厚生委員会 第18号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1947/09/29
会議録
○小野委員長 これより會議を開きます。 兒童福祉法案を議題として審査を繼續いたします。野本品吉君。
○野本委員 私は最初に兒童福祉法案審議の基礎となるような事項につきまして質問いたしたいと存じます。 第一にお伺いいたしたいと思いますことは、厚生省の母子衞生課發表の資料によりますと、最返の妊産婦の體質等が逐次著しく低下、惡化しているようなことを發表しております。これは、戰爭以後長期にわたる過勞、それから榮養の不完全から當然豫想されることであります。この點について實情を一應承つておきたいと思います。
○米澤政府委員 實は妊産婦あるいは乳兒等の問題につきまして、去年の七月から御承知のように正確な統計をとり始めまして、この六月分が最近まとまりましたので、完全な一箇年分が近く數字に大體でき上ります。それで去年の秋ごろわれわれが考えておりましたより、低下という問題は最近よくなつてきているようでありますが、ごく近日中に一年分の正確な數字ができますので、それをお届けしたいと思いますから、その節に御了承を願いたいと思います。
○野本委員 同様に兒童、特に出生兒の體質、體力及び榮養の状態についても、幾多の發表が厚生省からされているのでありますが、これも私どもは當然豫想されることであります。さらに經濟白書に示されておりますように、すでに過去九箇年以前の學童に比較いたしますと、現在の學童の體位というものは、一箇年ずれているというようなことも發表されておりますので、この點についてどのような事情になつておりますか、これを伺いたい。
○米澤政府委員 これにつきましても數字をもつて一緒に説明させていただきたいと思います。御了承をお願いいたします。
○野本委員 次に、これは敗戰各國に共通している問題でありますが、敗戰と浮浪兒の問題であります。われわれは驛に、あるいは汽車の中に、あるいは道路上に浮浪兒の群を發見し、またその浮浪兒が著しく好ましからざる行動及び生活を續けていることを實に痛痛しく思つております。現在における日本の浮浪兒の状態がどのようになつているか、それから浮浪兒について現在とられつつある方策及びその實情についてお伺いいたします。
○米澤政府委員 御承知のように、終戰後ちまたに浮浪兒の問題が出てまいりまして、政府といたしまして、まず兒童問題といたしましてこの問題に氣をつけてまいつたのでありますが、昨年浮浪兒の問題につきまして緊急の對策をつくりまして、これらの最も多いと思われます六大府縣に福岡を加えまして、それらの各地に浮浪兒對策委員會を設けました。また特にこの浮浪兒の収容施設等を、きわめて應急的ではありましたけれども設置いたしまして、昨年の暮から今春にかけましてそれぞれでき上つているのであります。その以外の府縣におきましては、具體的にそういう施設等は臨時に増設することはなく、今までの收容所關係の施設その他に収容いたしているのでありますが、今申し上げましたように、七大府縣に關しまして二億三千萬圓ぐらいの豫算を緊急に出しまして、兒童の鑑別機關あるいは收容施設、一時保護所、こういうものを設けまして、應急對策を實施している次第であります。
○野本委員 七大府縣に委員會を設けまして應急の對策を實施せられつつあることは、かねがね承つておりますが、その實情を詳細に調ベますと、遺憾ながらわれわれの期待に副うようになつておらないと思います。また浮浪兒の問題は、應急對策だけではとうてい完全に解決することができないので、これらの浮浪兒に對しましては、國といたしましては恆久的な對策を考える必要があろうと思うのでありますが、この點につきましてどういうふうにお考えになつておりますか。
○米澤政府委員 まつたくただいまの御意見の通りでありまして、政府といたしましては、實は一應の應急的な對策ができたという段階であるのであります。つきましては福祉法案によりまして今後恆久的な對策を考えたいと思つているのでありますが、特に浮浪兒につきましては、できるだけその教育あるいは職業補導その他の面におきまして、今後の恆久的な對策を十分立てていきたいと考えているような次第であります。
○野本委員 先般の厚生大臣の本案提出の理由説明といたしまして、兒童福祉法は一般青少年全般を對象として考えられているということを言われております。まさにそうでなくてはならぬと私は考えますが、ここでお伺いいたしておきたいと思いますことは、青少年問題としての社會教育、それから學校教育との關連の問題であります。この法案を提出するにあたりまして、文郡當局との間にこれらの關連につきまして、どのような交渉をもつて進められているかということをお伺いいたします。
○米澤政府委員 この青少年對策につきましては、もちろんお説のように、文部省系統からは教育の面からする問題が非常に多いと思います。あるいは司法關係の刑事政策の面からする問題、ただいまお話の社會教育の面から考えられなくてはならぬ問題、いろいろ文部あるいは厚生間において關連する事項が非常に多いのでありますが、われわれといたしましては、ぜひ現行の制度においてそれぞれ専門的な立場からこの問題を取上げていくという方が、むしろ效果的であるというふうにも考えられますので、教育の面から文部省系統においていろいろ施策いたします問題と、厚生省において福祉の面において取上げていく問題、これは多少理窟の上ではわかりますけれども、實際問題として錯雜するような點も一、二豫想されないこともないのでありますが、大きな點から、教育の面からするいろいろな施策、また福祉保護、こういう立場からいたします行政と、やはりそれぞれの立場から兒童を保護教導していきたい、こういうふうに相談しておるような次第であります。
○野本委員 その問題に關連しまして具體的な問題につきましてお伺いしたいと思います。その一つは、現在文部省として實施されておりますところの學校給食の問題でありますが、學校給食の實施の實情を見ますと、私どもからしますとはなはだ遺憾の點が多いのであります。たとえば給食の費用が地方に交付される。これを金をもつて支給するとか、あるいは物によつてするにいたしましても、きわめて便宜主義的な、間に合わせ的な方法をとつておる場所が相當多いのであります。この學校給食の問題は、兒童の榮養の問題を根本的に解決しようとする大きなねらいがあるのでありますが、厚生省の學校給食に對する考え方は、どういうふうな考え方であるか、これをひとつ伺いたい。
○米澤政府委員 學校給食につきましては、關係方面と厚生省、農林省、文部省と連絡いたしまして、實施しているような次第でありますが、御承知のように、食糧關係の事情さへ許しますれば、學校給食によつて學校において榮養を補給し、また學童のいろいろな——實際學校において辯當をもつてくる子供があつたりなかつたりするというような、困難な問題も解決ができると思われまするので、厚生省といたしましても、この學校給食につきましては、文部省にできるだけの連絡をいたしまして、資材の配給その他について非常な協力をしているような状態でありますが、一應は文部省の方でこれを所管してやつていただいているような實情であるのであります。
○野本委員 學校給食の問題につきまして、學校當局はきわめて熱意をもつて效果的にこれを行おうとする考えをもつておるのでありますが、ただいまお話のありました資材の入手その他につきまして、あらゆる方面に隘路があるのであります。この隘路の打開に對しまして厚生省、それから農林省等がもつと積極的に文部省に協力し、また實施の内容等につきましても、十分目を届かせる必要があろうと思います。今後この點に關しまして一段と努力せられまして、せつかく實施されておりますところの學校給食が、遺憾なくその效果を發揮することのできますように、途を開いていただきたいと思いますが、この物資の補給その他につきまして途を開くことのできる確信と申しますか、そういう豫想がつきまするかどうか、一應お伺いしたいと思います。
○米澤政府委員 これはただいま私から申し上げる材料が乏しいのでありますが、御承知のようにこの秋から關係方面の奬めによりまして、ミルクをさらに配給することにいたしております。國内の食糧事情その他から申しますと、國内のいろいろな食糧をさらにこの點に増すということにつきましては、非常に困難な事情があるものと考えておりますが、これにつきましてはできるだけ御説のように厚生省としまして努力せねばならぬものと考えておるのであります。
○野本委員 ぜひこの問題につきましては一段の努力をしていただきたいことを要望する次第であります。 次にお伺いしたいと思いますことは、少年教護法と兒童虐待防止法の第一條に示されております兒童及び少年の年齢範圍と、兒童福祉法案に示されておりますところの年齢範圍とは著しく違つておりますが、特に從來十四歳までを對象としておりましたものを、十八歳までに延長しました理由を一應お伺いしたい。
○米澤政府委員 ただいま御指摘の通り、少年教護法と兒童虐待防止法に關しましては十四歳をもつて限界といたしておつたのでありますが、このたびの福祉法案におきましては十八歳までこれを引上げたのであります。これは先ほどいろいろお話のありましたように、特に戰後の浮浪兒の問題、あるいは一般的青少年の不良化というような問題を檢討いたしました結果、十四歳未滿というよりも、それ以上の年齢層におきまして、問題とすべき兒童が相當多く見受けられるのでありまして、この際これを十八歳——年齢を區切る點につきましては、御承知のように十六歳あるいは二十歳といろいろあるのでありますけれども、たとえば勞働基準法等におきまして十八歳をもつて少年勞働の限界といたしておるような實情でありますので、十四歳から十八歳まで引上げたような次第であります。
○野本委員 ただいまの年齢の限界を延長せられましたことにつきましては私も同感なのでありますが、なお私の調査いたしましたところによりますと、警視廳におきまして昨年度におきまして取扱いました犯罪青少年の年齢の状況を見ますと、男子におきまして十六歳から年を加うるごとに急カーブをもつて二十一歳まで激増しておりまして、以下上下してだんだん少くなつてきておるのであります。從つてこの年齢延長につきましては、私はこの十六歳から二十歳まで逐年著しく増加の傾向にあるということから見まして、年齢の限界を延長しましたことにつきまして同感の意を表するのであります。なおやみの女の年齢別調査におきましても、同様の傾向をこの調査では示しておることになつておるのであります。この年齢の延長につきましては同感の意を表します。 次に、この兒童福祉法の第七條に「この法律で、兒童福祉施設とは、助産施設、乳兒院、保育所、兒童厚生施設、養護施設、精神薄弱兒施設、療育施設及び教護院とする」こうありますが、別に社會事業法の適用する事業といたしまして、一、養老院、救護所その他生活扶助、それから二、育兒院、託兒所その他兒童保護、三、施療所、産院その他施藥、救療または助産保護、四、授産場、宿泊所その他經濟保護、こうあります。私が特にここではつまりお伺いしておきたいと思います點は、この社會事業法の適用事業と、第七條に示されてある事業との間に、ほとんど見るべき違いがないということであります。特に私の違憾とする點は、兒童福祉法は社會事業的な性格がその大部分を占めておりまして、兒童福祉の増進に對する積極面において著しく缺けておる點があるのではないかと私は感ぜざるを得ないのであります。この點につきましてどのようにお考えになつておりますか、はつきりお伺いしたいと思います。
○米澤政府委員 社會事業法との關係でありますが、社會事業法は御承知のように施設の範圍を命令に讓つておりますので、この福祉法における施設は、社會事業法の施設とは別個の調和をとりまして、社會事業法に對してはこの福祉法は特別法というかつこうをとつて、これらの施設は社會事業法の施設ではなく、この福祉法の福祉施設というふうに考えております。お話のようにこの施設が社會事業的な色彩が強いようであるということでありますが、この點はわれわれといたしましても、兒童福祉法といいます以上は、できるだけ積極的な明るい面をぜひ取上げたいと思つておるのでありまして、あるいは兒童厚生施設、保育所でありますとか、乳兒院といつた施設を、今の單に救貧的な、貧困要件のみを條件とするという施設でなしに、一般的な乳兒院、保育所、助産施設というものを考えておるのでありまして、積極的な面にできるだけもつていきたいと考えてつくつた次第であります。
○野本委員 さらにその點についてお伺いしたいと思います。この法案ができ上ります途中において、幾たびか草案が研究されておつたのでありますが、私のかつていただきました厚生省の案の中に、福祉措置といたしまして、妊産婦、兒童に對する榮養、文化施設、保健施設の利用、必需品の生産配給、かような事柄があげてあつたと思うのであります。この法案をいただいてみますと、私どもが期待いたしておりますかような積極的な事柄がことごとく姿を沒しまして、どこにあるかわかつておりません。私が特にこの法案がややもすれば消極的な傾向をたどりつつあるのではないかということを心配する理由は、そういうところからも來ておる。何がゆえにかつてありました妊産婦、兒童に對する榮養の問題、文化施設、保健施設等の利用の問題、あるいは必需品の生産配給という問題を除外されたのか、この點をお伺いしたい。
○米澤政府委員 ただいま御指摘になりましたように、實はこの法案は最初中央社會事業委員會から要綱の答申がありました際に、お話のような意味の要綱があつたのであります。しかしその後いろいろ研究いたしたのでありますが、榮養物資その他物資の問題につきましては、やはり今日の行政機構からいたしまして、この法律で規定しますことは非常に困難に相なりますので、榮養品、最も大きな乳製品の問題にいたしましても、これはやはりこの生産官廳でありまする農林省方面の規定に盛らざるを得ないというふうに相なりましたので、こういつた御指摘の榮養品その他の問題の規定を削除せざるを得なかつたのであります。いろいろな文化施設その他の利用の問題につきましては、これは保健所その他を利用していきますことは、たとえば兒童相談所にいたしましても、できるだけ保健所に附設をいたしますとかそういつたことで、特にここに利用するということを規定しなくても、目的が達成せられると考えておるのであります。
○野本委員 ただいまの御説明は、一應行政の筋の上から行くと納得できないでもないのでありますが、實際はそうしたところに非常な問題があるのでありまして、私は某府縣におきまして、相常多量の乳幼兒に配給されましたところの砂糖が、一般配給に振向けられておるという事實を承知しております。恐らくこれは私の知つております一つの府縣だけの問題でなしに、手をゆるめるといいますか、うつかりしますと、そうしたことが相當廣範圍に行われるのではないかということを心配いたします。それで少くも兒童福祉ということを心から考えるならば、かかる物資の配給等につきまして、厚生省はもつと積極的にその問題にタツチして、そうして遺憾なくその配給物資が子供のために役立つように努力しなければならぬと思うのであります。私はこの事實を發見いたしまして、育つていく子供の命を一般の者が摘みとつているというような悲しむべき事柄を見出しまして、非常に遺憾に思つておる。厚生省は從來かような物資の配給面につきまして、どれだけの調査を行つたことがあるか、またそれらの物資を取扱う官廳に對しまして、どれだけの熱意をもつて子供のための努力を傾けられたか、これらにつきましてお伺いしたい。
○米澤政府委員 この乳幼兒、妊産婦等の物資の問題につきましては、厚生省といたしまして、商工省、農林省方面に消費者の立場といいますか、こういう立場でいろいろ緊密な關係をもつておるのでありまして、乳幼兒の數でありますとか、あるいはその榮養の問題につきましては、十分連絡をとつて意見を述べてきておるのであります。先ほどお話になりましたようなこの問題について、厚生省としまして、できるだけ深く關係をもたねばならぬということは、まつたく同感であるのでありまして、たとえばこの法案におきましても第八條の福祉委員會の規定の末項におきまして、兒童福祉委員會は、關係行政廳に對して、所屬職員の出席説明あるいは資料の提出を求めることができるというふうな規定を特に入れてありますのも、實はおもに乳幼兒、妊産婦等の物資の問題、これらの問題を委員會において十分取上げて御審議をしていただくというために、この關係行政廳に對する出席説明というような要求ができるように、特にこういう規定を入れたつもりなのであります。
○野本委員 次に第十二條の規定によりますと、「前條第四項に規定する場合を除くの外、民生委員令による民生委員は、兒童委員に充てられたものとする。」という規定があります。この點につきまして、私は少しくお伺いしたいと思います。それは民生委員令の第七條によりますと、民生委員の職務は、生活状態の調査、要保護者の保護誘掖、社會施設と密接に連絡して、その機能を助ける。その他必要に應じて生活の指導をする。かようにきわめて重大なる職責が民生委員に與えられております。なお日本の現在及び將來の情勢を考えますのに、今後失業者の續出ということが豫想せられます。特に最近廣範圍にわたつて起りましたところの災害等を考えますと、民生委員の仕事というものは實に廣汎で、しかも數が多くなつてくると思うのであります。そういう非常に廣汎なしかも多量の任務をもつておりますところの民生委員が、重ねてこの兒童福祉に關する委員を分擔するということで、はたしてその任務を完全に遂行することができるかどうか、きわめて疑問を懐かざるを得ないのであります。この點についてどのようにお考えになつておりますか、お伺いしたいと思います。
○米澤政府委員 御指摘のように、民生委員の今日の使命というものはますます加重されてくるものと考えます。實は全國に十三萬近くの民生委員がおられるのでありますが、この兒童委員につきましても、やはり民生委員にお願いする方が一番現場においては適當ではないか。やはり兒童問題といいましても、各家庭の生活その他の状態を離れて考えることができませんので、この民生委員にさらに兒童委員をお願いするというふうな建前をとつたのでありますが、御指摘のように仕事の範圍が非常に廣くなりまして、相當困難かと思われる點もあるのでありますが、この點につきましては、さらに有給の兒童委員というものを設置いたしまして、この有給の兒童委員が、兒童問題につきまして民生委員と緊密なる連絡をとつて、それらの中心となつて、民生委員全體が十分に活發に働いていただくというような考えをもちまして、有給の兒童委員を中心として、名譽職である民生委員と一緒になつて十分に活動をお願いしたい、こういうふうに考えておるのであります。
○野本委員 有給の兒童委員によつて活發な活動をしたいというお考えにつきましては、私もきわめて贊意を表するものでありますが、有給の兒童委員というのは、いかなる人をいかなる數において求めようとしておるのであるか、この點をお伺いしたい。
○米澤政府委員 有給の兒童委員につきましては、近く追加豫算をお願いいたしておるのでありますが、約三百名近くの委員を本年度において計上いたしております。これは必要によりまして、將來増員等をできるだけ考えていきたいと考えておるのでありますが、本年度におきましては、一應その程度の設置を考えて豫算に計上いたしております。これらの委員の選任につきましては、どういう範圍からとるかという問題が非常な問題であるのでありまして、これは法案に書いておりますように、事務吏員あるいは技術吏員——公吏の身分をもつものでございますが、その仕事がいわゆる縣廳その他におけるデスク・ワークでは全然ありませんで、街頭に出て働いてもらうという意味で、十一條にその使命をはつきり書いてあるのでございます。こういうふうな特殊の役目でありますので、この選考につきましては、できるだけこの方面に専門の、熱意のある方々にお願いしなければならぬと考えておるのでありまして、現にあるいはこういうふうな事業に關係しておいでになる方の中にも、こういう兒童委員として實際街頭に出てやつてみたいというような希望の方がたくさんおいでになるように見受けるのであります。またあるいは教職員その他の經歴をもつておいでになる方におきましても、適任の方が相當おられるのではないか。こういうふうに考えておりまして、できるだけ廣い範圍から選考していただきたい。かように考えております。
○野本委員 三百名の有給の兒童委員に對しまして、どの程度の豫算の措置がとられるのでありましようか。
○米澤政府委員 有給の兒童委員は大體二級官の待遇であるのでありまして、一人當りの年額が一萬六千圓程度だろうと思います。このほかにいろいろな加給というのはあるのでありますが、本俸はその程度に計算いたしております。
○野本委員 兒童福祉法の適用によりまして、妊産婦または乳兒もしくは幼兒の保護者に對しては、命令の定めるところにより、その費用を代つて負擔しなければならない。これは都道府縣でありますが、これらの診療費その他の費用の算定の基準というようなものをどういうふうに考えられておりますか。
○米澤政府委員 これは兒童委員の證明書を出していただきまして、それによつて無料というふうなことに扱つていきたいと考えておりますが、その診療費の算定等につきましては、やはり現在の健康保險の標準を大體標準にしていかざるを得ないものと考えております。
○野本委員 第二十二條を見ますると、「市町村長は、保險上必要があるにもかかわらず、經濟的理由により、入院助産を受けることができない妊産婦を助産施設に入所させて、助産を受けさせなくてはならない。但し、附近に助産施設がない等やむを得ない事由があるときは、この限りでない。」こう示されております。私は日本の農村、山村、漁村等の實情を見まして、助産施設をもつておりますものがきわめて少いと思うのであります。從つてこの條文をきわめて消極的に解釋し、消極的に適用すとるということになりますと、かような事柄は農山漁村のためには、ほとんど何らの意味もなさぬというふうにまで、考えられないこともないと思うのであります。これらの農山漁村における扱いにつきまして、どういうふうにお考えになつておりますか。
○米澤政府委員 二十二條の助産施設の問題でありますが、實はこの但書をつけましたのは、われわれとしては、できるだけ助産施設が全國に擴充されて、どこの農村におきましても、この規定に書いてありますように、該當する産婦がありました場合、ぜひともそういう助産施設にはいつてお産をしていただきたいのでありますけれども、今日の實情におきまして、かかる助産施設は、ただいま御指摘のようにもちろん十分ありませんので、やむを得ずこの但書をつけておるような次第であります。將來助産施設が十分擴充されまして、できてまいりますれば、この但書は實際問題としては働かない。こういうふうにわれわれは希望いたしておるのであります。無産婆の農村、あるいは特に人口稠密な都市、こういうふうな所にできるだけ早く助産施設が設置されるように、計畫を進めていきたいと考えておるのであります。
○野本委員 兒童福祉法の實施及びその完全な活用のために、ただいま言われたような將來できたならばということでなしに、この際これらの施設を積極的に、全國津々浦々に行渡らせるような方法をとることについてお考えになつておりませんか。
○米澤政府委員 こういつたいろいろな施設をできるだけ設置するという問題につきましては、本年度は實は年度の途中でありました關係、その他地方の財政關係等もありますために、本年度の追加豫算には計上することができなかつたのでありますけれども、助産施設あるいは次の條文にあります保育所その他の施設につきましては、できるだけ年々設置していかねばならないと考えておるのであります。しかし財政上の問題もあるのでありまして、われわれといたしましては、できるだけ早く全國的にかかる施設ができますように、折衝していきたいと考えておるのであります。また助産施設等につきましては、現在相當ある施設をこの法律による施設として、できるだけ既設のものを運用していきたいと考えておるのであります。
○野本委員 ただいまお話になりましたように、助産施設の問題にいたしましても、それから乳兒院の問題にしましても、保育所の問題にしましても、兒童厚生施設の問題にしましても、養護施設の問題にしまましても、精神薄弱兒施設にしましても、療育施設にしましても、形の上においては非常に整つておるのでありますけれども、かような施設を十分に利用活用し得る條件が與えられておらない。從つて、ここにこういうことを掲げてありますけれども、實際その活用の上から見ますと、きわめて微々たるものになるのではないかということを、私どもは心配しておるわけであります。從つて兒童福祉法という、子供のための、お母さんのための、非常に期待のかけられる新しい法の實施とともに、これらの施設が全國的に普及するように、さらに一段の努力が望ましいと思うのであります。私はこの法案審議の基本的な事柄として、以上の事柄をお伺いして、一應この質問を打切つておきたいと思います。 —————————————
○小野委員長 この際、先日の委員會で河野金昇君から取上げられました住宅問題の緊急質問を暫時續行いたすことにいたしたいと思います。河野金昇君。
○河野委員 復興院の伊東局長が來ておられるようでありますから、私がこの間問題を提供しておいたのに對して、おそらく御答辯があろうと思いますから、この御答辯から承りたいと存じます。
○伊東政府委員 住宅營團の設置以來の活動状況と申しますか、そういう點、現在の經營の状態について數字的のお伺いがありましたから、御答え申し上げます。住宅營團は昭和十六年五月に住宅營團法に基いて設立されまして、その際財團法人同潤會を統合してできたものであります。十六年にできましてから昨年の十二月二十三日閉鎖になりますまでに、住宅の建設戸數は總數十七萬八千二百五十一戸であります。そのほかに建物ではなく、建物をセツトとして賣却したものが三萬七千戸分ほどございます。これに從事しておりました役職員等は、東京の本部のほかに、八支部に支張所がございまして、そこに約五千人ほどの人がこの仕事に從事しておりましたが、ただいまそれぞれ職を求めまして、あるいは復興院におきまして斡旋いたしまして、現在は約千三百名ほどになつております。それから住宅は貸家、分讓住宅、そのほかこれに附帶しました厚生施設などもございますが、現在閉鎖機關整理委員會において經營いたしておりますものが八萬五百七十六戸ございます。その内譯を申しますと、同潤會から引繼いだものが六千六百三十四、それから終戰までに營團がつくりましたものが三萬一千二百二十五終戰後つくりましたものが四萬二千七百十七、その合計八萬五百七十六戸を現在經營しております。この整理委員會におきまして管理しております元住宅營團の財産の處分につきましては、住宅以外のものについては競賣その他の方法で處分しております。建築資材なども相當もつておりましたが、約一億圓ほどのものは戰災復興院が一手に買取りまして、庶民住宅の建設に振向けております。今囘の水害地にもその一部は使用することになつているようなわけであります。そのほかいろいろな調度とか設備、住宅以外のいろいろな財産の處分は、競賣等の方法で著々進めておりますが、住宅につきましては、ほかの財産の處分と同じような方法では不適當でありますので、これの處分につきましては、ただいま愼重にその處分の方法を研究しているわけであります。この前のお尋ねの際にありました東京の昭和町の八清住宅につきまして、附け加えて簡單に申し上げておきますが、これは約八百戸ほど現在あります。戰時中に、八日市屋清太郎という人が軍部にこの住宅を供給し、經營しておつたものであります。終戰と同時にこの對象を失つて、荒廢のおそれがありますので、住宅營團の東京支部がこれを一括買受けて、一般庶民住宅として經營しておつたのであります。その賣買の際に、この營團の支部と八日市屋氏との間に、これに附屬しておりました映畫館と浴場があるのでありますが、これは八日市屋氏の方が賃貸する、それから一戸少し大きな建物がありますが、これは八日市屋氏に賣りもどす、空地約三千坪ほどありますが、これを一年間無償で八日市屋氏に貸與する、こういつたような了解事項があつたようであります。この映畫館と浴場は相當利權などもつきまとう問題でありますので愼重に處分の方針をきめなければならぬと思いますが、この浴場については、去年の四月に燃料がなくなつたので、これを電化しなければならぬという問題が起きまして、この居住者の方で電化して經營をしたいということを申入れたようであります。その後、居住者側と、八日市屋氏との間にいろいろ問題があつたようでありますが、閉鎖機關整理委員會において何らかの打開策を講ずる豫定でただいま折衡中であります。それから八日市屋氏が買いもどしを受けるという建物でありますが、これにつきまして進駐軍關係の人が買い受けたい希望があつたのだそうでありまして、現地隊長の添書をもつて整理委員會に交渉いたしました際に、この八清住宅處分問題の話が出まして、委員會側から、閉鎖機關の特殊整理に屬するものでありますから、これは原則として競賣に付するものである。居住者の申請があれば分讓もなし得るというようなことを申したそうでありまして、それが居住者の間に傳わりまして問題になつたようであります。この問題につきましては、先ほど申しますように、この住宅の處分はほかの財産のように競賣に付するというような方針は必ずしもとりませんつもりでありまして、この點につきましては研究中でありますので、この點をよく現地の居住者に納得していただくように、整理委員會においてただいま努めているのでございます。大體以上でございます。
○河野委員 くどいようですが、はつきりもう一度承つておきたいのは、こういつた住宅營團のもつていた建物なんかに對しては、一生懸命相談はしておられるが、まだ方針が確定しておらない。土地とかその他の資材は競賣に付しておられるが、まだ住宅は競賣に付するとも、しないとも最後の決定は、復興院の方においてもしておられないというふうに解釋してよいのでございますね。
○伊東政府委員 住宅以外の財産もまだ全部は處分しておりませんが、大體これはそうむつかしいものでありませんから、なるべく有利に處分をしてよいということで進めております。住宅については、お話の通りこれから研究してきめたい、急速に對策を立てたいと思つております。
○河野委員 今の八清住宅の問題でありますが、すでにここに住んでいる何百人かの人が、四百戸か五百戸の戸數のものは、二千圓か四千圓で拂い下げるということを信じて署名をして、司令部にまでそれを持つていつているようでありますが、こういう問題は司令部で勝手に處分ができるものか、それとも日本政府に相談して決定するものでありますか、その點をはつきりしておいていただきたいと思います。
○伊東政府委員 これは閉鎖機關整理委員會が整理するわけでありまして、司令部がやるわけではないのであります。ただ閉鎖機關でありますから、いろいろ司令部の指示は受けなければならぬと思います。 住宅につきましては、戰災復興院としまして、住宅政策の面から主張する面は主張しなければならぬと思つております。債權者の利益の保護と、居住者の利益ということを兩面考え併せて解決されることになると思つております。
○河野委員 もうこれだけで失禮いたしますから……。今の問題と附屬しておる映畫館と浴場の問題でありますが、局長のさきの説明では、八日市屋から買うときに、營團が賃借してまた八日市屋に貸すという約束があつたように言われておりますが、少くともこの數年間というものは、營團に賣つて金は八日市屋がとつておつて、浴場竝びに映畫館を使用しておつて利益を得ておるにもかかわらず、家賃を一錢も拂つておらぬ事實があるのであります。そういうところ、しかもこういうわがままをしておるものに對しても何ら毅然たる態度を當局がとり得ない。閉鎖機關においてもしかりでありますが、そういうところからおそらくこの住宅に住んでおる人は、いろいろな疑心暗鬼が起きておることだろうと思うのであります。この點もはつきりと貸したものであるならば、やはり數年間で相當の利益を得ておるはずでありますから、家賃をとるのが當然である。今後も依然としてこの八日市屋にやらせるのか、それとも住民の希望があるならば、住民の委員會といいますか、何らかの形でもできたならば、そういうものにやらすことができるか、今はつきり方針が伺えれば仕合せであるし、承ることができないならば、早速關係方面と話をつけて、ここに住んでいる人々の不安を一掃する意味において、はつきりした態度をとつていだきたいと思います。
○伊東政府委員 映畫館、浴場の問題は直接戰災復興院が關與する問題ではありませんが、これまた一括して建てられました住宅の問題なんかとある程度關連をもつた問題でありますし、私どもとしても、これは關心をもつておる問題でありますから、これは結局整理委員會問題になりますが、私の方からもよくただいま伺つたような事情も含んだ上で、なお問題を起さないように解決するように話してみたいと思つております。 —————————————
○小野委員長 住宅問題が出ましたので、この際お諮りいたしたいと思いますが、先日この委員會に住宅問題に關する小委員會を設けたのでございますが、まだ小委員長がきまつておらないのでございます。つきましては他の小委員會の委員長も委員指名という形をとりましたような關係もありますので、この際皆さんの御承認を得られれば、委員長において指名いたすことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
○小野委員長 それでは御異議なしと認めまして、さように取計らいます。住宅問題に關する小委員會の小委員長に武藤運十郎君を指名いたします。 なお本日は午後も部屋と速記の都合もつくようでございますから、折角の機會ですから、午後も一時から續行いたすことにいたしまして、暫時休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ━━━━◇━━━━━