鉱工業委員会 第16号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1947/10/09
会議録
○伊藤委員長 これより會議を開きます。 前囘に引續き臨時石炭鑛業管理法を議題とし、質疑を繼續いたします。西田隆男君。
○西田委員 二日間にわたつて商工大臣に質問をいたしましたが、私のする質問に對する商工大臣竝びに政府委員の御答辯が、どうも中心を離れて脇道の答辯をされておるために、非常に早く上げなければならない質問が遲れて困つておるのですが、今日の答辯はひとつ核心にふれて質問のもつ正面から取組んで御答辯を願いたいと思います。 第二十四條の第二項の規定は「指定炭鑛の經營者及び從業者は、炭鑛管理者のする業務計畫の實施に對して、協力しなければならない。」となつております。岡田委員の質問に對して平井政府委員は、この經營者は事業主を含む、かような御答辯があつたように記憶しておりますが、この經營者というのは事業主とだれであるか、それを一つ御答辯願いたい。
○平井(富)政府委員 ここに規定しております經營者は、會社で申し上げますと、社長等の代表取締役以下のいわゆる經營スタツフであります取締役というものを一般に含んだもので規定しておるわけであります。
○西田委員 最初から私が政府委員に申し上げておるのですが、この法案の管理の對象となるものが企業であるということは、三黨首會談の時にもさような協定ができておりますし、なお企業運營の實態から見ても、企業でなければならぬ、かように考えておるのでありますが、今の平井政府委員の御答辯を聽きますと社長が事業主であつて、社長以外のいわゆる重役、取締役というものは、この經營者にあたつておる、かような御説明でありましたが、炭鑛管理者というものは、いわゆる企業によつて、事業主によつて、この法案によりますと支配人としての選任を受けた者であります。支配人として選任をした事業主自體が、その支配人と選任をした人の事業に協力をしないというようなことが政府の方では考えられるのかどうか。もしそういうことが考えられないとすれば、ここにいわゆる經營者が管理者の業務實施に對して協力をする規定は必要がないのじやないか。しかもこの二十四條の規定によつて見ますと、これは道徳的な規定であるようにも考えられる。この點の御説明を願いたい。
○平井(富)政府委員 この規定におきまして、經營者及び從業者が、炭鑛管理者の業務計畫の實施に關し協力しなければならない、こう書きましたことは、おつしやるように一つの道徳的な規定でございます。管理法上、經營者從業者ともに炭鑛管理者の業務の實施を圓滑に遂行しなければならないという一般的の一つの權限規定と申しますか、そういう性質をもつものであります。なお經營者、事業主によつて選任せられました炭鑛管理者の業務につきまして、事業主が協力する、指導することは當然じやないか。從つてここに特に經營者が協力しなければならないと書く必要がないじやないかという御質問は、一應ごもつともでございますが、この炭鑛管理者につきまして、特に炭鑛管理法施行、いわゆる管理制度の上におきまして、炭鑛管理者に對しまして實施の責任を法律で規定いたしました關係上、一般の企業關係におきましては、もちろん炭鑛管理者が事業主の選任にかかわる、いわゆる雇傭關係に立つものございますので、その關係において事業主から指導を受けることは當然でございますが、この政府に對する責任という意味において、炭鑛管理者の責任という一つの法律關係を設定しておりますので、その關係におきまして、經營者も從業者も協力しなければならないという一つの規定を設けたわけでありまして、この法律によつて企業の形態自體をかえているわけではないのでございますから企業それ自體の本來の性格における事業主と炭鑛管理者との雇傭關係に立つ指導ということは一方あるわけでございます。ただこの法律によつて炭鑛管理者が政府に對して業務計畫實施の責任をもつという一つの法律關係が設定されておりますので、それに關係してこの規定が設けられたわけでございます。
○西田委員 重ねてお尋ねいたします。石炭局長なり、あるいは石炭廳長官が監督上必要な命令を炭鑛管理者に出す場合は、この法案に規定されております。その監督上必要な命令に違反した場合においては、非常に重い罰則が炭鑛管理者にかけられております。しかも炭鑛管理者が罰を受けた場合は、この法案中のまた一條文の規定によつて、事業主にもその罰は及ぶように書いてあると、私は解釋しております。しかるにこの協力せよという條文の中に從業者というものも加わつておりますが、この從業者に對しては、かりに協力することがなかつた場合においても、何らの罰則規定の適用がないように私は解釋しております。この點いささか矛盾を感ずるのですが、これに對しての御答辯を願いたい。
○平井(富)政府委員 この法律の罰則規定の中に、監督上の命令に違反した者に對する罰則が規定されておるわけであります。從いまして、炭鑛管理者に對して發せられました命令を、從業者がこれを執行させないというような場合には、その行為者が罰せられるわけであります。ただ企業者といたしましては、企業の面におきましては、總括的に計畫を設計し、實施に對してこれを企業の關係において炭鑛管理者の指導にも直接あたる地位にございますので、第六十六條におきましては、その罰則の直接違反行為をした行為者を罰するほか、その法人または人に對しても各本條の罰金刑を科するということで、罰金につきましては企業自體にも及ぶというふうになつているわけでございます。
○西田委員 第二十四條は、その程度にして、なお深い點については、もう少し私も研究したいと思つております。これは一旦保留して第二十五條にはいります。 第二十五條の第二項に「生産協議會の委員の定數の過半數に相當する委員が、炭鑛管理者を著しく不適任であると認めるときには、その旨を、所轄石炭局長を經由して、商工大臣に申し立てることができる。この場合には、商工大臣は、指定炭鑛の事業主の意見を徴した上で、全國炭鑛管理委員會に諮つて、當該炭鑛管理者を解任することができる。」という規定と「商工大臣は、炭鑛管理者が著しく不適任であると認めるときには、全國炭鑛管理委員會に諮つて、當該炭鑛管理者を解任することができる。」という二つの規定があります。私はさつきも平井政府委員が言われましたように、炭鑛管理者というものは、どこまでも事業主との間には雇傭關係であります。その雇傭關係のあるものを、商工大臣が炭鑛管理委員會に諮つただけで、一方的にその解任をしたり、あるいはただ事業主の意見を徴しただけで全國炭鑛管理委員會に諮つて、これまた事業主を經由せずして、事業主との雇傭關係にある雇傭者の解雇を命ずるというような規定は、どうも官僚の行き過ぎではないか。この點はやはりどこまでも第二項について事業主の意見を徴した上で、全國炭鑛管理委員會に諮つて、事業主を經て炭鑛管理者を解任させる。かような規定に直すのが至當であると考えますが、この點について商工大臣の御意見を承りたい。
○水谷國務大臣 ただいまの問題は、單に第二十五條だけの問題ではなしに、西田委員が十八條、十九條を通じて述べられた原則論の立場から立たなければならない問題ではないかと思います。そういう意味において、われわれが本社及び現場というものを管理の對象にしているという立場が崩れない限りは、第二十五條におきましても、こういう規定を採用せねばならぬのではないかと、このように考えております。
○西田委員 商工大臣の御答辯は、はなはだきつ怪な御答辯で、事業主が炭鑛管理者を選任する場合、法的な根據をもつ支配人の選任をしております。この法案によると、その上に生産協議會の議、あるいは從業者の賛成を經て炭鑛管理者になるのでありますが、今雇傭關係は、いわゆる支配人として選任することによつて強まつてこそおれ、決して弱まつていない。事業主を通じて解任を命ずるということが、本社と現場を切り離すという法案の考え方と、どこに矛盾するところがありますか。少くとも一企業體の人事の關する問題は、どこまでも事業體内の一つの問題として、それを對象にして、當然解任を命すべきであると考えますが、この點について商工大臣は、いわゆる思想的に囚われ過ぎて御答辯が適正を得ませんから、平井政府委員に、ひとつ御答辯願います。
○平井(富)政府委員 この點に關しまするこの法案の解釋として、次のように考えております。すなわち炭鑛管理者は政府に對して實施の責任をもつ機關である。同時にこれは企業の雇傭關係をもつ。二重の法律關係をもつておることが一つの理由であります。その次には、管理者の解任につきまして、生産協議會その他に付議するいろいろな手績がありますので、著しく不適任と認めた場合が萬一起きた場合におきましては、これを商工大臣の解任の命令ということによつて、そこに一つの形成的な效果を發揮することが適當ではないかという二つの理由によりまして、この點を直接商工大臣が解任をする。こういうふうにいたしたのであります。
○西田委員 生産協議會の委員の定數の過半數が、炭鑛管理者として不適任と認めた場合は、事業主の意見を聽く。商工大臣が炭鑛管理者を著しく不適任であると思つた場合は、事業主の意見を聽かないで、商工大臣が一方的に解任するという二つの書きわけがしてありますが、この理由を承りたい。
○平井(富)政府委員 生産協議會において著しく不適任であると認定いたしました場合においては、その從業員の立場からする判斷ということが主になりますので、生産協議會において著しく不適任と認めました場合においては、一方企業主の意見も徴するのが適當ではないかという考え方で、企業主の意見を徴することにいたした次第であります。その次の、商工大臣が直接介入いたします場合には、この規定はいわゆる運用上におきまして、おそらくめつたに發動はされない規定じやないか。そういうふうに考えておるのでありまして、企業主の側からも、あるいは生産協議會の側からも、積極的な意見が出てこない、しかも非常に不適任であるというような事態が生じました場合における規定でありまして、そういう意味におきまして、いわゆる萬一の場合としての規定をここに挿入いたした次第であります。前段の生産協議會において著しく不適任と認めたということは、具體的にこういう事例の發生することも豫想されますので、その場合には企業主の意見を徴することが適當である。こう考えた次第であります。
○西田委員 この法案で見、かつ商工大臣なり政府委員の御答辯を承つておりますと、いわゆる現場超重點主義で、炭鑛管理者が事業主に代つて全部責任を政府に對して負うという考え方が、今まで一貫して私が答辯として聽いたところでありますが、しかも現場重點主義であるならば、現場の生産協議會が炭鑛管理者を不適任と認めない限り、おそらく炭鑛管理者というものは、現場の生産協議會と密接の連繋のもとに事業の運營にあたつておると解釋してよいと思うのであります。その際商工大臣が炭鑛管理者を著しく不適任と認めるというような場合が具體的に起きてくることがあるかないか。ありとすればどういう場合に起きてくるか。これを政府委員に承りたい。
○平井(富)政府委員 大體におきまして、生産協議會と炭鑛管理者との間が圓滑に運んでおります場合は、こういう問題は起らない。こう私は考えておりますが、生産協議會の運用が、常に適正に行われるとも限りませんし、場合によりましては、たとえば生産計畫の設定その他につきましても、チイミツドな態度で行われていくというようなことも萬一の場合は豫想されますので、それらに對處した規定でありまして、これがむやみやたらに頻繁に發動されるというようなことはもちろん私としても想像もいたしませんし、また望ましくも考えておりません。大體におきまして、現場において生産協議會と管理者というものが圓滑にいくことによつて、増産態勢に向くのが一般的な例であろうと考えまするが、ただ生産協議會の制度にいたしましても、常に正しく常に適正圓滑にいくということのみを豫想して規定するのもどうか。特に炭鑛管理者は實施の責任者でありますので、そういう萬一の場合をおもんぱかりまして、この規定を設けた次第であります。
○西田委員 もう一度お尋ねいたします。ただいまの平井政府委員の答辯に關しましてでありますが、萬一の場合をおもんぱかつて、こういう規定を設けたのだ、かような御答辯でありました。しかしながら、商工大臣なり石炭廳長官、あるいは石炭局長は、炭鑛現場の業務計畫の實施、あるいは業務計畫案の作成に對しては、いろいろな命令を發する權限をもつております。また業務計畫の實施の上においては、監督上必要な命令は、いつでも出せるといふ態勢にあるのであります。この二つの行き方から考えて、そういう監督上必要な命令、あるいは業務計畫作成上これを訂正する、あるいは補強する命令、こういう命令を出した上において、なお炭鑛管理者が生産協議會と協力一致していつておるものに對して、商工大臣が著しく不適任と認めるというような事項が發生し得るかどうかといふ問題ですが、私は少くともそういふことが發生し得るといふようなことを考え得る管理の方法であれば、地方石炭局の運營も、あるいは石炭廳の運營も、地方炭鑛管理委員會、中央炭鑛管理委員會の運營も、その運營自體が完全にいつていないために起ることがあつて、炭鑛管理者が政府の命令に違反した場合においては、これは罰則の適用を受けておる。むしろこれを解任するといふことであつて、それより重い罰則の適用を受けておるのである。それ以上にこういふ規定を設けておかなければならないといふ考え方が私にはどうしても了解できない。この點ひとつ平井政府委員の御答辯をもう一度いただきたい。
○平井(富)政府委員 監督上各種の命令を出しまして、補正していくといふ點もたしかにおつしやる通りでございますが、業務計畫の運營上におきまして、これが適正にいくかどうかということは必ずしも監督上の命令を頻發いたして、それによつて是正していくという場合もありましようし、あるいはまた炭鑛管理者自體の問題であると同時に、それが生産協議會のその炭鑛管理者の意圖に從つて動いておるといふような場合がございました場合に、一つの方式としては監督命令を出すといふ手も考えられますし、最後の手段といたしましては、炭鑛管理者の更送ということも、その炭鑛管理者の管理法上の重要な地位に鑑みまして管理を實施する上において、一つの倫理的な監督もしていくのだといふ道も、ひとつ開いておく方が適當ではないかというふうに考えた次第であります。
○西田委員 大體政府委員のお考え方はわかりました。わかりましたが、政府委員のそういうふうな御答辯の内容から考えますと、これはもう完全に企業の中のいわゆる本社と現場というものとの人的なつながりというものはまつたく切斷してしまう。かようなお考えのように私は了解いたしております。この程度でこの質問は打切りまして、次に進みます。 「第二十八條 炭鑛管理者は、當該指定炭鑛の業務に關し、事業主に代わつて一切の裁判上又は裁判外の行為をする權限を有する。」この炭鑛企業の運營の面において、事業主に代つて支配人として選任された炭鑛管理者は、一切の裁判上又は裁判外の行為をする權限を有することは、前のものを是認すれば、これはもちろんその通りでありますが、そこで私は具體的に炭鑛管理者というものが、事業主に代つて一切の裁判上の又は裁判外の行為をすることは、どういうことを大體するというお見透しで、こういう規定をお設けになつておりますか。これをひとつ承りたい。
○平井(富)政府委員 炭鑛管理者が設定されました業務計畫を實施する上におきまして、あるいは資材の購入であるとか、あるいは勞務者用品の購入であるとか、あるいは隣接した炭鑛間において資材の交換をいたしますとか、資金の借入をいたしますとかいうよう、な點につきまして、現場においてただちに必要な手が打てるということを豫想いたしまして、ここに一つの代表權というものを置いた次第であります。
○西田委員 ただいまの御答辯によりますと、資金の借入までも炭鑛管理者がやるというお考へ方ですが、それでは炭代収入は本社に拂わないで炭鑛の現場に拂う、かようなお考えですか。
○平井(富)政府委員 その點は資金關係からいきまして、もし配炭公團から直接炭鑛の現場に支拂うということが企業全體にとつて利潤のある場合におきましては、そうすることも適當でありましようし、あるいは企業に拂込んだ方が資金その他の關係で適當であるという場合には、その方法も可能でありまして、炭代は必ず現場に拂わなければならない、あるいは企業に拂わなければならないというふうに考えておりません。もし現場に拂込んで方が便宜だという意味において、さういう措置がとられる場合がありますれば、それはこの代表權によつて有效に成立し得るというふうに考えております。なお資金につきましては、本社が算定するわけであります。資金の借入れの實施を炭鑛管理者が實施するわけでありますが、すべての資金を炭鑛管理が直接借入れることが適當かどうかということは、これまた企業の實態に從つて判定さるべき問題でありまして、これらの點について、二十九條に管理者の權限に制限を加えることができるということで、企業の實情に合うように調整してまいりたいと考えております。
○西田委員 二十八條はただいまの御説明で大體わかりました。二十八條に關連して「指定炭鑛の事業主は、前條に定める炭鑛管理限の權者に制限を加えることができる。」という第二十九條の規定でありますが、「制限を加えることができる。」というこの制限は、政府では大體どの程度のものを豫期して、こういう條文をつくられているのか。私が八月十六日の最欄の會合の際に、平井政府委員に、この二十八條と二十九條について質問をしたことがありますが、そのときに平井政府委員も、條文の配列上第二十八條と第二十九條と、こういうふうに並べているのだが、實は第二十九條の炭鑛管理者の權限に制限を加えることができる。という方に重點を置いて考えてもらつても差支えない、當時こういうような答辯をしておられました。そういう意味からいたしましても、二十九條の「炭鑛管理者の權限に制限を加えることができる。」という制限は、どの程度のものを豫期して規定されたのか、それを承りたい。
○平井(富)政府委員 二十九條の代行制限の限度でございますが、炭鑛管理者が設定されました計畫の實施の責任をもつ意味におきまして、これになるべく必要な業務を任してやらせることが望ましてことはもちろんでありますが、ただ炭鑛の地理的な條件その他から言えば、たとえば資金の借入れ、あるいは資材の購入にいたしましても、資材の消費地あるいは生産地と遠く離れております炭鑛自體において、資金資材の借入れ購入を行う場合に、かえつて非能率な場合も豫想されますので、その企業の實態に從つて炭鑛管理者が實施の責任をもつという趣旨を壊さない限度において、これが最高度に發揮されるように、この指導に對する關係における代表、あるいはそれに裏づけをいたします業務の範圍というものを決定していきたい。かように考えておる次第であります。
○西田委員 ただいまの御説明はきわめて抽象的でわかりにくいのですが、二十九條の第二項に、「前項の規定により制限は、商工大臣の認可を受けなければ、その效力を生じない。」という規定があります。ただこれは事業主が一方的に炭鑛管理者の權限に對してどれとどれを制限を加えるといつたところで、それは效力を發生しないのだということの建前をとりまして、政府としては、この加える制限に對しては、ある程度のめやすがおいてなければならぬと私は思うのです。今平井政府委員が言われたように、現場と本社との地理的な關係その他の關係において一々違うのだということをば、一々ある程度の制限を加えられるならば、地域なら地域別、あるいは炭鑛の經營の實態なら實態ということにある程度めやすを當然おいておかなければ、商工大臣がこれを認可するもせぬもないことになつてしまう。こういうことになるのですが、政府としてのもう少し具體的な説明をお願いしたい。
○平井(富)政府委員 これの代表權の制限につきまして、ただいまお述べになりましなように、企業の規模あるいは本社の所在地と炭鑛現場との地理的な條件等におりまして、一律にすべての炭鑛にあてはまる基準を設定することは困難であると存じます。私どもの考えておりますところを申し上げますれば、いわゆる財閥炭鑛等におきまして、東京に本社があり、現場は九州、北海道にあるという場合におきまして、九州、北海道地區において購入した資材というものを、現場限りにおいて本社のきめました計畫に準據して購入をすることは一向差支えないのじやないか。あるいはまた本社の立てました資金計畫に基いて九州、北海道の現場の金融機關から金融を受けるということも、これも差支えないじやないかと思います。從つてこれの基準については、企業の規模とか、あるいは本社と現場との地理的な條件、あるいは現在における業務の運營の現状等に照らしまして、具體的な考慮をいたさなければなりませんが、この點につきましては、ただ各企業々々の個別事情について十分考慮いたしますが、今申し上げましたような、あるいくつかのグループにわけまして、これにどういう業務運營をやつていくのが適當かとうことにつきましては、一般的な基準といたしまして、管理委員會等にも諮りまして、その一定の基準を設定いたし、その基準に從つて商工大臣が今後職務を行つていくということが適當ではないかというふうに考えておる次第でございます。
○西田委員 今日ただいままで質問いたしました第二十九條までの點に關して、總括的に私の意見を申し上げて、商工大臣の御意見を伺いたいと考えます。現場の運営は事業主と炭鉱管理者との密接不可分の關係において行われておるものでありまして、法的に責任の存在をはつきりして、第三者に對抗したり、裁判上裁判外の一切の權限のごとき、事業主と管理者との間に常時連絡し、經營せられ、いついかなる場上においても事業の面に支障を來さないというような現在の實情であります。何を好んで第七條以下二十九條の規度を設けなければいけないのか。これは根本的な考え方の相違からであるかもしれませんが、私はどうしても了解できない。もしこの條文に規定してあるようなことが萬一懸念があるといたしましたならば、管理者が業務運營上常時必須缺くベからざる權限を、事業主から管理者に移譲するということによつて、その目的の達成は十分であるとかように私は考えます、現場超重點主義に偏する管理というものは、決して増産目的を達する唯一の途ではありません。数十年來發達してきましたところの企業運營の妙味を一掃することによつて、かえつて業務の運營に支障を來し、本法案の目的達成の一大障害となるおそれが多分にあるのであります。現在の炭鉱の生産渋滯の原因は、本社と現場との關係いかんにあるのではありません。資金資材の不足、勞働能率の低下、あるいは行政の拙劣さというものがおもな原因であります。現場認識の不十分と法文作成の一方的技術と、ある種のとらわれたる考えとによるこの條文は、まつたく有害無益である、かように私は考えるのであります。商工大臣の御見解を承りたい。
○水谷國務大臣 ただいまの結論は、西田委員がこれまで各條文で述べられました根本的態度として結論としては當然でございますが、しかし私らがこの案を立てる場合におきましては、いかにして緊急増産に役立つかということも考えるとともに、またお互いに三派の連立内閣という性格も考えまして、私らといたしましては、できるだけ民主黨、あるいは國民協同黨等の政策も研究したつもりでございます。たとえば民主黨の政策におきましても、その政策要網の第一におきまして、大企業に對しては資本と經營とを分離し、經營の勞働との協同をはかり、特に勤勞の重要なる役割を尊重して經營協議會を活用し、利潤分配制を確立することというような規定もございますので、こういう大きな政策のわく内におきまして、私らは考えたのであります。もちろんこの法案を練るときには、この民主黨の案にあるように、資本と經營とを分離しというような考えに立つていないことは、前に申し述べた通りでごでいますが、私らはこういう民主黨の政策案等も十分に吟味いたしまして立案したのでございまして、決いて社會黨獨自の思想的立場というようなところに執著したり、あるいはそれにこだわつてやつたのではないのであります。このようにいたしまして、これまでわれわれが始終繰返して答辯してまいりましたように、私企業と公の企業との長所をとりまして、現在の石炭の緊急増産を進めていくがためには、あくまでま從來の企業形態を崩さず、その範圍におきまして緊急増産の要請に應えるために現場と政府とをいかにして結びつけるかというようなところに苦慮して、こういうような案を練つたのでございますがゆえに、それはあくまでも何らのイデオロギーに拘束されるものでなく、ひたすら現状に即した緊急増産、さらにまた恒久増産ということを考えて立案したものであるということを、御了解願いたいと思います。
○西田委員 商工大臣はただいまの御答辯の中に、政府と現場とを結びつけることがすなわち増産になるのだ、かように考えられるような御發言がありました。はなはだ私は了解に苦しむ點ですが、企業と政府とが密接な關係に立つこと以外に、現場と政府とが密接な關係に立つて企業のたな上げをやつて、そうして石炭の増産ができるというお考えは、これはまつたく間違つた考えだと思う。それならばこの管理法案の中で炭鉱管理者、すなわち現場というものと政府と密接不可分な關係ができる。そうしてぴつたりくつついたとした場合に、政府が現在の企業運營の建前から考えましても、いわゆる本社の代理をするのであります。あるいは地方石炭局というものが本社の代理行為をするという考え方でありますか。この點を伺いたい。
○水谷國務大臣 重ねて西田委員のお言葉でありましたが、私の言葉が足らなかつたかどうか知りませんが、私が私企業の長所をとるということは、これまでの石炭企業におけるところの企業の立場を損しない限りにおいて、政府と現場とをできるだけ結びつけるというように、私は述ベたつもりでありまして、ただいまの重ねてのお言葉のように、本社企業というものを抹殺して、そうして政府と現場とを結びつける、そういうような考えは毛頭もつておりません。
○西田委員 二十九條まではその程度でやめておきましよう。第三十三條にはいります。第三十三條に「業務委員は、當該指定炭鑛の業務に從事する者の中から、炭鑛管理者が、これを選任する。勞働委員は、當該融定炭鑛の坑内從事者及び坑外從事者各々同數とし、」と、ここに規定されております。坑内外の從事者を同數にされたというお考えつきの點を御説明願いたい。 平井(富)政府委員 生産協議會の運用におきまして、生産の面からこの協議會の運用がはかられるのでありますが、これを從來の經營協議會の運用等に徴しまして、あるいは坑外の從事者の代表に偏するというような點もままあるやううかがわれましたので、坑内坑外の事業が正しく生産協議會に反映されるという意味から、少くとも同數の委員を出すということで、一應この勞働委員の數は同數ということにいたいた次第でございます。
○西田委員 炭鑛事業の運營は坑内が中心であります。坑外その他がいらぬわけではありませんが、坑外その他は坑内作業に從属的立場をとつていくベき性質のものであります。生産協議會の協議を、業務運營の上において正當に反映せしめるということになれば、どうしてもやはり坑内に重點をおいた委員の選定の方法をとる必要がある、私はかように考えます。しかも現在日本の炭鑛の勞務者構成の内容からいきましても、現在は坑内五十七、坑外四十三というようなパーセントになつております。そういふ點から考えましても、少くともこの坑内外從業員同數といふのは、坑内六、坑外四といふような數字にかえた方が適當ではないか、かように私は考えております。この點について平井政府委員の御答辯を求めます。
○平井(富)政府委員 坑内坑外の勞務者から言いますれば、あるいは坑内勞務者の中から選出される委員を殖やすといふことも言われるのでありまするが、現在におきまする一般の經營協議會の模様を見ますると、むしろ坑外勞務者の方が多數を占めておるような炭鑛もございますので、少くとも同數にしなければいけないといふ意味から、同數といふことにした次第でございます。なおこの勞働組合の中には、職員から選任されるものもございますし、それらの關係も考慮いたしまして、同數ということに一應いたしまして、現状より一歩を進めて、これを確保したいということで同數といたした次第であります。
○西田委員 ただいま同數を再度平井政府委員は主張されましたが、マツカーサー元帥から片山總理あての書簡の中にもありまするように、あの六項目の項目をあげてありますが、あの線に沿つて日本の石炭の増産目的を達成するためには、少くとも急々に住宅を建設するといふことはおそらく不可能でありましよう。從つて現在の坑内外の勞務状態の職場轉換を行うということが第一に考えられなければならない問題と考えます。現在においても五十七對四十三の比率になつておりますが、正常に運用されますならば、少くとも六十五對三十五という比率にまでいかなければ、政府でもつておる二十三年度三千三百萬トンという石炭の生産は不可能であると私は考えております。そういう状態がわかつておるにかかわらずなほ六十五對三十五の比率の中に、委員は半數ずつにしなければならぬというお考えは、あまりに形式にすぎて、實態を御認識にならないのではないか、どうしても六對四という比率が惡ければ、坑内外の從業員の比率に應じて出すというような、何かここに同數ということをかえられて、坑内のいわゆる從業者の多い方面から多い委員を出すという方向に向わなければならぬと、私はかように考えております。この點に對して、もう一遍そういう御意思があるかどうか、今度は商工大臣からひとつ御答辯を願います。
○水谷國務大臣 西田委員の言われたことは、まことに私もごもつともであると思います。ただこれまでの炭鑛勞働組合のいわゆる運營というものが、西田さんのお考えのように、坑内勞働者が多いにもかかわらず、大體その炭鑛勞働組合というものを指導している人が坑外勞働者が多いということも事實なのであります。そうしてそういう勞働組合の運營の現状と、そうして現在のいわゆる坑内、坑外の勞働者のほぼ同數というような二つの點を併せ考えてみますると、ただいまの段階におきましては、こういうぐあい、坑内、坑外の代表同數というのが、實情に即した考え方ではないか、このように考えております。
○西田委員 商工大臣は現在勞働組合の指導者が坑外から出ておるから、せめて同數くらいにしたらよいじやないかというような御答辯のように承りました。しかし勞働組合の指導者というものは、現在坑外に働いている人たちがよけいにあるからといつて、將來もなおそういう人たちが、常に勞働組合の指導者であるという考え方は、これは非常に間違つた考え方である。勞働組合の指導者というものは、時代々々のいき方によつて、常にこれは從つていくものである。變つて一炭鑛のいわゆる勞働者の代表というものは、やはりその業務に從事する者の數の比率によつてきめるということが、最も公正的確な方法であると私は考えております。この點に關して、重ねて商工大臣の御答辯は求めませんが、商工大臣が今御答辯なすつてようなお考え方は、ひとつお取下げになつた方がよろしいのでないか、私はかように考えます。 それから、これはあとにもどりますが、第三十一條「生産協議會は、炭鑛管理者及び委員で、これを組織する。委員は、業務委員及び勞働委員とし、各々同數とする。」こう書いてあります。この業務委員といいますのは、この前平井政府委員の御答辯では、これは經營者の代表するものである、かように御答辯がありました。そうしますと、業務委員になりました者は、職員組合にはいつてない者から選ぶというお答え方であるのか、あるいは職員組合にはいつておる者でも業務委員になれる、業務委員になつた者は、職員組合を脱退しなければならない、こういうふうなお考え方も、併せてもつておらるるのか、この點も政府委員に承りたい。
○平井(富)政府委員 前の委員會にきまして、業務委員というのが經營者側の委員となるということを申し上げまのたのは、この法律の運用上、おそらくそういう結果になるのでないかという見透しから申し上げた次第でありまして、業務委員といたしましたのは、これは一つの經營者委員と特に書きませんでした理由は、一つの何と言いますか、機能代表と言いますか、そういうような意味で、これを業務委員——各種の業務にエキスパートをここにもつてくることもできるという意味で、業務委員と、こういたしたのでありますが、勞働委員を業務委員と竝べました場合におきまして、炭鑛管理者とといたしましては、この業務委員の選定につきましては、おそらく部長級とか職員組合にはいつておらない者を選定するのが、最も法律の運用上沿うことになるのではないかという意味から、簡單に申し上げたわけであります。ここに業務委員と書きました理由は、一種の職能代表といいますか、そういうこともできればやつていきたいという意味で、特に經營者委員という言葉を避けまして、業務委員といたした次第であります。從つてそういう意味で職員組合に屬する者からこの委員を選定することも自由であります。またその場合におきまして、職員組合を離税する必要もございません。しかしこの生産協議會の勞働委員に對する關係から、おそらくそういうことはあまりないのでありまして、職能委員を選ぶにいたしましても、これが部長級とかいうような經營者側につくと思われる階層から實際的に職能委員を兼ねた、いわゆる經營者委員というものが選定されるのではないかということを、簡單に申し上げた次第であります。
○西田委員 ただいまの御答辯によりまして、業務委員というものの性格が、はつきりわかりましたが、そうすると、生産協議會の構成人員は、きわめて少い委員になると考えます。日本の炭鑛の現在で、大手筋のよほど規模の大きい炭鑛を經營しておるものでない限り、部長以上の業務委員になる經營者側を代表できるような人間は、きわめて少いのであります。三井の三池とか、あるいは田川というようなところにおいては、あるいは七、八名とか十名くらいの部長以上の人がおるかもわかりません。しかし中くらいの山になりますと、部長級は三名か四名しかおりません。そうしますと、業務委員の數と勞働委員の數とは、おのおの同數とすると規定してあるところからいたしまして、生産協議會は非常に少い人間できめなくてはならぬということになつて、當然これは職員組合にはいつておる者からでも、業務委員を選ばなければならないという結果になつてくるのではないか。どんな小さな炭鑛の生産協議會でも、業務委員が十名なり、あるいは勞働委員が十名なりの構成は必要であろうと思うのであります。それはどういう理由かと申しますと、勞働委員として出ます者が、おそらく職場職場から代表として出てくると思います。この職場の代表が出てくる限り、炭鑛の大きかろうと小さかろうと、職場には變りはありません、そうすれば炭鑛の規模のいかんによつて、生産議會の委員の數がきまるのでなくして、炭鑛の本質自體によつて委員の數がきまるのであります。從つて小さな炭鑛になりますると、おそらく大部分のものは職員組合にはいつておる者の中から業務委員を選定しなければならぬというようなことになつてくるだろうと思います。それもただ單に經營者の代表という意味で業務委員を選定することができれば別問題でありますが、あとの規定によつて、業務委員はその炭鑛に從事する者というふうに制限を受けておりますので、この點非常に問題になると思うのであります。この業務委員と勞働委員、それから同數とするという點については、政府としてもう一段の御研究をお願いしたい。もし今私がお話申し上げたことが考えの中にはいつていなくてきめられておつたとするならば、お考え直しを願いたいし、それは考えておつたが、しかしこれでいいんだというならば、いいという御意見をもう一遍承りたい。
○平井(富)政府委員 業務委員の業務という字句を特に使いました意味は、ただいま申し上げました一種の職能的な代表の意味をもたせまして業務委員といたした次第であります。從つてこの選定の範圍は、生産なりあるいは資材、資金、あるいは人事の關係とか、いろいろな關係から、この業務委員が選定されるのでありますが、特にいわゆる勞働組合法上にいう事業主の利益を代表する者というのみから選定をしなければならないというふうには考えておらないのでありまして、職能代表という意味から、やはり必要な場合には職員組合にはいつておる課長級というようなものを業務委員に選定する場合もあり得ると考えます。そういう意味で業務委員といふ字を使つたのでありますが、ただその際に、管理者が選定いたしまする委員というものは、管理者獨自の見解で選定いたしますので、その各職能々々というふうに嚴格に限定した規定もございませんし、しかもかえつて今西田さんからお話になつたような關係から非常に窮屈になりますので、ただ業務委員といふ名前によつて、そういうニユアンスをもたせまして、生産協議會が單なる利潤の分配を主とした協議會でなく、いわゆる生産を増強していくための機關であるという意味合をここにもたした次第であります。從つて職員組合に屬する者からも委員を出すようなことも、實際上としては起り得ると思います。しかしその場合におきましても、その性格から申しまして、それが職員組合から離脱しなければならないというようなことはないと考えておる次第であります。
○西田委員 今の御答辯によりますと、私が考えておることが實際の實態なんですが、生産協議會というものは、業務委員の方で職員組合を脱退しなくてもよろしいというお考えのようですが、もし職員組合を脱退しない者が業務委員になつたとしますと、中以下の炭鑛においては、生産協議會を構成するメンバーは職員組合と勞働組合で、ただその中に一部分の者が經營者代表の資格をもつた者がはいつていくという構成内容になつていくであらうと考えます。そういうふうな内容になりました場合に、炭鑛管理者が生産協議會を運營していく上において、いろいろな摩擦が起きてくる可能性が、十分に察知されるのでありますが、この點に對しましては、政府はどういうふうなお考えをもつておられますか。
○平井(富)政府委員 生産協議會の委員につきまして、業務委員に任命された者は、必ず職員組合から離脱しなければならないということは、これは強制するわけにいきませんが、運用上業務委員に任命された者は職員組合から實際上拔けることは一向構わないのでありまして、この點は個々の企業の實情によつて處置していきたいと考えております。 なおこの業務委員が職能代表であるということを嚴格に考えますれば、お話のように非常に制限された範圍の中から選定することになるかと存じますが、そういう職能代表的な意味をもたした點から委員を選定するという一種の——何といいますか、これは嚴格な制限ではございませんので、その企業内部から經營者の意見を代表して意見を述ベるという立場にある者を、業務委員に選定することも可能ではないか、かように考えておる次第であります。
○西田委員 私が御質問申し上げておりますのは、今平井政府委員の御答辯になつたようなことのみを聽いておるのではありません。生産協議會の目的を完全に達成するためには、どうしても各職場の代表が出てこなければいけないのだ、これが炭鑛生産協議會の本旨である。これに重點をおいて、私は生産協議會の構成委員について、今質問申し上げておるのであつて、あなたのおつしやるようなことを質問しておるのではありません。そこで勞働委員の方も、營繕とか、選炭とか、あるいは坑内の採炭とか、掘進とかいうふうに、各職場の者が出てくる。また業務委員の方も、經營者代表の方はやはりそれに匹敵する職場々々の責任者あるいはエキスパートが出てきまして、そうしてあなたがおつしやつたように、利潤の分配とか、身分地位の向上とかいうようなことだけでなく、業務の實施について生産協議會において十二分に検討をして、きまつたことは責任をもつて一諸にやろうという態勢にもつていくのがこの生産協議會のねらいである。商工大臣のいわゆる生産意欲の高揚をはかるのがねらいである。こう私は考えておるのでありますが、そうしますと、この生産協議會の構成の内容というものが、非常に重要な問題になつてくるわけであります。構成内容がそういうふうになつてくるとすると、この生産協議會の性格というものが、またそれに關連して非常に重要性をもつてくる、經營者側の代表として發言をし得る者というものの範圍が非常に狹められる。こういうことに結論がなると思いますが、そういう場合を總合的に考えてみて、この生産協議會の構成の内容の人數というものが當然考えられなければいかぬ。この三つの問題を生産協議會の構成の中ではつきりしておかないと、生産協議會の條項にいつた場合、協議する事項とか、その他のことに關連して、いろいろ複雑になつてくる可能性がある。かように考えてこの點私は非常に重要視しておるわけでありますが、もう一遍この點について御答辯を願いたい。
○平井(富)政府委員 生産協議會の構成について、勞働委員をどういう範圍から選定するかということにつきまして、今おつしやいましたような、各方面の職場を代表する者から出てくることが望ましいと思います。しかしこの法案につきましては、單に坑内、坑外というだけの制限でありまして、實際の勞働組合において推薦してくる者を委員に任命するということになつておりまして、ただこれらの協議會の運用につきまして、生産協議會において議がまとまりますれば、それらのことを運用規程としてはつきりいたすということも可能であると存じます。ただこの法文の上におきましては、そこまでこまかく職場々々を代表する者をここに出せという種の法律的な強制を行うということはしておりませんが、生産協議會の性質からいいまして、ただいまのような委員の選定になるということが望ましいと考えるのであります。 それらか委員の數でございますが、これは各企業の具體的な規模によつて異なつてまいりますので、炭鑛管理者がこれをきめまして、そのきめる基準としては、今西田さんがおつしやいましたような事情が、炭鑛管理者の委員の數をきめる際の重要な基準になるのではないかというように考えておる次第であります。
○西田委員 その次は第三十七條に移ります。「生産協議會は、議長がこれを招集し、その議事は、出席した委員(委員代理者を含む。)の過半數でこれを決する。」かように規定してあります。その次に「第三十九條第一項但書の場合には、出席した委員(委員代理者を含む。)全員で、これを決する。こに二つの「委員の代理を含む。」といふ表現が使つてありますが、委員の代理を含まねばならないという理由を承りたい。
○平井(富)政府委員 生産協議會の運用につきましては、先ほど申し上げましたような、一つの生産増強態勢という見地からこれが運用されるのでありますが、勞働條件その他の關係も、當然この生産協議會において論議されることになり、結局經營協議會を實質的に引繼いだといふことになりますので、その議決につきましては、過半數という制度をとりました關係上、しかもその委員が大體におきまして實際の炭鑛の業務に從事しております關係上、あるいは事故によつて出席できないというような場合も考えられますので、その際には代理者を出しまして、この過半數といふことをできるだけ兩方の立場の者が公立に反映し得るようにいたしますために、代理者を認めた次第でございます。
○西田委員 結局委員の代理を認めるといふことは、生産協議會の委員全員が集まらなければいけないという趣旨なんですか。
○平井(富)政府委員 それは過半數といふことにいたしましたために、委員全員の過半數ということでいつた方が適當なんじやないかといふ意味から、代理者を出したのであります。もし代理者を出さぬ委員があつて、しかも缺席したということになりますれば、これは出席した委員の過半數といふことになるのでありますが、なるベく全體の意思を總合して過半數というところできめた方がよいのじやないかという趣旨でございます。
○西田委員 ただいまの平井政府委員の危惧されるごときことが、もし御答辯の内容であるとするならば、代理者として出てこられる委員、代理委員というものをも生産協議會の委員をきめる場合に、從業員の總意によつてきめておかなければその意味をなさぬのではないかと思うのであります。だれでも代りに出てくればよろしいというような、そういう權威のない生産協議會なら、どんなに協議してみても、決して増産目的の達成にはならない、かように私は斷定をいたします。あなたがたの方では、ただ數と數とで爭うのだから、過半數と書いたのだから、どうにかして同じ頭數をそろえなければいかぬという、抽象的なきわめて非現實的な考え方から、そういう條文をおつくりになつたと思いますが、生産協議會というものは、そんなに弱いものじやない。すなわちこの生産協議會そのものが炭坑の運營の中樞をなすのだ。こういう考え方から、だれでも代りで出てきたらよろしい。ただ票を決する場合の頭數をそろえればよろしいというような甘い考え方で、この生産協議會というものは考うべきものじやないと考えます。大體代理委員というものを選任するということがよくない。少くとも一つの炭鑛の中核をなす生産協議會のメンバーは、萬難を排して生産協議會に出席して、ほんとうに業者と一體となり、熱意のある協議をやつてまとまつた方針を決定する。あらゆる熱情をこれに提供すべきである。少くともこの委員に選定されたものは、出てこなければならぬ。しかも生産協議會というものに、かりに二三の委員が缺けたがために、勞働者側と經營者側のどちらにも不利になるようなことを採擇するというような委員會であつたならば、これは勞資間の闘爭のための委員會であつて、決して石炭増産のための委員會ではない。私はこの法案中に規定された生産協議會というものは、そういう性格にまでもつていかなければ、生産目的の達成にならないと思うのであります。その點に關して、商工大臣のお考えを承りたい。
○水谷國務大臣 代理委員につきましては、平井君が述べられた通りであります。もちろん私自身も多少勞働運動の經驗もあり、その立場からみて、この代理というものを何らの制限なしにやつていけば、西田委員の御想像と違つた意味においての危險もなきにしもあらずと思います。この點も、一層私どもとして考えてみたいと思います。
○西田委員 今商工大臣が私が言つたことと違う意味における御心配があるとおつしやいました。私も私の言葉の中には十分にその意味を含ましたつもりであります。さよう御了承願いたい。 第三十八條に「炭鑛管理者は、業務計畫の實施に關し、左に揚げる事項の基本について、生産協議會の議を經てこれを定めなければならない。」かように規定してあるのであります。この議を經てこれを定めること、この關係について平井政府委員に承りたい。
○平井(富)政府委員 第三十八條におきまして、炭鑛管理者は業務計畫の實施に關しまして、一項から五項にある事項の基本につきまして、生産協議會の議を經てこれを定めるということになつているわけであります。從つてこの意味におきましては、一種の何といいますか、必要的にこの議に付さなければならぬという一つの義務がここで課せられるわけであります。この點につきまして、これが決議機關であるか、あるいは協議機關であるかというような點について、いろいろな議論があるのでありますが、この一項、三項に關しまする事項をここに付議いたしまして、これが決定をみますれば、炭鑛管理者としては、この議に從つてこれを行うということになるかと思うのであります。ただ普通の決議機關と違いまして、労働條件以外の問題につきましては、ここで議がまとまりません場合には、石炭局長の裁定を求めるというようなことになつておりまして、普通の決議機關とも變つた性格をもつております。普通の決議機關といたしますれば、議がまとまらなければ、何も執行できないというのが、普通考えられる點でありますが、議を經てから議がまとまらぬ場合におきまして、これが裁定にもつていかれるということになつてまいりまして、從來の決議機關とも、若干の違いが出てまいります。勞働條件に關しますることにつきましては、これは特に現在の營働協約その他一般の勞働關係法規の運用上において見られます通り、これを議がまとまらぬ場合にただちに裁定に移すことも不穏當だということから、これは別途の取扱いをしているわけであります。これら以外の事項につきましては、議がまとまらぬ場合は、裁定に付すという線で從來のいわゆる決議機關ということとも變つたことになる。こういうように考えます。
○西田委員 なかなかお上手な御説明で、八幡のやぶをあつちこつちうろついているような感じがするのでありますが平井さんひとつ聽いてください。八月十六日の商工大臣官邸の最後の打合會のときに、私がこの問題についてあなたに質問したのです。ところがそのときのあなたの答辯は、議を經ることと、定めることは別である。議を經ないでも定めてよろしいのだ。こういうふうな御答辯を私になすつた。今の御答辯を聽いていると、そのようでもあるし、そうでないようでもあるし、どうもはつきりしないのですが、この五つの條項をあげてありますが、勞働條件あるいは勞働能率とか、あるいは經濟問題に關しては、これは議を經なければいけないのだ。その他のことに關しては議を經なかつた場合は裁定が求めらるから決議機關じやないのだ。こういうふうな意味のようでありますが、今のあなたの御説明は、結局議を經ることと、これを定めることは、いわゆる勞働條件に關する問題以外は別だ。かように解釋しても差支えありませんか。
○平井(富)政府委員 これは純形式的な御説明を申し上げますれば、議により、議に從う、こういうように書きますれば、いわゆる純粋の意味の決議機關になります。ただここに一項、三項というのは、積極的な行為をするわけでありますから、一つの勞働條件、作業計畫に關する事項にしろ、これが付議されまして決定いたしますれば、炭鑛管理者はその作業計畫を實施をいたすということになるのでありまして、この場合には、この協議會にかけられました事項が、積極的な一つの計畫をかけるということになりますので、付議されて決定をいたしますれば、炭鑛管理者はそれを實施するということになると存じます。そういう意味で、決議機關的な性格をもつてまいらざるを得ないのでありまして、ただその際に決議機關と違いますところは、議が決しないという場合には結論は出ないのでありますが、これがあるいは裁定であるとか、あるいは業務計畫等については議がまとまらぬという點を副申しまするとかいうことで、議を經てということが三十八條の場合及び業務計畫の場合、それぞれの場合によつて議を經てという意味が、いろいろの場合によつて變つてくるのでありますが、これは主として法律の書き方もありますが、かける内容によつて、そういうような解釋ができてくるのであります。こういうふうに考えておる次第であります。
○西田委員 そうすると、特に「議を經てこれを定める」といふことは、今平井政府委員の御答辯によれば、一面は決議機關的な性格をもつたものであり、一面は何が何やらわからないような性格のものであるという感じがします。これはもつとはつきりしておく必要があると思うのです。八月十三日の商工大臣と私との質疑應答の中では、諮問機關と決議機關の合の子だ、中くらいのところにいくのだということでしたが、これは笑ひ半分に商工大臣はお話しておつたと、私は記憶しておつたのですが、諮問機關と決議機關の中間をいくのであるか、あるいは決議機關としての性格をもたせることに重點がおいてあるのか、その點をひとつはつきりした御答辯を願いたい。
○平井(富)政府委員 この點は先ほどから申し上げますように、作業計畫というものは、積極的な一つの計畫を立てるわけでありますから、この協議會にかけます場合には、議がまとまりますれば、管理者はそれに從つて作業計畫を實施するということになると思います。但し普通の決議機關と違いまして、意見がまとまらぬという場合に、裁定という途によつて別個の意見が出てくるわけであります。すなわち管理者が出した意見が生産協議會でまとまらぬといふ場合につきましては。石炭局長の裁定へもつていつて、そこで最終的な決定が與えられるといふ場合において、從來の決議機關とも違つた性格があるのであります。それから業務計畫につきましては、同じく「議を經てこれを定める」議を經なければならないのであると書いてございますが、そこにおいて議がまとまらぬ場合において、議がまとまらぬといふことを副申をして、管理者といたしましては事業主に報告し、事業主はそれを石炭局長に申し出るという意味におきまして、從來の單純な決議機關とも違つた性格があります。もちろん諮問機關でないことは當然であります。これは三黨の間においてこういう行き方をきめられたのでありまして、私どもはこれが決議機關であるとかいう意味においてこれを書いたということではなくして、三黨においてきめられた内容をそのまま條文化したのであります。從つて業務計畫につきましては、大體において一種の協議をする機關だと思います。そこで結論が出ませんければ、結論が出ない、あるいは生産協議會が反對した場合には反對したというので、議がまとまらぬということを副申して出すわけであります。それからこの第三十八條の一項から三項にあります事項については、結局これは決議機關として實力をもつてまいるわけであります。ただその際に裁定という普通の決議機關とは違つたものがここに出てくるのであります。かように考えておる次第であります。
○西田委員 今のような答辯を平井政府委員にされると、商工大臣は三黨首會談のときにおられたのですけれども、どうも三黨首に來てもらつて質問しなければならぬ。これはどうも平井政府委員の御答辯の仕方が少しまずかつたと私は思うのですが、かりに三黨首の間でどうなつておろうとも、條文を作成する上においては、はつきりすべきことははつきりするように條文の上で現わしてもらわなければ、われわれの審議する上において非常に困る。われわれが困るということは、われわれが實際にこの條文に從つて現場の運營にあたる場合においては、なお現場は困る。かような結果が起きてきて、この法案の目的の達成が非常な困難な情勢下に陷つてしまう、こういうことを私は懸念するのであります。これをはつきり、決議機關であれば決議機關として終始一貫した規定でいくことがあたりまえであります。諮問機關であれば諮問機關であるという形で、はつきりした條文の表現を私は政府に要望するものであります。この第三十八條の問題を論議しておれば、今日中に濟まそうとしてもとても濟みませんから、これは後日に留保して論議するということにして、この條項は一應ここで打切ります。 次は第三十九條、これは一昨日勞働大臣にも商工大臣のお勸めによつて御質問したのでありますが、そのときの勞働大臣の御答辯は、勞働大臣が強制調停をするからいいじやないか、こういう結論であつたと私は受取つておりますが、勞働大臣が強制調停をされるといつても、勞働大臣に強制調停を頼むものは、すなわち主管大臣でなければならぬということが勞調法の第八條で規定しておるのであります。そこでこの第三十九條にある勞調法に任せるという行き方ではなくて、もう少し何か積極的に勞働争議の起ることがあり得るであろうということが想定されるのだから、この法案の中に何か積極的な規定を設けた方がよいのではないか、かように考えております。これは私が勞働大臣に質問しても、勞働大臣がこの條文をどうするこうするという御返答はないでしようから、やはり商大工臣が勞働大臣に交渉されて、そしてこの法案の中に争議行為に關してもつと積極的な規定を何かお設けになる必要があると思いますが、商工大臣はどうお考えでありますか。
○水谷國務大臣 この問題につきましては、前の機會にも私が述べた通りでありまして、石炭増産の一切の責任を負う商工省の立場からいたしますれば、商工省案、あるいは安本案として傳えられたときに、はいつておつた條文を活す方がよいという考えをもつておつたことは事實で、その通りお答えしたのであります。それがいろいろの事情によりまして、こういう結論になつたのでありますが、私自身の氣持は、やはり原案の方がよかつた、このように考えております。
○西田委員 商工大臣のただいまの御答辯では、この前もそうでありますが、原案の方がよかつたという御主張であります。原案がもしそうきめることが妥當な案であつたということであれば、強力にひとつ主張していただいて、どうしてもこの法案の中に織りこんでいただきたい、私かように考えて、商工大臣がそういうふうに閣議の席で、あるいは個人的な關係においても、勞働大臣をひとつくどき落されるように努力してもらいたいということを、商工大臣に切にお願いしておきます。 次は第四十八條に移ります。この四十八條に「局長は、石炭の生産に關し學識經驗ある一級の商工事務官又は商工技官を以て、これに充てる。」かように書いてあります。これは再三平井政府委員から説明を聽いておるのでありますが、いわゆる一級の商工事務官または商工技官というものは、任用上の關係があるのでこういう表現をしたのであつて、民間の學識經驗者から登用するのだ、かように聽いておりますが、さように了承して差支えございませんか。
○平井(富)政府委員 石炭局長はこれの責任の地位に立つわけでありますので、官吏ということにいたしたために一級の商工事務官、商工技官といたしたのでありまして、その上に石炭の生産に關し學識經驗あるということで、いわゆる民間人が一級の商工事務官または商工技官として石炭局長になる、こういうふうに考えております。
○西田委員 商工大臣は岡田委員の局長に對する條項の質問の答辯で、勞働組合側、經營者側の推薦する民間人をもつて局長にしたい、こういうふうな御答辯があつたように私は記憶しております。われわれが考えておりますのは、商工大臣の御答辯はまことに結構でありますが、それではどういうふうな形によつて選ばれた人を大體局長に任用しようというお考えをもつておられるか。これを一口に言いますならば、現在は九州におけるものであれば福勞協というような勞働組合の會議がある。あるいはまた現在石炭復興會議というものは脱退するとかせんとか騒いでおるようでありますけれども、石炭復興會議というような一つの勞資双方のもつておる會議がある。そういうものの推薦する民間人というものを局長に任用されるという御意思であるのか、しかもその推薦をする、あるいは贊成をするというような度合が、選擧というような形で行われるものであるのか、あるいは單なる團體の推薦ということで、商工大臣がこれを認定して採用されるということであるのか、その點について商工大臣の御見解を承りたい。
○水谷國務大臣 これは法文からいけば、商工大臣が任命すればいいことになつているのでありますが、先に岡田委員の場合に述べましたように、石炭局長という者の非常に重要なる立場に考えまして、できなるらば勞資双方の納得する人を選びたいということを言つたことは事實でありまして、ぜひそうしたいと思つております。それではそれをどういうぐあいにするかということは、これはそのときのいろいろの事情によるので、ここではつきり明言はできませんが、かりに石炭復興會議なら復興會議で、勞資双方が寄つていろいろ相談してやつていくというようなところで、きめてもろうのも適當でありましよう。さらにまた石炭復興會談以外の方法によりまして、勞資双方にきめていただくことも結構でありますが、それはあくまでも選擧とかあるいはそういう形式ばつたことでなしに、勞資双方の代表者が膝つき合わせてひとつ御懇談をしていただいて、その結果一人なら一人ということをきめていただけば、結構でありますが、あるいは一人でおつつかぬときには、二、三人候補者をもつてきてもらつて、そのうちから選んでいくというような方式でも結構だと思います。形式は今少しも考えておりません。實質的な意味において勞資双方が納得きる人ならば結構だというように考えております。
○西田委員 ただいまの商工大臣の御答辯で大體了解がいきましたが、これはまた商工大臣の言動に關する問題でありますが、石炭局長を任用する場合に、勞働組合側から局長を任命するのだというようなことを、商工大臣がある勞働組合の幹部の人に言われたということが、流布されております。それで私はこの局長の商工大臣の選任の點について、今何囘も繰返してお尋ねしたのでありますが、まさか商工大臣はそういうことは言われておらぬじやろうと思いますが、そういうことが盛んに言われております。商工大臣はこの前もいや、われわれはうそと坊主の頭はいわないんだというふうにおつしやしましたが、どうもそうばかりも受取れないように考えられる。次々にあなたのおつしやつたことはニユース價値があるのかしらぬが、大きく傳えられる。これはあなたがだれにお話になつたか、私はその名前も知つているのでありますが、そういうふうに、非常にまずいから、今の局長の點は特に商工大臣の御配慮をお願いしておきたいと考えます。 それからこれは平井政府委員にお尋ねしますが、第四十八條の規定と第五十條の第三項に、石炭の生産に關し學識經驗ある官吏の中からとありますが、これはどういう意味でありますか、ひとつ御説明を願います。
○平井(富)政府委員 五十條第三項におきましては、これは要綱が審議されました際に、石炭局の局員の構成は少くともその過半數は民間人をもつて充てなければならないという條項がございました。これに從いまして、局員の定數の過半數に相當する局員は、石炭の生産に關し、學識經驗ある人、これはいわゆる民間人で、ワンダラマン式に石炭局員となつて石炭局の仕事をとるものである。それから石炭の生産に關し學識經驗ある官吏は、局長の方で御説明申し上げましたように、石炭の生産に關して學識經驗ある民間人が官吏となりました場合に、官吏というので結局ワン・ダラ・マン式に政府職員としてはいる者、官吏の身分を保有してはいる者、これを併せて民間人をもつて過半數を占めるという趣旨を法律的に書きますとこうなる次第であります。
○西田委員 今の説明でその點わかりましたが、そういたしますと、本法案の第八條の「政府その他の職員」というのは、ワン・ダラ・マン式に採用された人たちをいうことを指すのでありますか。これは平井政府委員に伺います。
○平井(富)政府委員 第八條におきまして當該官吏といたしました次に政府職員と入れましたのは、ただいまの職員を含めた意味で、政府職員というのであります。
○西田委員 私は憲法違反ではないか、憲法に牴觸しやしないかと質問したところが、それに對して抵觸しない、手續規定だから別に大したことはない、かようなきわめて輕い御答辯で、私は一應引下つたわけでありますが、憲法の規定によりますと、司法官そのものがもついわゆる臨檢書をもつていかなければならないというように、非常に嚴密に規定してあるように私は續んでおります。當該の官吏が行くさえも、私は多少疑問がある上にもつてきて、その他のいわゆるワン・ダラ・マン式の職員でも、ただ石炭廳長官や石炭局長の一片の證憑をもつていくことによつて、他人の事業場も臨檢し、他人の帳簿を勝手に臨檢するというようなことを許すということは、どうも私には憲法の關係から考えまして、あなたは憲法に牴觸しないとおつしやつたけれども、もう少し深くあなたも私も研究してみる必要がありはしないか。どういうわけでその他の政府職員というものを、ワン・ダラ・マン式のものをこの中に含ませなければ、この第八條が意味をなさないかという點、もう第八條は濟んだのですから答辯は求めませんが、この點は平井政府委員において、もう少しつつこんだ研究をしていただきたい。私も研究します。第五十條の今のワン・ダラ・マン式な職員というものと、第八條と關連して考えまして、この質問を私は保留して、後日またこの委員會の繼續中答辯の求めたいと考えております。 第五十五條、この條項以下は炭鑛管理委員會というものについての規定でありますが、これを通じて見ますと、炭鑛管理委員會というものは諮問に應ずる、調査審議をするというような表現がしてあるだけでありまして、この法案中の最も民主化された機關でなければならないこの管理委員會というものが、非常に輕い意味に取扱われておるように、私は解釋いたします。これはまことに遺憾千萬であります。私たちが考えておりますいわゆる管理の民主化といいますか、これは官僚統制の弊害をできるだけ弱くして、そうして民主的な管理の運營をやつていくという建前から、管理委員會というものは、いろいろな競合點もありましようけれども、極度にいわゆる權限をもたした委員會でなければならない。少くとも商工大臣もこの前言われたようなこともありましたけれども、この管理委員會というのは、實質的な決議機關でなければならない。こういうふうに私は考えております。それと同時に諮問機關であつて、この前平井政府委員は常置されるものであるという御答辯でありました。常置された委員會であつて、この五十五條以下に書いてあるようなことをするということだけでは、管理委員會の事業内容そのものもはつきりしない。これはぜひとつはつきりしなければいけない。まず第一に、炭鑛管理委員會というものは、全國炭鑛管理委員會も地方炭鑛管理委員會も、實質上の議決機關になる性格をもたせるべきことが一つ。その次に二つの炭鑛管理委員會というものは、ぜひ事業内容として絶對にやらなければならぬ、その一つは石炭鑛業の管理の運營方針、これは石炭鑛業を管理するがために設けられた特別の機關である。この管理の運營方針に關しましては、どうでもこうでも、この管理委員會ですべてのことを調査しなければならぬという建前になるべきものであると思う。その次は、これは石炭の増産のためにできた委員會である。石炭の生産に關するものは、管理委員會がほとんど全部やるべきものである、こういう構想によつて、石炭生産の最高能率の發揮に關して必要な事項ということが、この管理委員會の事業内容としてはつきり規定しておくべきものである。これはさつき申しましたように、この管理委員會というものは決議機關たる性質をもたすべきものである。これは法文に書き表わさないとすれば、少くとも商工大臣ないし地方石炭局長というものが、管理委員會というものはそういう性質の機關であるということで、常に尊重した答申をするという規定を、法文で規定することができなければ、何かでそういうことができないか。かように考えておるわけでありますが、この點について商工大臣の御答辯を願いたいと思います。
○水谷國務大臣 この炭鑛管理委員會の性格に關して西田委員のおつしやつたような御意見は、實業家方面からも、またその他の方面からも聽かされておるのであります。そこでわれわれもいろいろその點は考慮いたして、この全國炭鑛管理委員會の議長を——初めは議長を、石炭廳長官というものを考えておつたのでありますが、それを商工大臣というものをもつてきまして、そこでやられたところのいわゆる決定事項というものは、大體商工大臣がそれに反してやらないというような含みで、商工大臣をその議長にもつてきたというように御了承を願いたいと思います。
○西田委員 商工大臣が委員長になつておるのだから心配せぬでもよろしい。實際は委員長はその會議できまつた通りやるのだ。そういうふうに實行してもらえれば結構だと思います。しかしながら、あとで申し上げました委員會の事業内容については今御答辨がなかつたようですが、これはぜひこの三つの目的をはつきり規定しておいて、そうして常置して、しよつちゆう調査をして、いついかなる諮問を受けても、これに對して完全なる答申ができるという體制に置いておくことが最も緊要である。かように考えております。この點商工大臣の善處をお願いいたします。 第五十八條にはいります。「地方炭鑛管理委員會の委員は、石炭の生産に關し學識經驗ある者五人以内、石炭局局員である者五人以内、」かように規定してあります。なぜ地方管理委員會の中に石炭局の局員である者を五人以内加えなければいけないのか、この點について平井政府委員の御答辯を願います。
○平井(富)政府委員 地方炭鑛管理委員會は、石炭局長の行います管理と二二一體の形で運用されておるわけであります。すなわち管理の實體で一番行政機構として重要な點は、石炭局長と地方炭鑛管理委員會との二つが一體的に動く、こういう點にあるというふうに考えております。從いまして、この石炭局の構成につきまして、思い切つた民主化とエキスパートの注入を行いまして、石炭局の動き方が民主的であると同時に專門的に行わせる。同時に地方炭鑛管理委員會というものと二位一體的に動かす必要があると思います。その意味から、地方炭鑛管理委員會には、石炭局の局員である者として、この局員にはたとえば生産の關係、あるいは勞動の關係維あるいは經理の關係から、それぞれエキスパートである民間人を入れますので、それらの局員が、この炭鑛管理委員會のメンバートなつて、石炭の運營と、地方管理委員會の運營とが、一體的に動き得るように仕組みたいと考えている次第であります。
○西田委員 地方石炭局の職員で局員である者は、いついかなる場合においても、石炭局長は必要と認めれば、當該の委員會に出席をして發言する權限はあると私は考えます。權利じやない。機會が必ずあるものと考えております。それにもかかわらず、今平井政府委員が言われたように、エキスパートだからその會議に委員として入れておいた方がいいのだというような考え方ですが、それではやはり地方炭鑛管理委員會の委員など、他の局員以外の委員は、これは業界のエキスパートじやない。少くとも石炭局員の五人よりか下の者がはいつてくるのだというふうに受け取れるのです。そういうふうに管理委員會を低いものに考えられ、そういつたふうに取扱われることによつて、最初はいわゆる民間人であつても、一旦局員となり官吏となつた以上は、これはやはりわずかな人間がはいつてくるのですから、やはり今の官僚を變らない考え方をもつだろうと思うのです。そして現場の實態とは相常離れた境遇におかれることによつて、決して石炭局局員の言うことだけが、ほんとうに業界のエキスパートから選拔を受けておつても、いつまでもエキスパートとしての資格をもつたものじやない。これはすなわち惡く解釋すれば、石炭局員に五人を入れておいて、官僚がイニシアテイーヴをとつていく。あるいは石炭局でつくつたお手盛り案を委員會にうのみにさせるというようなことが考えられた上で、こういう規定が設けられたのじやないかと、解釋できる點も多々あるわけであります。私はこの石炭局員五名を地方炭鑛管理委員會の委員に入れるということには不贊成であります。これはできなくても、今平井政府委員が言われた答辯のような目的は、完全に達成できる、かように考えております。この點に關して商工大臣の答辯をひとつお願いいたします。
○水谷國務大臣 これは大體私らが想像しておりますのは、九州のごとき石炭局の支局とか、あるいは地區のブランチをおくことを豫想しております。そういう人を大體この五名の中に豫想しておるのでありまして、石炭局の中で働いておるもの、そうして局長と一しよにずつと仕事しておるというようなものじやなしに、そういうブランチの方の代表者というようなものを、大體これに充てたい。このように考えております。
○西田委員 ただいま商工大臣の御答辯に、ブランチの代表者を入れるというようなお言葉がありましたが、このブランチをきめる條文は、ここにありますように地方炭鑛管理委員會が、いわゆる支所に讓つた權限については、地方炭鑛管理委員會で決定したと同じような權利をもつことができるという規定があります。そこで地方炭鑛管理委員會の實態と申しまするものは、この強固なブランチができましたならば、地方炭鑛管理委員會は、大掴みの總合的な計畫に基くことだけしかやらないで、あとは各ブランチブランチの委員會ができるでしようが、その委員會でその部分の炭鑛の業務の實際の運營をやつていくということにならねばならぬと私は考えております。そういたしまするならば、今商工大臣の言われたようなブランチも頭分が地方炭鑛管理委員會の地方的な總合計畫を立てる上において出てくるということも一應考えられぬでありません。この點平井政府委員はどういうふうにお考えになつておりますか。
○平井(富)政府委員 ただいま大臣から申し上げましたのは五十九條の方に「地區部會を置くことができる。」たとえば九州、北海道地區においても、單一の地方管理委員會のみの運用では不十分でございましようし、石炭局の構成からいいましても、やはり各重要な地區に石炭支局をつくりまして、これにしつかりしたスタツフをおくということを考えているわけであります。從つてたとえば九州、北海道地區におきまして、地方炭鑛管理委員會において、地區的な生産計畫等を設定する場合におきまして、これらの地區部會の意見ということが強く反映してくることが必要ではないかということも併せ考えまして、石炭局局員である者が五人以内というふうに規定いたした次第であります。
○西田委員 今の御答辯はあまり當を得てないと思います。時間がないので次にはいります。この條項の中の委員の割振りについてお尋ねいたします。「指定炭鑛の生産協議會の勞働委員である者十人以内、指定炭鑛以外の炭鑛の事業主(法人であるときにはその代表者)である者六人以内及指定炭鑛以外の從業者(炭鑛の事業主の利益を代表すると認められる者を除く。)である者六人以内とし、石炭局長が、これを命ずる。」かように指定炭鑛と指定炭鑛以外との關係が明記してあります。この指定炭を十とし、指定炭鑛以外のものを六とした委員の割振りの理論的な根據を承りたい。
○平井(富)政府委員 地方炭鑛管理委員會の委員でありますが、大體指定炭鑛の數及びそれに從いまする非指定炭鑛の數というものが、指定の方針あるいは指定の實際によつて變つてくるというふうに考えられまするが、當面出發いたします場合におきまして、やはり非指定炭鑛の數も、炭鑛の數から言えば相當の數が豫相されまするが、生産量自體の點からいいまして、指定炭鑛の指定が相當進んでまいります場合には、生産量自體としての問題としてどちらが大きいかということも、指定の進行に從つて變つてくるわけであります。そこでこの管理で一番問題になります點は、いわゆる指定炭鑛に關する管理ということでございますので、地方炭鑛管理委員會の業務も、從つてまた指定炭鑛に關する管理業務ということが主體になつてまいりますので、指衣炭鑛を十にいたしました場合に、非指定炭鑛の大體の數は、それに對する六割程度の六人ということで、大體非指定炭鑛の主張する利益というものも保護されるのではないか、この地方炭鑛管理委員會において、たとえば資金、資材の計畫を立てます場合におきましても、いわゆるこの運用上あまりに指定炭鑛偏重になるということは、非指定炭鑛に對する影響が非常に大きくなりますので、資金、資材等について、必要なところに必要な資金、資材を投入するという意味におきまして、指定、非指定炭鑛について、まずこの程度の委員というものをおくことにして、それらがバランスをもつて處理し得るものじやなにかというように考えた次第でございます。
○西田委員 ただいまの平井政府委員の答辯も、まだこれ當を得ないものであります。商工大臣の提案理由の説明の中の、大きな炭鑛から始めるのだというあの理由と、それからこの條項で見ます十對六の比率と、それから第十四條の指定基準をきめなかつたという考え方と、この三つの條項を總合して私が判斷いたしまするに、この法案の中に含まれている指定炭鑛というものは、少くとも大手筋の炭鑛は一擧に全部やるのだ、それは全國出炭の六割ないし七割程度のものは全部やらなくちやいかぬという最初の安本案の中に盛られておつた構想、竝びに社會黨の案の中にあつた構想、こういうものを生かして、この三つの條項はきめられているのではないかと、私はかように判斷するものであります。なお平井政府委員のただいまの御説明の中に、指定外炭鑛の利益を考慮して云々、指定炭鑛の利益を考慮して云々という御答辯がありましたが、少くとも平井政府委員の考え方から判斷しますと、指定炭鑛に關係をもつたものでなければ、この指定炭鑛の事業運營の實態の批判能力をもつたものはないのだと解釋するのでありますが、その管理委員會は九州なら九州、北海道なら北海道という各地區別の炭鑛事業運營の總合的な見地から、いかにしてその山を運營すべきであるか、また個々の山の實態をよりよく認識して指圖し、あるいは援助していけるような發言のできるような委員を選ぶべきであつて、決して指定炭鑛とか、指定炭鑛外とか、利益がどうとかこうとかいう小さな見地から全國炭鑛管理委員會でも、中央炭鑛管理委員會でも、その委員を選任すべきではないと考えております。われわれ民主黨が最初から主張しており、また三黨首會談においても協議決定をされましたように、どこまでも炭鑛を指定する場合においては、そのときの石炭生産の實情に應じて炭鑛を指定する。いわゆる管理せんがための管理であつてはならない。どこまでも増産の見地に立脚して、それを忘れないで、炭鑛を次々に炭鑛管理委員會にかけて指定していく建前をとるべきである。この五十八條にあるような、いわゆる十對六の比率を前もつてきめるべきではない。これは人數は十六人でも二十人でもよろしいが今申し上げたような總合的な見地から十二分にそれを檢討して、いわゆる管理委員會で石炭増産のために有益な發言をなし得るような見識をもつた人を選定すべきであると思います。商工大臣はいつも提案理由に盛られたことを否定して、いや、一擧に畫一的にやる意思はないのだとおつしやにますけりども、私はどうしても民主黨の從來主張してきた點、三黨首會談で協定された點を全然オミツトしてしまつて、依然として安本案とか、商工省案の構想にとらわれて、この法文ができておるということを、この際強調して指摘したいのであります。もし商工大臣にして、そうではないということであれば、いずれ第十四條の指定については、修正案を本委員會に提出する豫定てありますか、これが通りました場合には、ひとつ今までの考え方をさらりと捨てて、ほんとうに増産の見地から炭鑛の指定をされるということを、ここに確約してもらいたいと思いますが、商工大臣の見解を承りたい。
○水谷國務大臣 この問題は、ひとり十四條の問題だけに限らず、私が岡田委員の場合にも申しましたように、この法案全體に對して賛成反對という意見がわかれておる。しかしながら、最高の國家意思機關である國會の決定があつたならば、從來いかなる立場であわうとも、さらりとして、その最高の國家意思に服從せねばならぬということを言つた態度が、ただいまの十四條の西田さんの質問に對する私の答えになつておると思いますので、さよう御了解を願います。
○西田委員 どうも商工大臣は、私の言い方がまずい點もありましようが、百口しやべらせて一口しやべる。しかもその御答辯は見當はずれな御答辯をされるので、はなはだ物足らぬ感じがいたしますが、この程度でこの章はやめて、第八章の罰則のところにはいります。 これも罰則を一々條文と比較照合して質問をしておつたのでは非常に時間がかかりますので、總合的に質疑をしたいと思いますが、この前の私の質問に對して商工大臣は、他の罰則も調ベて適當であるかないかを委員會で説明をするというような御答辯もあつたように記憶しておりますが、商工大臣は、その後この法案の罰則について、他の罰則と比較研究されて、結論を得られておるか、お伺いしたいと思います。
○平井(富)政府委員 ただいまの罰則の點について申し上げます。臨時石炭鑛業管理法案におきまして命令に違反する者については三年、三萬圓ということにいたしておりますが、これに似ております終戰後においてできました法律の罰則を大體拾つてみますと、臨時物資零給調整法におきましては、物資の割當または讓渡命令等に對する違反が十年、十萬圓になつております。それから各種の公團法、これの監督命令違反につきまして五年、五萬圓という基準でございます。企業再建整備法におきましては、株式讓渡命令等に違反した場合に三年、三萬圓ということになつておるのであります。この罰則において、ただ私的獨占禁止に關する法律におきまして、株式の處分命令等のいわゆる命令違反が一年、一萬圓、この獨禁法の罰則が管理法に比ベて低い。その他につきましては、物調法が十年、十萬圓、公團法が五年、五萬圓、企業再建整備法が三年、三萬圓ということになつておるわけであります。この一連の法律關係におきまして、臨時物資需給調整法は、臨時の物資の調整について命令をなす場合でありまして、これはいろいろなケースがあろうかと思います。從いまして最高刑は十年、十萬圓というふうにいたしますとともに、この範圍内において、刑の量定を適正にやつていくという考え方をとられておるかと思います。從いまして、管理法においては、この物資需給調整法と異なりまして、大分低めたわけであります。各種の公團法につきましては、大體命令違反が五年、五萬圓ということになつておりますが、これは特殊の公團に對する關係とは違いますので、五年、五萬圓よりも、三年、三萬圓に下げた次第であります。企業再建整備法は、株式讓渡命令等のいわゆる命令違反に對しましては三年、三萬圓という點で、大體この管理法案と同様の罰則規定をおいてある次第であります。大體におきまして、石炭鑛業の重要性に對する管理という點から見て、罰則の制定をいたしたわけでありますが、他の法令との關係は、今申し下げました程度でありまして、それぞれ他の法令の特異性、本法案の特異性から見まして、この程度が至當ではないかと考えたわけであります。
○西田委員 平井政府委員から、今本法案の罰則と他の法案の罰則について伺いました。本法案の罰則よりも重い罰則を述べられました。しかも本法案の目的と今述べられた臨時物資需給調整法とか、その他の法律の目的とは、非常な差があると考えます。今述べられたような法律罰則規定と、本法案の罰則の規定と比較して、本法案の罰則規定が適當であるというような解釋は、これはむりにこじつけた解釋であると考えます。もつとも最近できました勞働基準法の違反の罰則をお調べになればよくわかると考えますが、少くとももこの石炭管理法案というものは、いわゆる管理せんがための管理ではなくて、萬やむを得ざる助成法案の中にいわゆる管理を少し加味して、そうして石炭の増産を助長、指導するといな建前によつてつくられな法案であると思う。そこでこの章でいう炭鑛管理、いわゆる指定炭鑛にあらざる炭鑛の罰則は全廢する。それがどうしても全廢できなくて、他の法律との關係上何らかの罰則——命令違反とか報告違反とかいうものに對する罰則をつくらなければいかぬというのであれば、これはせめて行政處分か科料程度で、この罰則て輕減するという方向に、政府は十分愼重なる考慮を拂われたいと考えます。そうして管理炭鑛の中にある條項がはいつておりますが、あれは指定炭鑛の中に移して、管理炭鑛の死守せねばならぬ條項は條項としてこれを處理されるのが適當であると考えております。 大分時間も過ぎましたので、今日はこの程度で質問を打切ります。しこうしてその次は商工大臣と總理大臣とお二人に御出席を願い、十分か二十分で終りたいと考えております。かよう委員長は御承知願いたいと思います。
○伊藤委員長 本日はこの程度とし、次會の開會日時は公報をもつてお通知いたします。本日はこれにて散會いたします。 午後零時二十一分散會