国土計画委員会 第29号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/12/01
会議録
○荒木委員長 これより會議を開きます。
○松浦(東)委員 緊急動議を提出いたします。すなわちこの際日程を變更しまして、横須賀港を開港に指定する等の法律案を取上げて審議を進められんことを望みます。
○荒木委員長 ただいま松浦東介君より緊急動議が提出いたされました。すなわち横須賀港を開港に指定する等の法律案をこの際追加し、これを議題として審議しようとする動議であります。松浦君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 御異議なしと認め、横須賀港を開港に指定する等の法律案を議題といたします。政府の趣旨辯明を求めます。 —————————————
○小坂政府委員 ただいま議題と相なりました横須賀港を開港に指定する等の法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。 今般待望久しき民間貿易の再開によりまして、わが國の前途には明るい希望を見出し得ましたことは、まことに御同慶にたえない次第でございます。外國貿易に依存せざるを得ませんわが國といたしましては、これが速やかなる進展をはかることは、まことに緊要でありまして、その一環といたしまして、横須賀港ほか十三港を新たに開港に指定いたしまして、もつてわが國外國貿易の發展に資せんとするものであります。そもそも開港を指定いたしまする場合には、從來關税法第九十九條に基きまする委任勅令によつて指定してまいつたのでありますが、新憲法の施行に伴いまして、港域とともに法律によつて指定することが適當と認められまするので、現在の開港については別に提出の關税法の一部を改正する法律案によりまして、その港域とともに關税法に規定することといたしまして、新たに追加いたしまする右の十四港につきましては、本法によりまして別表に、その港域ととも規定せんとするものであります。 以上をもちまして、横須賀港を開港に指定する等の法律案の提案理由の御説明といたします。何とぞ速やかに御審議の上、御賛成あらんことを切にお願い申し上げる次第であります。
○荒木委員長 御質疑はありませんか。
○今村(忠)委員 お尋ねいたします。つまり新たに開港されようとするいくつかの港は、何ゆえにその必要があるかという點を質したいのであります。從來開港場があつて事足りておつたものを、なぜ今囘追加しなければならぬかという點でありますが、つまり進駐軍が駐在しておるので、そこに直接外國の船なり、飛行機なりを入れることが便宜で、それから起きる問題なのか。朝鮮、臺灣のごとき、從來の外地とせられておつたものがいわゆる外國となつてしまつて、それらとの交通上、今度加えるような港を追加することが便利であり、必要であるという意味でするものかどうかということが一つ。もう一つは、はなはだ經費がかさんで國費大きに過ぎる状態にあるときに、これらの港を新たに開設することによつて、設備等不十分なら、またその施設のために非常な金を必要とするのではないか、こう思うのであります。陸上輸送と海上輸送とはその經費においてはなはだ違うことを認めるのではありますけれども、またその海上輸送がはなはだ安くつくという點から見れば、從來の開港場を利用するということもできるのでありますから、何ゆえに從來の開港場だけでは不足であつて、新たに追加せんとするか。その追加をするのに經費を要しはしないか。この二點をお聽きしたいのであります。
○伊藤説明員 ただいまのお尋ねに對して御説明申し上げます。從來の開港のほかに今囘新たに十四港を開港に指定いたします理由につきましては、横須賀、呉、佐世保、舞鶴のような舊軍港は、ただいまのところすでに貿易港として利用いたしております。その他築港が相當完備いたしております徳山その他の港も、それぞれ利用いたしておるのでありますが、不開港でありますと關税法上いろいろ特に税關長の許可を受けなければ貿易船がはいることができませんので、この際これらの港につきましては開港に指定いたしまして、自由に出入ができますように、便宜な取扱いをいたしたいというのが趣旨でございます。本委員會におきましても、下津その他の開港につきまして請願もございまして、採擇に相なつておりますことをいろいろ勘案いたしまして、今囘提案されたわけであります。 また經費につきましては、開港にいたすために特に經費を要することはございません。先ほど申し上げました通り、税關長の許可なしに自由に出入できまするために、税關施設を要しまするので、これらの港は支所なり出張所なりをすでに設けまして、皆様の御便宜をはかつておりますから、開港いたしますために特に經費を要する點はないのであります。
○今村(忠)委員 今私の質問に對してお答えがあつたのでありますが、不十分な點を感ずるのであります。つまり進駐軍が駐在しておつて必要であるとか、あるいは臺灣、朝鮮のごとき外地が、外國となつたために必要だというのかという質問に對して、今のお話は全然それとは違つて、港を殖やした方がいろいろな點において便利だというようにお聽取りしたのですが、その點がどうもはつきりしないのであります。もし港を殖やすことが便利だというならば、何も敗戰後の今日にそれを通感することはないと存ずるのでありまして、進駐軍關係とか、從來の外地の臺灣、朝鮮が外國となつてしまつたからというような、戰爭によつて起きてきた事態によつて、かように港を殖やすというならば理窟があると思うのでありますが、そうでないとしたならば、これだけの港を開港場にすれば、税關の經費だけでも相當であるし、それから第二段として質問した、船を著けるようないろいろな設備、倉庫の設備等を考えると、相當の經費が私は要ると思うのであります。その點今のお答えでははつきりすることができなかつたのでありますが、もう一度その點を明らかにしていただきたい。
○伊藤説明員 特に進駐軍がおられるから開港を必要とするという點はございません。第二段の朝鮮、臺灣が準外國になりましたためにという點はございます。あるいは近い將來にまつたく外國となりました際には、なお必要であろうと思います。御承知のように朝鮮、臺灣がただいまのような状況になりましたために、それとの往復上特に開港を必要とする港もあります。經費の點につきましては、すでに税關施設がただいまございますので、開港に指定いたしましたために、特にそれより以上に税關の人數、その他の施設を殖やす必要はないのであります。上屋その他の施設につきましては、完備をした方が今後の外國貿易にますます好影響がある向きもあるようでありますけれども、すでに横須賀、呉等の舊軍港には相當りつぱな上屋がありまして、これらを外國貿易施設の上屋として利用することには事缺かないようであります。先ほど提案理由の説明にも觸れておきましたように、どうしても今後の貿易を盛んにしますためには、これらの港を追加いたしまして、地理的にも背後地關係その他積出し、輸入物資の取扱い等につきましても、これらの港は開港に指定して御便宜をはかる方が適當であると考えておる次第であります。
○今村(忠)委員 もうちつとお聽きしておきたいのですが、つまり横須賀とか、舞鶴とか佐世保であるとか、呉もそうでありましようが、軍港であつた場合には税關等が設備されておつたということも考えられるのでありますが、この十四のうちにはかつて軍港であつた以外のものもあろうと思うのでありますが、そういうところに税關の設備があつたということは不思議に感ずるのであります。どういう意味でそういうものが從來あつたのですか。なおこの十四のうち、つまり從來軍港として使用しておつたもの以外の、新たに外國船がはいると言いますか、外國との交通が開始されるものがあるならばそれをひとつ指摘して御説明願いたい。
○伊藤説明員 軍港は先ほど御説明がありましたように四つでありまして、それ以外に軍港に準ずるものが徳山、ここはもとは開港でございましたけれども、海軍關係でこれは閉鎖に相なつたものでありまして、軍港に準ずるものであります。岩國には戰時中陸海軍の精油所がありまして、そこに相當港灣施設がありましたので、これも舊軍港に準ずるものであります。稚内は樺太との交通の要衝でありまして、相當りつぱな施設をもつておりまするので、これも大體同じようなものであります。その他の和歌山下津、田邊、新居濱、坂出、小松島、こういうふうな港は、すでに永年國帑を費しまして築港を完成いたしておるのでありまして、これらは三千トン級の船を出入するのにきわめて便利でありまして、今後朝鮮、臺灣等の貿易には非常に利用される港であるのであります。かようなものでありまして、從來とてもこれらの港には相當外國貿易船がはいつておりまして、いわゆる從來は非開港入港の手續き、井開港であるけれども船が入出港する際には、税關の特許を得てはいつておるのでありまして、これらの港に税關施設があることは當然であります。その他の小さな港には、監視その他のために相當たくさんの監視署なり出張所なりをおいておるのでありまして、今囘追加いたそうと思います十四港は、それらのうち相當に貿易の實績なり、船の實績なりが多いところのものを、地方の御要望にも備えまして指定いたさんとするのであります。
○今村(忠)委員 今の説明で大體わかりましたが、ここにありまする和歌山港、廣島、この中國の部分と四國の新居濱、小松島等は、ちよつと考えて朝鮮と貿易するのに便利だと考えられませんし、四國の一部は臺灣とのことは一應考えられますし、酒田の樺太との連絡も一應考えられんではありませんが、何かしらこれらが便乘して、この際開港しておいたらいいじやないかという、漠然たる考えのようにとられるのであります。三千トン程度のものの施設があつたとしても、臨時に外國船がはいつたりいたしましても、税關のごときちやんとした設備がされておるとも考えられませんし、また倉庫のごとき適當なものができておるや否やということも、實際われわれは考えられぬのであります。まことに今日いろいろの面において、財政を縮小していかなければという場合、殊にまた外國との平和條約締結後において、通商が密になつていつて、そのとき考えられることは、外國人が非常に各地にはいつて風紀を紊すというような點、あるいは經濟上の犯罪を犯すというような點等を考えていきますと、むちやくちやに港を殖やして取締りに困るというようなことが附随してくるのではないかと一應考えられるのであります。そういう點から考えましたときに、今の説明の臺灣と朝鮮との交通という點からだけ考えては、どうもこれらのあとに殘された港は便乘するおそれがあるように思われるのであります。特に何かここに開港する必要があるのか、もう一度はつきりした御説明を願いたい。
○伊藤説明員 先ほども申し上げました通りに、開港できませんと、その港に出入する際に一々税關長の特許を電報なり何なりで得なければ、船の入港ができないのでありまして、開港にしておきますと初めて自由に入出港ができるのでございます。最近の情勢といたしまして、相當不正なる貿易が行われまして、密貿易が盛んなのであります。いわゆる開港地以外のところに無斷ではいることによつて、悪いことをする者が多いのでありまして、逐次税關の組織というものを強化いたしませんと、日本の經濟を安定するのに非常なる支障を來すとわれわれは考えておるのでありまして、開港場には堂々と自由に出入できるけれども、その代り税關の手續をするのでありまして、その他の場所には原則として無斷ではいれない。こういうのが關税法の取扱いになつております。從いまして先ほども申し上げましたように、この措置によりまして、特に税關の經費を必要としないのでありまして、これらの十四港には前から税關の施設がありますけれども、不開港に相なつておるのを今囘便宜のために開港にいたす次第であります。
○今村(忠)委員 順次わかつてまいりましたが、御趣旨のごとくであるならばもう少し九州であるとか、山陰の線であるとか、そういつた地域に開港場が加えられてよいような氣がするのであります。ところがこれでみますと九州は長崎一つ。山陰には舞鶴があります。これは山陰というよりは近畿にはいりますが、これ一つだけで、その他はわれわれがちよつと考えて朝鮮、支那方面との密貿易、その他外國となつていつたために必要だと感ずる九州、山陰の地域にはなはだ少いのでありますが、これは現在は適當なものがないが將來考慮するというのか。あるいはすでにこれらの地域に對する開港計畫があつて必要としないものであるか。その點をもう少しはつきりしてもらいたい。
○伊藤説明員 これも今囘追加いたすのが十四ございまして、ただいま開港は四十二港ございます。ただいま御指摘になりました山陰地方は濱田、境、萩等がすでに開港になつておるのでありまして、九州には三池、三角、鹿児島、長崎、御承知のように、若松、下關は開港になつております。山陰九州にも相當ございますが、四國は今治、高知が開港になつております。ただいまのところ四十二港すでに開港でありまして、それに十四を追加しまして、日本全國として五十六開港にいたさんとするのであります。
○今村(忠)委員 もうひとつ最後にお聽きしたいのですが、經費がかからぬかからぬというだけのことでありますが、實質一體いくらかかりりますか、その數字をひとつ示していただきたいと思います。
○伊藤説明員 このためには、豫算にも開港のためには一文も追加をお願いしておりません。
○村瀬委員 ただいまの説明員の御説明で大體わかつてまいりましたが、今の四十二に十四を新たに加えるのでありますが、たとえば瀬戸内海を見ますと、阪神、關門を除きまして宇野、糸崎、今治、宇部、と今あるわけであります。それに加えますること、呉、廣島、坂出、新居濱、岩國、下松まであるわけでありまして、御説明によりますと、船がはいるのに開港場になつている方が便利だということはごもつともでありまして、それならば全部開港場にすればよいということになるのでありますが、將来これを整理をなさるという御方針があるのであるかどうか。たとえばある港には現在税關の支所がありますが、それを廢止して今度十四のどこかにもつていくというような御方針があるのであるか。御方針というよりも内意があるのであるかどうか、それをお伺いしたいのであります。また經費はかからない、かからないと言つておりますが、今日の日本の國情から考えますならば、今ある施設を極力效率的に使うということが最も大事であると思うのであります。船がはいるためには廣く開港場を殖やすのがよいのでありますけれども、それがないために非常に分散いたしまして、どこの港も完全な荷役設備も、また上屋、倉庫等もない。税關關係も全部が、非常に手薄いので、かえつて實際の貿易上支障を來すというようなことも考えられるのでありますが、そういう點に對しまして、何かの含みが將來あるかどうかという點をお尋ねいたします。
○伊藤説明員 從來におきましても、開港に指定いたしまして、一年間に相當の貿易の實績がございません際においては、それを閉鎖する規定はございます。たとえば從來の開港の指定は政令によつていたしておりました關係上、國會の御審議は經なかつたのでありますが、今囘法律にいたしましたのであります。今後とも、もし實績が僅少、もしくは皆無でありまして、また諸種の事情がこれを許すならば、整理いたすべき時期もあるかと存じております。 それから施設の點でありますが、實績に伴いまして人員その他の配置を勘案しなければいけませんし、また少い人員を有效に使うためには、御説のような考えも必要だとは考えておりますが、ただいまのところは、この十四港につきましてはそれぞれその重要性に應じまして、二十人、三十人ないし、四人、五人とそれぞれ人員を適當に配置いたしているわけでありまして、そこで特に本件のために經費を要しないというふうに申し上げておる次第であります。
○村瀬委員 實績によつては將來整理をするかもしれないというような御意見でありますたが、實績と申しましても、從來戰時中竝びに戰後の非常な混亂状態にありましては、正しい實績は現われていないのであります。今お加えになります十四の港を見ましても、御説明にもなかつたようでありますが、ヒンターランド等の嚴格な説明がつかない港もあると思うのであります。實際港自體のほんとうの港灣設備、竝びにその背後地、物資集散状況、あるいは輸出生産品の状態というようなものをお考えになりまして、今までの四十二の中には、あるいは非常な變動を受けたところがあるかもしれませんが、概してこの四十二は理由と歴史があつて、今まで開港場になつておりますので、かりに一、二の實績が特殊な事情でないからといつて、輕々にこれを整理されるということは、今まで投じました施設竝びに人的配置を輕々に轉換するということになつて、かえつて能率を上げる上に支障を來すと思いますので、整理という點につきましては十分御勘考を願いたいと思うのであります。むしろ私は從來からあります四十二のこの施設のそろつておりますものを擴充していくという方針でお進みになることを希望いたすのでありますが、それらに對する政府のお考えはいかようでございましようか。
○伊藤説明員 ごもつともでありまして、でありますから從來とても整理することができるようになつておりましたけれども、私の知つている限りにおいては、整理いたしたことはございません。諸般の情勢が許すならばと申しましたのは、その意味から申し上げたのでありまして、實際は一年ないし二年貿易の實績がございませんでも、それは實績として現われませんので、ただ取引の關係上他の地を經由したとか、替後地の荷役の關係等で一時その港を經由しなかつたというような關係等がありましたことを勘案いたしまして、從來も年額五萬圓以上の實績がございませんと取消すことに相なつておりますけれども、取消したことはないのであります。今後は政令によらずして、國會の審議を經て今囘も追加いたすものでありますから、今後整理するような場合は必ず國會に諮ることとは思いますけれども、われわれといたしましては、まつたく御説のように、その點については從來の施設を活用するという意味において整理、閉鎖その他について愼重を期さなければいけないと考えております。
○村瀬委員 最後に念を押してお尋ねしておきたいと思うのでありますが、今政府の方におきまして、どこかの税關支所をどこかに移したいというような腹案の場所でもあるでありましようか。そういうものは一體ないのでありましようか、お尋ねいたします。
○伊藤説明員 ただいまところまつたくございません。
○高倉委員 北海道の稚内が今度開港に指定されたようでありますが、これは樺太の連絡の上において唯一の港でありますので、當然であると思うのでありますが、千島をとられました今日、今まで根室は千島漁業の基地としての役割をもつておつたのでありまして、今後も根室は相當に大きな役割をもつものと思いますが、この根室港が今度開港として指定されておるのか。また今後そういうような御意思があるのであるかひとつお伺いいたします。
○伊藤説明員 根室につきましては、ただいまと同様に、今後とも開港として存續いたしまして、整理閉鎖するような考えはもつておりません。
○細野委員 結局今の村瀬さんや今村さんと同じことを繰返すことになりますか、今度の指定は國土計畫的な面から立案されたものでないように了解してよろしいでしようか。具體的に申しますと、たとえばここにあります横須賀と横濱というものを考え、また佐世保と長崎というものを考えてみますと、どちらもヒンターランドの状況、産業の状況というものは、ほとんど似たようなものであると思うのであります。こういう近いところに二つの開港を置くということになると、結局力の分散になりはしないか。國土計畫的に見まして、はたしてこういう近いところに二つの港を設けることがいいかどうかということについて、われわれちよつとまだ了解いたしかねるのであります。
○伊藤説明員 お尋ねのように、非常に近いところに開港がありますると、力の分散になるようではありまするけれども、御承知のように港々は皆それぞれ特徴をもつておるのでありまして、ただいまのところ佐世保と長崎、これは、よほど近いのでありまするけれども、兩方とも相當活溌に利用せられておるようでありまして、やはり兩方とも開港に致しておきます方が、何かと民間のお仕事の上に御便宜であると考えております。横須賀と横濱につきましては、一應この御懸念の點、私どもこの一年間研究中、いろいろ現地の方とも、懸當局とも打合せたのでありますけれども、兩方ともおのおの違つた持あじをもつて利用されるということに意見の一致をみまして、提案いたした次第であります。
○村瀬委員 これは根本方針をお伺いするのでありますが、開港場というものの一つの規格といいますか、性格について、何か近く御改訂になる御方針があるのでありましようか。たとえば從來あまり聞かれなかつた言葉で、この頃觀光港というような言葉をよく聞くのであります。從來の第一種港灣とか第二種港灣とかいつたものは、入港船舶とか、國が施設をしておるとかによつてきめるとか、いろいろあつたようですが、これらの限界といいますか、いわゆる開港場なるものの種類政府のお考えになつておるところを伺いたいと思います。
○伊藤説明員 今後のわが國の貿易は、歐洲各國を相手にする大船豆舶の貿易によるほか、朝鮮、臺灣等を相手とする小型船による貿易を考えなければならぬと考えますので、從來よりは相當小さな港も開港場に指定する方が便利と考えておるのであります。規格と申しましても、ただいまのところでは、背後地なり、貨物集散の状況等を見て、それを關税法上の開港に指定する方が便利だという所は、逐次開港に指定する方がよろしいと考えております。觀光港につきましては、單に觀光船の出入だけでありますれば、不開港でも自由に入港、出港ができるのであります。たとえば別府などは觀光だけの目的でありますれば、われわれの方では開港でなくても出入が自由でありますので、その意味からしまして、特に觀光のために開港をする必要はないと考えております。
○村瀬委員 外國の觀光船を入れるということになりますならば、觀光港こそ開港に非常に重要なこととなつてくると思うのであります。この點はいかがでしようか。また私のお尋ねいたしましたのは、一口に開港と言つておりますが、それにしましても今お答えになりました通り、小さい船でも入れるというような、いわゆる望鮮、臺灣等が外國となりました關係から、一つの開港場に種類分けをするというようなお考えがあるのかどうか、一律に全部ただ開港とだけおきめになつておくつもりであるかどうか。
○伊藤説明員 觀光港はまことに必要でありますけれども、觀光である限りは出入自由でございますので、特に開港にしたくてもよろしいと申し上げたのでありまして、觀光港は非常に重要であります。でありますけれども、特に開港に指定いたしませんでも、御不便なく船舶は關税法上自由に入ることもできますので、この必要はないと申し上げたのであります。 それから大きい小さいによつて種類分けにするということは、關税法上の開港に關してはその考えはありません。たで神戸、横濱、大阪というような、大きな開港は税關もございますし、やや小さいところには税關の支所というものもあります。それより小さいところは税關の出張所というものを置いてあるのでありまして、それぞれ大小によりまして、これは規格はできておりますけれども、名稱を第一種開港、第二種開港とは申しておらないのであります。
○藤田委員 開港と從來の第一種、第二種港灣との關係、つまりその港灣施設の運營にあたつて、國營をもつてこれをやるかやらないかというような關係は、この法律が出てどういうぐあいになりますか。政府の御所見を承りたい。
○伊藤説明員 開港と第一種、第二種港灣との關係は直接の關連はございません。港灣の一種、二種に對する指定等については、直接の關連はないと私は考えておりますけれども、しかし開港になりまして、相當貿易の實績がそこにありますならば、それはやはりそれに伴う施設を、それぞれ國あるいは地方が折半ないし分擔して施行せられるということは、その後に起る附帶的の問題であろうと考えております。
○今村(忠)委員 政府委員の説明を聽いて、最後の結論として、かような提案はまつたく必要なしと私は思いますが、もう一度重ねて補充しておきます。横須賀であるとか、佐世保あるいは舞鶴、呉というようなところは、進駐軍がおるためにどうしてもそこを開港場にしなければならぬというような切實なる必要性があるのかどうか、われわれに全部否決することを一應は考えておるのでありますが、他の委員の方の意見を聽いたわけではありませんが、もし全部認められぬとしたならば、この程度だけは進駐軍關係があつてどうしても認めてほしいということがこの中にあるのかどうか、これをお尋ねしたい。
○伊藤説明員 本案は全部政府としては是非とも必要だと考えて提案致しております。進駐軍がおるから必要ということは、必ずしも進駐軍のための開港ではありません。日本の貿易のための開港の指定でありまして、本委員會についても、ほとんど全部の港について請願が全部の地方から出ておるのでありまして、その趣旨をも十分付度いたしております。かえつて呉等の現地進駐軍は、呉等は日本の關税法にもまだ開港場になつておらないではないか、あらゆる施設、船等は日本の方に貸してやろうと思うけれども、さしあたつて日本の法規でさえも呉は開港にしておらいではないかと、逆に進駐軍の方から指摘があるくらいであつて、それは自分の便んのためではありませす。日本の關税法上開港になつていないということを、逆に連合軍の方から指摘されておるやうな状況であります。
○今村(忠)委員 呉はそれでは認めることがでさるような氣がします。その他に同じような理由があるのでありますか。
○伊藤説明員 全體として關係方面におきましては、本件については非常に熱意をもつております。むしろ今後のことを考えておるのでございましようが、自由に手數なしに、なるべく外國貿易船がはいる港を多くすることを要望いたしております。
○荒木委員長 御質疑なしと認めます。 本案はきわめて簡單であります。お諮りいたします。討論を省略いたしましてただちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 ちよつと休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————◇————— 午後零時二十一分開議
○荒木委員長 再開いたします。小坂大藏政務次官。
○小坂政府委員 この法律案は、たいへん休會間近くなりまして提出いたしまして、ここでにわかに御審議御採決を願いたいということを申上げて、はなはだ恐縮いたしておりますが、これは從來の慣例から見ますと、政令でいたしておつたようなものでありますが、御説明にも申上げましたように、私ども新憲法の精神を尊重いたしまして、十分御審議を相煩わしたいと思つてここに提出いたしたものであります。ただ私どもがここに提出いたしまして御採決願えると思つておりますゆえのものは、ここにございます各港は、大體請願によりまして御審議を願い御採決になつておるものでありまして、その意味におきまして皆さま方のすでに御諒解を得ているものと、かように考えてお願いいたしておる次第であります。どうぞ、ひとつよろしくお願いいたします。なお、説明員からこの各港におきます荷役の状況等につき御説明を申上げることといたします。
○今村(忠)委員 ちよつと……。第一は請願がみな出ておるというけれども、事務側でひとつこれがみな請願にあるかどうか調べてください。第二には先ほど要求してあるように、この十四のに港入つた船の數、荷の揚げ下し、輸出輸入等があつたら、その量を示していただきたい。そうして採決はやはり今日は無理と思う。明日の午前中が豫定日でありますからやつていただいて、その上で採決するか、さもなければ開港等の將來長きにわたる問題を突如としてきめることであつて、委員會の態度としてははなはだ將來によきものを殘さぬと思う、この點愼重にやつていただくことを希望いたします。
○荒木委員長 速記中止。 〔速記中止〕
○荒木委員長 速記を始めて……。本法案に對する質疑はこれをもつて打切りたいと存じます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 討論、採決は明十二月二日午前十時より行います。 —————————————
○荒木委員長 續いてはなはだ恐縮でありますが、貿易局長官には御多忙のところ差繰り出席願つております。なお勞働省職業安定局長上山君も出席しておりますので、時間が經過して恐縮でありますが、暫く日程にはいつて審議を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 前會に引續き、通告順による質疑を許します。今村忠助君。
○今村(忠)委員 それでは前會に要望いたしました、つまり就職状況の都市と地方における實情について一應明らかにしてもらいたいのであります。それからもう一つは、一體かような都會地轉入抑制法というようなものが法律化して強化されるという結果、就職の上に非常に支障を來しはしないかということを非常に心配するのでありますが、これらの點について、どうであるかということを伺いたいのであります。
○上山政府委員 御要求になりました數字を申し上げます前に、前の本委員會に缺席していて御質問がありました點を承りましたので、關連いたしますことを若干申し上げたいと思います。 政府の失業對策といたしましては、これは勞働大臣初め他の機會等でもいろいろお答えもいたしているのでありますが、第一の施設といたしましては、公共職業安定所の效率的運營竝びに職業補導施設の擴充強化を意圖しているのであります。さらに第二の施設といたしましては、輸出産業その他民需諸産業の振興による雇傭量の増大化と公共事業の實施を考え、さらにどうしても失業者として出ます者を、失業保險なり失業手當で救つてやろうと考えているのでありまして、從つて公共職業安定所がなるたけ活動の面を廣くいたしまして、一人でも多くの失業者を就職させるように努力いたしたいと思つているわけでありまして、そういう趣旨からいたしまして、今村委員の御心配になります點は、御趣旨のほどは私たちもよくわかるのであります。ただ一面、先般國會で議決を願いまして本日から施行になつております職業安定法、これは新しい職業行政の方向を規定いたしているのでありますが、この職業安定法におきましては、なるたけ職業の紹介なり募集は、勞働者が現に住んでおります所から工場に通うというような建前で考えているのであります。すなわち職業安定法の第十九條第二項では「公共職業安定所は、求職業者に對し、できるだけその住所又は居所の變更を必要としない就職先に、これを紹介するよう努めなければならない。」とありまして、また第三十九條には「勞働者の募集を行わうとする者は、通常通勤することができる地域から、勞働者を募集することが困難なときは、その地域に近接する地域から、勞働者を募集するように努めなければならない。」かような規定があるのでございまして、なるたけ通勤地域から募集する、またそこに紹介するというような原則を立てているのでございます。この趣旨は申すまでもなく勞働關係、雇傭關係の民主化をいたしますためには、遠隔の事情のわからない所から勞働者を募集してまいる。また事情のわからないような所に勞働者を紹介するということを極力避けまして、できるだけ通勤できますような、地元で人を募集もし、また紹介もいたす、かような建前をとりましたような次第でございます。もちろんこれは原則でございまして、ただいまの工場立地が必ずしも勞働力の給源に適當するようにできておりませんし、また將來におきましても、工場の種類によりましては、必ずしも地元からのみ勞働者募集でありますが、一つの大きな原則といたしましては、極力遠い所から人を連れてまいるということをよしまして、地元から募集もし、紹介もいたすという原則を立てたのでありまして、このこともひとつ御承知をお願いいたしたいと思うのであります。それで私たちといたしましてはこういう法を御可決願いましたわけでございますので、遠い所からの募集なり、遠い所への紹介は避けるような方向で努力してまいりたいと考えているわけでございます。 それで御質問の中にありますところの職業紹介の實情でございますが、ちようど都市と郡部というような都合のいい數もございませんので、できるだけ近いものを申し上げる趣旨で、六大都市の所在しております府縣とそれ以外の府縣との、昭和二十一年度中の職業紹介の實績がございますので、それを申し上げたいと思います。すなわち、まず求人數で申しますと、全國で三百一萬七千五十八という數字でございます。そのうち六大都市のございます府縣が百三十二萬一千百六、それ以外の府縣が百六十九萬五千九百五十二、かような數字でございます。これに對しまして求職者の數は、全國で二百二十三萬二百三、六大都市のあります府縣が九十三萬五千九百八十六、それ以外の府縣が百二十九萬四千二百十七という數字であります。それからなお御參考のために、就職しました者の數を申し上げますと、全國で百二十八萬二千九百六、六大都市のあります府縣が四十萬九千三百四十六、それ以外の府縣が八十七萬三千五百六十という數字になつております。これをパーセンテージで申し上げますと、求人數は全國を百といたしますと六大都市所在の府縣が四三・八%、それ以外の府縣が五六・二%、求職者の數に全國を百といたしますと、六大都市のあります府縣が四二%、それ以外の府縣が五八%となつております。なお御參考のために就職者の數字を申し上げますと、全國を百として、六大都市所在の府縣が三一・九%、それ以外の府縣が六八・一%ということになつております。すなわち六市都市の所在しております府縣は、求人數におきましても四三・八%という相當大きな割合でございますが、しかし一面求職者にいたしましても四二%でございまして、全然比例しているというところまではいきませんが、しかし大體同じような割合で、求人者も相當の割合だが、求職者も相當の割合を占めております。これは別な見地から求人數を百といたしました場合の求職者の數を申しますと、六大都市の所在府縣は七〇・八%それ以外の府縣は七六・三%、すなわち都市よりも郡部の方が求職者の數は多いということになつておるのでございますが、しかしいずれにしても七〇%ないし八〇%というような數字になつております。なお求職者の數に對しての就職者の數でございますが、これは六大都市所在縣は四三・七%右以外の府縣は六七・五%、かような數字になつておるのでございます。すなわちこれはどういうことかと申しますと、六大都市の方が求職者に對して、實際就職した者の割合が低いということでございます。これもいろいろの原因が考えられるのでございますが、その一つの大きな原因として、六大都市等のあるところは住宅事情が非常に悪いために、求人者の側では自分の家から通勤する人を希望する。ところが求職者の方ではなるたけ住込なり、あるいは大工場等の寄宿舎のあるところを希望するというような、住宅事情が原因になつて、求人と求職とがうまくマツチしないという事情が非常に多いのでございまして、こういう面から見ても、住宅事情のよくないために、大都市においての職業紹介がうまく行つておらないということを申し上げることができると考えるのでございます。御參考のための一つの數字を申し上げますと、これは昭和二十一年八月十五日の失業の指數の調査でございますが、これには商工業地域と農山村地域との二つの分類でやつておりまして、ただいま問題になつております都市と、それ以外というようにぴつたりとは行つておりませんが、一つの御參考になると思います。すなわち商工業地域においては、失業者の率が、男子四・八四%女子四・八五%合計四・八四%、農山村地域においては男子四・二四%女子二・六四%合計三・五二%になつておりまして、この數字は商工業地域においては、失業者が國民なり勞働者のうちで比較的率が高いということを示しておるようなわけであります。そういうことをいろいろ總合して考えますると、なるほど一つ一つの例をとると、都會の方にいい求人口があり、農村の方に適當な求職口があるという場合も考えられるのでございますが、全體を通じて申せば、都會の方には失業者が多い。それから大都市の職業紹介が住宅不足の為でうまく行つていないという事が考えられますし、また今囘議會で御議決願いました職業安定法の趣旨も、できるだけ通勤できるような地域から工場へ紹介いたし、また募集もなるため通勤できるような地域から原則としては認めるという建前をとつておるところから考えますると、職業行政の立場においても、ただいまの事情では、都市への轉入が相當程度抑制されるのもやむを得ないじやないか。なおどうしても國民生活上困るような者については、例外の場合を認めておるわけでございますので、今面の措置はやむを得ない措置だと考えております。
○荒木委員長 村瀬宣親君。
○村瀬委員 私は内容の二、三をお尋ねいたしたいのであります。その前にこの法案自體について根本的なものをお尋ねしておきたいと思うのであります。それは本委員會の權威を保持する上にも必要であり、またよき先例を殘すためにも必要であると思うのであります。と申しますのは、この附則でありますが、附則の終りに「建設院設置法の一部を次のように改正する。」とあります。しかし建設院設置法というものは、まだ一向出ておりません。これは見方によりますと、單なる手續の順序が狂つたということで濟まされるかもしれませんが、これがあるいは消防組織法案とか、最高法務廰設置法案というような面に出ますならば、それでも大體不都合なのでありますけれども、靜かにしておつてもよいということも考えられるのでありますが、本委員會においては、かねてから建設省をつくりたいということは、各委員が相當熱心に述べ來つたとこいであります。それに對してことさらに排戰するかのごとく、まだ法案も出ていない前に、こういうものをちやんと附則につけてくるということは、委員會なるものの審議をいかに輕く見ておるか、自分たちの思う通りであるという官僚そのものの現われであると私は考えるのでありますが、本委員會に初めてかかる法案が無視して出されるといたしますれば、將來委員會の權威にも關することであり、また非常な悪例をも殘すことであると考えるのであります。一體いかなる御所論でかようなものをここにお出しになつたものであるか、またこのまま通すにも、嚴格に解釋いたしますれば、かようなものは審議にかけることすら考えものであると思いますが、これは法制局等の官僚のお考えか、この際委員會に對する根本的な點をまずお伺いしたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 村瀬委員からたいへんきつい御言葉を承りましたが、挑戰とか何とかいう趣旨はもとよりないのでありますが、ちようどいい機會でございますから、率直にかようなことになつた經緯をひとつ申し述べて、御了解をいただきたいと思います。實は内務省解體に伴う諸般の法制措置をとつて、實は一囘こちらに御提案したのでありますが、萬やむを得ない思いがけない都合によつて撤囘申し上げて、そして新たに出直すということであつたのであります。從つて内務省解體に伴う法案として、今囘地方財政委員會法案なるものの御審議を煩わしておるのであります。それと相併行して建設院設置法案、これは撤囘後における新しい法案として、建設院設置法案を併行して準備しておつたのであります。政府内部の手続としては、ずつと前にきまつておりました。從つてこの都會地轉入抑制法案を準備する前の段階において、一應政府部内のその方の準備は濟んでおつたのでありますから、建設院設置法案の第四條第八號の中に緊急措置令というものをうたつておつたわけであります。ところがその後また今日思いがけないいろいろな事情が生じまして、つい建設院設置法案の國會提出が遅れてしまいました。なお今日まだ御提案申し上げておらぬのでありますが、これは明日あるいは明後日か、近い機會に提案の運びになるという 結論の段取にまいりました。さような經緯がありましたために、おかしな形になつて實はお手もとに出てしまつたわけであります。從いまして、この附則の御處置は國會の立法機關としての適當な御處置をまつほかはない。またお願いしなければならぬと私は思つております。建設院設置法の方は今申しましたようなことで遅れてまいりましたから、この設置法の中にあります第四條第八號をちよつと手直しいたしまして、都會地轉入抑制法というように、法律の文字をかえて御提案しようという運びに今日なつたわけであります。從つてそこの扱い方の問題は、國會とわれわれとの腹藏なき行きがかりの御説明をこちらから申し上げまして、そして御處置は國會の御處置をまつほかはないと考えております。なおその問題については、また別の機會に述べることがあると思うのでありますが、一應の經緯としてはさようなことでありまして、その點の行き違いと申しますか、やむを得ざる行き違いではありますけれども、これは深くおわびを申し上げなければならぬというふうに考えておるわけであります。
○村瀬委員 最初に提案の理由のほか、ただいまお話になりましたようなことを聽き得る機會は多數あつたと思いますが、私の質問によつてお答えになるという點をなお一面遺憾に思うのであります。なおまた私が考えますのは、手違いがあつたことも認めるのであります。やむを得ぬと思うのでありますが、それならばこれを出すときに、まだ建設院設置法が出ていないのだなんということははつきりわかるのでありますから、かりに建設院設置法をお出しになるならば、第四條の第八號をかようにかえておきさえすればこの二行というものはいらぬのでありまして、ことさらに泣く児を泣かすように、こういう二行をことさらに入れる必要はないと思うのであります。それをことさらに入れるというところに、ちよつと度忘れしたという程度かもわかりませんが、委員會なるものの輕視の感じがあるのでないかという感じを一應もつのでありますが、さようでなければ仕合せであります。 次にお尋ねいたしたいと思いますのは、先ほど來本法案の必要なる、やむを得ないゆえんを承りますと、その主眼というか大きな理由は、都市の住宅という點にあることがますます明らかになつてまいつたのであります。これは一昨日今村委員から再三質問もあつたことでありまするが、田舎の方におきましても、またこの都會地もでありまするが、やはり家がたくさん建てば、こういう憲法違反ではないかというようなおそれのある法律案を出す必要はないということになるのであります。根本を極わめますと早く家を建てることが、こういう困つた法案を一日も早くなくしてしまえる唯一の方法と考えるのであります。 それでお尋ねいたしますのは今日の建築に對する許可と言いまするか、手續の問題でありまするか、實際復興院というものは建築に關する限り復悪院だ、妨害院だということを地方の人から言われておるのでありまして、非常に許可の手續が進まないのであります。これは資材等の關係の割當機構等にも改善する餘地があるのではないかと考えるのでありますが、また復興院におかれます職員の方の取扱いにも、大いに改善をせねばならない餘地があるのであります。例をあげますと、これは住宅ではありませんからなお簡單にいくと私たちは考えておつたのでありますが、今治の税務署を地方民が寄附をして建てようということになりました。地方民の考えでは、當然國が建てる税務署という官公署を寄附をして建てるのだから、もつていつたら御苦勞さんといつてすぐ判でももらえるかと思つたら、六月の二十日に復興院で受附けたものが、未だに許可になつておりません。一體そういう手續はどこに缺陥があるのでありますか、こういう方法がいわゆる憲法違反とも思われる法律をいつまでもおいておかねばならぬという結果になると思うのでありますが、この間の事情をまずお尋ねいたします。
○伊東政府委員 住宅不足のためにこういう法立措置を講じなければならぬことはまことに遺憾でありまして、私どもとして極力この轉入抑制をされる都市竝びにそのほかの地區についても、住宅の急速に増加するように極力考えておるわけであります。ただいまお話の臨時建築等制限規則を行つてまいることは、まことにやむを得ない資材の不足その他による事情があるわけでありますが、この取扱方につきましては、できるだけ住宅に重點をおきまして、住宅につきましては特に最近手持資材というような形で、許可を速やかにするという方法も講じております。これにつきましては、お話のように統制をはかりまして間がありません。また非常に人手不足ということから十分にいつておりませんので、極力不都合な點はなお改善していきたいと考えております。住宅以外のただいま今治の税務署の御指摘があつたのでありますが、これは具體的にまだ私聞いておりませんけれども、これは許可をすることは復興院がやることになつておりますが、ただ資材の割當といたしまして、その割當のあるものについて許可をすることになつております。資材の割當は安本から、税務署關係は大藏省でございますが、その方から安本に要求がありまして、わくが設定されるわけであります。その方から資材がとれることになりますれば、私の方としては許可するわけであります。おそらく資材のわくがなかつたので、この許可が遅れたのじやないかと考えております。この點につきましては復興院と、資材の方は別な官廰で割當てられるということで、非常に御迷惑をかけておるようなこともあります。この點も何とか改善できぬものかというので、關係各省とも安本とも御相談して、いろいろ研究をいたしておるようなわけでございます。
○村瀬委員 資材で遅れるということでありますが、さような隘路がわかつておりますれば事を忠實に運ぶためには、その隘路を至急に打開していただきたいと思うのであります。私たち仄聞いたしますのに、建築の許可は復興院でやりながら、建築に對する資材は全部扱つていない。そういうことが、一般國民の得心のいかん點であります。ただいま税務署は大藏省との打合せでいくということであります。これで建たなければ、大藏省自身が建てねばならぬ建前でありますから大藏省が遅らすということも國民には得心がいかんわけであります。大藏省は眞先に喜んで早く許可になるように奔走すべき立場にあるにもかかわらず、それが遅れるということは、統則機構の上に大きな缺陥があるのではないか。さようでありまするならば、その機構をただちに改善されるように御奔走するのが忠實なるゆえんであり、また建築を促進し、こういう法案を一日も早くなくするという結果になると思うのであります。ちよつと問題がそれたようでありますが、大事なことでありますから、そういう機構の改善に對しまして、復興院の方で何か腹案をもち、計畫をお進めになつたおられるのでありますか、關係當局と打合中なんでありますか、それをお伺いしたいと思います。
○伊東政府委員 この問題は各省とも關係がいろいろありますので、私の方としましては、なるべく復興院一本で資材の割當をきめるようにいたしたいと思つておりますが、何分にも税務署とか各省の行政に關係することがあつて、全然復興院だけの考えで取扱うということにはいきかねるものがあるのです。その邊なるべく一般の方々には迷惑のかからないような結論を得たいと思いまして、ただいま研究いたしております。何か近いうちに改善の具體案をきめたいと思つております。
○村瀬委員 その點は至急に熱意をもつて御改善を願いたい。ただいま例をとりましたように、官公署においてさえかくのことしでありまして、そのほかの住宅問題については、實に一般國民の聲は深刻なるものがあるのであります。よくその點を御理解の上、善處されるように希望いたしておきます。 次にお尋ねいたしたいのは、この法案で最も特色とする變つた點であると提案説明で御説明になりましたが、これはこの法案をお扱いになつた方にお尋ねいたしたいのでありますが、第二條の第二項の期限を限つて承認を與えるという點であります。こういうことが書いてありまして、これは運用上に非常に出先の末端行政においては苦勞いたしますし、また一般國民はこれに非常に迷わされるのでありますが、これに對しまして具體的に期間を切つて轉入の許されるものを列擧して御説明をお願いしたい。
○岩沢政府委員 このたびの法律で、期間を切つてということを特に入れましたのは、從來の實績に徴しまして、これを入れた方がよろしいという考えから入れたのであります。たとえて申し上げますならば、養成所とか、あるいは補導所あるいはまた一箇月か二箇月の講習會が東京で開かれる場合には、從來は轉入ができないために非常な困難を感じ、從つてその目的を達しないというような關係があつたものですから、そういうものに對しては一定の期限をきつて轉入を許し、その期限が切れたらまたもとの所に歸るということが、すべての目的を達成する上に非常に好都合である、こういう意味において期限を切つたのでありますその他災害のあつた場合に、他の方面から應援をするというような場合にも、食糧その他の關係上抑制さられておる所に對しては、戰災復舊が非常に捗らない。そういうことから、應援隊に對しては一定の期間を切つて轉入抑制地域に入つてもらうという考えからこの期限を切つたのであります。
○村瀬委員 具體的に一時的という意味でありますが、たとえば十箇月なら十箇月ぐらいまでは認めるとか、もう少し具體的な點をお聽かせ願いたい。
○岩沢政府委員 十箇月とかあるいは一箇年ということでなくて、いわゆる臨時的のものを大體指していきたい、こう考えております。
○村瀬委員 具體的には臨時的なというお答えであります。また特殊勞務者、各種講習會、災害が起つた場合というような例をお引きになつたのでありますが、その他の場合においても、あるいは三箇月、五箇月というような理由をつけて、これを廣く適用し得るという場合が起るのであります。この要綱を各末端の行政市町村においては、相當廣く解釋したいという希望が出てまいつておるのでありますが、その點についてもう少し具體的な御説明を承りたい。
○岩沢政府委員 その點につきましては、やはり御説の通り、ただいま申しましたような例示のものでなく、ほんとうに必要、たとえば個人關係で申せば、病人があつて、親類から看護に來なければならない、こういうやむを得ない場合においては、やはりこの期間を切つて轉入を許すというようなわけで、要するにこれは運用の方法によつて、この規定を活かしていきたいというように考えております。
○村瀬委員 看病という例が出てまいつたのでありますが、さような場合に期間を次ぎ次ぎに更新をしてまいりまして、かなり廣い意味にこれを利用して、一般の支障を除くというように解釋をしてよいものでありましようか。もう一度伺つておきたい。
○岩沢政府委員 この一定期間を限つて許すというのは、われわれは非常に考慮いたしましたので、今お話の通り期間を區切つてだんだんやれば結局永久におられるということになるので、この點は嚴重な査定をしなければならぬと考えております。
○足立委員 この法案は憲法違反ではないかという疑問をもちますので、その點を納得するためお尋ねしたい。 まず第一にお尋ねしたいのは、憲法の二十二條には居住、移轉、職業の自由を認め、ただ例外的に公共の福祉に反する場合においては制限することができる。しからばこういう抑制の法律を出す必要がどこにあるかというと、過度の人口の集中のためにうんぬんということが公共の福祉に反する、それであるから抑制するのだ。從つて憲法違反にならぬのだ。こういうふうに解釋をせられておる、しからばこういう條項がはたして公共の福祉に反するかどうかという點を、詳細に檢討してみる必要があると思います。まずその前提といたしまして、過度の集中ということを言つておりますが、これは何を基準にして言うのであるか、そうするとこの點は、都市においても、商業都市、政治都市、あるいは生産都市というようにいろいろ分れますが、そういういろいろの都市の具體的設備によつて自然的に人口が殖えて來た。ある一定の都市においては、生産設備、商業的施設、あるいはヒンターランド、そういう點から考えてこれだけの人口が集中して、これだけの都市ができた。そういう點からはたしてそれが過度であるかどうかという點が一つの問題であります。その次には住宅とか食糧、そういう事情からして、これがこれ以上集つたら過渡であるかどうかという點、この二點が過度の集中ということに疑問をもつのであります。こういう事實的な關係に對して、政府の方でどういう解釋をなさるか。過度の集中ということはどういう點からお考えになつたか、それをまず第一に聽きたいのであります。經濟的、政治的、商業的な意味で都市がまだ人口を要求する。そこにおいて將來集中されるかされないかという點を明らかにしていただきたい。
○岩沢政府委員 都會地の轉入抑制法でありますが、都市の收容力というのは、その都市の經濟、生産にマツチするように大體の最大限として取扱うべきものだと、國土計畫の上から言えば、當然考えなければならぬことと思います。しかしながら今の段階においては、結局この地域が住宅、食糧の事情が非常に十分でないという觀點から、轉入抑制をこの地に施いた方が、社會の治安を保つ上に、またその他の事情からいいのではないかという考えから、構想いたしたのであります。
○足立委員 國土計畫の中において、これだけの生産力があるからこれだけの人間が必要であるとか、過度であるとかは、全然御考慮にならず、ただ食糧の關係だけからというのですか。
○岩沢政府委員 全然考えないことはありません。要するにいろいろな悪条件が一日も早く緩和できれば、この法案は撤去して、都市の持味までの人口の流入が自由になるようにわれわれは希望しております。
○足立委員 そうすると、都市の性格とかいうものは重點ではないというのですね。
○岩沢政府委員 大體われわれとしてはそう考えております。
○足立委員 次の問題は、抑止をしなくて放任した場合に、都市にどれだけの人間が集中するかという點を想定されましたか。
○岩沢政府委員 これはやはりその都市における住宅なり食糧の配給、その他の悪条件を見ますと、おのずから限度が起つてくると思います。しかし家庭で申せば、一升のますに二升も三升も一度に入れると、それだけのものはあふれて、社會のいろいろの悪の根源とか、また治安の上から非常に寒心すべきことが生ずるおそれがないことはありませんから、それを未然に防ぐということもまた考えたのであります。
○足立委員 私の考えから行きますと、住宅が不備であろうがどうしようが、もし經濟的の必要があつたならば、ここに集中してくる。食糧も何らかの方法でもつてくる。こういうように人口の集中は、住宅とか食糧は第二の問題として、經濟的の必要に應じて人口が集中していくのだ。これを防ぐ方法はないのであります。それを基本にして、はたしてこの都市にどれだけの人口の收容力があるかという想定のもとに、もしこの抑制をしなかつたならばどれだけの人間が收容できるかどうかという、基本的な統計のものにお立てにならないと、この問題はいかぬのではないかと思うのです。國土局長としては根本的なものをお考えですか。
○岩沢政府委員 この點についてはまつたく御同感でありまして、われわれといたしましては、抑制地域ばかりでなく、將來における日本の國土計畫の見地から、東京は何百萬が限度であるとか、あるいは阪神地方はどのくらいの收容力で、それ以上は困るとかいうことの研究を今いたしておるのであります。從來からの實績から申しますと、お説の通りに經濟力の過大な所に對して、人口の流入することは當然の理でありますが、しかしここに都市集中の幣が非常にあるのでありまして、これを何かの機會において抑制して、健全な都市の發達を願うことが、國土計畫上最も必要ではないかと考えております。一面においてはこの人口集中を住宅とか食糧で抑制はいたしますが、根本はやはり將來における都市の發達というものは、お話の通りに人口の限度をきめて、それでいろいろの國土計畫上の見地から施設を進めていくという考えでおります。
○足立委員 私はやはり國土計畫の見地から、いかに住宅がなかろうが、食糧がなかろうが、一つの經濟的な必要があるならば、ここへ必ず人間が集中してくるという前提に立たなければ、その理論は立たないと思います。しからば東京都あるいは横濱市において、現實の問題として、このわくをはずしたならばどれだけの人間がはたして膨脹するであろうかというような、一つの假定的な想定がなければ、この法案の根據がないと思いますが、その根據を伺いたいと思います。
○岩沢政府委員 その根據は今どのくらいかということは、數字的には申し上げられないのであります。また事實どのくらいの者がはいるかということは、そのときの状況によつて判斷しなければならぬ。われわれとしては、とにかく從來の實況から見て、先ほど申し上げた通りに、都市の治安關係その他に對して、都市生活面で非常に悪影響を及ぼすという抽象的なことが相當加わつておるので、數字的にどのくらいが流入するかということをお示しするかということは、まだ統計も何もとつていないし、また考えても見なかつたので、ただ抽象的にこの問題は考慮しなければならぬというだけの問題であります。
○足立委員 私のお尋ねいたしたいのは、たとえばそういう法律をつくる場合に、漠然とした一つの抽象的な考えをもつてやることがいかぬのである。東京の生産力とか横濱の生産力、または地理的な分布なり、あるいは商業的な理由なりによつて、現在これだけの人間がある。これを抑止するとどれだけの人間になる。これについては都市はどれだけの膨脹指數をもつておるという確固たる根據に立つて、初めてここに法律の根據ができる。漠然としたただ一つの抽象的なものであるということでは、この法律そのものは根據がないと考えますが、その點いかがでございますか。
○岩沢政府委員 ただいま抽象的と申し上げましたが、この抽象的ということは、現在までの東京なりあるいは抑制地域の人口の増加率というようなものから判斷いたしまして、當然今放任すれば——昔の東京ならば七百萬という人口があつた。それが敗戰直後においては二百何萬に減つた。これを放任すれば、何かのときにおいて、結局住宅なり食糧を無視してでもどしどし押寄せる。いわゆる七百萬ぐらいの限度になるという状況は一應うなずけるのであります。しかしそれは事實そういうような人口ははいつてこない。しかしその人口ははいつてこない。しかしその人口の増加率は、敗戰後は從來の増加率と比すれば、よほど急激に増加するということは一應は考えられますけれども、どのくらい増加するという規定の材料もないし、それは全然できなかつたのであります。
○足立委員 本法案は一年という期限を切つてあるのでございますが、はたして一年のうちにこれを抑制しなかつたならば、どれだけの人間が集まるという想定がなければ、この法律の根據はないと思うのでありますが、いかがでございますか。
○岩沢政府委員 參考案として御配市申し上げた通りに、大體抑制以後は月に三萬前後になつておるのであります。抑制前は、たとえばこの表で見ますと、終戰後において二百七十萬のものが、四箇月間に百六十六萬ばかり増加しておるのであります。
○足立委員 それからこの法案を見ますと、都市の轉入に對して相當窮屈な法案になつておりますが、私どもの觀點からいたしますと、この法案の運用において、制限を解いたのとほとんど同じ結果になるのではないかと考えております。 そこでもう一つお尋ねいたしたいのは、この法案のわくによつて制限してはいる場合と、解除する場合の差はどういうものかお尋ねしておきたいと思います。
○岩沢政府委員 その點につきましては、從來から緊急措置法案の場合の基準は、今お手もとに差上げた通り、その範圍内においてやつておりますので、非常に廣範圍にわたつたものなのであります。しかし今後この基準はなお皆様の御意見も總合いたしまして改善をしていきたいと思つております。
○足立委員 そうではなく、この法案を見ると、非常にルーズなもので、相當な程度において轉入が可能であると思う。この法案によつて許す人間のはいる割合と、全然解除してしまつて自由に轉入した場合と、どれだけの差が出てくるかお聽きいたしたい。
○岩沢政府委員 從來の實績から申しますと、抑制した都市でいきますと、東京で申しますれば、なお三〇%の轉入の餘裕がある。京都では四〇%、大阪ではなお殘りが六〇%、堺では一〇%、岐阜では滿度になつております。
○足立委員 それは私の尋ねておる趣旨と違つておると思う。轉入の申請をされてそれで許可した數字がどれだけかということを聽いておるのです。
○岩沢政府委員 今申し上げたのはその差額の話です。東京では現在七〇%になつておりますから、この基準でそのままいけばなお三〇%のものがはいり得ると考えております。
○足立委員 三〇%だけ人間が多くはいるというわけですか。そこでお尋ねいたしますが、七〇%を自由に入れて三〇%だけをとめなくてはならぬといふ法律をつくる理由がどこにあるかということであります。
○岩沢政府委員 この七〇%というものは轉入の許可をしたものなのであります。自由に放任したというのではありません。
○足立委員 前り戻りまして、私のお尋ね申し上げたいのは、自由の放任する場合と、このルーズな法の運用によつて轉入を許可すると、ここに差が出てくるが、その差はどれくらいのものであろうかということであります。もう一つ申し上げますと、結論的には、この法律をつくつても、これだけのルーズな扱いができるのならば、ほとんど自由轉入をさせるのと變らない結論に到達せざるを得ないのではないかということであります。それも、私はこう思うというのではなく、一つの數字的な根據をお示し願いたい。そうでないとこの法案の根據がなくなつてくるのであります。
○岩沢政府委員 終戰直後から抑制前までにおいては、大體一月十六萬ぐらい増加しておつたのでありますが、この法令ができて、抑制をし始めてから後の一月における人口の流入は、大體三萬から四萬くらいのものになつております。
○足立委員 それで一番問題は住宅だということを常々聽いておりますが、國土局の方では、この一年間にどれだけの住宅ができて、轉入を許可してもいい状態になるという見透しがついておるか。私の考えをもつてすれば、一年經つたところが公共の福祉を阻害しないような住宅の建築はとうていできないと考えるが、何の根據をもつて一年とされたのでありますか。
○岩沢政府委員 これは先ほどから御指示になりました通り、住宅を制限するということは憲法違反だというようなおそれがある法律でありますから、これを無期限にすることはますます問題になるので、一應はこの前の緊急措置令と同じように區切つて、できるだけ早くこの法律を廢したい。昔のように自由に住居できることが最も望ましいのでありますから、無期限というよりも多少は期限を切つた方がいいというので一年ということにいたしたのでありまして、ただいま御指示になりましたような、しからば住宅はどういう見透しになるかという點にかかわつてくるのでありますが、復興院の方の計畫においては、相當數一年の間にやるというように、多少は緩和されるのではないかという意味において、一年という期限を一應切つたのであります。それがなお住宅がどんどん豫定以上にでき上り、また食糧の事情も非常に緩和せられるという場合においては、この法律が實際あつても、その運用によつてほとんど自由になるということが最も望ましいことでにないかと思います。
○足立委員 しからば一年の間にこの法律を解除してもいいくらい住宅も建ち、食糧事情もよくなるという見透しを、國土局長はおもちになつておるのですか。
○岩沢政府委員 私はそういうことを最も望んでおります。
○足立委員 いや望む望まぬではないのです。そういう見透しをもつておるかということが問題なのです。
○岩沢政府委員 そういうようなことは非常に望ましいことでありますが、一年においてこれが廢止できるということはちよつと斷言しかねます。
○足立委員 しからばはつきりした根據の上に立つて、一年の後にどれくらいの人間がはいれるのか、これに對してはどのくらいの住宅が建つのか、この建つのはどのくらいかかるかという觀點の上に立つて、三年でも五年でも、必要なだけの期間をきめて、この法律をきめて、必要があつたらただちにやる。この法律はなにか見ておるとでたらめで、一つも根據がないように思うのですが、この點いかがですか、
○岩沢政府委員 お説の通りに、もちろん一年後に住宅とかあるいはその他の状況が惡ければ、これはまた延長をせざるを得ぬと考えております。
○足立委員 その次に今度は法制局長官に一つお尋ねいたします。それはこの住宅というのは、各人が皆承諾の上で一家族の中へ五家族も六家族もはいる場合の住宅で、はいりたい人がたくさん來たところが、決してそれで公共の福祉を害するということはないと考えますが、どの程度に住宅があつて人間がたくさんはいつておつたら公共の福祉を害することになるのですか。
○佐藤(達)政府委員 ただいま國土局長との間の質疑應答を拜聽しておつたものでありますが、要するに現状において困つておるというのは、今の國土局長のお話によりますと、住宅もありましようし、あるいは食糧もありましようし、いろいろな要素をさつきから列擧されておるのでありまして、今の總合的な觀點から話が出ておるものと私は考えております。すなわちちようど足立さん御自身のお話に出ておつたように、大體全然この法律がなかつたら、一體どのくらいの公共の福祉に弊害があるかという問題で傾聽しておつたのであります。それで今のお話でもその證據を出せということになりますと、一々精密なる數字をあげて、かようかくかくの次第になるということに、おそらくならざるを得ない。それによつて證明するこは何人も一目にして納得し得る方法だろうと思います。しかしこれは今の御答辯からいきましても、われわれ部外の素人から考えましても、今日數字を出すことは困難であろうということになりますと、今日の各都市における、列擧されました十四かの都市における現状を、大所高所から把握して判斷していくよりほかにないのではないか、今日まですでに抑制を續けてやつてきておりますが、なおそれですら殖えつつある現状でありますから、とうていこの法案なしには濟まされない。すなわちこの法案がなくては公共の福祉に大きな影響がくるということは御判斷願われると思うのであります。そういうところから、國會としてひとつ御判斷を願ひたいと、こう考えております。
○足立委員 私は具體的に考えてみまして、住宅が少い、そうして住宅が少なければ、いくらはいりたくてもはいつてこない、それで一家族の中に五家族も六家族もはいるということは、お互いの承諾の上ではいるのだから、はいつたところでこれは公共の福祉を害することはないと思うのです。もう一つ、食糧事情が窮迫しておる。食糧事情は日本全國窮迫しておるのであるがゆえに、多數の者がはいつてきたところが、公共の福祉に反することはないだろうと思います。問題はもしも食糧事情のために公共の福祉に反するというのであれば、あるいは災害の場合に都市にたくさん來る、交通が杜絶する、輸送ができない、こういうところに大きな惱みがあるという點だけだろうと思います。しからばそういう點から考えてみますと、現在の東京都の状況におきましても、交通が杜絶した場合においては、どうしてもこれは一つの困難な状態にくる。しかしそれで二割殖えたところが三割殖えたところが、私は同じことなんだと思う。いかなる點から考えてみましても、それだから公共の福祉に反するという點については理由がないじやないか、こういうぐあいに考えます點と、もう一つの點は、この法律は住居移轉の自由と職業の自由とを兩方に掲げておりますが、私は職業の自由と住居の自由を同日に掲げてはいかぬものである、住居移轉の自由はこれは別個の觀點から立てなければならないのだ、なぜならば、憲法上におきまして居住移轉が公共の福祉に反するというのは、たとえば傳染病になつた人が勝手なところに居住してしまうと困る。そういう場合においては居住移轉を禁止する、これがいわゆる居住移轉の禁止の本質的な一つの點である。職業の禁止というものは、やはりそれに反して日本の大きな計畫からいつて、いろいろ企業許可によつて——これは職業の禁止に屬するかどうか、ちよつと疑問の點もありますが、さういう方法もとつていかなければならぬ。これは全然觀點が別なものである。もつとも職業の轉換ということもありましようが、しかしこれは多くの人がどうやつてみたつて、直接には公共の福祉に反する問題ではない。公共の福祉に反するという住居の觀點については個別的に考えていくのが正しい解釋ではないか。それからもう一つは、私の説明するまでもなく、明治憲法と今囘の憲法との相違は、法律によつて人民の自由權を阻害しないというのが根本的な點でありますから、われわれはこの解釋はどうしても狭義に解釋していかなければならぬ。もつとも現在のように民主主義政權が指導的な立場にある以上は、私たちは安心しております。しかしながら議會政治である以上、反對な政權も出なければならぬ。そういう場合においては、こういうものを嚴格に解釋しておかぬと、私は非常な危險を包藏することになると思う。私は今囘の憲法の改正の趣旨が自由權を完全に認めたということは、私が説明するまでもなく一つの大きな觀點だから、それを阻害するようなことがあつてはならないと考える。そういう意味から考えてみましても、これは公共の福祉に反するという理由では、この法律を出す理由がないのではないかしらん、通らぬというふうに考えますから、よくこの點は憲法違反の點をもう一度御考慮願いたい。こういうように思う次第であります。
○佐藤(達)政府委員 ただいまのお話の中に、職業の問題と住居の問題と兩方いろいろ出ましたように思いますが、私どもは、第一條に雇用というような文字が上つておりますが、これらは雇用するために對處するということでありまして、現實にこの法案のねらつておりますのはただいま御指摘になりました憲法二十二條の居住、移轉——居住よりはむしろ移轉というのが直接のねらいだろうと思います。從つて二十二條の點については、移轉という問題でこれを論及していただければよいだろうと思うわけであります。そこで移轉先、すなわち轉入先の情勢を一條に條件として掲げて、かような悪条件にある場所への轉入を抑制する、この悪条件として先ほどお言葉にありました住宅の問題もありまうし、また食糧の問題もあり、あるいはまた先ほど私は申しませんでしたが、交通事情なども卑近な例でありますけれども、電車に乘りますたびごとに、どうしてこんなによけいな人がここにおらなければならぬだろうかということを通感しておるのであります。つまらぬことでありますけれども、あらゆる悪条件が總合集積して、ここにこの法案を必要とすることになつておるだろうと思うわけであります。從つて先ほど申しましたように、この法案がなかつた場合のことを考えますれば、まさに憲法の要請しておるこの條件に該當するものというふうに確信をもつわけであります。これからこれはエピソードでたいへん恐縮でありますけれども、ちようど新憲法を立案しておりますときに、われわれの方もお手傳いしておつたのですが、たしか抑制の方は三月一日かにできた、これは並行してやつておつたわけであります。實はそのことを頭におきながらこれを書いたという、これは何も氣に止めていただくというような趣旨で申し上げておるのではありませんけれども、一つのエピソードとして申し上げておきます。
○足立委員 今法制局の方で、公共の福祉に反するとこういうようなことを確信してのお話でありますが、これは水掛論になると思いますが、これは私どもは自由にやつたところが公共の福祉に反しないということを確信しておるのであります。この點はどうしても解決のつかない一つの溝だと思います。それからもう一つ法制局長官に伺いたのですが、住居移轉は一般にそういうふうに大きく御解釋なさるのですか。個別的に傳染病のときに移轉を禁止するとか何とかいう法律は出さなければならないわけですか。そういう點が主眼だと考えておりますが、その點いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 これは平常時における典型的な例は、おそらく御指摘のように傳染病のような場合だと思います。しかしこれはあらゆる時期を通しての典型的な例であつて、今日のような特殊の經濟情勢にあります時期においての場合を考えますと、この憲法の移轉を制限するという事柄自身から申しますと、そういう地域を押えての移轉の制限ということは、この文字の中にはいると考えております。
○足立委員 これで私は質疑を打切りたいと思いますが、結論といたしまして、どうも制限を解除しても、決して公安の福祉には反しないと考えておりますので、なおもう一度法制局においてお考えを願つたらという點を申し添えておきます。
○高倉委員 この第二條の第一項第一號に「國民生活を再興するため當該地域内において必須の業務に從事する者」とあります。私缺席したので、他の委員からお尋ねしたと思いますが、この業務に從事するというのは、どういうものを指しておられるのか、お伺いしたいと思います。
○岩沢政府委員 先ほどお配りいたしました轉入抑制緊急措置は、從來からやつております實施要領の中に大體書いてありますが、それを御覧くだされば、今われわれが取扱つておるものについては、そういう範圍についてやつておりまして、非常に幅は廣いのです。
○高倉委員 そうすると、この中には業務でないかどうか知りませんが、國會議員なんかはいつておりますか。
○岩沢政府委員 これは大體第一項の中に含めての轉入抑制の場合において、その運用の上においてこれをやつておるのであります。
○高倉委員 實は私國會が始まると同時に參つたのですが、こちらの方で下宿をするので下宿屋に行つたところが、その下宿屋では配給切符をもつてきてもらわなければ困るというわけで、實は取寄せたわけです。そうしてその區役所へ行きまして話したところが、これではどうも認められぬ。何かの國會議員としての證明をくれというのであつて、當選證明をもつて行つたのです。それで證明をいただきまして、現在配給を受けておるわけです。從つて郷里の方では配給をもらつておりません。そこでここへ轉入したような形になつておるのでありますが、寄留はしておらない。そこであらゆる配給物はここで受けておるのですが、こうなつてくるとここへ轉入したことになりますか、あるいは轉入しないで配給だけ受けておることになるか。從つてこれに對する選擧權の問題にも影響する。この點はどういうふうに解釋しておられますか。
○岩沢政府委員 寄留とは全然別の問題になるのです。そこで今お話のようなところは、もちろん國會議員のような重責におられる人は、現段階におきましては國民生活のために非常に御盡力になつておられるお方でありますから、結局第六號に「その他主務大臣の定める者」というのがありますが、これによつて從來までやつておりますのが、内務大臣の定める省令で出しておるもので、その五項でごらんになります通りに、例示はしておりませんけれども、市區町村長の認めるもの、こういうものにおいては轉入はらくに、國會議員の方については取扱つておることと思います。
○高倉委員 そうするとそれに對して寄留しなくとも、食糧その他の配給は受けますが、選擧權その他には何か關係ありませんか。
○岩沢政府委員 關係ありません。
○村瀬委員 本案に對する質疑は、この程度で打切りとせられんことを望みます。
○荒木委員長 村瀬君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 御異議なしと認めます。質疑は終了いたしました。 横須賀港を開港に指定する等の法律案及び都會地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案の兩案は次囘委員會におきまして、討論採澤に入ります。
○荒木委員長 お諮りいたします。坂本幸太郎君より留萠港を開港場に指定の請願、文書表第二九五號を、都合により取下げたいという申入れがあります。これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 御異議なしと認めます。 本日はこの程度にいたしまして、明二日火曜日午前十時より委員會を開きます。本日はこれをもつて散會いたします。 午後一時四十五分散會