財政及び金融委員会 第48号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1947/12/06
会議録
○島田委員長代理 これより會議を開きます。 上程されております政府職員に對する一時手當の支給に關する法律案、勞働基準法の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に關する法律案、勸業債券の割増金等に對する所得税の課税特例に關する法律案、大藏省預金部特別會計、國有鐵道事業特別會計、通信事業特別會計竝びに簡易生命保險及び郵便年金特別會計の保險勘定及び年金勘定の昭和二十二年における歳入不足補填のための一般會計からする繰入金に關する法律案、貿易資金特別會計法を改正する法律案、船員保險特別會計法案、特別都市計畫法第四條の規定による國庫補助を國債證券の交付により行う等の法律案、物品の無償貸付及び讓與等に關する法律案、金融機關再建整備法の一部を改正する法律案、經濟力集中排除法の施行に伴う企業再建整備法の特例等に關する法律案、以上につきまして逐次政府委員からの説明を求めます。 —————————————
○小坂政府委員 それではただいま委員長から仰せになりました政府職員に對する一時手當支給に關する法律案ほか九法律案につきまして御説明を申し上げます。これらはいずれも技術的のものでありますので、何とぞ御審議の上速やかに御可決あらんことをお願いいたしたいと存じます。 まず最初に政府職員に對する一時手當支給に關する法律案につき御説明を申し上げます。 このたび本國會に提出いたしました政府職員の生活費を補給するための一時手當の支給に關する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げ、各位の御審議をお願いいたしたいと存じます。 全逓その他の官公職員勞働組合からの提訴にかかる生活補給金即時支給等の要求についての中央勞働委員會の調停案が、先般提示されましたので、政府はこれに對する措置を鋭意研究中でありますが、このままでは現金の支給が遲延するおそれがあり、とりあえず、この際各職員に對し、その現に受けている給與の一月分に相當する金額を一時手當として支給いたそうと存じまして、この法律案を提出いたした次第でありまして、すなわちこの手當は從來政府職員の給與が、月の初めに繰上げて支給せられていた關係を是正するとともに、中央勞働委員會の調停案に應える一部の給與たる意味を有するものであります。この法律案によります一時手當の支給方法といたしましては、各職員の現に受けている俸給、暫定加給、暫定加給臨時増給、臨時家族手當、臨時勤務地手當及び昭和二十二年法律第百四十號による臨時手當の合計月額に相當する金額を支給することといたす考えであります。この措置によりまして支給を實施いたしますために必要な豫算額は、概算いたしますと、大約一般會計所屬職員の分十億四千九百餘萬圓、特別會計所屬職員の分十九億七千二百餘萬圓、合計三十億二千二百餘萬圓でありまして、この金額はただいま本國會に提案中の一般會計豫算補正十號及び特別會計豫算補正特第五號に計上いたしてあります。 本案につきましては、政府職員の最近の生活の實情をもおくみとりくださいまして、御審議の上、速やかに原案通り御決定あらんことを希望いたします。 次に勞働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に關する法律案ほか一法律案についての提案の理由を御説明申し上げます。 このたび本國會に提出いたしました勞働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に關する法律案、及び昭和二十二年法律第百二十一號の一部を改正する法律案につきまして、一括して提案の理由を御説明申し上げ、各位の御審議をお願いいたしたいと存じます。 新憲法の施行に伴いまして、政府職員の給與に關する基準は、法律をもつてこれを定めなければならないことと相なりました。さらに勞働基準法、船員法及び失業保險法の施行に伴いまして、政府職員に係る現行給與體系についても、所要の改正を加えることが必要と相なつたのであります。政府はこれに應じまして、政府職員の給與全般に關する基準を定めた法律案を國會に提出すべく、鋭意準備中でありますが、これが檢討になお若干の時日を要しますので、とりあえず應急的措置をいたしまするために、本法律案二件を提出いたした次第であります。 まず勞働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に關する法律案について御説明申し上げます。 現行の政府職員の給與制度は、昭和二十二年法律第七十二號及び同年勅令第百六十一號により、新憲法施行後も經過的にそのまま本年十二年末まで存續するわけでありますが、ただいま申し上げました勞働基準法等の施行に伴いまして、その定める基準に達せしめるため、現行の給與制度に一部改善を加える必要が生じたのであります。よつて包括的な給與法案のできますまで、暫定的の措置として、政府職員についても、少くとも勞働基準法等の規定による最低基準まで給與を増額支給するため、政府職員に係る現行の給與で勞働基準法、船員である職員については船員法の定める勞働條件に相當するもの、または失業保險法の定める給付に相當するものが、それぞれの法律に定めた基準に達しない場合には、その基準に達するまで、給與を増額して支給することとしたものであります。なお第二の規定は、この措置により増額して支給する給與と、從前の例による他の給與との調整、及びこの措置による給與の支給手續については、大藏大臣が定める旨を規定したものであります。この法律が實施せられました場合、從前の給與が勞働基準法等の定めよりも低いため、實際に現行の給與より増額せられるおもなものを申し上げますると、時間外、休日または深夜の勤務に對する超過勤務手當、公務に基いて殉職しまたは傷病にかかつた場合の災害補償、退職手當等であります。なおこの法律の適用の時期につきましては、超過勤務手當については、昭和二十二年七月一日以後、その他については九月一日以後、失業保險給付に相當する給與については、十一月一日以後、その給與を支給すべき事由の生じた給與につき適用することといたしました。 次に勸業債券の割増金等に對する所得税の課税の特例に關する法律案につきまして、提案の理由を御説明いたします。 現下の金融情勢の推移に鑑みまして、速やかにインフレーシヨンを阻止し、經濟秩序を安定し、經濟の再建を促進いたしますることは、喫緊の要務でありまして、これがためには、貯蓄の増強をはかることが必須の要件であると考えます。 今般所得税法の一部改正によりまして、新たに各種の一時的所得が課税の對象となつたのでありますが、各種證券その他の貯蓄の割増金等の所得につきましては、所得税を課さないことにいたしまして、貯蓄の増強に資せしめる必要がありますために、この法律案を提出いたした次第であります。なお死亡を原因として支拂を受けた生命保險金、損害保險金、慰藉料、賠償金及び公社債の償還差益は所得税法におきまして、一時所得の課税から除外されております。何とぞこの點をお酌取くださいまして、何とぞ御審議の上御贊成あらんことを希望いたします。 次に大藏省預金部特別會計、國有鐵道事業特別會計、通信事業特別會計竝びに簡易生命保險及び郵便年金特別會計の保險勘定及び年金勘定の昭和二十二年度における歳入不足補填のための一般會計からする繰入金に關する法律案提出の理由を御説明申し上げます。 大藏省預金部特別會計におきましては、別途御審議を願いました昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)に掲げてありますように、新規の歳入不足額が七億八千七百十餘萬圓生ずるのでありますが、さきに帝國議會において協贊を得ました當初豫算におきましても、借入金をもつて補足することにいたしました歳入不足額が、九億八千五百三十餘萬圓あるのでありまして、國民の零細な貯蓄をもつて賃金とし、その運用を目的といたします本會計としまして、その收支の不足の補填を多額の借入金に負うことは適當でないのみならず、一般會計及び特別會計を通ずる健全財政の趣旨にも副わぬと考えられます。よつて前述の新規歳入不足額七億八千七百十餘萬圓のうち、二億千六百三十餘萬圓は、これを積立金の不足が殘ることになりますので、この際一般會計からこの會計に十億圓を繰入れることとして、これを補足するとともに、かつなお殘る金額四億二千九百十餘萬圓については、本會計における經費節約二千八百餘萬圓と合わせ、當初豫算における借入金の借入額の減少に充當しようと存ずるのであります。 次に國有鐵道事業特別會計及び通信事業特別會計におきましては、今次補正豫算の編成にあたりまして、人件費及び物件費等につきまして、相當の節約を行うことといたしましたにもかかわらず、現在の收支状況におきましては、當初豫算及び補正豫算を通じまして、歳入不足が鐵道會計におきまして百十一億九千百餘萬圓、通信會計におきまして四十三億六千二百餘萬圓に上る情勢であります。しこうしてこれが補填の方策といたしましては、いろいろと考えられるのでありますが、各般の關係上、さしあたりこの際といたしましては、兩會計におきまして本年十一月以降、本年度一ぱいに生ずると見込まれまする大體の歳入不足額、すなわち國有鐵道事業會計における五十億圓、通信事業會計における二十五億圓を限度といたしまして、その不足財源を一般會計から當該各會計へ繰入れることといたしたいと考えるのであります。 以上申し上げましたのが、今囘の補正豫算の編成にあたりまして、一般會計及び特別會計を通ずる健全財政の方針を堅持いたしまするための措置でありまして、これに關する豫算的措置は、補正第七號、第八號及び補正特第三號をもつて、繰入れに關する豫算的措置を講じたのであります。しかるところ今囘政府職員の給與の現状に鑑みまして、政府職員に對して特別の一時手當を支給することが妥當であるという方針を決定いたしたのでありますが、前述の三特別會計、及び簡易生命保險、及び郵便年金特別會計の收支の現状に鑑みまして、今囘の一時手當の財源につきましては、これまたその不足額を一般會計から繰入れることが、やむを得ないものと存ぜられるのでありまして、大藏省預金部特別會計におきましては、さらに九千六百二十二萬四千圓、國有鐵道事業特別會計におきましては、さらに九億九千三百九萬四千圓、通信事業特別會計におきましては、さらに五億二萬圓を、一般會計から繰入れることといたしまするとともに、新たに簡易生命保險及び郵便年金特別會計の保險勘定につきましては八千八百七十八萬四千圓、同會計の年金勘定につきましては二百五十九萬七千圓を限度といたしまして、一般會計から繰入れる必要があるのであります。 なおこの繰入金につきましては、これらの特別會計の性質上、今後適當な時期において當該各特別會計から、それぞれ繰入金額を一般會計へ返償することとする豫定でありますから、これに關する規定をも設けた次第であります。何とぞ御審議の上、御贊成あらんことを御願いいたします。 次に貿易資金特別會計法を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 今囘改正しようといたしまする點は、まず第一が附則の第十九條及び第二十條の規定であります。現行法の第四條の規定によりますると、貿易資金の運用によりまする利益または損失の計算は、これを毎年度行うことと相なつておりまして、その結果生じましたる利益または損失は、結局におきまして一般會計への繰入れとなりまして、また一般會計からの繰入れとなる構成となつておるのでありまするが、現在のところ外貨請求權の評價、及び輸入物資の價格が計算困難の状況にありまする關係上、この規定による損益の計算もまた實行困難の状況と相なつておりますので、今囘これに對する措置を講じたのであります。すなわち現行法の第四條またはこの法律案の第五條の規定によりまする貿易資金の運用による損益計算は、昭和二十一年度から外貨請求權及び輸入物資の輸入價格の計算可能の状態に立ち至るまでの期間中は、各年度ごとの計算を省略いたしまして、前述の計算ができる状態になりました曉におきまして、その時までの全期間について損益の計算を行うことといたしまして、その期間中は毎年度貿易資金の運用上生じまする圓資金の不足額を、一定の計算のもとに一般會計から補填する途を開こうとするものであります。なお昭和二十二年度におきまする一般會計からの補填見込額は、五十五億圓と相なつておるのであります。第二は貿易資金の運用範圍についての規定でありまして、現在はその一部を政令に讓つておるのでありますが、今囘全部を法律で定めまして、運用範圍を明らかにいたそうとするものであります。第三は貿易資金の運用に關しましても、歳出豫算に基くものと同樣に、財政法に基く契約等の計畫、及び支拂計畫の制度を實施することにいたそうとするものであります。 改正の主なる點は以上申し上げました三點でございまするが、この機會に貿易資金特別會計法の規定内容を、先般制定せられました財政法の趣旨に適合せしめるため、今囘所要の改正を併せ行つた次第であります。以上の理由によりましてこの法律案を提案申し上げた次第でございます。何とぞ御贊成をお願い申し上げます。次に船員保險特別會計法案提出の理由を御説明申し上げます。 船員失業保險及び手當制度の創設のための船員保險法の一部を改正する法律案につきましては、先に本國會に提出し、御審議を願つたのでございますが、同法案に基く新しい船員失業保險事業の經理につきましては、政府管掌の各種の保險事業におけると同樣に、船員失業保險事業に關する歳入歳出は、これを特別に經理いたしまして、その收支を明確ならしめるのが適當と思われるのであります。從來の船員保險法に基く船員保險事業は、厚生保險特別會計船員勘定及び同業務勘定におきまして經理しておつたのでありまするが、同特別會計は、他に陸上勞務者の健康保險事業と年金保險事業とも併せ經理しておりまして、今囘の船員失業保險事業を、さらに同特別會計で經理することといたしますると、ますます同特別會計の性質を複雜とすることになるのでありますから、この際船員勘定を廢止して厚生保險特別會計の性質を明らかにし、その經理を容易ならしめるとともに、船員に關する社會保險を一體として運用するため、新たに船員保險特別會計を設け、從來の船員保險事業及び今囘の船員失業保險事業を、それぞれ普通保險勘定及び失業保險勘定に區分して併せ經理することといたしたのであります。なお船員失業手當支給事業につきましても、その歳入歳出の經理は、その性質上、本特別會計において併せ行うこととしたのであります。 以上の理由によりまして、この法律案を提出いたした次第でありまして、何とぞ御審議の上、速やかに御贊成あらんことをお願いいたします。 次に特別都市計畫法第四條の規定による國庫補助を國債證券の交付により行う等の法律案の提案理由を御説明申し上げます。 特別都市計畫法に基く土地區劃整理事業は、戰災地再建の基礎をなし、また再建の前提をなすものでありますから、早急に實施することが必要であるのでありまするが、事業の性質上、これに要しまする經費も相當多額に上るものと察せられるのでありまして、しかもこの經費につきましては、高率の國庫補助を伴うものであります。從いまして國の財政負擔も巨額に上るものと考えられるのであります。そこでこの事業を施行するにあたりましては、事業の緊急性と現在の財政及び金融の事情との調整をはかることが必要と相なるのでありまして、事業費の支出につきましてもインフレーシヨンの抑制を企圖する等、適當な措置を講ずることがきわめて肝要であることと思われるのであります。この見地からいたしまして、この法律案を提出いたしたのでありまして、すなわち土地區劃整理事業に對する國庫補助金のうち、特別都市計畫法第十六條の規定に基く公共用地造成のため私用地の減歩が一割五分を超過する部分について交付する補償金に對して行う補助金につきましては、前述の趣旨に從いまして、この際國債證券をもつて交付することといたしますとともに、事業施行者が、土地所有者及び關係者に交付いたしまする減歩補償金につきましても、その交付を受けた國債證券をもつて補償金の交付の決濟をなし得る途を開きまして、インフレーシヨンの抑制に努めたいと存ずるのであります。なおこの減歩補償金はその性質が面積減歩の代償であり、資産の一部が土地から國債證券に移つたとも見得べきものでありまして、現下の經濟事情から見まして、この程度の措置はやむを得ないものではないかと考えられるのであります。 以上の理由によりましてこの法律案を提出いたしました次第であります。何とぞ御贊成をお願いいたす次第でございます。 次に物品の無償貨付及び讓與等に關する法律案提出の理由を御説明申し上げます。 財政法の施行に伴いまして、同法第九條の規定により、國の所有に屬する財産の適正な對價を伴わない貸付または讓渡につきましては、法律の規定に基くことを要することとなつたのでありまするが、國の所有に屬する財産のうち、國有財産法の適用を受ける國有財産につきましては、國有財産法の中に無償貸付及び讓與に關する規定がおかれているのであります。物品につきましては、その無償貸付讓與等は從來一部のものが法律の規定に基き行われていましたほか、大部分は勅令等の規定によつて行われておりましたので、これについて今囘新たに法律を制定して物品の管理處分の適正を期する必要があるのであるのであります。なお、財政法第九條の規定は、本年四月一日から施行せられておりまするので、本法案の施行期日も本年四月一日にさかのぼる必要があると考えるのであります。また地方自治法施行の際、都道府縣において使用しております國費をもつて調辯した物品につきましては、この際當該都道府縣に讓與または無償貸付の措置をすることが適當と思われまするので、併せてその規定をおいたのであります。 以上の理由によりまして、この法律案を提出いたした次第でありまして、何とぞ御審議の上、速やかに御贊成あらんことをお願い申し上げます。 次に金融機關再建整備法の一部を改正する法律案につき提案の理由を説明いたします。 今囘の改正案は金融機關再建整備に伴う損失の整理にあたつて、職員の退職金支拂財源として積立金の一部を留保しようとすることを目的としたものであります。現行法では、金融機關が最終處理をなすにあたつて、舊勘定の損失がその益金より大である場合には、まず積立金の金額を取り崩してこれを補填することになつております。しかしながら積立金のうちには、通常の場合、退職金支拂の財源と見られるべき部分を含んでおるのでありまして、この部分に何らの斟酌を加えることなく、ただちにその金額を切捨ててしまいますと、永年勤續職員等に對する退職金の支給を不當に困難ならしめることとなり、適正を缺くきらいがあります。本案はこの點を改めんとしたものでありまして、その骨子は左の通りであります。 (一)金融機關はその損失處理に際して、退職金支給財源に充てるため、任意積立金の三分の一と法定の退職手當積立金の合計額の範圍内において、これを留保することができることとする。 (二)新金融機關に事業を讓渡して、舊金融機關を整備する場合、この舊金融機關から新金融機關に引繼がれた職員は退職者として扱わず、舊金融機關に在職中の在職期間は新金融機關で通算することとする。 (三)舊金融機關がその事業とともに職員を新金融機關に引繼いだ場合は(一)により留保した積立金の全部または一部を、新金融機關に引繼ぐこととする。 以上が本案の内容の大要についての御説明であります。何とぞ御審議の上、速やかに御贊成あらんことを切望いたします。 次に經濟力集中排除法の施行に伴う企業再建整備法の特例等に關する法律案につきまして、簡單に提案の趣旨を御説明いたします。 政府はさきに經濟力集中排除法案を提案いたしたのでありますが、同法案につきましては、特に企業再建整備法等との關係が密接でありますので、これ等諸法律との相互の關係を明らかにし、經濟力の集中排除及び再建整備の兩措置を圓滑に、且つ矛盾なく遂行せしめて、速やかに所期の目的を達成せしめることが緊要であります。また集中排除の措置を命ぜられた會社であつて、企業再建整備法の適用を受けないものにつきましても、あるいは企業再建整備法の必要な規定を準用し、あるいはまた特別の規定を設ける等のことによりまして、集中排除の迅速かつ圓滑なる實施をはかることが適當であると考えられるのであります。さらに經濟力集中排除法の公布施行に伴いまして、企業が集中排除の對象として指定せられました場合、これによつて指定を受けた會社の債權債務の關係に紛糾を來すことのないよう、特に萬全の措置を講ずる必要があると思うのであります。 以上の理由によりまして政府はここに本法律案を提案いたした次第でありますが、以下本法案の内容を、特別經理會社である場合と、特別經理會社以外の會社である場合とにわけて、簡單に御説明いたします。 第一に特別經理會社の場合でありますが、この場合においては、會社が企業再建整備法の規定により認可を受ける整備計畫の内容は、經濟力集中排除法の規定により、特殊會社整備委員會の定めた再編成計畫の内容に合致せしめることを要する旨の規定を置くとともに、同委員會によつて指名された管理人のあるときには、特別管理人は、その管理人の監督を受けることを明らかにしたのであります。 次に會社が經濟力の集中を排除するため新たに會社を二以上設立するときは、各新設會社に承繼せられるところの債務を擔保する擔保權は、それぞれ該當の新會社に出資せられる資産の上に限つて存在することとして、會社の分割に應じて擔保關係も分割せられることといたしたのであります。さらに會社が經濟力集中排除法によつて指定せられてから、その再編成計畫の内容が定まるまでの間において、會社の將來に對する不安等のために生ずることの豫想せられます債權の一時の取立や、事業繼續のために必要な融資の困難を緩和するという趣旨をもちまして、所要の會社に對しては債務の支拂の一時停止の應急措置を認めるとともに、一般にこの間に生じた債權について、先取特權の優先措置を講ずることとしたのであります。 第二に特別經理會社以外の會社の場合でありますが、持株會社整理委員會によつて定められた再編成計畫中に、特別經理會社の整備計畫に準ずる事項が記載せられたときには、その再編成計畫に、整備計畫にひとしい法的效力を附與することとして、第二會社の設立手續、株主債權者に對する拘束力等に關する企業再建整備法の規定を準用することといたしました。さらにまた擔保關係の分割、債務支拂の一時停止、先取特權の規定については、特別經理會社の場合と同樣に取扱うことといたしたのであります。 第三に特別經理會社、非特別經理會社を通じて登記に關して所要の規定を置いて、公示の手段に遺憾なきを期することといたしました。 何とぞ速やかに御審議の上、可決せられんことを望みます。
○島田委員長代理 この際政府に一言したいと思いますが、會期が非常に切迫しましてから、かような十數件の案をどしどし出されたのは、あるいはこの法案が重要でない、また事情もわかりますけれども、今後におきましてはそういうことのないように強く要請いたします。 暫時休憩いたします。 午後零時七分休憩 ━━━━◇━━━━━ 午後二時二十一分開議
○島田委員長代理 休憩前に引續きまして會議を再開します。 かねて審議中の通貨發行審議會法案につきまして討論竝びに採決をいたしたいと思いますが、討論はいかがいたしましようか。
○川合委員 討論を省略して採決せられんことを望みます。
○島田委員長代理 河合君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○島田委員長代理 御異議なしと認めます。では本案に對する討論を省略いたしまして採決に移ります。 原案に贊成の方の御起立を求めます。 〔總員起立〕
○島田委員長代理 起立總員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。 —————————————
○島田委員長代理 次に船員保險特別會計法案竝びに政府職員に對する一時手當の支給に關する法律案勸業債券の割増金等に關する所得税の課税の特例に關する法律案、右三案を一括議題に供しまして討論及び採決に移りたいと思います。
○川合委員 討論を省略して至急採決せられんことを望みます。
○島田委員長代理 ただいまの河合委員の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○島田委員長代理 では討論を省略いたしまして採決に移ります。 以上三案に對し原案に御贊成の方の起立を求めます。 〔總員起立〕
○島田委員長代理 起立總員。よつて三案はいずれも原案の通り可決いたしました。 —————————————
○島田委員長代理 次に政府に對する不正手段による支拂請求の防止等に關する法律案につきまして、各派から修正の動議がございますからこれを許します。塚田君。
○塚田委員 ただいま議題になつております政府に對する不正手段による支拂請求の防止等に關する法律案につきまして、各派共同の修正の點竝びに理由を簡單に御説明申し上げたいと思います。 まず修正の點を申し上げます。法案第一條但書第三號中、「千分の一」とあるのを「千分の三」に改め、第四條後段を次のように改める。「この場合において第一條但書第三號の規定の地方公共團體に對する適用については、同號中「國の一般會計歳出豫算額の千分の三に相當する金額を超えない範圍内において大藏大臣の特に指定する購入契約により購入するものに限る。」とあるのは「地方公共團體の一般會計歳出豫算額の千分の一に相當する金額(其の金額が一萬圓に達しないときは、一萬圓)を超えない範圍内において購入するもの、竝びに地方公共團體がその事業の用に供するため購入する土地及び建物に限る。」と讀み替えるものとする。」 第八條中「又は賃金の合計額」を「及び賃金の合計額の總額」に改め、「各區分についての約定金額」の下に「の合計額」を加える。 以上が修正の點であります。第一條の千分の一を千分の三に改めましたのは、いろいろ國の一般豫算の支出の面と考え合わせます場合に、千分の一では運用に困難をする面があるので、これを千分の三に改めるということにいたした次第であります。なお國の一般會計の場合に、千分の一を千分の三に改めたのでありますが、地方公共團體の場合には千分の三にまで擴げる必要を認められないので、地方公共團體の場合には千分の一の從前通りに止めておいて、但しその金額が一萬圓に達しないときは一萬圓、竝びに地方公共團體がその事業の用に供するため購入する土地及び建物に限るというような、附加えをいたしたわけであります。第八條の修正の理由は、原案におきましては支拂請求内譯書の現實に清算をいたします場合の、現實に使つた額との比較が、勞務と資材と役務と三本にわかれて、それぞれのものにおいてその差額を見るということになつておつたのでありますが、これは殊に土建事業などの現實の運營の面におきましては、場合によれば勞務で豫算を組んでおいたものを、役務の方て出してくるというような場合もある。また資材で組んでおいたものを、勞務で出すというような場合もあり得るのでありますから、これは三本を一括して合計金額において比較をしてきめるということにするのが、適當であると考えたからであります。以上簡單に御説明申し上げた次第であります。
○島田委員長代理 本案につきまして討論に移ります。
○塚田委員 ただいま議題となつておりまする法案について、日本自由黨を代表いたしまして、若干の希望意見を申し述べたいと存ずるのであります。この法律案は内容を詳細に調べます場合に、必ずしも現在の經濟界、殊にこの法案が對象としておる土建、その他の事業者の實情を、十分くんでいないと思われる點が多分にあるのであります。それらの點につきましては、過般私が質疑をいたしました點で、すでに明らかになつておると存じますので、ここでこれを繰返しません。從つてこの法案の運用の上に、よほど氣をつけていただかないと、法案の目的とするところが必ず損われる。實效が得られないということが、私は斷言申し上げられると思うのであります。そういう觀點からこの法案の運用の上におきまして、特に御留意願いたい點を二、三申し上げておきたいと存ずるのであります。 その一つは、この法案の實施にあたつて、新しいいろいろな事務が、業者の側にも、官廳の側にも、相當多く附加わつてまいります。そうなりますと必ず現實に仕事ができ上つても、金がもらえない。つまり支拂いが遅延するという面が一層ひどくなるということが、非常に懸念される點であります。この面をぜひ運用の上において、十分な御注意をお願いいたしたい。それからこれが誠意をもつてこの法案ができる以上は、もちろん民間においても協力するでありましようし、また協力しなければなりませんが、それと同時にこの法案が實效を得られるためには、政府側において責任をもつておられる。殊に先ほどの支拂遅延をなくするということもその一つでありますが、その他に官給される資材、そういうものを適當な時期に、適當な數量、早い時期に必要な數量を支給されるのでなければ、これは實效が得られない。實效が得られない場合に、いたずらに義務だけをよけいに、この法律によつて民間側に負わされるならば、おそらく事業が繼續してうまくやれるということは、望みがたいことでありますから、政府側において責任をもつておられる部分も、必ず確實なる履行ということを、特にこれはお願いしておきたい。もちろん政府側においてはそういう用意がある、決意があるということは、今まで十分言うておられるのでありますが、しかし必ずしも經濟界の實相が、政府側の豫想せられるように動かないで、萬一そういうような面において政府側の約束が履行されない場合には、それによつて民間側のこうむつた損害に對しては、何らかの措置を必ず講ぜられるように、これはぜひともお願いしておきたい。そうでないとこの法律が民間側だけに義務を負わせられて、政府側が義務を負わないというふうに、非常に偏務的なものになるおそれが多分にある。その點を繰返してここでお願いしておきたいと存じます。なおこの法案の適用の上におきまして、賃金の決定などがあるのでありますが、その賃金の決定に際しましては、殊に土建關係の事業においての勞務者賃金というものは、一般の工場の勞務者の賃金のきめ方と非常に違う面があるのでありますから、その決定に際しましては、よく民間側の意向も參酌されて、ほんとうに運用の上に困難の起きない、支障の起きないようなものを決定になることを切望いたします。大體希望いたしたいかんじんな點は、以上の三點であります。この點につきましてどうかこの際、政府の當局の御答辯をいただいておきたいと存じます。
○小坂政府委員 ただいま塚田委員の指摘されました點は、いずれもこの法律を忠實に政府が實行いたしまする際の裏づけとして、考えておらねばならぬ點のみと考えております。從つて政府としてはこの實現に對しましては、十分努力するつもりであります。御了承願います。
○川合委員 私は日本社會黨を代表いたしまして、政府に對する不正手段による支拂請求の防止等に關する法律案に關しまして、ただいま各派共同提案の修正案と、その修正案を除く原案に贊成の意を表するものであります。なおこの際に贊成をするとともに、一應希望意見を簡單に申し述べておきます。要はこの法律案の實施後においては、政府は本法律案の立法精神に即應して、これを強力に實施してもらいたいという點と、さらにいろいろな資料を業者から要求するというようなことになつておりますが、これらもいたずらに繁文縟禮に終ることなくして、この法律案の所期の目的を達成するに十分なるところの機能を發揮するように、これを運用していただきたいという點だけを希望として申し述べておきます。以上申し上げまして、日本社會黨を代表いたしまして、贊成の意を表する次第であります。
○島田委員長代理 ではまずこの法案に對する修正案の採決から先にいたします。右、修正案に贊成の方の御起立を願います。 〔總員起立〕
○島田委員長代理 起立總員。修正案通り決定いたしました。次に修正案の修正部分を除いた原案に贊成の諸君の起立を願います。 〔總員起立〕
○島田委員長代理 起立總員。よつて修正部分を除いた原案は可決されました。 —————————————
○島田委員長代理 租税完納運動に關する決議案を、本委員會を構成する委員の全員を提出者といたしまして、本會議に提出したいという希望がございます。これにつきましては一應委員會としまして皆さんの御贊成を得まして決議いたしたいと存じますか、いかがでございましようが。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川合委員 租税完納運動に關する決議案の案文を朗讀いたします。 租税完納運動に關する決議案 今わが國の財政は、未だかつてない危機に臨んでいる。それは財政の總額が非常に巨額であるばかりでなくその收支の均衡も辛じて得ているに過ぎないのであつて、一歩誤れば、經濟の再建はおろか、國家の經濟そのものが破滅する恐れがあるからである。 それに國税の本年度豫算額は一千三百億圓であつて、國家の歳入總額の六割五分も占めているにもかかわらず、納税の理状を見るに、申告の成績は以外に悪い上に、滯納の金額も未曾有の多額であり、このままに進むならば、歳入が確保できず、財政そのものが根底から覆へる危險がある。もし萬一この健全財政が破綻を見るならば、インフレ激化による異常な慘害に國民全體が曝らされねばならないことになるであらう。 もとより國民所得の異状な今日、現在の租税制度や徴收の方法も完全なものとは云えないが、しかし政府はこれがために脱税者や怠納者を利するやうなことがあつてはならず、公平な徴税をなすやうあらゆる努力をなすべきである。 また國民もこの大切な納税を重視し、いやしくも正當な税額を完納することについては、國民の名譽ある責任として、進んでこれをはたすために敢然立つべきときであると信ずる。 私どもは現状の苦難を忍びつつ明日の希望を達成するために、ここに全國民が一致協力し、この危機打開のために、租税完納運動を展開する次第である。 右決議する。 以上であります。
○島田委員長代理 ただいま川合委員の讀まれました決議案につきまして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○島田委員長代理 では決議案文の通り決定いたしました。これは提案者につきましては理事會でひとつ決定しまして、大體この次の本會議に提出したいと思います。 それでは本日はこれをもつて散會いたします。 午後二時四十九分散會