国土計画委員会 第10号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/08/26
会議録
○荒木委員長 これより会會いたします。 本日は日程に載せました請願について審査いたす豫定であります。紹介議員の出席の順序に從つてまず日程第二、岡の内、別府間道路開鑿の請願、黒岩重治君の紹介、請願文章表番號一五九號、紹介議員の説明を求めます。黒岩重治君。
○黒岩重治君 岡の内、別府間道路開の請願につきまして説明を申し上げます。高知縣香美郡植山村岡の内、別府という部落間の道路開鑿でございますが、本村は省線土佐山田駅から約三十キロの物部川上流に位置をしております。東西約四十キロの大きな山村でありまして、未だ開鑿の十分できていない地帯でございます。四國全體の位置から申しますと、劒山の南麓の斜面にわたる地域でありまして、なおこの村に隣接しております地域は、高知縣の安芸郡畑山村、安芸郡東川村と西山村に境をしておりますし、一方は徳島縣の海部郡に接しておるわけであります。現在土佐山田駅からこの村役場のがざいます大栃という所まで約三十キロは、省営バスが通じておるわけでございます。そこから十二キロの間に、岡の内という所えは元の郡道でありまして、現在縣道になつております道路が十二キロ通じております。それから縣境方面えの、この別府というところえ至ります距離が約三十キロ、この三十キロの両岸は主として民有になつておりますところの森林地帯でありまして、さらにその奥地にまいりますと國有林になつております。そしてその國有林につきましては、トロで運ぶところの狭い軌道がついておりまして、國有林関係の物資はそれで運搬をしておりますが、これは民間の利用にはなんら貢献をしていないわけであります。この地域が開発せられますならば、どれだけの生産物があがるかということにつきまして概略を申し上げます。 本村の山林地域に加えますのに畑山村、東川村の地域の山林地帯を加えますと、およそ三萬町歩にわたるところの山林地帯でございます。そして現在は樞要な場所は水源を涵養いたしますための保安林に指定されているわけでありまして、これは五十年程度の輸伐によつて伐採をしております。ところが運賃が非常にかさみますので、この頃森林の手入というものが怠り勝になつておりまして、伐りました跡がそのまま放置されているという實情で、物部川の上流の水源は荒らされつつある現状であります。この三箇村にわたりますところの約三萬町歩の森林が、運搬の便がはかられましたときには、高度に利用されるという結果になりまして、木材生産は書期的な増産をみる結果になると思います。村内だけでも年年十萬石以上の生産をあげると請願書は記しております。なおこの森林を伐採いたしました跡地は、和紙の製紙原料にいたしますところのみつまたの栽培を行うのに好適の土質であります。そのみつまたは切りましたところの伐採跡地へすぎ、ひのきの植林をいたしまして、それと同時にみつまたの苗を植えるわけでありまして、この植えましたところのすぎ、ひのきが生長するこの時期は、三年に一度切取りができるわけであります。從つておよそ六箇年二囘りの切取りができるという勘定になりまして、三萬町歩を五十年間の輸伐にするといたしますと、年々六百町歩だけのものがこのみつまたの植付ができるわけであります。土佐は御承知のとうり和紙の主産地でございますが、現在その原料を仰いでおりますところは、比較的交通の便の開けました仁淀川の上流地域が主でありまして、吉野川の上流地域がその次であります。その他の地域はほとんど言うべき生産をあげておりませんが、この地域が交通運輸に惠まれましたあかつきには、仁淀川の上流に遜色のないだけの製紙原料のの生産ができるわけであります。そうして村内においてこれを製紙をいたしました場合は、年々五千貫以上の和紙の生産ができるであろうと推定をせられるのであります。そのほか資源として最も重視せなければならぬものは石灰の製造であります。物部川の斷層に沿いまして無盡蔵の石灰岩の層がございます。現在高知縣では長岡郡稲生村と高岡郡の佐川、斗賀野、吾桑にかけた石灰岩、この二つの地域がおもに石灰の生産地になつておりますが、もしこの物部川上流が交通運輸に惠まれましたときに、石灰の生産を積極的に手をつけましたなれば、現在の高知縣石灰生産量の優に二倍以上の生産があるという見込みがたつわけであります。そのほか木炭とか、竹材とかいうような生産物が相當にあるわけでございまするがこれは單にただ山林の開發のみの問題ではなくて、劒山の南麓一帯にかけるところの四國山脈中の未開拓の山林の資源を開發する結果になるのでありまして、さらに徳島縣の那賀川の上流へ連絡をしておりますので、将來この大栃から徳島縣の那賀川に沿うて下るところの交通路が開けますときは、兩線の山林開發というものは實に劃期的な増産をみるに至るまであろうと存じます。こういう埋もれておるところの資源を開發しなければならぬということにめざめました植山村長、山中貞治君、その他村の有志の者たちは、ぜひともこの際に省榮バスの通ることのできるだの道路を開發いたしまして、そうしてこの資源を開發したいという熱意をもつておるわけであります。将來省榮バスを通していただけるという國の意圖がはつきりいたしました場合には、この道路の開鑿は村民の協力によりまして、全部の費用を村が負擔をして開發する。そうしてその開發ができました後におきまして、省榮バスを通していただくことを國家の方で御配慮を願いたいという請願の趣旨であります。從つて國庫の負擔といたしましたならば、新たに設けますところのトラツクとかバスというものの費用を出していただけばよいと思いますので、せいぜい五百萬圓もの費用を負擔していただきましたならば、この無盡蔵とも言うべき山林の開發を村民は喜んでするであらうと存じます。以上の趣旨をもちまして請願書を提出してまいりましたものでございますから、何とぞこの點につきまして慎重に御審議をいただきまして、請願書の希望の達成のできますように御配慮願いたいと存じます。
○荒木委員長 これに對する政府の意見を求めます。
○金子説明員 御説明申し上げます。ただいまお話のございましたような開發道路につきましては、これは今年度の道路整備の計量におきまして、その改良には特に重點をおいてやつております。公共事業費の中で三億八千萬圓余の補修工事が認められて、現在仕事が續けられておる状態であります。そこでただいまお話のありました路線は地方の開發上、また文化向上のめんからみましても、非常に効果的な道路であるということは十分に認められるのでありますが、今年度はただいま申し上げましたように、すでに豫算が確定しておりまして、仕事も進んでおりますので、ただいますぐにこれを著手するということは困難でございます。從いまして御希望の路線の改良につきましては來年度の豫算編成のときに十分に考慮して實現に努力したいと考えます。
○荒木委員長 本件につきまして御質疑、御意見等はございませんか。
○黒岩重治君 重ねて申し上げます。ただいまの御答辯によりまして、望みを來年度にもてるということははつきり了承いたしましたが、請願者の、希望いたしますことは、この道路開鑿についての勞力竝びに費用は植山村において負擔してやろうというほどの熱意をもつておるわけであります。それで來年度以降において道路が開鑿後において、これを省榮バスの線路にお考えくださるということが明確になりました場合には、喜んで自發的に開鑿の仕事を始めるだろうと思いますが、しかしながらその點につきまして、十分それぞれの要路の方々とお話合いをお願いいたしたいと思います。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第一一、黒瀬川及び中川改修工事施行の請願、大原博夫君外一名紹介、文書表番號第二一一號、日程第一二、賀茂川改修工事施行の請願、大原博夫君外一名紹介、文書表番號第二一二號、日程第一三、同、大原博夫君外一名紹介、文書表番號第二一三號、日程第一四、黒瀬川及び中川改修工事施行の請願、大原博夫君外一名紹介、文書表番號第二一四號、日程第一五、賀茂川改修工事施行の請願、大原博夫君外一名紹介、文書表番號第二一五號、日程第一六、同、大原博夫君外一名紹介、文書表番號第二一六號、日程第一七、高野川、三津大川及び郷川改修工事施行の請願、大原博夫君外一名紹介、文書表番號第二一七號、日程第一八、賀茂川改修工事施行の請願、大原博夫君外一名紹介、文書表番號第二一八號、日程第一九、同、大原博夫君外一名紹介、文書表番號第二一九號、日程第二〇、長谷川砂防工事施行の請願、大原博夫君外一名紹介、文書表番號第二二〇號、日程第二二、イラスケ川上流砂防工事施行の請願、大原博夫君外一名紹介、文書表第二二六號。以上を一括いたしまして上程いたします。紹介議員の説明を求めます。大原博夫君。
○大原博夫君 御多忙のところ多数の請願書を紹介して恐縮に存じますが、この請願書は十一件で、これを大別いたしますと、賀茂川に關するものが六件、郷川に關するものが、二件、黒瀬川及び中川に關するもの一件、高野川三津大川に關するもの一件、長谷川に關するもの一件、イラスケ川に關するもの一件であります。これはいずれも一地方のものでありまして、その地形も事情も、また請願の趣旨もほとんど同一でありますので、一括して申し上げて御協議いただきたいと思います。一村一川というような小さい川もあるのでありまして、これが河川の改修や水害防除施設等を請願しておるのをふしぎに思われると思いますが、被害はきわめて甚大なのであります。これは廣島縣の特性といつても差支えないものであります。たとえば一昨年の八月に九州、四國、中國地方に未曾有の大風水害を起こしたものでありますが、この全體の被害率の約四割を廣島縣が占めておるのであります。その當時補助に値するようなものだけでも、これは高知も一緒になるのでありますが、四億八千萬であります。當時勞賃が一日わずかに五圓のときに四億八千萬圓という大きな水害を起したのであります。なぜそのような水害を起したのかと申しますと、これは中國地方を旅行せられた方は認めておられることと思いますが、廣島縣にはいりますと、至るところ、ほとんど溝ともいえるような小さなところが、非常に土砂が軟くなつて崩れておるのであります。殊に山陽線で一箇月以上不通になつたところは、わずかに二尺、三尺の小さい溝があつた所が一箇月以上も汽車が不通になつたという大きな原因をなしておるのであります。これは大體山の濫伐といいますか、その濫伐も他の地方とは相當程度が違つておりまして、廣島縣は木造船におきましても、全國の約八割を廣島縣下でやつておりますので、從つて大きな材木はほとんど伐り倒してしまつた。また支那や朝鮮等も近い。また廣島は軍都であつたというような關係からいたしまして、特別たくさんな山を伐り倒した、それにも原因しておるのでありますが、これらの地方はほとんど全部非常な急峻な山でありまして、それが從來禿げたところが多くて、これを砂防工事等によつてようやく止めておつたのであります。そこへ、一昨年の特徴といたしましては、四十五日ばかりの旱天が續きまして、土地に粘りも何もない状況であつ、たのであります。それがそのあとに、わずか二日間で平素の平均量の倍量の雨量がありましたので、乾き切つた土砂をすべて流してしまいました。そして自然に谷間に池をつくつた。その池のようになつたのがまた押し流されてくるというのがその當時の状態であつたのであります。それが昨年の八月十七日、十八日でありましたが、一箇月經つてまた九月の十七日には大水害を起しまして、またその後本年の六月二十七日にも、ようやく復讐しかけたもの、あるいは假工事を行つておつたようなものが、またこれがために水害を起しまして、本年も一億数千萬圓の損害を起したというような状態でありますが、これが、廣島縣のうちでも、ただいま請願をしておりますところの地方は特別に重大な影響をこうむつておるというのがただいまの現状であります。廣島縣は一二年經ちますれば大水害を起してまいるのでありますが、こういう状態でありまして、二十年以降におきましては河川の工事ができたといつても、ほんの假工事が一部できておるだけであります。またこの源をなすところの水害地の砂防工事などもできておらぬのであります。こういうふうな状態では、わずかな水が出ましても、さらにそのために大きな被害をこうむるというので、戰々兢々としておるような状態であります。これではならぬというので、ここにできております應急修理ばかりでなく、とにかく根本的な大改修をしてもらおうというのが請願の趣旨であります。まことに小さい一村一川というような川でありますけれども、雨が降ればただちにそれが急峻な山を下つて、急速に土砂を押流してくるというようなかつこうであるのであります。從つてこれがために、この一帯の地は比較的豐沃な地であり、またあるいは賀茂川に属しておりまする土地には竹原町、あるいは黒瀬川でありますならば西條町というように、その地方の中心地も含まれておるのでありますから、こうした不安を除去するためにも、あるいは食糧増産のためにも、わずかの開墾等を行いますよりは、速やかにこれが復讐をはかることが、食糧増産のためにも、國家的に見ましても必要であると思いますが、また一方産業の振興等のためにも根本的な改修をしてもらいたい、こういう請願であります。もちろんこの河川は、たとえ一村において一川といたしましても、これを地元で根本的な改修をすることはもちろん困難であります。なお賀茂川あるいは黒瀬川のごときは相當の長さをもつておりますので、自分一村においてこれを改修することはもちろん、またその水源の砂防工事等もできないのでありますから、こういう村々が寄りまして、この場合に國家が國費をもつて改修をしていただきたい。こういう請願であります。多數あるのでありますけれども、いずれも比較的小さい川でありまして、もつとも賀茂川のごときは中小河川の改修に加えられたというので大變喜んでおつたようでありますが、さらに最近聞きますと、これから除外されたとも聞き及んでおるのであります。經費多端のときでありますけれども、これらの川は比較的經費が少くて済むのじやないか。そうしていわゆるそれの影響は、地方民といたしましては決して見逃しがたい情勢下にあるのであります。以上のような理由でありますので、何とぞ慎重御審議の上、こうした比較的小さい、しかもこれらの地方の死活に關する問題でありますので、お取り上げをいただきまして、適當に御可決をお願い申しあげます。
○荒木委員長 これに對する政府の意見を求めます。
○三島説明員 廣島縣におきまする郷川、黒瀬川、中川、賀茂川、高野川、三津大川などの現況につきましては、ただいま御説明がありました通り昭和二十年以來たび厖大災害に襲われまして、非常にお困りになつておりますることは私どももよく承知しております。これに對しましてはそれぞれ災害復讐の手段は講じておりまするけれども、御説の通り、單なる消極的なる災害復讐工事だけではとうてい十分でありませんので、現に中川の中流部におきましては縣に補助金を差上げまして中小河川の改良工事をやつておりますし、賀茂川につきましては災害防除工事をやつておるのでありまするけれども、これとても豫算に制約せられまして決して、地元關係各位の御満足をいただく程度の仕事ができておらないこともよく承知いたしております。つきましては來年度あたりからは、でき得る限りのこれに對しまする豫算を増額いたしまして、極力短期間に地元の御希望に副い得るように努力いたしたいと思いまするし、なおまたこれは河川の改良工事のみでは十分でありませんので、砂防の關係とも十分連繋をとりまして、でき得る限り御期待に副うように努力いたしたいと思つております。
○大石説明員 ただいまのお話に對しまして砂防工事についてのお答えをいたいます。イラスケ川と長谷川はともに黒瀬川の支流でございまして、イラスケ川の方は今後二百二十餘萬圓、長谷川の方は四百三十三萬圓ほどの工費を必要とします。それに對しまして昭和二十一年度、二十二年度と両年に併せて、イラスケ川の方がわずか二十八萬圓、長谷川の方が二十五萬圓の工費をもつて仕事をやつております。ただいまも説明にあたりました通り、廣島縣の南部におきます各河川は、昭和二十年九月以來のたびたびの水害でひどく山地及び水源が荒れまして、渓流が荒廢しておることはだれしも認めるところで、砂防が必要であるということはこれまた議論の餘地がありません。しかしかように現在の豫算が不幸にして少なく、思つたほどの幾分の一の工事もできないことは、われわれとしてまことに遺憾に存ずる次第でございます。今後砂防豫算の認められる限り、御希望に副うように工事を實施していきたい。こういう考えであります。
○荒木委員長 ただいまの説明及び答辯につきましては御質疑御意見等がございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり) —————————————
○荒木委員長 次は日程第五、馬見ヶ崎川上流砂防工事竝びに下流改修工事施行の請願、松浦東介君紹介、文書表番號第一七一號、紹介議員の説明を求めます。
○松浦(東)委員 馬見ヶ崎川上流砂防工事竝びに下流改修工事施行に關する請願につきまして簡單に御説明申し上げます。 砂防工事の重要なることにつきましては今さら言をまたないと思います。私どもは今囘の東北の大水害にあたりまして秋田、山形、岩手、宮城、その他の縣をまはつて大水害を調査するために、本委員會から派遣れまして、つぶさにその實情を見てまいつたのでありますが、應急の施策を樹立して國土の安全保障をはかり、住みよい日本をつくらなければならないことをしみじみ痛感したような次第でございます。しかるにこのもつとも大事な砂防工事、すなわち基本對策として大事な砂防費は、内務省の事務當局の説明によりますれば、わずかに年額九千七百餘萬圓、すなわち一億に足らざるような現状であります。われわれはこの點につきましては、從來の内務省の熱意の不足と大蔵省の認識の不足に對しまして、まつたくあきれざるを得ないような感をもつておるのであります。これはわが國土計畫委員會としましても、ただちに取上げなければならぬところの重要問題であると思います。山を治めないで下流の河の工事のみに汲々いたしますことは、これは水害といたちごつこになるのでありまして、ものにならないと思うのであります。當局の御説明によりますれば、全國の砂防工事を大體一應完了するにはどのくらいの費用が要るかと言いましたところが、大體三百億と言つておるのであります。十年間計畫としましても年々三十億、また五年ならば六十億、十五年に延ばしまして年額十五億が必要であろうと思うのであります。年一億では利子を拂うようなものであつて、ほとんど用をなさないと思うのであります。この馬見ヶ崎という川は、御承知かもしれませんが、山形縣と宮崎縣との縣境であるところの蔵王山に源を發しまして、山形市を流れて最上川の支流である須川に合流する河川でございます。この馬見ヶ崎の上流の葉ノ木澤一帯の地域は最近著しく荒廢に歸しておつたのであります。至る大正九年の洪水に際して大崩壊を來し、ために秋田營林局におきましては、これが砂防工事を繼續實施いたしておつたのでありますが、特に今年の春の雪解けの出水のために、さらに附近一帯の大崩壊を招來いたしまして、その面積七十餘町歩に及んでおります。なお流出する土砂轉石は、一度に下流地帯に堆積しまして、河床を隆起し、流水の快通を妨げておるため、一たび洪水となりましたならば、その被害は莫大なものとなるでありまして、山形市ほか關係七箇町村の住民は常に戰々兢々たる状態であります。専門家の説によれば、往年の神戸市と同様な被害をこうむるであろうということであります。この馬見ヶ崎の流域は山形しほか七箇村の廣大なる地域にわたつておるのであります。灌漑面積は約三千餘町歩、灌漑用水はもちろん、山形市の人口十萬を養うところの上水道の水源をなしておるのであり、またその地方一帯の井泉となしており、飲料水に供しておるのでありまして、實に重要な河川でございます。秋田營林局では、今年度においても砂防工事としまして葉ノ木澤上流に堰堤一箇所を實施しておるような状態でございまするが、こういう微温的な施設では完璧を期しがたいのであります。どうかひとつ本工事の計畫施行と下流部の河川改修は、山形縣の中央部の利水竝びに治水上喫緊事と考えますので、根本的の調査を行い、同時に伐本的な工事を實施されんことを要望するのであります。なお山形市竝びに七箇村は、最近期成同盟會をつくりまして、じもとにおいて協議する體制を完備しておるようなわけでございます。何とぞ御審議の上に御意見を承りたいのであります。
○荒木委員長 これに對する政府の意見を求めます。
○大石説明員 ただいまの馬見ヶ崎川の砂防工事竝びに河川改修工事に對する御要望に對してお答え申し上げます。馬見ヶ崎川の砂防工事につきましては、昭和二十年以降、正確な数字を申し上げますと、二十三萬六千八百十九圓の工事費をもつて砂防工事を實施いたしました。ただし戰時中あるいはその直後の豫算の削減、あるいは豫算の少ないために、一時工事を中斷しております。昨年十一月末の調査によりますと今後馬見ヶ崎川の水源、これに要する砂防工事費は約三千六百萬圓と計上しております。ただいまも説明のありましたように、馬見ヶ崎川の上流あるいはその下流につきましては、私どももよく承知いたしております。これにつきましてできるだけの努力はいたしたい。もちろんいたさねばなりませんが何分豫算が少ないために何とかして、その増額、こういつたものを得まして、その増額の許す限りすでに調査した計畫、これの完遂を期したいと思つております。砂防工事、河川工事につきましても、もちろん豫算の獲得できます限り御期待に副うように努力いたしたい考えでおります。
○荒木委員長 御質疑、御意見等はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり) —————————————
○荒木委員長 次は日程第六正法寺川砂防工事繼續施行の請願、松浦東介君紹介、文書表番號第一七四號、紹介議員の説明を求めます、松浦東介君。
○松浦(東)委員 山形縣東村山郡干布村正法寺川砂防工事の續行方につきまして簡單に御説明申し上げます。この川の氾濫は、土砂の流出がはなはだしくありまして、その被害が前から非常に大きいのに鑑みまして、山形縣といたしましては、大正年間に上流に模範的な砂防工事を施行しておつたのでありますが、その他いろいろな原因がありまして、その完成にいたらないうちに中止したのでありますが、非常に災害が多いので、昭和二十年、同二十一年の両年にわたりまして堰堤を造築して、下荻野戸部落に氾濫するのを一まず防止することを得たのでありますが、その下流の河幅が非常に狭くなつておるのでありまして、また河床が高く、一朝水に遭いますとこの村の美田がほとんど河原となる危險な状態にあるのであります。今や食糧の危機に直面しまして、美田と言いますか、熟田と言いますか、この荒廢は地方問題ではないと思うのであります。そういうような事情を御了察たまわりまして、御審議の上に御可決を賜わりたいのであります。
○荒木委員長 これに對する政府の意見を求めます。
○大石説明員 ただいまの正法寺川の請願に對しましてお答えもうしあげます。正法寺川はただいまも御説明の通り、昔から砂防工事をやつておる川でありまして、大正十一年から大正十四年にかけまして工費七萬七千圓、それ以降中斷しまして昭和二十年度、昭和二十一年度におきまして両年合せて十六萬二千圓をもつて砂防工事をやつております。しかしただいまも御説明の通り、この川はとうていこれだけの砂防工事をもつて収まるものではなく、昨年十一月末の調査によりますと、今後なお百十萬圓の工事費を必要とします。これにつきましては今後できるだけ豫算を多く獲得しまして、御希望に副うよう明年度からでもとりかかりたいと思つております。
○荒木委員長 御質疑、御意見ございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり) —————————————
○荒木委員長 次は日程第二一最上川上流改修工事繼續施行促進の請願、松浦東介君紹介文書表番號第二二五號、紹介議員の説明を求めます、松浦東介君
○松浦(東)委員 最上川は申し上げるまでもなく山形縣を貫流する昔から日本三急流の一つと呼ばれるところの有名な荒れ川でございます。縣の南の方から北の方に流れ、およそ六十里、大小の河川を合せまして酒田港より日本海に入るのであります。縣の北部、すなわち秋田縣に隣接する下流の方は、今囘の大水害に遭いまして目もあてられぬ惨状を呈しました。これはすでに大災害に遭つたのでありますから、復讐は當然のことと存じます。問題はむしろ上流であろうと思います。上流もまさに破壊直前にあるのでありまして、先日本委員會から東北に委員が派遣になりました際、私自身もその中におつたのでありますが、山形、秋田班の委員各位には、實地をつぶさに御調査を願つたのであります。破壊直前の今これに早急な手を打つていただきたいというのが本請願の本旨でございます。内務省事務當局の説明によりますれば河川の災害防除費というもつとも大事な費用は年額六千萬圓にすぎないと聞きましたが、年額六千萬圓を全國にばらまいても、これは雀の涙ほどでありまして、一縣平均約百餘萬圓にすぎないと思います。私どもは最小限度六千萬圓の十倍、六億圓を計上して、災害の前の防災工事を施すことが最も大事なことではないかと思うのであります。山形の中央部最上川右岸、東村山郡長崎町、明治村、寺津村、蔵増村竝びに最上川左岸西村山郡寒河江町西根村の築提竝びに應急工事をお急ぎ願いたいのであります。それによつて村来と呼ばれる米の産地、山形縣内の米産地帯穀倉を水害より防いでいただきたいのであります。昨月八月二十五日には先ほど申し上げた寒河江、長崎、蔵増寺津、明治、西根の二町四箇村長初の代表十名が上京しまして本委員會の委員長竝びに内務省の國土局長に直接陳情して、その苦衷を訴えたのであります。しかも東北地方は御承知のように寒凍地帯でありまして、十一月になれば雪が降りますので、今の時期を見逃せないというので、目下右の二町四箇村におきましては、おのおの河川改修の同盟會をつくりまして、醵金をして自發的に土を盛り耕地を守りたい。國土保全のため、水害より免れたいというので、懸命に努力を續けておるような状況でございます。どうかこの地方民の熱意と、淳朴な農民、地方民を失望せしめないように、お力を貸していただきたいというのがこの請願の本旨でございます。何とぞ御審議の上御可決を賜わりたいのであります。
○荒木委員長 これに對する政府の意見を求めます。
○三島説明員 ただいまお話にあがりましたように、最上上流については、本年度におきましては二百萬圓の改修費をもつて改修工事を進めておるのでありますが、まつたくのお話の通り、最近の物價高や何かに禍いせられまして、わずか二百萬圓の改修費をもちましては、いかはどの工事の進捗もみないのであります。まことに私どもも申しわけない次第に思つておりますが、豫算が非常に限られておりまして、その限られた豫算の範囲内で、やはり公共の利害に關係のある最上川を初めといたしまして、全國で八十数本の河川をやつておりますので、各河川一本一本につきますれば、まことにわずかばかりの改修費になりまして、完成までに非常に年数を要しますることは、まことに残念に思つております。しかしかのような状況では、御説の通り技術的に見ましても、また経済的に見ましても、非常に不経済なやり方でありますので、もちろん國庫財政の状況ともにらみ合わせなければならんのでありますが明年度以降においては、でき得る限り一河川あたりの實施工事費を増額いたしまして、極力短期間に工事を完成いたしまして、關係各位の御期待に副えるように努力いたしたい気持でおりますので、さよう御了承願いたいと思います。
○荒木委員長 御質疑御意見等はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○荒木委員長 次は日程第二四常願寺川改修工事速成の請願、佐伯宗義君ほか四名紹介、文書表番號第二三四號、日程第二五同、佐伯宗義君ほか四名紹介文書表番號第二三五號、この二件を一括上程いたします。紹介議員の説明を求めます。佐伯宗義君。
○佐伯宗義君 本川は冨山縣の中部を貫流いたしておるのでございまして、中部山脈立山連峰に源を發しており、富山の平野を潤しまして、日本海に注いでおります。上流には現在十萬五千キロの發電力をもつておるのでございますが、何しろ非常に水害の川として有名なのでございます。ちようど安政五年の大地震に際しまして、水源地に鳶山という山がございまするが、これが崩壊いたしましたがために、二十八日間湛水は崩土を決壊いたしまして、富山市を初め沿岸百四十部落に氾濫し、家屋約二千五百戸を流失し、約百四十名の人命を奪う大水害を起しまして以來というものは、土石が現在のところ約数百萬立方メートルに達し、これが下流部に堆積して、河床が八メートルにも及ぶ高さを保つておるのであります。川が荒れますと美田も一朝にして水魔の蹂躪するところとなるような、非常に危險な川でございます。大正十五年本川治水の根本方策が定まりますると同時に、砂防工事がまず國の直轄工事して起工せられたのであります。しかしながら昭和五年以來災害頻發いたしまして、沿岸民がいつも脅威を受けておるのでございます。そこで昭和十一年度から十四箇年繼續事業をもつて沿岸民の渇仰しておりました國の直轄改修工事が起工されたのであります。ところが間もなく支那事變に遭遇いたしまするや、豫算が縮減されまして、その少額の工費も富山市周邊の重要軍需工場防護のために左岸の一局部に集中されるやうな次第でありますので、危險箇所の修復等はようやく彌縫的工事に終つたような次第でございます。起工以來十二箇年も經ておるのでありまするが本工事は遅々として進まないような状態でございます。仄聞するところによりますと、豫算の僅少のためにほとんど休工状態にあるのでありまして、沿岸民の期待を裏切つておるような次第であります。さような次第でありますので沿岸一帯の住民は安んじて生業についておることはできぬような次第でございますから、このたびこの事情を御洞察の上で改修工事の促進に御配慮を賜わりたく、ここに請願におよんだ次第でございます。 なお第二三五號の請願要旨は、ただいまお願い申し上げましたのはすでに直轄工事といたしまして、十四箇年計畫をもつて計畫せられました基本的工事の改修をお願いしたものでありまするが、實は本年も至る六月二十八日竝びに七月十日の出水ということのために、本川の左岸が非常に危險状態に陥つておるのでございます。從つてこの左岸の危險な状態に陥つておりまするよころを應急的な修理を施していただかなかつたならば、まさに洪水がありますならば一朝にして崩壊する運命に陥つておるようなのでございます。これがもし堤防が決壊いたしますれば少くとも一萬町歩の美田が一瞬にして荒野と變ずるのでございます。かような次第でございますので、どうか基本的改修工事に伴いまして、臨時的應急修理に對する請願をお願いした次第でございます。何とぞよろしく、御審議のほどをお願いいたします。
○荒木委員長 これに對する政府の意見を求めます。三島説明員。
○三島説明員 常願寺川につきましても、先ほど最上川につきましてお話申し上げましたと同様、相當程度の改修費を注ぎこんでおるのでございますけれども、何しろ最近の物價高からいたしますと、これまた遅々として工事の進捗を見ないことは、まことに申譯ない次第であります。先ほども申し上げました通り、來年度におきましては、かような状況でありましては、まことに國家的に見ましても不経済な工事の進め方でありますので、極力豫算を大幅に増額いたしまして、できる限り短期間に工事が促進せられまするように努力いたしたいと考えております。 なおまたお話がありました通り、從來この常願寺川改修につきましては、とかく左岸の富山市側の方が工事が進捗いたしておりまして、右岸が放擲されておつたというような點を指摘されたのでありますが、これはお話のありました通り、左岸側が當時といたしましては重要軍需工場がたくさんありました關係上、當時の状況といたしましては、この方面の工事に比較的力が注がれましたことも、これまたやむを得ない點かと思うのであります。今後は十分左岸、右岸を通じまして、公平に工事を取進めていきたいと思いまするし、それから併せてお話がありました、最近の水害に伴いまするところの應急的な復習工事につきましては、これまた目下その措置を講じておりますのでご了承願いたいと思います。
○荒木委員長 御質疑、意見等はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○荒木委員長 次は日程第一、瀬戸市を中心としする地域に砂防工事施行の請願、早稻田柳右エ門君紹介、文書表番號一五二號、紹介議員の説明を求めます。早稻田柳右エ門君。
○早稻田柳右エ門君 ただいま議題となりました瀬戸市附近砂防施設實施についての請願を御紹介いたしたいと存じます。 御承知のごとく愛知縣の瀬戸市を中心とする各村は、古來陶磁器の産地として名の高いところであります。徳川時代におきましては、陶磁器を生産するために附近の山から燃料をとつておつた關係で非常に山が荒れたというので、實暦年間に砂防施設を徳川氏の手によつてなされたことがあつたわけであります。そのために明治初年までは比較的水害等もありませんでしたが、明治初年に林政大いに亂れた結果盗伐、濫伐が行われまして、これらの山々はみな伐り拂われるというような結果になり、水害、災害が頻々として起つた歴史があるわけであります。この瀬戸市の周邊の山はすでに御承知のように三河、美濃、尾張等の連山に接しておつて、この山を伐採することは、やがて瀬戸川、矢田川、庄内川の氾濫となり、名古屋市を襲つて名古屋港を危胎に瀕させるというような非常な重大性をもつておるところであります。さような關係で明治三十三年から再び政府が豫算を投じて、これが砂防工事を實施しておつたのであります。ところが戰前豫算の關係でこの工事が中止をされるに至り、さらにまた戰争中はこれも林政が亂れた結果、濫伐、盗伐が行われて。明治初年のような惨状を呈するに至つたのであります。このままに放置いたしますれば、本年の出水においては大きな惨害をこうむると同時に憂うべき状態が起ると思うのであります。そこで瀬戸市長を初め附近の町村長が連署をいたしまして、この請願をしたのでありますが、この施設をしない場合はひとり瀬戸地方の惨害のみならず、先ほど申し上げましたように、名古屋市あるいは名古屋港にまで大きな影響を及ぼすものであり、さらにまた最近再開されました貿易の關係で、陶磁器産業は國ないにおいてすべての資源を賄い得る唯一の貿易産業として重視されておりますが、かような貿易産業、陶磁器産業が壊滅するようなおそれが眼前に迫つておるのであります。そこでお願いができますれば、政府においても實情御調査の上、ただちに豫算を計上してこれが對策、施策を施していただきたいというのがこの請願の趣旨であるわけであります。願わくは委員各位におかせられましても、實情を御賢察をいただきまして、本請願を御採擇賜わらんことをひとえにお願い申し上げる次第であります。
○荒木委員長 これに對する政府の御意見を求めます。大石説明員。
○大石説明員 御答辯もうしあげます。瀬戸市及び東春日井郡品野町、水野村、旭村、愛知郡幡山村、この一市四箇町村にまたがる區域における川、いわゆる愛知縣の心臓部を流れております庄内川の支流瀬戸川、矢田川、水野川の水源地域でございまして、ただいまお話の通り、愛知縣砂防の發生地であり、また中心地であります。しかもその戰時中の濫伐による状態はよく承知いたしております。これにつきまして明治三十三年度から昭和二十年度までに約百六十餘萬圓をもつて砂防工事を實施してまいりましたが、先ほどのお話の通り、戰時中の濫伐あるいはそれより起る荒廢、これらに對しましてはもちろん微々たるものでございまして、しかも現在の豫算が少ないために昭和二十一年度、二十二年度は中斷のやむなきに至つております。昨年十一月末の調査によりますと、この地域における今後ひつようとする砂防工事費は一億三千餘萬圓、こういう計上をいたしております。これはただいまもお話の通り、この地域はひいては名古屋市までも影響いたす重要な地域でありますから、できるだけ豫算を増額いたしまして、來年度からでも早速御希望に副うように工事にとりかかりたいと考えておる次第であります。
○荒木委員長 御質疑、御意見等はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶものあり〕 —————————————
○荒木委員長 次は日程第二六皿貝川改修工事促進の請願、文書表第二三六號紹介議員内海安吉君。紹介議員の説明を求めます。
○内海委員 皿貝川の改修の問題につきましては、本年の三月の委員會におきましてすでに満場一致をもつて御採擇をいただきましたものだります。この問題については、内務當局におきましても必要缺くべからざるものとしてお認めになりまして、でき得るならば昭和二十三年度の豫算にこれを計上して住民の期待に副いたいという御答辯をえておつた次第なのであります。この皿貝川を中心として年々歳々被害をこうむつておりました所は、宮城縣の飯野川町を始めといたしまして、橋浦村、十三濱村という一町二箇村は年々この皿貝川の氾濫によりまして、一千数百町歩にわたるわずかばかりの水田が全部壊滅の状態になつておつたのであります。どうしてもこの川の改修にまつよりほかないというので、本年三月町村長竝びに町村會議員その他の人々が連署をもつて、この陳情なりあるいは請願なりに及んだ次第であります。この氾濫によりまして年々無収穫状態に陥ります耕地は、ただいこ申しあげました通り一千数百町歩であつて、この損害を現實に調べてみますと、一萬石ないし二萬石という莫大なる損失をこうむつておるような次第であります。この皿貝川の本流は、申すまでもなく有名な北上川の支川に属するのでありまして、すでに内部御當局におきましても、この必要を認められておるのでありますから、できまするならばこの御公約もありましたるがごとく、昭和二十三年度において必ず水害豫防對策と同様ににこの工事に著手してもらいたいというのが請願の理由なのであります。どうぞ委員各位におかれましても、満場一致をもつて御採擇あらんことを願うと同時に政府當局におきましても、豫算の許される範囲において、急速にこの工事に著手せられんことを請願する次第でございます。何とぞ御採擇あらんことをお願い申し上げます。
○荒木委員長 これに對する政府の意見を求めます。三島説明員。
○三島説明員 宮城縣の皿貝川のことにつきましては、ただいまお話がありました通り、最近非常に川が荒れまして、川床は隆起いたしまするし、また連年の水害に悩んでおられまするので、先の議會におきましても申し上げました通り、政府におきましても、この川の改修工事の必要であることは十分認識いたしております。國庫財政の状況をにらみ合わせなければなりませんが、でき得る限り明年度あたりから改修工事に著手できますよに、極力努力いたしたい考えでおりまするので、さよう御承知を願います。
○荒木委員長 御質疑、意見等はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶものあり〕 —————————————
○荒木委員長 日程第二三、霞ヶ浦及び北浦の干拓事業即時中止等の請願、文書表第二三一號、紹介議員葉梨新五郎君。
○葉梨新五郎君 霞ヶ浦及び北浦の干拓事業即時中止等の請願の紹介議員として、要旨を簡單に申し上げまして委員各位の御賛同を願いたいと思う次第であります。霞ヶ浦及び北浦の干拓事業は、もちろん食糧増産見地からみまして當然これを大規模に推進する必要があるのでありますけれども、しかしながらその根本をなしますところの霞ヶ浦及び北浦におきまする治水工事が軌道に乗つておりません今日におきましては、干拓工事をすすめましても内水の被害もしくは霞ヶ浦、北浦に重大な關係をもつております利根水系の治水の根本對策が打開されておりません關係上、くだいて申しますれば利根川の出水によりまして霞ヶ浦、北浦はただちに遊水地帯となるような現状であります。遊水地帯になりますと干拓工事を施行いたしましても、その開拓工事は從來の例に鑑みましてもほとんど壊滅に歸するというような状態であります。高額の國費をかけましても、それが實の河原の石積みというようなことになるのであります。また近年の水害の状況に鑑みますと、霞ヶ浦、北浦それ自體のいわゆる内水の害というものは非常に大きくなつておるのであります。内水による洪水、内水による被害は霞ヶ浦、北浦沿岸における既設の干拓工事をほとんど壊滅状態に数囘に及んでしまつて、そのたびに國庫の補助を常に支出しておるようなことでありまして、利根川の水系からの被害、あるいは霞ヶ浦、北浦の内水による被害、この両方の被害を防止する對策が根本的に實施されずに、この内部の干拓だけをいたしましても、それでは何の役にも立たない。單に國費を使うに過ぎない。現に明治年間から實施しております干拓工事におきまして、一箇所霞ヶ浦があるのでございますが、これのごときは明治年間から實施しておりまして今日に至るまで完成をみておりません。完成をみかかつてくると水害があつて全部覆えるというようなことで、厖大なる國費の補助をもはやいたしておることと思うのでありまして、その他の干拓地におきましても、水害ごとみな破壊されるような状態でありまして、まことに心もとない状況におかれておるのであります。最近實施せられようとしております霞ヶ浦、北浦方面におきまする現に工事中の開拓事業のごときも、こういう意味からして地元民はそれに對して非常に危惧の念をもつておるばかりでなく、霞ヶ浦、北浦が大遊水地帯に常になつておる現況から鑑みまして、もしこれ以上なお干拓工事を進めますときには、ある程度の内水、すなわち干拓工事の堤防が切れない場合には、その地積に今まで遊水したものが他の地積に行くというようなことになつて被害をこうむることになる。被害を増すことになる。これはかりに五百町歩とか千町歩とか言いましても、七萬町歩からの面積からしますればそう大した大きなものではないと思うのですが、地元民としますれば神經をそこに使うようなことになるのであります。要はこの請願のほんとうの趣旨は、こういうものをやめてくれという聲が出て來たその基本はどこにあるかと申しますれば、霞ヶ浦、北浦の根本的の水位低下の工事を早く進めてもらいたいということであります。御承知の通り霞ヶ浦、北浦の水害は、内水よるとあるいは利根の決壊によるとを問わず、一旦水害をこうむりますと三箇月ないし四箇月間も滞水するのであります。つまり土用に水がありましても、明年春先頃には至りませんと水は完全に引かないというような實情であります。これは徳川幕府時代のいわゆる關東大治水計畫の犠牲とされた土地柄であります。根本的に前にさかのぼつてこれを直す以外にはないのであります。その根本對策を一日も早く進めてもらいたいというのが、この請願の内容でありますところの最も大きな目的であります。もちろん内務省におきましては、かつて利根治水大工事の案を立てられまして、國會の協賛を經まして實行が遅れておるというようなことなのであります。これらを復活して、是正すべきものは是正し、訂正すべき箇所は訂正して、速やかに關東における一番大きな治水問題となつておる利根水系の根本的治水對策を實施に移してもらいたい。そうすることによつて、五百町歩や千町歩のすこしばかりの干拓というようなことは、今すぐにやらなくても、治水工事の完成によつてそこに数萬町歩という耕地の自然増をなすのであります。この工事をやるかやらぬかによつてこれだけ大きな違いがある。現在農林省だけでやつておりまする干拓等をやりましても、それは治水工事が根本的に行われなければ、賽の河原の石積みを繰り返しておるに過ぎない。端的に申せばさような趣旨なのであります。國土計畫委員會におきましてはどうか内務省あるいは農林省というような割據的な工事でなく、一貫した國土計畫上より見たる順位によりまして、實施をしていただいたならば一番結構である。こういう意味がこの請願の趣旨なのであります。地元民としましても、もちろん干拓に反對するということでなく、干拓も結構であるが、干拓の効果をあげるための根本治水を、一刻も早く實施できる範圍から實施してもらいたい。そうして干拓の業務を進めてもらうようにしたい、こういうことになるのであります。どうぞ委員各位におかれましても、よく御了察の上御賛同た賜わらんことをお願いいたします。
○荒木委員長 これに對する政府の意見を求めます。
○三島説明員 霞ヶ浦につきましては干拓事業よりも治水事業の方が一歩先に著手されなければならないのが逆になりました關係上、地元におかれまして非常に不安に驅られておる點がよくわかるのであります。私ども、この霞ヶ浦附近一帯の内水處理の問題につきましてはそのその必要でありますること、殊に緊要でありますることにつきましては十分に認識いたしておるのであります。いろいろな關系で今日までその實現をみるに至りませんでしたが、さいわいに調査もおおむね完了いたしておりまして、現在の食糧事情から言いますれば、さらに一層緊急を要する問題だと思われまするので、國庫財政その他ともにらみ合わせまして、でき得る限り近い機會におきまして、これの實現を期したいと考えております。よろしくお願いいたします。
○田中(角)委員 ただいまの干拓一部中止の請願に對する政府の御答辯がありましたが、これに對しましては農林省の開拓局と、現在開拓事業を計畫し、遂行されておられるところの事業廳との御連絡その他がございましたでしようか。
○三島説明員 干拓につきましては政縣知事がその埋立免許をやるわけであります。その場合に一定面積以上の大計畫になりますと、内務大臣に協議をしてやることになつております。これは現に協議をやつておるのであります。そうして協議によりまして、埋立權を獲取しました土地の埋立權を他人に譲渡いたしまする際は、これは府縣知事が處理いたします。この場合は具體的な問題はなにがしかが埋立權を獲取しましたものを、後に農林省におきまして國營干拓事業として取上げましたので、その埋立權を農林大臣が譲渡を受けられた問題でありまして、連絡は内務省にもあつたわけであります。
○守田委員 この霞ヶ浦の沿岸の干拓事業中止に關する請願者の趣意は、私非常にもつともとして賛成の意を表する次第であります。私どもとしては、河川の改修、特に利根川の河口の浚渫ということが、その地域内におけるところの食糧増産の最も大きな役割をなすという考えをもつておるのでありまするが、ただ農林省關係といたしましては、何でもかんでも土地を干拓しさえすればよい、いわゆる面積を少しでも餘計やつたということだけを考えておつて、根本的なことを考えていない。今日の農地開拓というものが再檢討を要するということは、言うまでもなくすべての人によつて承認せられておるところであります。この點につけましてこういう問題は全國津々浦々にあるわけであります。從つてこういう工事を中止し、その請願を採擇されるというためには、ぜひともこの次の委員會でよろしうございまするが、農林省の開拓局の責任者を呼んでいただいたらと思うのですが、いかがでしようか。
○荒木委員長 お答え申し上げます。本件はもちろん農林省の開拓局とも關係がございまするので、あらかじめ連絡をして農林省側の答辯を要求してありましたが、どういう都合か未だに出席しておりません。この次の委員會に必ず來てもらいまして農林當局の答辯を要求いたします。
○野本委員 ただいまの點につきまして紹介議員及び政府委員の方にお伺いいたしますが、その干拓事業を開始しますときに、技術的にみて、将來ただいまお話のありましたような事態や問題が發生するであろうということに、あらかじめ気がつかなかつたのでしようか。
○三島説明員 お答え申し上げます。霞ヶ浦におきまして、ある面積が干拓されますれば、それが治水の面から見ましていい影響があろうということは、もちろんないわけであります。多少ともそれは悪い影響があることは事實でありますが、あれだけの霞ヶ浦のほんの一部分が埋立てられますることによりまする治水の面からの害と、それを干拓いたしまして、耕地を増成いたしまするところの利益とを比べまして、かような問題は埋立が免許せられ、あるいは免許せられないということになるのでありまして、その害につきましては當然最初から豫定はされておつたことでありますけれども、やはり両者の利益を比較考量いたしました結果免許をいたすことになつたのであります。 なおまたここにありまする通り漁業權の問題もありますが、これにつきましても埋立を免許いたしまする際は、地元の關係町村長に十分かような點についても意見を求めまして、それによりまして處理をいたしておる状況であります。ちよつとお答え申し上げます。
○葉梨新五郎君 紹介議員としてただいまの御質疑にお答え申し上げます。昭和十五年度であつたかと思いますが、霞ヶ浦、北浦は明治以来かつておぼえなかつたような内水の大被害を被り、土浦市のごとき御承知の通り水底に没するというような状況に遭遇したのであります。當時利根水系に對しま する治水計畫というものは、衆議院議員關東地區選出の一府五縣の議員連盟というものができておりまして、これは各派皆一致しまして、無所属にあたる方も全部一致しまして、東京、千葉、茨城、栃木、群馬、埼玉、一府五縣の利根水系に關係のあります衆議院議員が、全部この治水協會の委員として檢討を加えまして、その結果實は利根治水計畫というものが確立しておつたのでありますが、それがまだ工事に著手するかせぬかというときに内水による非常な被害をこうむつたのであります。當時数萬町歩の水田及び畑地が収穫皆無になつて、かつ土浦市をはじめ附近の大小の住宅街も皆その被害をこうむつたのであります。これが土浦では約二箇月間の滞水をこうむつた。それに對してただちにそこの部分的の工事、つまり土浦市は市だけの堤防工事をするかどうかということで、非常にその局地々々的に問題が扱われたのであります。總合的に研究しますと、結局これは霞ヶ浦、北浦の水を抜かねばならぬということになりました。早く言えば、先ほど守田さんから御意見がありましたように、河川の下流地の浚渫を中心としました工事を早くいたしません限りは、かりにその土地その土地で一時、間に合わせ式の堤防をいくら築いても何の役にも立たないのだ、これは根本的にやるより途はないのだということに、その他方の全居住民もまた衆議院における利根治水協會の委員も皆意見が一致いたしまして、それぞれかような意味からして霞ヶ浦、北浦の局部的の堤防工事等は二の次である。それよりもまず基本的に利根は利根としての放水路の完成を見なくちやならぬ、また霞ヶ浦、北浦は利根の下流の浚渫によつて、それと同時に利根の水を現在の排水量以上に伐く工事を至急進めなければならない。またこの工事をすることによつて局部的なものを合せますと非常に厖大な豫算になる。ところがこの霞ヶ浦、北浦の水を抜きます工事は、一個所をやればそれで全般に非常に影響を及ぼすことになります。國費も非常に少ない國費で大きな効果をあげ得るのだというところに、内務省もまた當時の議員連盟も、皆意見が一致いたしまして、それから初めてこういう趣旨によつて進めなくちやならぬということに大體一致して今日まで進んでまいつたものであります。本干拓はその以前に許可になつたので、實施が後れておつたというだけであります。またただいま内務省の説明員の御答辯にもありましたように、霞ヶ浦七萬数千町歩からいえば、五百町歩か千町歩のことでありますから、ここの水がここにはいらなくなつたからといつて、そう問題にするほどのことでもないのでありますが、しかし住民からいいますと非常に神經を刺戟します。實の河原の石積みのように、多くの國費を使うならば、まず基礎からしてやつていただけば、こういう干拓の工事費も自然少額で済む。それを農林省は農林省で單獨にやるところに多額の國費が要る。またそれを何遍やつても、基礎的に水抜きの工事をやりませんければだめだということが、この請願の骨髄をなおしておるような次第であります。御考慮を願います。
○荒木委員長 本件はこの次の委員會に續行いたします。 —————————————
○荒木委員長 次は日程第代二七、金ヶ崎、高濱間運河開鑿その他に關する請願、紹介議員大森玉木君、文書表第二三八號。紹介議員の説明を求めます。大森玉木君。
○大森委員 この問題はもはや百三十年ばかり先に問題になつておつたのでありますが、ただいま御説明を申し上げて各員の御賛成をお願いいたしたいと思うのであります。七尾は天然の良港でありますので、それが昭和四年以後内務省において修築工事を直轄いたされまして、今や大體の設備が完備いたしたのであります。しかるにこの七尾の港は、小さな出つぱりをまわつてまいりますために、近畿、北九州方面からまいりまする船が非常に困難をいたすのであります。そうして、これをまわつてはいりますと大體十二時間を要するのであります。そこで、能登はしからばいかなる所かと申しますならば、今や國土計畫においても能登開發という問題は取上げられておるのであります。この能登に埋藏いたしておりまするものは、亞炭、燐鑛石、石膏、それから林産物、また建築材等も非常に多いのであります。そこで、今お願いいたしまする金ヶ崎、高濱間という小さな狹い間でありますが、この間を切つて運河をつくつていただきたい。こういうのであります。大體幅員といたしましては六十メーター、水深は八メーター、この延長は十九キロであります。これを開鑿いたしまして、三千トン級の船が自由にこの運河を運航できるようにいたしたい、こういうのであります。能登におけるところの産物は、鮮魚その他たくさんあるのでありまして、これらをこの運河によつて今の現状から救い、そうしてこれを近畿あるいは九州その他すべての方面に水産加工品などを十分に移出したいという考えのもとにこの請願をいたしたのであります。時間もありませんから細かいことは申し上げませんが、こういう意味合において、時間なり、さらにまた燃料の今日の不足の上から申しましても、この船を十二時間も迂廻してはいらなければならぬということはまことに遺憾なことでありまして、十二時間縮小できますならば七尾港から、今までありますと脚の早い船でありますと満州までまいるのであります。そういうふうにいたしまして、能登だけをまわるだけで十二時間かかつておるというような現状であります。能登と申しますと日本の端でありますから皆様方はよく御承知はないと思いますけれども、これは國家的に考えましても非常に大きな問題であると思うのでありまして、何とぞ各員におかれましても御賛成をお願いをいたしたいのであります。簡單でありますが説明を終ります。
○荒木委員長 これに對する政府の意見を求めます。
○三島説明員 ただいまの御請願につきましては、私どもはまだ事務的に連絡不十分のため承知いたしておりませんでしたので、申譯ありませんが、この次の機會に答辯させていただきます。
○大森委員 なお一言附加えてちよつとお願いいたしたいのですがなおこれによつて六百町歩の水田ができるのであります。食糧不足の折柄一石二鳥というような考え方をいたしておるのであります。どうかこの點もよろしくお願いいたします。
○荒木委員長 本件につきましては、ただいま説明員からの御答辯がありましたが、委員會といたしましては、政府側においてはあらかじめ十分連絡をとりまして答辯をいたすように要求いたしておりましたが、ただいまの御答辯はまことに遺憾であります。今後なるべく早く御勉強の上に責任ある御答辯を要求いたします。 本日はこれくらいにいたしまして、次の委員會の日時は公報をもつて御通知申し上げます。 本日はこれをもつて散會いたします。 午後零時十分散會