司法委員会 第70号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1947/12/06
会議録
○松永委員長 會議を開きます。 司法保護事業及び行刑保護事業の功勞者表彰の請願、文書表第一四九九號を議題といたします。
○鍛冶委員 司法保護事業や行刑保護功勞者に政府竝びに國會において、その隠れたる功勞を顯彰の道を開かれんことを希うの件、理由は、およそ國家社會の治安維持上、處罰制度の必要なることは、喋々を要せぬところであります。しかれども、この處罰をば、ほとんど終生にわたるがごときは、かえつて社會の安寧向上をはかる下策でありまして、それ人として最も尊きは悔い改むる人に對し、恕する襟度にあります。たとえば過日林國務相の失言に對し、鈴木法相は告訴なさんと聲明せられしに對し、同郷の友たる幽岳小百合の忠言を容れたる法相の態度は、まさに一國の大臣として賞讚に値いする。國家としてもまたしかりであろう。一方に處罰するも他方において更生の道を開き、自尊自重の道徳心を高め、犯罪をより少くし、社會の浄化を促すこそ、賢明なる政策ではあるまいか。けだしこの種の浄化は、實に恕という精神力の發動にまつのみとの所信のもとに、何ら物質にとらわれず、名利に超然として、ひたすら人類愛善の至誠の間に間に、黙々として刑餘者のために奉仕する尊き司法保護に當られる御仁の姿こそ、政府竝びに國會に訴え、これが顯彰せられんことを切に希う次第であります。たとえば宮城縣太河區裁判所管内司法保護會長庄司一郎氏のごとき好模範であります。氏は保護事業自己の家庭を開き、貢獻三十年になんなんとす。憂國の士たる彼、出でては衆議院議員右の方面から全力を傾注し、右の精神に基きて前科抹消法案を提出すること十有七囘、ついに政府及び國會に認識せしめ、同法案の通過を見るに至れる獻身的努力のごときが好例であります。あるいは茨城縣における鈴木春吉氏のごとき、福島縣における鈴木俊覺氏や、鈴木孫三郎翁のことしであります。よろしく新憲法下、第一囘國會司法委員會のごときは、周到に調査し、速やかに適當なる國家的顯彰の實をあげられんことを、ここに請願する次第であります。こういう趣旨であります。
○松永委員長 政府の御意見を伺います。
○佐藤(藤)政府委員 司法保護事業の功勞者に對しまして、國家として適當な表彰の方法を講じますことは、まことに緊要妥當な處置と考えられますので、本請願の御趣旨には、全面的に賛意を表したいと存じます。司法省では、從來ともこの趣旨を實現するために、機會あるごとに、司法大臣の表彰であるとか、その他の形式をもつて、いささか表彰の方法を實施してきたのでありますが、なお不十分の憾みがありますので、明年度におきましては、さらにこれを擴充して實施したい考慮のもとに、目下豫算的措置に努力いたしておるのであります。なお國家としてこの問題を取扱うにあたりましては、今後榮典制度の運營にこれを大きく取上げまして、その適切な處理をはかることが必要であろうと考えておる次第であります。
○松永委員長 本件について御質疑はありませんか。
○鍛冶委員 本請願の中には、政府竝びに國會において顯彰の途を開かれんこととを書いてあるのでありまして、私もその趣旨としてはまことに結構だと思いますが、國會自身がこれをやるといたしましても、その調査というものは、事實上國會にその機關がありませんのですから、政府に調査してもらうほかはないと思うのであります。そうすれば、調査の方は政府でやられるというのだから、ここに書いてあります國會という意味を、國會がこの點を強く主張して、速やかに適當なる方法を政府でやつてもらう、こういう趣旨でよいのではないかと考えますが、この點に對して、政府においてはどうお考えになりますか。
○佐藤(藤)政府委員 御意見のほどは、まさに適當だと思つておりますので、さように取運びたいと思います。
○松永委員長 本案に對する一應の審査は終了いたしましたが、この際御意見ありませんか。
○鍛冶委員 本請願は採擇の上、内閣に送付せられんことを望みます。
○松永委員長 ただいまの鍛冶良作君の動議のごとく決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認め、そのように決します。 —————————————
○松永委員長 次に本日の日程となつております各陳情書のほかに、さらに裁判官待遇改善に關する陳情書、福岡縣福岡市大名町福岡辯護士會長代理副會長川口彦次郎君提出、文書表第六一一號を追加いたします。 まず日程追加第一、裁判官待遇改善に關する陳情書について、要旨を御説明いたします。裁判官の現下の待遇を速やかに改善せられたいというのでありまして、その理由といたしましては、司法の獨立と尊嚴とは、その運用にあたる裁判官が毅然としてみずからを持し、職務に專念し、もつと國民の深き信頼を得ることによつてのみ維持せられるものであります。今昭和二十二年九月十九日公布最高裁判所規則第四号、裁判官報酬等暫行規則を見るに、裁判官の給與は現下の經濟情勢に照して、とうてい裁判官が安んじてその職務に專念し、その品位を保持し得るには、あまりに低廉にして、その最低生活をする維持し得ざることを恐れるのでありまして、かくては優秀なる裁判官にして職を去る者を止むるを得ないであろう。よつて司法の威信を保持するためには、速やかにかつ厚く裁判官の待遇改善をすることの必要あることを認め、ここに陳情する次第であります。というのであります。 本件について御質疑はありませんか。——これで全陳情書について一應の審査は終了いたしましたが、この際御意見はございませんか。
○鍛冶委員 日程第一、東北辯護士會決議事項實現要望に關する陳情書、日程第二、借家人保護の法律制定に關する陳情書、日程第三、札幌高等裁判所の支部を函館市に設置の陳情書、日程第四、最高裁判所の裁判官選定に關する陳情書、日程第五、同居借家人の權理保護に關する陳情書、日程第六、簡易裁判所設置に關する陳情書、日程第七、民法の一部を改正する法律案修正に關する陳情書、日程第八、法曹一元制度實現に關する陳情書、日程第九、犯罪の捜査取調等に關する陳情書、日程第一〇、松江地方裁判所に廣島高等裁判所支部設置に關する陳情書、及び追加日程第一、裁判官待遇改善に關する陳情書は、いずれも本委員會において了承せられんことを望みます。
○松永委員長 ただいまの鍛冶良作君の動議のごとく、全陳情書は、いずれも本委員會において了承しおき、將來の本委員會における法案の審議立案等の際、陳情書の趣旨を反映するということに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認め、そのようにいたします。 次に昭和二十二年法律第六十五號、裁判官の報酬等の應急的措置に關する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。本案については別に發言の通告もございませんから、質疑及び討論を省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認め質疑及び討論を省略いたします。これより採決をいたします。本案については、政府原案に贊成の諸君の御起立を願います。 〔總員起立〕
○松永委員長 起立總員。よつて本案は原案のごとく可決されました。暫時休憩いたします。 午後一時五十三分休憩 ————◇————— 午後四時三十分開議
○松永委員長 休憩前に引續き會議を開きます。 昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 花村四郎君より本案に對する各黨の共同提案なる修正案が提出せられております。提案者の説明を求めます。
○花村委員 ただいま議題となりました法律案に對し、各派共同提案になる修正案を提出いたしたいと思います。その修正案の案文を朗讀いたします。 昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律の一部を改正する法律案に對する修正案 昭和二十二年法律第七十二號の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 「第一條に左の一項を加える。 前項の規定は、昭和二十年勅令第五百四十二號(ポツダム宣言の受諾に伴い發する命令に關する件に傷き發せられた命令の效力に影響を及ぼすものではない。」を削る。 第一條の二中「醫藥部外品取締規則(昭和七年内務省令第二十五號)」、「按摩術營業取締規則(明治四十四年内務省令第十號)」、「鍼術、灸術營業取締規則(明治四十四年内務省令第十一號)」、「柔道整復術營業取締規則(昭和二十一年厚生省令第四十七號)」、「按摩術營業取締規則、鍼術、灸術營業取締規則及び柔道整復術營業取締規則の特例に關する件(昭和二十一年厚生省令第二十八號)」、「醫業類似行為となすことを業とする者の取締に關する件(昭和二十二年厚生省令第十一號)」、「飲食物防腐劑 漂白劑取締規則(昭和三年内務省令第二十二號)」、「有害性著色料取締規則(明治三十三年内務省令第十七號)」、「人工甘味質取締規則(明治三十四年内務省令第三十一號)」、「牛乳營業取締規則(昭和八年内務省令第三十七號)」、「清凉飲料水營業取締規則(明治三十三年内務省令第三十號)」、「氷雪營業取締規則(明治三十三年内務省令第三十七號)」、「飲食物用器具取締規則(明治三十三年内務省令第五十號)」、「メチールアルコホル(木精)取締規則(明治四十五年内務省令第八號)」、「飲食物營業取締規則(昭和二十二年厚生省令第十五號)」、「船舶法施行細則(明治三十二年遞信省令第二十四號)」、「船舶安全法施行規則(昭和九年遞信省令第四號)」及び「船鑑札規則(明治四十年遞信省令第二十四號)」を削り、同條を第一條の四とする。 第一條の二 前條の規定は、昭和二十年勅令第五百四十二號(ポツダム宣言の受諾に伴い發する命令に關する件)に基き發せられた命令の效力に影響を及ぼすものではない。 第一條の三 行政官廰に關する從來の命令の規定で、法律を以て規定すべき事項を規定するものは、昭和二十三年五月二日まで、法律と同一の效力を有するものとする。 以上の通りであります。
○松永委員長 本案については質疑及び討論を省略するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認め、そのように決します。 これより採決いたします。まず修正案について採決いたします。提案のごとく修正するに贊成の諸君の御起立を願います。 〔總員起立〕
○松永委員長 起立總員。よつて提案のごとく修正するに決しました。 ただいま修正するに決しました部分を除いては、原案に贊成するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認めます。よつて本案は全會一致をもつて、各派共同提案になる修正の通り決定いたしました。 なお本案に關する委員長報告書は、これを委員長に作成方御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認めて、そのようにいたします。 暫次休憩いたします。 午後四時三十六分休憩 ————◇————— 午後五時六分開議
○松永委員長 休憩前に引續き會議を開きます。 この際お諮りいたします。本委員會において裁判官等に對する研究費支給に關する法律案を起草いたしたいと存じます。つきましては裁判官の教養及び待遇に關する事項について、議長あて國政調査承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なきものと認めます。 本日はこれにて散會します。 午後五時八分散會