国土計画委員会 第22号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1947/11/07
会議録
○荒木委員長 これより會議を開きます。 日程の順序に從いまして、紹介議員御出席の順序によつて議題といたします。 日程第四、岩手縣の水害對策に關する請願、小澤佐重喜君紹介、文書表番號第三〇三號、紹介議員の説明を求めます。小澤佐重喜君。
○小澤佐重喜君 この岩手縣の水害は、御承知の通り第一次、第二次、第三次とございますが、この議題になつておりまする請願は、いわゆる第一次分でございまして、もちろんその請願を出した當時におきましては、二次三次があると豫想した者はなかつたのでありまして、從つて、今議題になつた問題だけで、政府の御考慮を願うことはきわめて不徹底なものになるかも知れません。しかし議題になつた問題が第一次分だけでございますし、殊にこの請願の目的とするところは、いわゆる、應急對策と恒久對策にわけておるのでありまして、少くともこの恒久對策の部面に至りましては、第二次、第三次ともに同じ観點に立つ問題であると思いますから、二次、三次の分の總合した請願は追つていたすことにいたしまして、一應ここの一次の分、すなわちただいま議題になつておる請願の趣旨だけを弁明いたしたいと存じております。 このいわゆる第一次水害は、本縣の南地方を襲つた水害でございまして、明治四十三年の盛岡地方を中心とする大洪水に比較しますと、家屋の流失、人畜の被害こそ少いが、山林資源の濫伐、水害防餘施設の缺如、その他悪條件が原因となりまして、交通網施設の破壞を初め、農耕地の冠浸水流失、木材、薪の流失、製炭用窯の決壞、あるいは住宅等の浸水等、その被害がまことに厖大でありまして、しかも旬日以上を經過したこの請願書を出す當時でさえも、いまだに降雨がやみませで、冠浸水以外の農作物の腐敗は、はなはだしく多きにわたつております。なお今後精査するに從いまして、ますます被害が増大するものと推測いたしておつたのであります。しかしてこれが水害の應急策としては、民心民生の安定、國家再建ないし本縣の振興上重大なものと認め、岩手縣會におきましても、もちろん縣當局、關係町村その他の機關を總動員いたしまして、ただちにこれが應急措置を講じておつたのであります。殊にこの食糧事情及び經済情勢よりしまして、速急に國會及び政府の援助のもとに應急竝びに恒久的施設を論ずることをしなかつたならば、該被害地における疲弊その極に達しまして、ほとんど再建不能の致命的なケ結果を招來するものと思惟せられておつたのであります。從いまして、國會竝びに政府におかれましても、この現状をとくと御了察せられまして、これから申し上げますところのいろいろな事項につきまして、特に適切な對策を講ぜられ、特段の後援助を賜わりたいという趣旨で、本請願書を出したのであります。 これを具體的に申し上げますれば、まず應急對策において、第一に道路、橋梁、護岸、耕地、水路、揚水施設等の應急工事費に對する高率の助成、第二に應急資材の特配竝びに復舊工事費借入に關する特別の措置、第三に浸水家屋に對する炊出米の補給増配、第四には衛生資材竝びに農薬の特配、第五に代作物の種子の斡旋、殊に水害地に對する肥糧の特配、第六には防疫指導班の編成等伝染病未然對策、第七は供出割當の減免と減収農家に對する飯米補給、第八には被害農産村に對する應急低利資金の融通、第九には旅行者滞在地における救済費に對し國庫全額助成、第十として被害地方における免税措置、以上がいわゆる應急對策でございますが、もちろんこの中には政府としてもすでに相當の施策を施したものも多々あると思うのであります。從いまして、現在の状況では、請願者としては第二の恒久對策の方に重點をおいておるのであります。 そこでこの恒久對策といたしましては、第一に、北上川の治水計画の急速な實施、特に改修、堤防、ダム施設の整備促進、第二としては、農作物についての品種研究、水害時期による前後措置に關する研究、第三としては、災害防止林の設備促進、第四としては、基幹道路、橋梁の新設、第五としては、山王海、稗和西部及び葛丸川農作水利事業の國營、第六として、北上川支流河川流域のダム施設整備促進、第七として、水害地に對する現在の農業保險料は低率につきこれが農業保險法改正の促進、第七の問題は、申すまでもなくいわゆる災害補償法案として現在政府から提出せられまして、本院で審議中でありますから、これは速やかに審議を終了せられて、法律を實行に移していただきたいという趣旨であるということを附け加えておきたいと思うのであります。 以上のような諸點について、ぜひ政府當局の善処を要望する意味において、本請願書を提出したゆえんであります。もちろん先ほど申し上げました通り、これは第一次水害に對する請願でございますがゆえに、それより大きな水害であつた第二次、第三次水害の面も併せて御研究を願いたいと存ずる次第であります。以上簡単ですが趣旨弁明いたしました。
○荒木委員長 本件に對する政府側の説明を求めます。
○三島説明員 岩手縣の水害對策につきまして内務省關係を申し上げます。 應緊急對策として高率の助成をしてもらいたいという御意見でありますが、極力この線に沿つて御希望に副いたいと思つております。かりに高率補助という形をとらない場合におきましても、必ずや縣財政に對しまする一般財政援助という形のいずれかによりまして、極力國庫財政とともににらみ合わせまして、御期待に副うように努力いたしたいと考えております。資材の問題につきましても、これをまた極力努力をいたしておりまして、大體あるいは鋼材につきましてはある程度見透しを得ておりますが、何と申しましてもセメントが非常な隘路でありまして、この點につきましては前途きわめて楽観を許さないのでありますが、今後ともできる限りはひとつ盡力いたしたいと思います。なおまた災害復舊費につきましては今日までひとり岩手縣に限りません、災害の激甚縣に對しましては、災害作業が進みます前に、數囘にわたりまして補助金の内渡しの意味におきまして、今日まである程度の補助金を交付いたしてまいつております。それで及びません分については緊急融資の手を打つたのであります。つい先ほど公共事業費の追加豫算が上程されたのであります。あの範圍におきましては、とうてい全國の災害復舊費に對します補助金を倍額だけ支出するには至りません。今後災害査定を今月中にはぜひとも完了いたしまして、その結果をまちまして、もう一度補助金の増額につきましてはぜひとも全力を盡くしまして、極力善処いたしたいと思つております。 恒久對策といたしまして北上川の根本治水計画であります。これは目下極力その成案を得ることに急いでおります。今しばらくの間時日をおかし願いたいと思います。なおまた今後の北上川沿岸は単なる災害復舊でありませんで、今後の改修計画というものを十分見透しまして、その線に合うように積極的な災害復舊でもつて對処いたす方針であります。
○野原委員 ただいまの第一次、第二次の水害についての請願の問題でありますが、私はそれに關連いたしまして政府に質問をいたしたいと思います。御承知の通り引續いて第三次の水害が勃發いたしまして、これがまた小澤議員の説明にありましたけれども、非常な災害でありまして、もうほとんど岩手縣は、全縣が徹底的にこの第三次の水害でもつてやられてしまいました。流失家屋約三千戸というような非常な水害でありました。その災害の状態は、ここで一々詳しく申し立てる數字はございませんので、この際省きますけれども、非常な災害を受けました。これに對しまして政府側からのお話もございましたが、根本の對策としまして治水のダムをつくるという話でありますが、この治水のダムは極力計畫して實現を期するというお話でありますけれども、岩手縣としましてはこれをただちにやつてもらいたいのであります。實はもうゆつくりこれから計画をされて、資材が揃つたならばゆつくりとりかかりますというようなことであつては、とうてい満足できないのであります。實は岩手縣に今後水害の頻發するにおきましては、岩手縣はとうてい救われなくなつてしまう。この際どういたしましてもダム計画をただちに行なうように、政府としましては特段の御考慮を願いたい。特に計画としましては五大ダムの建設が豫定されておるようでありますけれども、すでに實施されておつたダム工事さえも資材關係で今中止になつております。資材の面はいろいろと苦しい點もあると思いますけれども、必ずしもセメントがなければ工事が着工できないというのでないのでありまして、その準備事業なり。その他は、今ただちにやろうと思えば、ある程度の仕事はできるのであります。特に雫石川の工事、あるいは北上本流の澁民ダムの工事というものも、その準備事業ならば、本年度内でもある程度の着工はできると考えております。從がつてその五大ダムの建設という點に、政府は何とかしてこれを即刻實現するような御盡力を願いたい。なお第三次の水害でもつて、岩手縣はほとんど道路という道路はめちやめちやに破壞されまして、橋梁もほとんど町村道のごときは落ちてしまつておる。これの復舊に對しましては、町村の今日の經済事情では、これの復舊ができません。やはり何とかして巨額の國庫補助を願いたい。殊に山田線の沿線盛岡から宮古に行く線のごときは、ほとんどこの調子でいくならば、いつになつたら馬車が通ることやら、とうていこれは政府の援助なくしてはやつていけません。特に岩手縣の今度の非常な災害の現場を考えまして、政府としましてはこの復舊にぜひとも十分の豫算をとつてもらいたいと考えます。よろしく。
○三島説明員 ただいまお説の通り、北上川の五大堰堤につきましては、極力御期待に副うようにいたしたいと思います。さしあたり湯澤堰堤が相當程度工事が進んでおりますので、これをできる限り事業期間に完成させたい、かように思つております。なおまた町村費支辨の道路施設、橋梁その他の土木施設につきましても、能う限り高率に助成いたしまして、一日も早く復舊するように盡力いたしたいと思つております。
○伊藤説明員 耕地復舊關係に關しまして、私から御答弁申し上げます。耕地復舊に關しまして高率の助成方に關しましては、御期待に副うべく時を移さず安本と折衝中でありまして、補助率及び事業費は近日中に決定する見込みであります。資材の特配の點でありますが、これは災害勃發直後關係方面と連絡をとりまして、一應特配は確定いたしておりますが、今後もこの點に關しては努力を續けるつもりでおります。それから經理資金の融資、これも災害勃發直後手を打ちまして、融資の途が開かれておるわけであります。恒久對策といたしましては、開拓局關係といたしましては、本年度より災害防止の池を相當數多くつくるという案をつくりまして、二十二年度は試験的に約數箇所つくつておりますが、この成果を見ました上、來年度は相當大規模に實施いたすべく、安本に豫算を要求中であります。それからまた災害防止といたしましては、現在第五次土地改良をやつておりますが、一般の土地改良事業といたしまして、今豫算要求中でありますので、これによつてある程度災害防止の役割を果たし得るだろうと考えております。山王海その他葛丸川等の農業水利改良事業を國營に移管せられたしという御希望に關しましては、山王海農業水利改良事業は今まで營團でやつておりましたので、營團が解散になりました結果、これは當然國營で引継ぐことになつております。葛丸川その他農業水利改良事業に關しましては、目下縣營でやつておりますが、この點は相當工事も進行しておりますし、特に國營に移管しなければならぬという理由もありませんので、さしあたりは經營事業としてやつていただく考えであります。
○小澤佐重喜君 内務當局にちよつとこの際承つておきたいのですが、從來北上川改修工事は、下流の宮城縣下に属する改修工事が完成したという見地から、今野原委員も指摘されたように、上流の方に五つ六つのダムを建設して、北上川改修工事を完成しようという從來の内務省の計画のようでありますが、私どもから考えてみますと、現在の治山治水の現状におきましては、從來考えておつたような内務省の北上川改修工事では、とうてい完全に水害を防止するという見透しはつきかねると思いまするが、これに對して内務當局は、從來の計画をもつて足れりという考えであるか。それともこれに對して再檢討を加えて、さらに新たな北上川改修工事をやろうという情勢におかれておるか。この點をひとつ承りたいと思います。
○三島説明員 ただいま北上川を預つております東北土木出張所に命じまして、從前の案はもちろんのことでありますが、必ずしもその再檢討という狭い範圍でなく、もう少しあらゆる角度から再檢討するように、今せつかく急がしておるのでありまして、これはある程度固まりましたならば、また關係府縣のそれぞれの方の御意見も聽きまして、十分これを固めてまいりたいと思つております。
○小澤佐重喜君 まことに結構な檢討をしていただいて感謝いたしますが、そうしますと、内務省では再檢討した結果の一つの案は、大體いつごろ完成する豫定であるか、内務省だけの計画で結構ですが、見透しがつくならば御説明願いたい。
○三島説明員 私ども内務省におきまして、治水調査會といつたものをつくりまして檢討いたしたいと思つておりますが、それについて東北土木出張署長が先般上京しました際に連絡をとりまして、出張所長の見透しでは、少くとも十二月中には一應の結論に到達したい、かように申しております。極力急ぎたいと思つております。
○野原委員 内務省の根本の治水對策を目下檢討中であるということですが、たいへん結構であります。それに關しまして今まで五大ダムということがしきりに言われておりますが、私どもは岩手縣の實情、殊に北上川というものの治山治水の問題を考えますと、實は五大ダムでは足らないのであります。むしろもつともつとたくさんのダムをつくる、これは農業關係の治水ダムももちろんでありますけれども、發電を兼ねたダムをつくるということが最も必要ではないか。それに關しましては、そういう構想を今度新たに今日内務省がいろいろ檢討されておる御計画の中に、そういうものを含めるというお考えがあるかどうか、それを伺いたい。
○三島説明員 ご意見をとり入れまして、十分ひとつ研究させていただきたいと思います。 —————————————
○荒木委員長 菊池重作君紹介にかかる文書表第四七三號及び同四七九號の霞ヶ浦北浦沿岸治水工事促進の請願につきましては、これに對する政府側の答弁が前會留保されております。この際農林當局の意見の御發言を求めます。
○伊藤説明員 二十二年度に實施しようとしております北浦霞ヶ浦關係の干拓事業は、茨城縣稲敷郡本新島村、これは開拓面積が四百八十七町歩でありますが、もう一つは茨城縣行方郡大生原村水源地區の七十町歩、この二地區であります。この二地區とも委託開發事業であります。從つて計画の當初から農林省が自發的に地區を採択したものではありませんので、茨城縣當局からの打合せによつて初めて承知しまして、その申出を妥當と認めまして委託事業として決定したわけであります。先の方の稲敷郡本新島村地區について申し上げますれば、公有水面埋立許可は、土砂採取許可を農林省に當初打合せ以前にすでに株木組が取得しておつたものであります。從つて漁業關係及び治水關係両方とも、縣内部で當然解決しておつたものと考えられるわけであります。その後漁業權問題が再燃しておりますことは遺憾するところであります。治水につきましては内務省方面の御意見といたしましても、近く開始される北利根川擴張工事と竝行して實施いたすべく干拓事業は三箇年計画といたした次第であります。現在の進捗状況は、目下水中工事でありまして、ある一部がようやく水面上に顔を出したという程度でありまして、今囘の水害とは直接關係のないものと存じております。あとの方の水源地區に關しましては、これは縣營として委託したわけでありますが、漁業權その他に關しましては交渉濟みになつておりまして、この干拓事業實施につきましては縣開拓委員會が民意を代表して審議することになつております。沿岸耕地の治水問題と利根川の改修と相まつて沿岸耕地の排水改良にも鋭意努力いたしたい考えをもつております。現に新利根川の改修を實施しているような次第であります。要するに治水漁業との關連は、これら既往のものについても十分再檢討しなければなりませんが、農林省の發意によつてむりに干拓に着手したものではありませんので、地元側、竝びに縣當局の意向を妥當なものとしてこれを認めまして委託した次第であります。しかしながら今後はさらに實情をよく調査いたしまして、治水あるいは他産業との強調に努めたいと考えております。 —————————————
○荒木委員長 生方大吉君に御相談申し上げますが、日程第二〇及び二一の茨木一久君、それから日程第二五の河合義一君、この両君は、他の委員會に出席のためにお急ぎのようでありますので、この両君の御紹介の請願を先に審査いたしたいと思いますが、御賛成いただけますか。
○生方委員 よろしゆうございます。
○細野委員 一昨日の委員會で農林當局に要求しておつたのですが、前々囘の委員會で松浦委員から質問があつたこの開墾の問題について答弁があるときに、一緒に答弁があるはずになつておつたのですが、連絡がなかつたわけはないと思います。私、責任をもつて答弁を求めなければならないことになつておつたのであります。
○伊藤説明員 説明者がかわりましたので、その點についてはわかりませんでしたが、その點私から説明するように頼まれてきましたから、私から御説明申し上げます。山形縣の開拓委員會の構成がはたして民意を代表する組織になつておるかどうか、そういう御質問だつたろうと思いますが、その件に關しまして調査をいたしました結果、山形縣の開拓委員會の委員の前ぶれを見まするに、會長は知事でありますが、副會長は農地部長、それから委員といたしましてはたくさんありますが、總務部長、經済部長、土木部長、秋田營林局長、財務局の財産部長、農林省積雪地方經済調査所長、それから山形管財支所長、開發營團山形支部長、縣農業會長というふうな顔ぶれでありまして、まだ十名ほどありますが、この委員の顔ぶれを見ましても、經済部長、土木部長、秋田營林局長というふうな關係方面のメンバーは全部含まれておるわけであります。また臨時委員といたしましては、關係方面だけを申し上げますれば、森林組合専務理事、水産業組合、鶴岡營林署長その他もありまするし、そういうふうな關係のある方々を全部包含して委員會を構成しておるような次第であります。
○細野委員 なおこの霞ヶ浦の干拓問題は、當委員會でしばしば非常に問題になつておるのですが、結局さきの御答弁は縣の意思によつて發意したのだと、縣の方に責任を転嫁されるわけではありますまいが、しかし政府の方では、この縣の發意を妥當なものだと認めたという御説明であります。その妥當性を見出された根拠について伺いたい。政府がやつておる事業に對してやめてくれというふうな請願が出てきましたのは、本委員會において本件だけでありまして、この點はもう少しつつこんでわれわれも檢討しておかなればならぬと思いますので、お尋ねする次第であります。
○伊藤説明員 妥當なものと認めました具體的事例といたしましては、公有水面埋立許可、土砂採取許可というようなものを全部とつておりますし、また治水關係方面におきましても内務省と連絡済みでありますし、その點は手續上においては間然するところがないわけでありまして、さらに内務省の治水事業ともマッチするわけでありまして、その點は技術上から申しますれば、さしあたり治水あるいはその他に關しまして影響するところはないと認めたわけであります。漁業關係から申しますれば、特殊漁業に關しましては漁業権の買収もすんでおります。ただ問題が残つておりますのは、自由漁業に關しましてはまだしつくりいつていない。そういう點が残つておるわけであります。この點に關ししましては圓満な強調ができるように努力いたしたいと考えておる次第であります。 —————————————
○荒木委員長 日程第二〇、川治川砂防工事施行の請願、茨木一久君紹介、文書表番號第五九二號、日程第二一、大久保部落地帯における地すべり防止工事施行の請願、茨木一久君紹介、文書表番號第五九三號、以上二件を一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。茨木一久君。
○荊木一久君 新潟縣は御承知の通り長い海岸線が百里ございますが、奥行きが非常に淺い縣でありまして、海岸から直ちに山になるというかつこうで、從つて川はあすこに大きな川が三本ございます。姫川、信濃川、阿賀野川、これが急湍を發して海に注ぎます間に、その支川支流を通じて大きな災害を惹起しておるのであります。その二つ、ただいま御上程くださいました五九二號の川沿川は、中魚沼郡川治村地内を流れておる信濃川の支流であります。この川は昭和三年の三月に文献に残つておりますものが最初でありますけれども、爾來年々氾濫を續けてまいり、そうして地すべりがこれに伴つておるのであります。その面積もだんだん廣くなつてまいつておるのであります。かなり緩慢なものでありましたが、非常な危険が伴うというので昭和十三年この方新潟縣營で工事を續けてまいつたのであります。ところが不幸にして時局が緊迫を告げましたために、昭和十五年にこれを打切つてしまいました。残念なことであつたのでありますが、それが本年の春の出水によりまして一挙に氾濫をいたしまして、惨憺たる状態を見るに至つたのであります。ただいまでは多量の土砂、砂礫あるいは巨岩、巨石といつたようなものが川床を埋めてしまいまして、今までの工事は全然役に立たないような情況でります。殊に奥地にありまする約二十戸の部落は全く交通ができないような状態に立至つておるのであります。幸いにして昭和十九年度に砂防指定地域に編入されておりますが、その後一向國營砂防工事としては進行しておりません。希わくは現地の者の要望を容れられまして、新潟縣の特異性であります河川砂防工事を速やかに御實施願いたいというのが本請願の要點でございます。 いま一件は、同じ新潟縣西頚城郡の長野縣からはいつております姫川は、糸魚川に流れ込んでおります。名前は姫川でありますが、平生は処女のごとく非常に素直な川でありますけれども、一旦荒れますと脱兎のごとき川なのであります。この川によりまして姫川の支流に根知川という川がありますが、これが數十年この方毎年災害を引き起しておるのでありまして、つい最近における被害の實況は、昭和七年このかた地すべりを續けておるのでありますが、八年九年と両年にわたりまして縣營砂防工事が行われましたけれども、その後またこれが打切りになつております。現在の被害面積は、田地二十町歩、畑が十町歩餘り、山林十五町歩、宅地約二千五百坪がほとんど使用に堪えない現在の状態になつております。これは姫川の支流でありますが、本川姫川に對しまして、戰時中厖大な計画が實は立てられたのでありますけれどもこれはとうてい将來實施完了の見込みが立たないのでありまして、やむを得ず、この支川の方から手を染めていただいて、ぜひ根知川の局部的なものではありますが、これらを直していただかぬととうてい本川姫川を直すわけにはいかないのでありまして、希わくはこれも併せまして、根知川砂防工事を完成願いたいというのが本請願の要旨でございます。簡単でございますが、御説明を終ります。
○荒木委員長 これに對する政府側の意見を求めます。三島説明員。
○三島説明員 新潟縣の川治川筋の砂防につきましては、ただいま御説明の通り中途におきまして豫算の削減のため、工事を中止いたしておりまして、はなはだ遺憾に存じておる次第であります。昨年の十一月に川治川筋に對しまして十分調査いたしましたところ、との當時の調査では、今後四百四十一萬圓の工費を投ずれば一通りの工事が完成するという調査もできておりますから、明年度からぜひとも工事を復活いたしまして、御期待に副いたいと思つております。なおまた西頚城郡大久保部落を中心とする地帯でございますが、これは御承知の通り、姫川筋は新潟縣といわず、長野縣といわず、非常に土質のわるいところでありまして、ぜひとも砂防工事の必要な所であります。そこに先般の地すべりの後本年の七月以降精密な實地調査をやつております。この調査が全部終了するのをまたず、すでに調査のできました部分から、逐次工事を實施いたしいと思つておりますので、その一部につきましては、ぜひとも明年度から着手いたしたいというような氣持でおります。よろしくお願いいたします。
○荒木委員長 御質疑等はございませんか。生田大吉君に重ねてお相談申し上げます。日程第六の紹介議員神山榮一君は他の委員會に出席中のところを、當委員會の出席要求に應じて御出席になりましたので、先ほど御相談いたしました河合義一君の案件の前に、まずこの案件を審査して進行をはかりたいと思いますが、御了承いただけますか。
○生方委員 承知しました。 —————————————
○荒木委員長 次は文書表第六、信濃川治水工事継續施工の請願、神山榮一君紹介、文書表番號第四一二號、紹介議員の説明を求めます。
○神山榮一君 請願書に申し上げてあります通り、長野市を中心として信濃川の堤防が非常に決壞しておるのであります。これがために降雨の際には、長野市民はまつたくその色を失つているのが現在の状態であります。生命、財産よりは數十萬町歩にわたります耕地の問題につきまして、農民は日夜この堤防に對して姑息的な方策を講じておりますけれども、どうしてもこの問題に對しては、國家の力をもつてやつていただくよりほか方法がないのでありまして、先般來關東土木出張所がとにかくこの堤防の工事をやつておりますけれども、その完成は遅々としておりますので、これから殊に降雨のときにはいりますが、堤防がところどころに亀裂を生じておりまして、稲作その他の問題に對して非常な憂慮をしている状態でありますから、急速にこの工事の継續をしていただきたい、これが請願の要旨であります。何卒各位におかれましては、よろしくこの請願に對して御審議を賜わらんことをお願いする次第であります。
○荒木委員長 本件に對して政府側の意見を求めます。
○三島説明員 信濃川が長野市附近におきまして、今年の春の雪解け水で相當被害を受けておりますことは事實であります。これにつきましては、その直後から復舊工事に取りかかつておるのでありますが、いろいろな隘路がありまして、ただいまのお話では、地元の方々からみますれば工事が非常に進捗していないというようなお話でありますが、新潟縣は雪も非常に早い地帯でありますので、極力工事を進捗せしめますように、今後とも一層努力いたしたいと思つております。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第二五、加古川中流改修工事施工の請願、河合義一君紹介、文書表番號第七五〇號、紹介議員の説明を求めます。
○河合義一君 私の紹介いたしております請願は、加古川中流改修工事施工の請願であります。 加古川は兵庫縣の穀倉であります。播洲平野を貫流しております重要河川でありますが、その上流と下流とは、先年すでに國營によつて河川改修が終了しているのであります。ところがその支流と中流がそのままになつておりまして、年々相當の被害がありますので、その改修工事の施工を再々請願いたしておつたのでありますが、戰時中これがはなはだ困難な事情にありまして、今日に至つているわけであります。一昨年と昨年と本年の水害によりまして相當の被害があります。殊にその支流の美嚢側のごときは、一昨年の水害では人畜の生命までも奪われたというようなことがありまして、耕地の被害もはなはだしかつたのであります。本年の七月の豪雨によりましても、兵庫縣下におきましては道路、溜池、橋梁等が一千六百餘箇所の多數の被害があつたのでありまして、耕地の流失面積が一千七百九十町歩に達しておるのでありますが、その大半はこの加古川の中流の被害なんであります。この際何とか國營によりましてこの河川改修工事を進めていただきたいという請願であります。どうかこの際政府當局の意見も徴せられまして、本委員會においてこの請願を御採択あらんことをお願いする次第であります。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 加古川はただいまの御説の通り、兵庫縣播洲平野を流れております重要な川でありますので、その下流につきましては、すでに内務省直轄をもつて改修工事を終了いたしております。またその上流部は、佐治川ともう一つは何川でありましたか、二つを現に中小河川改良工事といたしまして、國庫補助を出しまして改良工事を進めておるのであります。その中間だけが取残されておりまするので、これにつきましてはでき得る限り明年度あたりから、中小河川改良工事を實施いたしたいと思いまして目下準備中であります。極力御期待に副うようにいたしたいと思います。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第八、久保井堰堤の近接下流に副堰堤築設の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第四四三號。 日程第九、天上川砂防工事施行の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第四四四號。 日程第一〇、日向川治水工事促進の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第四四五號。 日程第一一、三波川砂防工事施行の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第四四六號。 日程第一二、土合川砂防工事施行の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第四四七號。 日程第一三、大澤川下流に砂防工事施行の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第四四八號。 日程第一四、平澤川改修工事継續施行の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第四四九號。 日程第一五、鑷澤に打止堰堤工事施行の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第四五〇號。 日程第一六、貫澤に砂防工事継續施行の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第四五一號。 日程第一七、涸澤川、野上川、岩染川砂防工事継續施行の請願、文書表番號第四五二號。 日程第一八、瀧澤川砂防工事施行の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第四五三號。 日程第二二、三名川砂防工事施行の請願、生方大吉君紹介、文書表番號第五九三號、以上十二件を一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。生方大吉君。
○生方大吉君 非常に多數の請願でありまするが、ただいまの各河川は皆田舎における小川でありまして、澤と俗に言うような、平素はほとんど水のないような河でありまするが、一朝大豪雨でもありますると、意外なる被害をその地方はこうむるのでありまして、皆各關係者も非常に困却しておるところでありまするが、十數年來わが群馬縣は比較的砂防工事が各地にぽつぽつ完成されておつて、その砂防工事の完成された小川は、ほとんど今囘の大水害にもその被害がなかつたような次第でありますから、未完成のそういう小川の砂防工事が完成されれば、下流までその被害を免れるというようなことは、現實に今囘の水害で認めたのであります。しかもいずれもこの請願は、今囘の大水害以前に皆各地で調査して、隣の河川に比較して、この川は昨年あたりの僅かな水でも被害が多かつたところが各地にあるので、ぜひとも砂防工事竝びに次の堰堤の築造を一日も早くしていただきたいという地方關係町村の熱望でありまして、群馬縣の當局とも相談の上、一括して要所要所だけをここに請願した次第であります。どうぞ當局におきましても特に御調査の上、これを實現されんことを切にお願いする次第であります。なお委員諸君におきましても、どうぞ今囘の群馬縣の大水害等に對しても御同情くだすつて、この採択の一日も早く行われんことを切にお願いする次第であります。
○荒木委員長 これに對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 今囘の利根川の水害は、群馬縣におきまする利根川の本流竝びに支流の各渓流が非常に荒れており、それに伴いまして崖崩れが非常に多かつたということが一つの大きな原因になつておると思うのであります。しかもただいまの御説にもありました通り、そこに砂防工事が施されておりまするところは、非常な効果を發揮したというような實例もありますので、今後極力豫算を増額いたしまして、ただいま御指摘の各渓流につきましても、御期待に副うように一層努力いたしたいと思つております。これらの各河川につきまして、それぞれ砂防工事としての調査は一應完了いたしておりますけれども、なおまた今囘の水害に鑑みまして、もう一度再檢討いたしまして、逐次御期待に副うように努力するつもりであります。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第二四、野田川砂防工事施行の請願、太田典禮君紹介、文書表番號第六八三號。なおこの際お諮りいたします。日程第一九、野田川砂防工事施行の請願、大石ヨシエ君紹介、文書表番號第五二五號の案件は、日程第二四と趣旨を同じくいたしまするので、紹介議員は異なりまするけれども、これを一括議題といたしたいと思いまするがご異議ありませんか。[「異議なし」と呼ぶ者あり]
○荒木委員長 御異議なしと認めましてさよう取計らいます。紹介議員の説明を求めます。太田典禮君。
○太田典禮君 野田川と申しますと、京都府與謝郡加悦谷平野を貫流する十二キロくらいの、あまり大きな川ではございませんけれども、大江山堰堤から日本海に注いでおります。先年河川改修工事を完了したのでありますが、なお支流竝びに上流における砂防工事が一つも行われておりませんので、毎年出水いたしまして、被害もございますので、ぜひ砂防工事を行つていただくように委員會におきましても特別の御審議を願いまして御採択願いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 野田川筋につきましては昭和二十年、二十一年の両年度におきまして、八萬六千五百圓をもつて砂防工事を實施いたしたのでありますが、非常にわずかな經費でありまして、工事も十分に進捗いたしません上に、さらにまた昭和二十二年におきましては、遂に全然工事を中止するというような状況に立ち至りまして、非常に遺憾に存じておる次第であります。昨年の十一月末、この川筋につきまして、詳細に調査いたしておりますので、それに基きまして來年度から再び工事を再開いたしまして、できる限り短期間に御期待に副うようにしたいと思つております。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第二九、常願寺川上流砂防工事促進の請願、佐伯宗義君紹介、文書表番號第七九二號、竝びに日程第三二、富山縣下の砂防工事施行の請願、佐伯宗義君紹介、文書表番號第八一七號、以上二件を一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。
○佐伯宗義君 富山県は全國におきましても、大縣の三分の一もない小さい縣でございますが、御承知の通り北陸四大川の四大川をもつておりますし、電力におきましても日本全國の十分の一が動力として生産界に活動しておるのであります。そして非常に河川が多いだけに、水害はまた全國においてもまれな點があると思います。そこで請願書にございます通り、全縣下の最も重要なものだけを、この際國家におきましてぜひ工事を施していただきたい。なかんずく常願寺川と申しますのは、おそらく私どもも全國においても、最もまれな川でないかと思います。それは上流に一大崩壊のあるのが最も大なる原因でございます。この被害たるやとうてい一般と比較にならぬようなものと想像されるのであります。この際ぜひ國家のお力添えに與りまして、根本の砂防工事の御計畫をお立てくださいまして、ぜひ實施願いたいと存ずるのでございます。どうか皆様におかれても御審議の上御賛成くださいますようにお願いいたします。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○佐伯宗義君 常願寺川はただいま御説明の通り、荒れ川の中でも最も荒れ川でありまして、これにつきましては単に河川改修のみでもつて効果をあげ得るものではありません。ぜひとも砂防工事を竝行いたしまして、今後とも萬全を期したいと思つております。現に常願寺川につきましては、明治三十九年から大正十四年までの間、國庫補助をいたしまして、富山縣の砂防工事を實施してまいつたのであります。その後大正十五年から今日までは内務省直轄の砂防工事を継續いたしておりまして、砂防工事といたしましては全國で一番大規模にやつておる工事箇所であります。しかしながら最近いろいろな物価高なんかの關係で、工事が十分に進捗いたさないことは非常に遺憾に存じておりますが、來年度からは極力豫算の増額に努力いしまして、御期待に副うようにいたしたいと思います。なお常願寺川に限りませず、富山縣一般の砂防工事につきましても、極力御請願の趣旨を體しまして善処いたしたいと思つております。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第三一、川上川砂防工事施行の請願、伊藤恭一君紹介、文書表番號第八〇三號、紹介議員の説明を求めます。
○伊藤恭一君 これは岐阜縣惠那郡川上村に源を發しまして、同郡坂下町の地内において木曽川に注ぐ延長十キロばかりの小さい川上川でありますが、その水源地帯がほとんど土砂でありまして、峻険な山獄であります。從つて川の流れも急でありまして、平生においても降雨があるごとに、相當量の土砂を流しております。一たび豪雨が來ますと、沿岸各所に道路、橋梁、田畑、家屋などしばしば災害をこうむつております。特にそのうちでも明治三十七年七月には家屋三十五戸、耕地三十町歩、昭和七年九月には家屋一八戸、耕地二十四町歩、なお道路などが決壞しており、また橋梁などが非常に被害をこうむつております。それから昭和十三年におきましては、その被害が格別はなはだしかつたのであります。さらに昭和二十年におきましては、その損害復舊だけでも當時七八十萬圓もかけましたが未だに復舊を見ておらないで、實に惨憺たる状態であります。なお小さな災害はほとんど毎年ありますが、今年は關東などと違いまして岐阜縣はそう損害をこうむらなかつたのでありますが、とにかく連年の損害復舊に非常に困惑しているような次第であります。 なお土砂が木曽川に流れこんで、現在日本發送電落合ダムをほとんど埋めております。そういうような關係で非常に困つております。なお今般食糧危機打開の國策に基きまして、沿岸竝びにその丘陵等に約二百町歩の開拓計画を進めておりますが、現在までの開墾の結果から考えますと、今囘の開墾實施の土地は必ず一時的な増水を見ることは明らかであります。そうしますと年々耕地が減少し、用水取入口の決壞により的百五十町歩ばかりの水田が灌漑用水に事缺き、ひいては開拓計画も挫折する状況に追いこまれております。こういうような關係から、各町村は非常な貧弱な町村でありますので、町村民はまことに困つて、非常な熱意をもつて今囘わざわざ町村長、町會議員などが國會に陳情に參りました。私は郷土の關係上、この紹介議員としてこれをお願いしたわけでありますので、どうかこれを採択いただきまして、この砂防工事については、ご努力をいただきまするように切にお願いをいたします。
○荒木委員長 本件つきまして政府側の意見を求めます。
○三島説明員 岐阜縣惠那郡川上川の砂防工事は昭和八年に着手いたしまして、今日に及んでいるのであります。今年度の工費は二十三萬五千圓を投じているのであります。經費が非常に僅少でありますために、工事が十分進捗いたしておりませんが、明年度からはできます限り豫算の増額に努めまして、極力短期間に完成いたしまして御期待に副いたいと思つておる次第であります。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第三八、笠岡港修築の請願、西山冨佐太君紹介、請願文書表第九〇四號、紹介議員の説明を求めます。
○西山冨佐太君 笠岡町は岡山縣の西のほうにあるのでありますが、西は廣島縣に接しております、南は瀬戸内海に面しておりまする人口は二萬ばかりの小さい都市でありまするが、そこにあるまする笠岡港は、笠岡町の咽喉部をなしておりまして、岡山縣南部におきまする物資集散の樞要な港であります。その移出入高は年五十萬トンに及んでおりまして、この物資は大部分笠岡港を中心として、四國、九州、廣島、山口に移出しておるのであります。なお一方本港の港外一帯の海域は、島清に惠まれておりまして、いわゆる海の公園として早くからその風光明媚をうたわれておりまして、瀬戸内海國立公園のの出入口として観光客の足を止むる者がおびただしいのであります。また四國連絡の重要性をもつ港であります。本港が右のごとく海陸連絡の要衝であることは、つとにその筋におかれましても確認せられまして、昭和十二年から相當の國費、縣費を投じて、本港の修築工事、西防波堤延長二百八十二メートル、一文字防波堤延長百七十六メートル、埋立地護岸延長百五十メートル、幅員十三メートルの工事に盡瘁相なり、地方民も深く感謝しておりましたところ、昭和十八年までに捨石をしたという程度で、工事が中止のやむなき状態になつたのであります。そのまま今日に及んでおりますので、満潮のときには捨石が海面の下に没しますために、これに突入して損害をこうむる船が毎日少くとも二隻三隻あるという状態でありまして、航行の船舶は實に不安におびやかされつつあります。また土砂が堆積いたしておりまして、大きい船が波止場まで寄りつくことができませんような關係で、目下笠岡港に集積いたします炭鑛用の坑木、それから人造肥糧、これら國家再建に不可缺の重要物資がさばけないため困つておる。滞貨をなしておるようなことになつておるのであります。本港の修築は笠岡市の死活の問題であるのみならず、實に國家的な重要性をもつておりますので、速やかにこの笠岡港の修築を促進されたいことを請願をいたすものであります。地元の方においても町長、縣會議員、一般町民も非常な熱意をもつておる次第でありますので、どうかよろしくお願いいたします。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○天埜説明員 笠岡港は瀬戸内海におきます物資輸送上非常に重要な港でありますが、ただいまお話がありましたように、戰争中工事を中止いたしておりまして、東防波堤が完成に至りませんので、船舶の出入に支障を來たしておる現状でございます。笠岡港は瀬戸内海の沿岸輸送力を増強するために、大型機帆船が自由に入り、かつまた接岸荷役のできることがきわめて必要だというふうに認められますので、二十三年度におきまして各種港灣施設の整備を事業化いたしたいと各方面に折衝中でございます。
○荒木委員長 御質疑等はございませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第二、國道二十號線戸倉峠改修工事再開の請願、文書表第一九六號、紹介議員堀川恭平君。
○堀川恭平君 國道二十號線は兵庫縣姫路市から鳥取縣鳥取市を繋ぐところの重要なる——最短距離をもつて繋げる國道線であります。これは昭和十七年から六箇年計画で直轄工事としてやりつつあつたのでありますが、途中萬やむを得ず中止されておるのであります。ところでこの鳥取縣と兵庫縣との境の山岳地帯に戸倉峠というのがあるのであります。その戸倉峠のトンネルもほとんど貫通はいたしておるのでありますが、仕上げができていない。こういうことになつておると存ずるのであります。そうして僅々二、三キロの道路を改修すれば、貨物自動車あるいはバスにおきましても、これが有効に運行できまして、鳥取縣と兵庫縣との文化の交流、また輸送の交流ということが非常に便利であるのであります。そうして御承知のように、戰後あの輸送計画が、なかなか貨車においても客車においても相當量減じておる關係上、非常に現在では輸送面というものは、トラックあるいはバス竝びに軽車輌によつて運送を助けておる現状なのであります。そこで一日も早くこの戸倉峠を完成されまして、この兵庫縣と鳥取縣との交通の隘路を打開していただきたいということがこの趣旨なのであります。この趣旨の全體はこの請願書に詳しく書いてあるはずであります。なんとかこれを御採択願いたいとかように存じております。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 ただいま御説明の通り、兵庫縣と鳥取縣の間の戸倉峠の改修の必要は、私どもにおきましても十分認識しておるのでありますが、財政の都合上今日までまだ着手に至つておりません。今後十分兵庫縣とも連絡いたしまして、でき得る限り近い機會に、極力御期待に副うように努力いたしたいと思つております。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第四〇、筑後川改修工事促進の請願、文書表第九一二號、古賀喜太郎君外三名紹介、紹介議員の説明を求めます。古賀喜太郎君。
○古賀喜太郎君 筑後川の改修促進及び工費の増額の請願をお願いする次第であります。 御承知の通り本川及び支川に對します改修擴張工事は、昭和十二年度に起工されまして、爾來曲折はありましたけれども、その七割だけは完成をいたしまして、おかげさまでその恩惠に浴している町村は、非常に感謝いたしましておりますけれども、今申します通り、現在三割だけがまだ残つておるのであります。その三割の工事が未完成のために、この改修擴張工事の機能を發揮することが十分でないのでありまして、殊にこの改修工事の上流に暮しております浮羽郡に角間といふ堤防があるのでありまして、そこの川幅が非常に狭うございます。そうして非常に貧弱でありまして、その上に曲折があり、降雨期になつて増水いたしますれば、そこに水流が激突いたしまして、今にも切れそうというので、關係町民は非常に危惧にかられるのであります。從いまして、地方民は一日も早く速成方を宿望されておりますし、懸案として残つておる擴張工事なのであります。もしそれが一たび決壞いたしますれば、最近關東におきましての利根川の決壞の惨状を再び繰返すような事態が起りはせぬかと私は思うのであります。なぜかと申しますれば、浮羽郡は福岡縣の穀倉とも申してようような所でありまして、もし決壞いたしますれば、筑後平野一體の四千五百町歩という美田は荒廢に帰すのであります。そのほか久留米市内に關係いたしまして、古賀坂水門、金剛院樋門改築に關しましても、速やかに工事をしていただきたいと存ずるのであります。それは有明海からの潮流が逆流してまいりまして、一たび降雨がありますときには、樋門がその機能を發揮することができないために、その附近一面水害に襲われるのであります。御承知の通り、久留米地方は、相當の中小工業が興隆いたしております。從いまして食糧増産のときに、最もこの地方の農民あたりは營々として働いておりますけれども、せつかく七割だけやつていただきました工事が、三割のためにいつも降雨期には不安を感じておるような次第でありますので、食糧増産、工業振興及び附近の住民の生命財産を保護するためにおきまして、どうぞ年次を繰上げていただきまして、相當額の増額をもつて、工事の促進をしていただかんことを切にお願いする次第であります。はなはだ簡単ではありますけれども、御説明申します。どうぞ委員會におきましても、満場一致御採択のほどをお願いいたします。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。三島説明員。
○三島説明員 筑後川が福岡縣におきまする大筑後平野を貫流いたしておりまして、非常な重要河川でありまして、その工事の促進をはかる必要のありますことは十分私どもも認めておるのであります。今年度におきましても相當額の經費を筑後川のためには出しておるのでありますが、何分にも物価高のために十分に工事が進捗いたしておりません。ひとり筑後川に限りませず、來年度におきましては河川改修豫算は極力經費を増額いたしまして、できるだけ短期間に完成いたすように、一層努力いたしたいと思つております。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。北村徳太郎君に御相談申し上げます。ただいま戰災復興院の政府委員を呼んでおりますが、もうしばらくたつとまいりますので、ちよつとお待ちを願います。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第四一、奥秩父を國立公園に指定の請願、並木芳雄君紹介、文書表番號第九二三號、紹介議員の説明を求めます。
○並木芳雄君 紹介議員といたしまして皆様に簡単に御説明申し上げて、お願いを申し上げます。 政府におかれましては、奥多摩を含めました奥秩父を近く國立公園にして下さる豫定でありまして、地元の人々初め私どもこの方面に生れ、育ち、現在も住んでいる者といたしまして、一日も速やかにご決定になられんことを切望する次第であります。奥多摩につきましては、詳しく申し上げませんでも皆様よく御承知と存じますが、東京都下における唯一の景勝、古跡、そういうものを含めました観光地帯といたしまして、距離も遠くございません。自動車で行きましても一時間半で容易に到着するところでありまして、この方面が國立公園になりました場合には、初めて東京都下において天下に訴えることのできる観光地帯をつくり上げることができ、だんだんと増してきます外客の誘致にも併せて資するところが多いと存ずるのであります。それにつきまして付帯的にぜひこの際お願い申し上げたいことは、國立公園の地域についてでございます。現在のところ多摩川の北側、それから青梅から西のほうというものが奥秩父國立公園の名称のもとに含まれている地域でございますが、多摩川の沿線は北側のみならず、南の方も非常に景勝のすぐれたところでございまして、そこには秋川という川が流れております。この渓谷はまた多摩川の渓谷とは趣きを異にして、非常に変化に富んでおります。それからさらに南の方に行きますと、高尾山——紅葉で有名でございますが、八王子の西側高尾山という名勝を控えておりますので、この際多摩川の以北のみに限らず、ぜひ南北の多摩川、秋川、高尾山それを含めた地域にしていただきたいと思うのでございます。それからただいま申し上げました青梅町という所は、織物あるいは竹細工、そういうような郷土細工につきましても有名な所でございますし、また隣村の吉野という所は梅の産地でございまして、梅林地帯もぜひこの中に含めて、秋川の沿線の中心であります五日市の町、そして八王子というような、やや範圍を廣めた地域を國立公園として指定願いたいと思うのでございます。 それからもう一つのお願いでございますが、名称は大體奥秩父國立公園というふうに豫定されておりますけれども、ただいま申し上げましたような事情でございますので、ぜひ秩父のほかに多摩という文字を入れていただき、できますならば多摩秩父國立公園というふうにして、天下に御紹介くださるように、伏してお願い申し上げる次第でございます。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。厚生省事務官飯島稔君。
○飯島説明員 奥秩父國立公園の指定に關しましては、すでに當初厚生省の原案をもちまして、關係都府縣の意見を徴してまいつておるのあります。關係地元の縣におかれましては、南北秋川及び高尾山を包括して指定されたいという要望が出てまいつております。この點につきましては、御承知の通り國立公園は國土の傑出した代表的の景観を指定いたしまして、これを利用開發すると同時に、國際的にも、國際親善その他の經済的機能を發揮せしめんとするものでありますけれども、現在の奥秩父國立公園の地域につきましては、大體において國立公園としての諸條件を備えておるというふうに考えられます。なおその地域の取り方につきましては、風致上あるいは保存を要する自然景観の點においては若干疑問の點もありますので、これらの區域の決定につきましては、近く開催されます國立公園中央委員會の議を經まして、高尾を含ませるか、あるいは氷川を含ませるかということは、その委員の各位の御意見を徴した上、厚生大臣において、御決定願いたいと考えておる次第であります。 また、その名称につきましても從來奥秩父という名称が一應秩父の地勢上その他の關係から称えられてまいつたのでありますが、地元の各方面から、今お話の多摩、秩父、あるいは中央にございます甲武信という山岳の名称をとつて、甲武信國立公園というような要望がいろいろ出てまいつておりますので、これも名称を一應國立公園委員會に付議いたして決定したいと考えておる次第であります。青梅の問題、五日市の問題につきましても、同様原案といたしましては、國立公園の諸條件に若干疑問が生じておりますけれども、よく委員會の議を經まして、お期待に副うように努力したいと考えておる次第であります。 —————————————
○荒木委員長 河野芳満君の紹介にかかります油津港を第二種重要港灣に編入竝びに開港場に指定の請願、文書表第八二二號につきましては、大蔵當局の意見の聽取が留保されております。この際政府側の意見の開陳を求めます。説明員大蔵事務官橋本理八君。
○橋本説明員 御説明申し上げます。油津港には税關機關といたしまして、現在監視所を設置しております。從いまして輸出入貨物の税關手續等の關係ではさしたる支障もないものとは考えるのでございますが、本件の開港場に關する請願の御趣旨につきましては、さらにとくと諸般の情勢を考えまして、調査、研究することにしたいと考えております。
○守田委員 ただいま私政府委員の説明を聽きまして若干疑義があるわけであります。たとえば國立公園の指定請願がこの國土委員會に出ておりますが、政府委員の説明に從いますと、別個の國立公園の審議會というものがあるがごときことを伺いますが、厚生大臣がそういうものをしてきめられる場合には、この國土委員會はどういう存在の必要があるか、今の説明によれば何らの必要がない。また開港場指定につきましても、大蔵大臣がかつてに御決定なさる。そうした場合に、この國土委員會というものは一體どういう關連をもつているか。國土委員會はこれに對する何らかの決定機關、審議機關でもないように思うのですが、こういう點が多々あると存じます。この點をはつきりさしておかなければ、今後われわれはこうした請願を審議する必要もあえてないのじやないか、という結論に到達するのでありますが、その點委員長はどういうお考えであるか、一つお伺いいたします。
○荒木委員長 簡単に私から意見を申し上げます。ただいま守田君のお話の件は、政府側と立法府としての國會側との間にはおのずからなる使命の相違がありまして、政府側がそれぞれ御指摘のようなことを処置いたしておりますことは、國會によつて認められました組織法に基く権限に基いてやりますので、それ自身はもとより適當であると思います。ただ本委員會におきまして採択しました場合に、政府側との關連いかんとの點につきましては、いやしくも憲法におきまして請願を認め、しかも本委員會において、これを審査します権限を与えられて、その権限に基いて審査した結果採択しました以上、そこに國會としての意思が表明されるわけですから、採択されたことを政府側におきまして十分尊重して、それぞれの処分をする責任の立場に立つものと思います。ただそこにおのずから立法府側と政府側との具體的な見解の相違はあり得るとは存じますけれども、その政治的な考慮を拂うか拂わないかということは、殊に今後議院内閣制のもとにおきましては、相當具體的にかつ強力に反映せられるべきものと私は存じております。以上お答え申上げます。 請願の日程がまだ残つておりますから、それを進めたいと思います。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第三五、戰災都市の住宅建設費全額國庫負擔その他に關する請願、北村徳太郎君紹介、文書表番號第八七七號。紹介議員の説明を求めます。北村徳太郎君。
○北村徳太郎君 この請願は、一部都市ではございませんで、全國戰災都市に共通する問題として請願しております。從いまして、全國戰災都市連盟というものが戰災都市のみからなつておりまして、その會長からの請願でございます。紹介議員との關係は、これもまた同様に、全國戰災都市出身國會議員連盟というものが國會にできておりまして、衆参議院にして戰災都市出身の者を全部網羅した團體でございますが、私はその會長として紹介議員になつたのでございます。 戰災都市における住宅の問題はきわめて重大であると考えます。現在あらゆる社會悪的な社會病理的な現象は、この住宅を原因として出ているもの少くないのであります。政府においても住宅政索については相當御努力になつていることは十分に認めますけれども、大量不足の現状においては、現在行われている住宅政策では容易に解決しない。またそのことが労働意欲を失わしめたり、住宅がないということから、公正心を失わせて自暴自棄に陥らしめたり、その他あらゆる面において幾多の弊害を出していることは事實であります。從來の住宅政索として國庫補助金による庶民住宅もまことに結構でありますけれども、その數がきわめて少いため、容易に希望を充たしていないという點がございます。また御承知の通り現在都市はいずれも非常な財政難に悩んでおります。殊に戰災都市の地方財政の窮乏は、詳しく申し上げるまでもなく非常に惨憺たる状態でございまして、財源を失つてしまつているのであります。現在の二分の一國庫補助では、今の都市財政をもつてしては、住宅の建設を思うようにやつていくことができないという現状にあるのでございます。特に二分の一の國庫補助を得たといたしましても、六畳二間ぐらいの家の家賃で何ら利潤を含まざる公のものが三百五十圓ぐらいかかる。千八百圓基準の収入の中で三百五十圓の家賃負擔はあまりにも過重であつて、庶民階級の困難は察するにあまりある次第であります。かりにできたとしてもさようでありまして、しかもでき方が非常に少いのでありますから、今の窮乏の状態がひどいことは申し上げるまでもないのであります。 そこで全國戰災都市が共通の問題として、各戰災都市の市長、その他地方議會關係者等が集まりまして、政府にお願いしようとした點が四點あるのであります。第一は、住宅復興五箇年計画というようなものを樹立していただきたい。二十年、三十年の計画では、まるで絵に画いた餅のようなものであるから、少くとも五年ぐらいに短縮された一つの具體的な計画を樹立していただきたい。そうしてこの住宅難にあえいでいる庶民に重點を置く御計画を立てていただきたい。第二點は、今の地方財政の現状をもつてしては、さきに申します通りとうてい負擔にたえ得ない。というて住宅は今のような現状でそのまま推移すべきではない。そこでこれは全額國庫負擔が願わしいというのであります。第三點は、もし全額國庫負擔ができないといたしますれば、今までのような二分の一國庫補助では、あとの二分の一は地方の財源から出ないのでありまして、どうしても地方は借金しなければならぬ。もちろんこの種の地方の起債については、特別は御配慮をいただいているということは事實でございますけれども、しかし現在地方金融機關等もやはり資金力が非常に弱小化しているという現状等から考えまして、地方でも金融は困難である。從つてこれには特別の措置を講じていただきたい。すなわち起債の認可がされても、現實に金を手に入れることが、困難な實情でありますから、たとえば復興金融金庫のような、戰災地住宅復興のための特別な金融的措置を講ずることをやつていただきたい。第四點は、住宅の用地の問題でありまして、建設しようとしても、用地はなかなか複雑な法律關係があつたりして手にはいらないため、思うようにいかないという點が非常に多いのでございますが、これについて何らか特別の措置を講じていただくことはできないか。戰災都市の地方に對して特別の措置を講ずることができるような法的な根拠を与えていただきたい。何か特別な住宅建築を容易ならしむるために、法的な特別な措置を講じていただくということでなければ、これはなかなか——たとえばさつき申しました特殊な金融機關等によつて資金を得ましても、實際建つことは困難である。こういうような點が問題となりまして、これは全國戰災都市全部に共通の問題として、全國戰災都市連盟が共通の問題として請願をいたした次第であります。またこのことに關しては、さきに申しましたように、全國戰災都市出身國會議員連盟がこのことにタイアップしましてお願いを申し出たわけでございます。以上ごく簡単に請願の趣旨を申し上げた次第であります。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○阿部(美)政府委員 ただいまの請願に對しましてお答えいたします。御説の通り、住宅の復興がきわめて緊急を要し、また必要缺くべからざるところのものであるということは、われわれ當局者といたしまして十分承知のことでございます。從つて私どもは、できるだけ短期間にこの戰災をこうむつた家屋の復興を實現いたしたいのであります。五年計画というものも、もちろんわれわれとして考えておることであります。目下安定本部ともこの點につきまして協議しておるのでありますが、ただいま資材資金の面から考えますと、ただちに五年計画を實行するような段階にきておるかということは明言ができないのであります。この點ははなはだ遺憾でありますが、できるだけ短期間に復興ができるようにいたしたいと存じております。この具體的な數字的なことについては目下安定本部と協議中であります。 次に全額國庫負擔の問題でありますが、從來二分の一高額國庫補助によつて住宅復興をはかつてきたのでありますが、お話のごとく地方財政も非常に窮屈になつております關係上、私どもといたしましても、現在やつております五割國庫補助ではとうてい豫定の計画を遂行していくわけにいかぬと考えております。從つて來年度からは全額國庫負擔でいきたいということで豫算も立てておりますが、これは大蔵省、安定本部との關係がありますので、目下これも交渉中であります。 第三にお述べになりました住宅復興金融金庫のごときも、これも私どもとしてはぜひ實現いたしたいと存じまして、目下それぞれの關係向きとも交渉中であります。どうかこの點においても委員諸君の御支援をお願いしたいと思います。 第四點の用地、これはきわめて緊要なことでありまして、私どもが現に地方にあります建物、たとえば軍需工場の福利施設關係でつくつた家とか、そのほか官有財産の中でも、移転して建てられるものが相當あるのでありますが、問題は適當な土地を得られないといううらみがありますので、ただいま適當な場所に、一團地として住宅用といたしまして、非常に強力な、何と申しますか、地上権の設定ができる、つまり借りることができるように措置をいたしたいと思いまして、その法律を目下整備しております。以上簡単ではありますが、御囘答といたします。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。
○守田委員 ただいまの請願の趣旨はよくわかつておりますが、私はここに特に御質問申し上げたいと思います。と申しますのは、戰災都市が住宅に困つておつて、庶民階級がそれがために非常に苦痛をなめておるということは事實であります。そのためにこの住宅建築をしなければならないが、その場合になすべきことがあると思う。それをなぜなされていないかということをお伺いしたい。それはいわゆる遊休施設がたくさんありますし、相當大きな住宅が現存しておりますが、その住宅をいわゆる庶民住宅に開放されていない。當然法律もできておると存じますが、これがどういうことになつておりますか、今日住宅を建築するということは必要でありますが、それに對して資材というものがまず必要であります。たとえば材木を山から伐つてこなければならぬが、山から木を伐つてくると自然山は禿げてくる。そうして雨が降れば洪水になる。そういう状態であるから、今日われわれは、将來のためにこの資材になる樹木というものを保存していかなければならない。また治山治水という大きな建前から、むやみに山の木を伐するわけにいかぬので、私はむしろ現在の住宅建築は一應打切るべきではないか、かような考えをもつておる。そうしまして現在日本國内にある遊休施設をこの庶民階級のために開放しなければならぬ、これが私は根本の問題ではないかと思う。今日非常に住宅に困つておる人が、ほんとうに現在いわゆる占領軍の保護というものがなかつた場合には、どういう結果になるか、おそらく今日家がなくて困つておる者は、餘つておる家にもつていつて収容しなければどうにもならぬ。それに對して大きな家屋をもつておる者、遊休施設をもつておる者がこれを開放しなかつたならば、當然おそるべき状態が起る。今日それらの人は保護を受けておる。この國家によつて保護を受けておる人たちが、法律ができておるのに開放しないのはどういうわけであるか、特に私は復興院がそれに對していわゆる強力な措置をとらないのはどういうわけか、住宅を建築する前に現在の遊休施設を開放しなければならぬと思うが、これらに對してなぜ強力な措置をとらないか、この點を伺いたいと思います。
○阿部(美)政府委員 お答えいたします。この住宅の開放はすでに御承知の通り法律となつて出ております。この開放につきましてきわめて強力な措置を現にとりつつあるのであります。ただいままでに餘裕住宅として届出た件數は三萬九千三百七十一戸あります。これに勧誘勧奨いたしましたものが一萬七千三百六十四戸、すでに成立しておりますのは一萬五千二百七十三戸、現にこれらは知事が相當権限をもつて、開放し得るような措置をとることになつております。守田君の言われるように、きわめて迅速にはいつておりませんが、強力に推進しておるということを御承知願いたいと思います。
○守田委員 私は復興院總裁の言われたように、なかなか思うようにいつていないと思う。相當な遊休施設があるのでありますが、それを提供することを拒んでおります。私は特にこの場合には、國家においてそのものを買収してもよいではないかと思います。そういうような方法が講ぜられておるか。またその方法はないのですか。
○阿部(美)政府委員 事情を申しますといろいろございますが、元來開放が意のごとく進まないというのは、一つの大きな住生活上の悩みがあります。というのは、日本の建物は大體二戸、三戸に割ることができないようなふうにできております。たとえば便所とか台所とか、あるいは部屋の構造というものが、簡単に二戸、三戸になり得ないのであります。そこで今度は國庫の高額補助によつて、ほとんど全額負擔によつて、台所、便所、間仕切りというものを國がしてやる。こういう措置をとつて、強制的に開放を促進する方法を現に講じております。
○守田委員 私は住宅建設の前に遊休施設を開放する。遊休施設を開放しない間は、一時住宅建築を打切るべしという考えを持つております。これは私一個人の考え方でありますか、戰災復興院としても御考慮願いたいと思います。 —————————————
○荒木委員長 大分時間も經過いたしまして恐縮でありますが、あともう二件審査を續行するに御異議ございませんか。[「異議なし」と呼ぶ者あり]
○荒木委員長 次は日程第五、大谷川上流砂防工事竝びに下流護岸工事施工の請願、文書表第三二一號、大上司君外一名紹介。日程第二三、兵庫縣下長谷川砂防工事施行の請願、文書表第六三一號、大上司君紹介。以上二件を一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。大上司君。
○大上司君 審議が延びてまことに恐縮でございます。まず第一に大谷川の問題でございます。この大谷川は先般來の兵庫縣の風水害によりまして、非常に荒されております。どの川、どの山といえども、戰時中における木材の伐採その他によりまして、ずいぶんいためつけられておることは萬々承知しておりますが、この大谷川についてはその特殊性を御認識賜りたいのであります。この大谷川は人口約三萬の相生市の中央を流れておりますが、戰時中全然その能力がなかつたので、山の土がどんどん流下して、ちようど民家のまん中を流れておるところで川底が一尺ぐらいしかない。それでどうしてもこれをさらわなければならぬ。少しの雨でもすぐ床下に水がくる。過般の關東地區の水害をながめるにつけて、當局竝びにわれわれとしても唖然としておるような次第で、この内容の説明は省きますが、どうかこの特殊性を御認識の上、何とぞよろしく議事を御進行願いたいと思います。 その次に同じく長谷川の砂防工事でありますが、これは俗に言う灌漑用のものが埋まりましたので、なぜこれが埋つたというと、現在もそうですが、戰時中山を伐り開きまして、五十町歩あまりを開墾いたしたために、この土砂がこの川に流れこみまして、河川が全然河川の用をしない。これはどうして砂を取除いてもらいたいというのであります。この参考資糧としては、これによつて國道が約二キロ、町村道が約五キロ、合計七キロが全然損害を免れ、それから國道にかかつている橋が二箇所、町村道にかかつている橋が二箇所、人家においても五十戸。なお土地としては田地が百五十町歩、畑が三十町歩、その他十町歩。また新たに田畑となり得る五町歩が被害を免れるのでありまして、これも本請願の特殊性を御認識いただくために、皆さんの御参考に供した次第であります。どうかよろしくお願いいたします。
○荒木委員長 これに對する政府側の説明を求めます。
○三島説明員 兵庫縣の大谷川につきましては、昨年の十一月末に調査いたしたのでありますが、三箇所に河口の砂防、堰堤築造地點があるのでありますが、現在のところ豫算がこれに伴いませず、未だ着工していないことは非常に遺憾に存じております。今後豫算が増額されますれば極力この大谷川につきましても砂防工事を施行いたしまして、地元の不安を除きたいと思つております。なおまた長谷川流域については、大正十一年、十二年の両年にわたりまして、わずかに七千九百萬圓支出いたしまして、ごく小規模の砂防工事を施工いたしましたのでありますけれども、その後は年々荒廢に任しておるような状況でありまして、ただいま御説明の通りの状況であります。これも昨年の十一月に調査は完了しております。それによりますと、今後九百萬圓ほどの工事費を投ずる必要があるということに相なつておりますので、明年度あたり豫算が増額されましたならば、ぜひともこの長谷川につきましても速やかに工事に着手いたしたいと考えておる次第であります。
○荒木委員長 御質疑等はございませんか。 次の委員會は公報をもつて御通知申し上げます。本日はこれをもつて散會いたします。 午後零時五十二分散會