財政及び金融委員会 第3号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1947/07/09
会議録
○北村委員長 会議を開きます。これより質疑に入ります。質疑は要求順によつて許可することにいたします。御質疑はありませんか。
○吉川(久)委員 先日の御説明の中で、ちよつと私聞き漏らしたのではないかと思う点を、もう一ぺん伺つておきたい。國民貯蓄組合法の一部改正に関する法律案の中での御説明を、農業会等非課税團体を廃止するというようなふうに伺つたのでありますが、第三点をちよつと……。
○福田政府委員 第三点は、市町村農業会等の預金に対する課税上の特別の取扱いを取りやめるためのものであります。現行法では市町村農業会市街地信用組合等の預金は、國民貯蓄組合の斡旋によるものとみなして非課税となつておるのでありまするが、過般の税制改正によりまして、各種の非課税團体が整理されました結果、市町村農業会等の預金についてのみ、課税上特別な取扱いをなすことは不適正と認められますので、今回これを廃止しようとするものであります。もつとも市町村農業会等の会員をもつて國民貯蓄組合を結成いたしますときは、一定の限度まで非課税の取扱いを受けられまするので、実質的にはさほど影響はないものと認められるのであります。そういう説明であります。
○吉川(久)委員 わかりました。
○北村委員長 ほかに質疑はありませんか。
○川島委員 多分先だつての委員会の当日、委員長を通じてお願いをしてあつたと思いますが、財産税の徴收の実情というもの、たとえば財産税の不動産での納入、あるいは延納等の件数等、細かなものを聽きたいと思いましてお願いをしたはずでありますが、ここに出ておりませんので、もし資料をお持ちでしたならば、ここでちよつと当局から御報告を願いたいと思います。
○前尾政府委員 納税人員等につきまして後で申し上げますが、現金、物納延納、そういうような関係で、ただいまのところ申告なり、あるいは申請になつた分だけを申し上げます。実はただいまのところ、折角公正なる決定をする準備をいたしておりますが、その運びにまでまいつておりませんで、それは二月十八日現在の数字でございます。申告申請額として総額が三百五十六億二千九百万円であります。その内訳につきましては、現金が百三十四億九千九百万円、物納の総計が百八十七億五百万円、延納が三十四億二千五百万円、物納の内訳について申し上げますと、旧勘定預金で納められるものが四十四億四千三百万円、國債納付の分が十四億二百万円、それから國債以外の有價証券が二十六億五千六百万円、土地が五十五億三千万円、建物が二十二億三千三百万円、その他が二十四億四千百万円、その総計が百八十七億になるわけでありまして、その後の状況で申し上げますと、現金納付になりましたものが非常に多くなつております。四月末日の現在で申し上げますと、現金が百五十一億二千八百万円というような状況であります。それらは物納の分あるいは延納の分が振り替つてまいつたわけでございます。なおこまかい数字はあとで申し上げます。
○川島委員 今のお話ですと、三百五十六億というのが申告の実情だそうですが、大体財産税の総額の予定は、四百三十五億万円だと私は記憶しております。四百三十五億万円の税收予定額のうちに、それぞれ当局はあらかじめ現金の納付、物納、延納等の、大体の計画的な予定表もできておつたように記憶しておるのであります。三百五十六億というと、約七、八十億の見込み違いだという形になるのか。それとも四百三十五億万円の予定の税收があるという方針で目下進んであられるか。それをひとつ伺いたいと思います。
○前尾政府委員 予算はただいまお話の通り四百三十五億でございます。先ほど申し上げましたように、これは申告になりました分だけでございます。ただいま更正並びに決定の準備中でございます。それによりまして大体予定の收入はあげ得るということをわれわれは考えております。
○川島委員 財産税の予定の收入をあげ得るという御方針だそうでありますが、実際上はなかなかそうもいきかねておるのが本音ではないかと私は想像しておるのであります。 なおこの機会にお尋ねいたします。この財産税の問題について、多分地方財務局地区を中心としての、それぞれ民主的な審査会と申しますか、調査会と申しますか、そういつた機関が設置されたと私は記憶しておるのでありますが、その機関はどういう活動を現在までしておつたか。また將來どういう活動をするのか。それをひとつお尋ねしたいと思います。
○前尾政府委員 財産税等の調査会につきましては、これは先ほど申し上げましたように、更正決定をする場合に、その委員会に諮問して決定するわけでありまして、その委員会は多分八月頃から開会することになると思います。 それから先ほどお話の通りに、予算額に達するのにはまだ七、八十億ありますので、相当困難かとも思うのでありますが、資料によりましても大体その程度ならば私はいくというふうに、財務局並びに各税務署の報告から推しましても確信しておる次第であります。
○川島委員 さらにこの際私は当局に重大な警告を発しておきたいと思います。それは財産税並びに最近の増加所得税、この税金の納入をめぐつて、ややもすればまことに好ましくない風評が、地方税務署の官吏の一部にひんぴんとして起つておることであります。中にはわずか二十七、八才の青年税務官吏が、非常な財産をつくつたというようなことも、眞偽は別といたしましてそういう風評が上つておるのであります。おそらく当局といたしましては、近頃のそれら第一線に立つておる税務官吏の若い人々に対する指導監督は、十分に私はやつておるべきだと思いまするが、眞偽のほどは別といたしまして、さような風評が至るところにひんぴんとわれわれの耳にはいるということは、まことに遺憾なことだと思うのであります。私はこの前の議会においてもこの点は一應御注意を申し上げまして万遺憾なきことをお願い申し上げておつたはずでありまするが、その後もいろいろな話を実は耳にいたしますので、当局においては、そういうことがあるなしは別といたしましても、徹底的にひとつ指導監督を強めてもらいたい。いろいろと納税者の中に怨嗟の声も起つておりますし、また、ただいま申しましたような、好ましくない風評が起つておるということも事実であります。中央の各位にはまだわかつておらないと思うのでありますが、どうぞ重ねて申し上げておきます。地方税務署における官吏の指導監督については、徹底的に強化してもらいたいということを、この際御注意を申し上げておきます。
○小坂政府委員 ただいま川島君からいろいろ御注意がありましたが、当局といたしましても、もちろん最善を盡しておるのであります。川島君御自身も仰せられたように、おそらく風評という点は多分にあるだろうと考えます。しかしながらこれと同時に実はお願いいたしておきたいことは、税務官吏が不断に危險と誘惑にさらされておるのに対しまして、当局といたしましては特別の待遇を考慮して、その地位を確立したいというように考えております。どうぞ各位におかれましても、今の税務官吏に対しては重要なものであるということの観点からいたしまして、十分御同情ある御協力をいただきたいと思います。先般も御承知のように神奈川縣の間税課長の端山豐藏君は、忠実に職務執行中不幸不慮の死を遂げられました。これに対しましても一般から非常な御同情を賜わりましたが、その死を無にしないために、非常な決意をもつておる次第であります。どうぞ御同情あるお力添えをお願いする次第であります。
○川島委員 ただいま政務官のお話は、よくわれわれも了承しております。いうまでもなく税務官吏の待遇等については、われわれとしても政府が相当の考慮を拂わなければならぬ実情にあるということはよくわかつておる。この機会にこれに関連して申し上げたいのですが、私が去る日税務署にまいりますと、今回の財産税、増加所得税の問題等について、いろいろの通信を発しなければならぬ事件が相当莫大な数に上つておる。ところが税務署の中にそういう通信費すらもない。殊に葉書は五十銭、それにもかかわらず、いろいろ窓口に來る納税者に対して一應の回答もしなければならぬ。あるいは照会もする必要がある。最近そういう件数が非常に多いにかかわらず、その費用がないので、税務官吏が自分のプライベートの金を出して、辛うじてそれをやつておるということや、それから御承知のように旅費がやはり從來通りの規定である。從つて汽車賃が相当上つたにかかわらず、旧規定によつて旅費を支給されておるという実情である。そういうことで税務官吏が非常に公務を執行する上においてすらも、自分の費用を拂つていかなければ、満足な仕事を進めていくことができない。そういう状態である。一面にただいま政務官からもお話がありましたごとく、税務官吏の待遇というものは、かならずしもわれわれとして満足なものとは思つておりません。そういう建前からいきまして、税務官吏に対する徹底した待遇の処置を講ずると同時に、私はただいまお話が出ましたから申し上げるのでありますが、一体税務署にそういう満足な予算がまわつておらないということが事実なのか。もしまわつておらないとすれば、それに対して相当な金を拂うことが必要ではないかと思うのですが、どういう実情になつておりますか、この際お聽かせを願いたいと思います。
○前尾政府委員 最初にお話のありました監察の点につきましては、從來財務局で監査課というのがありまして、それでやつておりましたのですが、なお主税局におきましても、監理課及び職員課という二つの課を最近殖やしまして、職員の指導、監督ということに対して、万全を期したいというつもりでやつておる次第でございます。それから経費の問題につきましてお話があつたのでありますが、経費につきましてはもちろん十分ではありません。全く徴税費というものは、外國の例から比べましても、最近は幾分殖えてまいりましたものの、はなはだ僅少でございます。しかしただいまお話のありましたような、通信費に全然事欠くというようなことは、予算的にはいたしていなかつたのでありますが、年の中途で通信費が上る、あるいは旅費が上るというときに、從來の予算だけでまいりますと、非常に窮屈になつていく。昨年あたりは非常に困つたような実情にあつたわけでございます。その後追加予算なり、いろいろなことで、かろうじてどうにかいける程度にはいたしておりますが、ただいまお話のあつたような事実もときどき生じたかと、私ども心配いたしておる次第でございます。本年につきましては、かなりの予算を計上いたしましたので、そういうような心配はないというふうに確信いたしておつたのでありますが、今度の大幅の汽車賃の値上げその他によつて、そういう危險が必ずしもないことはないというふうに考えておりますので、最近それらによつて経費の見直しをしておるというような実情でございます。
○川島委員 この法案に直接関係はないのですが、この機会にちよつとお伺いしておきたいと思います。今度の料理店の六箇月営業停止、それに伴つて業者に從來配分されておりましたビールとか酒などが、相当数量浮び上つてくるのでありますが、その数量は一体どのくらいになるのであるか。それからその数量をどういう方面に流す計画を立てておるか。それをちよつとお聽きしたいと思います。
○前尾政府委員 業務用酒として配給いたします酒は十万石足らずであつたのであります。ところが四月、五月は配給済でございますし、またこれが十二月までのことになつておりますから、その後にあるいは配給するようなことになるかもわかりませんので、それらを勘案して、浮び上る酒は四万石程度に過ぎないと思います。しかしそれだけはとにかく浮くのでありますから、その配給方法につきましては現在考慮中でございます。できれば國民酒場という式のものを改良いたしまして、何かそういうような方向でいきたい。それからそれ以外にもピース、コロナ式な自由販賣というようなことにつきましても、場合によつては酒の公團ができました際には考え得るのじやないかというつもりで、ただいま研究中でございます。
○川島委員 ビールはどうですか。
○前尾政府委員 四万石と申し上げましたのは、ビールは基準酒に直しまして、ビール六本が酒一升という割合で換算しているわけでございます。
○川島委員 ただいま前尾さんのお話で大分耳よりなお話を承つたのでありますが、この浮び上つてくる四万石の酒類は、一般大衆のために國民酒場、もしくはピース、コロナ程度の自由販賣にしたらどうかという案があるとおつしやつたのですが、せつかくのお話でありますから、私どもの意見を申し上げたいのであります。もし当局に案があるのでありましたら、これは國民酒場の方面にひとつ力を入れてもらいたい。そうして從來戰災者とか、引揚同胞の人たちには、きわめて零細な、露天的な業を始めている人が多かつた。しかもそれらの人たちが今度の営業停止の犠牲にもなつている。その数の全体をこういう酒場の復興に吸收するということはもちろん不可能であるし、それを希望するわけではありませんが、そういう方面のいろいろな事情を調査総合されまして、せつかくの案があるのでありますから、それを國民酒場の設置の方面に、できるだけ多くの人を吸收していただくようなことに進めてもらいますれば、まことに一挙両得ではないかと思います。ピース、コロナ式の自由販賣も結構でありますが、これは別個の問題として考えた方がよいのじやないか。前回の議会において私はこういう一つの案を当局に献策いたしたことがあるのであります。これは税收の問題、財源の問題等とにらみ合わせて、今度の追加予算は相当莫大な数字になつてくるわけでありますから、そういう場合の酒税の新しい考え方をとつて、ただいま申されたピース、コロナ式の自由販賣ということは、そのときに考えられる問題であろうと思います。できますれば、この國民酒場の設置、それからその方面に從來やつていた戰災者、引揚者をできるだけ吸收するという、このことを私ども強く希望いたしておく次第であります。 それから、これもこの法案に直接の関係はありませんが、今度の財産税の納税による有價証券の問題、それと同時に例の解体財閥の有價証券、それから企業整備によつて生じてくる証券類も相当な額に上るのではないか。それらをつき合わせますと相当な、額面になると思うのでありますが、それが累計的にわかつておりますればお示し願いたいということと、その有價証券の換金の問題でありますが、それが当局の見込み通りに、順調に運ぶ状態になつておるかどうかということをも、併せてお聽かせ願えれば幸いだと思います。
○櫛田政府委員 ただいまお尋ねのありました各種の有價証券につきましては、昨年公布いたしました有價証券の処理調整に関する法律によつて、ただいま有價証券処理調整協議会というものができておりますが、それにかけまして、具体的に逐次計画的にこれらの有價証券をさばいていこうという段取りをつけたところでございます。大体の金額を申し上げますと、持株会社整理委員会関係で、これは財閥関係になりますが、その関係の有價証券が七十九億ぐらいになるのではないかと存じます。また閉鎖機関の整理委員会関係の有價証券が二十七億見当になろうかと思います。また制限会社及び企業再建整備法関係に基きまして、これはいかほど出て來ますか、まだはつきりした見当はつかないので、大ざつぱなところで推定いたしておりますが、約六十億円くらいだと思います。そのほか産財税及び戰時補償特別課税の物納関係の有價証券でありますが、家屋とかその他のもので、大体二十九億くらいと見積りますと、百九十五億くらいになります。そしてこれらのうち約三分の一から半分くらいのものを大衆にさばきたいと考えておりますので、かたがた証券処理調整協議会の今後の任務は、非常に重大なことになるのですが、市場の状況であるとか、その他とにらみ合わせまして、計画的に逐次これを処分していくという段取りを、今つけておるところでございます。
○川島委員 たいへん一人で長く聽きますが、多少時間があるそうですからついでにもう一つお伺いいたしたいと思います。思いついたまま順序を追つていないきらいがありますが、その点御了承願いたいと思います。実は総合所得税の問題につきましては、あの法案が成立いたしまする当時、われわれといたしましては大藏当局に対しまして、殊に農村に対する増加所得税の問題については大いに愼重を期してもらいたい。というのは一町歩以下の零細な農耕業者に対して、増加所得税のごときものをかけることは檢討を要する問題ではないかということで、私ども意見を申上げましたときに、これは多分速記録にも残つておると思うのですが、一町歩以下の零細農家に対しては、増加所得税のごときものをかけない方針で臨みたい。こういうことを前の池田主税局長からお話がありましたので、私どもそれを了承いたしまして、あの法案というものの成立に協力をいたしたのであります。しかるところ増加所得税の問題が実施されまするや、可なり地方において零細な農家、たとえば五反、六反の、数反内外の零細な農家にすらも相当な額に上る税金をかけておるのであります。その問題について、それぞれ納税通知を受けた人たちがかけつけて折衝をいたしたものの中には、あるいは緩和されたり、免税されたものもあるやに聞いておるのであります。少くとも五、六反で、しかも純農の立場に立つ農家に、二千円、多きは三四千円の増加所得税の令書を、実際に発行しておる実例が非常に多いのであります。しかもそれが内職でもしておつて、それからの收入も相当にあるものであるといたしますれば、またこれは多少の税の負担をしてもらうこともやむを得ぬと思いますが、今申し上げました純農の立場、しかも数反歩の農家が、相当な税をかけられておるということになつておりますが、当局としてはまだ増加所得税は徴税中でありますので、今後とも從來のような形で、六反や七反のものにでも、この際根こそぎ税金をとるのだという方針で臨むのか。それとも前回の議会において当局が責任をもつて声明されたように、一町歩以下の零細農家には、できるだけ税をかけないという方針というものを、今後は堅持していこうとするのでありますか。これを一つこの機会に参考のために伺いたい。
○前尾政府委員 増加所得税を一町歩以下のものにはかけないと申し上げたことは、おそらく事実であると私ども考えます。と申しますのは、御承知のように増加所得税には七千円の基礎控除というか、七千円を超過した場合に課税するといういき方をしております。その七千円の控除をつくりました際の考えは、大体標準率その他から勘案いたしまして、一町歩程度の人はそれによつてかからないという意味合でつくつたのであります。從つてその後の増加所得税の決定につきましては、農家は全國的に考えますと、ほとんどかかつておらないというのが実際であると思います。しかし基礎控除七千円というのでまいつておりますので、たとえ一反以下でありましてもほかの收入があり、また特別の收入、あるいはやみの收入というようなものがあります場合には、当然課税になるわけであります。 それからもう一つは昨年の決定を引いておりますので、要するに増差額に対して決定増加所得税をとるわけでありまして、前年の決定がなかつた場合には、一万円ということになりますが、また昨年の決定が非常に低かつたという場合には、増差額が殖えてまいりますので、かかる例も相当あるかと思います。しかし対数的に考えましたならば、殊に純農村におきましては、一町歩以下で特殊の畑がない場合だつたら、おそらくかかつていないと私は確信しております。
○北村委員長 それでは本日はこれにて散會いたします。次回の開会は公報をもつて通知いたします。 午前十一時二十二分散会