国土計画委員会 第18号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1947/10/21
会議録
○荒木委員長 これより開會いたします。 日程第一から日程第十六までは、紹介議員の出席がありませんから、次に讓ります。 日程第十七、鯖石川、別山川及び鵜川砂防工事施行の請願、田中角榮君紹介、文書表第七一七號、紹介議員の説明を求めます。田中角榮君。
○田中(角)委員 ただいま議題となりました鯖石川、別山川及び鵜川砂防工事施行の請願を申し上げます。 刈羽郡竝びに柏崎市におきましては、昭和十九年七月及び翌二十年七月の豪雨で、鯖石川、別山川及び鵜川の各河川が氾濫し、耕地を初め宅地建物は甚大な洪水の害をこうむり、生産は激減し、物質の喪失もまた莫大なる額に上りましたため、郡市民はこれらの河川に對してあらゆる施設をして、向後このやうな水禍を永遠に防止克服するの方策を立てなければならぬとするの要望が熾烈となり、関係市町村は數度協議の結果、その根本的解決策の第一著手は、なんとしてもこれら河川の大改修工事の施行にありますので、市町村長代表者數名及び地元選出參衆兩院議員、縣會議員等は一昨年以來數次にわたり新潟縣廳竝びに内務、大藏、農林當局に、河川改修工事施工を陳情した結果、主務省におかれてはこれを諒とせられ、これが改修工事につき格別の考慮をするの意向を示されました。また新潟縣におきましては、昭和二十一年度以降五箇年計畫土木事業として、刈羽郡田尻村藤井堰下流より荒浜村川口に至る延長十二キロ餘に對する改修工事施行の方針を決定いたしまして、次いでさらに經濟再建土木工事五箇年總合計畫案の發表を見ましたことは、關係市村民の深く感佩しておるところであります。次いで新潟縣の經濟再建土木事業五箇年總合計畫案を發表になり、これによれば鵜川沿岸用水工事は、昭和二十二年度以降三箇年計畫にて著工の豫定なるため、この方針の發表せられるや、あげて工事完遂に全面的協力を惜まざる熱意を有し來れるものでありますが、未だ具體化するに至つておらないのであります。一面昨年降雨期においても溢れ、相當の被害がありました。本年もまた降雨期に入り、各所に溢水の被害がありましたため、住民は極度の恐怖心に驅られ、戰戰兢々として河口の浚渫切擴に狂奔せる状態にて、このままに放置せんか、かかる危惧の念はやがて増産意欲を阻害し、他面麥その他主要食糧の供出難にも關連し、憂慮すべき事態を生ずるおそれもあるのでありますから、右事情御賢察を賜り、格別の御詮議をもつて急速に左記河川に對する工事著手と御完成相成りまするよう、なお所要經費の割當増額等の御配慮を仰ぎたいと思いまして、この請願を申し上げた次第でございます。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 鯖石川につきましては、現に中小河川改良工事といたしまして、國から半額の補助金を現に交付いたしまして、これが改良工事を施工中であります。經費の點が十分でありませんので、十分御滿足のいけるだけ工事が進捗いたしておらぬと存じますが、明年度におきましては、できる限り經費を増額いたしまして、私どもといたしましては、少くとも三箇年内には完成いたしたいという目途で進みたいと思つております。なおまた支川の別山川及び鵜川につきましては、現在まだ改良工事は著手いたしておりませんけれども、これにつきましては縣におかれて今後この支川の改良工事を施行したいということになりますれば、政府といたしましては財政の許可範圍内におきまして助成の途を講じて、その工事の促進を期したいと思つております。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○荒木委員長 次は日程第一八、大淀川上流改修區域調査竝びに工事促進の請願、文表表第七二一號、紹介議員川越博君ほか三名、紹介議員の説明を求めます。川越博君。
○川越博君 大淀川上流の水害が激甚なることに關しまして、政府といたしてその對策を速やかにやつていただきたいということに關しましては、昨年の議會におきまして、大淀川上流の水害對策樹立に關する決議案を上程いたしまして、これが可決されたのであります。その後地元竝びに縣廳方面におきましても、政府に非常な要望をいたしているのでありますが、本請願の趣旨は、大淀川上流を直轄でもつて改修をしていただきたい。それがためには調査をなさる必要がありますから、その調査を行うて、そうして工事を速やかにやつていただきたい。こういう趣旨でございます。申し上げるまでもなく、大淀川の上流と申しますのは、南は鹿兒島縣の囎唹郡の末吉というところがありますが、そこの丘陵地、西は霧島山脈、北は前日向山地にそれぞれ限られておりますが、その廣さは千五十平方キロに及びまして、鹿兒島縣の一部と宮崎縣の北諸縣郡の全部、それに宮崎縣の西諸縣郡の約半方を包含しております。この川はこの盆地の最低地帶を南北に流れておりまして、その大動脈をなしておるのでありますが、兩郡に豐穰な水田がつながつておりまして、それに東西よりあまたの河川があります。それがよく問題となつているわけでございます。大體この都城の盆地は宮崎縣の第一の穀倉地帶と稱せられておりまして、大淀川の上流の水害を輕減防止いたしますことが、食糧増産上どんなに影響するところが大きいか、想像に絶するものがあるわけであります。元來この地方の治水の施設は非常に原始的でありまして、本流はもちろんのことでありますが、その支川もほとんど堤防護岸の設備がなく、まつたく洪水の氾濫に任しておるような状態でありますから、一朝豪雨が來ますと戰々競々たる有樣でありまして、一朝出水した場合には、氾濫の面積は約二千五百町歩にも上つており、また盆地でありますから浸水時間がきわめて長時間にわたり、そのために農作物の被害というものは非常に激甚でありまして、年平均にいたしますと一千七百萬圓に達する慘状を呈しております。これは内務當局におかれては、その原因は大體おわかりのことでありますが、要約して申しますと、水源地帶の上流の濫伐と、盆地の下流にあるところの高城というところに大淀川の大發電所の取入堰堤がありまして、それがために河底及び水位の上昇を來たしたことによるものと考えております。このような状態でありますけれども、この水源地帶の過伐に對しましては造林に著手いたしまして、目下砂防工事を必要といたすのでありますが、これに對しましても補助砂防工事のほかに直轄砂防計畫も樹立することが必要であると考えます。この第二の理由となつておる大淀川第一發電所の堰堤の問題につきましては、内務御當局のお世話もありまして、現在發送電會社と地元との間に堰堤改造の契約ができまして、解決の一歩に向つたことは、地元としても非常に喜んでおる次第であります。しかしながら何といたしましても、上流部の治水の根本對策は河川の改修工事にあるのでございますから、都城盆地の開發計畫の根本がここにあります以上、政府におかれましてもこの改修工事を速やかに實施されるよう格段の御努力をお願いしたい。こういうのが趣旨でございます。何とぞ早急に國直接の測量調査を御開始くださるように陳情申し上げる次第であります。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 大淀川上流がいまだ原始の河川の域を出でませず、年々水害に見舞れておりますことはただいま御説明の通りでありまして、私どもといたしましても、この大淀川上流の改修工事の必要は十分認めてゐるのであります。近々中に測量隊を派遣して、改修の基本計畫の測量に著手する段取りにいたしておりますので、よろしくお願いいたします。 なおまた上流における砂防につきましても、豫算の許します範圍内におきまして極力御期待に副うようにいたしたいと思います。
○荒木委員長 御質疑はありませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第一九大淀川改修工事促進の請願、川野芳滿君ほか一名紹介、文書表番號第七二二號、紹介議員の説明を求めます。川野茂滿君
○川野芳滿君 詳細な點につきましては請願書に書いてございますので、簡單に請願の趣旨を御説明申し上げたいと考えるのであります。 ただいま川越代議士が御説明になりましたのは、大淀川の上流方面の關係でございます。私はここに大淀川の下流方面のことについて申し上げたいと考えます。 大淀川の直轄河川工事は昭和二年著工されたわけでございまして、その後工事が順調に進捗いたしておつたわけでございますが、戰時中に赤江の飛行場設營のために大淀川の河川工事が中止となり、これらの人務というものは赤江の飛行場設置のために向けられたわけであります。しかるに終戰となり、また厖大淀川の直轄改修工事が始つたわけでございますが、今日にいたりましては既定計畫の約七割というものが竣工いたしているわけであります。しこうして現在未竣工の分は宮崎河口の方面、中流の溝川、柏田の二樋門及び最上流の本庄川右岸堤防でございます。これらの三つの箇所がどうして工事が遲れているかと申しますると、大淀川河口の問題でございます。河口が非常に移動しており、一定いたしませんので、この河口の安定をどうするか、こういうことの調査でいろいろ時日を費やされた結果、今日に至つたわけでございます。地元の宮崎市といたしましても、この調査に八萬數千圓の金を寄附いたしまして、鋭意調査に御協力申し上げました結果、とにもかくにも今日においては河口の河岸というものは安定を見た實情に相なつて來たわけであります。どうしてもこの河口方面の堤防工事を一日も速やかにしていただきたい。 また中流の溝川、柏田方面の樋門工事でありますが、附近が非常に寒村でございまして、財政上非常に困つた村でございますので、そういう點もございまして、實は今日まで積極的な陳情もいたしてなかつたわけでございます。しかるにこの二つの樋門がないためにせつかく堤防ができておりましても、その樋門から逆流して、相當な被害が年々歳々繰返えされているというのが現下の實情でございます。そこでどうしてもこの二つの樋門を早くしていただきたい。 なおまた本庄川右岸の工事でございますが、これが今日まで工事が未著手でございますために、相當な被害をこうむつております、田畑浸水三百四十町歩、米麥の減産が三千石、こういうような莫大な被害をこうむつておりますので、ぜひひとつ本庄川の右岸堤防工事もやつていただきたい。 なお最後にお願いいたしますことは、大淀川の改修工事の第二期計畫といたしましては高岡地先に至る約七キロ竝びに本庄川筋にて綾北、綾南兩川と本庄川左岸と竹田地先に至る約十五キロ、計二十二キロに及ぶ河川改修計畫を早急に第二期工事として加えて實現していただきたいと考えます。 以上が請願の趣旨でございますが、靜かに考えて見ますと、先般利根川の決壞において非常な損害を來たしたことは御承知の通りであります。大淀川の改修工事もすでに七割の改修工事が濟んだわけでございますが、わずか三割殘つておりますために、またまた莫大な損害を地方田畑に及ぼさんとも限りませんので、ぜひひとつ早急に實現していただきたい。はなはだ簡單でございますが。これが請願の趣旨でございます。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。三島説明員。
○三島説明員 大淀川改修工事がただいま御説明になりました通り、中途におきまして戰争のために工事が中断いたしましたことは、非常に遺憾に存じております。終戰後再び工事を開始いたしたのでありますが、經費不足のために十分の工事が進捗いたしておらないのであります。この必要性は私ども十分認めております。來年度以降大體三箇年間内には、全體の工事を終了いたしたいというつもりでおるのであります。從いましてただいま御説明になりました大淀川河口の改修の問題、その中間におきまする樋門の問題、また上流におきまする本庄川の築堤問題、これらのことにつきましても極力御滿足がいただけるように、明年度の豫算におきまして、でき得る限りのことを考慮いたしたいと準備いたしておる次第であります。 なおまた河口の問題につきましては、運輸省港灣局とも關係がありますので、十分に連絡をとつてまいりたいと思います。また樋門の負擔金の問題でありますが、これは御承知の通り附帶工事としてやつておりますが、地元町村が非常に財政的に貧弱であります場合は、またそこに多少の考慮の餘地もありますので、さような點を十分愼重に研究いたしました上で善處いたしたいと思つております。
○荒木委員長 御質疑等はございませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第二、大分縣下の各河川砂防工事施行の請願、村上勇君紹介、文書表第七二四號、紹介議員の説明を求めます。村上勇君。
○村上勇君 大分縣下の各河川砂防工事を積極的に施行していただきたいということについてお願いいたします。 昭和十六年以來連年にわたりまして激甚な災害をこうむつております。殊に昭和十八年竝びに昭和二十年の大災害は、水源地帶の荒廢もその原因となりまして、まつたく異常的なのでありまして、縣下各地に未曽有の大崩壞が起りました。このために河川の上流部は各所に在砂の流出を惹起し、幾多の人命を奪い、山紫水明の地も一瞬にして河原と化したのであります。沿岸の農耕地竝びに住宅は埋沒あるいに流失して甚大な災禍をこうむつたのであります。崩壞の土砂あるいは砂礫は漸次下流部に押し流されて、河床の上昇となりまして、土砂砂礫の混和によつて洪水の流量はますます著大となつて、流速がそれがために減じ、ますます洪水の疎通を害して、災害はいよいよ増大する状況に立至つておるのであります。これに加えまして、大分縣は林業縣として森林の伐採はますます加重されて、水源地帶の荒廢は一層惡化擴大することが想定されますので、これらの根本的對策として、恆久的なかつ建設的な砂防設備を急速に擴充強化して、治水の完璧を期していただきたいと思います。聞くところによりますれば、縣下四十一水系に對する砂防工事費は、昭和二十年、二十一年の調査によりますれば四億七千萬圓と計上されておるのであります。しかもこの請願にあります緊急缺くべからざるもののみを取上げましても、一億四千萬の費用を要することになつておるそうでありますが、これに對して目下施行中の二十二年度の豫算はわずかに三百六十九萬ということでありまして、このようなことではとうてい沿岸住民の安全をはかるとともに、産業振興の基盤を確立することはでき得ないと思うのであります。この砂防工事は大分縣としては縣政の最も重要な施策でありますので、願わくば請願の實情を御敏察の上にぜひとも御採擇を賜りますようにお願いする次第であります。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 砂防工事が河川改修と竝行いたしまして非常に重要でありますことは、いまさら申し上げるまでもないのであります。大分縣におきまする實情も、ただいまお話の通り現在までのところ至つてこの砂防に投ぜられました豫算が僅少であります。來年度においてはでき得る限り御期待に副うように、大幅に經費の増額をはかりたいと目下準備中であります。
○荒木委員長 御質疑等はありませんでしようか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第二一、關門國道隧道建設工事促進の請願、坂本實君ほか四名紹介、文書表番號第七二九號、紹介議員の説明を求めます、今澄勇君。
○今澄勇君 關門國道隧道建設工事は、すでに八箇年有餘これが建設工事を續けておるのでありますが、東京を起點として鹿兒島を終點とする二號國道は最重要幹線でありますが、昔のまま關門海峽によつて本土と九州をつなぐということは、非常な産業興隆竝びに國家再建の上に障害をもたらすものである。この隘路を打開するために、關門國道工事を昭和十年より今日に至るまで繼續中戰爭勃發して、爾來この國道の工事はいささかも進捗せず今日にいたつておるのでありますが、この關門國道の三分の一以上を完成した今日において、あといま一息というときに、この工事のはかばかしく完成しないということは、まことに國家的に見て大きな損失ではないか。なおこの場合に使用した工費は、時に價換算して三億一千六百萬圓、今後完成までに七億八千萬圓を要する見込であります。新日本建設に渇望せられる産業復興及び國民生活向上の見地から、本土と九州を速やかに結び、運輸交通の圓滑はもちろん、通信、送電、水道等の合體を期しておる次第でありまして、完成後における本隧道の效果は交通、産業、文化交流の大動脈となり、通行人運賃節約、貨物積卸費の節約、自動車利用率増加による利益、船舶の節約額、渡航による損傷防止の節約額、及び包装費の節約額、總合節約經費は年間に一億八千三百萬圓に計上される見込であります。かかる投資經費は數年にして年々のこの節約經費から賄い得るような見込みもあり、かつまたこの工事が完成されなければ、北九州竝びに本土の交通の圓滑も期し得られないという實情にあります。よつて本土九州間の合流をはからんことを熱望するこの工事の完成について、岡山以西九州全域にわたる縣市の代表者竝びに業者、さらに參衆兩院議員、實に三千名にわたる關門國道隧道工事促進同盟を結成して、工事完成に邁進しておるわけでありますが、本委員會に一日も早くこれが工事の完成をお願い申し上げます。よつて關門隧道の開通を待望しておるというのがこの請願の趣旨でございます。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。金子説明員。
○金子説明員 お答え申し上げます、關門國道の重要性につきましてはまつたく御同感でございます。お話にありましたように、關門のトンネル工事は昭和十七年に海底の導坑が通りまして、十九年には門司側の導坑も通りまして、一部また門司側の方の切り擴げも進んでおりますが、現在の段階としましては、これから本格的な工事を進めなければならぬという段階になつておるのであります。そこで政府としまして積極的にこの工事を進めて、一日も早く完成したいというふうに考えておるのでありますけれども、ただいまお話のありましたように、七億八千萬圓というような大きな經費を要しますし、また資材の面から見ましても、鋼材が一萬八千トン、またセメントが約六萬五千トンというような厖大な資材が必要になつてきますので、そこで現在の状態として、これをどういうふうに進めていくかということが大きな問題でありまして、經濟安定本部と内務省とで、ただいま今後の方針についてどう進めていくかということを研究しております。近くその方針が決定すると考えておりますが、本年度は資材や豫算の關係上現状維持の程度に止めておき、來年度あたりから積極的に進めていくように努力したい考えであります。
○荒木委員長 御質疑等ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○荒木委員長 次に日程第二二、關門港を貿易港に指定その他に關する請願、坂本實君ほか四名紹介、文書表番號第七三〇號、紹介議員の説明を求めます。今澄勇君。
○今澄勇君 關門港の掃海促進が非常に捗つた現情にかんがみまして、關門港をして輸入食糧の直接陸揚地、さらに賠償物件の積出港、さらに民間貿易に伴う一般外國船の出入港として急速に指定せられたきことを請願しております。關門港における將來の全面的安全性を確保し、國際的通商交通の自由に寄與するため、左記三大基本條件の急速實數を希望いたしております。一つは本年八月以降明年五月末までを目途とした第二次掃海計畫をさらに短縮して繰上げ實施し、引續き内定せるやに見受けられる第三次計畫に再檢討を加えて、大規模の計畫を確立せられたい。いま一つは、本年度における沈沒船引揚計畫に再檢討を加え、さらに積極的に實施せられるとともに、大規模の明年度沈沒船引揚計畫を樹立せられたい。航路標識を増設せられるとともに、管理の萬全を期せられたい、なお、關門港における貿易廳の事務機構の充實、貿易館の設置、外客宿泊接待施設の整備、觀光施設の充實等、關門港再開ないしは貿易振興に關する附帶的な施設條件の整備促進をはかられたいというのが請願の要旨であります。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○山崎説明員 御答辯を申し上げます。ただいま御説明がございました通り、關門港が日本の海上國際あるいは國内的な交通の立場から、これの復舊は焦眉の急でありまして、終戰後政府といたしましても、できるだけ磁氣機雷の掃海、沈船の引揚げ、航路標識の整備という三つの點に、急速な應急計畫を立てまして實施しました結果、大體一應の完了はいたしました。その結果、今年の十月一日に門司港が一應貿易港として指定されているわけでございます。しかしながら現在掃海が終つているのは、いわゆる航路水道として幅二千メートルでありまして、その二千メートルの航海水道を出ますと、まだときどき觸雷があるのでございます。今までのところ、掃海をいたしました水道の中では、觸雷の事故は起つておりませんけれども、少し道をはずれますと、まだ危險な状態でございまして、日本船舶といたしましても、そういうところを航行しますことは相當まだ不安がありますので、外國船などにつきましては一層その危惧があるわけでございます。從いまして、實際にそういうふうに一應受入態勢ができておりますけれども、安心して外國船等がはいりますためには、一層この掃海を擴張いたしまして、今後この掃海をさらに安全なものにする必要がございます。大體せんだつて新聞に發表がありましたように、一月一日以降第二復員局が解消になりまして、連合軍の責任をもつてやりまする掃海は、一應それ以後は中止するように承つておりますけれども、日本政府といたしましては、さきに申上げましたような趣旨に從いまして、ぜひこの掃海を繼續する必要がございますので、政府といたしましては、第二復員局の掃海關係の機能を運輸省に給付いたしまして、この仕事を繼續いたしたいと思つて今計畫いたしております。從いまして財政的にさえ許しまするならば、機能的には十分に機能をもつておりますので、ぜひこれを實現いたしていきたいと思うのでありまして、議會方面におきましても十分なる御支援を願いたい次第でございます。沈船の引揚航路標式につきましても、ただいま御説明のありました通りに、なお不十分なる點が相當でございまして、ぜひこれも國家の財政が許しまする範圍におきまして繼續していきたい、あるいはその内容につきまして改善すべき點がありますれば、改善することにやぶさかでないのでございます。運輸省といたしましても、御請願の趣旨に副いまして今後一層の努力を續けたいと考えておる次第であります。
○橋本説明員 御説明いたします。關門港の貿易關係につきましては、國内法的に申し上げますというと、すでに開港場として指定せられておるのでございます。從いまして外國貿易船である以上は自由に出入ができ得る建前になつておるのであります。ただ先ほどからお話がありましたように、掃海等の關係で、關係方面では外國船の出入ということが自由に許していないような關係もございまするが、この外國貿易船たる外國汽船の出入ということにつきましては、まことに望ましいことでございますので、政府といたしても、できるだけ請願の御趣旨に副うように努力いたしたい、こう考えておる次第でございます。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。 —————————————
○荒木委員長 お諮りいたします。前會延期しました案件につきまして安平鹿一君より日程追加の要望があります。これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 御異議なしと認めまして日程は追加されました。 松山港を開港場に指定の請願、安平鹿一君ほか八名紹介、文書表五八四號。紹介議員の説明を求めます。安平鹿一君。
○安平鹿一君 先に松山港を貿易港として指定する請願を本委員會に提出したのでございますが、松山港は四國におきましても有數の港灣でございまして、殊に愛媛縣における産物の出港入港その他の點からいたしましても、ぜひとも本港を貿易港として指定していただきたいと存ずるのであります。本港は戰爭中以來、倉庫その他の設備は輸出港にふさわしい施設があるのでございますし、さらに戰爭中以後の内務省の國土局の統計によりましても、昭和十六年における輸入出の貨物の數量は百三十四萬トンを算しまして、全國港灣の二百五十港の中第二十八位に位しておるのでありますし、さらにその價格におきましては、全國第十二位の三億一千四百萬圓に達しておるし、入港船舶といたしましては七百二十三萬トンで、全國の第六位となつておるのであります。本港は昭和十六年度から内港の擴張、ついで十九年度から外港の修築等もいたされまして、滿洲、中華民國等の貿易の伸展に伴いまして、ますます本港の重要性が認められ、運輸省の直營工事として施工中であるのであります。輸出の點から申し上げますと、本港を中心といたしました愛媛縣その他の生産物を見ますと、纖維製品、果物、紙、竹製品、木蝋、木材等でありまして、全額四千五百萬圓以上に上つているのでございます。これらの輸出品は滿洲、中華民國、米國、ジヤワ、スマトラ、英國等に向けられているのでありまするが、特に纖維工業におきましては、全縣下にまたがつておりまして、殊に戰災の被害等は非常に少く、設備等からいたしましても完全なものがたくさんあるのでありまして、しかも製品に至りましては、全國有數な製品と言われているのであります。さらに中國方面における輸出の主なるものにいたしましても坑木、枕木等が中國及び南方方面に輸出されているのであります。今日國民の待望せる管理貿易による民間貿易が認められるにあたりまして、現在の施行中の工事の完成とともに、生産工場の發展と相まつて輸出入もまた飛躍的な進展をすることは明瞭なことであるのであります。 簡單でございますが右事情御賢察の上、速やかに貿易港として御指定せられ、本港の重大使命達成のために格別の取計いを願いたく、ここに請願いたす次第であります。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。橋本説明員。
○橋本説明員 お答えいたします。松山港の開港に關しましてはいろいろな諸般の情勢を考えまして、さらにとくと調査研究をすることにいたしたいと考えております。
○山崎説明員 海運行政の立場から申しますと、日本の開港はできるだけ多い方が結構でございます。ただ開港になりますと外國船がはいつてくるわけでございますので、港の外國船の受入れ態勢というものが、ある程度整備しますことが望ましいことでございまして、それが不十分でございますと、外國の方に評判を惡くするわけでございまして、必ずしも日本の從來の港につきましては、世界に評判がよくないようにも聽いておりますので、開港になります場合には、港の施設につきまして、たとえば船の補給設備、あるいは船員の慰安施設、その他荷役關係の施設、いろいろ港におきまする施設をできるだけりつぱなものにしまして世界に開放しても恥しくない港にしていただきますよう、これはただ私どもお願いでございますが、御希望申し上げておく次第でございます。
○荒木委員長 御質疑等ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○荒木委員長 お諮りいたします。前囘に延期いたしました案件につきまして、林讓治君より日程追加の要望がございます。紹介議員及び政府委員の都合もございますので、この際これを追加したらいかがかと存じますか、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 御異議なしと認めまして日程は追加されました。高知縣幡多郡海岸地蔕を國立公園に指定の請願。文書表第二五九號、紹介議員林讓治君の説明を求めます。
○林讓治君 高知縣幡多郡海岸の一圓を政府の御調査を願いまして、國立公園として御指定あらんことを請願するわけでございますが、高知縣は御承知の通り四國の南部を占めておりまする月形の縣でありまして、その西部の幡多郡の海岸は、その風光きわめて豪壯明媚なことは、他の日本の國内における海岸とはいささか趣きを異にするように思うのであります。 なおこの中におきまして、幡多郡の大方町という町から西の宿毛灣に至ります間は四町七箇村の町村に關係しているのでございまして、海岸線は約八十里ぐらいあろうかと思います。この海岸は亞熱蔕性植物が繁茂いたしておりまして、南國情緒が十分ただよつているばかりでなく、太平洋に突出いたしておる。その景色は先ほど申し上げた通り非常に雄大なものであつて、これを觀光地として御指定を願いましても、十分それだけの價値があるものではなかろうか、今日までこれが世上に多く傅はつておりませんことは、今日まで交通が不便でありますがためでありますが、これらの施設をいたしますならば、非常に興味ある風景であろうと思います。 なおその中に入野の松原というのが大方町にあるのでありますが、これは幅が三町總段別三十七町歩ばかりありまして、かつて内務省の囑託三好博士などは、これは日本一の松原であるという折紙をつけられたばかりでなく、昭和三年二月には内務省より天然記念林として指定を受けているわけであります。 なお南端の足摺岬は四國の西南端でありまして、アフリカの北部、アメリカ合衆國の南部とほとんど同緯度に位いたしているところでありまして、この地方は非常に興味あるところでありまして、その突端には約八十メートルばかりの斷崖がありまして、これよりその附近の風光を見ますれば、非常に雄大なところであるばかりでなく、天氣のよい場合には九州の一角をも望み得る景色をもつているわけであります。海岸一蔕にはあるいはまめ、かし、あらかし、しい、つばき、たぶ、ようじゆ等が繁茂いたしておりまして、またその南端におきましてはアコウ、ビンロージユ、リユウビンタイというような熱蔕の植物も繁茂いたしております。 なおその地方の白皇山の高原には大グラウンド、ゴルフ場、ホテル等を設けるにはきわめて適地ではなかろうか、あるいは水は至るところに求められるばかりでなく、また海運の關係から申しますならば清水港という港がありまして、これは漁港としては日本屈指の港でありまして、あるいはかつを節であるとかいうようなものが生産されるばかりでなく、この清水町は定置漁業において年産二千數百萬圓を産しておるような場所であります。 なおそのほか布崎、叶崎、押目崎というようなみさきがいくつも突出しておりますばかりでなく、龍串というところは奇岩怪石に富んだ、地方としても一つの名勝となつておるわけであります。なお西の方には柏島あるいは沖の島、鵜來島というような島々がありますばかりでなく、宿毛灣というものの中にま約十ばかりの小さな島がありまして、國境より見ますと、あの地方では小松島という名稱をつけて、眺望の非常にいい所となつておるわけでありますから、今後施設を設けられます上においては、優に幡多郡の海岸一蔕は遊覽地して遜色のないものであろうと考えるわけであります。どうかこの點を政府におかれましては十二分に御調査を願いまして、願わくば國立公園として御指定いただきますように、地方からも要望がございますので、ぜひこの際十分の御調査の上御決定あらんことを希望するわけであります。簡單でありますけれども以上申し上げまして請願の趣旨といたします。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
○三木政府委員 ただいま高知縣幡多郡の海岸一蔕を國立公園としていただきたいという御趣旨の御請願でありますが、これに對しまして私どもの見解をお答えいたします。 四國地方におきます國立公園といたしましては、屋島及び小豆島の一部が現に國立公園に指定に相なつておるのであります。それから瀬戸内海の、ただいま國立公園指定地域外の西部寄りの諸島嶼及び石鎚山、面向溪の一蔕が、新たに國立公園の候補地ということに相なつておるのであります。しかしながらただいま御請願の足摺岬の一蔕のいわゆる南海岸につきましては、ただいまのところ國立公園候補地に相なつておらない次第でありまして、ただいま御希望のございましたように、この地域は私どもといたしましては未調査の地域でございますので、なるべく早い機會に調査をいたしまして善處いたしたい。かように考えておる次第でございます。當局といたしましては國立公園法をなるべく早い機會に改正いたしまして、その準用規定をつくりまして、國立公園に次ぐ景勝地を保存いたしますとともに、觀光事業等に利用開發し得るような途を開きたい。かように考えておりますので、いずれ調査の結果に基きまして、國立公園として指定いたすことができますか、あるいはできませんならばこの準用規定によりまして縣立公園等にいたしまして、觀光事業の推進をはかるというような途を開くように、何分の善處をいたしたい。かように考えておる次第であります。
○荒木委員長 御質疑等はございませんか。
○村瀬委員 前囘の委員會でもお尋ねいたしたことがあつたのでありますが、そのときは局長はお見えになつておらなかつたと思いますので、この際伺いたいことは、國立公園委員會というものができておりますが、國立公園委員會と、この國土計畫委員會の請願等に對する意思の決定、いわゆる採擇をいたしました場合に、政府の方ではどういうお取扱いをなすかということの御方針を承つておきたいと思います。それから國立公園委員會は今非常に缺員も多いというようなことを聞いておりますが、いつごろ整備になるのでありましようか。もうその缺員の方々の補充はできておりましようか。それからもう一つ、今準國立公園というものを計畫いたしたいと言われておつたのでありますが、それに對するいま少しく詳しい御方針を承つておきたいと存じます。なお高知縣の南岸の景色は私もたびたび參つてよく見ておるのであります。非常に雄大なよい景色でありますので、早く御調査になることを希望しておきます。
○三木政府委員 お答えいたします。第一の請願に對する當局の取扱いはどうかという御質疑でありますが、御請願に對しましては、國會の御意見といたしまして、私どもはただちに能う限りこれが實現いたしますよう、もちろん努力いたす次第であります。今御請願のございました現地踏査等につきましても、なるべく早い機會にこれをいたしたいかように考えておるのであります。 なお國立公園委員會は、今日國立公園法の定むるところに從いますならば、國立公園は厚生大臣がこれを指定いたすことに相なつておりまして、純然たる行政權という形に相なつておりますので、これの諮問機關といたしましての國立公園委員會ということに相なるわけであります。この御請願等によりまして調査を遂げ、それらの結論につきましては、これは當然事務當局の意見でありますから、これを國立公園委員會にかけて、指定すべきか否かという厚生大臣の諮問に答えるのが國立公園委員會の役割に相なつておる次第であります。なお國立公園委員會は實は御存じのように調査票というようないろいろ事務上の手續きがございまして、委員の整備も遲れておつたのでございますが、しかしながらもうあと三人ばかりで私どもが豫定いたしておりまする方々に委員をお願いできるという状態にまで進捗いたしておりますので、これが間もなく整備いたしますとともに、いろいろと御審議をお願いいたしたい、かように考えておる次第であります。この委員會につきましては、當初私どもは國會からなるべく御參加をお願いしたいという所存でございましたが、國會議員はこれらの委員會に参加することは、原則としては適當でないというようなお話でございましたので、その委員の顔ぶれも變更を餘儀なくされたような實情でございます。 なお準用規定というのはどういう趣旨であるかという御質疑でありますが、私どもといたしましては、今日の觀光國策というものに對應いたしまして、國立公園行政をどうするかという點につきまして一つの方針をつくつたのでございます。その要綱によりましてまず國立公園竝びにその他のいわゆる國土計畫の大計をを立てる必要がある。そこで國立公園には適當でないけれども、しかしこれに次ぐ景勝地であるというふうなものにつきましては、これは準用規定によりまして縣立公園というようなことにいたし、そうして國立公園法で定められておりますところの景勝地の保護及び利用開發、これら二つの面の統制をこれらに加えていこう、かような考えであります。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第二四、舊飾磨市役所前、妻鹿間道路改修の請願、堀川恭平君紹介、文書表第七四六號、紹介議員の説明を氷めます。堀川恭平君。
○堀川恭平君 この件につきまして特に當委員會にお願いいたしたいのでありますが、事變中兵庫縣の明石、姫路、あの播州地蔕が相當工場地蔕になつてきまして、そうして土地を望む人が非常に多くなつたのであります。そこであの瀬戸内海に面するところの播州地蔕の沿岸を、縣營によりまして埋立てをいたしまして、そうしてこれに工場地蔕をもつていくという計畫であつたのであります。そこでこれに必要なところの、浜に面するところの縣道を敷設しなければいけないというようなことで、埋立工事竝びに浜縣道を約五千萬圓の縣の工事としまして、内務省の御同意を得て五箇年計畫か何かでやりつつあつたのでありますが、ちようど大東亞戰爭が起りましたために、これも中絶いたしたのでありまして、ただここに上つておりますところの元飾磨市市役所と妻鹿というところの間の約七、八町の區間がこの浜縣道の中止によりまして、現在までできていないのであります。そこで現在あります道路は非常に狹くて、そしてトラツク一臺がやつと通ずるか通じないかのような道路であるのであります。そこでどうしてもこの殘つたところの七、八町を貫通しなければ、とうていこの今まできておるところの縣道も用をなさないというような現状であります。なおその上に姫路市を貫通いたしておりますところの市川という川にかけてある橋——最下流にありますところの妻鹿と飾磨との交通にどうしてもなければならない橋でありますが、この橋は明治年間にできまして、この橋を現在まで使つていたのでありますが、この橋のかけかえがちようど新しい浜縣道にかけかえるということになりましたので、この昔の橋がそのまま修理もされずに今日に至つておるのであります。そこでこの橋がほんとうに腐朽いたしまして、問題にならないような現状であるのに鑑みまして、兩方に對岸から寄附を募りまして、現在この橋が流れたならば、早速人間の歩行にも困るということで、約五十萬ほどの寄附金を集めまして、吊橋をかけておる現状なのであります。かように現在あるところの橋は腐朽困憊いたしておる現状なのであります。そこで兵庫縣當局といたしましても、この橋をどうしても新しい浜縣道にかけかえなければ、その縣道も要をなさないということで、昨年、本年ともに縣の豫算に五百五十萬圓でありましたかあげておるのであります。そしてこの橋のかけかえと、飾磨市、元飾磨市役所までの約七、八町の道路も完成するならば、この浜縣道はほとんど完成いたすことに相なるのであります。そこで今囘この委員會にとくと事情を御了察願いまして、この兵庫縣が縣といたしまして、縣會を通過し、そしてこのかけかえを本省にお願いいたしておる現状に御考慮くださいまして、何とかこの橋と、殘つておるところの縣道の開設について御考慮くださつて、そして御熟考の上速やかに開設せられんことを要望いたしておる次第であります。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。金子説明員。
○金子説明員 お答えいたします。ただいまお話にありました浜縣道は、これは産業上非常に重要な路線であります。もう一息で完成するというところまでいつておりますので、縣の方と連絡いたしまして、來年度實現するように努力したいと考えております。
○荒木委員長 御質疑等はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○荒木委員長 お諮りいたします。日程第二七の紹介議員鈴木雄二君より、前囘延期いたしておりました案件についてこの際日程追加の要望がございます。これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 御異議なしと認めまして日程は追加されました。水無川砂防工事促進の請願、鈴木雄二君紹介、文書表番號、第三七七號、日程第二七、早川、須雲川及び千歳川砂防工事促進の請願、鈴木雄二君紹介、文書表番號第七五九號、以上二件を一括議題といたします。鈴木雄二君。
○鈴木雄二君 水無川は神奈川縣丹澤山塊に源を發しまして、金目川に合流して相模灣に注ぐ川でありまして、流路は延長七キロ餘でありまして、つとに河川法準用河川として縣下の重要な中小河川でありますが、まつたく未改修の原始的河川であります。周知のように丹澤山塊は關東大震災と、伊豆の大震災によりまして、地盤が非常にゆるんでおりまして、その荒廢は極度に達しておるのであります。そしてその砂や石の流れますものは流域の諸川を埋めてしまいまして、いわゆる天井川の典型的な形觀を呈しておるのであります。その水無川の流域におきましては、本川の合流する金目川ほ縣中央部を貫流する重要な動脈であつて、この流域千餘町歩は本縣隨一の穀倉として、米、麥、あるいは甘藷、蔬菜の一大生産地であります。從つて本流域における生産の良否は、ただちに神奈川縣二百萬の縣民の臺所に重大なる影響をもつておるのであります。しかるに金目川は年々河床の上昇に惱まされまして、洪水ごとに被害は甚大なものでありますが、これが防除が、一にかかつて上流諸派川中特に水無川の整治いかんにあることに想到するとき、水無川より流下する莫大なる土砂の蓄積を止める。すなわち砂防工事こそがまず何をおいても完璧のものとせねばならないのであります。しかるに從來本川の治水についてはいずれも下流部における弥縫的な修理に止まるため、累年水害を免れませんで、耕地の少い本川沿岸町村にとつて、ますます深刻に迫る食糧の危機克服の途は砂防工事による災害の防止と、失われた耕地の復舊と、増産による食糧の確保以外にはなく、それはまた現下國として非常に喫緊なる要望でもあることを痛感する次第であります。事實本川改修實現の曉は、約百町歩餘の厖大な新耕地を生み出し、下流金目川筋の減産防止の效果また顯著なものがあるのであまして、農地關係においても沿岸開拓について地元民の熱望にたえません。これにこたえて縣は本川改修に竝行して國家の食糧政策の一環たる緊急開拓事業として、開墾事業に著工するに至つたのであります。縣土木においても、つとにこの間の事情を重視されまして、本川砂防については格別の努力を示されて居りますが、何分にも配當豫算の範圍内で縣下全般の砂防工事を施行せねばならぬ事情にあり、いきおい本川に配付される工事費の制限は免れないところであつて、かくては所定の開墾事業も自然進捗せず、從つてその效果の速效を期待する沿岸住民としては何らかの方法によつて、この隘路を打開し、一日も速やかなる竣功を熱望してやまないのであります。何とぞ皆様の御配慮をお願いして、地元民の總意をもつてここに請願申し上ぐる次第であります。 早川、須雲川及び千歳川の砂防工事の件について請願いたします。 本縣箱根山塊は元來地質脆弱なるに加え、關東豆相の二大震災によりはなはだしく崩壞して、ここに源を發する早川、須雲、千歳等の諸川の荒廢は極度に達したのであります。その結果出水ごとにおびただしい土砂を流して河床を降起させ、溢水は小田原市はじめ沿岸の農耕地を流失埋沒させて、湯の町もたちまち濁水に洗われてしまうのであります。昭和初年來國竝びに縣においては、本地方に砂防工事を實施してきましたので、山腹河川とも順次安定に向ひ、地元民は衷心より感謝しておるのでありますが、戰時中山林の濫伐、工事の中絶等により、山地、河川ともに荒廢の度が急激に進み、このままでは來るべき大出水を豫想するときに、不安に戰き安眠し得ない状態であります。殊に箱根は温泉郷として世界に知らるる特殊地域であり、觀光客誘致の見地からしても、この荒廢河川を整治し、災害を未然に防止し、交通の安全をはかるのは、日本の現状から考え、きわめて緊要であります。さらに早川上流仙石原村地内においては、數十町歩の農耕地開發が進捗しておりますので、これに伴う河川の整備、灌漑用水の問題は、急速に解決せねばならないのでありまして、これに對して砂防堰堤二箇所が先年築造せられ、食糧増産に多大の寄與をしておりますが、さらに護岸床固等の砂防工事の續行を必要とし、これによつて得らるる増産竝びに減産防止の效果は多大のものであります。 また湯河原町を流るる千歳川は、同町の死活を制する重要な河川として、これが治水については絶對の關心を寄せ、上流部荒廢の防止については、不斷の協力を傾注してまいつたのでありますが、不幸未だ安定するに至らず、同町水道水源にも困却しておる状況でありまして、大箱根公園の一環として、同水系に對する砂防工事の促進はきわめて喫緊とするところでありますので、ぜひとも皆樣の御理解によりまして、この砂防工事を一日も早く實施していただくよう、切にお願いする次第であります。
○荒木委員長 これに對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 神奈川縣丹澤山塊に源を發しまする水無川及び箱根に源を發する早川、須雲川、これらの流域は、大正十二年のあの大震災の際に數多くの崩壞を生じまして、これがために下流の河川を荒すことが非常に大でありましたので、その後砂防工事を始めて今日に至つております。なおまたその間昭和五年十一月の伊豆相模を中心といたします震災がありまして、その直後千歳川の流域も砂防工事を施行してまいつたのでありますが、殘念なことにその後戰爭が勃發いたしまして、そのために豫算が非常に削減されましたので、ついに早川及び須雲川の砂防は中止して今日に至つておるのであります。非常に殘念に思つております。砂防工事は最近資材の點などに非常に制約されまして、とかく仕事が十分はかどりません關係上、下流の河川改修が非常に重荷でありますことは、すでに各方面から指摘されている通りであります。さいわいこれらの河川砂防地域につきましては、それぞれ調査も、一通りすんでおりますし、さらにまたごく最近の九月の颱風の状況につきましても目下調査中でありまして、近々中に調査の結果も寄ると思います。これらをもとといたしまして、でき得る限り明年度以降砂防豫算を大幅に増額いたしまして、極力短期間に御希望に副うように努力いたすつもりであります。
○荒木委員長 御質疑等ありませんか。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第二三、大野川改修工事費増額の請願、金光義邦君紹介、文書表番號第七三九號、紹介議員の説明を求めます。
○金光義邦君 大野川改修工事急速施行について豫算を増額せられんことを陳情致します。 大野川改修工事は昭和四年著工以來順調に進捗いたしまして、數年を出でずして完成の域に達していたのでありますが、たまたま昭和十八年九月の大洪水に際會し、かつてない大慘害をこうむり、この復舊工事半ばにして昭和二十年九月再び大災害を受けたのであります。この再度の大洪水に鑑みられ、内務省におかれては計畫の再檢討をなし、新しい計畫を立てられたようでありますが、この内容は、最も急速に效果をあげ得る方法としては溢流堤が選ばれたと思ふのであります。しかしながらこれは度重なる災害に對する應急的暫定措置にすぎないのでありまして、本川改修の全面的工事は今後にかかつてゐると思ひます。豐饒な沿川流域の耕作地が、食糧危機を叫ばれる現下、これが増産には一層重要性をもつとき、一朝にして襲來する大洪水の前に、これを防護する堤防が脆弱であつては、およそ食糧の増産、交通の保全等、民生の安定は望み得べくもなく、本川の全面的工事は今や焦眉の急に迫られていると申さねばなりません。年産數億圓になんなんとする改修區域沿川の生産機能をさらに發揮し、延長四百キロに及ぶ交通網の保全をはかることは、國家再建の基本として、これには本川改修の全面的工事が先決問題となり、とりあえず——最小限一億圓を要するそうであるにかかわらず、本年度のごとき僅か三百五十萬圓と云ふ僅少の豫算をもつてしては、とうてい所期の目的達成はおろか、その補修の完璧さえ期し難く思料せられますので、この際ぜひとも豫算を増額し、急速に施行せられるようお願い申し上げます。
○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。三島説明員。
○三島説明員 大分の大野川は先ほどお話の通り、改修工事の中途にありまして、昭和十八年及び昭和二十年と非常な大水害に逢著いたしまして、過去の洪水量を詳細に調査いたしまして、計畫洪水量を算出いたしまして工事に著手いたしましたにかかわらず、戰時中における濫伐などの影響であろうと思われるのでありますが、過去の洪水量をはるかに突破する大洪水量でありましたので、その後愼重に實施計畫を再檢討變更いたしまして、目下各種改修工事を實行いたしております。今年度の工事費はただいま御指摘の通り、わずかに三百三十五萬圓でありまして、工事がいたつて進捗いたしておらないのであります。この流域が非常に生産的に見ましても價値あるところでありますので、來年度以降、少くともこれを三箇年くらいに完成いたしたいというようなことを目途といたしまして、明年度は大幅に豫算の増額をいたしまして、御期待に副うようにいたしたいと、目下準備をいたしておるところであります。よろしくお願いいたします。
○荒木委員長 御質疑等はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○荒木委員長 お諮りいたします。前囘延期をいたしておりました案件二件につきまして、圖司安正君より日程追加の要望があります。これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 異議なしと認めまして、日程は追加されました。 酒田港災害復舊工事促進に關する請願、金野定吉君外二名紹介、文書表番號第四三號、酒田港に海上保安基地設置の請願、圖司安正君外二名紹介、文書表番號第四六號、紹介議員の説明を求めます。圖司安正君。
○圖司安正君 酒田港の災害復舊工事促進に關しての請願について御説明申し上げます。 酒田港は裏日本の重要港灣の一つであることは、申し上げるまでもありません。ところでこの港は毎年々々最上川の氾濫、それに伴いまする土砂の流出によりまして、河口が埋沒いたしておるのであります。特に今年は春先の融雪水と、その後の七月、八月、九月に三たび襲來いたしました大洪水のために、背割堤がすつかり破壞せられまして、その復舊が未だ實現を見ないでおるのであります。春先の融雪水によりまして、背割堤が破壞せられました際には、運輸省と内移省との間に緊密な連絡のもとに、相當の豫算額をもつてその復舊に著手せられて、まさに實現を見るまでに至つておつたのでありますが、遺憾ながら七月、八月のあの未曽有の大洪水によりまして、再び破壞せられてしまつたのであります。ところでその後工事の進捗状況を見ますと、どうしたものか運輸省と内務省との間に、現地の係官の感情の疎隔と言いますか、工事上のそこにいろいろないきさつ、あるいは摩擦というようなものがございまして、地元民が期待いたしておるほど工事の進捗が見えておらぬ現状でございます。その點はなはだ遺憾にたえないのでありますが、そうした感情の問題、現場における係官の個人的な問題は別にいたしまして、根本的に工事の状況を檢討いたしますると、そこには最上川の災害復舊ということがきわめて大きな役割をもつのではないか、最上川のあるいは改修工事、あるいは水流の變更の問題、そうした根本的な問題が解決せられないならば、酒田港の復舊というものもなかなか實現を見るというまでには至らぬのではないか。言葉をかえて言いますならば、酒田港の復舊はすなわち最上川の災害復舊と歩調を合わせて、そうして急速に實現をはかつていただかなければならぬのではないか、かような見地よりいたしまして、地元民は酒田港の災害復舊について特にお願いを申し上げる次第に相なつたのでございます。ひとり經費の面だけでなく、そこに要しまする資材の面などにつきましても、實は地元の山形縣の軍政部のナン中佐が、親しく最上川及び酒田港に參られまして、最上川のもつ産業上、特に米の産地としての庄内平野にまたがるところの大きな意義を認められ、さらにそれが酒田港の將來性に直結いたしてのいろいろな觀點からいたしまして、最上川の復舊及び酒田港の災害復舊ということに對して、特別に政府に對する要請をするというような意味合いのもとに、軍政部では地元に參つていろいろ調査をされておるのでありますが、それらの調査の結果をみましても、經費の伴うところの資材面が災害復舊にはきわめて重大意義をもつてまいるのでありますから、そうした點を併せてお考えいただきまして、この災害復興工事を促進せられますよう、特段の御配慮にあずかりたく、特にお願い申し上げる次第でございます。 次に酒田港に海上保安基地を設置してもらいたいという請願でございますが、これは終戰後きわめて日本海方面の海上保安基地を強化する必要が生じてまいつたのでありまして、それは民主安定の上にも、また海上民衆の保護再建をはかるという上からいたしましても、この必要はきわめて重大性をもつておるのであります。殊に日本海方面は對岸の朝鮮、あるいはシベリヤ、あるいは樺太、そういう方面から寄航密入を企てる者が相當ございまして、最近もそういう者がつかまつたということがあるのでございます。ところで海上保安基地としての何らの施設も日本海方面にはございませんので、遺憾ながらみすみす密入密航を企てる者に對して、それを取締れないような現状に相なつておるのであります。もつとも承るところによりますと、日本海方面に對するそうした保安施設の重要性を認められまして、鹽釜の海運局でありますか、その方面ではどうしても日本海方面に一箇所は設定しなければならぬということから、酒田と船川がその候補地になつておるということであります。ところで保安施設をいたしまのすには、どうしても受入態勢が整備していなければならぬことはいうまでもないことでありまして、そうした點から見ますと、酒田港は事務所でも宿舍でも、見張所でも、倉庫でも、あるいは繋船場所でも、また警備艇の配船にいたしましても、きわめて受入態勢は整備し得る状況におかれておりますので、そうした點をよくお考えいただきまして、酒田港に海上保安基地としての施設をしていただきたいというのが請願の趣旨でございます。どうぞこの二つ請願の趣旨を愼重に御檢討いただきまして、この地元民の熱望を容れていただきますよう、特にお願い申し上げる次第であります。
○荒木委員長 これに對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 酒田港の背割堤防がこの春の雪解け水にて災害を受けまして、その後さらに七月の水害に際しましてもまた災害を受けたのであります。これにつきましては、内務省としては、この復舊に要します經費につきましては迅速に豫算措置を講じまして。緊急復舊に遺憾なきを期してまいつたのであります。殊に先ほど指摘がありましたように、この酒田港の災害復舊は内務省と運輸省と兩者の關係がありますので、この工事に著手いたします際は、特に運輸省港灣關係の出先機關と、私ども内務省の出先機關の者が酒田の現地に會合をいたしまして、十分緊密に連絡をとりましてお互いの仕事の分擔をきめて著手いたしたはずであります。現地におきまして、さような兩者の間の連絡の不十分があろうとは、實は思つておらなかつたのであります。ただいまのお話で、若干その點が不十分なようでありますから、なお私どもといたしましても、至急にこれは實情を調査いたしまして、御指摘のような事實があるといたしますれば、これを是正いたしまして、ひとつ御期待に副うように十分努力いたしたいと考えております。それから酒田港の修復は最上川の本川の災害復舊と十分連關をとつて對策を講じてもらいたいというお話でありましたが、これはもちろんそうあるべきものでありますので、私どもといたしましても十分その意を體して、今後の復舊に當りたいと思つております。
○橋本説明員 酒田港の海上保安基地につきまして、その密貿易關係につきましてちよつと御説明申し上げたいと存じます。密貿易のことにつきましては、終戰後非常に件數も増加いたしまするし、各般のこの密貿易の性質といたしましても、非常に計畫的となり、その取締りの強化ということは非常に緊要な問題と相なつておるのでありまして、この密貿易の取締りにつきましては、主たる責任官廳といたしまして税關がこれを擔當しておるのでありますが、そういうふうな關係で、この酒田港におきましても實は先般税關監視署でありましたのを、税關支署に昇格いたしまして、そうしてこれが取締りの強化に當たつておる。こういうふうな状況でございます。なおこの密貿易の取締りということにつきましては、ひとり税關ばかりでなく、關係方面とも十分協力いたしまして、この取締りに遺憾なきを期するという方向でやつておる次第でございます。以上簡單でございまするが、御説明いたしておきます。
○山崎説明員 今酒田港の工事關係のことにつきましては、港灣局長が參つておりませんので、責任ある答辯をいたしかねますが、今のお話の趣旨は傳えまして、次の機會に港灣局長からの御説明を申し上げることにいたします。次の海上保安基地の問題でございますが、御承知の通り終戰後の海上保安の問題が、日本の秩序の維持、あるいは産業の發展に非常に重要な問題になりましたことと、連合軍の方の非常な御理解を得まして、すでに三十八ぱいの船をもらいまして、海上保安の任に當ることになつております。そのうち二十八隻につきましては、もうすでにその引繼を受けまして、それぞれ活動をいたしておる状況でございますが、殘りの十隻も一月ばかり後に第二復員局から引繼ぎすることになつております。大體今密貿易、不法入國、あるいは海難の救助というようなことが大きな仕事になつておりますが、大體九州沿岸が密貿易あるいは不法入國が非常に多いのでありまして、そのうちの約十五隻が九州沿岸の警備に當つております。その他は日本各地に配屬しておりまするが、大體この日本の海上保安をやりまするために、どれだけの船腹と施設がいるかということにつきましては、大體調査もできておりまするけれども、これは連合軍の方の關係で相當檢討しておられるような状況でございまして、まだ最後の確定になつていないのであります。またその基地等につきましても、そのスケールがまだきまつておりませんので、いろいろの案はございまするが、本ぎまりになつておるのでは決してないのでございます。日本海の方の海上保安基地といたしまして、北の方におきましては、先ほど御説明がありましたように、船川あるいは酒田、どちらかが相當有望な候補になるわけでございます。先ほど申しましたようにまだそれは未決定の問題でありまして、いろいろの港の状況の調査、あるいは受入態勢等につきましても、十分調査をいたしました上で、最後の決定がされるであろうと思います。御請願の趣旨は十分了承いたしておりますので、今後の調査決定のときにおきましては、十分御參考に供して決定していきたいと思います。 —————————————
○荒木委員長 お諮りいたします。前會に延期をいたしました案件事件につきまして、小枝一雄君よりこの際日程追加の要望がございます。時間が大分經過しておりまして恐縮でありますが、その要望を許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 御異議なしと認めまして日程に追加されました。 羽出村地内護岸工事施行の請願、文書表第一六九號、小枝一雄君紹介。粟井池砂防工事繼續施行に關する請願、文書表第一七〇號、小枝一雄君紹介。 旭川合同用水工事促進その他に關する請願、文書表第五一九號、小枝一雄君紹介。 旭川改修竝びに旭川合同用水工事促進の請願外一件、文書表第五二〇號、小枝一雄君紹介。 小坂部川貯水池用水改良工事國營施行の請願、文書表第五二一號、小枝一雄君紹介。 岡山縣の砂防工事費國庫補助増額の請願、文書表第五二三號、紹介議員小枝一雄君。 以上六件を一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。
○小枝一雄君 第五一九號、旭川改修竝びに旭川合同用水工事促進その他に關する請願につきましては、旭川合同用水工事は、内務省により昭和十二年に初めて計畫されたものでありまして、當時は内務省といたしましては、旭川における四つの大きい關を合同いたしまして、灌漑用水を豐富ならしめ、出水による被害を皆無ならしめ、かつ井堰路の維持管理費を節約すると同時に、一方農産物の増收をはかる最善の途は、合同用水工事施行のほかないという理由のもとに、内務省の積極的な勸獎により、地元の熱意と相まつて、これが著手されることとなつたのであります。爾來十年間の實際は全然右の期待に反しまして、年々水害は増大し、灌漑用水は不足いたしまして、維持管理費は莫大なる額に達しておるのであります。そうしてこの結果を招來いたしました原因は、四箇所の取入のために構築せられました導流堤が、いずれも自然の流路によつて形成せられておりましたところの中州、寄州の大部が撤去せられたためでありまして、萬代不易を誇つていた堅固な乙井出堰は、昭和二十一年七月の出水にとりまして完全に決壞をいたしました。また次いで九年再びこれに災害が加わりましたので、その後まつたくこれらの井堰は機能を失うというような状態になつておるのであります。それが最近三箇年間における災害の應急復舊費の一箇年平均額は、四十七萬三千圓を要したのであります。しかるにこの合同用水工事は、過去十年間にきわめて小部分の水路工事と、段原樋門を改築せられたのみでありまして、あまりに進捗をみていないのでありまして、これははなはだ遺憾とするところであります。どうか右の事情を御了察の上、速やかに合同用水改良工事の竣成するよう御高配をお願いいたしたいのであります。 なお現今の物價事情は御承知の通りの暴騰を來しまして、本工事實施にあたりましては、昭和十三年三月御認可の工事費に比しまして、大變な増額とならねばならぬわけでありまして、持別の國庫の補助額とともに、本工事費に對する組合員擔の三分の一相當額について、大藏省豫金部の融資について格段の御配慮をお願いいたしたいという請願であります。 次に五百二十號、旭川改修竝びに合同用水工事促進の請願ほか一件でありますが、これは前の合同用水工事と關連した問題であります。この旭川は御承知のように、岡山市の中央部を貫流するところの縣下三大河川の一つでありまして、このお願いいたしておりますところの工事施行の箇所は、ただいま申し述べました合同用水工事を施行しております箇所と、同一箇所にほとんどなるのであります。この箇所は皆さん御承知の、治水の大家でありました熊澤蕃山が、當時岡山市を水害から救うために百間川という放水工事をやつたところであります。これが昭和九年の水害に大變な災害をこうむり、岡山市もほとんど浸水するという慘状を呈したのでありますが、この工事が未だ一部施工せられただけでありまして、今なお相當の工事を施行いたしませんと、市民も不安にたえないところであります。またこれらの合同用水によります水利の便を得ますところの總面積は、五千町歩にわたるところの備前平野の豐穰の地なのでありまして、これらと岡山市を水害から救い、かつまた五千町歩になんなんとする耕地を救いますことは、一にこの旭川の改修工事と合同用水の工事と相まつて施行せられまして、初めて完璧が得られるのであります。これについて岡山市を初め二十箇町村の市町村民が衷心熱望しておることでありまして、どうか本委員會におきまして、特別の御詮議をもつて御採擇をお願いいたしたいのであります。 なお小阪部川貯水池用水改良工事國營施行の件についての請願でありますが、この小阪部川の貯水池用水改良工事は、目下縣營工事として施行中でありまして、上下流一萬四千町歩の用水源を確立して、主要食糧の増産に資せられたいという趣旨のものであります。 本事業は昭和十四年における未曽有の大旱魃に鑑みまして、高梁川から取水せる湛井十二箇郷、東西用水、上原井領の三用水組合を中心とし、その餘水地域を包含する一萬四千町歩にわたる地域に對して、灌漑用水補給の目的で、縣營事業として豫算總額三百八十萬圓をもつて、阿哲郡美穀村及び熊谷村にまたがり、一大貯水池を築造せんとするものでありまして、昭和十六年度から工事に著手しまして、現在までに工事の完成いたしましたおもなものは、堰堤より下流に至る延長二千六百五十メートルの資材運搬道路、小坂部川と高梁川の交叉點より堰堤に至る延長四千五百十五メートルの架空索道の建設、工事用動力使用による延長五千四百三十五メートルの電線路の新設工事及び延長二百四十メートルの假放水路の隧道工事であつて、本年度より本工事たる堰堤工事に著手する豫定でありますが、終後後諸物價暴騰のため、設計單價が著しく増嵩し、既定豫算の三百八十萬圓は昭和二十一年度までにすでに處理濟で、今後四千六百十三萬餘圓を必要とするのであります。先般右豫算の増額を申請しましたところ、昭和二十二年度事業として二百四十八萬三千圓の増額が承認せられましたが、工事完成までにはなお相當の年月を要するのでありまして、現下の食糧事情に鑑み、早急にその效果を發揮する必要があるので、本事業を昭和二十三年度より國營事業として施行されまして、速やかに完成するよう特に熱望しておる次第であります。右特別の御詮議をもつて速やかに實現いたしますよう、本委員會におきましても右請願を御採擇あらんことを切にお願いする次第であります。 なお岡山縣の砂防工事費國庫補助増額の請願竝びに粟池砂防工事繼續施行の請願でありますが、これは大體個々の問題に對しましては、先般本委員會において御採擇をお願いしたはずでありますから、總括的な問題としてお願いいたしたいと思います。 治水砂防事業は災害を防止輕減し、國民生活を安定させ、産業の復興をはかり、食糧増産に寄與する重要緊急事業でありまして、岡山縣としては深くこれを認識して、最善の努力を拂つておるところであります。たまたま七月九日、九州、及び關西地方を襲つた豪雨は、縣内各地においても局部的に災害を惹起しまして、殊に岡山縣の縣北部地帶は、戰時中林木を特別に濫伐いたしまして、樹根を採取いたしましたために、山地の荒廢は極度に達しておる關係もあり、水源山地の小渓流は豫想以上の被害をこうむつておりまして、砂防指定地内の各種損失概算額は一千萬圓の巨額に達しておるのであります。つきましては地元各町村より災害防止工事施行復舊方について熱烈なる要望がありましたので、岡山縣といたしましても、應急處理計畫樹立中でありますが、縣の財政が極度に逼迫いたしまして、とうてい全般的には施行困難でありますので、本年度施行中にかかる災害對策砂防工事は現在の社會情勢にかんがみ、諸物價勞働賃銀の暴騰に伴いまして、自然工費の増額をきたし、當初設計の金額をもつていたしましては、施行困難な現状に遭遇したのでありまして、かれこれ御賢察の上、今囘の特別の御詮議によりまして、災審對策砂防工事費國庫補助額を相當御増額くださるように請願いたす次第であります。これは岡山縣知事竝びに縣會議長の名によつて提出されているものであります。以上よろしく御採擇あらんことをお願いいたします。
○荒木委員長 これに對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 岡山の旭川の改修工事に伴いまする附帶工事としての合同用水工事は、先ほどお話しの通り、著手いたしまして今日までまだ完成をみておりませんことは、非常に私ども遺憾至極に存じております。戰時中におきます資材の不足と、また豫算の削減に伴いまして、非常に私ども憂慮しながら今日に至つているのでありますが先ほど御説の通り、岡山縣の最も豐穰な地帶の灌漑用水となりますので、一日もゆるがせにすることができませんので、來年度におきましては大幅に旭川の改修豫算を増額いたしまして、でき得る限り短期間に御希望に副うように計畫立案いたしておりますから、今後ともよろしくお願いいたします。なおまた、旭川の派川としての百間川の改修工事についてもお話しがありましたが、これも來年度の工事箇所としてぜひ工事に著手いたしたいと考えておりますので、御了承いただきたいと思います。 なおまた、砂防工事でありますが、これは先ほども申上げましたが、やはり河川工事だけで川を護りますことは、非常に荷が重いのでありまして、どういたしましても砂防工事によりまして、その上流を防ぐということが先行いたさなければならぬことも十分了承いたしております。豫算の許しまする範圍内におきまして、岡山縣の砂防につきましても大幅に經費を差向けまして、少しでも御期待に副うように今後とも盡力いたしたいと思つております。
○櫻井説明員 岡山縣の高梁川沿岸一萬四千町歩の灌漑のための小阪部川のダムにつきましては、御説明のありましたように目下縣營でやつておりますが、これに要しまする資材、資金あるいは技術指導力等の點につきまして、縣營をもつて今後なお續けて行くということは相當困難がある、私どももかように考えておりますので、來年度の國營地區に採擇すべく、すでに私どもの手もとで立案をいたしております。ただ今後の交渉のいかんという問題になるわけでありますが、さよう御承知おきを願いたいと思います。
○荒木委員長 御質疑等ございませんか。 —————————————
○荒木委員長 山口好一君より前會延期いたしております案件四件につきまして、この際日程追加の要望がございます。これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木委員長 御異議なしと認めまして日程に追加されました。 五行川竝びに野元川改修工事施行の請願、文書表第三號、紹介議員山口好一君。 巴波川及び渡良瀬川改修工事竝びに舊谷中村遊水池の干拓工事施行に關する請願、文書表第一〇號、紹介議員山口好一君ほか二名。 海外引揚者に石材山拂下の請願、文書表第一九七號、紹介議員山口好一君。 思川の架橋工事費國庫補助金の請願、文書表第一九九號、紹介議員山口好一君。 以上四件を一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。
○山口好一君 時間が經ちまして恐れ入りますが、簡單に御説明を申し上げて御採擇を願いたいと思います。 まず第一の請願の五行川竝びに野元川の改修工事施行の請願であります。これは栃木縣の鹽谷郡氏家町附近を源にし流れる五行川と栃木縣鹽谷郡北高根澤村大字上高根澤字西根附近に源を發します野元川、この兩川は、後に栃木縣芳賀郡眞岡町附近で合流をいたします。この兩川はいずれも通常はあまり水がありませんが、少しく雨が降りますと野水が出て、いずれの川も充滿いたします。これが合流して非常な水量になりまして、河川の改修が十分行われておりませんために、兩岸に溢水して附近の美田、特にこの地方は栃木縣のウクライナと言われる米穀の非常な生産地でありますますが、その美田にもつていつて溢水いたしまして、このために非常な生産の阻害があるのであります。二年、三年ごとに非常な被害をこうむりまして、今日の食糧事情困難な折から、國家の一大損失であるのであります。從來も五行川、野元川につきましては再三請願がなされ、またこれの改修工事も著手いたされておるのでありますが、不十分でありまするので、なお一層速やかに、かつ十分にこの改修工事の實施いたされまするように、當委員會において御採擇のほどをお願いしたいのであります。 次に文書表一〇號の巴波川及び渡良瀬川改修工事竝びに舊谷中村遊水池干拓工事施行に關する請願でありますが、これは當委員會におきましても、今度の水害の御視察をいただきましたので、十分御觀察をお願いできたと思うのでありまするが、巴波川は栃木市の北方から源を發しまして、南下いたしまして、足尾、足利方面から流れ來たります流良瀬川と合流し、これがまた利根川とかの栗橋附近において合流しまして南下しておるのでありますが、今度の水害で明らかに立證せられましたことくに、この巴波川及び渡良瀬川兩川は、三十年來改修がなされておりませんために、河床が非常に上りまして、むしろ土手そとの耕地よりも河底の方が高くなつておるというような状態であります。さらにこの舊谷中村と申しますのは、ちようど巴波川と渡良瀬川の合流するところにありまして、東京都を利根川の洪水から救濟いたすために、遊水池として谷中村二村が廢止せられまして、他に農民は移住させられて、この三千町歩、その周圍を合わせますと六千町歩というこの谷中村が遊水池にいたされておつたのであります。ところがこの遊水池もだんだんと埋まりまして、水底が高くなりまして、そうしてこのまま放置いたしますれば巴波川、渡良瀬川及び谷中村遊水池というものは川底が非常に高くなつて、土砂が堆積しておりまして、もし萬一洪水があつた場合にはどういう被害が今度は來るだらうかと、非常に危檢視されておりました。そのためにここに請願もなされたのでありまして、關係の町村から請願が早く出ておりまして、一日も早く巴波川、渡良瀬川を改修いたし、遊水池の方はむしろ干拓いたしまして、これを耕地にして、そうして巴波川、渡良瀬川の川底を改修いたし、速やかに利根川の方に注ぐようにしていただきたいという請願が出ておりました。ところがこれが間に合いませんで、今後の颱風となつて大洪水が招來いたしたわけであります。はたせるかなその被害は實に甚大でありまして、死者、倒壞家屋、その他農作物に對します被害などは、すでに御實見になつたことくであるのであります。この意味におきまして、この問題はすでに實驗濟みで立證されたのであります。巴波川、渡良瀬川の改修は緊急の必要である、早く改修されなければならないということはすでに證明されました、また谷中村を遊水池にいたしておくということも、かえつてこれはその地方に對しまして水が出たような場合には溢水せしめ、土手を水が越して遂に堤防は破れるというような危險性も非常に多くなつたのであります。これはむしろ六千町歩という耕地をそこに救い上げて、そうして食糧増産の方にまわし、巴波川、渡良瀬川の改修を完全にし、さらに利根川につきましては、早くから計畫されておりまするように、別に放水路を設けて、速やかに水を海に注がしめるというような根本的な治水策をおとりくださつて、この遊水池は耕地として干拓ができますようにしていただきたいというのがこの請願の趣旨でございます。 次に文書表第一九七號でありますが、これは海外引揚者に石材山を拂い下げてもいらたいという請願であります。場所は栃木縣下都賀郡小野寺村大字新里というところでありまして、面積は六段六畝十歩であります。現在内務省の所有に屬しております。水成岩をもつてできておる山でありまして、これはこの石材を採掘いたすことが目的であります。もとこれは栃木縣都賀郡岩舟村の高橋善之亟という人の所有であります。これが大正四年の十二月に内務省に買收されまして、その後は内務省の所有になつておるようであります。このたび海外から引揚げましたこの所有者の善之亟の息子の高橋末吉、これが滿州から引揚げましたが、職がなくて困つておるような状態であります。さらにそのほかに同じく岩舟村に引揚げておりまする他の二十二名、この高橋末吉を入れまして二十三名の者が共同して組合をつくり、引揚げたがしかし職も何もない、非常に生活に困つております状態なので、内務省におきましては、その後廢山同樣全然掘も何もいたしておりませんので、これをその引揚者の團體に拂下げていただいて、そうして一はもつて自分たちの生活の資に供し、一はもつてこの掘り出しました石によつて、今後の建築あるいはこのたびの水害などに必要なるところの資材を供給いたして、兩兩相立ちまするようにいたしたい、こういう請願でございます。 それからその次の第一九九號でありますが、これは思川の架橋工費に國庫補助を願いたいという請願であります。これは栃本縣の南部の生井村、野木村というような水害地におきまする架橋であります。この請願に出ておりまする場所は、生井村と野木村をつなぎまする橋であります。從來つくらるべくしてこの兩村におきます架橋はなかなか實現されなかつたのであります。それは架橋すべき場所も川原になつておりまして、なかなか困難な状況もありますが、國家から一向關心が拂われておらなかつたというところに今日まで遲れておつた原因があると思います。實際現地を視察していたできますればよくわかりますが、現在は流れてしまつておりますが、この水害の前にはごくそまつな舟橋がかかつておりまして、そうして橋錢をとりましてわずかに人畜が渡るに過ぎなかつたのであります。トラック、自動車その他一切渡ることができないのであります。從いまして物を運びますのに、もう指させばすぐ向うの對岸へ行けるというような近いところにありながら、二里半ないし三里ありますところを、迂囘してもつていかなければならないというような非常な不便を忍んでまいつた次第であります。このたび水害につきましても、ここにもし橋があつたならば、物を運びますのにも非常に便利であると痛感いたすのであります。ところがこの工事がなかなか困難でありますので、縣といたしましても十分なる架橋をすることができません。現にこの川とは別な場所でありますが、巴波川にかけました橋は、この八月に完成いたしまして竣工式をやつたのでありますが、やはりこの水害でたちまち流れてしまつたのであります。少くともピアーはコンクリートにいたしまして、堅牢なものにいたさなければならないのであります。それにはどうしても五百萬圓見當の豫算はかかります。しかるに縣といたしましては、なにせ川の多い縣でありまして、いろいろ費用も他にもかけております。ぜひとも必要なるこの架橋が、豫算の關係でできないような状態でありますので、何とぞこの點につきましては國庫の補助を仰ぎ、國庫より補助金を交付せられて、この架橋を一日も早く完成いたしたいという縣民の要望でありまして、ここに請願をいたした次第であります。 以上四件、何とぞ以上の説明によりまして、なお今度の水害について皆樣の御視察によりまして、その必要は痛感いたされていることと存じます。御採擇あらんことをお願いする次第でございます。
○荒木委員長 これに對する政府側の意見を求めます。
○三島説明員 栃木縣下の五行川及び野元川におきましては、先ほど御説の通りでありまして、しばしばその沿岸の美田に損害を與えております。これは昭和二十一年度から内務省直轄の小貝川上流改修工事の施行區域の中に包含いたしております。豫算の許します範圍内におきまして、でき得る限り近い機會に、小貝川本川の改修工事ともよくにらみ合わせまして、この支川の改修工事にも著手いたしたいと思つております。 それから巴波川、渡良瀬川の改修竝びに谷中遊水池の耕地化についてのお話がありましたが、これは谷中の遊水池に多少工事を施しまして、あの遊水池を調節池にいたしまして、一層洪水調節能力を高めるとともに、またその調節池内の耕地化をはかつて、昭和二十一年以來工事に著手いたしておつたのでありますが、これがいまだ完成しないうちに今囘の水害に逢著いたしましたことを非常に残念に思つております。今囘の水害によりまして、その谷中遊水池の外まわりをなしておりますところの渡良瀬川及び巴波川は、數箇所におきまして堤防が決壤いたしまして、非常な慘害を及ぼしておるのでありますが、今後におきましてはこの渡良瀬、巴波川の復舊、さらにまた改修につきまして極力努力いたしたいと思つております。なおまた谷中の遊水池につきましては、その洪水調節機能を失わない限りにおきまして、これを耕作地に利用しようというのが調節池の設置の目的であります。十分御期待に副うように工事を取り運びたいと存じております。 次に栃木縣内の岩舟村に内務省が所有いたしておりますところの、石材山を拂い下げてもらいたいというお話でありますが、これにつきましては内務省が直接石材山をもつておりますことは今直ちにこれを採掘いたしませんでも、これをもつていることによりまして石材の入手に非常に有利な立場に立つこともあるのでありまして、今現に石材を切り出しておらないからと申しまして、直ちにこれを拂い下げてよろしいかどうかということにつきましては、もうしばらく研究させていただきたいと存ずるのであります。しかしながら先ほどお話の通りの、非常な個人的なお氣の毒な事情もあるようでありますから、よくまた關東土木出張所を通じまして現地の實情を調べました上で、でき得るならば御期待に副いたいと思いますが、今直ちには御期待に副い得ないのじやないかと思つております。よろしくどうぞ……。
○金子説明員 思川の橋のことについてお答え申し上げます。先ほどお話がありました通りに橋をかけなければならぬという必要は、これは十分よくわかつておりますが、ただ栃木縣下の全體にわたりまして、まだまだ橋梁に手を入れなければならぬところがたくさんある現状でありまして、その點から考えますと、縣下のうちで特に緩急順序も考えなければなりませんし、豫算、資材その他いろいろ考え合わせなければなりませんからして、その邊のところを十分檢討して御期待に副いたいと思います。
○山口好一君 先ほどの巴波川、渡良瀬川及び谷中村遊水池の問題ですが、内務省でずつとやつておりますあの圍繞堤ですが、これは今度の水害でかなり批判を受けておりますが、この圍繞堤は今後とも續けていかれる御方針でしようか、お伺いいたします。
○三島説明員 谷中の遊水地に昭和二十一年以來内務省が著工いたしております圍繞堤につきましては、地元にかなり批判され、誤解を受けている點があるようでありますので、この際申し上げますが、あの圍繞堤と申しますのは、從前谷中の輪中と申しまして、御承知の通り堤防が築いてありまして、その中にちやんと村落があつたのでありますが、どういたしましても渡良瀬川及び鬼怒川の洪水調節をいたしますためには、その附近一帶を遊水池にする必要があるというので、その輪中内の民有地をすべて内務省が買收いたしまして、輪中堤防を切斷いたしましてその中一帶を遊水池にいたしたわけであります。しかしながら單なる遊水池でありますよりは、さらに效果的に洪水調節をする方法があるのであります。それは實は調節池と私ども呼んでおります。單なる遊水池にいたしますと、水が出ますと、いきなりその水がその遊水池に中に溜つてしまうのでありますが、洪水時におきましては、むしろ初めの水はその遊水池に貯溜することなくして、早く川を流下いたしまして海に注いでもらうのが一番よろしいのであります。そうしてほんとに洪水が高くなつてきました、いわば危機一髪と申しますか、最も危險時の水だけを貯溜する池がありますならば、これが一番效果的に洪水調節をする方法であります。從いまして内務省で考えました調節池と申しますのは、その谷中の輪中堤をむかし通りにまた築堤いたしまして、但しその中で一箇所だけを溢流堤といたしまして、少し低い堤防に築いておくのであります。從いまして洪水が出ましても、さほどまだ危險でないときの洪水は、その調節池の中にはいらずに、いきなり川を流れ下るのでありますが、その中で洪水位以上に高くなりましたときに、その調節池の中にその溢流堤を越えまして水が貯溜されるという關係に相なるのであります。これが洪水の最も高いときの水だけをその場所に移しますので、一番危險時の水を調節することができるということに相なるのであります。普通の遊水池よりは遙かに效果的に洪水調節をしようということが主目的であります。さらにこの調節には副目的があるのでありまして、それはその調節池は食糧増産のために利用できる、つまり耕地化することができるという點であります。單なる遊水池でありますと、全然堤防がない普通の低い沼地でありますので、小洪水が出ましても、そこですぐ水たまりになるのであります。すなわち毎年その遊水池は水たまりになりますので全然耕作はできないことに相なるのであります。しかしながら先ほど申しました調節池にいたしまして一應堤防は築いている、その間に一部分だけを低い堤防にしておくということになりますれば、三年に一囘でありますか、五年に一囘でありますか、相當程度の洪水が起りましたときに、その溢流堤を越しまして、その調節池の中に水がたたえられるということに相なりますので、耕作の方面から申しますと、三年に一囘ないし五年に一囘程度水害を受けるけれども、それ以外の年は、まず耕作いたしまして、收穫を收めることができるということに相なるのであります。さような意味で調節池の計畫は、一方において洪水調節機能を高め、他方において食糧増産にも寄與することができるという點をねらつておつたのであります。その工事が二十一年から始めましてまだ完成しないうちに、今度の大洪水に見舞われましたので、その附近におきまして、かえつて堤防を築いたために災害を招いたのではないかというように、誤解を受けている向きが多分にあるようであります。從つて適當な折に私ども係官を現地に派遣いたしまして、よくその附近の方々に御納得が行くように御説明をしまして、今後の御協力をいただきたいと思つておる次第であります。なおこの工事を直ちに繼續する意思があるかどうかというお説でありましたが、これにつきましては、現在その調節池の圍繞堤のさらに外まわりをなしますところの巴波川、また渡良瀬川の堤防が數箇所において破壞いたしております。現在の工事施行の緩急順序から申しますと、むしろこの渡良瀬川、巴波川の堤防を復舊すること、これがどうしても先に手を著けるべき筋合であろうと存じております。從いまして來年あたりの工事は、この巴波川、渡良瀬川の方を先に著手して、これが十二分に完成した後に調節池の方に取りかかりたいと思つております。
○荒木委員長 先ほどの圖司安正君の紹介案件に對する運輸省港灣當局からの意見の聽取は次の機會に讓りたいと思いますので、御了承をいただきます。 次の委員會の日時は公報をもつて御通知申し上げます。本日はこれをもつて散會いたします。 午後一時十分散會