決算委員会 第27号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/12/04
会議録
○竹山委員長 それではこれより會議を開きます。 前日に引續いて決算の審議を繼續をいたします。本日は復員省關係の審議から始めます。まず政府委員の説明を求めます。
○遠藤(武)政府委員 第一復員局の政府委員から復員省所管として提出されております決算について説明いたします。三つございまして一つは二千年度の一般會計の所管のものと、それから同じく二十年度の陸軍造兵廠と陸軍製絨廠の特別會計に關する決算でございます。第一の一般會計の決算につきましては、これは昭和二十年度でございますから、陸軍省が復員省に變りましたために、陸軍本省費と、それに繼ぎ足して出しておりました復員費と二つございますが、その歳出の豫算額は、六十七萬七千八百五十三圓でありまして、これに豫備金外臨時支出の三億七千三百萬圓を加えました額、すなわち豫算現額は、三億七千三百六十七萬七千八百五十三圓と相なるのであります。しかしてこの年度におきまして支出濟となりました總額は、二億七千四百三十九萬二千五百三十三圓餘でありまして、豫算現額に比較いたしますと、九千九百二十八萬五千三百十九圓餘の減少と相なつているのであります。この減少額は外地部隊の復員歸還が計畫より少かつたために生じたものでありまして、年度内においてはまつたく不用となりました金額であります。 次に各特別會計の決算について申し上げます。 第一は陸軍造兵廠作業特別會計の決算であります。昭和二十年度第一復員省所管の陸軍造兵廠作業特別會計の收入の合計額は、百六億三千三百六十九萬七千五百二十四圓餘でありまして、支出の合計額は、百六億三百四萬九千二百四十二圓餘でありましたので、收入支出差引三千六十四萬八千二百八十一圓餘の殘餘を生じました。この殘餘金をもつて前年度より繰越した缺損金一千九百二十三萬三千五百五十三圓餘を補填をしまして、さらにその殘餘一千百四十一萬四千七百二十八圓餘となりますが、これは陸軍造兵廠作業の益金として昭和二十年度一般の歳入に納付し本年度の決算を結了いたしました。これで永らく續いてまいりまして造兵廠作業特別會計は全部終了したわけでございます。 第二は、陸軍製絨廠作業特別會計の決算であります。昭和二十年度第一復員省所管の陸軍製絨廠作業特別會計の收入の合計額は三千四十二萬八千四百三十七圓餘でありまして、支出の合計額は、三千八十二萬一千五百四十九圓餘でありましたので、收入支出差引百六十萬六千八百八十八圓餘の殘餘を生じました。この殘餘金のうち前年度より持ち越した缺損額七十九萬七千四百二十七圓餘を補填しまして、八十萬九千四百六十一圓餘の殘金を生じましたので、そのうち三十二萬四圓の收入未濟金を除き、四十八萬九千四百五十六圓餘を陸軍製絨廠作業益金として昭和二十年度一般會計の歳入に納付し本年度の決算を結了いたしまいた。これで陸軍製絨廠作業特別會計というものはまつたく終りを告げたわけであります。なお陸軍造兵廠作業及び陸軍製絨廠作業の兩會計は、さきに第九十議會において協贊を經まして昭和二十一年法律第二十一號によりまして、昭和二十年度限り廢止され、同會計廢止に伴う處理は同法附則第十三條により實施せられました。 以上が本議會に提出いたされました昭和二十年度第一復員省所管の一般會計及び各特別會計の經費決算の概要でありますが、なお會計檢査院より、當院に不當の事項として報告されております事案が二つございます。二つとも陸軍造兵廠作業費に關するものでございます。一つは昭和二十年の終戰時におきまして、四國にありました香川造船機株式會社というのに、戰都中陸軍造兵廠で注文をしておりました木造船の終戰後の支拂に關する問題でございます。これは木造船を二十隻注文しているのに對しまして、うち百萬圓は前に概算拂いとして拂つておつたのに、終戰後さらに追加をいたしまして百萬圓、合計二百萬圓拂つたという事件でございます。これは二十隻全部できておらぬのに、できたものとして拂つたために、約百六十萬圓ばかり過拂いになつておつたという事件でございます。これは檢査院の實地檢査の結果摘發されまして、整理した問題でございます。これは當時いろいろ混亂をいたしまして、支拂の方法、その他に誤解もありまして、粗雜に取扱つたという關係上起つた問題でございますが、當時のいろいろな事情を考えて見ましても、當時の取扱いというものは適當でなかつたと思いまして、檢査院の報告通りまことに遺憾に存じている次等でございます。二十五萬圓ばかりの過拂いうのち二十五萬圓ばかりは囘收をしたのでございますが、その殘金につきましては、この會社かその後非常に經營状態が悪くなつてまいりまして、どうしても初めの計畫通り拂えぬというような状況になりまして、現在その殘額をどういうふうにして返してもらうかについて會社側と相談中でございまして、まだ結果がきまつておりません。なるべく早くきめたいと思つておる次第でございます。 もう一つは名古屋造兵廠で拂いましたやはり終戰後の支拂についての問題でございますが、これも洗淨機を注文しておつたにかかわらず、終戰後の支拂にその前金を差引かずに拂つたために、前金額として拂つておつた二十七萬餘圓がまつたく過拂になつたという事案でございます。これも檢査院から實地檢査されまして發見された間違いでございます。これはまつたく事務當事者の間違いの結果起つた事件でございまして、まことに遺憾に存じておる次建でございますが、これにつきましては會社と折衝いたしまして、分納計畫を立て、定期返しという方法によりまして、これも終戰後の會社と經營状態が非常に悪くございますので、一遍に拂う能力がございませんから、わけて拂つてもらうようにはつきり契約をつくりまして處理しております。 以上大體でございますが、第一復員省所管として出しております決算の概要でございます。なお御質問に應じましてお答えいたします。よろしくお願いいたします。
○竹山委員長 續いて第二復員省所管の決算の御説明を願います。
○初見政府委員 昭和二十年度第二復員省所管經費につきまして詳細はお手もとに差上げてあります書類でごらんを願うことにいたしまして、私から概要を御説明申し上げます。 昭和二十年度第二復員省所管一般會計の歳出豫算額は三億三千六百十六萬三百五十圓でありまして、支出濟額は三億三千五百九十七萬六千七百七十五圓餘であります。これを豫算額に比較いたしますと、十八萬三千五百七十四圓餘減少いたしておるのであります。この減少はまつたく不用となつた金額であります。 次に特別會計について申し上げます。 第一は、海軍工廠資金會計でありまして、その收入の合計は二十億三百六十七萬八千二百二十三圓餘であり、支出の合計は二十一億九千九百三十三萬一千百二十二圓餘であります。差引一億九千五百六十五萬二千八百九十九圓餘の不足を生じました。この不足金は海軍工廠査金の缺額として本年度の決算を結了しました。 第二は、海軍火藥廠作業會計でありまして、その收入の合計は二億五百三十九萬九千百九十五圓餘であり、支出の合計は二億四千九百八十五萬九千四百五十二圓餘であります。差引四千四百四十五萬九百四百五十七圓餘の不足を生じました。この不足金は据置運轉資本の缺額として本年度の決算を結了しました。 第三は、海軍燃料廠作業會計でありまして、その收入の合計は二億七千七百十五萬八千八百六十四圓餘であり、支出の合計は二億九千六百四十萬八百九圓餘であります。差引一千九百二十四萬一千九百四十五圓餘の不足を生じました。この不足金は据置運轉資本の缺額として本年度の決算を結了しました。 以上三つの特別會計はいづれも昭和二十一年法律第二十一號によつて昭和二十一年三月限り廢止せられました。そうしての廢止の際その會計に属する缺額等は同法附則第十三條によつていづれも一般會計に歸屬させたのであります。 以上の決算に對する會計檢査院の檢査報告に、違背の事項として比難されたものが一件あります。それはすなわち海軍燃料廠作業會計に屬する第三海軍燃料廠作業會計に屬する第三海軍燃料廠(山口縣徳山市所在)で支出した過拂額十九萬九千九百八十九圓であります。會計檢査院の批難は、昭和二十年四月、第三海軍燃料廠が東洋曹達工業株式會社と購入契約した二臭化エチレン七百トン、價格四百七十九萬二千九百圓に對する概算拂金二百萬圓を終戰後同年八月精算するにあたつて、實際納入されたのは二臭化エチレン十八萬八千八百三十キロ、百二十九萬二千九百十九圓、中間製品(臭素)九千八百九十三キロ、四萬七千八百二圓、計十九萬八千七百二十三キロ、百三十四萬七百二十一圓で返納額は六十五萬九千二百七十八圓が正當であるのに、會社が本品の製造に多大の功績があつたのを理由として二臭化エチレン、二十二萬五千二十キロ百五十四萬七百十一圓の納入があつたように書類を作為し、四十五萬九千二百八十八圓の返納に止めたため、前述の十九萬九千五八十九圓過拂となつたというのであります。本件は會計檢査院の批難の通りで、まことに遺憾とするところであります。本件は事件發覺とともに昭和二十年十一月二十日正當額に對する修正した納入告知書を發し、過拂額十九萬九千九百八十九圓は、昭和二十一年八月七日日本銀行徳山代理店に納入濟であります。なお責任者は昭和二十一年七月十六日山口地方裁判所で處斷されました。 以上をもつて昭和二十年度第二復員省所管經費決算の大要を御説明申し上げました。何とぞ十分御審議の上御承認あらんことをお願いたします。
○竹山委員長 以上兩復員省に關する會計檢査院の報告を伺います。
○東谷説明員 便宜第一復員省の方から御説明申し上げたいと思います。第一復員省におきましては、一般會計及び二つの特別會計の決算につきまして、全部會計檢査院の檢査を結了いたしまして、ここに檢査確定を見たのであります。ただ戰災等によりまして、證明書類を亡失されまして、證明不能と相なつたものが陸軍造兵廠におきまして、歳出一億八千百八十六萬四千餘圓があるのであります。また同じ事由で決算上目下不明として整理されたものが同じく陸軍造兵廠において一億五千八百四十九萬二千餘圓あるのであります。なお會計檢査院の排難事項につきましては、ただいま政府委員からその要點を御説明に相なりましたのでありますし、檢査院の報告意見と同じ御意見のようでありますので、重ねて御説明することは省略させていただきたいと存じますが、先ほど説明になりました院軍造兵廠の香川造船造機株式會社に支拂いました二百萬圓の件は、檢査報告の二十九ページ、三十ページに掲げてあるのでありまして、そのうちの百四十萬圓が過拂になつておるのでございまして、そのうちの二十五萬圓だけがただいま政府に返納されまして、殘りの百十四萬なにがしというものはなお返納未濟になつておるのであります。この返納方法については今第一復員局と香川造船と折衝中と聞いております。もう一つは名古屋陸軍造兵廠の前全拂を差引かなかつた件、つまり前に前金を拂つておりました二十七萬千餘圓をそのまま差引かないで次の支拂いを全額出され、ために過拂になつた件でありますが、これは返納命令をお出しになりまして、年賦で返納さすということに相なつて結末がついておるようであります。 次に、第二復員省關係でありますが、第二復員省關係におきましては、三つの特別會計は全部檢査を終了いたしまして、ここに檢査確定を見たのでありますが、一般會計におきまして經理局支出にかかります四千七百九十五萬圓というものが證明未濟で、檢査未確定ということに相なつております。ただいまでは證明濟になつておるのであります。なお第二復員省の關係で一件會計檢査院で報告いたした事項があるのでありまして、これは檢査報告の三十二ページに掲げてあるのでありますが、政府委員から詳しく内容の説明があり、かつ檢査院の報告意見とまつたく同じ見解をおとりになり、爾後の整理も全部結了いたした事項でございます。
○中曽根委員 ちよつとお伺いいたしたしのでありますが、最近新聞をにぎわしております例の大阪造兵廠特殊物件に關する問題は、おそらく終戰後の事態であつて、昭和二十年度の會計に關係するのではないかと考えられますが、本件に關して會計檢査院はすでに調査ないし摘發の行為を行つておるかどうか、また主管であるところの第一復員省においてはそういう處置をとつておられるか、お伺いいたしたい。
○竹山委員長 その問題は今すぐはいる特殊物件の内容と重なると思いますから、一應その説明を伺つた上で、そのときにお願いいたします。
○中曽根委員 あとでけつこうです。
○竹山委員長 それでは兩復員省關係の質疑は後に關連がありますから、留保といたしまして、これから決算に重大な關係のある、また昭和二十年度の決算に特殊な特殊物件の問題について、關係各省の説明を求めた上で審議にはいりたいと存じます。まず最初に會計檢査院からこの問題に對する今日までの經過竝びに檢査院としての見解等を併せて御報告願いたいと思います。
○東谷説明員 それでは御要求によりまして特殊物件について御説明を申し上げたいと存じます。特殊物件と申しますものは、御承知のごとく兵器及び軍需品のうち連合軍から日本政府に返還されたものをいうのでありまするが、これを一應もつと詳しく申し上げて、次に説明にはいりたいと存じまするが、日本の陸海軍から連合軍に引繼ぎました兵器とか、あるいは軍需品、そのうち特に兵器などは破壊處分をいたしまして、その大部分が民間救濟ないし民間の經濟復興等に使用すべきことを條件にいたしまして、日本政府に返還されたのは御承知の通りでありまするが、その際に内務省がこれらの物件の受領及び處理の法的機關として連合軍から指定されまして、再來内務省を中心といたしましてこれらの物資の整理、處分、代理の徴收を行われまして、現在では大體その大部分の配分處分を終られておるようであります。私どもが特殊物件と申しまするものは、本來連合軍から返されました、すなわち陸海軍から連合軍に出されましたリストのまま日本政府に返還されたのでありまするが、これらのものを本來は特殊物件と稱しておるのでございまするけれども、そのほかに御承知のごとく二十年八月十五日以降八月の終りまでに軍から直接に民間公共團體その他に放出されまして、連合軍に一應引繼いでいないもの、これを一應緊急放出物資と申しておるのでありまするが、それらのものはその後に囘收ということに相なりまして、囘收し得るものは囘收し、代價の徴收し得るものは徴收するということに相なりまして、廣義に特殊物件と申しますると、この放出物件を合わせまして、特殊物件といつておるようなわけでございます。この兵器、軍需品は御承知のごとく、元の陸軍兵備品會計規則、海軍兵備品會計規則に規定してあるのでございまして、兵器、軍需品と申しますと、それらの規定から申しますと、出帥準備品と通常兵備品とにわかれておるのでありまして、戰爭になりましてからは、陸海軍兩省で扱つておられるものはほとんどといつてよろしいのでありますが、ほとんど出帥準備品になつておるのであります。そういたしまして、この出帥準備品は明治二十三年の法律第七十號によりまして、會計檢査院は檢査することができないことになつておるのでありまして、その責任は陸海軍兩大臣が負うこということに相なつておるのでありまして、明治二十三年以來相當累積されてきておつたのでありまするが、會計檢査院は支出の面においては檢査をいたしておつたのでありまするが、それが物に變りますると、出帥準備品という事由をもちまして檢査のほかにおかれておつたのであります。そういたしまして法律七十號はたしか二十年の十一月かに廢止されたのでありますが、終戰後には實質的には出帥準備品はなくなるのでありますけれども、ただいま申しましたような沿革をもつておりますので、會計檢査院といたしましても檢査の豫備資料が整つておらないわけでありまするし、また終戰後檢査を始めましたときには、兩復員省とも掌つておられました多くの人人は復員しておられないというような事情で、どれだけのものが出帥準備品から一般の物品に變つておるかということを確認するのはなかなかむつかしい事態でありまして、從いまして會計檢査院の檢査の徹底ということが期し得がたいような事情にもあつたわけであります。そういたしまして終戰後といいますか、終戰直前といいますか、御承知のごとく八月十四日に鈴木内閣のもとにおきまして閣議が決定されまして、軍の保管しておりますところの軍需品、すなわちこれをわけて申しますと大體衣糧品竝びに藥品類、木材であるとか通信機材、自動車、船舶、燃料といつたようなもの、それらのものはできるだけ民間團體に隱密裡に緊急に素早く放出せねばならないということになりまして、それが陸海軍に行つたわけでありまして、陸軍においては八月十七日、海軍においては八月十六日、それぞれ管下の各部隊に對しまして保有の軍需品について軍の所要量を除きまして、なるベく速やかに關係官廳や民間に保管轉換または拂下げをなくすように通達をされたのであります。そういたしまして、その拂下げにあたりましては、陸軍では大體大方針としましては閣議があつたのでありまするが、官廳、公共團體等に對じて 大體無償で放出する、民間に對しては有償で拂下げをするということを原則といたしておられたのでありまするが、代金は必ずしも全額即時にとるということをなさつておらなかつたのであります。海軍におきましては當初全部とは申しませんが、大體においては全部無償保管轉換ないし無償拂下げという態度でいかれたのであります。むろんこれは大體として申すのでありまして、有償で民間に拂下げられたものも初めからあるのでありますが、大體においては陸軍と海軍とは多少初めの出發點が違つておつたのであります。かようにいたしまして、内地の全般に分散配置されておりました各部隊は終戰直後急速に復員しなければならない事情にありますのと、もう一つは御案内のごとく書額の亡失というようなことがございまして、思いきり十分に内地における現地の部隊において放出をするということができたのであります。その後に至りまして連合軍の進駐軍の進駐計畫その他がだんだんと明らかになつてまいりまして、東久迩内閣であつたと思いまするが、八月二十九日に至りまして閣議は一變いたしたのであります。すなわちすでに拂下げとかあるいは保管轉換、無償有償—おもに無償の點でありまするが、拂下げとかあるいは保管轉換をしたものでも囘收ができるものは極力囘收しろ、現物はとりもどしてしまえ、こういう命令が一面においては出たのであります。他面においては無償拂下げをいたしたものはすベて既往にさがのぼりまして有償にしなければならないということに相なりまして、その後この線に沿うて陸海兩軍及び兩復員省において處理されたのでありまするが、何を申しましても終戰後の未曽有の事態に伴う人心の動搖に加えまして、中央の軍需品に對する方針がかように大きく轉換をいたしました關係もあり、さらに通信連絡の遲延によりまして、中央の意圖の不徹底とかあるいは軍隊の復員の急速な實施というような事情がございまして、軍需品の處理というものは混亂を來しておるということも事實なのでございます。かようなわけであつたのでございまして、この放出物件につきましても、陸海軍兩省といいますか、その後の復員兩省から連合軍の方に、殘存物資のリストをお出しになつたのでありまして、それと正式な特殊物件の——正式といいますか、放出物件ではなしに、一應連合軍に引斷ぎまして、日本政府に返還されましたそれらの引斷調書、すなわちリストというものは連合軍を經て、内務省その他の取扱官廳に來て、おるわけでございまして、それを集計いたしますると、どれだけの特殊物件、放出物件が、リストとして内務省なりその他の關係各廳に引斷がれたかということはわかるわけでございますが、ただここで私ども困つておりますのは、御承知のような事情によりまして、リストを復員省でおつくりになるときは、十分正確なものをつくつてお出しになるのでありまするが、それが連合軍を經て内務省なり、その他の關係官廳にまいります途中に、あの混亂時でありますので、どちらを向いてもとつていくというようなことが横行しておつたのでありまして、從いましてリストの合計額と、内務省なりがほんとうに受取られました軍需品の總計額というものは、必ずしも一致をいたさないという現状にあるのでありまして、これもいたし方ない事情ではなかろうかと思つておるような次第でございます。 先ほど申しました廣義の特殊物件を加えまして—特殊物件は先ほど申しましたように内務省及びその地方機關としての、都道府縣が主としてその處理に當つておられるのでありますが、その例外をなすものが二、三あるのであります。すなわち廢兵器類でございますが、主として鐵鋼及び非鐵金屬でございまするが、この廢兵器類は處理技術などの事由によりまして、五社に拂下げる——五社と申しますると、日本製鐵、日本鋼管、古河電工、扶桑金屬及び神戸製鋼でございまするが、この五社をもつて構成しておりまするところの兵器處理委員會というものがございまするが、その兵器處理委員會に一應拂下げるという形式をとり、實際はこの五社において處理をいたしておるのでありまして、その拂下げの物をすぐ歳入ということにはいたさないで、拂下げるのでありまするが、いろいろ兵器を運搬したり、壞したりしなくては鋼材にならぬのでありまするから、それらの一切の經費を差引いて、その殘額を歳入に納付するという形をとつておられるのであります。 次には陸軍の兵器行政本部所屬の作業廳の大部分及び海軍の施設本部の保育資材は、それぞれ運輸省の鐵道總局及び運輸建設本部がその保管轉換を受けて、歳入徴收などの事務をとつておられるのであります。 もう一つは、陸軍の第一造兵廠の通信器材製造所の保有資材、その他通信機材というものは逓信省が保管轉換を受けられまして、歳入徴收に至るまでの事務をとつておられるのであります。 そういたしまして、拂下げるときの價格はどうするかということでありますが、それは大體におきまして拂下げ當時におきまするマル公によつて價格を決定するという方式でやつておらるるのであります。ただ例外は鐵鋼類——これは廢兵器の點は含んでおりませんが、鐵鋼類とか、あるいは非鐵金屬あるいは皮革類、繊維原料といつたような四のつものは、特に終戰時の公價によりまして、拂下時の公價によつておらないという事態があるのであります。これにつきましてはまた後刻御説明をいたします。 さようなわけでございまして、處理の状況をごく概略申し述べますると、内務省關係で申しますと、特殊物件の歳入徴收につきましては、特殊物件のうちの返還物資の總收入豫定額を大體——これは豫算的ではないのでありまするが、大まかに三十一億と豫定されたのでありまして、緊急放出物資の總收入額の約四億圓がさらにそのほかに見込まれておりますし、また統制機關などから納付すべき價格差益が大體四億圓、これはただいま申しました拂下げの鐵鋼類に關係するわけでありまするが、これらの四億圓ばかりを加えますと、大體特殊物件の總收入は、大まかにマル公で四十億圓と推定されておるのでございます。そのうち今年の七月一日現在で大藏省の調査によりまする特殊物件收入の關係を申し上げておきますると、これはまだ多少證明書類が遲れます關係で、會計檢査院關係書類によりまする合計額は今ちよつと困難でありまするが、大藏省への徴收報告によつてみますると、二十年度は歳入科目は御承知のごとくなかつたのでありまするが、この特殊物件の歳入は六千四百十七萬六千餘圓という決算をみておるのであります。そうして二十一年度は十億四千二百七十八萬五千圓が收入濟に相なつておるのでございます。なお二十二年度の七月までの收入濟は四千三百九十八萬三千餘圓と相なつておるのでありまして、七月現在におきましての特殊物件收入濟額は、三箇年度を通じまして十一億五千九十四萬五千圓ということに相なつておるのでございます。 次に、特殊物件の豫算關係を申し上げておきまするが、内務省關係で申しますると、大體内務省の二十一年度の收入豫算が十六億、二十二年度は十三億八千六百萬圓、結局内務省關係で合計二十九億八千六百萬圓が二十二年度までに豫定されておる收入豫定額であります。 なお運輸建設本部の關係は、二十一年度は豫算をもつておりませんが、ついででありますから申し上げておきますが、二十二年度は二億三千七百萬圓、逓信省の關係で二十二年度が六千萬圓ということに相なつておるのであります。 次に、運輸省所管の關係でありますが、先ほど申しました鐵道總局においても特殊物件を扱つておられるのであります。實はお手もとに差上げておりまする説明書にはり拂下げをなし、その代金を一般會計の歳入として受入れるものであるけれども、數量、計數がよくわかつていない。なおこれらが整理されていないというようにしたためでございまするが、その後調査いたしますると、鐵道總局におきましての受入れの總額は、大體四億六千七百餘萬圓でありまして、そのうち明瞭にわかつておるものを申し上げますると、六千五百萬圓ばかりが處理されているのであります。そして二十一年度において、そのうち六十二萬二千圓が歳入になつており、二十二年度には八百七十六萬六千餘圓が收入濟みになつて、一般會計に納入してありまして、殘りの分は一般會計からみれば、なお收入末濟となつているようであります。 鐵道におきましては——ただいまのは狹義の特殊物件でありまするが、廣義の特殊物件、いわゆる放出物件に屬するものは、特殊資材として、鐵道總局では扱つて、區分して整理しておられます。その特殊資材、すなわち放出物件の受入れが、大體において一億三千四百餘萬圓、そうして處理しているのは八千二百萬圓ということになつておるのでございます。なおこれも現在では歳入未納となつておるようであります。 なお運輸建設本部でありますが、先ほど申しましたように、舊海軍の施設本部の資材を總括處分を受けて、事業用資材として使用したり、あるいは一部分は民間に費拂つて、その代價を一般會計の歳入とされるものでありまするが、その受拂いを見ますると、受入れが一億二千五百餘萬圓で拂出しが一千七百萬圓に上つております、このうち一般會計に納めておるのは三千萬圓だけであります。 次に、逓信省所管の關係でございまするが、これは一般通信資材及び舊陸軍第一造兵廠り通信機材を主としておるのであります。處分をされたものが三千九百餘萬圓でありまして、そのうち八百七千二萬六千餘圓が一般會計に納付濟みになつているような次第であります。 次に、廢兵器處理委員會の關係でございまするが、先ほど申しましたように、五社を組合員といたしまする廢兵機處理委員會に總括的に拂下げて、全部處理したのでありまして、これらの總額は、内務省の調査局の調べによつてみますと、處理されて販賣されたものが金額にして六億三千餘萬圓、なお在庫品としておもちになる鋼材その他のものが三億二千八百餘萬圓、さらに今後囘收見込みのあるものが三億二千九百餘萬圓に上るのでありまして、これらを總計いたしますると、大體十二億八千七百餘萬圓が處分高になるわけであります。しかしながら先ほどちよつと申し上げましたように、山の頂上から谷の底と言いますが、深く下掘げた下にある大砲を處理して上に上げて、所定のところにもつていくというようなことで、いろいろそれには經費がかかるのでございまして、大體經費はただいまの見込みでは十一億餘圓に上るものとみられますので、まず國庫に納入せらるべきものはただいまだけの觀點から申しますと、一億六、七千萬圓だけが廢兵機の關係で、一設會計の歳入になるのではないかと豫想されるのでございます。ただいままでに納入になつておりますものは、第二封鎖預金をもちまして納入されておるのでありますが、それが一般會計の納入として取扱われておりますのは、二千三百八十一萬四千圓ということに相なつておるのでございます。これで一應説明を終りたいと思います。
○竹山委員長 では續いて多少立場が違う關係上、兩復員局から經過の報告を願いたいと思います。
○初見政府委員 本日は特殊物件處理につきまして、私政府委員でありますけれども、主務を異にいたしますので、主務の部長吉田事務官が來ておられますから、吉田事務官から發言をお許し願いたいと思います。
○吉田説明員 申し上げます。書類を配付するほど準備してございませんが、大體の要點は隠退藏物資の特別委員會に、提出資料として數字的には厖大なる資料を出してございます。それからこれは衆議院と關係がないのでございますが、參議院の御質問に對して出した資料がございます。從つて非常に數字のこまかいものを御要求になりますならば、いつでもそれをもつてまいりたいと思いますが、きようは概括だけを申し上げて御了解を得たいと思います。 ただいま會計檢査院の御説明で特殊物件、あるいは正規のその後の内務省より移管品というようなものに關しましては、すでに明確でありますので、説明を省略いたしたいと思います。問題は終戰時の放出品でありますが、しかもそのうちで先ほどの御説明にありました通り、すベてその後の調査によりまして内務省、またはその事前におきまする第二復員省復員局自體で、納入物資を出して會計を終了いたしましたものは、これは明確に品種、數量ともにわかつておるのでありまするけれども、問題は終戰時におきましてわからないもの、すなわち常識的にいいまして、これが今日の隱退藏物資の對象と認めらるベきものでありますが、これに關して申し上げたいと思います。これを性格的に見ますと、要するにあの放出品であつて事後の調査の不明なるものをまず隱退藏物資の對象とする、しかし第二復員局といたしましてはそのほかに軍需品でないところの物件及び財團法人でありますところの共濟會、海仁會等の財産があるいは軍需品であつたがごとく誤解されておるのであります。もちろんG・H・Qの解釋はこれと同じような解釋でありますので、その方とのトラブルも若干ありますけれども、これらは個々別々にいろいろな説明を加えまして大體そうでないというように了解しかけたくらいでありますから、本日の説明はこの不明なる分ということを大體申し上げたいと思います。そこでこれを品種、數量的にどうかと言われますと實際つらいのであります。過去二箇年にわたりまして、われわれはあらゆる努力を畫しまして、これが囘收調査に努めまして、あれだけの厖大な資料をつくつたのでありますが、なお不可能の分がたくさんあるということは爭われないのであります。ただ終戰時の全保有數量というものは大體推定し得られると思います。これは中央の帳簿による推定數量でありまして、各現地におきまする當時の戰災消耗等の状況は想像はつきますけれども、おおむね不明でありますために、完全絶對のものではないけれども、良心的にわれわれは終戰時どれだけもつておつたという數字はおおむねわかつております。しかし接收された物件及び成規の、今度つくつたところの放出品というものを比較檢討するならば、大體この隱退藏物資の對象となつておるというようなものの數量は想像がつくべきはずであります。そこでいろいろ調査した結果、やつてみました主要なるもの、特に中央において相當程度に統制を保つておりましたものの數量の物件について數字を申し上げたいと思います。終戰時の保有量と行方不明の量とを比較しますと、主食、主として米、麥でございますが、第二復員局としましては二十二萬八千石保有しております。そのうち行方不明が四萬一千八百石でございます。地域的に申し上げますと、主として神奈川縣、千葉縣、茨城縣及び九州南部、御承知のように、進駐の比較的早かつた所のものが不明のものが多いようであります。被服類、毛布の保有量、これが七十萬枚に對しまして行方不明が約三萬枚。服四百五十萬着に對しまして八萬七千着、くつ二百四十五萬足に對しまして三萬五千足が不明、すなわち被服の方の不明の數は非常に率が少くなつております。一番成績の不良なるものは自動車でございます。終戰時海軍の帳簿として保有しておりましたものは五千九百臺ございました。そのうち約千五百臺から千九百臺のものは戰災その他の理由によりまして相當大破したとか、燒けたとかいうことは概況だけわかつておりますが、全部どれだけ帳簿から引いたらいいのかということははつきりしておりません。大體において保有した車輌數は四千臺以上であろうということだけ推定できるのであります。そのうちこれを成規に内務省に移管したものが三千臺、現在使つておるものが百五十何臺かございますので、はつきり行先の帳簿上報告できますものは三千百四十三臺という數字になります。從つて實質的に行方不明の車輌は千臺以上に達するということになるのでありまして、これはきわめて遺憾の結果を示しております。當時物資放出の状況から見まして、しかも足をもつておるということからこれほど成績が不良であつたということを如實に示しておるのであります。その後車輌の行方ということは、内務省、各地方の調査が非常に強化いたしまして、朦朧車輌を一々檢査をするというようなことでだんだんはつきりして、まだこの事務は續いておるのであります。たとえば警視廳管下の東京におきまして、行方不明となつておりましたもの三百三十臺とありますが、そのうちすでに大部分はわかつてきたという状況でございます。燃料、木材等につきましても、巷間各種の悪質デマの對象となつてきたのであります。これは調査が進に從いまして、部隊に配給してあつたような保有量としましては、ごく少數のものを除きましては、大體において不法處分が少かつたというような状況になつております。原料、材料、これは官廳、作業廳用のものはすべて進駐軍の接收を受けまして、その指示によつて處分したので、今まで申し上げた説明の中に當然含まれるのでありますが、問題は民所有あるいは倉庫業者等に保管依託中のものでございます。これは終戰後一箇年餘にわたりまして、各會計官吏が何囘も全國を調査いたしまして、この整理にあたりまして、その終つた事務を縣廳、あるいは内務省に移管する建前をとりまして、われわれとしておおむねやましくない成績を得ておるということは、先ほどの決算上の御説明と大體合致しておるのであります。その他詳しい資料は本日用意しておりませんので、御要望のあるときにもつてまいりたいと思います。
○遠藤(武)政府委員 第一復員局の當時陸軍省關係の終戰後の整理その他の經過につきましては、大體のことは先ほど檢査院の事務總長から申された通りでありまして、あの經過をとつたのでありますが、やや補足かたがた當時とりました方法について少し申し上げます。 御存じのように、申された以外に軍隊解散に伴いまして、各兵士が郷里に歸りますための着装、被服、竝びに若干の——數日分の糧食を携行して歸つたのであります。それ以外に拂下命令によりまして、拂下げを始めましたけれども、この拂下數量は、準備とか、相手の選定とか、いろいろなことによりまして、爾後の囘收を加えますと、そう大きいものはなかつたような氣がしております。もちろん大きいか少いかは感じてございますけれども、囘收もある程度できたように思います。しかしあの混亂時にいろいろ不正な處分、不當な處分というものがあり、またその憂いもありましたので、やや軍隊の復員そのものの計畫が軌道に乗りました九月の末ごろから、全國一齊に會計經理の檢査をそれぞれの擔當官に命じまして始めました。と同時に、物品、金鐵その他、そういつたふうなものの係の出納官吏竝びにその責任者というものの全部の氏名を記録として殘しておくという處分も始めたのであります。それから一方具體的な不正行為そのものの調査摘發のために、また別個に陸軍省に中央委員、各軍管區にそれぞれの地方の委員をつくりまして、軍需品處分調査の委員會というものをつくりまして調査を始めました。同時に軍法會議の方の關係の調査も續行いたしまして、今數ははつきり覺えませんけれども、數千名の處刑者を出したのであります。具體的な終戰時の保有の數量、それから先ほど申しましたような被服、糧秣等につきましては、歸郷いたします兵士が着裝竝びに携行して歸りました數量、竝びに拂下命令によつて拂い下げた數量、それから連合軍に引渡しました數量という調査は、不明な箇所もございますが、一應各目について調査表ができておりまして、當院の隱退藏物資委員會でありますか、あの方に書類も提出しておる次第でありますから、詳しくはその方の書類をごらん願いたいと思います。 なお先ほど大阪造幤厰の問題についての御質問がございましたが、造幤厰に今起つておる事件につきましては、これは關係者も召還されておるような状況がございますのと、また當事の書類は一括檢事局の方にもつていかれ、また押えられております關係上、あの具體的事件そのものについて、まだ復員局としては調査をする手がけもありませんし、またなし得ない状態になつておりますが、二十年度の造兵廠の特別會計の決算を見ますと——昭和二十年度特別會計決定計算書というものがございまして、その百七十五ページをごらん願いますと、これが造兵廠の特別會計の決算でございますが、そのうち歳入の收入濟額は二十億何がしである。これに本年度における收入未濟額一億六千萬圓というのがございます。この一億六千萬圓のうち九千六百萬圓、約一億圓近くのものは、この終戰時における拂下物品の未收金の代であります。これはその後鋭意囘收をはかりまして、若干ははいつておりますけれども、まだ相當な部分が殘つておる状況であります。 それからずつとごらんになりまして、連合軍に接收濟となつた材料物品の價格四十三億七千百萬圓というのがございます。これが造兵廠としてもつておつて殘つておつた材料物品の連合軍に引渡しました價額でございます。各造兵廠はそれぞれ東京、大阪、小倉にございますので、その内譯もわかつておりますが、そういうものを加えました合計が四十三億七千百萬圓となつております。これはもちろん當時の帳簿價格で計上しておるものであります。決算書と今の大阪造兵廠に起りました問題につきましては、一應それだけの關係が今わかつておるだけでございまして、具體的な事案につきまして、はたしてその物品を持出したものがあるとすれば、造兵廠自體の持出したものであるか、あるいは引渡し後における處分の問題であるか、その邊の問題もちよつとまだ不明瞭で、わかつておらない状況であります。
○中曽根委員 會計檢査院の方の説明を求めたいと思います。
○東谷説明員 ただいまの大造の點に關して、會計檢査院はそれに對してどういうような檢査をしたかという御質問であつたかと拜聽いたしたのであります。これはただいま第一復員局の政府委員から御説明があつたのでありますが、大體につきましては、會計檢査院の實地に檢査を行いましたその後にこの事件が起つたように新聞で見ておるのであります。そうして鐵鋼類以外のものは、正式なルートに乘つた特殊物件ではなくて、いわゆる緊急放出外物件であつたように考えられるのであります。そういたしまして、鐵鋼類は確かに——確實なる調べではございませんが、鐵鋼類はリストに乘つたものでありまして、引繼後のもの、すなわち先ほど申しました通り、ここに鐵鋼類は運輸省に行くことになつておつたと思うのでありますが、それへの引繼後に起つた事態のように考えておるのであります。ただああいうふうな事件が起りまして、すぐ會計檢査院が飛んでいつて實地に調査するということが好ましい事態ではございますが、他面におきましては、檢察當局が手を伸ばしまして、すべての書類を引上げておりまする關係等、すでに檢察當局が動いておるという意味におきまして、この事件が起りました後には、ここに參りましての實地の檢査はいたしておらぬのであります。何とか檢察當局と連繋いたしまして、官有物件の保管あるいは横流し防止というようなことで檢査を進めたいと今考慮中の事件であります。
○中曽根委員 會計檢査院の方の御苦勞も察することはできるのでありますが、どうも今の御答辯を承りますと、まだ正確に事態を衝いていないようであります。私はこれをどうしろということを申し上げるのではありませんが、會計檢査院の檢査というものを權威あらしむるために、もう少しああいう事態が起きる前に、會計檢査院の方で正確な檢査をしていただきたい。そういうことをお願い申す次第であります。ああいう事態がこれからほかの場所であるいは起るかもしけない。またはからざるものが出てくるかもしれない。こういうことを考えると、會計檢査院の檢査というものは、はたして實地に即して正確にやつているのかどうかということを、われわれ議員においても、また國民においても、はなはだ怪しむのではないかと心配しておる次第であります。それで事前に知ることができない場合は、少くとも事後において、檢察當局がいろいろ調査することはあるいは不可能かもしれませんが、自己の行つた檢査というものが失當でなかつたかどうかということを少くとも反省して、そうしてその事態に對して正確な再調査を試みる、あるいは將來に對してこういう過誤のないように期する。こういう御配慮をぜひとも煩わしたい。
○竹山委員長 他に御質疑があろうと思いますが、運輸省、逓信省及び内務省は事後の處理の機關としての責任をもつておりますから、關連がありますので一應その説明を求めた上で御質疑を繼續したいと思います。運輸省政府委員。
○荒船政府委員 運輸省の取扱いにかかる特殊物件について御説明申し上げます。 最初に鐵道總局の關係について申し上げます。鐵道總局におきまして取扱いました特殊物件には舊陸軍兵器行政本部關係諸廠より包括的に移管を受けましたものと、軍から直接移管を受けましたいわゆる緊急放出物資とあるのであります。舊陸軍兵器行政本部關係諸廠より包括的に移管を受けました特殊物件は、帳簿整理が不完全であつたため、あるいは、戰災を受け一部が消失したため、あるいは終戰の混亂時に、軍がいわゆる緊急放出物資として放出したものなどがあるため、その引繼額が確然としないのでありますが、これを順次整理いたしまして受入れました額が、昭和二十一年度末現在において三億六千五百四十萬餘圓であります。なお、本年度末までには、さらに約一億圓程度のものが受入れとなる豫定でありまして、これで一應その全部の整理を終る見込みであります。これらの移管を受けました特殊物件は、特定の原材料について統制機關等に拂い下げをいたしますもののほか、國有鐵道で建設あるいは補修用に使用するものであります。 次に、その拂出状況について申し上げますと、昭和二十一年度末現在におきまして、統制機關等に拂下げをいたしましたものが五百六十九萬餘圓、國有鐵道へ保管轉換いたしましたものが五千九百四十二萬餘圓でありまして、拂出總額は六千五百十一萬餘圓としてなり、その殘額は二億九千九百八十八萬餘圓となるのであります。 次に、これらの拂出しに對する歳入について申し上げます。特殊物件が一般に拂下げになり、あるいは特別會計に保管轉換になりますと、これに伴いまして、その代價を一般會計歳入に納付する建前になつているのでありますが、現在までに歳入として納付いたしましたものは、昭和二十一年度で六十二萬餘圓、昭和二十二年度、すなわち現年度で八百萬餘圓であります。これら特殊物件歳入の納付がとかく澁滯しがちでありますのは、その使用現場が全國にわたり、またその使用物件の種類が相當多數に上りますため、整理が遲れたのによるのでありまして、目下鋭意その整理に努力中であります、 次に、軍から直接移管を受けましたいわゆる緊急放出物資について申し上げます。いわゆる緊急放出物資は軍の各種機關より鐵道總局に緊急引渡されたものでありまして、歳入納付等その處理については、引繼當時の事情もありますので、一應無償として受入れ、過剩品として整理いたしておるのであります。緊急放出物資を國有鐵道で受入れました總額は、帳簿價格もしくは引繼當時の價格で一億三千四百六十八萬餘圓でありまして、その後本年六月末までに使用あるいは拂下げのため八千二百五十四萬餘圓を拂出しており、現在五千二百六十四萬餘圓を殘しておる状況であります。 次に、運輸建設本部の關係について申し上げます。運輸建設本部におきまして取扱いました特殊物件は、舊海軍施設本部保有資材の包括的移管を受けたものでありまして、これを建設用資材としてみずから使用し、その代價を一般會計の歳入として納付する建前のものであります。運輸建設本部が當初特殊物件として受入れたものは、いわゆる返還物資及び海軍より直接保管轉換を受けたものの兩者を併せて、帳簿價格で一億二千五百六十五萬餘圓であります。しかしこの受入高の中には大藏省よりの借受けとして整理せられている機械類二千三百六十五萬餘圓と、在庫のまま戰災等により消失したもの四千五百八十三萬餘圓を含んでいるのでありまして、これらを差引きました純粹の受入高は五千六百五十六萬餘圓となるのであります。 次に、特殊物件の拂出高は、昭和二十年度及び昭和二十一年度の兩年を合わせて一千七百八十萬餘圓でありますが、このうち大藏省よりの借入れとして整理せられている機械類の拂出高百二十五萬餘圓を控除いたしました純粹の拂出高は一千六百五十四萬餘圓となるのであります。從いまして昭和二十一年度末現在における特珠物件の殘高は三千九百六十二萬餘圓となるわけであります。 ここでちよつと申し添えさせていただきますが、先ほど申し上げました拂出高の中には、運輸建設本部から各地方建設部に保管轉換いたしましたものをも含んでいるのでありまして、これらがただちに現實の使用高になるというわけではないのであります。しかしてその使用高はただいま鋭意整理とりまとめ中でありまして、ここでその正確な數字を申し上げることはできないのでありますが、一般拂下げのものを含めまして概算一千三百萬餘圓くらいになるのではないかと思つております。 次に、これらの拂出しに對する歳入について申し上げます。運輸建設本部における特殊物件の拂出高は、先ほど申し上げました通り明確にわかるのでありますが、歳入の對象となる現實の使用高は目下整理とりまとめ中で、その整理のでき次第順次これを歳入に納付するようにいたしているのであります。現在までに歳入に納付いたしましたものは、昭和二十一年度で三十萬圓、昭和二十二年度、すなわち現年度で四百萬圓であります。なお本年度末までにはさらに六百萬圓、また翌年度にはさらに多額の金額を納付する見込みであります。 以上をもちまして簡單ではありますが運輸省の取扱いにかかる特殊物件についての説明を終りたいと存じます。
○竹山委員長 續いて逓信關係の説明を求めます。
○林(一)政府委員 逓信省で取扱いました特殊物件の内容は、交換器あるいは電話器、電信機械、また通信用のケーブルまた無線の送信機、受信機、眞空管、また電源用のジエネレーターというようなものがおもなる品目でございます。これらのものは逓信省で必要といたしますものは逓信省でとり、また運輸省その他でお使いになるものに、つきましては、それぞれこれをおわけし、また民間の方にもその他のものを配分するということでございますが、要するに通信復興に、できるだけ直接的に役立つような方法によつて、これらの資材を配分するということを基本の氣持としておるわけでございます。これがために逓信省におきましては、これらの配分をいたすための特別の機構をちくりまして、本省、地方を通じまして、その事務を遂行しておるわけでございます。通信資材はおおむね山間僻地に散在しておりましたので、これの輸送は非常な悪條件のもとで行われまして困難を極めたのでありますが、この活用はこの荒廢いたしました電氣通信施設の復舊に非常に役立つことを思いまして、私ども關係官は一致協力しまして、もろもろの困難を克服いたしまして、おおむねその所期の成果をあげておるわけでございます。これらの資材は逓信省及び關係の各省の專門委員をもつて構成いたします特殊物件處理委員會の通信專門部會の決定いたしました配分基準によりまして、適正なる配分を期しておるのであります。配分の價格の決定は内務省、大藏省、逓信省の三省で協議決定いたしました評價要領によりまして適正な評價をなし、また物品の經理も通信事業の特別會計物品事務規定を準用いたしまして、嚴正に施行いたしておるわけでございます。まだ配分せられない資材も幾分あるのでございますが、これらのリストは全部明細書をつくりまして提出されておるのであります。大體その配分も最終の段階にはいつており、全國にわたりますいろいろな方面からの引取りの事務というものは、一應終了をいたしたのでありまして、この在庫品もおおむね配分を終りましたけれども、あと輸出に振り當てるもの、またくずとして殘つたようなものの處理が殘つたのであります。それらの物件の價格について申し上げますと、大體私ども取扱います物件の總額は、現在のところ、今までに配分いたしましたものの總計を申し上げますと、二億二千八百萬圓程度になつておるのでございます。その内譯といたしまして、逓信省でとりましたものが九千八百萬圓、また一般會計、つまり文部省あるいは内務省等でとりましたものが三千萬圓、それから運輸省及び民間に出ましたものが約一億圓、こういうものがすでに配分されておるのでございます。まだ殘つておりますものにつきましては、G・H・Qの嚴格な監督のもとにこれを施行しておりまして、おおむね本年内に全部の處理を終る豫定になつておりまして、毎週この處分の状況につきましてはG・H・Qに報告しておるような状態であります。未配分につきましては、おおむねその價額は五千萬圓程度ではないかと考えておるのであります。この十月末におけるこれらすでに配分いたしましたものの調停濟みの額は約六千九百八十萬圓でございまして、そのうちすでに納入告知書を發行して歳入になりましたものが三千六百七十萬圓程度になつておるのでございまして、その事務はおおむね順調に進行しておるわけでございます。このようにいたしまして、現在できるだけ早くこの處分をいたしたい。またこの歳入につきましてもできるだけ本年度内に全部が徴收されるように、係官一同努力しておるような状態でございます。
○竹山委員長 續いて内務省關係を……。
○植田説明員 ただいま復員廳關係及び鐡道、逓信當局から御説明がございまして、内務省といたしましては、連合軍から返還を受けます正式機關に指定されておりますので、包括的にはこれらの官廳のおやりになりましたことにつきましても説明いたさなければならぬわけでございまして、説明いたしますのは非常に長く相なるかと思いますので、ただいままで特殊物件の處理についてどういう機構でやつておるかということを中心に多少の數字等も加えまして御説明申し上げたいと思います。お手もとにお配りいたしました特殊物件處理の略圖解というのがございますから、これについて御説明いたしますのが一番御理解に早いと思いますので、それにつきまして一應簡單な御説明をさしていただきたいと存じます。 正式に返還を受けましたいわゆる返還物件という部類に屬します特殊物件につきましては、左の方に書いてございますが、これは一番上に書きました陸軍、海軍から連合軍に對しまして目録を提出せられまして、その目録に基いて連合軍から内務省に返還せられるわけでございます。しかしこの返還を受けますのは内務省自體ではございませんで、内務大臣はこの權限を都道府縣の知事に委任いたしておりますから、受領の實務は都道府縣がやつております。また受拂いの實務も都道府縣でやつておるわけでございます。内務省はこの引受の中心でございまして、すべて連合軍に對する責任は内務省が負う建前になつておりますが、國内的には關係各省がすベて協力してやつておるわけでございます。關係各省が責任を受持ち分野につきまして、上の方に右と左とに各省の名前を出しておりますが、これがそれぞれ責任を負つておるわけであります。右の方からまいりますと、海運總局には船舶造修用の資材を一括して渡しまして、そうして海運總局でそれぞれ配分しまして、配分しました先から内務省は金を取立てるということにいたしております。農林省では食糧増産關係に豫定いたしております。戰災復興院は進駐軍の設營資材について同樣いたしております。左の方にまいりまして、土地、船舶、建物、機械につきましては、これは大藏省に移管しまして、大藏省の國有財産として處理しております。また代金の方も大藏省が收入するということにいたしております。逓信省はただいまお話になりました通信資材が一應都道府縣で受取りましたものを逓信省に移管するという建前にいたしております。鐵道總局もお話になりました通りでありまして、經本系統のものがまいつておりますが、これは鐵道がおとりになつた中で一般物動の商工省系統に流す分につきましては、一般鐵道當局で受取つたものを、鐵鋼販、日本金屬その他の團體にまた再配分しておるわけでございます。斜線で下の方の統制團體の方に示しております。それから引揚援護院の關係で、引揚用の食糧、被服でございますが、主として被服でありまして、約三百萬點を無償で配付できるように、引揚援護院の方に渡しております。それから厚生省系統では、救濟用の乾パン、カン詰その他被服等を、これも無償で配付できますように、厚生省の系統に配付しております。それからマルで書きました轉換工場でございますが、軍の施設で轉換を受けましたものにつきましては、當座の所要の資材としまして、三箇月ないし六箇月分というものを、關係各省が打合わせました結果渡しておるのがございます。これは轉換工場渡しでございます。その下に書きましたのが、右から兵器處理委員會、それから各統制團體がございますが、兵器處理委員會は先ほど會計檢査院からお話があつた通りでありまして、その後左の方に書きました鐵鋼、非鐵、纖維原料、皮革、ゴム、石炭、石油、化學製品、こういつた商工關係の物資につきましては、商工省の希望しました一手の買取配給機關でありました鐵鑛販、それから日本金屬、織物統制、こういう統制團體に引渡しまして、そうしてその統制團體がその物資を配給いたしましたのは、商工省の物動計畫によつて配分いたしております。中ほどに統制物資地方處理部というのがございますが、これは統制團體が手が及ばなかつたもの、一つの置場の數量が少くて、地方配分した方が早く處理できたもの、こういうものを地方廳に任せまして、地方廳が地方統制團體を使用し、あるいは直接配分いたした分でございます。被服類につきましても、最近までの配分の經過を申し上げますと、非常にくどくなりますから申し上げませんが、大體におきまして地方の纖維の統制團體を使用しまして、一般の配給にまわしております。それから左の方に書きましたものも同樣の趣旨でございまして、物動計畫に載せるべきものは、當該主管官廳の希望しました統制團體に、内務省から一括して引渡すということにしております。しかしこの引渡しといいますのも、賣買の關係でございまして、數量は引渡しの當時完全につかめないものも場合によつてはあるのでございますが、その數量につきましては、事後にでも完全にけりのつくように處理いたしまして、引渡しております。右の方に書きましたのは放出物件でございまして、これは陸海軍から直接實需者に渡されたもの、都道府縣に渡されたもの、鐵道總局に渡されたもの、逓信省に渡されたもの、相當あるのでございますが、その中で昨年の一月に、連合軍から一昨年の八月十五日から九月二日までにやつた放出というものは不當であるから目録を出せという命令がまいりまして、それに基いて第一、第二復員廳からお出しになりました緊急放出軍需品目録というものがあるのでございます。これに載りましたのが約九千件でありまして、それを内務省の方から各都道府縣に送りまして、都道府縣がそれに基いて調査いたしたものがございます。これが緊急放出軍需品目録によつた分でございます、内務省といたしまして、ただいま放出物件の囘收及び經理の前後處置を講じておりますのは、都道府縣に陸海軍から送られたもの及び緊急放出軍需品目録によつたもの、及び内務省が、警察系統で發見せられたものを、放出物件として處理しておるのがあるわけでございます。これが先ほど會計檢査院がお話になりました金額に大體近いものを納入できる見込みでございます。 大體の説明はこのくらいでございますが、先ほど會計檢査院からお話になりましたことにつきまして、内務省から少し附け加えておきたいことを申し上げておきます。先ほど内務省の歳入關係で七月一日かと思いますが、その歳入實績についてお話がございました、内務省が十一月二十一日現在で調査しました收納實績によりますと、納入告知書の發行高は大體二十五億六千萬圓となつております。それから收納濟額は十八億一千萬圓、これだけの收納濟みになつております。これは内務本省及び地方廳を通じてでございます。特殊物件收入としまして、二十二年度までに計上いたしておりますものは、内務省としまして約二十九億でございますが、それに對して納入告知書の發行高からすると、あと四億足らずのものがあるのであります。この納入告知書發行額は引取りました團體との關係も話合いがつきまして、また納入の見透しもつきまして、告知書を發行したのでありますから、この金額は大丈夫返るものと思つております。申し落しましたが、このほかに特殊物件收入といたしまして第二封鎖で一億六千萬圓納入しております。また内務省系統で徴收しました放出物件の囘收代金でございますが、これも納入告知書は、約四億六百萬圓、そのうちの收納が三億一千八百萬圓、こういうような實績になつておりまして、内務省地方廳を通じまして納入の點も大分遲れてまいりましたが、最近各地方廳も非常に努力してくれまして、今年度あるいは來年度にまたがるかと思うのでありますが、漏れなく徴收できる見込みで、最近努力いたしておるということを御承知願いたいと思います。 それからもう一つ申し上げておきたいことがございますが、先ほど會計檢査院からお話の兵器處理委員會の件でありますが、この兵器處理委員會は、本年三月の決濟においては黒字が二億一千萬圓ほど出るということになつておつたのであります。赤字を出すことを非常に心配してやつておりました關係から申しますと、安堵したのでありますが、その後鐵のスクラツプの價格が新物價體系によりましてトン當り千百圓に押えられたのであります。その千百圓の公定價格は、生産者のところに、すなわち鐵鑛の熔鐵爐のありますところに運びこんで千百圓ということになつたのでございますが、最近の一般物價の高騰に伴いまして、少し遠いところに運びますと、運賃だけで千三百圓ぐらいかかるということになりまして、どうしても赤字を出さざるを得ないという情勢になつてまいりました。こういうた見透しは、昨日兵器處理委員會を産業復興公團に引繼ぐという問題を論議せられた際に、だんだんはつきりしてまいつたのであります。兵器處理委員會が扱いました鐵のスクラツプというものは、今後の日本の鐵の生産を復興さすための一番大きな給源でございますので、何としても仕事を續けなければなりませんが、一方これを續けるためには、公定價格の關係で數億の赤字を出さざるを得ないという少しむずかしい問題が出てまいつておりますので、この問題も内務省、商工省を中心にして種々對策をただいま考えたいと思つております。そういうた事情にありますことを御了承願いたいと存じます。
○竹山委員長 これより質疑に入ります。今までの報告に對して御質疑があれば、なお今日までのことで關連して質疑があれば、この際どうぞ……。
○高津委員 私は政府に對して特定郵便局制度の問題につきまして、きのうの質疑を續けたいと思います。昨日この委員會において逓信省の大野總務局長は、冨田委員の質問に對して、特定局制度を廢止する意思はないと答え、また言葉を續けて特定局に勤務する從業員の待遇は勞働基準法に基いており、普通郵便局に働く從業員との差別は今日はなくなつておる。局長の請負制度は昔のことであるという意味のことをも答辯された。私は十二月二日附朝日新聞の三木逓信大臣の談話の中で、特定局の渡し切り經費は十月一日から廢止したという部分を讀んでいたので、昨日の御答辯の、それは昔の話だといつたような表現も氣にかかつたし、また特定局員の待遇が普通局員の待遇とまたつく同樣になつたとは思わないので、冨田委員の質問のあとをうけて、私は、あれほど全逓勞組がこの問題を大きく取上げる以上、そこに何らか理由があるとは思われないか。たとえば特定局に働く從業員は、どうも私的雇用のような立場で、長い傳統のあることだから、局長の目色、顔色をうかがわねばならぬようなことがあるのではないかという意味の質問をしたのであります。すると大野局長は、近ごろは勞働組合の運動が自由になつたので、郵便局でも、從業員が局長の目色、顔色をうかがうよりも、局長が從業員の目色、顔色をうかがう方が多くなつたという意味の御答辯を聽いたのであります。私はこの御答辯を聽いて、それは違うと思つたが、ただあまり委員會の時間が遲れるのもどうかと思つて昨日は質問を打切りました。私は本日ここに一つの確固たる事實をあげて、全國一萬三千の特定郵便局、すなわち昔の言葉でいえば三等郵便局に働いている多數の從業員が、その局長からいかに封建的なばかばかしい扱いを受けているかを政府當局の前に證明したいと思うものであります。 これは一例でありますが、逓信當局のおひざもとに近い千葉縣市原郡市東村郵便局の森局長が、本年一月に電報配達として塚本道夫君を雇い入れたのであります。最初給料は月五百圓、現在は月收總額千圓と申します。電報は普通多い日に十數通、少い日に五、六通ですが、その森局長は、ほとんど朝暗いうちから夕方まで今申した塚本道夫君をしてもつぱら自分のたんぼをつくらしております。電報にはウナ電もあり、たとえ普通電報でも發信人からいえばそれぞれ重要な用件があると見られるべきですが、この局ではそれを一日に一囘か二囘に溜めておいて自轉車でちよつと配達させて、あとの時間は全部作男同樣にたんぼをつくらせておるのであります。森局長は實は相當廣く耕作地をもつているので、人手が足らぬものと見え、本年六月ころから、その塚本君の細君の弟、すなわち義弟を專門に作男として雇い入れたのでありますが、その義弟に當る人は、他でも働いた經驗があつて、あまりの酷使に腹を立て、もつて勞働條件のよいところを見つけて、去る十月郷里たる新潟縣に歸つてしまいました。すると森局長は、自分の酷使ぶりを反省することなく、かえつて兄の塚本道夫君に向つて、弟を逃がしたりしてきさまは不都合だ、やめさせるといつて叱りつけ、さらに、この局は電報が少いのだから、別の局の電報配達で間に合うかもしれないと言つておどかしたのであります。元來塚本君は正直者で、一日として休んだこともない忠實な人物でありますが、民主主義の今日、局長からこの無法と侮辱とを受けてはやはり腹にすえかねたのでしよう。その日はそれに抗辯もしませんでしたが、翌日から局に顔を出さなくなり、一週間も二週間も經ちました。そこで貧乏な同君の家では細君が同君に對してぶうぶう言つたと申します。さて數日の後、局長の方が折れて出て、元通り働いてくれと申しましたが、わが愛するこの勞働者は、この蟲のよい要求には應せず、今月一日からは他のところに就職しているのであります。ちなみに塚本君は退職手當ももらわず、また支給されている服も取上げられております。私は、このような生々しい、しかもごく最近の事實を知つておりますので、きのうの當局の白々しい答辯を聽いて、國家と國民とのために驚きかつ悲しんだことをここに申し添えたいと存じます。特局定の局長は村ではだんな樣です。現在のようなインフレ期には金の動きがじぐざぐになつていますが、森局長は村内の一軒々々の金の動き、貯金の高を、めぼしいのは大抵記憶していると申します。税務署に言われたらどうなろうか、税務署に密告されたらどうなろうかと、村民はこの局長を恐れていることは、もちろんであります。それに、村にただ一つの電話であり、村民はそれをときどき借りて使う。それを局に勤めさせておる自分の妹に聽きとつて局長に報告をさせる。たれが大きいやみをやつているか、どんな大金を動かしているかを局長は手にとるように知つているというのであります。だから、政府が貯蓄奬勵をするときなど、森局長は、家に金をおくと危ないですぞ、と言つて、金のある家をちやんと知つていて勸誘するので、成續が上つたといわれております。昨年はこの局には四百數十萬圓の郵便貯金がありましたが今年は六百萬圓ないし一千萬圓の額が集まつておろうといわれております。あなたは大量の物資を買いつけた、あなたは昨今大金を受けとつている、それを電話で、知つているとまでは局長も言わなでしようが、酒を常に飲んでいるこの局長は、醉うと、たれたれの家はいくら貯金していると言うのが癖になつているという話を聞くと、私は、さような人物がもし特定郵便局の局長を勤めているのでなく、他の役所におつたら、とうの昔にくびになつていようと確信するのであります。あまり長くなることは委員諸君に御迷惑になると思いますが、これは特定郵便局の局長なるものの悪い見本の代表的、典型的なものと思いますので、いま一點だけ森局長の解剖によつて質問を繼置させていただきます。森局長は近ごろ約百萬圓を集めて一つの事業を始めております。その資金の集め方は、例により村内どの家がいくら現金をもつているかをよく知つておりますから、それを利用悪用しての細工で、職權濫用的な行為であることは、俊敏なる刑事や檢事をまつまでもなく、政治家の末席を汚す私にも十分想像し得るところではあります。むべなるかな、はたして村内には、出資者も非出資者も、あの酒飲みの局長のことだから、いまにあの百萬圓をどう使い果すか、ごまかすかもしれぬといううわさが村内に流れていると聞きます。當局においては、かような横暴な、封建時代さながらの局長のもとに使われる從業員の勤務がいかに苦しいものであるかを少しお考えになつていただく氣はありませんか。私は、全國には森局長は決して一人でなく、塚本道夫君もまた一人でないことを斷言いたします。森局長の上を行く局長、その下にすぐ續ぐ局長、それはそれは悪徳局長がいかに多いことか。また彼らのもとに涙で働くところの男の從業員、女の從業員がいかに多いことか。全逓勞組によつて代表されている特定郵便局制度廢止の叫び、そうしてこの叫びは、二三日前の十一月三十日、中立的な中央勞働委員會によつてさえ當然なりとして調停案の一項とされているのであります。特定郵便制度廢止の聲の陰には、民主主義が相當普及されているかに宣傳されている日本において、まだまだ特定局で働く勞働者が不當なる使われ方をしているものが數千はおろか數萬、數十萬存在するのだということを、逓信省の中樞部にいる諸君が十分認識されんことを私は今警告的に希望するものであります。森市東郵便局長のような事例は、日をあらためて、さらにいくらでも委員會においてあげ得る用意をもつておることを附言しておきます。私はこのような事實及び認識の上に立ちまして、左の四點を質問いたします。 第一、私たちの屬するこの決算委員會で、國家公務員法を審議したのでありますが、あの國家公務員法においては、公務員は大臣、次官、兩院議員等々の特別職を除き、一般職に屬する公務員は、近いうちにすべて試驗によつて採用されることになるのであります。また高文をパスした者の特權が廢止され、すべての就職後は、その職種職種において試驗によつて、その役所の課長さんにも、局長さんにもなれるのであります。この衆參兩院を今囘通過したる公務員法の精神に顧みましても、家族制度さえ撤廢された今日、ほとんどこの世襲制ともいうべき特定郵便局に局長、親は子に局長の職を讓るという不合理にして、特權的なるこの制度を廢止するのが、民主主義的だと全逓數十萬の勞働者は考え、私もそれをもつともだと思うのですが、政府はあくまでこの悪制度の存續を固執するのであるかどうか。これが第一の質問であります。 第二、もし全逓及び本委員の主張にも道理ありとお認めになるならば、特定郵便局制度廢止の諸方法を審議するための委員會にごときものを設置される意思ありや否や、これが第二質問であります。 第三、本日本委員會において、私が一つの例として指摘した千葉縣市原郡市東村の市東郵便局長の、同局從業員に對する使用方法の亂暴さといい、他人の貯金高を常に調べて公開するがごとき行為といい、私は言語道だ斷だと思いますが、この森局長に對し、當局はどのような處置をとられる御所存でありましようか。これが質問の第三であります。 第四、私は特定郵便局長に中にりつぱな人があることを知つておるものでありますが、千葉の森局長と類似の人物が、他にも相當あるのではなかろうかと思われます。それらの人物にもとで勤務する從業員の苦しみや惱みを考えますと逓信當局は世襲制度を廢止されるまでの間の措置として、監督を強化して、何らかの措置をとる意思ありや否や、これが質問の第四であります。明確にして、責任のある御答辯を伺いたいと思います。
○小笠原政府委員 ただいまの各質問に對しましては、後刻お答え申し上げたいと存じます。
○高津委員 なるべく近い機會に御答辯をいただきたいと思います。
○竹谷委員長 それではさようにいたします。他に御質問はありませんか。
○竹谷委員 先ほど運輸省から緊急放出物資についてお話がありましたが、その中に、これは無償で受入れたというふうに聽いたいのですが、これはさような性質のものではないと思うのであります。それを伺いたいと思います。
○小澤政府委員 私鐵道の關係でございますが、御答辯申し上げます。先ほど會計課長からお話申し上げましたのは、鐵道の方で特殊資材と申しております緊急放出物資でありまして、一應閣議決定によりまして無償で受入れることに相なつておりまして、そういう處理をいたしております。
○竹谷委員 内務省に方へ伺います。この圖面を見ると、特殊物件(正式返還)というのと、それから右の方に放出物件と書いてありますが、この放出物件、いわゆる緊急放出物資も昭和二十年八月十六日、七日に陸海軍省から發せられて、十日ばかり後に取消して、放出したものも返還したり、あるいは有償にしたり、あるいは品目等をはつきりしろという命令が出たはずであります。從つて右の方の陸海軍から直接それぞれへ放出物資が配分されたものはほとんどないか、あるいはごく少いと思うのでありますが、左の方の特殊物件(正式返還)は一應全部はいるべきものだと思いますが、どうですか。
○植田説明員 放出物件の代金もすべて特殊物件收入の方にはいるものと豫定しております。從いまして緊急放出軍需品目録で、内務省で囘收いたしましたものは、正式特殊物件ルートによりまして、それぞれ統制會社なりその他に渡しておりまして、それは特殊物件收入となつております。 それから都道府縣に陸海軍省が渡されて、都道府縣が配分されたものの處理であります。それは一應下のわくの中にも書いておきましたが、現品囘收と代金追徴と容認と三つにわけて處理をいたしております。これは連合軍の意向をも十分參酌して、こういうことにしております。 最後の容認から申しますと、放出リストに中には、部隊が駐屯しておりました村役場等に調度品をやつてきたというようなものもリストに載つております。これはいまさら金をとる必要もなかろう。それは實際容認してもいいのではなかろうかというのがこれであります。それから都道府縣が衣料品等を受けまして戰災者等に配つているのが多いのであります。これもどさくさの際でありまして、だれにどう渡したという記録も殘つておりませんが、戰災者に渡したものであり、また當時の事情からやむを得ないものである。それに一般戰災者用に使用しているのだから金もとる必要はなかろうと思うのであります。 それから前に渡してあり代金追徴の方ですが、行先を突きとめて追究すると、とうに使つてしまつたというようなこで囘收に至らないものもございます。こういつたものにつきましては陸海省から無償で引取りましたものについたは代金を追徴する。その際幾分でも軍に代金を拂つているという確實な證據を見せますならば、その分だけ差引きまして、當時の時價との差額だけを追徴することにしてあります。ただいま運輸省から無償で引受けたというお話でありますが、當時は確かに閣議決定で無償でやるというように書いてあるかどうか記憶いたしておりません。しかしそういう趣旨で受入れられたものと思いますが、今後の處置といたしましてはこの金額をどうするかということにつきましては、やはり大藏省とも打合わされて決定せらるべきものでと内務省としては考えております。
○竹谷委員 緊急放出物資については、運輸省と内務省の見解が違うわけでありますが、私も内務省の意見の方が正しいのではないかと思う。當時無償ということでも、それはどさくさのときのことであつて、これは運輸省が特別會計として使つたものは特別會計から一般會計へその代價を支拂わなければならぬし、また運輸省が一般民間にこれを拂下げをしたような場合には、むろん鐵道特別會計に收入すべきものではなくて、一般會計に收入することになるのでありまして、運輸省がもらうということは國庫がただ引受けたという形になりますけれども、しかしそれにしても運輸省が自由に勝手に運用し得べきものでなくて、それぞれの會計規則に從つてこれを處分すべきものだと私は考えております。しこうして資材も相當大きいのでありますから、先ほどのお話では帳簿價格または放出當時の時價によると一億三千四百六十八萬圓ということでありますけれども、これを現在の時價に見積りますならば、あるいは公定價格でもこれは莫大な物資なのでありまして、これの處理については財政法上また會計法上違算なく實施せられんことを要求しておく次第であります。 それから兵器處理委員會というのは多分五つかの鐵鋼に關する大會社が集まつてつくつて委員會であつて、これは法制上のものではないように聞いておるのでありますが、これらの大會社が委員會をつくつてかりに適正にやつたといたしましても、實際の現場は鐵くず屋やその他の鐵鋼やみ屋の人たちまでも加わつてこれを處理したといううわさまで飛んでおる。これに關しましてはいかような指導監督を加えたか、そうしてこの物資の處分等につきまして、違算がなかつたかどうかということを承つておきたいと思います。
○植田説明員 ただいま兵器處理委員會の點について御質問がございましたが、兵器處理委員會は鐵鋼關係の大きな會社が二社で、非鐵關係の大きな會社が三社で、合計五社でつくりました民法上の組合でございまして、これに一括いたしまして兵器關係を任してわけでございます。兵器は先ほど會計檢査院からお話がありました通り、非常に不便なところにございまして、これをできるだけ早く民需に活用いたしますためにこれを早く解體しまして、電氣炉なり平炉なりに運ぶということが必要でございまして、擔當五社におきましてはそれぞれ地域を分擔いたしまして處理いたしたのでございますが、五社としましても自分の作業力だけではとうていできないのでございまして、兵器處理の關係ではあらゆる下請機關を使つておると思うのでございます。その作業圓體に對する監督につきましては、一應引渡しは地方廳と擔當五社との間の引渡しになつておりまして、地方廳としましては十分な監督はいたしておるとは思うのでございますが、何分にも兵器の置場は非常に多うございまして、話がちよつとそれますが、特殊物件としまして正式に受けました置場の數が全國で二萬四千ございまして、これが一昨年の暮から昨年の三月、四月ごろまでに一齊に内務省なり地方廳に返つてまいりまして、その方の處理につきましても地方の都道府縣は不慣な仕事を一齊にやりまして、この經理等でもずいぶん苦勞いたしたのでございまして、あるいは兵器以外の特殊物件の處理に對する監督よりも兵器處理委員會に對する現場の監督の方が手簿であつたかということは申せるかと思うのでございますが、内務省といたしましても——これは内務省ばかりではありません、この處理については商工省も監督いたしておりますと、内務省、商工省といたしましてもできるだけの手は盡したと思つておりますけれども、當時の事情といたしましてはそう完全ではなかつたらうと考えるのであります。これらの下請機關もよく不正をやつておるのではないかといううわさも聞くのでございますが、これも内務省といたしましてもなかつたことは確信いたしかねますが、ただいままで格別な事實を得たものがあまりないのでございます。そういつたものが出てはまいりますれば、最近檢察當局の手も動いておるようでございまして、こういつた方面で摘發していただきたい。私どもといましても、この仕事が國民の前にはつきりいたすまでには、こういつたこともあろうかと思いまして、またそれを決して拒否する考えももつておりませんのです。ちよつと言葉は今まで申し上げた點に不適當なところがあつたかと存じますが、御了承を願いたいと思います。 それから兵器處理委員會で扱いました品物の處理でございますが、これはすべて商工省商工局の監督のもとに處理せられておりまして、すべて商工省商工局が配分權をもつておりまして、その指示によつて配分されておりますので、隠退藏委員會の方へはこの記録を全部提出してあるはずでございます、詳細なことについては商工省の方からお聽き願いたいと存じております。
○小澤政府委員 先ほど竹谷さんに對するお答えでちよつと言葉が足りなかつたのでありますが、鐵道といたしましては、緊急放出物資につきましては、先ほど申し上げましたように從來そういう方針で處理されておりましたので、それだけ申し上げたのでありますが、政府の方針によりまして有償とすべきものであるというものが出てまいりますれば、内務省と話合いの上で有償にしても一向差支えないのだというふうに考えております。現に他方廳におきましては有償とするというお詰がございまして、有償としておる部分もある次第でございまして、考え方としましては内務省と運輸省とは食い違つておらないと考えますので、御了承願います。
○竹谷委員 特殊物件あるいは緊急放出物資等政府が直接つかんでおるものについてだけこれから述べたいと思う。その他の民間の倉庫や何かに隠退藏されて、政府がその存在を把握していないものについては省略いたします。これは隠退藏物資委員會で十分今追究中でありますから申しませんが、内務省なり、都道府縣なり、あるいは大藏省なり、鐵道總局なり、逓信省なりのただいま保管をし、あるいは處理せんとしつつある物資は、まだ相當厖大なものであろうと思うものであります。特に兵器行政本部及び海軍の艦政本部ですが、これらが運輸省の所管となりまして相當まだ物資資材もある。鐵道はガラスは破れ車輪はすり減つてレールがないという始末でありますが、これは適當に早く處理をせられることによりまして、ただいまないと称した地方交通機關の資材等は相當出てくるのではないかと思う。またその他の産業再建に必要なたくさんな資材もここから生れてくると思うのであります。これに關しましては非常に杜撰な取扱いを從來やつておるようでありますが、たとえば鉛がないのにおもりとしてそれが簡單に拂下げあるいは處分せられるというようなことで、貴重な資材が二束三文のくずのような形で拂下げられたり、あるいは處分されたりしておるところがあるやに聞いておるのであります。また逓信省の逓信關係の資材にもかようなものがあるのでありますが、ぜひこれは官聽においては熱意をもつてこの特殊物件竝びに緊急放出物資の處理にあたられんことを切望する。そうでないと今後とも大阪造兵厰事件のような事件が政府當局の握つておる、保管しておるはずの物資にして今後の發生し得る可能性が非常に多いのであります。それからまた國家の收入といたしましてもずいぶん無理をして財政收入を上げようといたしております際、こうした物件が正しい價格で拂い下げられ處分せられれば、それだけ多く國庫の收入を増して赤字財政を埋め合わすこともできるのでありますから、どうか關係當局はこれらの現在把握している資材についてだけでも非常な熱意をもつて、終戰後のどさくさの時代のことは問わないといたしましても、今後においては眞に國家財政を思つて、國民の負擔でありますところの財政上の見地から、適正にそして敏速の眞摯なる態度をもつてこの事務を處理せられんことを熱望してやまない次第であります。兵器處理委員會の仕事はわずかに一億何千萬圓の國庫歳入しかないそうでありますが、これは過去のことでありますが、しかしながらこれらについても當局は爾後における監督も十分にいたしまして、單に檢察當局のみに頼らずに、一切の仕事を長い間鞅掌してきたその知識と經驗とをもちまして、十分この事後處理にあたられんことを切望する次第であります。
○冨田委員 ただいま竹谷さんのお話に關連いたしまして、ちよつと數字のことをお伺い申し上げます。これは兵器處理委員會の兵器處理についてあでりますが、頂戴いたしました別表の第二によりますと、兵器の處理にあたりまして販賣された高が六億三千萬圓になつております。囘收高は九億五千萬圓餘になつております。しかるに會計檢査院に報告を見ますと、兵器處理委員會から納入された金は皆無である。こういうことになつておりますが、この金はどう處理されておりましようか。
○東谷説明員 内務省から詳しいお話があるかと思いますが、實は先ほどここで御説明をいたしたのでございましたが、この會計檢査院の報告には皆無であるというふうに掲げておきましたが、その後調査をいたしますと、この五社の關係から第二對鎖で二千三百餘萬圓が國庫の歳入になつておる状況でございます。御了承願います。
○植田説明員 兵器處理委員會の關係についてお答えを申し上げますが、囘收高で金額で出ておりましても、これがすべて金に代つておるわけではないのでございまして、囘收しましても賣れないものにつきましては、まだ金の形には收まつておりません。なお賣れましてもまだ未囘收の金もあるわけでございます。またその後の囘收が進捗いたしておりまして、その方に相當な費用がかかるわけでございます。兵器處理委員會の經濟から申しますと、金の面からだけ申しますと、ただいまのところはまだ借金の方が多いという状態であります。今後囘收いたしました鐵について、約百萬トン餘りのものを全部賣り盡し、非鐵についても大體六、七萬トンあるかと思いますが、そういつたものを通計いたしまして、それだけのものを賣り盡せば、帳薄上一億の黒字が出てくるということに推定できたのでございます。ところが公定價格がスクラツプについては上らなく、運賃が増嵩しましたために、逆に今度は數億の赤字を出さざるを得ないような苦しいはめに最近になつてまいつたのでございます。そういつた事情でございます。
○冨田委員 販賣高はただ囘收の數字だけであつて、現金は必ずしもはいつていない。なおはいつたとしてもそれに要する費用がかかりますから、國庫の收入面にはいらない状態である。そしてまた兵器委員會は赤字であるという話であるが、一體こうした見積りは大體マル公に私はなつておると考えるが、むろん物の値段も上り、また運賃も上りましたから、そのバランスがどうとれておるかは存じませんけれども、しかしここにあげられた六億といい九億といい、なまやさしい金ではないと思う。話は飛びますけれども、たとえば文教關係において六・三制を實施するのに、わずか六億の金が追加豫算から削られてしまつて、文部大臣はこれに對してやつきになつて苦努をしておるということを聞いておる。こういうことを考えますと、こういうものが昭和二十二年の三月一日現在ではつきりと數字が出ておりますならば、これをもう少し竹谷委員のお話のように誠心誠意をもつて實施してまいりましたならば、おそらくそのくらいの金はいらないことはなかろうと思う。殊に兵器處理委員會はそれだけにいたしましても、殊に運輸省關係にいたしましても三十萬圓がはいつておるが、實際は、一億圓のものである。あるいは逓信關係、内務省關係、どの面を見ましてもことごとく一般會計への納入が濟んでおりません。このような状態でまいりますことは、私どもとしてはまことに遺憾に存ずるばかりでなしに、新聞に現われました大阪造兵厰の問題にいたしましても、厖大なものは全部鐵道省關係に移管されて、そうして大阪鐵道局においてこれが處理されております。こういう方面をいま少し誠心誠意をもつて、ただ數字だけでなしに、これで報告しただけであるという形式一片のことをお考えにならずに、竹谷委員から非常に熱意をもつてお話しになつたように、一錢厘の金も、納める方から申しますれば膏血を搾つたものであります。決してやみをやつてもうけたものではありません。眞實われわれの血と涙の中から出た金であります。これがただ厖大な數字を決算委員會に出しておけばそれで濟んだ。あるいは五人、十人の委員はそれで滿足するかしれません。しかし八千萬國民は決して滿足しません。いわゆる決算の面から考えてみると、收入の面において、政府が豫算をおつくりになり、健全財政をお立てになつても、そうした收入の見積りが納税の不足となつて現われる、その他の面においてせつかくお立てになりました健全財政が擔税力に想應しない課税をされますために、その面からでも財政が崩れてまいります。そのとき政府のお役人は何遍でも送ることができる。しかし地について現實に一錢一厘の金を稼ぎ出し、自分の生活を小刻みに生き甲斐にある人生を送つておる無言の民衆というものはどこに抗議をもつていくか、百姓には辭職はない。勞働者には解雇があるかもしれませんが、生活には辭職はない。これを考えましたら、この決算の委員會に出ました數字を單なる數字とお受取りにならず、もう少し熱意をもつて、早く囘收すベきものは囘收し、われわれがほんとうに無理もない、終戰當時昭和二十年のことであるからやむを得ない、ごもつともだと、公務員の方々もまことに御苦勞であつたと感謝の念をもつて私どもがこの委員會に臨むことのできるよう處理していただきたい。こういうことをお願い申し上げておきます。
○小澤政府委員 鐵道の關係について申し上げますと、竹谷さん竝びにただいまの御意見非常にありがたく拜聽いたしました。われわれとしては十分御意見に副いまして仕事をしなければならぬと考えるわけであります。ちよどよい機會でありますので、抽象的ではありますが、申上げておきたいと思いますのは、鐵道といたしましては、竹谷さんのお話にもありましたように、相當厖大な資材をいただきまして、現在でも相當殘つておることは、別の委員會に提出しました資料をごらん願つてもわかるのでありますが、實情は現在まで鐵道で使えます資材はほとんど使つてしまつたと申し上げてもいいかと存じます。もちろんものによつてはむだに一時に使う必要はないわけでありますから、二年なり、三年なりの所要量をみまして保管しておるものもあるかと存じますが、問題になります鋼材その他の金屬につきましては、使い得ますものはほとんど使つて、現在相當殘つておりますものは規格の點からいたしまして、そのままでは使えない。リロールをするとか、あるいはまた歳出の檢査をいたしまして、鐵道で使い得るかどうかというようなことも調べなければならぬ資材が大部分であります。ただいまにおきましては、鐵道で使い得るかどうか。使えなければどうするかという點につきまして、事務的にはわれわれとしましとは、實は熱心にやつておるつもりでありますが、何にいたしましても、御承知に通り軍で當時保管されましたこれらの資材は、非常に地方的に分散いたしまして、たとえば大きな問題になつております大阪の例をとりましても、物資を十數箇所に保管しております。あるいはまた物によりましては、地中に埋めてあるというようなものもあつたと聞いておるのでありますが、そういうものを整理いたしまして、それらを一箇所に集めて區分けをする。そうしてその中から使えるものを選び出すというような手數が非常にかかつたのでありますので、比軟的事務的な處理が遲かつたということは、はなはだ遺憾に存ずる次第であります。今日までただいま御指摘になりました金の關係が事務的に進歩いたしておりません理由は、ただいま申し上げましたように、現物を早く何とか利用したいということに關係者一同氣をとられておつたと申しますか、努力を集中しておりましたので、その事務的な、殊に金の方の處理につきましては、ただいま御指摘のごとく、はなはだ遺憾の状態にあるということになつたわけでございます。われわれとしましては、ただいまのお話もございますし、できるだけ早く事務的な處理が濟みますように、現物その他、關係者を督勵いたしまして、努力をいたしたいと考えるわけでございます。御了承をお願いいたします。
○正示政府委員 ただいま冨田委員から歳入の確保のことにつきまして、きわめて至當なる御忠告をいただいたのであります。大藏省といたしましては、歳入の確保については、全責任を負つておる次第であります。しかしながら最近の税の状況等におきましては、まことに深憂をいたしておる次第であります。終戰後の特殊物件收入の確保につきましては、内務省方面とも始終緊密に連絡をとりまして、非常な努力を拂つておつたのでございますが、ただいま冨田さんからお話のように、十分の成果を上げておりません點につきましては、まことに申譯ない次第に思つております。國會の御批判によりまして、非常に強い輿論を聽きまして、われわれとしては確保すべきものはどこまでも確保してまいるという方針のもとに、今後とも各省とさらに一層連絡を密にいたしまして、努力を重ねてまいりたい、かように考えておる次第であります。何とぞ今後とも十分御批判、御鞭撻をお願いいたします。
○東谷説明員 ただいま鐵道當局から收入の確保ということについて御説明、御決心のほどを示しになつたのであります。先ほど竹谷さん、冨田さんからいろいろその點に觸れての御注意、御激勵のお言葉があつたのでありますが、この收入の確保という點につきましては、先刻もここでちよつと申し上げておいたと思うのでございますが、會計檢査院の面におきましても非常に憂慮にたえない事態に直面しておるような氣持がいたしまして、先般も檢査官會議を特に開きまして、愼重審議を重ねました結果、大藏當局その他の當局に對しまして注意を喚起いたしたのであります。御承知のごとく二十一年度で見ましても、一般、特別兩會計の、租税だけの面でみましても、調定はしておつて收入未濟の面が大體百五十億に上つておるのであります。これは二十一年度の租税の收入面から見ますと、大體收入未濟というものは二割五分、三割近いものに上つておるのであります。その他に收入未濟に現われない調定未濟という部面も相當にあるかのように考えられますので、その點を特に取上げまして、各當局に甚大なる注意を喚起いたしておるような次第でございます。なおこの兵器處理委員會についての冨田さんの御意見があつたのでありますが、これにつきましても何箇月か前に、一應この邊で打ち切りまして、兵器處理委員會におきまする收入と支出をにらみまして、一應ここで政府に納入すベきものは納入させたらどうであるかという意見を當局に差上げたような次第でもありますし、この財瀬の現況に鑑みますると、會計檢査院といたしましても、早く處理をしていただいて、納入すべきものを納入していただくようにしてもらいたいと思うのであります。なお先ほど鐵道總局の點につきまして、特殊資材すなわち緊急放出物件についてでありまするが、竹谷さんからお話があつたのであります。會計檢査院の報告としましてはまだ的確に受拂いの整理をせず、一般會計の歳入に納入したものがない、こういうふうに御報告しておつたのでありますが、これは會計檢査院といたしましては、竹谷さんと同じような氣持があるのでありまして、歳入に納入がないということは納入すベきものであるがしてないというふうに考えておるような次第であります。その點を附け加えておきたいと思います。
○竹山委員長 他に御質疑はございませんか。
○冨田委員 ひとつ會計檢査院にお伺いしたいと思うのですが、特別會計歳出のところで通信事業の昭和二十年度小石川郵便局の書記某で不正な行いをした。それがために辯償額は五千十二圓というものが補填されている。私はこれを拝見しまして一箇年間で日本全國でこうした事件というものはたつた一つとはどうしても考えられません。もちろんこれが一つであつたといたしまするならば、これにましたありがたいことはないのでありますが、これは會計檢査院は一つのサンプルとしてお出しになつたのではないか、こんなふうに考えます。こうしたことが先ほど三等郵便局、いわゆる地方の郵便局のお話がございまして、きわめて封建的なものがあるという實例を高津委員からお示しがありましたが、この郵便局にもつていきます小さい貯金、それから戰時中非常に苦勞して隣組あたりの顔を立てるために無理をして買つた國債、そうしたものがいわゆる公務員の不正行為によつてそのまま泣寝入りになつたものがどれくらいあるかしれないという氣持がいたします。もしこれがほんとうに會計檢査院の御報告通り一つでありましたならば、これは何とも申し上げることはない。まことに日本の道義が高揚してわれわれは安泰な世の世だという感激をもちます。もしこれが表ざたになつたものがこれ一つであつて、全國に幾つかの多くのものがあつたとしますならば、その下に泣いておるほんとうの無言の民が幾人あるかということを考えなければならぬ。私は聲を出さないほんとうに泣き寝入りをしておる零細なる貯金をもつている人たちの心持をくんでみましたならば、もつと嚴正にこういうことを取締りを願い、御監督を願つて、そうしてそうした涙にくれて今まで聲を出すことのできなかつた者にも一つの喜びを與える。その意味において會計檢査院の立場から、はたしてこれが一つだけであるか。まだほかにあるとはおつしやることはできますまいけれども、こうした事態が發生しておる温床が現在存しておりかどうか、そのお見透しをお伺いしたいと思います。
○東谷説明員 ただいま冨田さんからの御質問でございますが、小石川郵便局の犯罪事件でございますが、そのような事件がたくさんあるかどうかということでございますけれども、實はそのような事件がほかにないとは考えておらないのであります。ただ國會に提出いたします檢査報告の事項といたしましては、實は租税の事項でも、他の事項にいたしましてもそうでございますが、大體會計檢査院で線を引きまして、犯罪事件であれば一萬圓以上のものを掲げる、それ以下のものは當局には注意はいたしますけれど、この報告には掲げない。支出においては何萬圓以上、歳入の面では三千圓以上というふうな、大體のめやすというか線を引いて、それ以下のものは檢査の報告としては、不問に付すというようなことに相なつておるのであります。最近の新聞を見ますと、一萬圓というが、一萬五千圓というか、その線以上のものがある程度あつたように記憶しておるのでございます。これはただいま整理中でございまして、整理いたしまして、次の檢査報告に掲載するということに相なつておるような次第であります。
○戸叶委員 先ほど逓信省の御説明の中では特殊物件の未配分が五千萬圓程度あるというようなことを伺いましたが、その中に電話通信機の資材になるようなものがあるかどうかをお伺いしたいと思います。電話通信機等をつくつておられる人が資材がなくて非常に生産をあげることができないで困るというような聲をよく聞くのでありますが、もしもその中にはいつているといしたましたならば、なるベく早くそれらを處理して資材の方へおまわしくださるように切望しながら、御質問申し上げる次第であります。
○林(一)政府委員 ただいま殘つております資材は、おおむね從來通信復興に直接役立つところへ配分した残りと申してよろしいのでございます。しかしながら非常にこの件數がたくさんございまして、一々これを從來の方法でやることは今後どれだけの時日を要するかわからぬという状態でございますので、特に司令部の關係の方の御注意もありまして、現在倉庫に殘つておりますものは輸出用のものもございますが、それを除いたものについては大體において倉庫ぐるみ處理する。そうしてこれを引渡す先はどこかと申しますと、電氣通信機のメーカーなりラジオを修理する會社、そういつた電氣通信に關係のある會社に私ども御通知申し上げましたのが約三百五十社あつたと思います。そういうところに全部御通知しまして、こういう内容のものがあるが、希望の方はもよりの逓信局に申し出てくれというふうにしまして、またこれがまつたく自由な競争入札にして今引取つておるわけであります。現に東京や廣島あたりは全部その方法で處理濟みでございます。なおほかの地域につきましても、現在最後の帳簿の仕上げをいたしまして、これら希望者等と折衝をして入札の準備をしておるようなわけで、大體本年内に全部のものが處理できる状態でありまして、できるだけそういう生産の方面に向ける趣旨でやつておりますので、御了承願いたいと思います。
○冨田委員 運輸省と逓信省のいわゆる現業をもつておる官廳において、昭和二十年度は終戰の混亂期でもありますし、特に物價の變勳のひどかつたときでありますから、赤字が出てくることは一應了承いたしますが、將來において赤字を出さずに、いわゆる獨立採算制と申しますか、そういう方針でお進みになるとしますれば、三年計畫なり五年計畫なりで將來の見透しにおいて赤字を出さずに濟む御計畫をおもちでありましようか。その點を兩省に伺いたいのであります。
○小澤政府委員 率直に申し上げまして、私は御答辯を申し上げる立場にないのでございますが、私の知つておる限りついて申し上げますと、物價の状態あるいは人件費の關係から考えまして、今後五年ないし七年くらいの間に經營の合理化が行われ、あるいはまた蒸汽列車の電化を行つて石炭の節約をすることによりまして——ときには物價の變勳いかんによりましては運賃の値上げも考えられますが、五年ないし七年をもつてほんとうの意味の獨立採算制に入りたいという考え方によりまして、私どもの關係としては目下案をつくつておるのでございます。しかし先ほど申し上げましたように、物價が非常に變勳いたしますし、また收入に對しても、先般の運賃値上の結果を見ますと、計畫をしましたものの、豫期しない要素がはいつてまいりますと、五年と申し上げましても、あるいは六年かかるかもしれませんし、あるいは四年で濟むかもしれませんが、とにかく私ども經營の責任を負うものといたしましては、でき得れば五年以内ぐらいに、まあかかつても七年以内くらいに、できるだけ早い機會に赤字をなくして、ほんとうの意味の獨立採算制にはいりたいと考えておる次第でございます。
○冨田委員 まことに心細い御答辨で、ほんとうに敗戰の辛さをしみじみ味わいます。このことは御答辨をお願いするのは無理かもしれませんが、委員長においては少くとも國政變理の任に當つております主管大臣にその點をよくお確かめを願いまして、私たち決算委員會に報告するというよりは、全國民の前にしつかりと御方針を御發表願うようにお取計らいをお願いして質問を打切ります。
○竹山委員長 連日決算の審議に御熱心に當られた委員各位に感謝いたします。行政機構の審査等のために、決算に專念することができませんで、十分なる御審議をいただくことができなかつたことを委員長としてはまことに申しわけなく感じております。しかしなお請願の問題がありまので、殘餘の質疑はまた關係の問題として後の機會に委員會を開く際に御質疑願うことにして、決算の質疑はこれにて終了いたしたいと存じます。 最後に本日取上げました特殊物件等に關する問題については、委員會としては決算の當面の問題ではありませんが、決算の審議にあたりまして、國民の立場から最も重大視しなければならぬ問題として、本日取上げたわけであります。もちろん特別委員會においてこの問題は引續き檢討をされておりますが、當委員會といたしましても、この問題はこれで打切られるわけのものではないのでありますから、今後に引續いていの問題の檢討を續けてまいりたいと思います。 —————————————
○竹山委員長 それではこれで質疑を終了いたしましたので、この決算に關する決定をいたしたいと存じます。
○竹谷委員 ただいま議題といたされておりますところの、昭和二十年度歳入歳出總決算、同じく特別會計歳入歳出決算、竝びに既住年度未確定決算中確定額につき、それぞれ左のごとく議決いたされんことを、動議としてこの際提出いたします。 第一に、次の八件は措置違法と認められるにつき、政府は再びこのようなことのないよう、嚴重に注意すベきであると議決せられんことを望みます。すなわち (一)昭和二十年度一般會計内務省所管歳出臨時部第四款補充費第二項緊急對策費茨城縣及び宮城縣において支出に係る件(會計檢査院報告五の一般會計(一)の(イ)(ロ)) (二)昭和二十年度一般會計厚生省歳出臨時部第一款一般費第五項引揚民對策諸費鹿児島引揚援護局及び、博多引揚援護局において支出に係る件(會計檢査院報告五の一般會計(二)) (三)昭和二十年度一般會計運輸省所管歳出臨時部第一款一般費第七項氣象施設整備費中央氣象臺において支出に係る件(會計檢査院報告五の一般會計(三)) (四)昭和二十年度特別會計通信事業資本勘定歳出第一款通信事業設備費第一項電信事業設備費松山逓信局において支出に係る件(會計檢査院報告五の特別會計(一)) (五)昭和二十年度特別會計通信事業業務勘定歳出第一款通信業務費第一項業務費中央無線電信講習所において支出の係る件(會計檢査院報告五の特別會計(二)) (六)昭和二十年度大藏省所管官金大藏省預金部において資金の運用宜しきを得ないものの件(會計檢査院報告六の(一)) (七)昭和十九年度一般會計運輸省所管歳出臨時部第三款營繕土木費第十項中央氣象臺經線儀製作施設費中央氣象臺において支出に係る件(會計檢査院報告既往年度二の(一)) であります。 次に、左の十一件は措置不當と認められるにつき、政府は將來十分の注意をもつて、再びこの種事項の發生を防止するよう努めるベきであると決議せられんことを望みます。十一件を申し上げますと、 (一)昭和二十年度一般會計元大東亞省所管歳出臨時部第一款一般費第八項臨時諸補助金大東亞省において支出に係る件(會計檢査院報告二の(一)) (二)昭和二十年度一般會計大藏省所管歳出臨時部第一款一般費第六項航空施設整備費逓信院電波局航空保安部において支出に係る件(會計檢査院報告二の(二)) (三)昭和二十年度一般會計農林省所管歳出臨時部第一款一般費第十三項食糧増産對策諸費青森縣において支出に係る件(會計檢査院報告二の(三)) (四)昭和二十年度一般會計商工省所管歳出臨時部第一款一般費第五項軍需生産増強補助商工省において支出に係る件(會計檢査院報告二の(四)) (五)昭和二十年度特別會計通信事業資本勘定歳入第一款通保事業資金收入第四項雜收入逓信院總務局において決算額の外歳入に編入すべきものに係る件(會計檢査院報告三の(一)) (六)昭和二十年度特別會計帝國鐡道收益勘定歳入第一款作業收入第一項運輸收入運輸省において收入に至らなかつたものに係る件(會計檢査院報告三の(二)) (七)昭和二十年度特別會計陸軍造兵廠歳出第一款陸軍造兵作業費第一項作業費大阪造兵廠において支出に係る件(會計檢査院報告四の(二)) (八)昭和二十年度特別會計陸軍造兵廠歳出第一款陸上造兵廠作業費第一項作業費名古屋陸軍造害廠において支出に係る件(會計檢査院報告四の(三)) (九)昭和二十年度特別會計海軍燃料廠歳出第一款海軍燃料廠作業費第一項作業第三海軍燃料廠において支出に係る件(會計檢査院報告四の(四)) (十)昭和二十年度特別會計帝國鐡道資本勘定歳出第一款鐡道建設改良及び自動車線設備費第二項鐡道改良費運輸省において支出に係る件(會計檢査院報告四の(五)) (十一)昭和二十年度特別會計帝國鐡道用品勘定歳出第一款用品及び工作費第一項用品及び工作費運輸省において支出の係る件(會計檢査院報告四の(六)) であります。 次に、左の四件は監督または取扱い上、注意の周到を缺いたによるものと認められるから、政府は將來を注意するとともに、根本的方策を考究實施すべきであると決議せられんことを望みます。その案件は (一)昭和二十年度一般會計歳入經常部第一款租税第一項所得税六月税務署及び郡山税務署において租税の徴收不足を生ぜしめたものに係る件(會計檢査院報告一の(一)) (二)昭和二十年度一般會計第一款租税第一項所得税板橋税務署において徴收に至らないものに係る件(會計檢査院報告一の(二)) (三)昭和二十年度特別會計通信事業業務勘定歳出第一款通信業項補充費逓信院貯金保險局において支出に係る件(會計檢査院四の(一)) (四)既往年度の確定額中一般會計歳入京橋税務署外十件(會名檢査院報告既往年度一の(一)の(一)乃至(二))の租税の徴收上過不足を生ぜしめたものに係る件 であります。 第四番目に、昭和二十年度總決算及び各特別會計歳入歳出決算額中、未確定金額のあるのは、主として證明未濟分、または審理に對する答辨未濟のものがあるためと認められる。よつて政府は今後證明あるいは答辨の遲滯せざるよう十分の注意をなし、決算金額の確認に遺憾なきよう萬全を期すベきである。右のごとく決議せられんことを望みます。 最後にただいま述べました部分を除きまして、その他に關しましては異議はないと決議せられんことを望みます。 なお本年決算審議上、特殊な事項として注意せらるべきものは、戰災等に基因し、證明不能となつたものが、歳入において四億七千七百餘萬圓、歳出において十三億五千六百餘萬圓、また項目不明のものが、歳入において二千二百餘萬圓、歳出において二億三千八百餘萬圓の巨額に上つている點である。これに對しては會計檢査院においても、實地檢査、その他の方法により、あらゆる努力を拂い確定することといたしたものであつて、當時の非常混亂の事態を勘案し、やむを得なかつたものとして是認すべきものと認めると決定せられんことを切望するのであります。以上動議を提出いたします。
○竹山委員長 ただいまの竹谷君の動議に關して討論に付したいと存じます。
○中曽根委員 この際討論を省略いたしまして、ただちに採決されんことを望みます。
○竹山委員長 中曽根君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹山委員長 それではただいま竹谷君より提出されました動議について採擇いたします。これに贊成の諸君の御起立を願います。 〔總員起立〕
○竹山委員長 起立全員。動議は決せられました。 今日までの委員各位の御協力に對しては厚く委員長といたしまして感謝をいたします。なお本年度から初めて會計檢査院が當國會の審議に參畫してくださつたことについて、連日事務總長初め關係各位の御協力によつて當決算委員會が完全に審議を終了いたしましたことについて、深く敬意を表する次第であります。なお各委員會より重ねく述べられました點につきましては、委員長より本會議に報告をいたしたいと存じますが、列席の政府委員各位におかれましては、大臣その他に、この際日本の非常な危機に際して、要は公務員、官吏諸君が、この經理を誠意をもつて行うかどうかということが政治の要諦であると存じます。今歳入その他において非常に委員諸君の憂慮をされていることは、結局これは國家の危機の現われであります。この點はどうか、終戰以來混亂をいたしました官吏の紀律を一日も早く囘復をして、今囘の二十年度決算に現われたごとき醜態を再び明二十一年度以降において現わさないように、今日におきましてほんとうに戒心をされて、國家再建に協力をされたことを、委員會といたしましては切望をする次第であります。 本日はこれにて散會をし、決算についてはこれをもつて終了をいたしたことといたします。ありがたく感謝いたします。 午後一時四十五分散會