治安及び地方制度委員会 第6号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1947/07/28
会議録
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員會を開會いたします。 本日の日程の内務省解体に伴うその後に生ずる組織中におきまして、公安庁問題を主としてやりたいのでありますが、そのほかの問題につきましても討議して差支えございません。まずもつて政府側から、内務事務官の荻田保君より、内務省解体に関する説明がございますから御聴取願います。
○荻田説明員 内務省解体の問題につきまして御説明申し上げます。政府といたしまして内務省を廃止し、新しく三つの機関を置くということを先般閣議をもつて決定いたしまして、それに基きまして、ただいま法律立案中でございます。未だ全部の準備が整いませんので議會提案まで至つておりませんが、近日中に提案せられるものと思います。従いまして最後的に法律案として決定いたすものが、あるいはただいま御説明申し上げますことと違うことがあるかもしれません。その点は御了承おきを願いたいのであります。 御承知のように新憲法によりまして、日本の内政につきまして地方分権、地方自治の発展ということが大きく行われておるのであります。これに基きまして、すでに新しい地方自治法によりまして地方の制度、組織等は相当この線に沿いました改革ができたのであります。従いましてこれに伴いまして、従来最も地方行政に関係の深かつた内務省、中央官省の、この地方行政に即応いたしまする行政機構にも、あるいは改正を加えなければ、地方自治の発展のために適当でないところがあるのではないかと思われる節でありまして、政府の自治法施行以来研究しておつたのでありますが、ここにとうとう内務省を解体しまして、新しく三つの機関を設けるという方針がきまつた次第でございます。 それでまず内務省につきまして、第一に内務省の所管事項中なお地方団体に委譲してよいと思われる点は、これを地方に委譲いたしたいと考えておるのであります。御承知のように新地方自治法によりまして、従来中央でもつておりました地方団体に対しまする監督と申しますか、統制と申しますか、そういう権能は相当大幅に地方に委譲せられておりますので、内務省所管事務につきましては、これ以上地方団体に委譲するというところは少いようでありますが、なお地方自治発展のために即応いたしまする権限の委譲は、これをさらに一段取上げたい、こう考えておるのであります。この点につきましては地方自治法の改正案としまして立法いたしまして、後刻皆様の御審議を受けることとなると思います。 第二に内務省の権限中、他の省に移管しても差支えないもの、このようなものが考えられますので、これはそれぞれ関係の各省に移譲するということにいたしたのであります。主なるものといたしましては、改名に関しますことは司法省に移し、国籍に関する事務はやはり司法省に移します。それから北海道開拓に関します仕事は従来内務省で扱つておりましたが、これはそれぞれの所管に従いまして、それぞれの所管省に移すことにいたします。なお水利組合、普通水利組合はこれを農林省に移管するというような点を実施いたしたいのであります。以上二つのことを実施しました上で、なお内務省に相当大きな権限が残つておるのであります。この権限を扱うのにいろいろないきさつもございまして、内務省は解体いたしまして、内閣に新しい三つの機関を設けまして、これに所管させることにいたすのであります。その新しい三つの機関と申しますのは、第一は地方自治委員會でございます。これは委員會の長を国務大臣をもつてあてる。委員二名は、そのうち一名は国會において推薦せられたもの、他の一名は地方団体において推薦せられたもの、この三名をもちました委員會を内閣総理大臣の所管のもとに創設いたしまして、この委員會は従来ございますようないわゆる諮問的な委員會ではなく、行政自体を行いますいわゆる執行委員會と申しますか、そういう性質の委員會でございまして、この委員會が従来地方行政につきまして狭い意味の地方行政、つまり地方自治法の運用、あるいは選挙に関すること、こういうようなことを所管いたしまして、これは先ほども申し上げましたように、単に調査とか立案とかいうようなことではなく、行政自体を実行していく委員會なのでございます。なおこれには事務局を附設いたしまして、本委員會に関しまする事務を所管させるつもりであります。 それから第二には公安庁でございますが、これはやはり内閣総理大臣の下に公安庁をつくりまして、この公安庁におきまして警察、消防、それから今内務省の調査局において取扱つておるような仕事、つまり連合軍より引渡されました物資の処分、あるいは各種団体の調査、その他いろいろ連合国から命ぜられておりまして、現在内務省の調査局において所管しております事項を公安庁において所管することにいたします。公安庁の機構としていまだ確定的なものを考えておりませんけれども、大体のところ現在の警保局と調査局とが中へはいる。そのうち警保局の所管しておりまする消防に関しまする事務は独立の部をつくりまして、警察行政とは別個に処理いたしたいという考えでございます。 次にやはり内閣総理大臣の下に建設院をつくりまして、ここにおきまして従来内務省の国土局の所管しておりました国土計画、地方計画、都市計画、あるいは砂防、道路、河川、こういうような土木事業と、現在内閣にありまする戦災復興院において所管しておりまする戦災地の都市計画、その他の復興計画、それから住宅の問題、なほ連合軍より命ぜられておりまする庁舎の建築の問題、そういうものを新しい建設院において所管することにいたします。従いまして建設院には国土局の仕事と、現在戦災復興院の仕事等、相当大きなものが所管されることになりまするので、相当数の局ができると思います。 以上が大体内務省解体後の新機関の構想でございます。これは法律案が本議會におきまして御協賛を得ました後、できるだけ早い機會に発足いたすことになろうと思います。以上簡単でございますが、内務省解体の問題につきまして御説明申し上げましたが、御質問があればそれによつてお答えいたしたいと思います。
○坂東委員長 中垣君、この際何か……。
○中垣委員 内務省解体後におきまして関係が深い問題につきまして、私は数個の点を消防行政というような点からお尋ねをしてみたいと思うのであります。まず第一点といたしまして、日本の火災が終戦以来特に数多く頻発しておる事実を、当局は御認識になつておられるかどうかということであります。もし御認識になつておられるということであれば、これが対策をいかなる方にお立てになつておるかをお伺いいたしたいのであります。私が調べたところによりますと、昭和二十二年の一月一日から十二月三十一日までの一箇年間におきまして、火災の件数は実に一萬四千四百六十件の多きに達し、これが焼失坪数は百七萬八百余坪、これが損害金は三十三億三千五百萬圓に達しておるのであります。さらに本昭和二十二年度に入りまして以来、火災は一層増加の傾向にありまして、飯田市、幾春別等の大火災を初めとし、火災件数は一月が千三百四十九件、二月が千八百五十四件、三月が二千八十八件、四月が三千百四十四件と増加しておるのであります。火災戸数におきましては一萬六千二百戸を超え、建物の坪数は百二十一萬四千九百余坪、この損害実に四十六億四千七百余萬圓に達しておるのであります。わが日本のような資源の之しい国におきまして、かような大火災こそまことに日本の再建を阻む重大なる障害であると存じます。これら貴重な資材を損耗することは、まさに日本を亡国に導くものと言つても過言ではありますまいと存じます。ところがただいま御説明によりますと、内務省解体後に公安庁をつくる。その公安庁の中に警察、消防というようなものを置くのであるが、警保局の中の警察部と消防部は部として置くというような御説明であつたかのように聞えたのであります。私はかような国の重大なる問題を行政措置として扱う上には、消防部のごときは一局として設けられ、その十分なる機能を発揮せられ、国民負担を軽くしていただきたいと思うのであります。このことにつきまして政府は、一体いかなる対策を講じておられるか、まずこの点をお伺い申し上げたいのであります。
○長野説明員 ただいまの御質問に対しまして私よりお答えをいたします。ただいまのお話の通り、わが国の火災の状況は終戦後急激に増加してまいつたのでありまするが、これの原因はいろいろあると考えられるのであります。その一つは、終戦後のあらゆる方面における国民の弛緩状態、もう一つの大きなものといたしましては、たくさんの家屋が戦災にかかりまして、住宅難の関係から一つの小さな家にたくさんの世帯がはいつて、また資材も足りませんような状況から、あるいはかまどの施設、あるいは煙突の施設、幾多の施設を十分に火災予防の点から構築をしてまいるということが、現在困難な状況にあるというような問題もありまするし、また大火がさかんに起つておるというところの原因の一つには、火災の発生件数のほかに、一旦起りました火災が空襲中消防ポンプ、消防資材というようなものをたくさん焼いておりまするし、またその修理が資材の関係から困難であるというような状況もあり、さらに水道の施設、その他の水利の関係が十分思わしくいつておらないというような幾多の原因が相重なつておるのでありますが、政府といたしましては、この終戦後の火災の非常な大きい状況に鑑みまして、去る一月十五日に警保局の中に、初めて消防課という一課を設けたのであります。またその前に警察制度審議會というものを設けまして、その警察制度審議會の答申に基いて、いくたの施策を講じつつあるわけでありますが、答申の線に沿いまして、一つには消防というものがわが国の現状においては警察の中にある。警察の中にあつて、大体警察が主体になつて消防とういものが、今までなかなか発達しなかつたというような関係もあるので、一つ警察と消防とを一応分離して進もうじやないかというような答申がありまするので、この線に従つて関係方面とも連絡をつけつつ、現在構成その他の関係についての研究をいたしておるわけであります。とりあえずの問題といたしましては終戦以来、御承知のように、わが国の現在の消防の体制と申しまするものは、十三府県、三十六都市に官設消防があり、その他の府県その他の町村は、ことごとく従来昭和十六年に改正になりました警防団これによつてわが国の消防体制というものはできておつたのでありまするが、この警防団が終戦後一般の国民の虚脱状態と同様に、警防団にもそういう空気が中には見えまして、殊に終戦後たくさんの団体が次々と解散をされるというような状況も反映をいたし、団員の中にはそういう心配をいたす者もありまして、十分な活動ができないというような気分も見えましたので、これもまた警察制度審議會の線に従いまして、去る五月一日にこれを全面的に改正をいたしまして、消防団令の公布をみ、現在民主的に組織され、しかも強力な運用をはかつていくような消防団が、おそらく今年の十月三十一日までに全国市町村につくられる予定をもちまして、現在各市町村におきましては、この消防団の設置にかかつているような状況であります。もつとも現在の火災の関係もありますので、警防団は消防団ができてから初めて解消される。こういうような仕組にいたしているわけであります。また火災の防止のためには、発生した火災を消すというよりも、火災の予防という問題が、火を出さないということが第一の問題であるということに着目をいたしまして、昨年の十月、十二月また本年にはいりましても、次ぎ次ぎとたびたび火災予防運動を全国的に起し、今後もこれを続けてまいつて、もつて国民の防火思想の普及向上に資したいと思つている次第であります。またこの火災の防止という問題につきましては、これを小学校の教科書その他の教材に取り入れまして、そして幼い時分から火の取扱いの注意をするということが、非常に大事なことであるというふうな思想を植え込むということが、非常に必要であるということを考えまして、先般来この資料をつくつて所轄省の方へ交渉をいたしているような状況であります。 次ぎに、火災の問題につきましての恒久的な問題といたしまして、消防の構成制度を改め、そして消防の施設を充実し、また消防に火災の予防という問題について十分な権限を附与するというような点について、目下恒久的な問題として研究をいたしているのでありまするが、これにつきましては現在関係方面とも十分協議をいたしておるのでありまして、近い将来におきまして成案を得ましたならば、国會の方へも議案をして提出いたしたい、こういうふうに存じている次第であります。そのとりあえずの方法といたしまして、現在のところ、気象状況の非常に温度が低いとか、あるいは風速が激しいときというふうな場合において、指導の意味において測候所の情報を得次第、各府県を通じ、各府県々々において、あるいは火災警報、あるいは特別火災警報という警報を出させまして、その警報が出た場合には警察署、警防団、あるいは消防署、この各消防に関係ある機関が各家庭にいたるまで火災の警戒をやらせる。またひどいときには火の元の検査をやつて歩くというような点を、現在指導いたしているような状況であります。また根本的な問題といたしまして、火災の幾多の原因、また火災を予防するところの建築の構造、あるいは都市計画の問題、あるいは火災と損害保険、その他の問題、あるいは消火器具機械の問題、あるいは火災の予防の戦術の問題、こういう問題について従来わが国におきまして、十分なる研究機関というものはなかつたのでありまするが、近く火災に関する特別なる研究所を中央に許けまして、そしてこれを根本的に科学的に研究をいたし、消防の問題を解決するように努力していきたい、こういうような気持で、近く関係方面と連絡をとつてこの官制ができることを期待いたしているような状況であります。 なお先ほどの内務省解体に伴いまして公安庁が設置される場合におきまして、その一つの組織の中に、消防の事務を担当いたすところのもんが消防部となりまするように御説明があつたのでありまするが、現在の消防課が、あるいは数を殖やし、そしてお話のような将来の消防局にいたる一つの段階といたしまして、警保局の警察の体制から分離した独立の、現在の機構よりも強化した消防部になるものと、こういうふうに考えておるような状況であります。以上をもつて終ります。
○中垣委員 御答弁の次第もありますが、政府はもつと徹底的な消防の施設を擴大整備する、かような御意向はどういうふうにお考えになつておられるかを聴きたいのであります。私の調べたところによりますと、本昭和二十二年一月から四月までの四箇月間におきまして、新築された家というものは十三萬四千戸、この坪数二百四十二萬八千坪に対しまして、他方火災によりまして焼失せるものは、戸数において一萬八千百四十六戸、坪数において百四十萬九千六百五十六坪、すなわち新築家屋に対しまして焼失家屋は、戸数において一割三分強、坪数においては五割八分強の巨額に達しておるのであります。一方に乏しい貴重なる資材をもつて苦心惨憺、家屋を新築いたしましても、他方においてはその六割近くの家屋を家具、什器、器械等とともに焼いておる現状であります。率直に申し上げますが、これはまつたく従来の政府の火災消防に対する熱意と準備とが十分でなく、それが特に驚くべきこの結果を招きつつあると私は考えておるのであります。あえて申し上げるのでありますが、政府の消防対策は、十分な御計画がないのではないか。まつたくこの火災というものを、地震と同じように天災視されておるのではないかと考えるのであります。そこで私は大体常識的に次の四つの点が考えられると思います。その前に政府が現在におきまして、消防対策としてとられつつあるところの、将来の大方針というものの概略をお示し願えれば結構であります。私は第一に都市計画上の防火対策、第二は建築上の防火対策、第三は消防法、火災予防法等の防火法規の制定ないし改正、第四は消防組織並びに消防施設の整備、充実、強化、この四つの点では、ただいま御説明になりました政府の委員の方と感を同じくしておるのであります。以下私は順次そのことについてお尋ねを申してみたいと思うのであります。 すなわち政府は第一に都市計画上の防火対策につきまして、もつと具体的に御答弁を願いたいのであります。いかなる対策を講ぜんとしておられるか、またお考えになつておるかということであります。もちろんこれらの問題は長期にわたると思いますので、長期にわたるだけに、確固たる一定の方針を確立しておらなければならぬ。政府の方針ははたしてどうであるかということをお伺いしたいと存じます。 第二に建築上の防火策について、お伺い申し上げたいのでありますが、建築上の防火対策といたしましては、建築法規、電気法規等が制定ないし改善せられ、火災の発生と拡大を未然に防止するということでなければならないと思います。このことについて政府は現在いかなることを考えておられるか、また将来はいかなる方針をもつてこれに臨まれんとするものであるか。従来政府はこの点については、割合に無関心ではなかつたかと思います。たとえば現在の日本にコンクリートづくりや、石づくり、煉瓦づくり等を望むことは無理であります。木造はやむを得ぬとするのでありますが、しかし家の屋根をトタン葺とか、あるいは瓦葺等にするくらいのことは、法で強制してもよろしくはないかと思います。飛火の危険を防ぎ、火災の延焼拡大を食い止める見地からしましても、このくらいのことは、法制的措置を講ずることは当然と思います。また最近火災の一大原因をなしておりますところの、先ほど御説明にありましたように、電気、電熱器等にいたしましても、この大部分は不完全な接続子、被覆の摩損した電線、不適切なヒユーズの使用、コタツ等の電熱器具と可燃性のものを接着させておるということが、原因をなしておると思うのであります。これらの問題につきましても、配線及び電気器具は定期的に検査をなさしめ、その損破したり不完全になつている接続子や、電線等は、これを取替えさせる。また適切なるヒユーズをつけさせるというくらいのことは、電気法規の改正によりまして、担当当事者にこれを責任をもたせる。かようなことにしたらどうかと思うのであります。政府の御所見をお伺いいたしたいと思うのであります。 第三にお尋ねいたしたいのは、消火に必要な水道設備ができておるかどうか、先ほどの御説明では不十分だつたと思います。できておらぬとすれば、いかなる対策を講ずるお考えをもつておられるかということについてであります。御承知のように日本の水道は、家庭用の水量のみを標準として計画せられておるようでありますが、防火に最も必要なものは水であるということは申すまでもありません。何ゆえに防火用水量を考慮に入れて計画しないのであるか特にこのごろのように水道の水量不足、水圧不足では、いかなる消防官をもつてしましても、消防し得るものではないと思われるのであります。国民は政府当局の施策がよろしきを得ざれば、これがために非常に大きな損害をこうむつておる。毎月数億圓、四月のごときは一箇月の火災の損害が三十数億圓にも上つておるのであります。これらのものを負担させられておる。もし水道の拡張と整備が困難なら、戦時中にあつた貯水池をつくる。あるいは井戸を掘鑿する。こういうことがいくらでも方法があるのであります。すべて熱意をもつて計画をするならば、どんなこともやれる。こういうふうに考えられるのでありますが、政府の御意見はどういうふうにお考えになつておるかということをお尋ねしたいのであります。 次にお尋ね申し上げたいのは、消防法なり、火災予防法なりを制定、または現存消防関係法規を改正するお考えはないかどうかということであります。その御意向があるとすればどういうものを制定し、またどういうふうに改正するお考えであるか、その点を承りたいのであります。私は法規のことをよく存じないのでありますが、英米等の先進国には、必ずよい立派な手本があることと思います。でありますから政府においても急速にこれを調査し、日本の実情に適応するようなものをつくる。そういうふうにしていただきたい。ただここで一応申し上げておきたいことは、ただいま私は調査と申し上げたのでありますが、従来のように調査々々で遷延されるようなことがないように、御注意をお願いしたいのであります。政府で調査されている間も、火災は遠慮會釈なく起きておりますので、国民は回復すべからざる損害と痛手を負つております。従いまして短かい期間にこれを限定して、調査を急ぐとともに、速やかにこれの実行に移られんことを要望したいのであります。これに対しまして政府のお考えをお尋ねしたいのであります。 次の質問は政府の消防組織、消防施設の拡大、充実、強化について、いかなる決意と方針をもつておられるかということであります。先ほどの御答弁の中にも、消防部を公安廳の中において、将来消防局を設けることを前提としてというような御説明があつたのでありますが、このことについて私の考えを申し上げてみたいと思うのであります。現在の日本の消防組織が、先進国に比しまして非常なる遜色があり、またその消防施設がいかに貧弱極まるものであるかは、私がここに指摘するまでもありません。政府当局においてよく御存じのことと思います。たとえば火災の発見について申しましても、火災報知機が備つていない結果、屋根裏まで燃え抜けて、初めて望楼で火災を発見する。あるいはポンプ消火器が旧式のために、防火能力が不十分で、延焼拡大を防止することができない。いかにも近代科学の進歩に伴わない。遺憾千萬のことを申すのほかはないのであります。政府はすべからくこの上巨額なる損害を国民に与えざるよう、真剣なる熱意をもつてこれにあたられるべきであります。それがために予算が必要ならば、なぜこれを計上要求されないのであるか。米国ではあらゆる予算中、防火予算が一番議論のない、また絶対に削減せられない予算だと聞いているのであります。国民の福祉を念とする議會としましては、火災の損害防止の必要を痛感するだけに、まことにさもあろうと考えるのであります。私は日本でも防火予算を問題としたり、あるいはその若干を削るような没常識な国民は一人もないと確信するのであります。前に申し上げたように、日本の火災の損害が最近とみに増大してきている。本年の四月のごときは、一箇月に三十億圓を突破するような損害を与えているのであります。火災の出火率は、先ほども御説明のように、世界各国にくらべて日本は最も発火点の少い国でありながら、しかも最も損害の多い国になつている。こういうことを聞きますときに、一層かような考えを私はもつのであります。 次に日本の消防行政というものについてでありますが、どうも消防行政が不十分、不完全である。なかんずく消防施設や装備の低級、幼稚な子のいたすところであるとは思うのでありますが、日本は世界一に火災発生が少い国であり、同時にまた世界第一の火災損害の多い国であるということ等から、私は一つの方途が生れなければならないと思うのであります。日本の消防施設の措置が不完全であり、不十分なる結果、あるいは都市計画、建築構造、水道、設備等の不備等と相まつて、損害を出しているに違いないのであります。そこで日本の火災の特色に対して、政府はこの事実をどういうふうにお考えになつているか、お伺いしたいのであります。私は政府が積極的に消防行政の根本的革新をはかり、消防組織の改組刷新、消防施設装備の充実強化等になぜ乗り出さないのか、理解に苦しむのであります。どうか真剣にひとつやつていただきたい。 次にお伺いいたしたいのは、消防機構に対する政府の方針についてでありますが、先ほどの御説明ではなお不十分であつたと思います。公安庁の中にわずかに消防部を設ける、従来のことから考えますと、内務省の消防課が今度は部になつたということで、これで政府は足れりとでも思つておるかと思うのでありますが、実は私はどうも満足されるようなものでないと思うのであります。道聽途説でありますが、聞くところによりますと、官庁の縄張り争い等から現下の実情に副い難いような存在が因存するがごとき感を受けるのであります。政府はよろしく消防行政の重要性をよく認識せられまして、ぜひとも一局を設けられ、しかもこの実行に邁進せられるような御用意を願いたいのであります。また今日の時勢に権限争いをするような無定見な、料見の狭い人はないと思うのでありますが、萬一にもかかることがありましたならば、消防団令立令の趣旨にも反することでありますし、実に由々しき問題を生じはせんかとおそれるものであります。あえてこの点についてお尋ねしたいのであります。
○長野説明員 ただいま各方面にわたつて具体的な、非常に貴重な御意見を拝聴いたしたのでありますが、まずお話のように、消防の問題といたしましては、その基礎部面たる都市計画、あるいは建築の問題、あるいは建築の中の一つの例として御指摘になりました電気その他の施設の問題、さらに火災が発生した場合の水道その他の消防資材の問題、さらに消防法の問題、消防組織の問題、消防機構の問題について重ねての御質問があつたのでありますが、この基礎部面たる都市計画あるいは建築法の問題といたしましては、私どもの方では戦災復興院その他の関係当局と十分なる連絡をとつて、何らかの新しい法制というものをつくり出すような機運にもつていきつつあるのでありますが、これはわれわれの直接の主管の問題になつておりません関係上、私どもの方から十分な連絡をとりつつこういう方面の改正に際し、消防の方面からの要望を織りこんでもらう、こういうように努力いたしつつある次第であります。 次に火災の予防につきましての電気の定期的検査、その他につきましての御意見がありましたが、これまたその関係方面と連絡をとつているような状況であります。 なおこの問題につきまして私どもといたしまして、消防の法規について現在考えているところは相当あるのでございますが、なお制度そのもの、すなわち地方の消防の機構、すなわち官設消防をどういうふうにもつていくか。現在までは警察制度審議會の答申に従いまして、消防は都道府県または市町村という自治体に移していくという方針が一応あるのでありますが、この点について現在私ども関係方面と、まだ十分な了解を遂げられないような状況であります。この関係について了解がつきさえすれば、近い将来にこれを解決いたしまして、地方にわたるところの強固なる消防制度を確立していきたい、こういうように考えまして、それを法規の中に織りこんでいきたいと思つているような状況であります。 また火災の予防の問題につきまして、各消防関係者が、あるいは映画館、あるいは公衆のはいるところの旅館、飲食店、あるいは個人の邸宅まで、事前に一定の證票をもつていつて、そうしてその施設を検査し、その施設、構造、位置、管理の状況が火災の予防上危険である、あるいは萬一火災の発生した場合の人命救護その他について非常に危険であるという場合には、これに対してその改良を命ずるというような具体的な、実際的な規定を織りこんだ法規をつくつていきたい、こう考えているような次第であります。また消防の水利の問題につきましても、同じく関係の部局と連絡をとりつつ、なおかつその法制の中に必要な水利の基準を定めて、その基準を定めた水利を維持してまいるというような点まで、できれば織りこんでいきたいというように考えて、研究をいたしているのでありますが、なお制度そのものの問題といたしまして、関係方面との了解が十分ついているとは申し難いのでありまして、この点さらに折衝を遂げまして、その後において近い将来に法規として立案いたし、国會に提案をいたしたい、こういうふうに存じておる次第であります。
○中島(守)委員 私は内務当局に対しまして簡単に二、三点お伺いしたいことがあります。ただいま公安庁の問題が出ましたが、公安庁に対する警察問題であります、警察はこれまで国家警察、あるいは地方警察というふうに、理論的に相当わかれておるように私ども拝承しておるのであります。どの程度が国家警察になるか、どの程度のものがいわゆる地方警察になるか。あるいはまた司法警察はどうなるか、行政警察はどういうふうな方向にもつていくかという点に対して、簡単に内務当局のお考えを伺いたいと思うのであります。 その次には経費節減の問題であります。今度の経費節減は国政の上で重要な役割をもつておると思います。その中でも国土計画、あるいは戦災後における都市の復興計画、かような問題は国家百年の計をここで立てなければならないときであります。しかるに経費節減のこの事業に対して責任をもつ場合におきまして、そのものに国務大臣として、これらの責任をもつように計画されておるのか否やということを伺いたい、これが第二点であります。 もう一つお伺いしたいのは、前九十二議會におきまして地方自治法が可決せられた当時、かの特別市制の問題は、憲法第九十五條の解釈を、大体そのときの政府は市の区域のみに限つて、これを賛否の投票で決するということに決定されて発表されたものであります。私どもその委員の一人としては、さように考えて特別市制というものは制定したものであります。私どもは市を特別市にいたすだけのことであるから、その市の住民の賛否の投票によつて決することが当然である。しかし特別市は府県から離れるということは法令の結果でありまして、それまで研究をする必要はない。こう考えて、さように決定したものであります。しかるに新聞になりますと、閣議でこの問題を、府県の区域によるというような決定をしたということを発表されております。私どもから申せば、私ども自体が立法の立場からさように考えて決定したものを、閣議が簡単にこれを覆えすことは、甚だ国會を侮辱したものだといわなければならないと思う。この点に対して内閣はいかに考えておるか。内務省当局の御意思を伺いたい。
○坂東委員長 中島君、最後の点に関しましての質問は、国務大臣としての西屋長官に今来てもらうようにしております。ひとつ十分に究明したいと思います。ああいう政府の解釈はさりながら、国會みずからこれを解釈し、またこの委員會自身で解決する権利もありまするし、また争議が起つた場合には、当然最高裁判所が決定しますにもかかわらず、今突如としてああいう発表をすることは、適当でないと委員長においては考えております。従つて今西尾君が見えたら、その点を十分に明らかにしたい。御承知の通り現在この委員會は小委員會を設けて、満場一致をもつて特別市制施行の立案の準備中であるその場合に、突然ああいうことを発表されるということは、議會の発案権に対する牽制である、けしからぬと思つておりますから、その点は十分に究明したいと思います。なお内務当局の中で、今中島君の質問に対する御答弁があつてしかるべきと思います。
○久山政府委員 ただいまお尋ねの国家警察と地方警察、及び司法警察と行政警察というものを、どういうふうに観念し、またそれを今回の制度の改革において、どういうふうにこれを処置する考えであるかというような御質問と承知いたしたのでありますが、従来国家警察とか地方警察とかいう言葉が普通に使われておるのでありまして、たしか訴願法でしたかにも、地方警察に関する事項というようなことがあつたと思うのであります。しかしこれは地方で各府県の警察部なり警察署が現実にやつておりますことを地方警察と申しますか、あるいはその内容的に非常に国家全体的な、国家性の薄いというような意味合でこれを地方警察といつておりましたが、その点がはつきりいたしませんので、厳密な意味におきましては、今日まで日本には地方警察というものはなかつたのではないかと私どもは考えておるのでありまして、日本の警察は全部これは国家警察であつた、かように考えておるのであります。ただその国家警察を施行いたしまするのに、各地方に警察部があり、警察署があつて、それが施行しておつた。従つてその施行しておりまする警察事務の中で、比較的国家全般的な観点といいますか、色彩の薄いもの、地方的な特性の強いもののことを、おそらく地方警察というような言葉を使つておつたのではないかと思うのでありまして、厳密な意味におきましては、日本には今日まで地方警察というものはなかつたのであつて、全部これは国家警察であつた。かように考えておるのであります。これを地方の自治体に委譲する場合に、はじめてこれが地方警察というような格好になるのではないと思うのでありまして、地方の自治体が自分で法規をつくり、その法規を自分の自治体において施行するという場合の警察が、はじめて地方警察というふうに名実ともに言えるのではないかと考えるのであります。先般警察制度審議會の御答申を得まして、政府は本年の二月二十七日に総司令部に上申いたしました警察制度改革に関する日本政府の意向といたしましては、相当な警察力を維持する力のある、財政的にもその都市——主として大きな都市でありますが、それが自分自身でそういう警察をもつて、財政的にも、またその警察の能率の点からいたしましても、完全にこれを維持執行できるという見きわめのついたところに対しましては、原則として全部警察を委譲する。従つてここにはじめて国家から離れた完全なる地方警察というものが生まれるのではないかと思います。そういう方向にもつていこうというのでありまして、しからばいかなる時期に、どういう程度の範囲のものを地方に委譲するかということにつきましては、今なお研究を続けておるわけでありまして、よしんば完全に相当な都市に警察が委譲されましても、それ以外の小さな町村というものは、とうてい自分自身が完全な警察力を維持するという能力が、あらゆる面で足りないものがあるわけでありますので、地方に委譲するという原則をとりました場合におきましても、まずそういう重要なる都市等を中心にしたもの以外は、どこかでこれを維持しなければならないということで、そこにやはり一応委譲する建前をとりましても、日本全国津々浦々の各自治体がそれぞれ完全なる地方警察をもつて、ここに国家警察と申しますか、国家自身、中央政府自身が責任をもつて統括し、維持する警察が完全になくなるというふうなことは、私ども想像できないのでありまして、ある時期がまいりますと地方自治体の主として大きな都市でありますが、そういうところに警察が委譲されました場合におきましても、その残余の小さい町村等を一括いたしまして、あるいはそれを府県ごとにわけますか、あるいはそれを全部包括して、現在のままの国家警察というものが、また別個に存在しなければならぬというふうに私どもは考え、またそういうことでいろいろ関係方面とも話を続けておるのであります。また都市に警察が委譲いたされましたといたしましても、その間の連絡調整と申しますか、あるいは通信関係とか、あるいは犯罪全体に通ずる鑑識の問題とか、あるいは教養の問題、及び全体を通ずる一つの標準と申しまするか、共通の事項につきましては、どうしても国家がこれを握つておらなければならぬわけでありまして、そういうふうな考え方で大体話を進めておるのであります。それからいかなる程度に地方への委譲が行われるにいたしましても、国家全体を対象とした、また全体的の非常に大きな警備の問題なり、犯罪の問題等につきましては、どういう委譲が行われましても、やはり国家として一定の警察を維持しておくということは、どうしても必要であるというふうな考え方で進めておるわけであります。 司法警察と行政警察、これも厳格な意味での見解と申しますか、定義というものも別にはつきりしたものはないのでありますけれども、一応犯罪の捜査と犯人の逮捕というようなものを司法警察、そうしてそれ以外のもの、結局そういう犯罪の発生を予防するための警察、これをいはゆる行政警察というふうに普通わけておるのではないかと思うのであります。犯罪が発生して、その犯罪を捜査して犯人を逮捕しますのが、司法警察であり、結局そういう犯罪の発生を予防し、そうして全体の治安の維持をはかるとか、民衆の保護にあたるのが、いわゆる一般行政警察ということであろうと思うのであります。そういうふうに観念いたしますとわけられるのでありますけれども、主としてそういう考え方というのは、大体ヨーロツパ大陸の考え方であるのであります。英米等におきましては司法警察と行政警察という観念はないのでありまして、警察というものはすべてひつくるめて、そういう犯罪を予防し、治安を維持し、そうして犯人を捜査してこれを逮捕するというようなことが警察であるという観念であります。日本は従来ヨーロツパ大陸系の考え方に従いまして、司法警察と行政警察とに一応わけまして、犯罪を捜査して犯人を逮捕する警察官に対して、これを司法警察官というふうな名称で扱つておるのであります。それを分離いたすというふうなことは、もうずいぶん長い間の問題でありまして、どういうふうにその分離をするか、やはり検事が犯罪の捜査をいたします場合に、自分が直接に身分をもち、指揮命令のできる警察官でないと犯罪の捜査が完全にいかない。あるいはそれが行政警察と一体になつておるために、いろいろ行政警察面からの弊害が起つて来る、及びいろいろ身分上の異動等も司法警察という観点からのみ見た異動も行われない。従つて本当に専門的に司法警察のみに従事するということもできなくておるというような、いろいろな理由から、現在の警察から司法警察を分離いたしまして、検事の直接の指揮のものに一定の司法警察官を置くということが、司法警察と行政警察の分離という問題であろうと思うのでありますけれども、これももうしばしば議論が尽され、研究もずいぶん長くいたされて、大体の結論は出ておるのでありますけれども、結局現在のような状況におきまして、司法警察官と行政警察官というものを二つにわけ、そうして一方は犯罪が発生した場合にこれを逮捕し、捜査するだけである。一方は犯罪を予防するための一般的な行政警察のみをやるというふうにすることが、果していろいろいわれまする欠点を補つて犯罪の捜査が完全にできるかどうか、かえつてそういうことのためにいろいろの欠陥、弊害の方が多いのではないかということで、これはもう多年の研究の結果、大体現状を維持して、そうして検察官の補佐と申しまするか、要するに検察事務を補佐するある種の人員を検察庁の方に増加するというようなことで、警察としては依然としてその両警察を一人の警察官が握つて、交番に立ち、町の警羅をやり、不審尋問をやるというところに犯罪の予防もでき、治安の維持もできるというようなことで、現に犯罪の相当の部分は、一般にこの予防に従事しております行政警察官の働きの中から実は検挙し、逮捕されておることが多いのでありまして、そういうふうなことから、大体観念としては分離ができるのでありますけれども、現実の処置といたしましては、大体現状でいくことが犯罪捜査という面からいつてもいいというふうな結論が常に出ておるように私ども考えておるのであります。ところがこのたび警察制度を改革いたしまして、地方自治体にこれを委譲する。これを極端に考えますと、そこでいわゆる国家警察と申しまするか、中央政府が握つておりまする国家警察というものがことごとくなくなりまして、地方自治体に完全に委譲されるという状態をもし想像いたしますならば、もう残るべき中央政府において統制をする警察の重点は、犯罪の捜査ということが中心になるということになりますれば、いわゆる司法警察のみを国家が握つておればいいのではないか。行政警察に属する部分は、ことごとくこれを地方の自治体に委譲するというふうなところから、司法省と申しますか、検察庁の方に警察というものをもつていつたらどうかというふうに、案が出てくるのではないかと思うのでありますけれども、地方に警察を委譲するということが、そもそも私ども現在の考えでは、相当な大都市にのみこれが考えられるのでありまして、少くともここ当分の間は、国家警察を一切なくいたしまして、完全にこれを地方自治体に委譲するということは、ちよつと私どもは治安維持という観点から想像ができないように考えておるのでありまして、やはり大都市に警察が委譲されましても、それ以外の部分を統轄する警察、さらにその都市に委譲されました警察の上においかぶさる重大な治安維持に対する警察、及びこれらの連絡調整なり、ただいま申しました教養なり通信なり、いろいろの点における国家が握つておるべき警察部門というものが、相当多く残るわけでありまするので、そういう行政警察と申しますか、犯罪の予防のための一般警察というものをひつくるめて、それを司法省と申しますか、検察の方で握るということは、かえつて検察という一本の建前のところに、一切の司法行政警察をひつくるめた強大なる力を握るというような点からも、民主主義の原則から申しましても、どうであろうか、さらにそれだけの大きな国家警察の部門が残るといたしますれば、現在のごとくこれを別個のところで所管するという方が、いろいろの観点からかえつて弊害が少くて、効果をあげることができるのではないかというふうな状態に、現在のこの警察の改革の仕方なり、改革の方向がいつているのでありまして、その司法警察と行政警察の分離なり、これをひつくるめて公安庁でなくて、また別のところへもつていくという問題につきましては、現在まだ委員會が設置されたばかりでありまして、内閣におきましてもまだ一向にその点の審議は進んでおらぬようでありまして、私どもといたしましては、ただいま大体申し上げましたようなふうにこの問題を考え、将来の改革の方向といたしましても、大体そういうふうにもつていくことが、現在及び近い将来における日本の警察のあり方としては、治安維持の観点からは最も適切な方法ではないかというように考えておるのであります。
○荻田説明員 中島委員の御質問になりました第二点について御答弁申し上げます。検察院の性格からいたしまして、これの長たる者は国務大臣の方がよいという御意見でありますが、これは政府も同様の考えをもつておりまして、今度提案いたされます法案の中には、検察院の長は国務大臣をもつて充てることができる、こういうような趣旨の規定がはいる予定になつております。
○坂東委員 なお先ほど中垣君の御意見の中に、今度できる公安庁の中の消防部を消防局にしたらどうかという御意見がありましたが、これにつきまして政府の意見並びにその筋の方面の御意見等を参考のために伺つておきたいと思います。
○久山政府委員 公安庁をつくります場合に、ただいまいろいろ御発言がありましたように、現在におきまする消防の改革と申しますか、充実と申しますか、そういう観点からどうしてもこの際警保局の中にはいつておりましたのでは、率直に申しまして、常に消防というものが、やはり警察の下積みになると申しますか、一般警察の方にどうしても重点がはいるのでありまして、この際どうしても消防というものを別個に警保局から離し、警察から離して、これを別個の局なり部なりにいたしまして、この際画期的に消防の拡充を図りたいということは、私どもも前々から考えておつたのでありまして、すでに一月にそのためにまず消防課をつくりまして、及ばずながら今日までいろいろの研究を続けてまいつたのでありますけれども、このたび内務省が解体いたしまして新しく公安庁がてきるという機會に一通りこれを警察から離しまして、また別個の組織にいたしたい、この点につきましてはG・H・Qにおきましてしももちろん非常に賛成でありまして、消防のことは、こういう資源の貧弱な、殊に新しい建築などが一層困難な時期に、火災を一件でも少くするということは、日本の再建をそれだけ早めるわけでありまするので、G・H・Qの方におきましても非常に熱心に、消防のことは援助指導してくれまするし、もとより向う側はこれが大きく新設せられましてできるだけ早く消防のことが解決されることを希望しておるのでありまして、その点におきましては完全に意見の一致をみまして、ぜひ消防を独立させたいということで、いろいろ政府部内で話を進めたのであります。私どもはもちろん消防局ということで、いろいろ話をしておつたのでありますけれども、いろいろ予算の関係などもありまするし、その他いろいろな関係がありまして、まず一応部ということで出発しようじやないかということに落ちついたのであります。別に部と局とどう違うのかという厳格な差別もないのでありますけれども、現在の警保局——公安庁で申しますと、警保局と調査局がこれを構成いたすのでありますけれども、その両局に比較いましますと、何といたしましても新しくつくろうといたしまする消防の部門は、やや内容がやはり小さいのでありまして、その両局を抱えた公安庁における新しい消防部門といたしましては、まず部——局よりは仕事の範囲が少し狭いと申しますか、そういう意味で、まず部ということでひとつ出発をしようではないか。もちろんこれが部であるから、それだけ消防の充実に対する力が足りないというふうなことは、私どももないと思うのでありまして、たまたま予算なり、新しい役所をつくるというふうな観点からのいろいろの制約がやはりありまして、しかしそれが部であつたからどうということもなかろう、まずここで新しく一つ消防という独立の部門が政府にできるということが、将来これを力強く推し進める上に非常に有効であるというふうなことで、まあ局が部という名前に変つたという程度に私どもは理解いたしまして、これでひとつできるだけやつてみようというふうなわけで、消防部ができるということに大体話ができた、こういうような打明けた話であります。
○坂東委員長 ちよつと皆さんにお諮りいたしますが、この消防部を局にしたらということは、私委員長自身も関心をもちまして、過日内務省の企画課長加藤君とも一緒にまいりまして、その筋の有力な方と相談いたしまして、約一時間話しました結果、向うの方でもよかろう、これはこういう場合であるし、月に三十億、五十億の焼失があるから、局を大きくすることはよいだろうというような結論に達しておるのでありますから、いかがですか、この委員會は局にすることを要望してよいのではないですか、お諮りいたします。
○中垣委員 私は先ほどいろいろ御質問申し上げました中にも申し上げたのでありますが、せつかくいろいろ機構を変えるときでありますから、このときに政府は、行政の刷新、措置の改革上、何としても局として、十分なる機能や、十分なる力が発揮できるような形におきたい、かように考えておるのであります。そんなふうにお願いいたします。
○坂東委員長 いかがでしよう。局にするがいいということに皆さん御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それでは満場一致、消防部でなしに、消防局とされんことを要望いたします。
○門司委員 内務省の解体についての問題でありますが、この問題について、先ほどの説明によりますと、北海道の開拓は各省に分割するというようなお話でございましたが、日本の現状の北海道はきわめて重要な地位になりつつあることは御承知の通りでありますし、これの開発は、大体北海道全体の総面積が非常に広い、いわゆる九萬平方キロメーター以上といわれますが、そういう大きな土地で、その開発はまだ半ばまでも達していないのが現状であります。従つてこの開発は日本の現状から申しますれば、あるいは将来ともにきわめて重要なる役割を演じておりまするときに、これを現状のままで各省に一切の事務を分割いたしますならば、この開発はきわめて困難を来すということを言い得ると思います。これがただ、内務省解体について、その所属をどこにするかということが明確に考え出せないので、とりあえずこれをわけるというようないき方であるのか、それともまた別個に何か他にお考えがあつて、中央にそうした強力な開発機関を設ける、いわゆる総合的ないろいろな開発の機関を設けるというお考えがありますのか、どういうお考えになつておりますか、この点をもう少し詳しく御説明願いたいと思います。それから、先ほど申し上げましたのが大体理論でありますが、北海道におきましては、地方の自治の関係におきましても、やはり内地とかなり異なつております。その場合に、各省がそのおのおのの分野において勝手に事業を営みまするならば、北海道の開発は事務的に非常に困難を来し、従つて実質的には行い難い状況に立ち至るということは、現在の日本として相当考えなければならぬことではないかと思つておりますので、内務省の解体に伴う最後の処置をどういうふうに具体的になさるお考えであるか、一応伺いたいと思います。
○林(敬)政府委員 北海道の問題につきまして、北海道の土地柄がまことに特殊な土地柄であるし、かつ従来においてもしかり、また今後においてもこれが日本の国にとつて非常に重要な役割をするというお話は、政府といたしましてもまつたく同感でございます。そこで、内務省解体に伴いまして、たまたまちようどあれと前後してこの問題が起つたわけでありますが、過般の委員會でいろいろ御説明申し上げましたような事情によりまして、結局の結論といたしましては、予算は各省に分割する、仕事の責任もそれぞれの事業の性質に従つて各省に分割する、しかしながらお話のような特殊性があり、重要性があり、国としてもここに特に力を入れよう、しかもその力は各省ばらばらに、各省それぞれの仕事だけからの分野からみたところでは十分なる効力を発揮し得ないので、全部の総合性をもつた、調和をもつた、一貫した開発計画にならねばならぬ、そういう見地に立ちまして、中央においては特に委員會を設けまして、関係各省の次官、それから得に北海道知事及び北海道會議長がこれに加わつてすべての開発計画をそこにかけて審議をする。そこを必ず通して、計画に関する予算も、いろいろな計画立案も各省で組む、こういう方策をとることにいたしまして決定をいたした次第であります。従いましてこの委員會の運営につきましては、いろいろ細かい取極めをいたしまして、今後各省がばらばらになつて、結局において総合的に見ると北海道の開発が遅れる、あるいはマイナスになるということのないように、いろいろ細かい取極めもいたしておりまして、たとえば、各省で予算を組む、あるいは計画を立てるというときは、必ず事前に北海道知事の意見を徴し、あるいは北海道知事のつくつた立案計画というものを基準にする。そういうようなことにいたしまして、かつ大きくはこの中央の委員會の方針に則つてやる。かようなことにいたしまして、各省それぞれの見地からの、またそれぞれの省のほかの事業との関連性をもつたそれぞれ独特の工夫をこらしめるとともに、中央全体といたしましては、調和のある、その点の立派な計画を立てて、一貫性をもたせていくように今後やつてまいりたいと存じます。それから現地においてもまた、これと類似の委員會を北海道知事を中心としてつくつて、現地の各機関との間の実施上の調和をとることにいたしております。なお各省がそれぞれ北海道の土地に出先機関を設けて、調和を害するような行動ということの苟くもないように、今後の出先機関の設置というものについては、政府といたしましても十分これは気をつけて、かつまた法律をもつて、やむをえないもの以外はつくらせないという方向に当然相なるわけでありますし、また今できておりますものでも目下再検討を加えておるような次第であります。そういうような方法で今後はやつてまいりたい。かように考えております。
○門司委員 さらにお聴きいたしておきたいのでありますが、その場合のその委員會を所轄すべき所属でありますが、これは内閣に直接所属すべきものでありますか。
○林(敬)政府委員 その通りでございます。内閣直轄でございます。
○坂東委員長 この点でちよつと申し上げますが、この北海道開発に関する今の点は本委員會の調査事項になつておりますし、一回討議しました。その時分の意見は、北海道の開発は国策的であるから、衆議院、参議院ともに幾名かの代表者を出し、また学識経験者も加えて、政府の役人と、衆参両院代表者並びに学識経験者、それに北海道長官、北海道會議長、それで約三十名くらいの委員會をつくつたらどうかということの結論に達せんとしておつた場合であります。従つてこれに対して政府の御意見を伺います。
○林(敬)政府委員 ちつとその前に今の申し上げたことについて補足いたしますが、委員會は内閣の所属でありますが、これに関する庶務はたしか安本でやるという方針と相なつております。それから今坂東委員長からお話の衆参両院議員を加えました大きな北海道開発に関する委員會と申しますか、協議會と申しますか、そういうものを設置する御要望は十分われわれは承つておるわけであります。政府といたしましては一応今研究中で、今結論を申し上げる時期に至つておりません。
○坂東委員長 川橋君何か御意見ありませんか。
○川橋委員 よろしうございます。官房長官はどうですか。
○坂東委員長 ちよつと御報告いたしますが、実は特別市制問題に関しまして、あまりにも内閣が突然とああいう声明をしましたので、その心事を知るために国務大臣の西尾末廣氏並びに内務大臣の木村小左衞門氏を呼んでありますが、まだ来ません。来ないということは、はたしてほんとうに用事があつて来られないのか、あるいは責任を回避するのかわかりませんがこれはいかがいたしますか。
○中島(守)委員 何時に大臣は出席するといわれたのですか。
○坂東委員長 午前中ということに固く申込んであります。
○中島(守)委員 もう午前は過ぎました。
○坂東委員長 さつき西尾君が歩いているのを見ましたが、もう委員會もそう長く……。
○中島(守)委員 内務大臣も出られないのですか。
○坂東委員長 内務大臣もいかなる理由かまだ見えません。なお聞くところによりますと、その閣議の席には当該大臣の内務大臣も出席していなかつたということを聞いております。こうなりますと、当該内務大臣がおらないところで、しかも今議會で発案進行中の特別市制に対しまして、けちをつけるような早計な発表をすることは、はなはだけしからぬことと思います。もちろんわれわれ衆議院常任委員會は、政府のいかなる声明に対しましても痛痒を感じませんけれども、あまりにも不謹慎な、しかもその上に、申入れてあつても来ないということは、はなはだけしからぬと思います。
○川橋委員 この問題は先ほど中島委員から申されましたように、まつたく国會の新紀元を建設するものであります。昨日ああいうことを発表されましてから、関係府県において非常にこの問題が重視されて、やかましく相なつております。それで一時間も早く、この問題について政府の所信をはつきり聴きたいと思います。本日は午後にわたりましても、ぜひとも長官並びに内務大臣の出席を求めて、この問題についての所信を明瞭にしたいと思います。それでもう一応両大臣に委員會から御交渉願つて、午後何時に出ることができるか、こういうことをはつきりしたらいかがかと思います。
○坂東委員長 それまで休憩しますか、いかがですか。
○中島(守)委員 それまで休憩願いたいが、ちよつとお伺いしたいことがある。ただいま内務省の解体に伴つて、公安庁ができるということでありますが、公安庁はまず警察、消防、これは責任を持たなければならない。現在の国情においては重大な職責であると思うのであります。これに対して庁としてはどういう組織になるのか。国務大臣のごときものがこれの責任をもつのか、あるいはそうでなく、ただいまの警察局長のような立場て責任をもたれるのか。その点をただいま起案中でありましようが、お伺いできればしあわせだと思う次第であります。
○久山政府委員 現在までのところでは、総理大臣の、つまり総理庁の外局として公安庁が置かれまして、それを所管する長官は大臣ではないということに大体なつております。
○坂東委員長 それでは休憩いたしまして、一時半から再開いたします。 午後零時二十五分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○坂東委員長 引続いて治安及び地方制度常任委員會を開會いたします。
○中島(守)委員 私は内務大臣にお尋ね申し上げたいと思います。九十二議會のおきまして地方自治法が成立いたしましたのであります。その際特別市制に関しまして、大体市を特別市に変更するわけであるから、市の住民の投票によつて意思表示をすればいい。憲法第九十五條の規定は、市の住民においてこれを行うべしというような、大体において私どもそういう意味に解して決定いたしたわけであります。このことは、内務省も政府も、大体において御了解になつておると私は承知いたしております。殊に関係筋においてもこれを承認しておる次第であります。そういう次第であるにかかわらず、最近新聞紙の報道するところによりますと、その意思に反する決定を閣議においていたしたということであります。どういうわけでそういう決定を閣議においてしたのか、私は立法府の一員として将来のためにまことに杞憂にたえないのであります。この点に対して内務大臣よりお答えを得たいと考える次第であります。
○木村国務大臣 お答えいたします。憲法の第九十五條の解釈につきましては、先般来知事會議の席上でもいろいろ質問がありまして、その際にははつきりとした政府としての解釈ができておりませんで、芦田外務大臣から答えたと思いますが、あるいは齋藤国務大臣からであつたか、どちらかでありましたが、まだ政府のはつきりした解釈ができておらぬというような意味のことをお答えしておいたと思います。現政府といたしましても、これは非常に重要な問題でありますので、この條項の解釈について早く何とか決定をしておかなければならぬ。また所管大臣といたしまして、私もそのことを希望いたしまして、早く政府として何とかはつきりした解釈を決めておく必要があるという希望は申し述べておいたのでありますが、一昨日の土曜日の臨時閣議に、ちようど私は所労のために不参いたしまして出席しておらなかつたのであります。前もつてこういう案を付議するというような通知も通告もありませんので、あとでこの解釈がはつきりしたということを地方局長から電話の報告で聴いたわけでありまして、なお翌日の、昨日の新聞でよくわかりましたが、どういうわけで急に閣議でそういう解釈に決定せられたことであるか、私としてもきようは官房長官に成行きを聴取しておく必要かありますので、午前中から面會を求めておりましたが、お互いに行き違いになりまして、私はまた先ほどまで党の方の重大な総務會に出ておりまして、今ようやく食事をいたしましたようなことで、その成り行きを私としてはまだはつきりと正式には承つておりませんが、同僚の話を聞きますと、一昨日の閣議では別にこれを議案として提案したわけではなかつた、ただ特別市制問題について、たまたま九十五條の解釈をしておかなければならぬという御主張があつて、これは急ぐ必要があるのではないかというような話が出て、法制局長官から、いろいろこの解釈についてのこれまでの疑義のお話もあつて、そうして常識の判断でああいうような正式の判断を政府として決定した、あれは政府としての九十五條の解釈の決定である、こういうことを同僚から聴いたのでありますが、まだ正式には私は所管大臣としてこれを聴取しておりません。これはよけいなことを申し上げるようでありますけれども、これは政府としての見解でありまして、立法府は立法府の見解をおもちになつてよかろう、また立法府の見解がまちがつておるか、政府の見解が是であるか、こういうことは一つその場合個々にあたつて、実験のことにあたつた上において、これは行政上の手続をもつて最高裁判所ででも決定すればよかろうと思います。この解釈は相当むづかしい解釈であると思いますので、立法府で、前の九十二議會ですか、解釈せられたことが間違つておるとも私思いません。今度政府が一昨日決定したことも、これもどうもはなはだしく妥当でないとは思われぬようでございます。大体成行きはそういう成行きでございます。責任を回避するわけではございませんが、事実はその通りであるということをお答えいたしておきます。
○中島(守)委員 ただいま大臣の御説明によりまして経過はよく了承いたしました。私の心配いたします点は二つあります。一つは、かような立法の精神に反するような行動を内閣がすることは、はなはだ私は将来に杞憂をもつ点であります。なるほど見解を異にするというようなお話がありましたが、しかしこれは見解ではないのであります。前の九十二議會においては、時の政府もわれわれ議員も、さような意思をもつて決定したのであります。こういうわけですから、見解の相違ではない。今度の閣員の意思の違いかもしれません。しかしながら少くとも、立法府において決定いたしましたことは、閣議においてかれこれにかかわることは私は、立法府と行政府との間にいろいろな関係が生じ、将来のために圓満を欠くのではないかと思う。かような立法の精神に関する問題は、いかなる場合におきましても、立法府の意思をくんで政府はこれを実行する責任があると言わなければならぬと思うのであります。もう一点は、ただいま大臣からは、立法府は立法府の意思をどこまでも言つたらよろしいだろうというお話でありますが、これはもうお話くださらなくても、私どもは私どものとるべき行動をとることは当然であります。しかしさようなることは現在の政治においては、私はおもしろくないことだと思うのであります。なるべくお互いの自己の立場において、あるいは政府は政府の立場において、立法府は立法府の立場において、なるべく行政方面には私ども立法府としては立ち入ることは避けたい。また政府においても、立法府の意思に反するような意思を表示することは、私は非常に悪いことだと申してはばからないと思うのであります。こういう意味で、この点なおもう一応大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。
○木村国務大臣 中島さんのお説ごもつともでありまして、私も同感であります。立法府の意思に背いた見解をしたということは、立法府は立法府の事情があり、今お話のように、政府は政府の事情があるというようなお言葉もあつたようでありますが、私はその席上におりませんでよく聞いておりませんが、ただいまも申し上げますごとく、同僚からの報告を聞きますと、政府は政府としてかかる見解をいたさなければならないような事情があるかのように聞いております。そういう事情さえなければ、立法府の立法の見解を尊重するということは最も必要なることでありまして、私ども同感であります。ただこの点は官房長官に御質問くださいますとはつきりいたしますと思います。
○中島(守)委員 ただいま大臣のお話を伺いますと、そういう点もあるかもしれんと思います。しかしながら少くも、立法府としてこの地方自治法を扱う当時においては、それらの関係ははつきりいたしておつたのであります。ある関係筋の了解を得ないで、さように決定したのではないのであります。市の住民によつて投票するということに、はつきり了解がつきましていたしたわけであります。その後の変化については私どもよく了承しませんが、多少ただいま大臣のお話のようなうわさはあります。しかしながらこれは私は、前にこの法案を作成する当時からこれが通過する直前の間まで、よく了解しておりましたことでありますから、その後の変化に対しては、政府は十分この立法の精神を説いて、この法案をつくりました精神を徹底せしめることが私は当然だと思うのであります。ただいまお話を伺いましたことをとがめるわけではありませんが、私は言いかえれば、政府の怠慢ではないかと申し上げてはばからないのであります。さようなふうに私は考えておつた次第であります。これは御答弁を求める次第ではありませんが、私はさように考えておる。
○川橋委員 中島委員の質問に対する内務大臣の御答弁は一応了承いたします。しかしその御答弁の中に、最近開かれた地方長官會議で云々というお言葉がありましたが、地方長官會議において、特別市制に関係ある府県知事がこれに対して一昨日発表されましたような議論を吐いたことはよく聞いております。しかし今内務大臣のお話を聴きますと、なにかこの地方長官會議の議論に牽制されて言われたような気持がするのであります。そういう御見解は非常に間違つておるので、この特別市の運動は御承知の通り、三十箇年の歴史をもち、また最近の情勢におきましては、どうしてもこの大都市の経営は高等の技術並びに市政の運営を要するので、殊に二重監督、二重行政の撤廃はどうしても断行しなければ、今後の大都市の運営はできないというような理論にたちまして、一日も早くこの問題を解決しなければならないということは、内務大臣として十分御承知の問題と考えます。殊に実際に即しましては、かりに内閣が発表されるようなことになりますと、五大都市のうち、わずかに京都のみは特別市制の実施を実現することができますが、他の四大都市はおのおの現在の情勢下におきましては、都市の住民は郡部の住民よりも非常に少い状態で、こういう実情も、この現実もよく内務大臣としては御了承願いたい。要するにかくのごとき言明は、最高権威たる国會の審議権を無視する、あるいは牽制する、あるいは蹂躙すると言われても間違いないと思います。しかもただいまの段階におきましては、この委員會においてせつかくこの案を練りつつある状態にあつて、また内閣がかりにそういうことに対する見解をもつておられましても、それを発表されます時期にはまだ相当の時間があると思います。しかも今日われわれがせつかく審議検討中のこの最中に、そういうような重大問題を不用意に発表されましたことは非常に遺憾に考えます。殊に所管大臣たる内務大臣が、この問題に与からずして知らない間に、そういう重大声明が発表されましたことは、私非常に遺憾に考えます。これに対しまして内務大臣はどういうお考え、どういうお気持でありますか、率直に御答弁願いたいのであります。
○木村国務大臣 お答えいたします。せんだつての知事會議のときのこの質問に牽制せられて、こういう解釈をするようになつたように聞えるというようなお言葉でありましたが、それは断じてありません。先ほど私が申し上げましたのは、知事會議の席上でもこの九十五條の解釈について痛烈なる質問が出たということを申し上げた、そのときにははつきりした御答弁をいたさなかつたということを申し上げたまでであります。なおかかる重大な問題について、主管大臣のいないときにこういう発表があつたということについて、責任者である主管大臣はどう考えておるか、こういう御質問でありますが、これは私としても相当に考えておりますが、とにかく事情をよく聴取してみないと軽率に判断ができない。閣議の発案者である官房長官に一遍會いまして、よく事情を聴取してみた上でお答えをいたしたいと思います。
○川橋委員 なお先ほどの御答弁中に、そうしなければならなかつた事情があるとおつしいました。これもよく了承できます。しかしそういう事情がありましても、現実に即して、五大都市の要望に副うということが内務大臣としては必要でなかろうかと考えます。現に五大都市の当局におきましても、今申されましたような、そういう事情に対しましては、せいぜい打開に尽力いたしております。当局としてはむしろそういうような現実をよく聴かれまして、そしてそういうむずかしい問題の打開についても相当お考えを願いたい。こういうことを特に要望いたしておきます。
○木村国務大臣 特にそういう事情があつたとは申し上げません。あつたように同僚から聞いております。これもはつきりとは申し上げられないので、一応官房長官の説明を聴かぬというと、同僚からただいま食事中に聞いた話であります。そういうような支障があつても、これについて努力しなければならぬじやないか。こういう御質問でありますが、これはごもつともであります。極力内務当局としては努力を尽したつもりでおります。が、これ以上はどうも国際関係の上に御答弁ができませんから、この程度でこの特別市制の問題だけは御承知を願いたい。
○川橋委員 努力したつもりだというお話でありますが、まだ努力する余地があると思う。現に関係都市におきましても努力中です。それはこの上努力する余地がないといつたようなことでお逃げにならないで、やはりこういう問題は早く解決するという立場から、せいぜい努力を願いたいことをさらにお願い申し上げておきます。
○門司委員 政府の配慮でありますが、私はこの問題は非常に遺憾に考えております。政府は、もちろん九十二議會の当局の御答弁、それからさらに先ほど中島委員から申されましたような事情は、よく御存知のことだと思いますので、おそらく政府といたしましては、本議會に政府みずからの提案として出さなければならない一応の責任があつたとも考えられるのであります。それは九十二議會の地方自治法の制定されまするときの附帯決議として、次の議會に五大都市の特別市制の法律案を提出すること、ということが附帯決議によつて出されておりますので、当然今日の情勢におきましては、前の議會の総意を政府は尊重するの責任があるとわれわれは考えておるのであります。しかるにもかかわりませず、政府はこの法案について何らの意思表示がございませんので、当委員會といたしましては、これの実施に向いまして、これは長い間の懸案を解決すると同時に、前議會の総意を尊重する意味におきましても、当然今議會にこれが提出され、そして実現を見るべきであるという私どもの見解のもとに当委員會におきましては、特別市制に関する小委員會までも一応つくりまして、そうして鋭意その立案に努めておつたのでございまするが、その立案をいたしておりまする中途において、解釈の問題について——いわゆる法が決定づけた問題でありますならば別でありますが、解釈の問題について、政府がこの委員會と何らの関連なく、解釈を勝手に発表なさるということは、しかもそれがわれわれの考えておりますることと、まつたく反したものの考え方でありまするということになつてまいりまするならば、将来われわれが、たとえば議員の発案としてものを決することのために尽力をいたしますることが、こういうことによつて——おそらく今回はそういう意思はなかつたかと思いますが、将来においてそういう作為的に、あるいはこれが牽制を受けるというようなことがありますならば、これは国會といたしましてはきわめて重要な問題としてわれわれは考えなければならない。こう考えるのであります。従いまして国家の最高機関としての立法府の国會の委員會の意思なり、あるいはそれの状態を、内務大臣といたしましては十分御存じであつたかどうか。殊に私は政府として今回の地方自治の委員會が小委員會をつくつて、この問題に対して立案を急いでおるという事情を、十分御承知であつたかどうかということをお伺い申し上げたいと思います。
○木村国務大臣 この問題につきましては非常に重大な問題であることは申し上げるまでもないのであります。従つて利害の反するような地方の事情もございますので、とにかく地方自治制のもとにこれが明記してある限りは、九十二議會のお約束もありますし、御趣旨のごとく現政府としては、今議會になるべくこれを提案したいという意思をもつておりまして、その準備を急いでおりましたが、この委員會の御意思も大体あらかじめよく承知しておりましたつもりでおりますが、一昨日の閣議でははなはだ突如としたことでありまして、繰返して申し上げますが、もう少し私もこの事情を聴取した上でありませんと、その間の事情をはつきりお答えすることができませんので、この次までどうぞ留保させていただきたいということをお願いいたします。
○中島(守)委員 ただいま内務大臣より事情をまだ聴取していないということでありますから、この次の機會に内務大臣より詳しく御説明を願うことにいたしまして、この問題はこの程度にいたしておきたいと思います。 ここに一つ伺つておきたいことがあるのですが、それは内務省が解体になりました後の公安庁の問題であります。公安庁は内閣に附属してこれが設けられるということでありますが、しかし日本の現在のごとき国情から申せば、公安庁はまことに重大な責任がある事情でありますので、これが一つの属僚によつて全部支配されることになると、はなはだわれわれ国民としては杞憂にたえないのであります。やはりしつかりした責任者をこれに設ける必要があるのじやないか。でき得れば国務大臣のようなものが、これにやはり責任をもつことが当然ではないかと思うのであります。先ほど伺いましたところによると、公安庁としては別に国務大臣がこれを主管するようなことは今計画されておらないということでありますが、私どもはこういうことでなく、公安庁の職務の重大性に鑑みまして、相当の責任者を得ることが当然であると考えるものでありまするが、この点に対して内務大臣はどうお考えになつておりますか。簡単でよろしいからお答え願いたいと思います。
○木村国務大臣 今度解体いたしまして、公安庁に大臣の責任者を置くということが妥当ではないかと申されました。お言葉に追従して申し上げるようですが、私もそういうことになつた方が、私個人としてはよかろうと思います。思いますが、内閣に行政調査部というものを設けまして、行政調査部の行政調査の一班としてこの内務行政解体も行つたことであります。この行政調査部の決定に基きまして、これは立案いたしたのであります。それには所管大臣をおかぬということになりまして、閣議でそういうぐあいに決定いたしました。
○中島(守)委員 ただいま大臣よりの御説明でその点はわかりましたが、私は行政調査部で決定されたことが最善ではないと思います。私どもは私どもの理念によつて進んでいきたいと思います。そういう意思をここに表示いたしまして、政府のなお反省を求めたいと思います。これを特に念のために申し上げておきます。
○川橋委員 この際隠退蔵物資の問題につきまして、委員會としまして一箇の決議をしてみたいと考えております。大体この問題が提案されましてから、今日まで、すでに三週間ばかり相たちまして、この間本委員會におきましても相当研究あるいは論議が尽されました。なお一面国會におきまして特別委員會が設立されまして、本日から本格的の調査に移ることになつております。この委員會としましても、今後この問題につきましては、治安の立場からさらに研究を続けたいと考えておりますが、この際私が申し上げたいのは、この問題はたまたま世耕君に対する告訴もしくは告発等の派生的な問題が起りまして、ややもすれば本筋が朦朧となるような感がするのであります。私どもが率直に申し上げないのは、かりに世耕君の申しましたように、五百億圓に達する物資がなくとも、その半額だけでもあります場合におきましては、少くとも米の買上げに対しまして、約一千数百萬石に相当するような金額になると考えております。また金銀その他宝石類が、これまた世耕君の発表のようにどこかにありとするならば、今後貿易再開の場合におきましても相当役立つことは、最近の外電によつても明らかな問題であります。こういう意味で、そういつた派生的の問題をしばらく閑却して、むしろ本格的にこの隠退蔵物資の摘発並びに現在の保管物資の処理、これをやることが、わが国の再建のために資するところが大なりと確信いたします。そこで本委員會としましては、ここに一応これに対する決議をしたい、こう考えております。その決議文をただいま朗読いたしまして、委員會の賛同を求めたいと考えております。その前提としまして、 戦争中大部分の物資が軍に集められてゐたことは国民の常識である。従而終戦と共に政府は直ちに之れを精査し適正なる処置により戦敗により て生活苦に悩める民生の安定に資するのが当然であるのに歴代の政府及当局が事々に其措置を誤つた事は以ての外である。法の力と国民の活動によつて其精査が出来ぬわけはない。今哉斯る不始末が内外に伝り敗戦国民の恥の上塗りとなつたことは返す返すも遺憾である。此事は治安上にも重大関係があるためにわが治安及地方制度委員會は歴代政府及び当局の態度を慢怠なりとし現政府に対して左の如く決議し要望する。 動 議 政府の保管物資と隠退蔵物資との限界の不明確と之等物資の不当処置は極端なる物資の枯渇せる現日本再建の為一大障碍である。政府は須らく法の威力と国民の実力を活用し五週間以内に其種類と数量及所在地とを精査し之れ等一切物資の処分を一時停止し速かに整理の上欠乏に悩める国民に行き渡るよう適当の処置を講ずべきことを期待する。こういう工合に決議いたしまして政府のこれに対する善処を要求いたします。
○坂東委員長 ただいま川橋君の御提議に対しまして諸君は御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 しからば満場一致をもつて今の動議は可決せられました。西尾官房長官はまだ見えておりませんが、いかがいたしますか。
○川橋委員 この憲法九十五條の問題は非常に重大な問題で、関係五大都市におきましては、今この問題について輿論囂々たるものがあります。一日も早くこの問題を解決したいという考えをもつております。それで本委員會の定例日をはずしましても、西尾官房長官が出る時間がありましたならば、臨時にこの會を招集されまして、そうして政府の所信をはつきりしたいと考えております。さようお取計らい願います。
○門司委員 委員會は先ほど川橋さんのお話のようで結構でございますが、私どもといたいましては、殊にこの委員會といたしましては、政府の見解いかんにかかわりませず、当初の目的のように、法案の整理を急ぎたいと思いますので、委員長におかれましては、しかるべく取計らいを願いたいと思います。
○中島(守)委員 ただいま門司君から御発言がありましたように、政府の方は政府といたしまして、私ども議員として当然の職責でありますから、速やかに特別市制の法案を制定しまして、これに具体的のわれわれの解釈を添えて、本會議に提出したいと思うのであります。その処置を委員長において十分急速にとられるように希望いたします。
○坂東委員長 この際私から一言申し上げます。政府がいかなる解釈をしようと、それは自由であります。と同時にまた衆議員、当常任委員會としての解釈は自由でありまするから、政府のその声明によつて、わが委員會の審議権に対しましては、微動だも生じません。従つて予定通り進行いたします。ただ私は遺憾に思うことは、今この審議の進行中において、突如として政府が九十五條の解釈を発動するということは、一面において残存府県方面にひいきせるごとく、また他面においては五大都市の市民に対して反発するがごとく、政府の処置によつて国民に一種の不安を生ずることは、はなはだ遺憾千萬に感ずるのであります。同時にわが常任委員會の権限による法案の審議に対して、フリーなる宣言をいたすということは、わが議員に対するところの発案権に対する牽制である、はなはだ不都合千萬と私は解釈する。ゆえにわが常任委員會は憲法と国會法の規定によつて、断然としてこの発動に対して進行いたします。この点は御承知願います。(拍手)明日は午後一時からこの室において、衆議院の委員會と参議院の委員會の連合の常任委員會を開きまして、そこにはマツカーサー司令部の地方制度係のチルトン君がまいりまして講演しますから、皆さんぜひ全部お出でを願いたい。もしその席上におきまして、同君の五大都市に関する意見におきまして、われわれ委員と意見が違う場合には、十分と意見を述べるという考えをもつております。ぜひ明日は午後一時にお出でを願いたいと思います。 本日はこれをもつて散會します。 午後二時四十一分散會