が大體決定をいたしまして國會の方に提出をいたことになりました機會に、併せてその概要を新聞紙に發表をいたしたのでありましたが、これはただいまのようなお話がございましたけれども、實は發表として正式にいたしませんでも、いろいろ傳え聞きまして揣摩憶測をいたし、かえつて不安動搖があることを惧れたのでありまして、むしろ法案が決定をいたしました機會に、その概要を事前に警察官はもちろん、一般の國民によく知つていただく、そうしてそれに對して十分なる心構えをもつていただくということが、この畫期的な制度の運營を圓滑ならしめます上に必要であると考えまして、さようにいたしたのでありまして、これを發表いたしたことによりまして特に不安動搖を増しておるとは思いませんので、むしろ發表せずにおる方が、かえつているるの不安が豫想いたされるのでありまして、發表と同時に各警察の幹部において十分その精神を傳えますとともに、いかなる制度になりましようとも、治安を維持するというその責任については、嚴正に職務の執行にあたるべきことを通達をいたしたような次第でありまして、事前に發表いたしましたのは、まつたくそういう意味合でありまして、ただいま御質問がありましたけれども、そうした方がやはりその當時としてはよかつた、かように考えたのであります。
○宮幡靖君 警保局長さんの御説明は一應了承いたしますが、現在警察官が不安な状態にない、かような前提のもとにお話でございますが、事實われわれが接觸しておりますあらゆる面において、警察官の心理状態は動搖しておることはおおいがたい事實であります。この點をないという前提の御説明でありますと、議論にわたるようでありますが、いささか意見の相違だ、見解の相違だというだけでは片ずけられないと思います。もとと御通達の趣旨が、下々の警察官に傳わります響きというものは、上部で期待したようにのみ響いておりません。民情は必ずしも平らかでないのでありますから、この際特に警察法なるものの九十日内の實施によりまして、現在の警察官の身分が危ぶまれたり、あるいはかつこの地位から轉落したりするというようなことは一切ないという、一つの安心を與える注意こそ必要ではなかろうかと考えます。もちろん意見の相違、見方の相違については、委員會において私議論をしたくないと思います。ただ警保局長さんの、不安がないという前提は、あまりに斷定にすぎておるのではないかと存ずるわけであります。この際年末の犯罪の頻發の時期を控えておるのでありますから、もう少し大乘的に國民の財産と生命を保護する警察本來の立場に立返えられまして、何らかもつと萬全の手を打つべきではないか、かように考えておるわけでございます。
○久山政府委員 全然不安心がない、動搖がないというわけではないのであります。もちろんこういう畫期的な制度の變更でありまするので、それぞれがやはり自分の一身上のことを考えて、いろいろ心配しいろいろのことを考えるということは、これはもう人情のしかるところ、ある程度やむを得ないことであろうと思うのでありますが、ちようど時期が歳末等とぶつかつてまいりまして、いろいろの犯罪などに對する措置等につきましても、そういう面から能率が落ちるということがあつては、はなはだ申譯ない次第でありますけれども、そういう點につきましては、よく新しい制度の趣旨を徹底いたさせまして、こういう制度ができることによつて何ら自分の一身上について不安を起す必要はない、むしろこういう制度によつてほんとうに新しい警察が確立されて、これによつてほんとうの自治的な、國民と一體となつた警察ができるという方向へ、みずからがまず氣持を變えて進むということでいろいろ話をしておるのであります。もちろん多數の警察官の中でありまするし、それぞれ多數の自治體の警察ができることがあり、またそこに公安委員が新しく選任せられまして、それが警察幹部の人選等をいたすのでありますから、そういうことを中心といたしましているるの動搖がありますことも、こういう制度の實施に伴いまする過渡的な事情としてやむを得ないのでありますが、ただいま申しましたような趣旨をもつて、できるだけそういうことに伴う不安、動搖のないように、趣旨をよく了解してもらうように努めておるような次第であります。
○宮幡靖君 警保局長の御説明は了解いたしました。ぜひさような御手配を願いたいと存じます。 次にごく事務的なことを一、二お伺いいたします。第五條に職業的公務員という言葉が使われておりまするが、われわれはと申しますか、日本國民全部と言つた方があるいはあたるのかもしれませんが、久しい間獨佛系の立法によつて薫陶されてまいりました關係上、英米式の抽象的な言葉はなかか解釋がつかないのであります。そこでこ 職業的公務員の範圍、ないしは非職業的公務員とはどんなものであるかということを、具體的に御例示を願いたいと思います。
○久山政府委員 職業的公務員の内容でありますが、要するに俸給を官公廳からもらいまして、職業としてそこに勤めておつた者、こういうことでありまして、非常に廣い範圍になるのであります。一々どういうものというふうに今あげますよりも、そういつた言葉で大體具體的には明瞭になるのではないかと思うのでありますが、俸給をもらつて職業として官公廳に觸を奉ずる者、こういうことでありますので、いわゆる官公廳の役人、公吏、それから囑託というふうな者にいたりましても、とにかくその性質が給料をもらつて職業としてやつておつた場合は、それがすべてはいるという、非常に廣い意味に解釋すべきものだと考えるのであります。
○宮幡靖君 それでは實際問題として疑義のある場合には、職業的公務員であるかどうかということを豫備的に考えてやる、かようなことがよろしいと思いますが……。議事の進行を妨げてはいけませんから、それでは職業的公務員の定義については、後ほど御當局から、短文で結構でありますが、委員に對して資料と説明書をいただきたいと思います。それをもつてこの質問を打切ります。 もう一つ、これは簡單でありますが、五十四條の點については林百郎君からも質問がありましたが、私の趣旨とは違つておりますけれども、長くなつて御迷惑でありますから省略しまして、第四十二條と附則第八條についてごく事務的な質問をいたしますが、四十二條には、「自治體警察に要する經費は當該市町村の負擔とする」とありますが、附則の第八條におきましては、「市町村警察に要する費用は地方自治財政が、確立される時まで、政令の定めるところにより國庫及び都道府縣がこれを負擔する」とあります。四十二條の場合には經費という字句を使つてありまして、第八條の場合には費用という字が使つてあります。これは同じ意味でございましようか、それとも經費とよぶものと費用とよぶものの範圍に相違があるのでございましようか、これは運營の實態について相當の影響があると思いますので、一應御所見を伺いたいと思います。
○久山政府委員 それはまつたく同じ意味であります。
○宮幡靖君 そういう場合には、これは立法上の問題で、あえてこれを修正しなければならぬという問題は本委員會の權限でありまして、委員外のわれわれが申すべきことではありませんが、こういうまぎらわしい字句は何とか調整していただいた方がよいと思います。この點でずいぶん疑義を懐きまして、國家が負擔すると言いながらも、地方の負擔が重くなるのではないかという點にかなりの疑問が殘されると思います。どうか、こういう點は進んでひとつ、同じ意味でしたら同じ言葉をお使い願いたいと思います。以上をもつて質問を終ります。
○林百郎君 私の質問のうち、やはり先ほどの委員からも御説明がありましたが、できるなら書面で結構ですが、警察官に對する給與體制、あるいは勞働體制、あるいは團體交渉の關係、こういうものはすべて勞働立法では、警察官だけは全部例外になつておると思うのです。特に警察官だけ入れてある勞働條件の勞働立法があつたら、書面で結構ですから示していただきたい。 それから憲法第十五條と罷免權の問題、この點もこの法案が憲法違反の謗りを受けないように、愼重な御考慮を願いたいという希望を申し上げておきます。
○坂東委員長 これにて質疑は全部終了いたしました。かく認めることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 御異議ないものと認めます。次は來る二十四日月曜日午前十時から開きしまて、討論採決に入ります。 本日はこれをもつて散會いたします。 午後一時二十一分散會