財政及び金融委員会 第13号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/08/23
会議録
○北村委員長 では會議を開きます。 去る二十日本委員會に付託されました復興金融金庫法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、まず政府の説明を求めます。小坂政府委員。 —————————————
○小坂政府委員 ただいま議題となりました復興金融金庫法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。 さきに復興金融金庫は戰後における日本經濟再建のために必要な資金の供給を任務といたしまして、本年一月末日にその設立をみたのでありますが、爾來今日に至りますまで資金、資材の各方面にわたりまして、きわめて困難な時期であるにもかかわらず産業界の要求にこたえまして、その目的を果し、石炭、鐵鋼肥料等の超重點基礎産業、その他各種重要産業に對する資金の供給を圓滑ならしむるとともに、戰後經濟の中核たる中小企業の育成にも相應の效果をあげて、その融資總額は七月末日現在におきまして、百七十九億八千百万圓の巨額に達した次第であります。 御承知のように、復興金融金庫は日本經濟の復興のために必要な資金でありまして、他の金融機關等から供給を受けることの困難な資金の供給をはかるために設立せられたのでありますが、一般金融機關における資金の増加状況の、とかの不圓滑がちな今日、經濟再建のために最も必要とする基礎産業に對する資金にして、復興金融金庫に需要せられるものは次第に多額となりつつある現状でありまして、これに加えまして、近時續々設立をみることとなりました各種公團の所要資金は、貿易公團を除きまして、すべて復興金融金庫から融資することとなつておりますがために、最近におきましては、復興金融金庫に對する産業界の依存の傾向は、きわめて著しいものがある次第であります。もちろん政府といたしましては、他方において國民貯蓄の奬勵によりまして、つとめて市中金融機關の資金増加に意を用い、これを産業方面に活用することに留意してまいつておるのでありますが、諸般の情勢上、今後復興金融金庫の所要資金は、きわめて巨額に達することは想像に難くないところであります。すなわち最近決定いたしました第二・四半期におきまする融資計畫によりましても、一般産業資金として百四億六千萬圓、公團所要資金として九十六億三千萬圓、合計二百億九千萬圓の巨額の融資を行うことになつておるのでありまして、本年度中に豫想せられます資金の總額は、今次の物價改訂の影響等を勘案いたしまして、さらに今後設立を豫想せられます公團所要資金を見込みまするときは、年間の融資總額は、おそらく五百億圓に近い金額に達する見込であります。御承知のように復興金融金庫は、當初百億圓の資本金をもつて出發したのでありますが、産業資金の需要の激増とともに、去る四月一日これを二百五十億圓に増額いたしますとともに、これが所要資金は設立當初に政府によつて拂込を得ました四十億圓のほか、殘額二百十億圓の未拂込資本金の限度内において、復興金融債券の發行によつて調達してまいつたのでありますが、すでに今日債券發行額は限度一ぱいに達しましたので、ここに今後の所要資金を勘定してさらに三百億圓増資を行い、すなわち資本金額を五百五十億圓に改めることにいたしたいと存ずる次第でございまして、これによつておおむね明年一月ころまでの資金の供給を確保し得る見込であります。 以上復興金融金庫法の一部を改正する法律案の提案の理由を説明いたしましたが、何とぞ十分御審議の上、速やかに協贊を與へられんことを希望いたします。
○北村委員長 ただいま政府より説明のありました復興金融金庫法の一部を改正する法律案について質疑を行います。
○福田政府委員 前囘の委員會におきまして、金融機關再建整備法の一部を改正する法律案中で、囘答を留保した點がありますので、答辯いたしたいと思います。金融機關再建整備法の一部を改正する法律案中、第二十六條の二第二一項でありまするが、「第一項の金融機關が第五十七條第一項に規定する金融機關である場合において、當該金融機關の會員又は組合員が、第二十四條の規定により、その出資の全額に相當する確定損を負擔して當該金融機關の會員又は組合員でなくなつたときは、その者は、新勘定及び舊勘定の區分の消滅後六箇月を限り、資金の貸付、施設の利用その他當該金融機關の會員又は組合員の受ける利益を受けることができる。」この「その他」という點につきまして、どういうことを豫定しておるかという質問であります。その質問の際に、ただいまは特にこれということは豫定しておりませんが、何か所要の問題が出てきた場合に、これが適用されるというふうな意味に答えたのでありまするが、それに關連いたしまして、總會や總代會における議決權等は、この「その他の利益」というふうに言えるかどうかという問題であります。當局の解釋といたしましては、さような組合員たる身分に專屬する權利は、ここにいわゆる利益というふうには解釋しないということに相なつております。 それからもう一つ、これは答辯の訂正であります。ただいまの條項に關するのでありまするが、この條項は法律上當然農業會等の會員であるものにも適用あるものであるかどうかという質問に對しまして、當然會員たるものたると、任意會員たるものとにかかわらず、兩者に適用あるというふうに申し上げたのであります。しかしながら法律上當然會員たるものは出資を喪失いたしましても、會員たる資格は續くという法的解釋でありまして、從いましてこの條項が法律上適用になるのは、任意會員たる場合だけであるというふうに御了承願いたいのであります。
○北村委員長 一應休憩いたします。 午前十時四十六分休憩 ━━━━◇━━━━━ 午後二時十五分開議
○島田委員長代理 午前に引續き會談を開きます。 これより生命保險中央會及び損害保險中央會の保險業務に關する權利義務の承繼等に關する法律案を議題といたしまして、討論採決にはいります。討論は通告順によりましてこれを許します。中崎君。
○中崎委員 生命保險中央會及び損害保險中央會の保險業務に關する權利義務の承繼等に關する法律案に對しまして、各派共同の修正意見を申し述べたいと思います。 原案では生命保險中央會法及び損害保險中央會法の廢止の期日は政令で定めることになつておつたわけでありますが、法律を廢する期日は法律で規定するのが適當であると考えられますし、またこれについては連合國最高司令部も同樣の意見でありますので、生命保險中央會法及び損害保險中央會法は、本法第九條第一項の規定により、主務大臣の指定する日、すなわち生命保險中央會及び損害保險中央會が解散する日に廢止すると規定してありましたが、生命保險中央會及び損害保險中央會を解散する日において生命保險中央會法及び損害保險中央會法が廢止されると、生命保險中央會及び損害保險中央會の存立の基礎法が廢止されることとなりまして、法人格のなき中央會が清算をしなければならないなど、法律上の不能に陷るので、第九條第二項に民法第七十三條に準じた規定を置いたほか、生命保險中央會法及び損害保險中央會法の廢止後も、なおその效力を有することと規定したわけであります。なお右のほかこの生命保險中央會法及び損害保險中央會法の廢止前になした行為に對する罰則の適用についても、生命保險中央會法及び損害保險中央會法は、その廢止後も效力を有することと規定したわけであります。右三點を要約いたしまして、次のごとく修正したいと思います。 第九條第二項を次のように改める。 生命保險中央會及び損害保險中央會は、前項の規定により主務大臣の指定する日以後においても、清算の目的の範圍内においては、その清算の結了に至るまでは、なお存續するものとみなす。 前項に定めるものの外、第一項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。 第十條を削る。 附則を次のように改める。 この法律は、公布の日から、これを施行する。但し、附則第二項の規定は、第九條第一項の規定により主務大臣の指定する日から、これを施行する。 生命保險中央會法及び損害保險中央會法は、これを廢止する。但し生命保險中央會法及び損害保險中央會法の廢止前になした行為に對する罰則の適用については、なおその效力を有する。生命保險中央會及び損害保險中央會の存續する間も、また同樣とする。 こういうように修正したいと思うわけであります。
○島田委員長代理 これより採決をいたします。まず各派共同提案の修正案について採決いたします。本修正案に贊成の諸君は起立を願います。 〔總員起立〕
○島田委員長代理 起立總員。よつて修正案は可決せられました。 次に修正部分を除いた原案について採決いたします。これに贊成の諸君は起立を願います。 〔總員起立〕
○島田委員長代理 起立總員。よつて本案は修正議決されました。 —————————————
○島田委員長代理 次に金融再建整備法の一部を改正する法律案及び勞働者災害補償保險特別會計の一部を改正する法律案を一括議題といたしまして、討論採決にはいります。討論は通告順によつてこれを許します。中崎君。
○中崎委員 私は日本社會黨を代表しまして本案に簡單な希望意見を付しまして贊成せんとするものであります。 金融機關再建整備法によりますと、わが國における戰時中等における幾多の金融機關の健全な發達の上における障害を除去するために新しい日本の經濟を律する金融機關として使命を、完全に果すがためにできたものであるわけでありますけれども、その後の運用の状態を見まして、ことに生命保險に、あるいは火災保險におきましても、幾多なおその根據の薄弱なような企業體も存するわけでありまして、こういうようなものの整備はこの際強力に實施しまして、もつて保險業の信用の確保に當ると同時に、保險の健全な發達に最善を盡していただきたいと思うわけであります。さらにに銀行等の金融機關に對しましても、現在財閥銀行の解體というものが著々とその進行をみつつあるわけでありますが、その株式の一般公開等によるところの民主化はもちろん、さらにまたこれらの運營についても極力その缺點を排除されまして、そして新しい金融機關の使命とともに、民主的運營に最善を盡していただきたいということを希望する次第であります。
○島田委員長代理 早稻田君。
○早稻田委員 民主黨を代表いたしまして申し上げますが、ただいま上程になつておりまする兩案に對しては原案に贊成する次第であります。
○島田委員長代理 塚田君。
○塚田委員 私は日本自由黨を代表いたしまして、ただいま議題となつております兩案に簡單に希望意見を付して贊成いたします。ただいま社會黨の委員からもお話がありましたように、金融機關の再建整補は、日本の金融機關の再建、ひいては企業の再建に重大な問題を藏しておる大きな法律であります。この法律がこのたびその運用上不利な點について修正が加えられたので、非常に結構だと考えるのであります。問題は法案の修正そのものよりも、この運用をどういう工合にされるかということによつて、多分にその效果、法律そのものの狙いが眞に達せられるかどうかということに、重要な影響をもつと考えられるのであります。もちろん現在預金者その他は、金融機關の運命が、どういうぐあいになるかということについて、相當大きな關心をもつております。そうしてそれに關連して多少の動搖も免れがたい状態にあることも御承知の通りなのでありますが、この新しい改正案が早急に實施せられまして、それらの點について適切なる政府の處置がありまして、そういうようないろいろな弊害、副作用を除去いたしまして、その目的を十分に達せられることを切に希望してやまない次第であります。
○島田委員長代理 内藤君
○内藤委員 國民協同黨を代表いたしまして、本修正案に簡單な意見を申し上げまして賛意を表する次第であります。この改正案の運用いかんによりまして、ただいまお話があつたのでありますが、金融再建整備全般に、いろいろと考えられる問題があるのでありますが、從つてこの運用ということを非常に愼重にやつていただきたいということを申し上げまして、原案に賛成いたします。
○島田委員長代理 討論は終局いたしました。 これより採決をいたします。右兩案に賛成の諸君の起立を願ひます。 〔總員起立〕
○島田委員長代理 起立總員、よつて兩案は提案の通り可決確定いたしました。
○葉梨委員 議事進行に關しまして發言をいたします。すなわち先般來本委員會の理事會に委託せられておりました健全財政及び健全金融に關する決議案、竝びに貯蓄増強に關する決議案、この案の扱いにつきまして、理事會がその後決定せられたわけであります。この際理事會の決定を委員會に報告せられまして、その審議をお進めあらんことを希望いたします。
○島田委員長代理 ただいま葉梨委員から議事進行に關する御意見がありましたが、理事會におきまして、ただいまお手もとに配付いたしました通貨安定に關する決議案というものができまして、こちらへ參つたのであります。まず朗讀いたします。 通貨安定に關する決議案 政府は、さきに發表した經濟緊急對策中に健全財政、健全金融方針の堅持と救國貯蓄運動の積極的展開とを掲げているが、若し通貨累増の傾向が止まず、物價騰貴の勢が益々激化するようなことがあれば、經濟の再建はおろか、滔々たるインフレーシヨンの怒濤は逐にわが國經濟を崩懷し、國民生活を絶望の淵に押し流してしまうであろう。 今や聯合軍當局の厚意により貿易の再開を見、又講和條約の成立も期待さるるの秋に當り一層われわれは、日本經濟安定及び再建のために、全幅の努力を傾注しなければならないことを痛感する。 救國貯蓄運動については、昨年の秋本院の決議もあつたが、其の後の情勢の推移に鑑みれば、更に積極的に且つ強力に推進する必要がある。財政については國の會計はもとより、地方財政や各種企業會計においても、極力健全財政主義を貫徹するとともに、金融面に轉ずることのないようにしなければならない。 從つて政府に立しては、財政金融の健全方針を堅持し、且つ其の基盤をなす國民貯蓄の増強に全力を學げることを要望するとともに、衆議院もまた全議員一致協力して、通貨安定のために、萬全を期することを誓うものである。 右決議する。 この通貨安定に關する決議案につきまして、皆樣の御意見を伺いたいと存じます。なおこの決定については、手續上まだいろいろ殘つておる點もございますので、本日は最後的に決定いたしませんので、御意見を伺うに止めたいと思います。
○葉梨委員 この通貨安定に關する決議案の案文そのものについては、われわれ異議はないのでありますが、本日これらの決定を延ばすということになつておるとしますれば、この際に銀行局長が出席しておられるようでありますから、今朝、各金融機關の分割等についてのいろいろな新聞記事等もありました。それらの點についても貯蓄の面において重大な關係のあることでありますから、この際お差支えない範圍におきまして、眞相を説明して參考にさしていただいたらどうか。かように思いますが、各派の御賛同を得ましたらば、その報告を聞きたいと思います。
○島田委員長代理 ただいまの葉梨委員の御希望は、まことに時宜を得たことと存じますので、銀行局長から、今朝の新聞あるいはその他に關しまして、貯蓄面に關係するところ非常に大でありますから、できるだけ率直に御説明を願いたいと思います。 〔速記中止〕
○葉梨委員 ただいまの銀行局長の説明を伺いまして、やや安心したと申しますか、そうであろうと思うのでありますけれども、しかし朝日新聞に今朝掲載せられましたことが、事實と相違しておるものであれば、相違しておるものであるということを、適當な方法によつて聲明せられるなり、何らかの方法をとつて世間に明らかにしておかれることが必要じやないか。かように思うのであります。本委員會を通じて説明された形式をもつて發表されてもよかろうし、何かしておきませんと、相當に動搖を與えはしないかと考えられます。それらについて政府として至急措置を講ぜられたならばいかがかと思うのであります。大切な今日の金融情勢のときにあたつて、處置を誤らぬように善處せられんことを政府に要望したいと思います。
○小坂政府委員 お答えいたします。ただいま葉梨さんから、きわめて適切な御注意がありました。前通貨安定對策本部長としていろいろ御心配をいただき、また今後の通貨安定について心を寄せられますことは、深く敬意を表する次第であります。御指摘の點でありますが、ただいま銀行局長が申し上げましたように、當局といたしましては、この記事に現われましたようなことは、目下のところ全然考えておらないところであります。現在われわれの最も力を入れております通貨の信用堅持、そのための金融機關の制度に、いささかもひびを入れないという、われわれの考えに至大な關係がありますから、この機會にこういうニユースは、われわれ正規のルートにタツチしておる者はまつたく考えていない。地域別分割ということは、絶對考えていないということを明らかにしておきたいと思います。さよう御了承願います。
○島田委員長代理 川島君。
○川島委員 葉梨さんに續いて、たまたま銀行局長がおられますから、この際お尋ねしておきたいと思います。 最近の新聞によりますと、第二・四半期の産業資金計畫が閣議で決定された。第一・四半期の資金計畫が百パーセントに必ずしもいつておらなかつたということは、われわれも記憶しておりますが、第二・四半期の計畫と、實際上の食い違いはどういう状態になつておるか。第二・四半期の資金計畫が最近新聞に出ておる通りのものであるかどうか。それをこの際できれば具體的に、詳しい御説明が願いたいと思います。
○福田政府委員 お答えいたします。昭和二十二年度といたしましては、四半期別の計畫は、當初は立てておらなかつたのでありまして、全年度にわたる計畫を立てておるのであります。その計畫は非常に荒い計畫でありまして、月に百億圓の貯蓄が集まる。すなわち年額千二百億圓の貯蓄をもとといたしまして、これが配分を考えたのであります。月百億圓として申し上げますと、百億圓のうち五十億圓は金融機關が自由に貸出す金であります。それから二十億圓は封鎖預金からの現金引出の財源であります。それから二十億圓は國債、地方債を引受ける財源、それから十億圓は復興金融債券を買う財源。そこで本年度當初の豫算を基底にして考えますと、さような月百億圓集まる預金を、ただいま申し上げました通り、財政資金竝びに産業資金に配分いたしますれば、それは通貨の増發とはならないという計算になるのであります。從いまして、ただいまの月の計算で平均まいりますならば、第一・四半期の資金總額は三百億圓となりまして、ただいま申し上げました數字のおのおの三倍を配分されることになるのであります。これが實績を見ますと、どういうことになつておるかと申しますれば、資金總額は三百四億であります。そのうち財政資金が六十七億、産業資金が二百二十八億であります。財政資金のうち國庫財政が六十五億、地方財政が二億となります。産業資金といたしましては、一般普通銀行の融資が百四十一億、復興金融金庫の資金が八十億、直接投資、すなわち株式の募集等が七億ということになつておるのであります。資金總額におきましては、豫定と大した違いはないのでありますが、内容におきましては非常な違いが出てきているわけであります。第二・四半期においてはどういうことであるかと申上げますると、財政資金の方はまだ特別會計竝びに一般會計の豫算が未決定でありまするために、これはまだブランクであります。産業資金だけについて決定を見たわけでありますが、産業資金の總額は三百四十五億であります。そのうち一般の融資が百九十億、復興金融金庫に百四十億、直接投資が十五億、かように相なつているのであります。この數字が先般新聞に閣議決定として出ている數字かと存ずるのであります。ただいま申し上げたのは産業資金だけの話でありますから、これに財政資金が加わりまして、そうして第二・四半期の資金計畫全體の數字となるわけであります。これを賄うべき資金、すなわち蓄積はどういうことでありますかというと、ただいま私どもが豫想しております數字は、第二・四半期におきまして、七月の貯蓄額が百億、八月は百十億、九月が百二十億で、合計三百三十億、それから封鎖預金の減少等を見ますると、結局純粹なる蓄積は二百六十億圓程度であると見ております。ただいま御承知の通り産業金融機關の融資規正をやつておるのであります、その規正によりますると、集まつた純粹なる蓄積の半分は自由投資にいたしますが、それを超えるものは産業資金、財政資金に配分することになつているのでありますが、そこで二百六十億圓の資金が集まりますと、その半分の百三十億が産業金融にまわし得る金になるのであります。それから殘りの百三十億圓のうち、大體私どもの腹づもりといたしましては、二割程度、すなわち二十五億圓を産業資金に使いまして、殘りの百五億、すなわち八割というものを財政資金として使うわけであります。從いましてこの百三十億圓プラス産業資金の二十五億圓——ただいま申し上げました二十五億圓、合計百五十五億圓を、先ほど申し上げました百九十億圓に比べますと、若干の違いがあるのでありますが、これは産業面から通貨の増發がそれだけくる、かような結果になるわけであります。
○塚田委員 ただいまの問題に關連して、私も常々疑問に思つておりますことを二、三お尋ねしたいと思います。實は政府が第二・四半期の資金計畫というものを立てておられるということで、その大體の結論はこうなつたということは、最近新聞紙上などで拜見しております。しかし私はあの資金計畫を見て、非常にいつも疑問に思つております點は、あのような毎四半期、もつとはつきり言いますならば、毎月の自由預金の順増が、この銀行券の膨脹というものを前提にせずに、ああいうことをお考えになつておるのかどうか。今も銀行局長のお話だと、毎月百億づつ殘していくと、一年千二百億づつ浮くのです。あの計畫通りはいつてくれば、銀行券増發はないのだということで、増發がなくて一年分千二百億自由預金がはいつてくると、銀行券はぐんぐん收縮して預金の方へまわつてくる、こういう結論になる。私どもはああいうような自由預金の順増、蓄積増というものは、政府が考えられておる場合には必ずその裏には、はつきりとは言つておられないが、銀行券というものが毎月々々やはり増加するものであるということを認めて、ああいう計畫を立てておられるのではないか、こういうように考えてみるのでありまして、もしそうであるとすれば、その増發の見積りをどれくらいにおかれて、あの第二・四半期の自由貯金の蓄積増というものを考えておられるのか、その點をひとつ伺いたい。
○福田政府委員 本年度當初において、月百億圓の目標というものをつくつたのであります。この目標が達成できますれば、大體においてこの通貨の増發はなかろうという計畫であつたのであります。ということは、百億圓で産業資金も賄いますし、また財政資金も賄うということでありまするか、結果におきましては實は百億圓の配分において、非常な齟齬を來したのであります。ということは、百億圓のうち、ただいま私が二十億圓は封鎖預金に對して見るのだというふうに申し上げましたが、これは實はその年を通じての平均の話であります。年を通じての平均の話である。ところが封鎖預金の引出しというものは、これは三月、四月に非常に多かつたということは何であるかというと、財産税の納付ということが三月、四月に行われ、また増加所得税の納付というものが行われまして、その兩税は第一封鎖預金を使つてよろしいということになつたために、第一封鎖預金の引出しというものが非常に行われたわけです。四月のごときは封鎖預金と自由預金の増減を差引きますと、かえつて三十數億圓の預金の減少になつたというような事態になつたわけであります。從いまして資金的に見ますると、銀行の資金というものは四月のごときは全然ないのみならず、三十數億の赤字であつた。それにもかかわらず産業資金は貸さなければならぬ。また財政資金の一部を受持たなければならぬ。その資金はどういうことであるかと言いますと、日本銀行から借受けをするということになりまして、通貨の増發を見ておるわけであります。これがこの計畫竝びに實績の齟齬を來した最も重大なる原因であります。當初におきましてはそういう計畫で、さような問題がなければ相當通貨の縮小をなし得たと思うのでありますが、しかしながら今後におきましては、財政資金の壓迫というものが非常に大きくかかつてまいりますし、財政で、おそらく一般會計におきましては、かりに收支のバランスがとれましても特別會計の方で數百億圓の相當大きな赤字というものが豫想せられるのであります。これが増加蓄積をもつて全部賄い得るかと申しますと、なかなかそうまいりません。産業資金のうち復興金融金庫、この復興金融金庫の追加資金額というものが、今度法律案をお願いいたしておるのでありますが、非常に大きな額になります。これまた蓄積資金を相當超える額になるのであります。それから一般金融といたしましても、先般「當面の金融對策」と題しまして發表いたしたのでありますが、物價騰貴の過渡的なずれを乘り切るためには、やはりわく外の貸出しと申しまするか、計畫外の貸出しを、臨時に日本銀行券をもつてするという仕組を考えざるを得ないはめになつてきたのであります。當初の計畫とは違いまして、今後は若干の通貨増發を認めざるを得ない状況になつてきたわけであります。ただいま私が申し上げました七月、八月、九月の貯蓄の増加額というものは、通貨増發ということは若干は考えております。そう多くは見ておりませんが、實際問題といたしましては百億、百十億、百二十億のときに考えた數字よりは、より多くの通貨が増發せられるのではないか。そうしますと通貨の増發額と資金の還元額との間には、大體あるコンスタントの比率というものがありますから、それを見つつ、その數字というものも若干の修正を要するのではないかというふうに考えております。いずれにいたしましても特別會計豫算の歸趨というものが、非常に重大な關係をもつておりますので、それを見た上、全體の資金計畫を立てたい、かように考えております。
○塚田委員 大體御説明でわかつたのでありますが、ただ資金計畫を立てられて、計畫通り預金が増加したというようなことが新聞に報道され、また計畫を上まわつて、非常に喜んでおるというようなことが報道されたりする場合に、その裏面に通貨がどれくらい増發されておるかということを考えなければ、これは全然意味のないことなんであつて、今の銀行局長の説明からすれば、通貨の増發が相當今後期待されるいろいろの因子があるということであれば、自由預金の純増加というものは、どうせ計畫以上に出るだろうと思うのでありますけれども、しかしその計畫以上に出るということは、決してそれ自體としては喜ぶべき現象ではなくつて、むしろその半面に悲しむべき現象がどんどん進行しつつあるということを、われわれは考えておかなくちやならぬ。それでそういうことを申し上げておきますのは、これは一時的にはそれで一應の經濟界の混亂を防ぐことにはなりますけれども、そういう政策を續けていくということになれば、結局ちようど私たちが戰爭中に臨時軍事費の厖大な支出を、強制的な貯蓄でもつて何とかかんとかやりくつてまいつたという結果が、もう一度再現されて、そうしてそれが最後の締括りをするときに、この間の舊圓の封鎖をするような、何かトラスチツクな處置を講じなければならぬ事態が出てくる。こういうことを國民が頭の中に意識的にか、あるいは無意識的にかあるのが、結局貯蓄の増強にまた影響するのではないかというようなことを考えて、自由預金の蓄積増の範圍内でやれば何でもよいというような考え方に對して、ひとつ愼重な御考慮をお加えになつていただくことが必要じやないか、こういうように考えておるわけであります。
○川島委員 ただいまの問題に關連があるのですが、納税の場合に對鎖預金をもつてかえられるというこの制度、これは大分インフレ促進の一役を演じておるような感じがするのであります。納税を封鎖でできるという原則をこの際改めて——小範圍のものは別でありますが、一定の限度以上の納税は封鎖は認めない。こういつた計畫は大藏省にありましようか。私はそういうことが必要な事態になつておるのではないかと考えます。その點についてお考えを承りたいと思います。
○福田政府委員 第一封鎖預金につきましては、不當にこれが使用を制限するという建前をとることは、封鎖預金全體の運用にあたつて相當重大な影響がある問題であろうというふうに考えまして、これが取扱いについては、きわめて愼重を期してきておつたのであります。しかるにただいま川島委員のお話のごとく、もう新圓が千數百億にもなつてまいりまして、新圓經濟の領域というものが非常に廣くなつてきておるのでありますから、税に引當で使用するというような點については、これは封鎖預金を大事にするという觀點から、別個の見地からもうそろそろそういう處置をとつてもよいのではないかというような考え方をいたしております。實は九月一日よりおつしやつておられるような方向の態勢を企圖しておるのであります。
○川島委員 續いてお伺いいたします。納税を新圓一本にするということであると思いますが、その際低額の納税の場合、そういう段階を設けずに、一切納税は新圓一本にするという考えでいくというのでありますか。
○福田政府委員 原則として納税は新圓一本でいく。しかしながら所得の源泉が明らかに封鎖預金しかないというような業種につきましては、税務署長の認定によつて封鎖預金でもよいという便法を認めております。
○川島委員 直税課長がもうすぐ見えるようですから、それまでもう一つ原則的に政務次官にお伺いしておきます。これは地方的な問題ですけれども、考えようによつては全國的な農村の問題、同時に地方財政の根本にも廣汎に影響があるのであります。お話で御存じかもしれませんが、實は埼玉縣で本年の一月に、供出を促進するために當時の知事が、百パーセント以上の供出をした農家に對して、その百パーセントから十パーセントを超えた場合に、その十パーセントの中の一割を酒造用米にまわす。そうしてその釀造いたした酒を農村に特別報獎用として配分をいたし、そのほかにそれと關連して當時の知事は縣民にこういうことを約束している。そのときに一割に相當する釀造に對しての酒税が、大體埼玉縣の當時の状況では二千萬圓以上になる。その二千萬圓以上になるところの酒税收入の半額を國庫の收入として、半額は埼玉縣に還元をする。還元した一千萬圓の財源をもつて百パーセント以上供出した農村にさらにそれを配分して、六・三制その他の農村自體の財政の財源に振向けてやる。こういう約束をいたしまして、埼玉縣は一月初旬において百パーセントを突破し、三月にはすでに百十パーセント以上を突破するという、全國まれな好成績を得たわけであります。そこで農村は溢れるほど酒が報獎用としてはいつてきた。これは別に問題ではないのですが、そのときに大藏當局と折衝した結果、二千萬圓の中の半額は地方に還元するということを約束したということを、その當時の知事が言明している。そういうことを含めて埼玉縣下の農民は、百パーセント以上の供出に總體的な協力をいたしたわけであります。それが約束通りにならずして、未だにその酒税の半額一千萬圓はおろか、まだ一文も埼玉縣に還元されておらないということで、明後日の埼玉縣縣會においてそれが問題化しようとしている。私どもの常識から言えば、酒税の半分は國庫收入で、半分は地方の財政に還元するというやり方は、われわれには納得できない。しかしながらそういう事情であつたから、われわれは埼玉縣の人間であるのでそれを點視しておつたのですが、はたしてそういうことを當時の大藏當局が約束したのかどうか。今日の主税局長である前尾さんは當時の關係者であつた。同時に今後の供出問題にからんで、他府縣から埼玉縣と同じような要請があつた場合に、今度の新たなる政府はそういうことを認めていくか、あるいはそういうことは今後やらぬのかという事柄と、もし内容を政務次官が知つておれば、この際お示しを願いたい。
○小坂政府委員 お答えいたします。實は私就任いたしましてからそのような問題があることは、今日初めて伺つたのであります。原則的に申し上げますれば、酒税のごときものは地方に勝手に還元するというようなことは、筋が通らぬように思うのであります。御承知のように税は全體として考えまして、地方分與税というものを全般的の見地から賦與することになつておるのであります。特に今囘六・三制その他の問題に關連いたしまして、地方に相當の負擔をかけることになるので、何とかしてこれを打開する途はないかということを考えましたあげく、決定いたしましたことは、とにかくその地方でできた預金部の資金は、できるだけ地方に還元しよう。數字で申しますれば六割までは地方に還元しようということ。それから六・三制に限つて特別に實くじを廢行する。しかもその場合、國庫納付金は從來の半分にするというようなことで、できるだけ地方の財源を充實させるような途を講ずることを考えたのでありますが、そういう國税をある地方を限つて、特別な例を開いて還元するということは、私の考えの中には現在ないのであります。ただ當時の關係者がどういう考えをもつておりましたか、あるいはまたそれを聽かれた人が、自分の方に有利な解釋のもとに、何かのことを聽き違いになつたのかもしれませんが、これは何分にもよく調べた上でなければ御返事できないことであると思います。
○川島委員 政務次官はおそらく御承知なかつたと思うのですが、實はこれは事實なんです。當時の知事がそれを完全な刷物にして、そうして勞働組合、農民組合、その他地方の有力者を集めて協贊をさせておる。その當時の説明によれば、大藏大臣竝びに大藏次官、主税局長、それらの有力な首腦部が、そういうことをやろうということを知事に明確に約束をした、こういうことを言つておるのであります。事實またその知事から私自身もそういうことを聽いておる。印刷物にもそれが載つておる。ところがこの問題に絡んで、新しく選出された縣會議員の諸公は、その當時のことを知つておつて、あの約束はどうなつたのだということで、明後日の縣會の開會を機會として問題になりかけておるのであります。當時の知事は現在の知事であります。從つてそういう責任ある地位におつた人が印刷物にしたのみならず、一般の各種民主團體の代表者にまでも約束をし、放言をしておる。そういうことが信頼されて、實は埼玉縣は一一〇%以上の全國まれな供出ができた。ところが、それが事實でないということになると、これは地方問題に還元してまいるのですが、相當な事態が起らぬとも限らない問題だと私は心配をいたすわけであります。そのときの關係者の國税課長でも見えればわかると思いますが、まだ見えませんので、その點はどうしてもこの席に間に合いませんければ、後刻でもよろしいです。できればきよう中にその内容を知りたい。そしてその結果によつて埼玉縣の方面の問題も途中でやまるか、あるいはそれがさらに具體的な問題となるというようなことになると思います。できれば、本席に責任のある方が來ていただいて、その内容を詳かにしてもらいたい。これはただ單に埼玉縣だけの問題でなく、今後の食糧の供出問題に絡んで、全國的にそういう事柄が埼玉縣と同じように起つてきた場合に、大藏當局は、前政府と同じような方針で、そういう一一〇%以上出した農村に對しては、一割の報奨釀造をやらせるかどうか、というようなことにも、實は關連をいたしてくる問題でありますので、しつこくこの席上でこの内容を明らかにしてもらいたいということを私は希望しておるわけであります。
○小坂政府委員 關係の者が參つてから答辯させることにいたします。
○青木(孝)委員 それでは次官がおりますから、私、お伺いしたいと思います。先ほどの通貨安定に關する決議案というものがまいつたのでありますが、これは私はその後承らなかつたのでありまして、前に健全財政、健全金融に關する決議案というものが出かけて、それがひつこめられて、あらためて通貨安定に關する決議案というものが出てきたようであります。ただいまいろいろ質疑應答を承つておりますと、銀行局長の御説明によりますれば、貯蓄が増強されようとされまいと、それは喜ぶべき現象でもなければ、悲しむべき現象でもない。結局昭和二十二年度においては相當な赤字が出るのだ。要約すればこういうことをおつしやつていたということになるわけであります。そういたしますと、通貨安定に關する決議案と、こう出ておりますが、前の健全財政、健全金融という名前を書きかえただけで、通貨安定ということになつておるわけであります。もつともこの中にも健全財政主義とか、あるいは財政の赤字を金融面に轉することのないようにというようなこともありますが、結局われわれの承つたところでは、健全財政主義なんというものは、まつたく風馬牛でありまして、聲を立てるだけということになると思うのであります。そうであるならば、通貨安定なんという大きな文字を掲げるほど、貯蓄の増強ということが重大なものであるかどうかということを、疑問に感ずるということになるではないか。というのは、貯蓄の増強だけで通貨安定の大きな——もちろん大きな要素には相違ありませんけれども、全部だ、あるいはそれによつて通貨安全ができるというふうには、私どもには考えられないのであります。要するに、今日問題はわれわれの一般的な公式から申しましても、政府の撤布資金が多いか少いか、これが通貨安定に關する重大な要因だと私は考えておるのであります。從つてこの貯蓄の増強ということは、確かに大要な要素でもありましようけれども、まず第一にわれわれが政府に要求したいことは、今年度既に追加豫算として、大體新聞紙上あたりで示されており、この間の大藏大臣の御説明の中にもありましたように、千八百五十億というような厖大な豫算が、大體われわれが今日示されておる數字でありますが、そういうことを考えますれば、いかに健全財政主義というようなことを言つてみたところで、それは言うそばから崩れてくる。そういうことを前にしてただそれで通貨安定というようなことを高唱してみたところで、どうかというふうに私は考えるのであります。もしほんとうの意味で通貨安全ということを考えるならば、もう少し積極的に案をもつということでなければならぬと思います。最近、特に八・一五以後における貿易の再開ということを考えまして、大體二億ほどの一つの通貨安全定要素とも考えらるべき資金が貿易上の基礎として上げられておる。それはクレジツトといつたような名稱でありまするけれども、そういうことになつております。これは私ども考えますれば、一つの金本位制といいますが、ブレトン・ウツヅ協定を基礎としたわが國のこれへの參加を、將來の條件とするものでありますけれども、それ以前にこれだけの二億というものがもち出されてまいりましたことは、むしろこれこそ安定の一つの契機というふうにも考えるのであります。これは私の主觀が多分にはいつておりますから、これのみでいいとは考えませんけれども、どうも現在議會で扱われておる通貨安定ということは實に空文であるという感が深いのであります。もし政府が健全財政主義、財政の赤字を金融面に轉することがないという御確信があるならば、あるいはそれを立てることができるという構想でもおありになるならば、政府當局の方で御發表が願いたい。どうも今までわれわれに示されておるところでは、健全財政主義、健全財政主義というような、世間でいうようなことでごまかして通ろうというようなことではおそらく通り得べきものではない。たれでもこんなことはわかり切つておるのじやないかというふうに思うのであります。こういう意味で、なほこれについては御決定になつておるのか、それとも今後御決定になるのか存じませんが、よく一つ政府當局、あるいはこれを御提案になつた方面でもお考えになつて、もう少しこの文案竝びに内容についても、御檢討あつてしかるべきものと考えますので、時間を拜借いたしまして一應希望を申し上げます。
○小坂政府委員 お答え申し上げます。健全財政ということが文字通りに解せられることは、おそらく經濟全般が健康な状態に囘復したときに、初めて言えるのだろうということと私も解するのであります。しかしながら健全財政を堅持したいという考え方は、私はいつの世たりともこれは捨ててはならぬのだ、そういうスローガンを掲げまして、現實から遊離しておるような議論を私としては立てたくない、こう思つておる。政府の考え方を申しますと、健全財政というのを、文字通り一般會計の面におきましてはこれを堅持いたしまして、そうして歳入と歳出をぎつちりと合わせる、國民所得等を勘案いたしまして極力この歳入の面を殖やして、その歳入の面でまかなえる限りにおいて歳出を考えていく、入るを計つて出るを制すると申しますか、そういつた財政の原則を堅持していくというふうに考えておるのであります。しかしながら申し上げるまでもなく、ただいまの國情は決してその入るに連れての支出ということのみを言える際でもありませんので、かなり歳入の面においては、國民所得全般の關連において無理があると稱せられることが少しくらいあつても、それを強行しなければならぬじやないかという考えをもつている。その面におきましてまだ今の税務機構等の不備のために、相當高額のインフレ所得者に、逃れられる口を與えておるのではないかという面もございますので、大臣もよく申しますように、今般税務機構の量と質とを改善いたしまして、徹底的にインフレ所得を捕捉するということをいたす考えで、この點はもう發足いたしておるのであります。さらに特別會計の面におきましても、これを極力黒字化する。先ほども銀行局長が述べましたように、財政資金の壓迫が一般金融を壓迫しておるという面も、實はこの特別會計の面に非常にあるのであります。これを極力黒化することに努めます。しかしながら今十數年の戰爭を閲しております後のわが國の經濟状態のもとにおきまして、一氣に特別會計を全部黒字にするということも、きわめて困難を伴いますので、これに關しましては五箇年乃至三箇年といつたそれぞれの計畫によりまして、鐵道竝びに遞信の會計を建直す計畫を立てたい。さらに地方財政の面におきましても、この健全財政の原則を貫いていく。こういつた三つの足の上に立つてそして通貨の安定を緯として考えております。結局健全財政主義と通貨の安定というものは、値段の兩面のようなものでありまして、通貨の安定だけをいつて健全財政主義を貫かなければ、通貨の安定はできません、通貨の安定をいつて貯蓄の増強をいくら叫びましても、健全財政主義というものが放棄されるときにおきましては、これまた何らの實效を伴わないのは御承知の通りであります。 今の御所論を大約いたしまするならば、しかしそういう主義はよいけれども、實際の面において財政が金融を壓迫して、金融の面に逃れて、金融の面から通貨が相當増發されていくのではないか、それを放置しておいて、ただ貯蓄貯蓄と言つても意味がないじやないか、こういうふうに考えられるので、私としてもその點は御同感であります。ただそれでは貯蓄の増強について何ら關心をもたなくてよいかというと、これは決してそうはまいらぬので、われわれとしては極力増發される通貨を、全部貯蓄に還元するように考えていかなくてはならないのであります。それで政府といたしましては、その貯蓄を推奨する根源といたしまして、通貨の信任を堅持するということをいつているのであります。この考え方に基きまして新圓の再封鎖または登録のようなことを絶對にしない。さらに金融機關というものは、他の企業と別個の性質のものであるというような觀點におきまして、金融機關の保護政策というようなものを極力考えているのであります。というのは、金融機關の信用を堅持するということが、結局新圓に至大の關係があるからであります。そこでそういう一連の考え方に基きまして、しかもなお物價は次第に高進していくではないか、といたしますると、結局その物價の高騰に從いまして、預金をしている者が實際においてそれだけ損をしていくじやないかという考え方が、どうしてもついてまわると思うのであります。この考え方に關して政府といたしましては、まず物賞つきの預金ということをこの頃考え出してこれを實行することにいたしたのであります。と申しますのは、具體的にはこの第二・四半期に自轉車を一萬臺、これは第二・四半期の内地向けの自轉車のほとんど全部でありますが、これを貯蓄の見合に出す、その他いろいろの物品を考えておるのでありますが、そういう物賞つきの預金というようなことを考えまして、この預金における貨幣價値の低落を、物の價値ずけによつて防いでいこうというような考え方をいたしておるのであります。竿頭一歩を進めまして、さらに預金の安定價値計算を考えたらという考え方も、當局ではございませんが世間に一部あるのであります。これに關しましてはなかなか方法が困難である、すなわち實際の貨幣價値の變動の尺度というものが取り得ないということ、またそういうことをいたします場合には、通貨の價値は低落しつつあるという前提を認めてのこととなるので、これを實際に取上げる面におきましては、相當の困難を伴うのであります。それで結論的に申し上げたいことは、われわれとしてはどうしてもこの際今の經濟の混亂をその線で絶ち切つて、そして日本の經濟再建をしなければならないのでありますが、この際現象形態を追つていたのではどうしてもだめなのだ。結局貯蓄というようなことは政府が騒いだりいたしましても、決してよくこれを全うすることができないのでありますが、國民全體が現象形態を追わないで、これからわれわれとしてもいかに國を再建しなくちやならないかというような一つの自覺に徹しまして、もつと國の再建という崇高な理念に立ちまして、ひとつ貯蓄を通して通貨價値を安定していこうという氣分に皆なつてくれれば、月百億が百三十億になり、あるいは百五十億になる形も可能であろう、こう考えておるのであります。最後に囘轉基金の問題についてちよつと言及いたしましたが、私の考えでは今度の囘轉基金の問題は、通貨安定クレジツトとは違うのではないかと思つておるのであります。これは御承知のように日本の縮小再生産を絶ち切るために、生産再開の呼水として使われるクレジツトでありますが、この問題は通貨價値の問題とは別個の問題として考えたい、こう思つておるのであります。はなはだまとまりませんが、そんなことを考えておるわけであります。
○青木(孝)委員 ただいまの小坂政府委員のお話はいろいろと御親切に御説明いただきましたが、ここに書いてある文面から考えますと、極力健全財政主義を貫徹するとともに、いやしくもその貫徹をするということであるならば、困難ではあるけれども、何らかその方策があるものと考えて貫徹するという文字が出てくるのだと思うのであります。從つてその點についてはお答えのところがあいまいになるというふうに思うのであります。なお最後に私が通貨安定に關する問題として、貿易の再開を契機として與えられたクレジツトの問題を引用したことについて、一體お考えによれば、國家は貨幣價値を創造し得るものだとお考えになつておるが、この點をちよつと私はお伺いをしたい。そういうことであれば、今仰せのようにこのクレジツトというものは、ただ貿易の再開、しかもそれについての一應の保障という簡單なものであつて、日本經濟再開に對して、たいした效果はないものだと考えるのでありますが、いやしくもこの貨幣價値の問題を中心として考えます限りにおいては、私は仰せのような説明では十分でないと思いますし、必ずしも通貨安定に關係したというふうに言われることは、はなはだ簡單にいくものではない、かように思うのであります。しかし私は必ずしもここでこの問題が直ちに日本の圓を安定せしむる最大の要素であるということを申し上げたわけではなく、こういう意味での通貨の價値を安定せしむるというような、國家の財政經濟政策というものをお考えにならなければならぬ。政府といたしましては、少くとも健全財政主義を貫くという意味で、もつと積極的に財政經濟の面に意を注ぎますとともに、進んでは特別會計における赤字のごときものも、もし政府に勇氣があるならば、鐵道會計あるいは通信會計にしても、その經營の合理化ということを積極的に斷行せられることによつて、おそらく赤字を克服する大きな理由をそこにつくり上げることができると思うのであります。ただ已むを得ないというような説明でありましたから、一應その點にも觸れて申し上げた次第であります。なお誤解のないように繰返して申しますが、私はクレジツトの問題は通貨安定に關する云々ということと、必ずしも一緒にして考えなければならぬということを申し上げたわけではありませんが、少なくともその價値の創造、貨幣價値の安定ということを中心として考える限りにおいては、やはりこういう問題を、ひとつのドルならドルにリンクされた形において、十分お考えになつていく必要があるのではないか、こういう意味で申し上げた次第であります。
○小坂政府委員 お答え申し上げます。前段の健全財政主義を堅持するという點につきまして、私の言い方が足りなかつたようでありますが、もちろん私どもといたしましては健全財政主義を堅持するという建前から、豫算の編成にあたつておるのであります。ただ鐵道、遞信等の特別會計におきまして、これを一氣に黒字化することについては、種々困難を伴うということを申しげた點が御不滿のようでありますが、遞信に關しましては、今囘の追加豫算ではこれを黒字化することができるだろう、かように考えておるのであります。ただ前囘から千百四十五億の豫算の中に出てきます赤字の面もあり、遞信、鐵道等の特別會計の面において出きてておる赤字の引繼ぎもありますので、これを追加豫算で一氣に黒字化することはできない、かような意味を申し上げたのでありますから、その點誤解なさらぬように御協力願います。後段の貿易囘轉基金の設定に伴うクレジツトの問題でありますが、これも私が學問的に申し上げた點が、あるいは説明の不十分をきたしたのではないかと存じます。為替の安定のためのクレジツト、通貨安定のための、あるいは貿易再開のためのクレジツトという面をわけて申し上げましたから、この點誤解があつたろうと思うのでありますが、もちろんこういう非常な司令部の好意によりまして、日本の經濟が世界經濟の中の一環として發足し得るようになつた。すなわち日本の圓がドルとの間に關連をもつようになつたということは、非常に大きな事實であります。われわれもこの機會を極力善用いたしまして、日本の經濟の再建を圖り、またひいては通貨の安定をきたすために、極力努力いたすように考えておるのであります。これまた御注意のごとくわれわれとしても十分な努力を傾ける考えであります。さよう御了承願います。
○前尾政府委員 埼玉縣の超過供出に對して、酒をある程度農家に還元するということについては、すでに八千石の米を縣から貰いまして一萬石の酒をつくり、そのうち四千石は農家に還元し、その殘りの三分の一は縣の勞務者に還元しております。これは現實にそういうように手配濟みであります。もう一つの問題として酒税の半分を還元してほしいという意見がありました。消費税を地方に還元するということは現在の分與税の建前、あるいは税制全般の建前としてできないことであります。消費者は全國に跨つているわけで一縣だけに酒税を還元するということは現在やつておりません。また省として非常に大きな問題であります。從いまして當時から税の還元については、私はすべてお斷りいたしておるのであります。ただ主計局の問題といたしまして、ある程度の還元をするというと語弊がありますが、何らか補給金、あるいは交付金というような形で——實質上は還元になりますが、そういうことを、單に主計局獨自の立場でやられるならば、必ずしも不當でないと考えております。これがたまたま問題に相なりまして、非常に否定的でありましたが、全然いかぬということではなしに、多少は出してもよろしいような話になつたと私は伺つております。ただその額がいくらになりましたか、ただいまのところ私は聽いておりません。
○川島委員 八千石の米をもつて酒をつくつたとすると、相當な税收があつたわけでございます。その税收のうちの半分を埼玉縣に還元することを了承されたというので、當時の知事が縣下の民主團體、たとえば勞働組合、農民組合、その他一般の有志を集めて、そうして總力をあげて超過供出に協力を求められた。また縣の各團體、その他の人たちも、そういうことが實現できるんだという了承のもとに、かなり無理をして超過供出に努力してきた。しかもその了承を得たということは、言葉の上ではもちろん、文書の上でもそういうことを明確にしるして、多くの協力を得させた。しかも先ほど申し上げたように、二千萬圓と私はたしか記憶しておるのでありますが、その二千萬圓に達する酒税の中の一千萬圓が埼玉縣へはいつてくる。はいつてきた一千萬圓は、それぞれ超過供出をした農村に還元して、農村の財源に充てる。こういうことを大藏大臣、次官、主税局長もそれぞれ言明された。そういうことを約束して、縣民に協力させたわけなのであります。ただいま聞くところによりますと、そういう話は主税局としては反對してきた。しかるに一方主計局の面においては、還元という建前でなく、何らか他の方法をもつて埼玉縣にその報奬というか、還元と言いますか。そういつたことをしてあげようという含みがあつたようになつております。それで埼玉縣は大いに期待しておつたのでありますが、未だに一錢も來ておらないので、實はその當時供出に協力した民主團體、あるいはそのことを信頼して供出に協力した農民の非常な不滿を今買つておるわけであります。殊に政治というものは、うそを言うことは好ましくない、非難すべき事柄であろうと思いますが、そのときの知事の言葉では、大藏省はもちろんだが、主税局長も次官も、それに了承したということを言つております。そういうことはなかつたのでありましようか。それから税額はどのくらいですか。
○前尾政府委員 ただいまお話の、知事がいろいろ文書をもつてお出しになつておるのは、私が交渉を受ける前に見ました。しかし私としては全部税の還元はできないということをはつきり申しております。それからその後できるだけ協力してやつてもらいたいという話は、次官等からも聽きましたが、しかし出すということは、大藏省としてはたれも言明していないと思います。ただいま申し上げました主計局の立場として、ある程度のことは考えなければならぬじやないか。あるいは考えると主計局から申されたかしりませんが、そういうような方向で考えることになつておつたかと思います。税額といたしましては、四千五百萬圓の半額、二千二百萬圓ということになつております。
○川島委員 これは一地方の問題ですが、なかなか重要な問題になる可能性がある。とにかる現職の知事が、かりにもそういうことを言明されて超過供出に協力を求められた。それで民主團體がその氣になつてやり、農民團體もその氣になつてやつた。これはただ酒がもらえるだけでなく、地方の財源が枯渇している、そこで今聽くと、二千萬圓にも達するものが、それぞれ超過供出をした農村に返つてくる。これは地方の枯渇している財源に非常な助けとなる。こういう眞劍な氣持から、農村は總力をあげて協力をした。それもなまはんかな協力でなく、非常に協力をした。それにもかかわらず、實は今日になつて、それはうそだつたということになると、非常に協力をいたした農村はもちろん、それに側面からさらに推進的な協力をいたしました勞働組合、そういつた人たちは、これはだまされたという結果になるおそれが十分にあると思います。同時にそれだけでなくして、時の知事がそれをやらした。しかもその知事が今日現職の知事であつて、責任の地位にある方である。そうなつてくると、そのやつた事柄は政治上重大なる問題になるのではないかと思うのであります。これは大藏省に密接なる關係のある問題として、おのずから責任問題が生じて來はしないかということになるわけであります。今のお話では、當局はそういつたつもりはない。しかし知事はそういうことを聽いた。だから農民組合その他に働きかけて協力させた。しかるにそれは違うのだということは、水掛論になるかもしれないが、從來も政府は農村にいろいろ約束しながら、それが皆違つていた。今日はそういうことはありませんが、とにかくそのはなはだしいのが埼玉縣の例であります、私はこういうことをした場合、現職の知事にどういう責任が起きてくるか、疑問をもつ一人であります。この事柄に對する主税局長の見解はいかがでありますか、參考のためお聽かせを願いたいと思います。
○前尾政府委員 先ほど申し上げました通りに、文書を見ましたときに、われわれは全然交渉を受けなかつたわけではありませんが、はつきり斷つたことが二囘くらいあつた。そのうちに文書が出たということになつております。それがたまたま問題になり、強硬な意見もあつたのでありますが、先ほど申し上げましたように、その後埼玉縣として了解はある程度受けられたように聞いております。またただいま申し上げましたように、主計局で處分のことは考えるというようなことに考えておるのであります。私個人の意見といたしますと、知事が少し早まり過ぎられたように考えておつた次第でありますが、しかしその後ただいま申し上げましたように、八千石の酒も、これは四月を越しておりましたから、われわれも酒をつくるのになかなか困難はいたしたのでありますが、相當いい酒ができ、しかも四千石の配給も終り、それがまた勞務者にも行つておるというわけで、相當成功せられたというふうに考えておりますので、あるいは當初の言明よりは、ただいま申し上げましたような交付金の問題等に、幾分齟齬があつたといたしましても、知事としては相當努力せられたというふうには考えております。しかし事實は先ほど申し上げましたように、私その文書を見ましたときには、實は非常に憤慨したような次第であります。そのときには殊に交付金の問題については、はつきり斷つておつたような事實になつております。
○川島委員 最後にちよつと伺いますが、埼玉縣の例でありますが、このことは思いつきとしては非常に大きな思いつきであり、埼玉縣としては非常にいい成績を擧げたのでありますが、今後もやがて供出問題は起つてくると思います。そういうことに對して各縣にもそういうような意向があつて、超過供出に對しては、その一割ないし一割五分は釀造用にまわしてよろしい。それを還元配給せよということの要求があつた場合には、それは各縣の陳情でも要望でも、それを認めていくという方針なのか、それともこの事柄は埼玉縣の特殊の例外であつて、全國的問題ではないという取扱いをするのか、その基本的な方針について最後に一言承つておきたいと思います。
○前尾政府委員 超過供出に對しまして、ただいまのように酒造をし、その酒を農家に還元するという問題は、實は埼玉縣の問題以前からわれわれが關係方面と種々交渉をいたしておる次第であります。その結果はただいま埼玉縣で行われましたように、一石の供出をしてその一割で酒をつくつて、農家に還元配給するのはそのまた半額、すなわち一石出しても五升しか酒が配給にならないということでありまして、この制度を全國的に實施する場合に成績を擧げ得るかどうか。われわれとしてはもつと酒の量を殖やしてもらわないと、實際の成績が擧らないのではないかというわけで、その酒をつくる量を殖やしてもらうことについて、種々交渉してきておつた次第であります。それで埼玉縣の問題については、これは關係方面では今年とにかく一つの試みとして還元以外には——もつともすでに埼玉縣が許されましたときには、先ほど申し上げましたように讓造時期を過ぎておりましたので、他の縣でもやろうと思つても困難なときでありましたが、とにかく本年は埼玉縣以外はやらない。埼玉縣で試みにやるのだというようなことになつておつた次第であります。從つて本年度としてはわれわれは從來通り、この酒をつくる量を殖やしてもらいたいという交渉を續けていくつもりでありますが、埼玉縣と同樣な數量であつても、なおかつ全國的にやることを奬めていくがいいかどうかということについて、ただいま檢討中であります。
○島田委員長代理 先ほどちよつと申しましたが、月曜日の午後一時から財政金融委員會として大藏當局との祕密會と申しましたが、これは聽き違いでありまして、打合會のようなものでありますから、さよう訂正いたします。なおその日にただいまの通貨安定に關する決議案の最後的の決定をいたしたいと思います。林大助君
○林(大)委員 一つだけ小坂次官にお尋ねいたします。御承知のように貿易資金特別會計というのがございまして、貿易廳はあれでもつて輸出品の引取りをして金を拂つておるのであります。ところが最近貿易再開で華々しくいこうというときにあたりまして、第一・四半期の豫算がなくなつてしまつたということでございましよう。品物は取りながら、すでに一箇月以上も金を拂つておらないのであります。そのうちに第二・四半期の資金を使い得るようになるまでという意味のようでありますが、貿易廳の方は先ほども商業委員會でいろいろお聽きしましたところが、しばらくお待ちを願いたいという御答辯でありました。これは一方が政府であるから、生産者もまた貿易商も一應は品物を渡します。ところがこれは御承知のようにビジネスである以上、こういうべらばうなことが今後あるのであつては、とうてい日本の貿易を振興さしていくことはできないと思うのであります。だからこの貿易資金特別會計なるものは、私の見解をもつてすれば、どんどん物に變つて囘轉していくものであつて、インフレとはあまり大きな關係はないと思いますので、かなり餘裕をもつてわくをとつていただき、そして品物を政府が受取つた以上は、やはり約束通りきれいに拂つていくという制度を立てられたいと希望するのであります。そこで今引かかつておる金額と口數は知りませんが、引取つた物の代金はなるべく早くお拂いを願いたい。業者はとにかく一月の間やりくり算段をして、金を借りようにも方法がない。商工省の玄關をうろうろしておるというような状態であります。これは非常に貿易の妨害になるという點、それを是正願いたいということと、それから貿易資金の特別會計はどのくらいのわくにおきめになる豫定であるか、そのそれぞれの基礎が伺えましたらなお結構でございます。
○小坂政府委員 ただいまの貿易資金特別會計に關する御質問はまことにごもつともでありまして、實はこれに止まりませんで、政府が支拂うべくお約束したもので、まだ支拂いの遲れておるものが他にもいろいろあるのであります。その總額は相當の額に上つておりまして、たしか百二十億圓くらいであつたかと思います。これを目下のところ至急に清算してお拂いするように。と申します意味はもちろんこの政府のお約束したものが拂われないということ事態がおかしなことでありますし、また政府が支拂わないために財政資金が結局金融を壓迫して、金融機關がそれだけに動かなくなつて、さらにそれが皆さんに御迷惑をかけるということもございますので、この面を極力早く打開するようにいたしております。閣議といたしましても取上げてやつておりますが、目下細目にわたつて檢討して、遠からず御要望に副えるものと考えておるのであります。なお貿易資金の現在のわくに關しましては、目下追加豫算の編成ともにらみ合わせて、いろいろ關係方面とも話合つておりますので、しばらくお待ちを願いたいと思います。
○島田委員長代理 本日はこれをもつて散會いたします。 午後四時散會