財政及び金融委員会 第5号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/07/12
会議録
○北村委員長 會議を開きます。 前會に引續きまして國民貯蓄組合法の一部を改正する法律案について質疑を續けます。内藤君。
○内藤委員 この改正案につきましてきわめて簡單なることを一、二御質問申し上げたいと思います。改正案に「第四條の二を削る」という言葉がありますが、第四條ノ二と申しますのは、「市町村農業會其ノ他第二條第四號ノ團體ヘノ貯金ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノハ國民貯蓄組合ノ斡旋ニ依ラザルモノト雖モ前條ノ規定ノ適用ニ付テハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外之ヲ國民貯蓄組合ノ斡旋ニ依ルモノト看做ス」というのがあるのであります。これをお削りになる理由を一應お尋ねいたしたい思います。
○福田政府委員 農業會、市街地信用組合等の預金は、國民貯蓄組合ではありませんけれども、國民貯蓄組合と同樣、一萬圓以下の預金につきましては免税する。國民貯蓄組合と同樣の扱いをいたしまして、免税の扱いをするというのがこの四條の二の現在の趣旨であります。ところが、過般來、御承知の通り、税制の改正をいたしまして、免税團體というものを極力整理してきたのであります。その權衡上から申しますると、現在の状況におきましては、農業會、市街地信用組合等を、無條件にこれを免税團體であるというふうにいたすことは、適當でない段階に立ち至つたのでありまして、今囘それをはずす、しかしながら農業會、市街地信用組合等が、貯蓄組合といたしまして別に看板を掲げるという際におきましては、貯蓄組合といたしまして從來通りの取扱いをいたす、かようなふうに改正しようと思うのであります。
○内藤委員 税制の改正によりまして、免税團體の整理のために農業會竝びに市街地信用組合を除くということなのでありますが、現在インフレという問題が非常に大きな問題でありまして、この解決のためにいろいろなことを官民ともにやつておるのでありまして、殊にその中でも金融財政の方面から見ますと、貯蓄の奨勵ということは一日もゆるがせにしてはならぬことだと考えるのであります。そういう時期にあたりまして、市町村農業會竝びに市街地信用組合が、單なる税制整理の上から免税團體を整理するということで、言葉を換えて申しますならば、適當でないというので御整理なさるというそのお心持を、はなはだ恐縮でありますが、重ねてお尋ね申し上げたいと思います。
○福田政府委員 農業會や市街地信用組合の預金が、そのまま貯蓄組合とみなされまして免税の取扱いを受けるということになりますと、權衡上非常に他に影響するところが多くなつてくるのであります。そこで、實體はさして變りないのでありますが、一應農業會を單位といたしまして貯蓄組合をつくる、あるいは市街地信用組合が同時に貯蓄組合を形成するというような際におきましては、貯蓄組合という考え方において免税の取扱いをいたそう、こういうことであります。同時に貯蓄組合といたしますれば、普通の農業會の預金と違つて、貯蓄組合という看板によりまして、貯蓄意欲というものが相當普通の預金とは違つた面において動くのでありますから、とにかくあなたのおつしやられるお氣持を、現在の税制の全體と調和させながら實現しよう、かような趣旨でやつておるのであります。
○内藤委員 なるほど附則の改正の方をみますと、あまり影響のない御措置を講じておるようであります、「第四條ノ二の改正規定は、政令で定める日から、これを施行する。」というので、この改正法律全體の施行と切り離してある。これはいつの日からか存じませんけれども、私が付度いたしまするに、おそらく農業協同組合というものが施行されるそのことをお考えになつておられるのじやないかと思います。これは私の推測でありますから、間違つておりますればそれは間違いだとおつしやつていただきたい。そうして一番末尾に、さらにまだ八箇月の猶豫期間をつくつておられる。こういうことになつておりまして、どちらかと申しますと、あまり影響のないような措置を講じておる。それは一應わかるのでありますが、こういうことをおつくりになるならば、なぜ現行のままで悪いのであるかということを考えるのであります。それは、どういうことでありましようか。
○福田政府委員 現行のままでありますと、農業會や市街地信用組合などの預金が、そのまま貯蓄組合の預金とみなされまして當然免税と相なるのであります。そういうことは他の免税の方との權衡上どうもおもしろくない。それで私どもといたしましては、早くこの問題に手を打ちまして、逆にこれを、貯蓄組合としての看板を掲げるという際におきましては、從來通りの取扱をいたそう。むしろ整理される面に對しまして、先んじてこの預金を育成するという見地から手を打つという氣持でやつているのであります。その手を打ちませんと免税團體の整理という權點から強く批判される。かように考えております。
○内藤委員 他の均衡の上から整理なさるということはわかつたのでありますが、ただいまのお話の中にも、二枚看板でやつていかれる、國民貯蓄組合の看板をあげたらいいじやないかということであります。それはきわめて簡單なようでありますが、實は煩雜なのであります。組合員全體の印證をとらなければならぬことがありますし、また、そうなりますと帳簿も別にしていかなければならぬというようなことの煩雜なところがありまして、おそらく私は、市町村農業會、市街地信用組合はこれをやらぬのじやないかと思うのであります。貯蓄を一生懸命やらなければならぬときに、どうしてそういう煩雜なことをしてまで貯金を抑制するようなことをなさるのか。そういうことについての便法でも講じなさるのか。これをちよつとお伺いしたいと思います。
○福田政府委員 今囘の改正をいたします動機は、從來一萬圓以下の預金が免税となつておつたのであります。それを今度三萬圓に引上げようということがこの改正の要件でもあるのであります。この三萬圓に上げるという措置をとると、その際免税團體として相當問題が起きてくるのであります。しかしながら、現在の一萬圓を三萬圓に上げても、貯蓄組合の預金というものは保護育成するということを必要とするという見地から、三萬圓に上げることを決意いたしたのでありますが、同時に、上げることによりまして、農業會の預金、市街地信用組合の預金、この預金がそれと相竝んで同樣な取扱を受けるということでありますと、それは、ただいま申し上げた通り權衡上いろいろな問題が起つてくる。そこでその看板を變えて掲げることによりましてその權衡を保持していく。かようなことであります。なお組合の結成等にあたりまして、なるべく簡便にこれができるような措置を極力講じていきたい、かように考えております。
○内藤委員 終戰と同時に各地で隣組がそれぞれ廢止されたのでありまして、それまでは隣組というものが、貯蓄組合に對して相當な働きをしておつたのであります。この隣組が廢止されました後において、この國民貯蓄組合の仕事というものは、實體がなくなつたと申し上げることはいかがかと思いますが、非常に機能が弱くなつたのではないかと思います。ただそういう間にありまして、ひとり市町村農業會、もしくは市街地信用組合のみにこういう恩典がありますために、ややその方の仕事をやつておつたのではないか。そういう時期におきまして、わざわざこういう改正をなさるということはどうかと思うのであります。これはやや私の意見になりますからそれだけにしておきます。 次にお尋ねしてみたいと思いまするのは、將來農業協同組合ができましたときに、どういう關連において御方針をおとりなさるのでありますか。やはりそのときは、二枚看板を上げさせるということになるのでありますか。そこらあたりの今考えておられますことをお伺いしてみたいと思います。
○福田政府委員 農業協同組合はどうなるかということにつきましては、目下政府において結論を得ておりませんが、言われるところの農業協同組合というようなものができた場合におきましては、その際に新しく貯蓄組合という看板を掲げまして、さような仕組によりまして免税の恩典をとるというふうなことを考えております。
○内藤委員 實はこの問題に關連いたしまして、いろいろ農村金融のことについてお尋ねいたしたかつたのでありますが、時間もあまりないようでありますし、いずれ他の機會にそういうこまかいことについてお尋ねいたしたいと思うのでありますが、ただ一つ二つこの機會にお尋ねいたします。それは資金融通準則というものが、三月一日から施行になつておられます。これによりますと貸しつける金額は集まつた貯金の二分の一以内ということになつておるようであります。ところが農業方面の資金の關係を見てみますと、その年の上半期が大體投資の時期であります、下半期が囘收の時期であります。四月、五月、六月ごろが一番農村では資金の要るときで、貯金の非常に減るときであります。こういうときにこの準則に定めてありまする集まつた金の二分の一以内の貸付ということなりますと、ほとんど農業の貸付金というものはできないということになるのであります。もちろん戰爭中はそういうふうな状態の形をはずれまして、毎月貯金は殖えておりました。しかしこれは戰爭中の特別な變態の形でありまして、農業金融の普通の形ではないのでありますが、しかし終戰後はややもとに戻りまして、農業金融の本來の形になつてきたのであります。こういうことで、今年の上半期におきましても、農業の生産に要する資金は著しく枯渇いたしまして、ある縣におきましては、肥料を買いつける資金も系統機關である中金から斷られて、肥料は貨車には參つたけれども需要地には行かなかつたというような實情もありまして、まことに農村においては困つたのであります。こういうことは農業生産を一生懸命に考え、食糧増産を一生懸命に念じている者からしますと、なるほど資金の面からインフレを抑えるということは、一つの考え方かもしれませんけれども、食糧増産、農業生産を上げなければならぬという者からしますと、まことに遺憾に思うのであります。こういうことにつきまして、責任のある大藏當局はどうお考えになつておられますか、一應お伺いいたしておきます。
○福田政府委員 農業資金につきましては、その供給者の一つであるところの農業會の預金というものが相當あるわけであります。この農業會の預金につきましては、ただいま二分の一ということで資金融通準則を適用しているというお話でありますが、農業會につきましては、一切二分の一というような資金融通準則を適用しておりません。ただその精神によつて資金の效率的運用をやつてまいりたいということは、運用上お願いしているわけであります。從いまして農業會といたしましては、集まつた農業會預金を農業會の事業に運用しているというような状況でありまして、むしろ私どもは農業會がさらにその資金に餘裕を殘し、その上級機關であるところの農林中央金庫に預金してくださるというところまでいつてくださることを要請しているのでありますが、おつしやる通り資金がきわめて乏しく、農業會が上級機關に預金するという餘地は、ただいまのところほとんどないようであります。のみならずお説の通り上級系統機關であるところの農林中央金庫から農業會の方に、さらに金を注ぎこまなければならぬという状況にあるのであります。しかして現下の状況といたしましては、上半期、ただいまの農業資金の需要というものが多く、一年間の全體のならした計畫を、そのままただいまの上半期に適用するということの穏やかでないことはお説の通りであります。この點につきましては、一方資金統制の全體計畫との調和ということも考えつつ、できる限りの考慮をいたしているのであります。しかしながら國全體といたしまして資金が少く、その結果各方面に非常に窮屈な面が出てきております。これは事實であります。この面につきましては、國民全體が貯蓄、蓄積をやつていただきまして、そうして資金を潤澤にしていただくというよりほかなかろうかと存じております。
○内藤委員 もう一つ、これはきわめて簡單なことでありますが、復興金融金庫は農林業に對して御融通なさるのでありますか。もし融通するのであれば、その實績はどうなつておりますか。
○福田政府委員 復興金融金庫の五月末における融資合計額は一億六千三百萬圓となつておるのであります。その中におきまして、農林業に對しましては七百三十五萬五千圓を出しております。それからもちろん水産業も農林省の所管になつておりますが、水産業は別でありまして、これに對しましては一億四千四百九十三萬一千圓を出しております。その他若干農林關係の非常にこまかいものが以上の數字にははいつておりませんが、大體さようなものになつております。
○内藤委員 最後にお尋ねしてみたいと思いまするのは、インフレ抑制と産業資金の關係の問題であります。インフレ抑制はどうしても當面の大きな問題でありまして、何といたしましても、これをやらなければならぬのでありますが、しかしインフレ抑制のみに目を奪われまして、むやみに産業資金の融通を抑えますると、産業が萎靡不振に陷りまして、やがてそれがまたインフレの原因になるということは私が今さらここで申し上げませんでもわかりきつたことでありますが、こういうことを考えて農業資金のことを考えますると、先ほど申し上げましたように、肥料資金の問題、あるいは開拓資金の問題、あるいは靜岡の製茶資金の問題、あるいは漁業資材の購入資金の問題、そういうことにつきまして、この三、四月以來まつたく農山漁村においては何と申しまするか、インフレ抑制のための産業資金を抑えられておることによつて、非常に大きな問題にぶつかつたのであります。このために實際に農業生産があがらなくなり、食糧の増産ができなくなつておる事實があるのであります。これにつきまして、どういう御方針、お氣持でこのインフレ抑制と産資金の融資とのことをお考えになつておられますか、一應お伺いいたしたいと思うのであります。
○小坂政府委員 ただいまの御質問まことにごもつともと存じますが、政府といたしましては、この際何としても最大の目標はインフレの阻止だ。そのためにはまず健全財政を堅持するということが最も喫緊の問題である。かように深く考えて進んでおります。しかしながらこの健全財政を堅持いたしまする建前が、單に文字の上の、あるいは數字の上の收支のバランスを合わすことに終始いたしまして、そのしりが金融にきてこれを壓迫するということになりましてもこれまた意味がないので、私どもといたしましては、これに即應いたしまして、健全金融という建前をやはり堅持しております。しかしながら仰せの通り、いろいろな面において、金融拘束のために産業の萎靡を來すというような面も考えられますので、近く全般的な資金計畫を再檢討いたすことになつております。それにつきましても、一方においてできるだけの資金を蓄積していただきまして、そうして政府の先ごろからしばしば申しておりまする新圓の再封鎖をしない、あるいは登録などもしないということを強く認識していただきまして、通貨の信用を堅持して、そうして貯蓄を増強して、その全體の貯蓄のわくから今仰せの産業資金のわけ前を多くとつていきたい。さように考えております。
○内藤委員 終りました。
○北村委員長 佐藤君。
○佐藤(觀)委員 この法案の中で一番疑問に感ずるのは、御承知のように貯金は今まで戰時中、大體強制的にやられるというような意味で、それは民心に非常な壓迫を與えており、ある程度まで民主主義の目的に反している。けれども民主的にやつてはたして實際效果があるかどうかということについて御見解を承りたい。いま一つは、御承知のように隣組制度が廢止になりまして、そういうようなものがなくなれば、實際國民貯蓄というものはどれほどの效果をもつておるか、どれだけの成算があるかというこの二點について伺いたい。
○福田政府委員 お説の通り、戰時中にやつたような效果は、とうていただいまの状況におきましては期待し得ないと思います。しかしながらおつしやられる通り、地域の方はなかなかむずかしいのでありますが、職域の方は割合にまとまりがよかろうかと思つておるのであります。たれか一人はいりたいという事情があつて、貯蓄をひとつやろうぢやないかという提唱がありますれば、それに共鳴するというような方も相當おると思います。職域の方の組合が相當伸びていくということは大いに期待しておるのであります。それから當面は、全體といたしましておつしやる通りなかなかむずかしいのでありますが、しかし長い通貨に對する考え方、また貯蓄に對するわれわれの生活態度をどうするかというような考え方、こういうものに對しましては、ほんとうに今後意義深いものがあろうかというふうに考えております。 なお質問の第二點の地域につきましては、御承知の通り非常にむずかしいのであります。これまた愛國心の發揚によりまして、かようなものはむずかしいながらも相當やりたいということを期待しております。
○北村委員長 ほかに質疑はありませんか。——御質疑がないようでありますからこれで質疑は終了いたしました。 これより國民貯蓄組合法の一部を改正する法律案を議題といたしまして討論、採決に入ります。中崎君。
○中崎委員 私は本法案に對しまして、希望意見を申し述べまして贊成したいと思います。本組合法の改正の骨子は、本組合法の改正によつて從前天降り的であつたところの規定を民主的な方向にもつていくということと、それから免税點一萬圓を三萬圓に引上げるということが主な要旨のように考えておるわけであります。その第一の點につきまして希望として申し上げてみたいと思いますのは、殊に預金の増強の必要であることは申すまでもないことでありますけれども、一面においてインフレ進行の過程において、庶民階級の生活が非常に困窮の状態に置かれておるわけであります。さらにまたインフレの進行によつて、こうした汗水流して貯蓄したところの金が、その貨幣價値の低下によりまして、より以上これらの人々に對するところの負擔といいますか、損害といいますか、そういうようなものが大きくなるというようなことも考えるわけであります。こういう意味におきまして、眞に貯蓄の必要であるというふうなことについて十二分の納得をしてもらいまして、そうしてその上に國家協力というふうな氣持から預金の増強されることが必要であるわけでありまして、今までのような天降り的な氣持において預金をさせるというような氣分をもたせるばかりでなく、實際の運營においても、眞にそうした納得ずくで、これらの預金をしてもらうというふうな方向に行かなければならぬわけであります。こういう意味におきまして、この組合法の運營におきましては、民主的な一般の預金者の積極的協力のもとに、眞に自分の氣持からこれを預け入れるのだというふうな體制にもつて行かれますように、切に希望を申し述べまして贊成する次第でございます。
○大上委員 本法案を先週ですかいただきまして十分審議さしていただきました。昨日中崎先生からいろいろ御意見を拜聽し、その論點としては行政の區域面、すなわち地區別と同時に大量的に民主的にした方がよいか、あるいは町村長云々とというふうな問題もございましたが、この問題は過去いろいろ見ておりますと、一つの地區、あるいは範圍というものは、徴收上あるいは預金の必要上、技術面にいろいろ必要であろうと考えます。なおいろいろ拜聽いたしまして、この法案は贊成すべきが至當であり、全國的に援助しよう、こう考えております。
○塚田委員 私は日本自由黨を代表いたしまして、本案の成立に贊成の意を表するものであります。今日あらゆる角度からいたしまして、貯蓄増強ということが非常に重大な問題になつておることは申すまでもないのであります。その意味におきまして、いかなる形式においてでも、貯蓄が少しでも餘計できるということは、非常に結構なことであります。そういう意味において、政府が在來からありました國民貯蓄組合というものを民主的な形に改組せられ、かつ預金利子に對する免税點もとり上げて貯蓄を増強されようということに對しては、何ら反對する理由を見出せないのであります。ただ從來いろいろな國民貯蓄組合の手續上、その他すべての面にめんどうな點が非常に多くて、組合をやつております當事者に非常な困難をかけておつたのであります。そういうようなあらゆる繁文縟禮の形をなるべく今後は除いていただいて、増強をやつていただくということに、運用上十分に注意をしていただきたいということだけを希望として申し述べておきます。
○内藤委員 結局贊成いたしますが、しかしどうもこの改正案では私はほんとうに貯蓄は殖えぬと思います。これは殖えないための改正法だと思うのであります。むしろ私はこの際國民貯蓄組合と言わず、あらゆるものの三萬圓の貯金に對して課税しないというふうなことで、できるだけ貯金を吸收する法案を思い切つてお出しになつた方がよいのではないかと思うのであります。私ども國民協同黨はわずか三名でありますから、どういたしましたつて、この採決にはどうもなりませんけれども、そういう氣持をもちまして贊成いたしておきます。願わくばほんとうの貯金が集まるような法案を出していただきたいと思うのであります。これを讀んで見まして、私ども實は財政金融には素人でありまして、こんなことを申しますのはおかしいのでありますが、どう考えて見ましても合點が行かぬのであります。しかしそんなことを今ここで申しましてもなんでありますから、とにかく貯金がうんと集まりますようなことをお考えになつて、いろいろこれからも施策を講じていただきたいということを希望いたしまして御贊成申し上げます。
○北村委員長 第一議員倶樂部、日本農民黨お見えになつておりますか——お見えになつておりませんね。討論はこれにて終局いたしました。 ただいまより採決いたします。原案に贊成の諸君の起立を求めます。 〔總員起立〕
○北村委員長 起立總員、よつて本案は全會一致をもつて可決いたしました。 なおこの際お諮りいたしたいことがあるのでありますが、報告は前囘と同樣に委員長及び理事に御一任を願いたいと思います。——御異議はないようでありますから、さように取計らいます。 —————————————
○北村委員長 次に去る二日豫備審査のため本委員會に付託されました酒類配給公團法案を議題といたします。本日はこれに關連した討議を行いたいと思います。
○小坂政府委員 ただいま委員長から豫備審査のために議題としていただきました酒類配給公團法案の御説明をいたします。 御承知のごとく、近來の食糧事情はきわめて悪化しております。また燃料資材等、窮迫いたしておりまするために、酒類の生産は逐次減少の一途をたどつております。しかしながら酒類は石炭その他重要産業勞務者に對する特配物資、食糧供出の給償物資といたしまして、また國民生活の明朗化のためにも缺くべからざるものでありまするから酒類の配給が適正に行われまするか否かということは、國民生活の安定、産業の復興、食糧の増産等にきわめて重大な關係を有するものと考えるのであります。しかして今囘設立しようといたします酒類配給公團は、酒類の適正なる配給を目的とするものでありまして、その設立の理由は、主として次の通りであります。 第一に酒類は米、麥、甘藷等の主要食糧を原料とするものでありますが、食糧事情が非常に逼迫しておりまする際、これらの貴重なる主要食糧を原料といたしまして製造した酒類については、政府の責任において酒類の配給を統制いたしまして、適正かつ有效ならしめるための機關を設けることが必要である。かように考えるのであります。 第二に現在の酒類の卸賣機關といたしましては、清酒、合成清酒、みりん、しようちゆう等につきましては、大日本酒類販賣株式會社、都道府縣酒類販賣株式會社、ビールにつきましてはビール配給株式會社、果實酒に關しましては、全國果實酒卸共販組合、及び雜酒につきましては全國雜酒卸共販組合を指定いたしまして、政府の監督のもとにこれらを一定買取販賣機關といたしておるのであります。しかしながらこれらの會社、組合は、私的企業でありまして、さきに成立いたしました私的獨占の禁止及び公正取引の確保に關する法律の趣旨に副わないのであります。しかしながら酒類の生産及び輸送事情を考慮するときは、これらに代るべき機關を設けて、全酒類を一元的に集荷し、小賣業者に販賣することは、最も經濟的であり、また酒類の品質保持についても適當と考えるのであります。 第三に、臨時物資需給調整法によりまして、重要な物資は政府が直接購入切符で消費者に割當てることとなり、酒類についても指定配給物資として、この方式をとることとなつているのでありますが、生産量の僅少な酒類につきましては、單に割當てるというだけでは、多數の酒類製造者から迅速に集荷し、これを適正な價格で全國各地に確實に配給することは困難であります。從つて割當の裏付をなす現物の流通を把握するとともに、全酒類を通じて價格、運賃、容器代等についてプール計算を行い、もつて價格の凹凸を防止する機構を設ける必要があると認めるのであります。 第四に、酒類については清酒、ビール、雜酒その他一切、酒類をアルコール分等を基準とする一定の換算率により總合的に把握し、酒類の地域的、時期的需給の不均衡、需要者の嗜好等を考慮しつつ極力適正な配給に努力しているのでありまして、この點からみても酒類配給公團を設立して、すべての酒類を取扱わしめることが適當であると考えるのであります。 次に本案の骨子とするところを概略申し述べたいと存じます。第一に酒類配給公團は、經濟安定本部總務長官の定める割當計畫及び配給手續に基き、酒類の適正な配給に關する業務を行うことを目的とする法人であります。 第二に資金につきましては、基本金は三千萬圓でありまして、全額政府出資とし、運營資金は復興金融金庫から借入れることといたしております。 第三に公團の役職員につきましては、これらは官吏その他の政府職員であり、俸給給與が國庫から支給されるとともに、官吏に關する一般法令に服さなければならない點において、公團が國家の代行機關としての性格を明らかにしていることは、さきに成立した他の公團と同樣であります。しかして役職員としては、できる限り公團の設立とともに解散する會社、または組合の從事員、その他民間の優秀な經驗者を採用し、現下の雇用事情に應ずるとともに、業務運營の圓滑適正を期したいと存じます。 第四に公團の業務は、酒類の一手買取及び賣渡が主たるものでありまして、これは經濟安定本部總務長官が定める基本的政策及計畫に基いて、主務大臣のなす指定及び監督に從つて行うものであります。すなわち製造された酒類は、すべて製造者から公團に讓り渡され、公團は原則としてこれを小賣業者に賣り渡し、小賣業者からさらに消費者に配給されることとなるのであります、その他酒類の配給のため必要な酒類の保管及び輸送を行うことはもちろん、他に附帶事業としてリンク容器の囘收、運賃のプール計算等が考えられております。而して公團の解散が臨時物資需給調整法とひとしく、昭和二十三年四月一日、あるいは經濟安定本部廢止の時のいずれか早い時か、または經濟安定本部總務長官の解散命令によることとなつており、平常の經濟状態に復歸した曉には、ただちに解散することを前提としておりますのと、政府豫算及び貸出に當ります復興金融金庫の資金關係から、業務に必要な施設は、原則として買收せずに、公團設立とともに解散する會社または組合、その他の第三者から賃借することといたしておるのであります。 第五に公團の監督でありますが、經濟安定本部總務長官は、酒類の配給に關する基本的な政策及び計畫に關して指導監督し、主務大臣はこれに基いて實施上の具體的、個別的な監督を行うこととしておるのであります。なお公團の會計につきましては、その基本金が政府出資である建前から、會計檢査院がその檢査に當ることとしているのは、これまた他の公團と同樣であります。 第六に公團の設立に伴う措置でありますが、酒類配給公團が成立したときには、現在の大日本酒類販賣株式會社、都道府縣酒類販賣株式會社、麥酒配給株式會社、全國果實酒卸共販組合及び全國雜酒卸協同組合は解散することとなり、その清算は昭和二十三年四月一日までに結了いたすこととしておるのであります。 これを要しまするに貴重な主要食糧を原料とする乏しい酒類の配給については、需給がきわめて不均衡な期間に限り、政府みずからその統制の衝に當ることとし、私的會社または組合により一手買取販賣は、經濟民主化の趣旨からこれを廢止することといたしましたのが、公團の設立の眼目であります。すなわち政府機關とも申すべき公團の組織とその民主的運營とにより、酒類の適正な配給を行い、産業復興と國民生活の安定に資せんとするものであります。 以上をもちまして酒類配給公團法案の提案理由の説明を終ります。何とぞ本案正規提出の曉には、速やかに御審議の上可決せられんことをお願い申し上げる次第であります。
○北村委員長 生命保險關係の法案につきまして質疑に入ります。
○西村(榮)委員 生命保險中央會、損害保險中央會の業務に關する問題はきわめて簡單でありますから、論議の餘地はないようでありますが、銀行のごとき實質的の内容を備えておる保險業の將來に對しまして、二、三簡單に御質問申し上げたいと思うのでありますが、大體ここに書かれておる協榮生命保險ということの内容は一體どういうものであるか。元來生命保險中央會は公式に政府の任務を代行してきたのでありますが、この任務を代行し得る協榮生命保險の内容については政府委員から説明がなかつた。一應その内容と、それから將來生命保險中央會はいかなる任務を負わされているか、また整理の段階があればその點、この二點を伺いたい。
○福田政府委員 協榮生命保險會社というのは昭和十年設立をみまして、どういうことをやつておつたかと申しますと、生命保險の再保險業務を一つはやつておりました。それからもう一つは標準過大と申して普通の保險會社ではとらない弱體な方の保險をやつておつたのであります。ところが、昭和二十年四月に生命保險中央會というものができまして、これがその業務を吸收して、これを合併するということに相なりました結果、この協榮生命保險會社は解散いたしたのであります。しかるに、終戰と相なりまして中央會の存在の理由がなくなつたという情勢と睨み合せまして、昔の協榮生命というものが再發足をして、しばらく前に創立されのであります。今囘中央會というものが整理解散せらるべき旨、司令部の方から指令が出ているのであります。そういたしますと、この生命保險中央會が行つておりましたところの國家關係の事務、また協榮生命自體としてもつておつたところの舊協榮生命系統の仕事、これは昔のものを復活いたしたその協榮生命に引繼ぐことが適當であろうということで、これを承繼人と定めた次第であります。なお生命保險中央會というものが、今後どういうふうになるかという問題でありますが、これは今後においてはもつぱら清算の事務に當るということになるわけであります。もつとも清算と申しましても、ただいま申し上げました國家關係の事務は、協榮生命の方に資産負債とも引繼ぐ結果、整理債務というものはきわめてノミナルなものであると思うのであります。整理さるべき金額はきわめてノミナルなものでありまして、中央會の基金竝びに基金に準ずる勘定だけでありまして、きわあて簡單なもので實質上は大體終了いたす、かように考えております。
○西村(榮)委員 生命保險中央會が生れる前に、協榮保險に引繼ぐ業務のほかに、生命保險協會の任務を引繼いできた。生命保險協會は大體において當時の業者の補助的な機關であるとともに、お互いが民主的な統制機關であつた。これとの關連はどうか。從來生命保險協會がもつていた機能は新らしい生命保險協會が使つて同時にそれとは別に大藏省が行政的な監督以外に業者の自主的な監督を生命保險協會に委託するのでありますか。
○福田政府委員 ただいまのところ保險業法に基く監督というものは、政府みづからやつているわけであります。しかしながら業者の自治的な協力というような事態の必要な部面も相當あるのでありまして、これは生命保險協會においてやられることを私どもは期待いたしております。なお中央會はまつたく清算ということに相なりますので、それに對して私どもが生命保險協會に對して期待をいたしておりますような統制協力の任務というものは、一切かような清算團體に對しましては期待いたしません。
○西村(榮)委員 生命保險中央會は解散になつたのでありますが、それと關連して、從來の生命保險が著しくきずを負つている。大體保險會社は整理の段階に入つておりますが、私は日本でやつていける保險會社は二社しかない、他はほとんどやつていけないと睨んでいる。そこで第二會社の設立が續續として申請されておりますが、當局の考え方は、大體從來まで營業を續けてきた會社から第二會社申請があれば大概これを許すのか、あるいはそこに取捨選擇をするのか、その選擇の範圍はどの程度であるか、簡單でいいから伺いたい。
○福田政府委員 お説の通り、生命保險會社は戰爭によつて相當の打撃を受けまして、先般の再建整備の措置を適用いたしますると、ほとんど大部分は資本金全部がなくなるというような事情にあるのであります。この際に、第二會社を設立いたしますかどうかという問題に關連するであろうと思うのでありますが、第二會社の設立の要望は非常に熾烈であります。これに對しまして政府といたしましては、ただいまインフレ高進の状況下におきまして、保險會社の立ちゆきというものは非常にむずかしい段階にあるということは事實でありますが、この安定をまてば相當堅實な出發ができるというような見透しのものに對しましては、これを復活させる。しかしながらさような安定ということを考えましてもどうも立ちにくいというものに對しては、この際第二會社の設立を認可せぬ、そうして直ちに合併いたすとか解散いたすとか、さような方向にいたしたいと考えております。
○西村(榮)委員 ただいま銀行局長の御説明によると、生命保險會社は戰爭中大きな損傷を蒙つたのでありますが、率直に申しますと、保險會社が戰爭中戰時死亡竝びに公債のしよいこみのために蒙つた損失というものはきわめて僅少です。生命保險會社が今もつておるきずというものは、これは大部分戰前のきずをそのままもち越しておるのである。既に太平洋戰爭に入る前に四十三社あつた中に、大體において百圓の年度の保險料をとつて、その年度の營業費が百五十圓から七十圓かかつておるのが二十數社ある。そこでこれを整理しなければならぬというので、整理方針は大體五社、第一案は四社、第二案は七社、第三案は十一社、十一社以上は殘さないというのが當時の業界の意向であり、監督官廳である商工省あるいは大藏省の繼承した方針であつた。私なぜそのことを申し上げるかと言えば、第二會社を設立する場合においては、この點を考慮して認可するかしないかということをよく考えないと、從來までその營業を續けてきたから、これはすべて第二會社に認可するということであれば、これはとんでもない將來に禍根をのこすのではないか。從つて太平洋戰爭前において會社がかくのごとききずを負うた原因はどことにあるか。すべてこれは經營能力です。能力によつて莫大なきずを當時の生命保險會社が負うておる。私はこれを特に大藏當局に希望するものは、將來、日本の再建のためには窓口で受付する銀行預金よりも、二十年ないし三十年の長期にわたるこの生命保險料をもつて國家再建の資金にしなければならないといたしますれば、その業務を預かるものは、よほど信用のある強固な基礎でなければならぬ。しかるに戰爭前のきずをそのまま負うて、たまたま戰爭だからすべてを手をつけずにいくというのできて、今戰爭によつて損害を蒙つたという理由で、從來の經營の失敗をそのまま帳消しにされて、第二會社が設立されるということがあれば、私はきわめて考えなければならぬことと思う。これを大藏當局に考えてもらいたい。今私は率直に言うが、大體において立ち行く會社は二社しかない。それから整理して大體これでいけるというので第二會社の設立が認可される會社が七つ。これはどう見てもそうなる。そこで私はここに本案を審議する上において希望しておきたいのは、同時に御意見も承りたいのは、第二會社を設立するについて、その認可の可否については、單に行政的な立場における大藏省だけがこれを官廳的な立場から見られるのでなしに、現在の公正なる立場をとり得る、その業務に慣れた事業者あたりからも代表を出して、第二會社の設立の可否を、大藏省がそれらの業務の實務家に諮問するというふうな民主的な機關を設けまして、その審査に當られたいというのが一點であります。それから保險會社を穏やかに整理するには、今が一番よい時期じやないか、そしてこれを整理して將來監督していくのは、それぞれの生命保險協會というふうなものをつくつてもいいし、あるいは別途の民主的機關をつくつてもよいが、そういうふうな機關で、行政官廳とともに民主的にそれを監督し、指導していくという機關が必要である。この二點について、これを設立される御意思があるかどうか承りたい。
○小坂政府委員 ただいまいろいろ西村委員から御意見を承りましたが、戰後の復興に關連いたしまして、戰前からのいろいろな不合理な點を除くということは、國家再建のためにきわめて適切なる御意見と存じます。ただいま生命保險に關しましては、保險復興會議という民主的な機關を設けることにいたしております。この機關の最も民主的な活用によりまして、今御意見のごときことを十分とり入れてまいりたい、かように考えております。
○北村委員長 まだ質問は長いですか。
○西村(榮)委員 まだありますけれども、今日はこれで打ち切ります。しかし委員會の議事進行について委員長に注意したい。まだ十二時まで時間があるのに、時間ぎりぎりまでやつたらどうです。理事會の申合せがあるから打切つたが、十二時まで時間があるのだから、私は他の委員だつたら異議を申し述べます。
○北村委員長 理事と委員長にその點についてはお任せを願います。
○西村(榮)委員 しかし議事運營について委員が意見を述べることは自由であるべきです。
○北村委員長 御意見があるならばいくらでも承ります。理事會で打合わしたことですから……。
○西村(榮)委員 理事會の申合せがあれば、わが黨からも理事會に出ているのだから、尊重して質問を打切りますが、私は將來のことを言うておる。
○北村委員長 だから打切りを願います。將來のことは將來のこと。今日は打合わしたから……。
○西村(榮)委員 將來のことについて委員の意見を拒む、それはいけませぬ。
○北村委員長 委員の意見を拒んではおりませぬ。
○西村(榮)委員 私は希望を言うておる。十二時まで時間があるなら、十二時まで論議を盡したらどうです。
○北村委員長 別に十二時までやるという約束はしていないのです。
○西村(榮)委員 十二時まで約束してなくても、道理から言つて十二時までやつたらどうです。申合せは尊重しますけれども時間があるのだから……。
○北村委員長 それはあなたの方の理事ともよく相談してください。
○西村(榮)委員 私は委員長に希望を申し上げておる。
○北村委員長 心得ました。それからこの機會にお諮りいたしておきたいのでありますが、委員のうちからも申出がありまして、私もさように考えるのでありますが、專賣事業に關しまして多少調査、また視察をいたしたい。このことは適當であると思うのであります。ことに今日の專賣が性格が變りまして、財政專賣となりつつあるときでありますから、專賣に關する事業の視察、調査をすることにつきまして、これは委員會で決議をして、そうして議長の承認を受けなければならぬことに規定されているのであります。それでこの機會にそのことを決議をいたしておいた方がよいのではないかと考えるのでありますが、いかがでございましようか。 〔「何を視察するのですか」と呼ぶ者あり〕
○北村委員長 たとえばたばこの專賣、その他大藏省關係の財政金融に關係のある專賣事業について、視察調査等をしたい、こういうことなのであります。それで具體的にいつどこをというふうなことにつきましては、委員長、理事にお任せを願うことにして、一應ここでそういう決議をしていただきたいと思うのであります。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北村委員長 御異議がないようでありますからさように決します。 本日はこれにて散會いたします。 午前十一時五十七分散會