厚生委員会 第3号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1947/07/10
会議録
○小野委員長 會議を開きます。この際一言御了承を得たいと思いますが、前の帝國議會の制度のときには、政府委員以外の説明員の發言を許します際には、委員長から一々説明員の發言を許可しますということで名前を呼んでおつたようでございますが、新しい議院規則には、そういうこともございませんし、何々課長と申したときは政府委員でなくとも、その發言を委員長が許可をして名前を呼んだものというふうに御了解を願いたいと思います。 この前の會議で、榊原君から御質問になられたことに對しての政府委員側よりの説明が留保されておりますので、まずその問題を片づけたいと思います。
○宮崎政府委員 先日の御要求にかかります國民健康保險の現状についての調査でございますが、お手もとにお配りいたしましたと思いますが、その表につきまして國民保險課長から御説明申し上げます。
○森本説明員 先日答辨を留保しておりました事項についてお答えいたしたいのであります。第一が配付いたしました書類の中で國民健康保險の現況という書類がございます。それの第一に組合の普及状況というところがございまして、それの表の最後に組合數の合計としまして一萬四百三十二という数字が出ております。この数字と、それから組合活動の不振という條項——第五ページの第一行でありますが、すなわち昭和二十二年二月十二日現在の調査の結果は、ここに九千三百二十三組合という數字が出ております。この數字の差異でありますが、最初の一萬四百三十二というが全體の數字であります。それから五ページに書いてあります數字は一萬の組合の中から調査の対象となつた組合の數字であります。だから一萬の組合全部について調査ができずに一部報告による等の關係で不足しておる。そういうふうに御了承願いたいと思います。次に組合の都道府縣別の活動状況でございますが、これはただいまお手もとに配付いたしました國民健康保險組合運營状況調、これによつてごらん願いたいと思います。これに横に數宇を引きまして、二月現在とごく最近の六月現在と二つに區別して書き上げた次第でございます。次に岡山縣下における市町村別の活動状況についてでありますが、これはこの報告をとります際、市町村名をあげるように申してありませんので、はつきりとその名前をあげるわけには實はいかないのでございます。しかし大體どういう組合が活動が活溌であるか、またどういうのが不振であるかということは、大體例示的には申し上げることができますから、ここでちよつと申し上げます。活動の活溌と認められるものといたしまして約十ほど例示したいと思います。御津郡今村、上道郡御休村、後月郡井原村、川上郡手荘村、勝田郡勝間田村、赤盤郡石生村、佐伯北村、小田郡美山村、上房郡吉川村、眞庭郡の湯原町等でございます。それから不振の組合の例といたしまして、十ほど申し上げます。兒島郡鉾立村、淺口郡玉島町、阿哲郡新郷村、上刑部村、勝田郡古吉野村、英田郡西粟倉村、同じく吉野村、苫田郡神庭村、久米郡龍山村、吉備郡神在村、こういうのがその例示でございます。それから直營診療所の経營の状況でございますが、本日お手もとに配付いたしました一枚刷りの紙がございます。全國的の直營診療所につきましてまだ詳細な調査を遂げておりませんが、最近におきまして、ある必要のために東京近在の六つの組合につきまして、その直營診療所の活動状況を調べたものがございます。これを御参考に申し上げたいと思います。まず埼玉縣で川口市と入間郡の福岡村。川口市は都市でありまして総合病院をつくりました。それから入間郡の福岡村は無醫村でありまして、小さな直營診療所をつくりました。それから東京都の横山村と成木村、これはいずれも無醫村でございます。それから神奈川縣の眞鶴町、これは現在三名の開業醫がありまして、そこへ診療所をつくつたのでございます。それから福浦村、これは無醫村でございます。この表について御説明申し上げますと、組合設立年月、診療所設置年月、これは略しまして、次は組合員の員數でありますが、それを診療所設置前とあととを比較いたしますと、いずれも増減の項にありますように七百人、五十人、五人、四百九十七人と診療所の設置後におきまして組合員の數が殖えてまいつております。それから次に被保險者の數でありますが、これも診療所設置の前とあととを比較いたしますと、その増減の項にありますように五千十一人、以下同じように増加しております。市町村人口との加入割合、これを設置の前後で比較いたしますと、いずれも同じように殖えてまいつております。そこで最も問題になると思うのでありますが、診療所をつくつた結果、受診件数並びに受診率はどうなつたかという問題であります。まず川口市について申し上げますと、設置前におきましては被保險者の受診する件数が三百三十二件で六%であります。ところが設置後におきましては千八十一件、一五%に上つておる。九%の増加を来しておるわけであります。その次に福岡村も同じく受診率四%のものが五〇%に増加しました。差引四六%の増加、以下同じように横山村におきましては一八%の増加、成木村におきましては三三%の増加、眞鶴町におきましては六二%、こういう増加であります。その次に福浦村というのがございますが、そこでは七%の減ということになつております。こういう數字が出ました原因を考えますと、その上でわかりますように、この福浦村は設置前におきまして、受診率が一三五%、こういう非常に大きいパーセンテージが出ております。従いましてこれは設置前におきましてもフルにこの制度を利用しておつた關係上、たまたまこういう数字が出たのではないかと想像されます。なおこの受診件数は診療所を使つたものと、直營診療所によるものと、それから一般の府縣によるものと、両方を含めた數字になつております。 次は醫療施設別の件数、現物給付の中に診療所、その他とありますが、現物給付と申しますのは、すなわち醫者にかかつて醫療を受けることでございます。それを直營診療所によつたものと、その他によつたものとわけます。それから現金給付と言いますのは、これは一般の自由診療と申しますか、保險によらずに診断、治療を受けまして、現金をもらつて支拂をしたものでございます。それで診療所と診療所以外のものとどういうふうに利用しておるかという點でありますが、川口について申し上げますと、診療所設置前におきましては、診療所以外のところで三百二十六件扱つておつたところが、診療所ができますと診療所だけで六百八十七件殖え、さらに診療所以外のところでも三百八十九件診察を受けておる。結局診療所が殖えただけ數が増加しておるということになつております。福岡村におきましても同じく診療所設置前におきましては十三件でありましたが、それが診療所設置に伴いまして、診療所で百五十二人受け、その他で十九件受けておるということになつております。大體以下同じようにごらん願つたら結構と思います。それで、ただいまの表の結論といたしまして、診療所以外で見てもらつておつた數字は、診療所の設置の前後においてもたいした變りはない。診療所ができたならば、できたものだけ受診件數が殖えておる。こういう結論が出るのじやないかと思います。 その次は一件あたりの費用でありますが、これは醫療單價の引上げ等のために値段が上つたというような事情でございまして、ここで特に説明しても價値はないように思いますから略します。 それから診療所の利用數はどういう割合になつておるか、組合員が何パーセントで、他の組合員または組合員以外のものはどのくらいであるか、そのパーセンテージを見ますと、川口におきましては組合員が六六%、他の組合員が三四%となつております。次に福岡村におきましては四十六%がその組合員、五四%が他の組合員となつております。横山村におきましては全部その組合員ばかり使つております。以下大體同じようなことになつております。 それから診療所の收支の状況でありますが、川口で申しますと、これは月の全部の平均をとつておりますが、收入として十四萬三千二百六十八圓で、支出といたしまして十萬五千六百四十四圓、差引三萬七千六百二十四圓という數字が出ております。川口は綜合病院で大きな病院でありますから、かかりが高いのでございまして、その他は病院の規模が小さいので差引の數字の差があまり大きくありません。それから成木村では四百三十八圓という赤字を出しております。もつともこの差引の殘の中には今後減價償却とか、借入金の償還とかそれに當るべき費用もここから見なければならぬのではないかと思います、全國的な調べができておりませんが、東京近郊の普通の組合と認められるところにつきまして調べました結果が以上のごとくでございます。 なおこれは御質問ではございませんでしたが、國民健康保險組合の赤字の額が相當多額に上つている。一億五千萬くらいに上つているのではないかというお話でございましたが、調べましたころ、これは日本醫師會の昭和二十一年度末における數字でございますが、四十六府縣の中で三十六府縣の報告が出ておりまして、その統計が四千萬圓になつております。十五府縣は報告が出ておりませんので、この額を推定いたしますと、約二千萬圓になるのじやないかと思います。総計約六千萬圓の赤字が昭和二十一年度末ごろにおいてできていると考えるのであります。これは實は私の方の調べじやなくして、日本醫師會の調べでございまして、その點一つお含みを願います。なおこの六千萬圓の中には保險の支拂は一月遅れになつておりますので、一箇月分は遅延と見なすべきでない数字が含まれていると考えます。 それからもう一つ昭和二十一年度におきまする國庫補助金の交付が非常に遅れましたので、それが年末ごろに組合に渡りまして、この六千萬圓といいますか、その結果相當の數字は國庫補助によつて赤字が消されているのではないかとも考えております。これは先日のお話がございましたからちよつと簡單に申し上げたのであります。
○小野委員長 榊原君よろしゆうございますか。
○榊原(亨)委員 東醫務局長の御答辯を願います。
○東政府委員 前囘の御質問にお答え申し上げますが、醫療制度審議會におきまして醫療制度改正要綱を定めたことを申し上げました中で、方針の第一に「すべての國民に對し必要にして十分な醫療を確保すること」というのをあげまして、要領の方の終りのところで「すべての国民に對し必要最小限度の醫療を確保する」とあるのは矛盾しておらぬかというお尋ねであつたと思いますが、實は方針としては、われわれも終局の目標としては、すべての國民に必要十分な醫療が施したいと思うのでございますが、現状を見ますと、必要にして十分などということはとうてい考えられないのみならず、必要にして最小限度の醫療さえ保持し得ない状態にある所、もしくは必要であるが、まつたく醫療の機関がないというような所もあるのが現状であります。そこで要領においてこれらの方針を完全に合致いたすようにやつてまいります第一歩として、最も醫療機關に惠まれていないような無醫地區でありますとか、あるいは戰災地等を例にあげまして、かように極端な醫療機関の不足をいたしておりますような所に對しても、まず第一に必要にして最小限度の醫療機関をつくるということをさしあたりの要領として行つていきたい。さような心持ちで方針と要領との中に一見矛盾するような言葉を使いましたことを御了承願います。
○榊原(亨)委員 よくお話はわかりましたが、そういたしますると、わが國の現状といたしましては、十分なる醫療というものはできないわけであります。殊に社會主義的考えから申しますと、すべての醫療は平均して國民に與えなければならないということになりますから、從つてわが國の現状といたしましては、最低の醫療を行うということに解してよろしうございますか。また国民健康保險の醫療におきましては、最低の醫療を行うということに解釋いたしましてよろしうございますか。その點をはつきり承つておきたいと思います。
○東政府委員 ここに申し上げております最小限度ということは、醫療の内容と申しますか、醫療の質においてそれが最小限度のものであつて差支えないというつもりではないのでございます。現在醫療の方から見て、最小限度に醫療施設を整備していないと思われるような所があるので、そういうふうな所ではさしあたり十分なことはできなくとも、最小限度と考えられる程度でもよいから、速やかに醫療設備を整備していきたい。しかしながら醫療の内容については、最小限度の醫療、あるいは最低の醫療をもつて満足するかというお尋ねに對しては、私は決してそれは満足すべきものではないと考えまして、あくまでも必要にして十分という、これが醫療の内容としてのねらいどころであると考えます。必要にして十分という言葉をあえて使いましたのは、現在不十分な醫療を受けておる方の多いということは事實として存じておりますが、また一部分には不必要な醫療さえ施されておる部面もあるということを私ども職業的な面から見まして、必要にしてむだのない、しかも十分なというところを考えて、これをやはり醫療の内容としてはいかなるときにおいてもあくまでも堅持したい。このように考えております。
○榊原(亨)委員 ただいまのお話によりますと、それでは醫療制度審議會におきますところの、十分だとか、あるいは最小限度というのは、醫療の内容を示すものではなしに、施設を示すというお考えでございますか。
○東政府委員 今の要領のところで申し上げました最小限度のと申しましたのは、醫療の内容の最小限度ということのみを指しておるのではないのでございます。むしろ醫療を受ける機會と申しますか、從つて施設に關連する意味において、その意味の最小限度というぐあいに申し上げたのであります。
○榊原(亨)委員 どうもはつきりしないようでありますが、こういうふうに解釋いたしましてよろしゆうございますか。少くとも國民健康保険に關する限りは、醫療の内容といたしましては、現在の醫學上適切と認められたるものについてこれを行い、施設その他のところにおきまして不十分な場合には、最小限度の施設を施すという意味に解釋いたしましてよろしゆうございますか。
○東政府委員 その通りであります。
○小野委員長 新たに委員になられた方がございますので、この際一言申し上げますが、この委員會では厚生省所管問題についていろいろ事情を聽取しようということになりまして、ただいまは健康保險組合の問題を取上げて事情を聽取いたしている次第でございます。お含みの上、御質疑がございましたら御發言願いたいと思います。他に御發言になる方はございませんか。
○榊原(亨)委員 質問してよろしゆうございますか。
○小野委員長 どうぞ。
○榊原(亨)委員 きようは榮養に関する係りの方はおいででございますか。もちろん國民健康保険に關する範圍においてでございますが、おいででございますか。
○小野委員長 きようは專門の方はお見えにならぬそうですが。
○榊原(亨)委員 それではその方面に関する質問は留保さしていただきます。 次にお尋ねいたしたいことは、この間の政府の御發表にありましたところの新らしい新物價體制におきまして、A案とB案なるものを生活費から支出額としてお示しになつておられます。そのうち――きようは榮養の方の方がおいでになりませんからお話し申し上げませんが、保健衞生費としまして、イの場合三十六圓、ロの場合六十一圓という勞働者の保健衛生費を計上しておいでになりますが、その保健衞生費の計算の基準は、どういう點におおきになりましたか承わりたいのであります。
○宮崎政府委員 あの發表は安本の方でやられましたので、私どもそれに參畫しておりませんが、その方はよく調べてまた次の機會にお答えいたします。
○榊原(亨)委員 それではこういうふうな經濟實相報告書とか、あるいはその他の新物價體制というものを政府が御發表になるときに、厚生問題に對して一囘も厚生省の方にお尋ねがなしに、ただ安本だけでおきめになるのでございますか。
○一松國務大臣 それは實は安本長官と關係官の方で協議の上でやるのでありまするが、その點に限りましては私の方には何らお話はなかつたので、すべてのことは、安本にそれらの專門の委員、たくさんの專門家を吸収して部課長に採用しておりまして、それらの專門の知識を基礎にして、そういう調査をして發表したのでありますから、御質疑の事柄に對しまして、私の方でわからないところは安本の方に問い合せまして、適當の時期にお答えいたすことにいたしますから、御遠慮なく御質疑だけは承わつておきたいと思います。
○榊原(亨)委員 それではこの次までに一つその問題についてお調べを願いまして御發表を願います。もう一つは、これが榮養關係の問題に関係しておりますので、この次の委員會にはぜひこの國民の榮養關係のことについてお答えがおできになる方に御出席をお願いいたしたいと存じます。ありがとうございました。
○小野委員長 福田昌子君。
○福田(昌)委員 國民健康保險事業の實施にあたりまして、醫者が積極的に協力いたしますのはもちろんでありますが、醫者がその協力におきましても、精神的な協力面と物質的な協力面とがあるわけでありますが、その醫者の協力いたします場合におきましても、経済的な面、殊にその醫薬品とか醫療機械の面に對しまする特別のお取計らいについては、政府の方ではいかなるお考えでいらつしやいますか。
○一松國務大臣 ただいまの御質問は聽きにくかつたのでもう一度お願いしたいと思います。
○小野委員長 福田さんに申し上げますが、御質問、お聲が低かつたために徹底しなかつたようですから、もう少し大きな聲で願います。
○福田(昌)委員 醫者がこの事業に積極的に協力いたします場合には、醫は仁術の立場から精神的に協力いたしますのは當然でありますが、それにいたしましても、この物價高の、しかもやみでなければ醫薬品、醫療器具というものも十分に入手できないこの時代におきまして、この健康保険を扱います醫者に對しまして、特に醫療品とか、あるいは醫薬品の配給につきましては、いかなるお考えでいらつしやいますか、承わりたいと思います。
○東政府委員 現在お説のごとくに醫薬品、醫療品ともに量において非常に缺乏いたしております際でありますが、特に國民健康保險の立場からのお話合もございまして、醫薬品、醫療品等を扱つております醫務局におきましても、現状において許される範囲と申しますか、一般の日本全部の醫療關係者に對する配給の不十分なのを一層不十分にして、それを非常に混亂に陷れることなく、しかもなお國民健康保險に協力される醫者の方々にできるだけの援助をいたしたいというつもりで、いろいろと折衝いたしました結果、ある意味におけるいはゆる特別配給というような形で、昨年から重要醫薬品が健康保險の診療實績というものを考慮に入れてなされるようにいたしておりますが、なおその数量的の詳細につきましては、お許しを得まして藥務課長から申上げさしていただきたいと存じます。
○神谷説明員 ただいま醫務局長からお話がございましたように、私どもといたしましても、ただいま御指摘がありましたように、できるだけ物的な方面で裏づけを申し上げたい。しかしすでに委員の方々も御承知でございますように、現在醫薬品その他の醫薬品その他の醫療用の物資の生産も思うようにまいつておりません。現在百二十六品目を配給統制いたしておりますが、この品目については特に不足を告げておるのでございます。それでかりに特別配給をそのうちから何がしか差引いて行うということになりますと、一般の病院、診療所に對する配給を妨げるというような結果をも起しかねません。しからば大體具體的にどの程度やつたらよかろうかということで、先般いろいろ相談をいたしました結果、大體これが標準といたしまして、一つの組合の地域において七〇%程度のものが組合員としておるという地域においては、約三割程度を特別配給をするというところまで話が来ているのでございますが、まだ具體的にこれはいろいろの手續の點がございまして、實施には移してございません。なお近くこれは配給統制を根本的に變える考えをいたしております。おそらく來月あたりからその實施の運びになり得るかともいま考えております。そうなりますと、このやり方についてももう一度考え直さなければならないのであります。いずれまたそのときにはあらためて具體的にそのやり方を考えてみたいというように思つておるのでございます。大體ただいまの御質問に對しまして以上をもつてお答えいたします。
○福田(昌)委員 組合員の數によりまして、どの程度のものを基準となさいまして配給量をお決めになつていらつしやいますか。
○神谷説明員 ただいまの御質問、私も非常にごもつともだと思います。この一番公平な方法は、醫薬品を必要とする量によつて裏つけていくということが正しいやり方だと思います。しかしながらこれは非常に事務的に面倒なことでありまして、いろいろ私どももそのやり方を考えてみたのでありますが、事務的には今申しますような實際使つた量についての裏づけということは、ほとんど不可能だという結論に達したのであります。しからば利用率によることを一つの標準として、點數でいくということも考えられるのでありますが、これとても今のお話のように實際に使つた藥とはまた別のものでございます。また利用の程度を今の普及率でいくということも、これまた實際に使いました藥の裏づけという點から言うと、合理的ではないかもわかりません。しかしいろいろな方法を考えてみまして、結局一番可能な方法といいますと、今の普及率でいくというよりほかないのでありまして、この點まつたくお話の通りに、やや違つた方面からそれを推定するということになりますが、これは事務的にやむを得ないものでございます。そういうことであるということを御了承願いたいと思います。
○小野委員長 福田さん、もうよろしうございますか。
○福田(昌)委員 これからの統制にあたりましては、疾病の種類、使用した醫薬品の内容というものを十分に御調査いただきまして、醫薬品の扱われます立場から積極的にこの事業に對して十分御協力くださいますようにお願いいたします。
○小野委員長 他に御發言の方はありませんか。
○榊原(亨)委員 ただいま藥務課長からお話になりました組合が七〇%活動しておるものに對しては三割ですか、特別配給をするという考えは私は不贊成であります。どういうわけかと申しますると、國民健康保險組合が強制加入である、あるいは國民の全般が國民健康保険組合にはいることを私どもは望んでおるのでありますが、そういう状態になつたとき、初めて今のお話が成り立つのでありまして、國民健康保険組合に加入するということが自由である限りは、特に國民健康保險組合にそれだけの藥を特別配給するということは人道上の大きな問題になると思います。 先ほどからお話になりますように、藥というものは現在においては非常に不足しておる。その不足しておる藥は國民の健康保険によろうとよるまいと、自由診療であろうとあるまいと、すなわち診療度に應じて配給さるべきものであつて、國民健康保険組合であるからといつて特別配給するということは、人道上大きな問題であると思う。今後の醫療は必ず國民皆保險の状態でやるべきであると信じ、私どもはそれを實現するように努力したいと存じますが、今の状態では、國民健康保險組合が任意加入の建前において、かかる取計らいをおとりなさることは、人道上の大きな問題であると思います。その點について御意見はいかがでありますか。
○神谷説明員 ただいまの榊原さんの御意見はまつたく同感であります。醫薬品のただいま統制いたしておるものの配給の眼目というものは、その診療の内容いかんを問わず、およそ診療のあるところにこれの裏打ちをしていく。これが炭鑛地帶の診療所であらうとあるいはまた國民健康保險の診療所であらうと、その種類いかんを問わず、私の仕事といたしては、その診療に應じた裏打ちをしていくことが眼目であり、また私はそのつもりでおります。しかもいささかも偏頗な配給をしない。乏しいものは乏しいなりに公平に配給するということは、今のお話とまつたく同じように考えております。ただ飜つて今の社會保險の現状を考えてみると、これはまたその方の當局から御意見があろうかと思いますが、私どもから見ましても一つの法律制度を立てまして、國が積極的に大衆の醫療の確保を目指して、この普及、内容の充實に努めておる際に、やはり先ほど福田さんからも御指摘があつたように、ある程度の物的な裏打ちがなければとうていその目的を達することができないと思います。その意味におきまして、私ども相談いたして、他のいかなるものに對しても今の榊原さんのお話のように、そういう部分的ないわゆる特別配給といつたようなものは絶對に行わない。ただこれも量とのにらみ合わせの問題であるが、國民社會保険に對して、先ほど申したようなある程度の援助をする、これは社會保險に限つて行うということに話合いがついたのであります。それからひとつお斷り申しておきたいことは、普通醫薬品と申しても、これはすでに專用家でおいでになる榊原さん十分御承知のことと思いますが、品目も非常にたくさんに上つております。ただ特殊の疾病で使いますもので特に少いもの、これについては別途の配給方法を今考えております。また現にある程度實施いたしておる、かりに花柳病診療所で使うところの特殊の藥、あるいは子供の疫痢に使う藥、肺炎に使う薬今非常にこれは量が少うございます。ある程度アメリカから輸入いたして現在配給しております。こういうものについては社會保險の配給も、他の醫薬品と同じように、先ほどのような扱いをするようなわけにはただいまのところではいかないように私考ております。さようなことでありまして御了承願いたいと思います。
○榊原(亨)委員 ただいまの藥務課長のお考えと、今まさに實施なさろうといたします薬品の配給における實施の方法とわ全然矛盾しておると私は思います。たとえばただいまでも、農村に對して報奨物資としていろいろな物を配給するということにつきましても、相當世間的の批判があるのであります。この際そういう批判にもかかわらず、國民の重大な生命に関係することについて、一つの組合に對して特別な配給をするということは實によく考えなければいけないと私は思います。もしもその健康保険組合が、そういう特別配給をもらわなければ成り立たないとするならば、その組合はどこかに缺陷あるものと私は思います。その組合をもし何らかの方法で助成する——助成すべきものと私は思いますが、そういう場合には、補助金その他の形においてやるべきであります。生命に關する特別の藥を特配することによつて他の部面にその藥が薄くいくということについては、私は異議をもつております。最後にお話しになつた非常に量の少い特殊な藥についても、民間の人と、厚生省の方との委員會をつくり、そこでたとえば外科ではガーゼが要るが、重曹はあまり要らないとか、婦人科では綿がたくさん要るとか、小兒科ではペニシリンがたくさん要るとかいう點についての比率をおつくりになつて――これについては私の住んでいる岡山縣では、縣内の醫者の中から專門家を選出し、たとえば重曹は内科では何パーセント外科では何パーセント婦人科では何パーセントという比率を民主的にきめて、それによつて頒布しているが、これは大きい國家の面から、大所高所から、非常に公平な民主的な方法によつて、その貴重な、少い藥品をわけるべきであつて、單に厚生省とか藥務課で——たいへん失禮な話ですが、机上の考えをもつて、この部分はよけいとか何とかいうことはなさらんと思いますが、そういうお考えを是正していただきたいと思います。殊に第一の問題の國民健康保険組合に限つて藥をよけいやるということについては、これは最も重大な問題であつて、かくのごとき偏頗な處置を當局がなさるということについては、私は徹底的に糾彈したいと存じております。
○宮崎政府委員 國民健康保險組合に對する薬品配給の問題でありますが、實はこの問題は國民健康保險組合だけではなしに、社會保險全般について、お願いしておりますが、最も中心になるべきものは國民健康保險組合であります。ただいま榊原さんの仰せの通り、この健康保險組合の不振を打開する方針としては、あるいは補助金増額により、あるいは保險料値上げなどによらなければなりません。しかしながら現在の國兵健康保險組合の藥品の状態から見て、補助金だけでなしに、物の方面から、何らかの措置を講じていただかなければならんのではないかという意見が相當ありまして、保險局としましても、これについていろいろ考えました結果、補助金による國民健康保險組合の助成とともに、社會保険の實績によつて、何らかの薬品配給の部面の上においての措置を講じてもらい、政府が社會保險制度の確立に努力しているその實績が現われまするように御協力願いたいというわけで、事務局の方ともよく相談を遂げまして、厚生省としてはこういう方針でいきたいというので、先ほど藥務課長が申しましたような方法でやつてみることになつたのでありまして、社會保險の現状等も御考慮願いまして御賛成を願いたいと思うのであります。
○榊原(亨)委員 それでは、これは社會主義を標榜しておる現在の政府としましても、非常に問題だと私は思うのであります。先ほどからるる申し上げますように、すべての國民が社會保險にはいつておるなら一番理想的であります。ところがはいつておるのは國民の一部分である。その一部分に對して大事な藥をわけてやれば、一方に必ず少なくなるところがある。それは今のお話によると、社會保險でないものは極端に言うなら藥をもらえない、そういうことはないと思う。藥は少いながらも、それが國民のすべてに均霑して平等にやるべきであつて、社會保險にはいつておるからその方に厚くやる。たとえばある藥が一方のものは一グラムもらえる。社會保險にはいつたものは二グラムもらえる。それでは社會保險にはいつた方が病氣がよくなるわけである。社會保險が任意加入である以上は、そういう理論は成り立たないと思います。私の議論しておるところは、一刻も早くすべての國民を社會保險に入れてしまつて、そういう薬を配給することによつて初めて公平に薬を配給ができる。ある一定の組合、あるいは保險組合に對して特別の薬を配給する。たとえばほかの生活必需物資なら別でありますが、國民の生命に關する藥を、一方の國民に對して組合にはいつておらないからといつてごくわずかをやり、組合にはいつておるからよけいやるということは、人道上ゆゆしき問題であると思うのであります。そういう不公平なことはないと思う。その點御意見はいかがですか。
○宮崎政府委員 社會保險の現状から申しますと、國民の八〇%がはいつておつて、開業醫師が大體社會診療をすることになつておるので、私どもといたしましては、一部のものに藥をよけいやることなく、國民の大部分が社會保險の對象になつておる、醫師の大部分が社會保險の保險醫になつておるので、社會保險の成績をあげられるならば、三割よけいやるといたしましても、結局少數のものを除いては同じことになるのではないか。そうして社會保險の診療が殖え、また被保險者が社會保險の利用を多くするということが、社會保險制度を設けた趣旨に合致するのではないか。今おつしやつたように、國民皆保險というところまで行きますれば理想でありますが、そこまで行くために努力する一つの手段として、この點は決してそう惡いものでないではないか。こうすることによつて社會保險が今仰せになつた國民皆保險に行くことが早くなるのではないかという氣もいたします。今社會保險制度が崩壊するということでは困りますから、何らかの手段によつてこれを助けようということの一つの現われでありますので、こういう過渡的の現象として御了解願いたいと思うのであります。
○榊原(亨)委員 それでは國民の八割が社會保險にはいり、あとの二割がはいつていないといつて、國民健康保險組合なら國民健康保險組合、あるいは社會政策を盛つた組合を助成するために、あとの二割を犠牲にしてよいとお考えになりますか。
○宮崎政府委員 要するに三割と七割のわけ方がどうかということになると思うのであります。榊原さんの御議論によると、三割が一割でもいかぬのではないか。全然そういうことを考えないということにとれるのでありますが、私どもは大體三割ぐらいがその方の妥當性を保ち得るのではないか。こういうことで厚生省の態度をきめたわけであります。
○神谷説明員 先ほど特殊醫藥品のスルフアチアゾール等の配給について御意見がございましたが、これは私どもの方で全部そういう部門別にわけて配給いたすのではございませんで、各縣にわけて、あとは今のお話にありましたやうに、重點的にそれぞれの專門に應じた配給をしていただくようにやつております。しかし實際は御承知のようになかなかうまくいつておりません。つい一週間ほど前に、具體的例として、東京都内の世田ヶ谷の醫師の隣組の醫藥品の配給を私見に行つたのであります。これなどはまさに今御指摘のありました逆のやり方で、最近スルフアチアゾールを出したので、どういうぐあいに届きましたか見に行きましたら各醫師に三粒ずつわけておる。今御指摘になりましたように、必要な方面に重點的にわけてやるということに、私どもといたしましてもできるだけ地方廳を通じて是正するようにしております。 それからこれは少しく話が長くなるので申し上げませんが、ただいままでの配給の方法は大體地方廳にわけまして、そうして割當てていくというような配給のやり方をしておりましたので、今度は一應買ひ得る限度を各病院診療所、醫師に割當てまして、そしてすきなだけ買ひに來るというやり方をとろうといたしております。こういうやり方でまいりますと、從來のような點が非常に是正されてまいるのではないかと考えておりますし、また御意見がありましたように、重點的な割當等もできるだけ需要家の意見を聽いてやるように指導いたしてまいるつもりでおります。
○小野委員長 中原健次君。
○中原委員 ここに國民健康保險組合運營調というものをいただきましたが、これによりますと、だんだん普通の状態が不振になり、不振の状態が休止の状態に陷るというような現象がこの数字の上では見えるのであります。現在の國の事情から考えますと、この機關を利用する率はむしろ殖えていくのが本當ではないか。つまり國民の不健康状態がだんだん大きくなりつつあるというように私は思うのであります。それは食糧その他衞生上のいろいろな關係から、敗戰國の悲しむべき特徴として、不健康状態がますます擴がりつつあるというように思えるのであります。それにもかかわらず、運營の状況はむしろだんだん不振な方向へ進みつつあるということの矛盾でありますが、その原因がどこにあるか。いろいろ意見もあると思いますが、當局におかれては、その最も大きな不振の原因をどこに見出しておいでになるであろうか、一應その點を伺いたいと思います。
○宮崎政府委員 ただいまのお話でありますが、大體私どもの方の調査によりますと、組合の數はいわゆる休止不振の方が殖えてまいつておりますが、成績のいい方は非常によくなつておりまして、受診の件数は殖えております。そして組合の振、不振の關係は振の方が殖えていつておる、こういう現象であります。これを別の言葉で申しますると、組合が健全なる發達を遂げておりまするところにおきましては、組合の成績が上つている。ただいまのお話のように、日本の現状としてこの組合を利用すべき者が多くなるべきはずであるというお言葉に合致しておると思うのであります。組合が健全に動いておるところは件數がだんだん殖えてきておる。それから組合が不健全になる數がだんだん殖えてきておる、これも事實であります。これにつきましては先般申し上げたのでありまするが、國民保險組合の立て方が、御承知のように醫療組織におきましても、最初は相談ずくで組合診療をやつていく場という形でありましたが、戰時中において、一律に政府できめた標準によつて、開業醫が當然保險醫として働いていくという制度に變つている。それからまたインフレその他の状況によりまして藥品の價格が上つておる。また人件費が上つておるにもかかわりませず、保險料はなかなか上げられない状態にある。それは成績が上らないために保險料が上らない。保險料が上らないために成績が上らないというような原因結果が重なつた關係になつておりまする點、それから國庫補助等におきましても、物價が六十倍も七十倍もしておるけれども、國庫補助の額は數倍にすぎないという點、及び戰後の一種の弛緩状態、こういうものが重なりまして、國民健康保險の利用こそ今必要であるというときにおきまして、成績が下つておる。しかして成績のいいところにはどんどん殖えておるという現状でありまして、これらにつきまして政府といたしましては、速やかにこれの打開策を講じなければならぬ。こういうように存じまして、ただいま大蔵省と折衝して、これらの改善策について豫算をお願いしたいと存じておるのでございます。その際においてはまた十分御協力をお願いしたいと思つております。やり方といたしましては、今の診療の組織をどういうぐあいにするかという點について、少しく從來の制度を改めてみたらどうかということと、直營診療機關をいま少しもつたらどうかという點、それから保險料の値上げができるように斡旋、勸誘、指導というようなことを續けていく、同時に國庫補助についても増加をお願いしよう。それからこれが思想普及につきまして十分なる措置を講ずるよう研究してみよう。またこれらの仕事に當つておる人々の待遇、あるいは數等において相當な援助を國家からしていただこう。こういうような點につきまして、目下大藏省と折衝いたしておる状態であります。
○中原委員 いわゆる不健全な組合が運營の成績をだんだん落しつつあるということでありましたが、從いましてそういう實情から思えば、不健全状態の組合が相當多數あるということも豫想されると思います。そこでその不健全性をもてる組合は何がゆえに不健全性をもつのであるかということに相なると思うのであります。もちろんそれにはいろいろな事情もあると思います。組織の仕方、いわゆる地域的ないろいろの分布の関係もありましようし、あるいは取扱いをいたしております當事者の人的な事情もあると思いますし、あるいは先ほど御意見がございましたように醫藥、醫療器具等の不十分なために、それを十分ならしめる力をもたないというような醫師が多かつたり、あるいは直營等にしてもその點が不活發であるというようなこともまた原因の一つであるかと考えます。それらの原因はいずれも解消するように御努力が願えることと期待しておりますが、いずれにしても不健全組合の存立を一日も早く許さざる状態に高めていかなければならぬと思います。殊に醫療制度の問題は、社會保險に關する限り、現在わが日本の経済の實情から考えまして、いうところの社會政策というものが非常に強く要請されておると考えるのであります。従いまして社會政策が強く要請されておる現在の日本の實情から考えますと、あくまでこの醫療関係の問題も、社會的な見地に強く立つべきであると私は思うのであります。従いまして先ほどから御議論になつております醫藥、醫療器具等の配給の問題でありますが、私は當局の意見を支持するものであります。というのはなるほどある特殊の醫療、いわゆるある特殊の醫家の手に配給の率がかりに低かつたといたしましても、それは配給を皆無にするという状態ではない。ただ配給比率の問題がいくらか相違してくる、ということはいわゆる醫の業が社會政策的な意味を十分、しかも強く取上げなければならない段階とするならば、みずから國民健康保險の徹底普及、國民すべてを健康保險組合員たらしめ、そうして健康保險の醫療を受けるというような状態を確保することが、現在わが日本の最も大切な實情であると考えるからでありますが、そうであるならば、いわゆる健康保險組合の普及徹底、そして利用の度を高めるためには、健康保險による患者なるがゆえに、今まで感じましたいろいろな不便、不利益な事情は解消しなければならぬ。そういう不利益な状態を解消せしめるためには、先ほど福田さんからの御要請があつたかと思いましたが、醫藥、醫療器具等についての配給のことは特に重要性があるものであると私は考えるのであります。そこで國民健康保險を助成するというよりも、むしろ國民健康保險を徹底せしめるためには、この機關を保護するような立場において積極的に出るべきものではなかろうか。またそうなけらねばならぬと思うのであります。このことにつきまして局長の御意見は私まことに結構と存じます。從つてそういう確信のある態度をもつてこの問題を處置していただきたい。もちろん議論というものは立場によりましていろいろに立てられますが、少くとも今日の段階は社會政策の確立というところに少くとも國民健康保險に關する場合は狙いがあるはずだと思いますので、この點についてはいささかも動揺があつてはならぬと思うのであります。いわゆるこの機關を利用する國民は、大體自力をもつて十分治療を受ける能力をもたざる人が大多數を占めるものと考えていいのでありますから、またそのことのゆえに國民健康保險という制度も考えられたものと私は思いまするために、そのような國内の實情に即應するためには、斷固として國民健康保險育成のための方策が取上げられていかなければならぬ。殊にこれは私の聞くところでありましてあるいは間違いであれば結構でありますが、最近いわゆる名藥と言われますものは、主として俗にいわゆる五大メーカーの手で精製されているというふうに聞いておりますが、五大メーカーの製藥である優秀藥が、しばしば一般に流れがたい状態になつている。しかもそれは五大メーカーのもてる強力な地位のゆえにそういう優秀藥品がどんどんやみに流されつつあるうわさを耳にいたすのであります。私どもがよく新聞廣告などを見まして非常にすぐれた藥であるからと思つて探しますが、さて實際藥はわれわれの手には入らぬのであります。同時にまた経營力の弱い醫師、あるいは公立的な病院等にはそのような藥がしばしば發見しがたいが、ある特定の醫師の手にはそういう優秀な藥が相當抱き込まれているという現實があるかのように思うのであります。このことは實に一大事でありまして、たとえばペニシリン等の問題につきましては、ただちにそれを利用しなければならないような急患に對しましても、一般の強力でない醫師に治療を求め、あるいは公立その他の大衆性をもてる病院で受ける場合は、その施藥をしてもらうことができないということになりますと、先ほどの御意見とは反對にゆゆしい人道上の問題がここに起ると思うのであります。すなわち經濟力を持つこと弱い大衆は、そのために必ず治るであろう病気を治し得ない、遂に死に陷るという悲劇をたくさん今まで經験してまいつたのであります。そういうことを思いますと、まず優秀藥の配給等については特に強力な措置が講ぜらるべきであると思いますし、またいわゆる優秀な五大メーカー等についても、積極的にそのことに協力をしていただけるような措置を講ぜられたいものであると私は思うのであります。そのように考えますので、配給の面における考慮は醫療の社會化という見地に立ちまして、今後はむしろ國民健康保險制度の強化助長のためにお考えがいただきたい。萬一ある特定の社會的な性格を持てる治療に熱意をもたざる醫家がもしあるならば、そういう醫家は社會政策的な立場に立てるこの保險局の立場から言えば、考慮せざるということは極端な言い方でありますが、そういう態度のそしりを受けるようなことがあつても何ら私はたじろうべきではないと考えるものであります。というのは何囘申しても同じでありますが、目標がはつきりいたしているのでありますから、その明確な認識に立つて事をなすならば別に混亂は起らないと考えます。このことにつきまして一應優秀藥品についての現在の配給状況でありますが、そういうことについて何かお知らせが願えれば幸であると考えるのであります。
○神谷説明員 ただいまの御質問の優秀醫藥品のお話でございましたが、ちよつと具體的にどういう範圍をお指しになつているのか。私ちよつと的をはずれたお答えをいたすかもわかりませんが、大體特に今診療所等で一番必要とするものは何と申しましてもスルフアミン系の藥だと思います。これにつきましては特に私の方で——一般の重要藥品についてもさようでございますが、生産計畫を立てまして、それによつて原料資材の割當をいたしまして計畫生産をいたしているのでございますが、特にこれについては重點的な生産計畫を立ててやつております。たとえて申しますと、先ほどから申しますスルフアチアゾールは月産一トンの豫定で行つております。しかしこれは最近大體豫定通り生産ができましたが、中に檢定に合格しないもの等が非常にたくさん出まして、そのためにまだそれだけのものが配給にまわつておりません。しかし大體その程度のものは近い將來に配給し得るであろうと思います。この品物でございますと、今五大會社というお話でございましたが、十數社やつております。大體どの社のものも檢定をいたしますので同一の内容をもつております。よく會社の名前とその藥の名前で特にそれが欲しいというお話がございますが、大體内容的にはいまのような藥は同一内容をもつております。それでこれは先ほど榊原さんのお話のときにちよつと申上げましたが、つまり近くこれは醫師會その他を通じてお話を申し上げることにいたしておりますが、新しい配給統制のやり方におきましては、先ほどからも申しますように、重點的な配給が考慮され、また可能であるということと、もう一つは現在の配給統制の不備によりますところのやみの流れを防ぐことができるという大きな狙いをもつております。このやみの問題は藥に限らず、各方面で非常に憂えられておる問題でありますが、特にこの私の關係の藥におきましてもやみがないとは申し上げられません。どこから流れるかというと、いろいろな方面からでございます。最近でもこのやみをなくすることに大わらわになつておりますが、なかなか徹底したことが實際のところできないのでございます。 それからもう一つ、これは御指摘がございませんでしたが、不良品——實際これは使用する方が本物だと思つてお買いになると、とんでもない内容のものである。最近はサルゾールの實に上手な模造品がございます。これも莫大な量を私どもの方で押え得て、流れるのをくい止め得たというような事例がございまして、そういう例が次々ございます。できるだけ手を盡しておりますが、今度の配給統制のやり方では、こういうものは完全に防げるという確信をいたしております。 それからペニシリシのお話がございましたが、御承知のように、ただいまございますものは、和製のものほ三萬單位でございまして、大體月に八千本から一萬本が一般に配給せられております。ただその中の四千數百本は、御承知のようにまだペニシリンは研究の時代を脱しておりませんので、ある程度研究用にこれをまわしております。それで一般には四千本内外のものが全國に配給されておるようでありますから、これはなかなか皆さんのお手もとまでお届け申し上げるというところにまでは十分行つておりません。ただ最近優秀なアメリカ物が——これは二十萬單位のものが、つい最近二萬本はいつてまいりました。できるだけ私どもとしては國内品の生産を高めて配給量を多くしてまいりたいと考えておりますが、ただいまのところでは生産の状況は先ほど申したようで、しかもこれが、何と申しますか、御承知の各地方にございます卑しい商賣の女の方に少からず使用せられるというようなことで、今度からある程度この使い方についても、ほんとうに生命に關するようなものに配給するというぐあいに、直してまいるように指導をいたしております。各地方におきましてそういう方へかなりな量を使つてしまう現状であります。これらも次第に直してまいるつもりでございます。要はこれらは、いろいろ御議論がございましようが、生産を高める。そしてある程度目的量を得るという以外にないのであります。この點については、私どもも全力をあげて今の生産の必要な需要を滿たし得る程度にまで達せしめようと實は苦闘しております。またある程度足りないもの、どうしても國内で賄いきれないものは、原料を輸入してやる。あるいはもういよいよやむを得ないものは製品を輸入する。これは最近でも數品目輸入いたしております。大體そういうようなことで、要は供給を少しでも多くという方へもつてまいるように努力しております。どうぞさような意味で御了解を願いたいと思います。
○中原委員 要するに生産を増強していくという積極的な面においてすべての問題は解決するという御見解にはまつたく同感であります。從いまして生産を高めるためには、ひとりこれは藥品だけではございません、醫療器具、機械等にも關連いたしましようし、その他萬般にわたるわけでありますが、生産を高めるために今日最も困窮をいたしておりまする事柄は、優秀な勞働力の行使という點であります。從いましてすぐれた勞働力を行使せしめるためには、勞働者を健康状態に保證しなければならぬということに相なるわけであります。從いましてひとりそれは勞働者という局限されたものだけではございません。生産増強という點で考えますと、まず最初に勞働力の健全なる確保ということが問題になるわけであります。ただ人口の確保というような意味だけでなくて、すぐれた勞働力の確保、そういうようなことになつてまいりますと、この健康保險の問題は一層重要な地歩を占めてまいるわけでありまして、これはひとり國民健康保險組合によることだけでなくて、いわゆる健康保險全般にわたりまして重大な意味をもつわけであります。従いまして醫療制度の上にこれらの諸制度を一層活發ならしめていくということのためには、必要なるいろいろな措置が取上げられていかなければなりません。従いまして醫藥品等の重點配給という問題につきましても、全面的な解決は近き將來に約束されるでありましようけれども、その過程において、何分かの公平あるいは不公平というような言葉で非難されるかもしれないような配給のされ方もやむを得ない場合もあるかもしれません。ことに重點という意味から申しますと、さようなことは當然だと思うのであります。從つてその重點という認識をどこにおくべきであるかということにかかわると思いますが、ただいま重點というお言葉が繰返されたので、その重點のおき方をどのようにお取扱いになつておいでになるか。ただ重點的というだけでは私は了解しがたいと思いますから、その點をお漏らし願いたいと思います。
○神谷説明員 私の申し上げ方がまずかつたかもしれません。重點という言葉を使いましたのは、私は生産の意味で申し上げたと思うのでありますが、配給については先ほど私がお答えいたした通りでございます。ただ生産については最も必要なものについて重點的な計畫生産をさらにやつておるということを申し上げたのでございます。
○榊原(亨)委員 關連した問題でございますが、先ほど中原君かおつしやいました國民健康保險あるいは社會保險にいくらかよけいに藥を配給してもいいというふうなお話でございますが、これは少しく中原君がお間違いになつておいでになるのではないかと私は思うのであります。と申しますのは、中原君の御指摘になりましたことは、いわゆる資本家的、資本主義的な開業醫に對するお話だと私は承つたのであります。私の申し上げますのは、國民健康保險組合そのものは、まだいろいろなふうに研究しなければ完全にならない組合である。現に經營困難に陷つておる組合がある。その國民健康保險組合の經營の困難になつておるところの弱點は、どこにあるかということもまた十分に穿鑿しなければならぬことである。そういう未完成な組合に向つて、また今のような組織の國民健康保險組合がはたしてわが國の國民醫療の最もいい社會主義的な政策であるかどうかということも疑問がある。その組合に向つて重點的に——重點的というとまた話が違いますが、いくらかよけいに藥をまわすということについて、私は人道上異議があるということを申し上げたいのであります。御承知のように國民健康保險組合でなしに、社會主義的な醫療は、そのほかに生活保護法による醫療というようなものもあるのであります。従つて私の申し上げますのは、資本主義的な今までの開業醫制度に對してよけい藥をまわさなければならぬというような話でなしに、すべての國民が一様に均一なる醫療を受け得るためには、特別に國民健康保險組合に藥をよけいにまわす、しかもたくさんあればよいのでありますが、足りない藥をまわせば、一方において足りなくなる方面があるのであります。たとえて申しますと、今の國民健康保險によけいやつたために、生活保護法の方にまわす藥が少くなつていくのは、これは當然の話であります。これはこの委員會あるいは議會においていろいろ社會保險制度を討議いたしまして、そうして完全な醫療制度ができたときに、初めてここに重點的に藥をまわすべきものである、しかもそれは長い將來でないという點のことを私は申し上げたのであります。
○小野委員長 この際申し上げますが、この問題についてはいずれ委員會において討論研究すべき問題でございますので、その際お互いの意見を十分吐露していただく機會があろうかと思います。今日は主として事情を聽取するのでありますから、構わぬようではありますが、討論に後日の機會にお讓りを願いたいと思います。
○中原委員 それではその點は委員長の御宣告がありましたので、それに從いまして後日に讓りまして、これはいわゆる藥局の問題になりますが、街にあります賣藥店、藥剤師等が賣藥をいたしておりまする、その賣藥機關に對する藥の配給のなされ方であります。これもはなはだ非難の多い問題でありまして、現在建前をどこにおいて賣藥業者に對する醫藥の配給をなされておるか。一般にこの藥剤師を利用いたしまして、簡單な治療は自分の手でやるという習慣がついております。日本の國民も大體いくらか素人なりにも、科學知識が普及されておりますので、賣藥業者を利用する度もまた高いと思います。しかるに賣藥業者の方にいろいろ配給の面で不公平なことがあるようであります。これについてできるだけ重要な點に觸れての御答辯を願いたいと思います。
○神谷説明員 今賣藥業者というお話がございましたが、これは私はおそらく藥局のことをお指しではないかと思うのでございます。藥局が處方箋によりまして調剤をいたします限り、やはりこれにも必要な藥の配給をいたしておるのでありまして、ただいま地方によつて多少の違いがございますけれども、大體四半期あるいは一年で各病院、診療所、それから藥局の必要量をそれぞれ出してもらいまして、それからまた過去の消費の實績を見まして割當をいたしておるのであります。ただこれが特に一般的な、たとえばアスピリンの錠劑であるとか、こういうものは一般に使用せられるものである。また一面においてアスピリンの粉末は、むしろこれは各醫家の方で使用せられるといつたような傾向がありまするので、そういう意味合でふりわけをいたしております。大體御質問の點はその點をお指しではないかと私は思うのでございますが、そういうように大體一般向きのするものと、特に病院、診療所で使われますものと、ものによりましてわけて今のように配給をいたしております。
○中原委員 もちろん藥局における處方箋に基く藥剤の點もそうでありますが、もう一つつまり賣藥品があるわけでありますが、それは厚生省としては御關係をおもちにならないのでありましようか、それとも何らかの関係がありますれば伺いたい。
○神谷説明員 今のお話でありますが、一般の家庭藥の方は、これは現在配給統制をいたしておりません。これは大ざつぱに申しまして普通醫藥品と申しますか、病院、診療所で使われます品目はいろいろな範圍のとり方があろうかと思いますが、おそらく千品目を越えるものと思います。そのうちで先ほどお話申しましたように、特に不足いたしておる百二十六品目について現在配給統制をいたしておりまして、その他のものはこれは統制をしておりません。それから一般に家庭藥と申しておりますいわゆる賣藥、これは全然統制をいたしておりません。それからなお統制いたしておりまするものは、衞生材料と申しまして、ガーゼ、脱脂綿、繃帶、三角布、これらは統制をいたしております。その他の一般の製藥とか、衛生用品、醫療機械等は、これは生産資材の割當をするという意味において生産統制はいたしておりますが、配給統制はいたしておりません。
○松谷委員 本日の議題からちよつとはずれるのでございますが、大臣がせつかくおでましでいらつしやいますので、ちよつと簡單に承りたいことがございますが、お許しいただけますでしようか。
○小野委員長 よろしゆうございます。
○松谷委員 大臣にお伺いいたしたいと思いますが、先ごろからたびたび御配慮いただき、お願い申し上げておりました例の助産婦、看護婦試験令の件でございますが、さつき耳にいたしますところによりますと、いろいろ御配慮願つておつたにもかかわらず、厚生省案のあの政令がそのまま閣議を通過したということを耳にいたしましたが、これははたして事實であろうかどうか承らせていただきたいのでございます。——七月三日の官報にて發令になつたということでございますが……。
○一松國務大臣 それは通過しましたが、原則はああいうことになつておりますけれどもしかしそれは例外規定でいろいろまた便宜に認められることができるようになつております。この間のあなたの陳情になつたものは、全部原則通りそのままにすべての取扱いをしようということではないので、あの中で私が話したのは、特別の例外について、それぞれ個人々々によつてそういう例外の取扱い方ができるように考慮しよう、こうお話をしたと私は思つております。
○松谷委員 あの際は、厚生大臣にこちらから陳情いたしまして、とにかく一應公聽會を開いて、そうしてからこれを閣議にまわすようにはかつていただきたい、その場合には試験令は全然出ておらなかつた、そうしてそれをなお當事者が當局に對して質問をした際には、試験令はこれから除外する、試驗の方は法律で出すようにするという初めの御答辯があつたにもかかわらず、その政令案の中にはいつていたので、それを追及したところが、お答えがなかつた。それをひとつ民主的に公聽會にかけていただきたいということをお願い申し上げて、その際大臣もそれは確かに民主的でないというお答えを、私も聽いておりまして大臣のお口から承つたように記憶いたしておるのでございますが、公聽會を經ずしてすでに御決定になつたということは、あの際においてもこちらの態度について御忠告になられ、私どもも深く反省するとともに、そうした從來のいわゆる官僚的なやり方というもものをどうかこの際一掃していただきたいということを私ども心から依頼し、そうして大臣の御人格を信頼して、私ども心よく安心しておつたような實情であつたのであります。一應公聽會を開いていただいた後ならばとにかく一應成立になつておることであるから、特別令によつてそれを補うという點もわれわれも納得できないでもありませんが、そのお言葉があつたにもかかわらず、そのまま通過してしまつたという點において非常に落膽し、せつかく今の大臣に何もかも信頼して、今度の内閣こそはほんとうにわれわれの味方であり、われわれ働く者の意思をおくみとりくださつて、政治をなされるものと期待しておつたのに、働く弱い君たちが大きな一つの不安をもち、そうして信頼の念を缺いておるという現状に對して、一應御意見を伺いたいと思います。
○一松國務大臣 それは今あなたのお話のようなことであるが、あの試驗制度というものをまつたく變革してしまつているのではない。あのときに私も言つたように、わが國における保健婦だとか、看護婦だとか、産婆とかいうものの地位は非常に低いのだから、これを大い向上させなければならない。そういう點については原則としてはやらなければならぬが、しかし君らのような特別の事情のある人には特別に考慮しよう。それについての公聽會を開くこともよいだろうということを話しただけでありまして、あれは例外に取扱いできるのだから、そういう點で適當に處置しよう、こういうことを私は話しておつたのであります。さよう御了承を願いたい。
○松谷委員 それはとにかく一應通過いたしましたものですから、今さら何といたしましてもしかたがないのでございます。今後においてもどうか公聽會を開いてこの不備な點を、特別除外例なり、附則なりを設けて補足し、働きながらそうした甲種の階級に到達しなければならない人——今の看護婦、助産婦というものがあの政令によりますと乙種に位して、大體七年間と記憶いたしておりますが、七年間というものを獨學しなければ甲種になれないというような、非常に酷な試験令になつておりますので、ひとつこの際この點を十分當局も御檢討いただいて、私どもの希望としては、一人殘らず甲種の資格にまで向上さすことができるように、國家の補助育成機関等のお計らいをしていただきたいと思います。
○一松國務大臣 よくわかりました。今あなたのおつしやるような制度にすることが、現在の仕事に從事しておる人を助ける途としては最も必要なことであるが、現在あのままで職業に從事することはもちろん許されておるわけで、それがただ甲という資格を得ようとするについては、今あなたのおつしやるように、さらに試験を受けて、その資格を得なければならぬ。その資格を得るについては、專門にやらなくても、就職の傍ら、夜學でも、夜間でもそういう方面の見學をして、そして國家試験に及第さえすれば、甲の資格を得られる。こういうことについては諸君の便宜のいいように、ひとつ自分の方で考えてやろう、こういうふうに、私は答えたように思う。 それから公聽會の點は、公聽會を開くということも必要であるが、公聽會を開かなくても、皆さんの意見がこういう點にあるのだということを理事者の方でわかれば、公聽會を開いたと同一効果のあるような規定を設ければ、何も必ずしも公聽會を開かんでもいい、こういつた考えを持つておるのであります。しかし机の上で企畫することが、公聽會を開いて企畫することほど効果が十分でないというようなおそれももちろんあろうと思うのでありますから、そういう點については、でき得る限り民主的に仕事をしていこう、こういう考えで實は答辯したように思つております。こういう趣旨に御了承願つて、そういう人に對しては、でき得る限り便宜な方法によつてやろう。これがその答辯したときの趣旨であつたと御了承願いたい。できる限りあなた方の便宜をはかつてやろう、こういう意味に御了承願いたいと思います。
○小野委員長 健康保險組合の問題の説明聽取は大體きようをもつて終了いたしたいと思いますが、この際委員長から政府に質問と申しますか、希望と申しますか、いたしたいと思います。 國民健康保險組合の問題は、いろいろな原因もありまたやむを得ない事情があるかもしれませんが、少くとも現段階においては、非常に破局的な状態になつているということは否めない事實ではないかと思います。しかもその状態は、姑息なる手段をもつてはとうてい打開のできない状態にまできているのではないかと思います。早くも國民の中には、こういう状態であれば、むしろ廢止するにしくはないという聲すらも、一部にはあるように承つているのでありまして、これらのことを考えますと、せつかくできたこの制度でございますから、もちろんこれを維持育成しなければならぬことはたれしも考えられるところであろうと思いますが、いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、姑息なる手段ではとうていその打開策がないとすれば、あるいは法律的な措置といたしましても、あるいは豫算的な處置といたしましても、ここで政府は思い切つた對策を講じなければならぬものだと考えます。つきましては、きようでなくても結構でありますが、この國民健康保險組合の問題に對してどういうふうにしてこれを維持し、さらにその發展を企圖されようとしているのか。なるべくその具體的なものを、できるだけ早い機會に本委員會に御報告を賜わりたいものと考える次第でございます。なお本委員會は後日あらためてこの問題について討論研究をいたしたいと思いますが、いかがでございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小野委員長 さようにいたしたいと思います。本日はこれをもつて散會いたします。 午後零時七分散會