厚生委員会 第7号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1947/08/04
会議録
○小野委員長 それでは會議を開きます。 榊原君から議事進行の問題で簡單な發言を求められておりますからこれを許します。榊原君。
○榊原亨委員 われわれ厚生事業におきまして最も必要なことの一つは醫藥品であります。この醫藥品の製造竝びに配給に關しましては、特に厚生常任委員會において絶大なる關心をもつておるところでありますから、適當の機會におきまして、これに關して小委員會をつくり、もつて研究竝びに實際上の運營について一つのまとまつたものをおつくりくださることをお願いいたす次第であります。
○小野委員長 ただいま榊原君の御發言に醫藥品に關する小委員會を設けてはどうか、こういう御意見でございます。この點についてお諮りいたしたいと思いますが、實は私としましては、醫藥品はやはり醫藥品の問題としてこの委員會で一應取り上げて、一日でも二日でもいろいろ研究して、その上で小委員會にお願いする、また國民健康保險の組合もまだ中途はんぱになつておるわけですがこれについてももう一應取り上げて委員會として討議をした上で、小委員會に具體的にやはり研究をお願いするというようにしていつたらいかがかと實は私個人では考えておつたわけですが、さような取扱いにして小委員會を設け、ただいまの榊原君の御趣旨に副つていくようにしたらいかがかと思いますが、いかがでございますか。
○小野委員長 ではさように一つ取計らいます。
○小野委員長 この前に引續いて野本品吉君の御發言を許します。
○野本委員 前會三木局長の御説明によりますと、保險所の機能を遺憾なく發揮するために豫算を増額し、また陣容を充實し、さらに關係職員の再教育に關する各種のお考えをおもちのようでありまして、その點了承いたしました。なおそれにつきまして一二お伺いいたしたいと思います。御説明によりますと、二級官の從來千二百十一名であつたのを二千二百名に増員し、なお豫算定員が八千五百九十五名であつたものを一萬四千八百八十九名に増員する御豫定であるそうでありますが、特にこの二級官の醫師の増員の問題につきまして、はたして二千名の醫師が地方の衞生行政の指導者として適格者が得られるかお見透しがございますかどうか。なお保險所の醫師の待遇等を見ますと、大學令による大學を出たものが初任給千四五百圓程度であるということを聞いておるのでありますが、そういうような條件下において、はたして二千名に近い醫師が一擧にして獲得できるお見込がありますかどうか、その點を伺います。
○三木(行)政府委員 御指摘になりました職員の補充、特に技術官たる醫師の補充につきましては、御意見のごとくまことにその補充は樂々とできるものとは考えておりません。しかしながら應召いたして今日歸還したところの軍醫あるいは新たに學校を卒業いたし、すでに公衆衞生の訓練、公衆衞生の試驗を通過して、新しく公衆衛生に關心をもつております新卒業生諸君、そういうものに私ども及び地方廳衛生部課が強力に働きかけまして、ぜひともよき人材を収容いたしたいということで非常な努力を拂つているのであります。ある程度成功できるのではないかと考えております。また必ず成功させなければならぬと考えております。なお待遇につきましては、初任給千五百圓と申しますのは、本俸以外の各種の手當等を加えますならば、これよりも相當増額に相なつておると存ずる次第であります。
○野本委員 どうぞその計畫が机上計畫に終らないように、最善の努力をしていただきたいと思います。 次に保健婦の問題についてでありますが、これはよその地方はどうであるかよく存じませんが、私の地方の實情を申しますと保健婦の設置主體は大體農業會等がおもなものであります。從つて保健所は保健婦に對しまして協力をお願いするという立場において關係づけられておるのでありますが今後保健所が行政官聽としての性格をもつようになつた場合、その行政指導力を末端にまで遺憾なく浸透させるためには、この保健婦の設置主體というものを、大體において市町村というふうに考えることが適當ではないかと思いますが、この點についてお伺いいたします。
○三木(行)政府委員 御指摘のごとくに、保健婦の大部分は農業會あるいは國民健康保險組合に勤務いたしておりまして、その數におきましては保健所の保健婦の方が數が少いのであります。しかしながらこれらの保險婦が一體となつて働きますためには、保健婦活動の一體化ということのみならず、その設置主體の問題につきましても考えなければならないことは當然御指摘の通りであります。從いまして私どもといたしましては、保險局當局とも種々談合いたしておりまして、ぜひともそういう方向に向つて話をとりまとめたいということでせつかく話をいたしております。さよう御了承願います。
○野本委員 なお保健婦の教養の問題でありますのが、これは先ほど關係職員の再教育についていろいろと御計畫をおもちのようでありますから、當然その中に包含されると思うのでありますが政府の提供されました資料によつて見ますと、保健婦一萬八千百九十四名中、高等女學校程度以上の教育を受けたものが三千八百九十七、小學校程度のものが一萬四千二百九十七、すなわち小學校程度のものが全體の約八〇%を占めておるのであります。むろん教育の程度が低いからといつて指導力が足らないと一慨には言い切れませんけれども、保健婦は單なる技術的な面の指導でなしに、やはり一つの生活指導者でなければならぬ。そして對象となる人をしつかりと把握して、生活指導の一つの部面といたしまして、保健所指導のねらいをつけていく、こうなければならんと私は思うのでありまして、これらの保健婦の教養の問題につきましても、將來十分お考えを願いたいと思うのであります。この點についてはどうお考えになりますか。
○三木(行)政府委員 御指摘のごとくに、保健婦は生活指導者といたしまして、單に醫學的な指導をやるというのみに止まらずウエルフエヤーの問題も、その他階級的、社會的諸問題をも考え合わせまして、一本として指導していくというような指導をやつていかなければならぬ次第であります。從いまして高き知性と豊かな科學的常識をもつて指導いたさなければ、指導者として適當でないということは申すまでもないことであります。私どもといたしましては、保健婦に期待するところが大きいだけに、保健婦の再教育ということにつきましても十分に考慮を拂いまして、今二十二年度におきましては、保健婦のために約百萬圓の再教育費を計上いたした次第であります。全國の保健婦がその所属のいかんを問わず、一年に少くとも一回以上は再教育の機會に恵まれるというように計畫いたし努力いたしておる次第であります。
○野本委員 次に保健所の設備その他に関する問題でありますが、かつて保健所ができますときに、當局から一應の設置基準をお示しになつておるように承知いたしております。今度保健所がその規模において非常に擴大され、またその機能において、仕事において非常に大規模なものになつてまいるのでありますが、私はここでかつての保健所の設置基準、それから新しい保健所の設置基準、そういうようなものを比較對照して當局の御説明を願いたいと思います。
○三木(行)政府委員 初の設置基準と今回の設置基準とを比較對照して説明せよという御趣旨でありますが、人員等につきましては先般もちよつと申し上げましたごとくに、A、B、Cの三クラスというように單純にわけることが困難でございまして、たとえば結核の治療を開始いたしまするものは百箇所、歯科の治療を開始いたしますものは全國で二十四箇所というように、その箇所數が違つております。またその他の點にも異同がございまして、たとえば全保健所において實施いたします保健指導及び知事の權限を委任を受けてやりまするところの若干の行政事務、こういうものに對する職員は平等でありますが、その他の點につきましては段階がございまするので、今それらの詳細について申し上げかねるのでありまするが、ともかく一應の計畫から申しまするならば、廣さにつきましては、從來百五十坪ということに相なつておるのでありまするが、今回は二百坪以上という基準をもつております。經費額につきましては從來のものは十六萬圓、十三萬圓、八萬圓という經費の基準でありますが、このたびはおおむねこれの倍くらいの經常費の基準に相なると存じます。なおその他のこまかい問題につきましては、いずれ整理いたしました表を整えましてお目にかけたいと思います。
○野本委員 次に私のお伺いいたしたいと思いますことは、財政面から見たこの問題でありますが、今度の保健所法の改正に伴いまして、各種の設備の充實、人員の増加、それらを合わせまして現在政府はどの程度の豫算を御豫定になつておるのでございますか。
○三木(行)政府委員 二十二年度に計上いたしました經費は二千八百萬圓、これは經常必要經費中の三分の一の國庫負擔額であります。それが今囘の追加豫算におきましては約五千二百萬圓、これは從來の二千八百萬圓を包含しておるところの經費であります。
○野本委員 そうしますと、二分の一以内の補助をするということがありますが、その五千二百萬圓というのは、大體におきまして地方費の負擔になると同じ額でありますね。そういうふうに了解してよろしいですか。
○三木(行)政府委員 經常費につきましては、政府負擔額は三分の一でありまして、地方費が三分の二負擔いたさなければならないわけであります。そこでこの五千二百萬圓のうち齒科と結核特別地域におきまする施設につきましては國が二分の一、その他は三分の一負擔いたすわけでありますから、從いましてこの五千二百萬圓は國が負擔し、おおむねこの二倍を地方が負擔するとお考えくださいまして大差ないと考えます。
○野本委員 そうしますと大體一億程度の金が地方の負擔になつてくるわけでありますが、そこで私どもは現在の地方財政の實情から見まして、この一億に近い負擔というものは相當重い負擔になつてくる。地方財政の實情とにらみ合わせまして、この地方費による負擔の見透しについてどうお考えでありますか。
○三木(行)政府委員 この保健所の事務は當初申し上げましたごとくに國家事務でありまして、從いましてできるだけ國が負擔するということが好ましいのでありまするが、しかしながらこれらの保健所の公衆衞生の向上増進というのは、結局において當該地方民の利益に歸するという點、及びこれらの經費を負擔するということによつて本事業に非常に關心をもたるるであろうという點に鑑みまして、地方費の負擔額をきめたわけであります。しかし私どもといたしましては、國庫負擔額を二分の一程度にまでもつていきたいということで非常に努力をいたしたのでありますが、しかしながら國の財政の現状及び大藏當局において地方分與税等について十分考慮するということでございまして、究極においてこれでもおおむね國の負擔が二分の一程度になるということでございまするので、私どもといたしましては地方財政の困窮はよく存じておりまするが、こういうところに落ちついたわけであります。
○野本委員 大體において私の質問申し上げたいと思うことは終つたのでありますが、私はこの仕事が非常に重要性をもつた仕事であるということはむろん何らの疑いをもつておりません。そこで地方費等の負擔の問題になつてくると思うのでありますが、仕事は大事だが金が足らぬ。そこに無理がありますると、從來ややもすればいろいろの方面に見受けましたように、この種の施設が形式的なものに終るのではないかということをおそれておるわけであります。從いましてこの國庫負擔の額を二分の一あるいは三分の二というように増額されることに對しては、政府といたしましても十分努力をしていただきたいと思うのであります。健康保險の十分の一が府縣、十分の一が市町村にというような程度にまで骨を折らないというと、なかなかこれはむつかしいのではないかと思つております。私群馬縣でありますが、先般縣の者と縣の財政計畫から見た保健所の設置の問題について話し合つたのでありますが、相當困難を感じておるのでありまして、この點につきましては、十分御考慮願いたい。かように考えております。一應以上をもちまして私の質問を終ります。
○山崎(道)委員 私は保健所のことにつきまして、いろいろ御質問したいと存じましたが、すでに前委員からいろいろと御討議がございましたので、ただ保健婦の待遇について申し上げたいと思います。現在この保健婦の待遇が非常に低劣でございます。それから非常に事務が煩雜でございまして、保健婦がほんとうに保健婦としての使命を達成することができなくて、ほとんど役場で事務補助員のような状態に放置されておるというようなところが非常に多いのでございますが、これに對して今後眞に保健婦としての使命を達成せしむべくお考えをいただいておりましようか、私は今後豫防衞生、それから衞生指導というようなことが非常に大切なときに、現状におきましては十分機能を發揮することができないと考えておりますけれども……。
○三木(行)政府委員 保健婦の待遇の點でございますが、この點につきましては保健所の保健婦は一般公務員といたしまして、豫算の定むる定額を受けておるわけであります。しかし大部分を占むる保健所勤務以外の保健婦につきましては、御指摘のごとくに非常にまちまちである。從いまして私どもといたしましては、ぜひともこれを是正いたしまするために、保健婦の給料の最低基準というものを目下關係者が集まつて協議いたしておるのでありまするが、これができました上はぜひともこの線に沿うて解決をしていきたい。そういうことに努力いたしたいと考ております。なお保健婦で一般事務をやつておる者が多いという御意見でございますが、そういう點もあると存ずるのでありまして、私どもといたしましては、保健婦が保健婦という特殊技能を十分に活かすということが非常に必要でありまするので、その他の各種の點と總合いたしまして、やはりこれは市町村駐在保健婦というような制度に轉換いたしまして、そしてその大きいプールにおいて、事務というようなものは事務者にやつていただき、有技者は有技者として、保健婦としての十分な働きができますようにさせたいということで、ただいま研究いたしておる次第であります。御了承を得たいと思います。
○山崎(道)委員 その點よほど御決意を固くやつていただかなければ、私有名無實に終ると存じております。それから保健婦がさながら役場や農業會の小使のような状態にあるわけでありまして、病氣の時にはかかるけれども、豫防というようなことでは、ほとんど町村で輕くあしらつて、保健婦さんの權威がなかなか行われていないという具體的の例がたくさんございますので、ぜひその點強く一つお考えを願いたい。かようにお願いしておきます。 保健婦の問題についてはその程度にお伺いしておきまして、私は今非常に問題になつておる國立病院の有料問題について、ぜひ當局の御所見を伺いたいのでございます。一律平等にというようなことで、全部國立病院の入院患者が有料になるということについては、問題は非常に重大だと存じます。どういうわけで有料に全部しなくちやならなくなつたのかという點について、まずお伺いいたしたいと存じます。
○東政府委員 御質問の點は國立病院というお言葉でありましたが、私おそらくはこれは國立の病院施設という意味で、いわゆる國立療養所竝びに國立病院を含めての御質問と存じます。實はこの問題はすでに一種の社會問題にまで進むような傾向にありまして、多くの方々の視聽をひいておる問題であるますので、この委員會で十分に一つ現状竝びに將來等につきましての御審議をいただきたいと思つておるのでありますが、ただいまの御質問に對しまして一應現有までの状況を申し上げたいと存じます。そして主として國立療養所という言葉を使いますことをお許しを願いたいと思います。特に結核は現在御審議中の保健所等との關連もございますので、國立療養所ということについて申し上げたいと思いますから、さよう御了承願いたい。 從來國立療養所と申しましたものは、終戰後特別の公務または服務に關連して疾病にかかつたもの、言いかえますと傷痍軍人、そのほかに戰災者、引揚者あるいは徴用勞務者等、これらの患者を總括いたしまして、國において醫療をなすを要するもの、そういう一つのわくをつくりました。療養所に收容の餘裕のあるものに限りまして、その他の一般の患者も入所を許しておつたのであります。從つてその當時から入所につきましては有料を建前としておりましたが、さきに申しました國において醫療を要する者については、これを免除するということでやつてきておつたのであります。御承知の通り戰爭中から戰後にわたり、いろいろと國民の生活の状況竝びに窮乏がはなはだしくなりましたことと關連いたしまして、結核蔓延が非常に目だつてまいつております。厚生省におきましても結核の豫防、撲滅の對策をいろいろと考慮いたしておるのでありますが、その一環として療養所整備擴充という線に沿いまして、本年の四月から日本醫療團の結核療養施設を全部國營に移管いたしました。從來からありました軍事保護院からまいりました國立療養所と併せて一元的にこれを運營するようになつたのでありますが、その移管の結果、日本の結核療養所の約八〇パーセントが國營になつておる次第であります。そうして國立療養所は從來のように國において醫療をなすことを要する者を優先的に取扱つて、一般的の者は副次的に入所を認めていたというこの方式を改めまして、廣く一般結核患者のために平等に入所を認めるという行き方に相なつたのであります。從つて入所費につきましても、以前の規定と同じく建前は有料でありますが、現在の國家財政の許す限り低廉な、なるべく安い經費として入所者の負擔をできるだけ輕くして、そうして適正な診療を行うという方針でございます。この入所費の負擔につきましては、入所者の生活状況を考慮いたしまして減免を行うことといたしております。また同時に健康保險制度を利用し、あるいはまた生活保護法の適用を進めるというふうな行き方を考えておるのでありますが、それでもいかなる方途をもつていたしましても入所費の支出が不可能であるという方も當然あります。かような人々につきましては全額免除の取扱いを行いまして、經費の負擔ができないから療養が妨げられた、退院すべからざる状態にあるにもかかわらず、退院しなければならないというふうな不幸な結果をひき起さないように十分に注意をいたしておるのであります。ただかような趣旨が徹底を缺いておるということがあるやに見受けられます。この點につきましてはなお一層この趣旨の徹底をはかりまして、現在療養中の人々が安んじて療養を續けられ、速やかに健康を囘復していただくようにいたしたい、さような心で指導いたしておる次第であります。
○山崎(道)委員 私はただいまの御説明を伺いましてなお承服しがたいものがあるのでございます。いつも政府では能う限りとか、生活のできない者は必ず國家で保障するというようなお言葉をいただくのでございますけれども、現實とはあまりにもかけ距たつておることを遺憾に思う次第でございます。殊に國立療養所におります患者は、氣候、風土の違つた戰地に、あるいは慣れない仕事に強制的に働かされましたためにむしばまれた肉體でございます。そして戰地から歸りまして療養所へはいつて無一物でございまするし、職業も何ももつていないのでございます。そうして今まで國の費用で療養を受けておりましても、月に三百圓、五百圓というものをあるいはたけのこで、あるいは身内からの送金によつてどうやら支えてきたのでございますけれどや、今日その途を斷たれたということになりまして、その精神的に受けておる打撃もひどいのでございます。そうしてまたやむを得ず退所いたしまする人もこのごろ相當出てきております。あなたがたがお考えになつておりますのと、療養所におりまする待遇とはまたおのずがら一致してはいないのでございます。いろいろの點で、肩身の狹いような差別的な待遇が各所に見受けられております。こういうことによつて有菌患者がどんどん社會へ出ていつたといたしますならば、いかに保健所をこうして完備し、一方には豫防を叫びながら、そうして國民の中からそうした患者に呼びかけてはこういう所で保健指導をしていくというような法律をつくりながら、一方においては菌をばらまいていくというような結果にもなるのではないかと私は憂慮するものでございます。殊に先ほど生活保護法でというようなお話もございましたけれども、生活保護法を昨年私たちが審議いたしますときには、政府は相當温かい廣い氣持でお約束をいただいたのでございます。その施行はほとんどわれわれの時期と反しております。今回もこの問題が起きましたとき、たしか私は局長さんにお伺いしましたときに、困る者は生活保護法その他でやる、決して御迷惑はかけません、御心配はかけませんというようなお話がございましたけれども、全國から寄せられまする患者さんのお言葉を聽きますると、生活保護法にはいろいろ隘路がございまして、ほとんどこれの適用を受ける人はございません。扶養義務者の規定がございますのでこれにひつかかりまして、ほとんど百人申し出ましても、適用を受けまするのは五人か八人といふような状態である。そうしてまた今の財産を査定いたしますると、ぶつ壊れ家をもつておりましても一萬や二萬ぐらいの財産には評價されるのであります。しかし私たちおたがいの間におきましても、どうやら食べるだけで一ぱいでございますのに、入院している者に月に千五百圓ぐらいな費用を送り得る家庭が今の世の中にあるでしようか。そしてまた家族制度の廢止が叫ばれておりまするときに、扶養義務者であるというようなことで、そういうことを強いるということも私まことに間違つていると思う。そういう状況におかれまして、結核患者が落ちついて靜養できるかどうか、こういうこともぜひお考えを願いたいので、私はその點末端へ十分指導していただきたいと思うのでございます。 それからもう一つは何年かかるか患者でございまするから、ぜひ温かい氣持で、有料の患者と差別的な待遇をするというようなことはゆゆしき問題だと存じますので、その點も十分御指導を願わなければならないであろう。それからなるほど減免の規定が國立病院にはございますが、療養所にはいかがでございますか。かりに減免の規定がございましても、三分の二でございますが、經費は収入をもつて賄うとかいうようなことがたしかあつたと思いますけれども、そういう規定に縛られまして、あなたのおつしやるようなことはととうてい私は行えないと思うのでございます。その點はどういうふうにお考えでございましようか。まずこの點を伺いたい。
○東政府委員 ただいま療養所の實情についての當局に對する御指摘につきましては、私といたしましてもさような不都合が數々あることを遺憾ながら承認いたしておるのであります。このことにつきましてはただいまのお話のごとく、末端に對する指導が徹底していないということ、これが最も大いなる原因であると思われております。そのためにはあらゆる方法をもちまして、末端に對して私どもの考えておりますその眞意が、實際の運營に反映いたしますように今後とも一層の努力をいたします。またただいままであまり十分に行われておりませんでした國立の療養所、病院等療養施設に對する査察と申しますか、視察と申しますか、その運營の實情についての監督を十分にいたしまして、不必要な摩擦あるいはあるべからざる不幸なる事實ということのないように十分注意いたします。 それから有料と無料の患者の差別待遇の問題、これは仰せの通り問題のないことでありまして、絶對にさようなことがあるべきはずがありません。またあつてはならないと存じます。この點につきましても私は具體的にその事實を存じてはおりませんが、そういうおそれがあるということを伺いまして、特にこれは注意いたします。重ねて申しますが療養所、病院内における患者の待遇は、さような問題で差別を設けらるべきものではないのでありまして、すべての患者に對していかなる人に對しても、その人の病氣を完全に治して、そうして健康を囘復して退所、退院してもらうということが目的でありますので、さような差別待遇は絶對にいたさないようにいたさせます。 それから減免の規定があるかというお話でありますが、これは療養所の方にも病院と同じ字句が使つてございます。そうして収入豫算の目標は全體として約三分の一でございます。それから減免は國立療養所では健康保險の單價の四分の一、または二分の一程度の小額に減ずるように指導いたしております。減免は國立病院よりは療養所の方が低くなつております。全體といたしましては無料の患者が相當數——現在のこの三分の一の目標にかりに到達するような扱いをいたしましたとしても、相當數の無料の患者を包含し得るつもりでおります。
○山崎(道)委員 私は全國國立療養所に病を養つております一萬一千いくらの結核患者たちが、非常に今動搖いたしておりまするので、御當局のはつきりしたお考え方が各療養所に徹底するように、そうしてそこに病を養つておりまする人たちが安心して療養のできるように早速お手配を願いたいと存じます。私が申し上げるまでもなく、この人たちは自己が好んで病になつたものではないのでございます。このごろ戰爭犠牲者に對しまして、ややもいたしますれば無差別平等という言葉によつて、輕く片づけようするきらいが各方面にみなぎつておりますることは非常に私は殘念だと思います。無差別平等、なるほど私は無差別平等でなければならぬと存じまするけれども、戰爭のために手足を失い、そうして胸の病を得た、あるいは脊髓をやられた、こういう人たちがからだが治りまして社會へ出ることができるようになつてから後は、私は無差別平等でよろしいと思いますけれども、その間私たちと違いまして、國内にいる者と違いまして、ほんとうに苛烈なる戰局のもとにさらされて自分の肉體を投げ出して働いてきて、その病が進行中に、まだ傷が治らないうちに無差別平等に扱わねばならない、この言葉はあまりにも、間違つておる。これを當局でもよくお考え願いまして御善處願わなければ、私はあまりにそうした人がかわいそうだと思います。それからこれは傷痍軍人、手足を失い、あるいは盲目になりました人たちのことでございますが、やはりこれらの人が傷も治らないのにいろいろな苦勞をいたしております。そうしてこの頃私どもへ投書がまいりますのは、ほとんど傷痍軍人と未復員家族であります。これらの人がどれだけ辛い思いをしておるか、入院患者が驛頭に立つて基金募集をしたり、あるいは樂團を組織して地方に出かけておる。私も先日熱海でその樂團の演奏にアトラクシヨンで一緒に出まして、患者さんの立場を、そうして國立療養所の立場を一般に理解してもらうよう努めてまいりましたけれども、私には涙なしにはおられないところの數々がございます。それで傷がようやく癒えただけで、同じ國のために傷ついた人でありながら、前には義手をつけ義足をつけまして、演練期間というものがたしか半年くらいあつたと思います。ところが今日では演練期間どころか、傷が治るのを待ちかねて追出されておるといつても過言でないのでございます。こうしたことはもつともつと親心をもつてお考え願わなければ、これらの人の氣持がどう落つくか、結局政府を恨むというようなことになりましたならば、これはゆゆしき問題になりましよう。そういう傾向が多々ございますのでその點もお考えを願いたい。 それからこれは長野縣へ行つた時の例でございますけれども、傷ついた人たちが温泉治療をするためにありまする温泉地療養所が、ほとんど病院の職員によつて占められておる。そこの温泉には六十名からの職員が住んでいて、患者はわずかに十五、六名、こんなばかげたことが各所の療養所にもあるということもお考え願いまして、もつともつと温かい御理解と御指導をいただかなければ私たちは安心しておられません。 それからさつき局長さんが國家政の許す限りという言葉をお使いになりましたけれども、こうした傷ついた人、病む人をほんとうに國家の責任において療養させるんだということになりますならば、私は豫算はいくら使つてもいいと存じます。そうしてまた國民もそのために使う豫算でございましたならば、文句を言人は私一人もないと思います。今まで厚生省關係のものはほんとに弱かつたと思います。國の方針がいつも弱いものを犠牲にして、弱いものを下積みにして、すべての政策が立てられてきたというところに、不幸な人が多く出るという原因があつたと思います。これらからはさいわい厚生委員長に名委員長を得ておりますから、私どももほんとうに皆様方と協力いたしまして、弱い人が安心して生きていけるようにしたいと存じますが、今申し上げたことにつきましての局長さんの御意見を伺いたい。
○東政府委員 國立療養所の患者のうち、特に今仰せになりましたような方々に對しては、私どもといたしましても山崎さんのお心持と何ら違つた感情をもつておるわけではないのでございまして、常に親心をもつてすべての事務の處理に當るように、また療養に當るようにすることは、私も同じ心をもつて指導いたしております。また今囘のことにつきましても、表向きにあげつらうならばいろいろの問題もありましようが、要するに實際の扱いにあたつては、腹で親心のある扱いをする。そういうぐあいにやつてもらいたいというふうな指導をいたしましたが、あまりに言葉が抽象的と申しますか、腹といつて一體何を意味するか、そのことが十分にのみこめなかつた所におきましては、いろいろな問題を起しております。さいわいにしてさような私どもの意向をうまくのみこんで共鳴してくれました所におきましては、今日まで何らの問題を起しておりません。從つてこの點につきましては、先ほどのことを繰返しますが、末端に對する指導の徹底によつて、ある程度のいい結果を得られることと信じております。 それから今の療養所が療養の目的以外のものに使われておる實例があるというお話でありますが、この點につきましてはそれはあり得べからざることの一つであります。早速御指摘のような事實の皆無になるようにいたします。 それから財政の問題でありますが、私どもも自分の經歴からいたしましても、醫事衛生外のことを何も知らぬ人間であります。從つて國家の財政がこの方面にあまりにも薄いということは常々痛感しております。そういう意味におきまして、いずれ豫算については厚生委員會で十分な御審議を得ると思いますが、われわれといたしましても、今の療養所の無料の患者が一人でも多くなるように、豫算の面においてそれを實現いたすようにいたしたいと思つております。
○小野委員長 政府委員に申し上げますが、前囘の委員會で榊原君から國立病院の有料無料の問題に關連して質問を留保しておつたと思いますが、質問の趣旨が傳わつてすぐ囘答できるならば御答辯願いたいし、質問の要旨が十分におのみこみでなければ、この際榊原君に御發言願いたいと思いますが、質問の趣旨は傳わつておりますか。
○東政府委員 私が伺つたのは、國立療養所の患者の數が少い、療養所のあきが多い、その理由はどうかというふうに伺つておりますがそれに對してはその用意をいたしております。
○小野委員長 それではこの際榊原君の質問に對する政府の答辯を許します。東政府委員。
○東政府委員 目下國立療養所におきまして、すなわち在來からあります國立療養所と四月に醫療團から引繼がれました療養所との兩者を合わせまして、療養所の入院患者の總數から見ますと、約七割の患者がはいつております。三割はまだ空ベツトであります。なぜこれだけのベツトがあいておるかということの原因につきましては、いろいろなことがあると考えておりますが、私どもの方で一應檢討いたしましたものを二、三拾い上げてみたいと思います。まず一つは、やはり食糧事情が非常に一般的に窮乏しておる。そのために療養所にはいりましても、療養所の食生活が十分にいかないという點、これが一つであります。この點につきましては、本年の三月から國立療養所の患者に主食の加配百四十グラムの増配を受けることになりまして、大體において實施せられております。またバターでありますとか、生鮮な魚類等の副食物の特配も行われておりますが、療養所の食事につきましては、今後給食の上に特別の組織をつくつて患者の食生活を確立いたしたい。關係方面と連絡いたしましてただいまその案を練りつつある次第であります。但し決してこれで療養者に十分なものを確保しているとは考えておりませんが、以前よりもややよくなつたということだけで、本年三月以降の入院患者の數が著しく増してきておりますことを見ますと、この食糧の問題は相當入院患者の確保ということに影響あるものと考えております。その他療養所、病院も通じてでありますが、石炭、薪炭等の燃料がたいへん不足しております。そのために病院、療養所というものが、十分その機能を發揮し得ないという状態にある、また人の面におきましても、醫療の從事者、殊に看護婦が續々職を離れまして、人手不足のために、病院は相當數の病床があるにかかわらず、強いて患者を入れますと、それを扱いきれないということのために、折角の患者を見送らなければならないというふうな、まことに情けない状態の所もあるのであります。また戰災等による施設の整備復舊が非常に遲れております。そのために十分患者を入院せしめ得ないというふうな施設もあります。それから一般に療養所は邊鄙な所にありますし、交通の事情等がこのごろのように殊に困難な場合には、入院したくともそこまで行けないという方々も多數にあろうと思います。私ども考えましたところでは、いろいろな隘路がございます。そうしてその大部分は私どもの努力によりまして、ある程度打開し得られるものであると信じておりまして、その方面に對してはできるだけの手を打つてきているのでありますが、遺憾ながらまだ七〇%——しかしながら見透しといたしましては、おそらく本年中ぐらいには、これが全國平均して九〇%というふうなところになるのではないか、殊に東京その他大きな都市の附近にあります療養所におきましては、もはや入院は百パーセントでありまして、その上に何十人かあるいはそれ以上の患者が入院の順番の來るのを待つているというような状況でございます。從つてただいま申し上げましたような悪條件が打開せられてまいりますに從つて、おのずから滿床の機運が來るものと信じております。
○榊原(亨)委員 ただいまの御答辯で、大體私どもの豫想のごとく、約三割はベツドがあいているということはわかつたのでありますが、その理由として今おあげになりましたように、食糧事情とか人手不足、あるいは施設がうまくいつておらないとかいうことのために、入院患者がない。しかもその入院患者というものは、先ほど山崎さんのおつしやつたように、黴菌をどんどんばらまいている患者である。そういう患者に對してやるその施設に對して十分なる豫算をとつて、そうしてこれに重點をおくべきであると私は思うのであります。それにもかかわらず保健所のごときものにおきましては、この間も三木局長のお話になりましたように、これはなお詳しい御答辯があるとは思いますが、一體結核のどの者を對象として治療するのか、この間のお話におきましては、結核の初期の者を保健所に入れてやるというようなお話でありましたが、そういうものに對して今金を出すというよりも、むしろこの病毒を直接傳播している患者を收容する國家機關が七割しか働いておらない。こういうものに對してこそほんとうに國家はすべての犧牲を忍んでも施設をすべきものであると思うのであります。大體この國立病院、殊に結核國立療養所の收支をどういうふうにお考えになつていらつしやるのでありますか、豫算面においてあるいは國立病院にどれくらいの補助を國家から得て、あとは獨立自營とするというようなお考えでありますか、その點をまず承りたいと思うのが一つ。もう一つはさつきも山崎さんのお話にもございましたように、生活保護法の適用を受けてやるとおつしやいましたけれども、生活保護法を適用いたします場合に、どんな御方針でおやりになるつもりであるか。それを具體的に申しますと、すつかり財産がなくなつてしまつて、もはや何も自分の手にない。そういう者に對して生活保護法を御執行になろうというお考えであるか。あるいはいくらか餘裕のある者に對しても、結核等病氣の種類から、あるいはこれは直接病毒を流すというような觀點において、生活保護法の適用の標準をおきめになろうというのか。どちらであるかということをお承りいたしたいのであります。殊に全額免除というお話がありましたが、全額免除ということにいたしましても結核のものと結核でないものとの間に確然たる區別があるかどうか、一緒におやりになるつもりであるかどうかという問題であります。こういうふうなものは實際に即した問題でございまして、今東醫務局長にお尋ねするのでありますけれども、一つにはこれは委員長にもお願いいたしたいことは、これを機會に今日の午後でもよろしゆうございますが、都下にございます結核療養所竝びに保健所で最も振わぬ所と、最も代表的な所を突然視察をすることをお願いいたしたのであります。それによつて私どもはほんとうの實情を知ることができると思うのでありますが、そのことを委員長にお願いしておきます。
○東政府委員 まず最初に豫算の面に對してお答えいたします。國立病院の歳入豫定計算の内譯を申しましたならばお答えになると思うのでありますが、健康保險及び生活保護法の適用を受ける患者を半數の五〇%、一般の人すなわち規定の入院料を拂うと思われるもの二〇%、減額の人が一〇%、全額免除、すなわち無料の人が二〇%、合計一〇〇%。入院患者の構成をかような程度にした豫定計算をいたしております。それから國立療養所の方におきまするただいまのような構成比率でありますが、この方は無料が五〇%、減額が二〇%、後の三〇%が有料者、有料者のうちには全額負擔——全額負擔と申しますと言葉が惡うございますが、みずから拂う人もあろうし、あるいは今の生活保護法もしくは保險の方から來るものもあろうし、いずれにしても減額ならざる有料患者が三〇%。療養所の方が無料の比率は多くなつております。それから生活保護法を適用する對象は何かというお尋ねでありますが、あいにく私はそれに對してはつきりお答えする用意をもつておりませんので、生活保護法の擔當局であります社會局とも話合いまして、次の機會に答辯することをお許し願いたいと思います。
○小野委員長 委員長にお申出の、今日午後でも一番設備の惡い療養所を視察したらどうかという御提案い對しては私としては贊成でございます。これは正式に委員會の決をとつてやらなくてもよい問題であろうと思いますから、委員會が終つたあとでまた皆様と御相談して、乘物の都合でもつけばそういうふうに扱いたいと思います。なお山崎さんの發言中ですから、なるべく簡單に願います。
○榊原(亨)委員 今東醫務局長のお話は、八月から國立結核療養所を有料とするという場合の計數、豫算でございますか。それをちよつと承りたいと思うのであります。
○東政府委員 ただいま仰せの通り八月からでございます。
○榊原(亨)委員 もう一つ、生活保護法につきましては、これは根本的な重大問題でございますので、この次に委員長におかれまして十分これを御檢討願う機會をお與えくださいますように、そのときまで私の質問は保留いたします。
○山崎(道)委員 私は當局の意のあるところはよくわかりましたが、ぜひそれを實行していただかなければ、これは問題を繰返していかなければならないことになりますので、ぜひお願いをいたします。時間もあまりございませんので、皆様方のお言葉に信頼いたしまして、國立療養所の患者に關する質疑はこれで打切りたいと思います。 それから國立病院の職員の問題でございますが、療養所によりましては遺憾な點も多々ございますけれども、また非常によくやつてくれておるところもありまして、その働きに對して頭の下る點もあるのです。ところがその待遇たるやまことにお氣の毒で、見ていられない。私は六月の十二日に熱海で急に發病いたしまして、國立病院へ入院いたしまして、盲腸の手術を受けたのでございますが、まことに熱海の國立病院は優秀な職員がそろつておると思つて非常に感謝いたしました。一般の患者さんも傷痍軍人も非常に解け合つた和氣靄々とした療養を受けております。またそこに國立病院の後援會というようなものができておりまして、市民も協力して職員にいろいろな寄附を集めては持つていつて食糧等を與えておりますけれども、看護婦さんの給與があまりにひどいのでございます。食糧が惡いために、あそこの病院はずいぶん遠いものでございますから、手術場から擔架に乘せて病室までもつてくるのに骨が折れる。ああいう状態はぜひ御考慮願いたい。かように私考えております。それから寄宿舍の制度が非常にひどいのでございます。繊維工場あたりの寄宿舍よりもずつとひどいのでございまして、あそこは二十疊くらいしかないと思いますが、そこに三十人餘はいつておるような状態で、一度行つて看護婦さんの寄宿舍をぜひ見ていただきたい。非常にひどい状態でございまして、そういう點もぜひ私は親心をもつて改正していただきたいと思います。それから看護婦が夜間徹夜などいたしました場合、食糧の増配はございますか。また夜勤手當というようなものもございましようか。とにかくその點御調査くださいまして、人たるに値する生活のできるように御考慮願いたいと思います。 生活保護法のことが榊原委員から出たのでございますけれども、まつたくあの法律はインチキになつてしまいました。私たちこしらえるときには眞劍にやつたのでございますけれども、現在はインチキでございます。私は葛四局長にもこの間からるる申し上げておりまして、委員長にお願いして、近く私は委員のほんとうに打こんだ相談をし、重ねて公聽會を開いて、生活保護法の運營、民生委員の任命のやり直しをしていただきたい。そうしなければこの生活保護法の運營よろしきを得ないために、救われるベくして救われない人がたくさんございますので、これは根本的にやり直しをしていただきたいと希望しておきます。職員の待遇に十分御考慮をお願い申し上げまして私の質問を打切ります。
○東政府委員 醫療に從事いたします職員の待遇が低い、特にただいまの御質問では看護婦等の待遇が惡過ぎるというお話でありましたが、このことはすでに私どもも認識いたしております。また看護婦のみでありませんで、お醫者さんの待遇も國立病院、療養所は低いので、そのためにお醫者さんが得られないとも言われておりますが、これはひとり國立病院、療養所のみならず、政府において醫療機關をもつております鐡道省、あるいは遞信省等、すべて多數の醫者を擁しております方面とも連繋をとりまして、この問題は一様に一般の常識にあてはまりますように待遇の改善に進みたいと存じております。 それから夜勤の食糧増配と夜勤手當の件でございますが、これは兩者とも實施いたしております。ただその内容が十分であるかということは御意見あると存じますが、とにかく行つておることは行つております。寄宿舍のお話もございましたが、看護婦の寄宿舍のことにつきましては、私ども十分關心を寄せております。そうしてただいまのお話は施設でありましたが、寄宿舍制度そのものにつきましても、いわゆる封建的な、あるいは徒弟制度に基いておるような寄宿舍制度というものを、今後も繼續するという考えはもつておりまん。寄宿生活を一つの看護婦の義務であるかのごとくして行います寄宿制度は、これはよろしくないと存じまして、寄宿舍むしろ看護婦の特權であるという精神で存續するようにというような指導をいたしおります。
○山崎(道)委員 私は今看護婦のことだけ言つたのですが、たしかにお醫者さんもひどいのです。これは六月でございますから、その後待遇が變つたかもしれませんが、大學を出て七年くらい經つ方で手當を入れて千五百圓くらい、これは兵隊から歸つたばかりの方でございます。ここに表をもつておりますけれども、たしかにそういう状態でございまして、熱海の病院の方では、東京まで近いから研究室へ行つて勉強ができるので我慢していられるのだ、このまま行けば研究する人間か、あるいは優秀ならざる醫者によつて國立病院が占められるだろう、寒心にたえないというようなことも言つておりましたので、その點お氣づきでございましたならば十分お改め願いたい。
○徳田委員 傳染病の問題、それから保健所の問題がございますが、戰爭中陸軍病院、海軍病院が各所にあつたはずでありますが、これは全部國立病院に接收されているはずであります。これらを今どういうふうに運用しているか、ひとつ報告をしていただきたい。
○東政府委員 以前陸軍、海軍に所属しておりました病院竝びに療養所は、全部國立病院及び國立療養所として運營されております。なお國立療養所にはその後この四月から日本醫寮團の結核施設をも加えました。從つて療養所の方は以前の軍の施設よりも殖えておりますが、病院の方は以前の軍の施設が全部國立病院という名前のもとに運營されております。もつとも最初は百十九箇所と記憶しておりますが、それが現在は九十七箇所に減じております。
○徳田委員 どういう理由ですか。
○東政府委員 それはもともと軍の病院であつたものは、その施設から申しましても立派な診療施設になりますが、もと兵舎でありますとか、本來病院でなかつたものまでも、最初は一様に國立病院として療養施設に使い始めておりました。その後いろいろな條件、たとえば立地條件であるとか、あるいはまた施設があまりにも不適當であるというようないろいろの状況を考慮して、病院としてのリストからはずしまして、その代わりにそれに匹敵するだけの診療施設は、他のよりよくなる見込みのある、そしていいと思われる方へ移すとか、あるいはその方で埋合わせをつけるという方針で徐々に整理をしてきております。そのために箇所數は減つておりますが、診療能力と申しますか、實質においてはその割合に減つたとは考えておりません。
○徳田委員 大體九十七箇所と申されました。ずいぶん大きな病院もあるし療養所もありますが、これに收容されている人員はどれくらいでありましようか。
○東政府委員 療養所の方から申し上げますが、二萬五千四百七十人が本年六月の國立療養所の入所者數であります。それから國立病院の方は九十七箇所に對して、七月十一日現在の入院患者數は二萬三千百九十四名でございます。
○徳田委員 私の二、三經驗したところによりますと、どうも非常に閑散で、使つておらぬように思うのでありますが、その原因が醫寮團の獨占に屬しているために、實際上この運用が非常にむずかしくなつている。これは國立病院だから國營自體にしなければいかぬと思うのですが、國營にはなつていないのですか。委託になつておるはずですね。これを委託にして、國營にせずにおるが、これは國の力でもつともつと運用すべき必要があると思います。そういう點で非常に私は遺憾に思われますが、どういうふうな状態でありますか。
○東政府委員 ただいまの御質問は、あるいは少しお考えの點に食違いがあるのではないかと思います。國立病院は委託運營はいたしておりませんで、全部國立病院の職員は、國の職員でございまして、國が全責任をもつて運營することにいたしております。醫寮團のお話がございましたが、なるほどこれは醫寮團の病院としては、別個の一つの系統があつたのであります。これは餘談になりますが、いずれ醫寮團は解散になりますので、その醫寮施設等も近い將來にすべて形が變ります。そうしてまた結核に關する限りは、もとの醫寮團の療養所は全部國營になつておりまして、國の責任において運營することになつております。
○徳田委員 それなら大體わかりました。あまり成績はよくないようでありますが、これは後の問題にしておきます。終戰當時莫大な軍所有の醫寮品があつたわけでありまして、これは非常に莫大なものであつたと大體推定されます。いずれこれは隱退藏物資の問題になりますけれども、こういうのが、たとえば特に私の耳にしておるところでは、横濱においては非常にやみに販賣されておる。東京などの醫者は普通は醫寮品が得られないので、こういうやみ屋から得ておる。このやみ屋のもとは何かと言えば、終戰時における軍の醫寮關係の連中がこれを横取りして、そうしてこれでやみのもとをこしらえてもうけておる。これにつきましては一つの大きな例もあります。これは埼玉縣の例でありますが、ここにあまり露骨に出すのもどうかと思います。隱退藏物資の理事會で、これを全部整理した上でどろぼうをつかまえるという約束がありますので、ここでは發表はできませんが、そういうことに對しては、一體厚生省はどうなさつておりますか。その點をお聽きしたいと思います。
○東政府委員 國立病院の醫寮品の問題でありますが、現在竝びに昨年の中ごろからでありましようが、すべて國立病院の醫寮品といえども、以前いくらストツイをもつておりましても、これを持つことは出来ないことに相なりまして、最初は六箇月間、これから半年間の醫寮に必要であり、そうしてまたそれに十分であるというだけの量を病院に確保して、それ以上のものは全部これをその病院から吐き出す。そういうことになつておりました。このことにつきましては、その醫寮品の檢査と申しますか、在庫品の檢査等も、地區によつては抜き打ち的に行われております。その必要量以上をもつておりますところは、他の方へ、醫寮品のない病院の方へそれをまわすというぐあいにしておるのが現状でございます。終戰當時の問題につきましては、實はよく存じませんので、何とも申し上げかねるのであります。
○徳田委員 それははなはだ怠慢の至りだと思います。終戰のときに、うんとどろぼうしておるという事實は、厚生省でもよく御存知であると思うのであります。そうしてこれがやみにまわつているという點も、十分もう御承知のことと思うのであります。これに對してやはり厚生省は熱心でなければいかぬ。こういうものは厚生省で引繼ぐべき物資である、終戰當時にこれはただ病院にあつたばかりでなく、醫寮倉庫は方々にありまして、この醫寮倉庫に莫大な物がみな積まれておる。ところがこれを盗むにあたつて、この醫寮品というものはとにかく高いものである。小さいものでも何千圓、何萬圓とするものがある。これは盗むのに最も適當しておるので、これを莫大に盗んだ事實がありますので、厚生省としてはこういうものを追究していく必要がある。今醫寮に對しては器械にしろ藥品にしろ、いずれもみな皆缺乏しておるのでありまして、單に國立病院のみならず、一般の病院その他開業醫に對しても、厚生省はこういうものを配給する義務をもつておるのでありますから、こういうものをあなた方知らぬというので、放たらかしておくという法はない。これはやはり今後徹底的にあなた方は調べて、徹底的にこれを追究して、これから醫寮の資源を得られたい。これを特に希望しておきます。 次にお尋ねしたいのは藥品でありますが、藥品は最近何囘もしきりに値段が上がつておる。ところがこれの上るのに對して、われわれの得ておる情報では、きわめて奇怪なる事實がある。これは、厚生省の醫務局というか、そこで許可しない限り、その公定價格は上らぬはずであります。統制品になつておりますから上らぬはずである。ところでこの藥品屋さんというのは大體大阪を本場として、武田長兵衛、鹽野義及び田邊など、これらは皆姻戚、親戚關係になつておつて、これが實際上大きな一つのトラスト的なものをもつておるが、これと氣脈を通じておると稱せられる厚生省の役人があるそうです。殊にこれは醫務局におると言われておるのであるが、この藥屋さんがこれだけ値段を上げてくれと言えば、すぐオーケーと上げてくれる。經つとまたぞろ上げてくれ、オーケーと上げてやる。そういうことははなはだ厚生省としてはけしからぬことである。一體最近の値段をどれだけ上げたか。この點をはつきりさせていただきたい。というのは農産物の米の値段及び麥の値段にしましても、すべて現在マル停政策というものを用いた。すなわち一般物價、經済上の均衡をたもつために、生産費その他の均衡をたもつために、特にこれが制約を加えられておるのであります。そうしてこの醫藥品は、きわめてわれわれの生活に緊密な關係を有するものであります。從つてこれが生活費の上におきましては、どうしても米の値段、麥の値段、その他のものとそれぞれやはり均衡を保たなければこれは政策上よくない。こういう點一體どういう關係があつてこの値段を上げたか、この數度に上つた値段、及びこれの上つたそれぞれの理由、それらに對して政府委員からとくと御説明くださることを希望する次第であります。
○東政府委員 醫療品の價格につきましては、申すまでもなく御承知の通り厚生省と物價廳と協議をいたした結果價格を上げてきております。ただいま御質問に相なりました過去何囘かにわたつての値上げの實相竝びにその理由等についての説明をというお話でありますが、あいにく私手もとに今資料をもち合わせておりませんので、十分資料を整備いたしまして次の機會にお答えすることをお許し願いたいと存じます。
○徳田委員 それならこの方は次の機會に譲ることにいたしまして、もう一つお尋ねしたいと思います。それは先ほども問題になりましたいわゆる生活保護法における民生委員でありますが、この民生委員は現在まで一體どういう手續でもつて、どういう選擧方法でもつてこれが任命されたか、この點を一つお聽きしたいと思います。
○小野委員長 徳田君に申し上げますが、きようは社會局の關係の政府委員が見えておられないようですから、社會局長にお傳えを願つてこの次の審議でおやりになつてはいかがですか。
○徳田委員 それならこの次にしましてきようはこれだけにします。
○有田委員 東醫務局長にお尋ねしたいのでありますが、厚生省の醫務局の製藥課長というものは藥品をつくるために置いてあるのでありますか、藥品をつくらないために置いてあるのでありますか、責任ある御答辯をいただきたいと思います。
○東政府委員 私の方は製藥課長の名前の示します通り、藥をつくりますために置いてある課長であります。
○有田委員 戰爭中も同じでありますが、戰後におきまして藥品が非常に足りない。特に醫務局長のお醫者さんでありますから、その點御痛感になつておられると思いますが、製藥課長が藥學士でありまするために、化學方面にもつと積極的に働きかけて醫藥品をつくるというような努力が足りないだけでなく、むしろ化學藥品工場の方から醫藥品をつくりたいというような話合いがあつても、極力これを阻止しておつたような事實があるのであります。最近におきましてはぼつぼつ阻止ができなくて、それらの大きな工場が製藥をするようになりつつありますが、とにかく藥品が足りない。しかも製藥課長は今醫務局長の御答辯の通りに、藥をつくるために置いてある課長でありますならば、なぜもつと積極的に終戰後において化學藥品工場の方面にお願いをして、全國民のために藥品をつくるべく努力をしないか。しかるにこれらの工場からズルフオンをつくりたい、あるいはペニシリンをやりたいというような話があつても、これを極力拒否する。その理由としては今徳田君のお話にもあつた通りに大きな製藥會社を保護する。過去において製藥に大きな功績があつたために保護するという建前があつたことをわれわれは聞いております。しかしながらその製藥會社が今日非常に努力をしましても、ある一定の藥品についてはほとんど市場にやみでなければ出ていないというような現實から考えましても、なぜ製藥課長はもつと積極的に藥品をつくるべく過去において努力しなかつたか。日本で國民が非常に困つておる。また全國のお醫者さんも非常に困つておる。これにつきましては私は前議會におきまして醫務局長にこの點についてお願いしたいことがあるのであります。とにかくこの藥業界の、また厚生省の藥務關係の封建性を打破しない限りにおいては藥品はなかなか出ないのではないか。特に製藥課長は醫務局長が申されるように藥をつくるために置いてある。私はむしろ今日まで藥をつくらないためにあつたように考えておる。ですからこの點を特に御檢討を願いまして、ほんとうに藥をつくるために製藥課がある。しかも最近は非常に製藥課の人達も殖えたそうであります。ほんとうに藥をたくさんつくるべく厚生省が努力されるように希望するのであります。
○一松國務大臣 ただいま有田委員のお話を伺いまして、はたしてそういうから事實がありまするならば、それは國民の公僕としての官吏の處置ではありません。私が厚生大臣に就任する以前のことはいざ知らず、就任いたしました後におきましてそういうような態度がもしあるといたしますれば、これは私に責任がありますると同時に、私において適當な處置をしなければなりません。と同時にある一つの會社の利益を擁護してやるために、國家民人のために利益ある施設を怠るということは、もしそういう事實があるとすれば言語道斷であります。そういうことは取調べてみましようが、將來はそういうことのなからしむるように私は責任をもちます。のみならずそういうようなことがあつたときには課長というものを相手にせずに、局長もしくは私のところに談判を申しこんでいただけば、そういうことは是正して、國民の意思に副うように立派な措置をとるということをこの席において言明いたしておきます。課長だけで問題が解決しなかつたということでひつこまれないように、どんどん私のところまでそういうことを申込んでいただいて、そうして相携えて國家民人のために厚生施設の推進をはかるということに御盡力を願いたいことを、この際特にお願いいたしておきます。
○有田委員 前議會におきまして河合厚生大臣も大臣になられた當初は、一松大臣と同じような熱意をもつて、ひとつ有田君ぜひ藥については指導してくれというようなお話がありまして、いろいろお話申し上げたのでありますが、その最後に近づくに從つて追法令の問題もありまして、私どもが眞劒に話をもつていきましても、結局はその意を得なかつた。しかし私の尊敬する一松大臣に限つては、今日申されたことを責任をもつて御遂行になると確信するのであります。ただ最近一松大臣になられて以來というものは、製藥課の方においても大分空氣が變つてきておるようであります。しかしながら今日の製藥課は受身でありまして、科學工業方面には受身でなく消極的ではなく、もつと積極的に今日ほんとうに足らない藥品をもつとつくるべく努力をしなければならぬ。むしろ製藥課の方から人を派して、どうかお宅の工場でこういつた藥品をつくつてくれというように私はやるべきだと思う。そういう事實が過去においてない。しかも大きな化學藥品工場から今度はこういう藥をつくりたいと思うがどうかという話をもつていつても、君のところは技術者があるか、その原料があるか、その工場の設備はどうであるかというような文句を百萬だら竝べて、なるべく許可しないようにするというような事實が多々あると思うのであります。國民が非常に困つておるのでありまして、さらにこのままの状態で行くならば、大正十二、三年ごろの前世界大戰後の日本の藥業界を同じような状態になるのではないかと私は憂えておるのであります。さらに日本の化學工業の方面が火藥をつくれなくなつた、こういつた事實から考えましても、この方面を大きく製藥界に取入れて、そうして國内の藥品の需要はもちろんのこと、將來海外へも輸出できるような態勢をぜひとも厚生省においておとりにならんことを希望するのであります。
○一松國務大臣 有田委員の御意見よく拜承いたしました。その通りひとつ努力いたします。
○小野委員長 付議されております傳染病豫防等の一部を改正する法律案、保健所法を改正する法律案の審査は大體八分通りは濟んだのではなかろうかと思います。なおしかし質疑その他の問題でも、政府の答辯を留保されておる點もございますし、大體次會でそれらの問題を一應片づけて、討論採決というところまではいたりたいと考えておりますが、御異議ございませんか。
○山崎(道)委員 先ほど醫藥の問題では特別に皆さんで話し合つて、それから小委員會でも拵えてというお話がございましたので……。
○小野委員長 これと法案とは別の問題です。
○山崎(道)委員 それでは法案と切り離しておやりになるのですか。また質問を通告なさつた人もあるようですが、次會で打切りになるのでしようか。
○小野委員長 これは法案とは切り離してやります。きよう質疑通告をされておる方がお見えにならなかつたから、そういう人も次會で一應おやり願つて、大體次會で打切ろうというように考えたのであります。
○徳田委員 醫藥品の問題は非常に重大でありまして、またこの議案自體に對しては大して問題はありませんけれども、こういうものをこしらえたばかりで、實際實行ができないようでは何にもならない。これはへみたいなもので、むしろ有害な場合がある。というのは、現存している國立病院もたくさんありますにもかかわらず、これを運用することに對して怠つている。さらに保健所を設けて手を擴げればいよいよますますこれはすべて空虚になるのであります。これらに對してやはり政府のいろいろの施策をもつともつと聽いて、そうして醫藥に關する小委員會もこの問題と切り離さずこれを聽きまして、聽いた上で、これにうんと附帯決議をくつつけて、政府がこの附帯決議をやるという約束がなければこの法案は無意味だと思いますから、特に附帯決議をつけるために、いましばらく審査を續行いたしまして、次會で終結しないようにしていただきたいと思います。
○小野委員長 徳田君からもつとゆつくりやろうじやないかという趣旨の御發言でございますが、いずれ理事會その他で御相談申し上げて、適宜きめたいと思います。次會の日程は公報をもつてお知らせいたします。 本日はこれにて散會いたします。 午後零時十三分散會