決算委員会 第15号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1947/09/29
会議録
○竹山委員長 これより會議を開きます。 お諮りをいたすことがあります。昨日、國家公務員法案外一件の審議のために、兩院合同審査會を開くことに御協議をいただきましたが、その日時、場所につきましては、明後日十月一日の午後一時より、衆議院の第十三委員室において開會をいたしたいと思います。その際民間のこれに關係のある方方から意見の聽取をいたしたいと存じます。これはでき得れば公聽會を開きたい希望をもつておりますが、審議を急ぐために、その手續に要する日數がないのでかようなことにいたしたわけで、そのために衆議院規則の第五十三條によつて、證人としての出頭を求めまして、兩院合同審査會の席上において證人の證言、意見の開陳を求めることにいたしたいと存じます。委員長の手もとにおいて選定をいたしました方々の氏名を申し上げて、御承認をいただきたいと思います。全官公の委員長の佐藤安政君、國鐵の委員長加藤閲男君、全逓委員長土橋一吉君、日教の委員長荒木正三郎君、早稲田大學の教授吉村正君、東京帝大教授の杉村章三郎君、毎日新聞論説委員井上縫三郎君、公法研究會の鵜飼信成君、同じく山之内一郎君、それから村上恭一君、以上十名の方にお願いを申して、手續上、うち五名を衆議院より出頭の手續をとりたいと思いますが、御異議ありませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹山委員長 御異議がなければさように決したいと思います。 —————————————
○竹山委員長 續いて質疑に入ります。主として今説明を求めました職階制に關して御質疑をまずお願いいたします。それでは私からお尋ねいたしますが、これは正直に言うと何度聽いてもよくわからないのですが、今の豫定では全部に實行のできる見透しは、何年くらいかかるお見込みでありますか。
○淺井政府委員 大體二年くらいで全部やれるかと存じております。
○竹山委員長 これは實際に調査してこれを適用してきめるのが二年でできるのですか。
○淺井政府委員 つまり人事院規則できめることになつておりますが、その人事院規則ができますまで二年と考えております。
○竹山委員長 そうするとそれが實際に適用してほんとうに動き出すのには、それからまたかかるわけですね。
○淺井政府委員 人事院規則ができますれば、すぐ動き出せるわけでございます。但この法案にもありますように、可能なるところから漸次にやれることになつておりますから全部が動くのを二年と抑えました。ですからそれより先に適用し得る部分ができるだろうと思つております。
○受田委員 これは職階制と特別職と關係をもつてくると思うのでありますが、この職階制によつて非常に專門官職が固定されるということが豫想されるのであります。その場合に政策決定にあたつておる部課長のようなものが、特別職の方から締出されておることについては、妥當を缺くおそれはないだろうか。從つて一般職の中から特別職である次官などと同列にこれを配置する必要があるのではないかと思うのでありますが、御意見を伺いたいと思います。
○淺井政府委員 立案者といたしましては、部課長の程度はさつきからも申し上げましたように、行政の方に屬しておるものと考えます。そして次官その他は政治の方に屬しておるものと考えておりますから、部課長までこの中から取除くことは考えておらないのであります。
○受田委員 ところが部課長は政策決定に當然參盡する階層だと思うのです。けれどもこれを一般職の方へ入れておくことになると、さつぱり政治性をもたない存在になつてくる。非常にその點はつきり線は引かれるのでありましようか。こうして勞働運動などが強烈に展開され、民主化された今日、部課長そのものが、すでに勞組關係においては政策決定の存在として特殊扱いをされておるのが通念であります。これを一般職の方へ温存することの可否について、いま一度お考えを願つたらと思うのですが……。
○淺井政府委員 お答えは同じでございますが、私どもの考え方といたしまして、政治というのは國務大臣を初め、その他の方で決定すベきものでありまして、部課長などの屬しております行政機構といたしましては、どこまでもそれは政治ではないのであつて、政策決定に參與いたしましても、それは政治のよき補助者である、こういう考え方に立つておりますから、部課長のところではまだ特別職と考えませんで、一般職の中でこれを取扱うことにしておるわけであります。
○受田委員 職階制の問題は非常に專門的になりますし、委員各自ももう少し説明をよく聽取して、しかもこの參考資料を綿密に調査、研究して當る必要があると思いますので、せつかく今配付物もいただきましたから、この點もう一度深刻な討議をする機會を與えていただきたいと考えます。
○竹山委員長 承知いたしました。
○受田委員 それでは政府委員にお尋ねしますが、この職階制を採用しておるアメリカの實情をお伺いしたいと思います。アメリカが全官吏の三〇%程度を自由任用で採用しておるというこの實情と、職階制の現實面と、日本に適用した場合の可否についてお伺いしたいと思います。
○三宅説明員 ただいまお話のございましたアメリカの問題ですけれども、アメリカはだんだん縮小して三〇%となつておるのでございます。それで三〇%の中には、アメリカには委員會の委員がたくさんございまして、日本では委員會が一つの行政機關として働いておることは少いわけでございます。たとえばアメリカでございますれば、インターステート・トレードコンミツシヨンという委員會がございます。その委員會の委員は、實に重要な地位を占めておるのでございます。これがすベて職階制の適用がないわけでございます。それから日本と同じように、機密を扱つておるその人の個人的な信頼を基礎にしておられます祕書官、これが全部ないわけでございます。それから向うでは法律顧問が各省に大分おるようであります。それについても適用がないわけでございます。それからもう一つありますのは、アメリカで、いわゆる専門的にわたらないような長官といつた方は、この適用がないわけでございます。それで合計平均いたしまして三〇%くらいはまだ殘つておると思います。なおそれに普通の覃純勞務者というような、特殊の技能をもつていない勤勞者の方、つまりタイプをやられる、あるいは速記をやられる方は、もちろん職階制の中にはいつもおりますが、それ以外の臨時的に雇用される、たとえば大工であるとか、そういうような別に特技がない者がはいつておりますので、それで三〇%になつております。その内譯はいろいろ書物にも出ておりますが、はつきりしておりませんけれども、結局向うには委員というものが各省に相當おられるようでございますが、その方が大部分を占めておられるのじやないか、こう考えております。
○受田委員 それでは、この間からの質問の殘りでその後私研究してみて、いま一度當局の御意向を質していと思うことを申し上げます。最初に高文制度を廃止することになりますが、長い歴史をもつこの高文制度がスポイルズ・システムのこの段階から除外されて、非常に官僚行政の温存を招いた大きな力でありましたが、これが今度切りかえられて廃止されることに對して、學生その他受驗者の心理がどういうふに展開してきておるか、昨年、今年と敗戰後の高文受驗者の質竝びにその一般の空氣、こういうものに敏感に公務員法案の動きがよみとれるものでありますか、これについて昨年及び今年の實施された高文制度の最後の段階における法制局當局の觀察をちよつとお伺いしたいのであります。
○井手政府委員 この法案の實施によりまして、いわゆる高等文官試驗制度は廢止になります。そしてこれに代り非常に科學的でかつ精密な、眞に適材を選び得るような試驗制度に變つてくると思います。さて今日高等文官試驗を受けて約十年なり十五年先をよみとつて學生が勉強し、試驗を受けてきたことはまさにその通りの實情でありまして、こういう新しい公務員法が出てくる、またいろいろ世の中の大きな轉換期に際して高文受驗者または高文を受驗されんとする次代の若い者はどういう考えであるかという御質問でありますが、實は戰時中學徒動員があつて、體がしつかりしておる、知能もしつかりしておる、いわば次の時代の中堅になつていただかなければならぬ人が、第一線に行つておりました。そしてこちらでゆつくり試驗を受ける、勉強できるというのは、知能的に、あるいはまた肉體的に劣つておる者しか受けられないという状況で、かえつてこてな不公平だというので、暫らく高等文官試驗制度をやめておりました。終戰に伴つて各省とも幹部になるベき職員の採用に苦しみ、かつまた優秀なる若い者の受驗の方法を閉じておくこともいけないので、とりあえず、最近においてこれを復活いたしました。しかるところ最初のときはまだ應召、復員でしつかりしていない。かつまた今後兵隊にとられることはない。という關係で、少しゆつくり勉強してあまり點數が悪いところで通つてしまうよりも、何年かかつても、いい點數で通つた方がいいという心理がありますので、最初のときは割に少うございました。また東京に試驗を受けに來ることが非常に交通上また食糧その他の關係で困難と考えて最初は東京、京都、九州、東北というぐあいにいたしました。これはさらに東京帝大に非常に合格者が多いという點が一つ、地域的に分散したらどういうことになるだろうか。實際はあるいは間違つておるかもしれませんが、中央と東北大學が及第者が多いのじやないかと思つておりましたが、必ずしも帝大じやありませんが、東京帝大に特に多いという關係から地域を分散しましたが、九州、東北はそれほどの受驗者もなく、またその間試驗問題が漏れないようにするとか、いろんな困難がありまして、今年は東京と京都でやりました。そういうぐあいで、割合に地理的その他の條件がよいということもあつたと思いますが、今年は往年に比するほどの人員が受驗いたしております。そしてその受驗内容でありまするが、最近は私ども法制局に職を奉じております者は、原則として試驗の採點をいたさないことにいたしまして、學校の先生方、あるいは最近はなるだけ先生以外の日本銀行の局長であるとか、あるいは財界人であるとか、あるいは辯護士會の方であるという方にお願いをいたしましたが、伺いますと學校の勉強が十分でなかつたにかかわらず、その一部分は非常によい成積をとつておるというのです。それから半ば以下はやはり非常に悪い、全體を通じまして學力は落ちております。これは日本全體の知識が落ちた反映ではなかろうかと思つております。その意味において高等文官試驗制度にかなり魅力があるのではないかという印象を受けております。これは魅力があろうとなかろうと、現在の高等文官試驗制度がもつておるところの内容がいいこともあろうと思いますが、これに伴う弊害は、制度としてはかりにないとしましても、實行上伴つておる弊害もございますから、今囘この公務員法によりまして、この制度は一掃したい。そうしてかりに高文制度がもつておるよいものがあれば、職階制度にわけられました經濟、法律、專門とか、その他においてそれに近い制度が殘つてくる。他の職種の試驗制度から出てきた人と相竝んで國家の公務員のポストについていくという工合にしたいと思います。從つて現在の法學部とか經濟學部におられる大學生の卒業に近い人に對して、これは相當の景響だろうと思います。まだその反響を聞いておりません。しかしこの職階制はやはり非常に急ぎましても一、二年かかるのでありまして、それまでの間、現在のような幹部職員のとり方を全然無視することはできませんから、ある程度の變形をしてもう一囘は必らずやるだろうと思います。從つて今準備をしておる人々が全然駄目になるということはない。そのやり方に多少改善をして實行できるならばやつていきたいと考えております。
○受田委員 御説明で大體了承いたしたのであります。今まで學歴をもたない者が、唯一の登龍門として、この高文を憧れていた事實は、これはおおうべからざるものでありまして、それが失われた今日、ゆだんをしておると、この中にあるいは採用に際して條件が附せられておりますが、その條件の中に學歴などがややもすると取上げられるおそれはないだろうか、そういう人種、學歴、性別に關與せずという規定はありますけれども、實際的に學歴を尊重する。しかも私學よりも官學を尊重するということが、事實においてそういうところに人材が多いという建前で自然にそういう形になるおそれはないだろうか、こういうように考えます。かつ非常に優秀な人物を採用試驗に見出すところの明が當局に十分存在しておれば、これは結構でありますが、やはり後輩をひつぱるとか、いろいろな關係で從來の官學が依然として温存されるというような危險があるならば、これは非常に公務員法案の精神にもとることだと思いますので、この點最近優秀なそうした勉強をしてきた人物も、決してその勉強がむだでないような方向に、この切りかえに際して當局で御考慮願いたい。また特別職に裁判官竝びに最高裁判所長官祕書官、及び裁判所調査官をあげておりますが、この裁判官に對しては高等試驗の司法官の試驗をいかように切りかえていくか、法律的な專門知識をどのようにテストするかというような、ここであげておりませんけれども特別職としての構想をお伺いしたいと思います。
○淺井政府委員 ただいま試驗の構成についてお話がございましたが、まつたく御同感の至りでございまして、この職階制度を採用いたしますることは、すなわち人事行政の公正ということでございますし、從來うわさをされておりました日本官界における派閥という考え方はぜひ一掃しなければならぬ、こういうことを考えております。この法案においてもごらんの通り同じ大學の學部から二人の人事官が出てはならないということを規定せられておりまするのは、たまたまそういうような考え方がここに頭を出しておるわけでありますから、その點御懸念はないと存じます。ただこの試驗はこの法案にも書いてございまするように、この職階制で規唆いたしました能力を實際に證明する試驗と相なつてまいるのでございますから、從來のような單に、暗記的な學問に偏するという非難のありまするような試驗はなくなるのである。從いまして公正でありかつ實際的てある。こういう試驗に相なつてまいりますから、ただいまお述べになりましたような方向へ必然的に向いていくかと存じております。なお司法官の試驗のことにつきましては、法制局次長からお答えいたします。
○井手政府委員 今日までにすでに政府委員からお答えをいたしたかもわかりませんが、この國家公務員法は國家公務員の大きな大筋でございます。從つてこの法案が實施されますまでには他の關係法令の整理改廢がこれに伴わなければならないと思います。それでこの公務員法が動きますと、特別職に對しての立法が、その整理の——整理と言いますか、これに伴つて全體の體制を整えるために出なければならぬと思います。おそらくこの法律は次の議會ぐらいにはこれを出したいと考えておる次第であります。その内容につきましては、まだ十分なる確案というまでには至つておりませんが、ともかくこの法案の進行に伴いまして極力急いでおる次第であります。たとえば特別職の中でも内閣官房長官とか、國務大臣とか、各省政務次官とかいうような職につきましては、この法ができまして特別職に適用がないとなりますと、何ら適用すベき法規がなくなるのであります。これにつきましては特別職の中でいわゆる自由任用、昔の政務官的なものがこれについての法の一つの體系として出てこなければならぬ。その中でたとえばクラシフイケーシヨンによつて一足の資格をきめるとか、俸給がだんだん上つていくということはおかしいと思う。たとえば官房長官であれば、資格は全然自由である。それから俸給はAの人が來ても、Bの人が來てもどんな年齡の人がきても同じ俸給になる。またそれが少し勤めていると上つていくというような一般の俸給のやり方ではなくなると思います。また服務規程につきましても、政治的の官職は全然制限はなくなるだろうと思います。しかし全般の方針としてはやらなければならないという方向にはもちろん動いていくと思います。そういうぐあいにいろいろな規定をもつた特別法が出ると思います。結局ただいま御質問になりまた裁判官その他でございますが、これは特別職でございますが、すでに一定の規定がございます。これは現在のシステムから言いますと、一般法規が基礎になりまして、その上に特別の規定が載つかつておるかつこうにないております。たとえば服務紀律にしましても、分限規定にしましても一般の官吏制度の規定が敵用になつておりまして、その上に特別の規定が載つかつておるかつこうになつております。しかるにこの法規ができますと、基礎になつておる一般の法規がなくなりますから、その基盤になるべき法規をどうしてもつくりあげなければならぬと思います。それでその資格等についてはどうかといいますと、現在新憲法においての裁判官にふさわしいといいますか、一應これは適當なりというので、國會の御審議を受けた裁判官の任命の資格がすつかりきまつておる次第であります。もちろん今度の新公務員法によりまして、新しい制度か行政官一般にできた、これと關連しまして相當なる修正がもちろん研究判官はもつとこういういうような要素がほしいのだというような研究がさらに加わりますれば、これは改善していきたい、かように存じます。從つて現行制度の高等試驗制度のようなものはなくなりますから、ああいう内容に近い、法律的なものを基礎にし、一般の常識というか廣い高度の識見を有する者というような試驗をし、さらに事務修習をして本ものにしていくような體制がとられるのではないかと思います。これはまだ確案を得ておりませんから、正式にこういうような案をもつておるというようなことにはなつておりません。
○受田委員 ただいまの政府委員の御説明で、從來の官吏制度の資格に關する高文制度の功罪をお伺いしたわけでいります。さらにこれから後の特に裁判官の資格をどうするかというような特例についての御意向を承つたのでありますが、これらを一貫してこれから先努めて民主化される官制を考えますときに、一つの不滿が起るのであります。この公務員法案が成立いたしましても、形の上で成立したのみで實質がこれに伴わなければ何ら用をなさない。特に最近のように非常に物資が不足し、生活が困窮しておるときに最も憂えられるものは、官吏が涜職その他相常犯罪を犯しておる。檢事のような地位にある者さえもそうした罪を頻發しておる現段階でありますが、こうした生活の問題と同時に、官の威信を傷つけないというこの二つを兩立させるということは——官吏は今實に氣の毒であるといわれるほど痛ましい姿である、これをはつきりと兩立させるような行き方は、この國家公務員法案の全部を見渡してもさほどはつきりしたものはうかがえない。特に最低生活の保障という點においてこれに何ら規定してない。私はこの點について希わくは第六十二條に「職員の給與は、その官職の職務と責任に應じてこれをなす。」こういう規定と、その次の「前項の」云云にあるところに、少くとも憲法に保障されておる最低生活の確保という文句でも入れてこれを認めてやるとか、それから先般來私頻繁にお尋ねしました給與に關する團體交渉權を認めるような規定をおくとか、こういうふうな點で少くともこの全部を流れるものにもう少し民主化された空氣をにおわす必要がある。しかも一方で威信の保持とともに生活權の保障を得て安んじてその職を止まり得る、こういうふうにならなければならぬと御います。もう一つは依然として拂拭のできない官僚の横暴があると思うのであります。たとえるならば、陳情その他に來た人たちに對する官吏が、その學問的知識を振りかざして横暴な態度をとる者が、特定の場合でありますが、ある。そういうような者に對しては、この新しい公務員法は相當の制裁を加える規定が設けられてある。しかもその制裁を加える規定が設けられてある。しかもその制裁を加える規定には相當な民主化された方法をとることになつておりますが、この過渡期にこの法案がただ形式化されず、實質を伴つて、官吏が極度に技術的專門的な面で一般國民よりも優越しておるという感じをもつことなく、もつと社會的能率を發揮するような官吏であるというところに頭を切りかえていくように、これが訓練されなければならぬと思います。そして國民の奉仕者としてはつきりと新憲法で規定された官吏道が、今後希くわ日本國民の健全なる社會を構成する段階において、特權的存在でなくして、縁の下の力もちとして社會をひつぱつていく、新建設をしていく推進となる空氣へもつていく、そういう意味で立法責任にあるわれわれとして、この法文をもつともつと具體化して、もつと民主的に規定を改める必要はないか、こう考えます。これは先般來頻繁におた尋したことを、そういう方向でまとめていつて、この條文の加除訂正、修正をやつていくというところへもつていく必要があると思う。併せてもう非常に迫つておる法案審議期間でありますから、ここに重點をおいてまとめていく、こういうふうな方向へ進みたい、こう考えます。 もう一つの法文について、昨日日曜日であるにかかわらず、われわれ決算委員はここに出て、愼重に審議したのでありますが、その際法制局長官に對してお尋ねした事柄で、長官よりお答えがなかつた事柄があるのを、私、ここでもう一度お尋ねして、法制局次長にお答え願いたいと思うのであります。私はこの法文があまり文章の上においてぎこちない、固苦しい。この法案が法律となつた曉には、一般國民に親しめるものでなければなにぬから、もつと解釋が自由にできるように、こに文章を平易に書き改める必要はないか。特に三十九條にあるこの文章のごときは、どう見てもその解釋に困る。ごじやごじやしておる。もつとすらすらと言い現わせないのですか。この點法文の立案をなさる專門家でいらつしやる法制局當局は、何とかこれを書き直すことができないか。「何人も、左の各號の一に掲げる事項を實現するために、金錢その他の利益を授受し、提供し、要求し、若しくは授受を約束し、脅迫、強制その他これに類する方法を用い、直接たると間接たるとを問わず、公の地位を利用し、その利用を提供し、要求し、若しくは約束し、又はこれらの行為に關與してはならない。」何かこれは二行くらいに書き改める必要はないのか。何だかこれだけ讀んだのではピンとこないのであります。こういう點について立案者としてもつとお考え願いたい。 それから私が昨日お伺したのに對して、私どうもピンとこなかつたお答えなんですが、七十三條の三號の規定です。「職員の元氣囘復に關する事項。」昨日お尋ねしたところが、元氣囘復はこれから元氣を囘復してますます活溌にやるのだ。そういう意味を言われましたが、私は元氣囘復というのは、從來元氣であるべきものが、それが非常に弱つておるのをもとへ取りもどすのであつて、何ら積極性がない。もしそういう意味であるならば健康増進に關する事項とでもすればいい。それで私は休養という言葉を出してはいかがと申し上げたら、この審議にあたつてそういうことも考えられたが、結局何らか新しいにおいのするものということでレクリエーシヨンの言葉の解釋が元氣囘復とすべきであるというふうになつたのだということであるが、この點休養という言葉、これをもう少し積極的に言うならば、健康増進とかいうところにもつていくべきではないか。そうなれば第二に「職員の保健に關する事項」と併せて、職員の保健竝びに休養に關する事項、こういうふうにまとめるかどうかして、いま少し法文を大衆の親しめるものにしたい。今すでに國語が民主化されようとして新しい小學校、中學校の教科書は實に平易に認めるようになつておる。ところが從來の法文と同じように、否今までよりむしろおかしくなつておる。「すべて」とか「何人」とか飜譯文みたいな感じのする法文が書かれておることに對しては、實に私は遺憾だと思うのでありまして、思い切つて法文作成については法制局當局の認識を御轉換願つたらどうかと思うのであります。以上であります。
○井手政府委員 今仰せになつたことは非常に私ども同感な點が多いのでございます。まず第一に、この國家公務員法ができても形式的な實施でなく、ほんとうに魂がはいるようにやらなければならない、またそれに向くような法文にしておかなければいけないと言われることにつきましては、まつたく御同感であります。私どもこの法案の作成の一部に參晝する名譽をもつたわけでありまして、ただいま仰せになつたような趣旨でできるだけ努めたのでありますが、遺憾ながらなかなか皆さんの御滿足を得るまでに至らなかつたことは、われわれの未熟なところで非常に恐縮に存じております。中みにはいりまして、まず國家公務員は非常に眞劍に職務に忠實になるということを要求する一面、その廉潔を保つことができるように、現在ではやむを得ずいろいろ悪いようなうわさも聞き、悪いようなことも事實あるようだが、そういうことがないように、給與をはつきりするようにしたらどうかというお話でございますが、非常にごもつともと存じます。その條文を六十二條にところに入れたらどうかというお話でございましたが、この法文をつくるにあたりまして、國家公務員の給與につきまして、今申されたことはまつたく同感でありますから、もちろん法文を入れてもよいだろうと思います。しかし先ほどお述べになりましたように、人たるに生活を維持していくということが憲法でも保障されておるし、勞働基準法のまず第一條に、人たるに値する生活を勞働基準として確保するということが書いてございます。この大きな憲法及び勞働基準法は、國家公務員法の勞働條件につきましてもおのずから適用があり、その精神に副つてそのわくを破らない。そのわくの中にはいつておるのでありまして、特に國家公務員につきまして十分なる給與を確保すると書くことは、他の一般給與制度と一緒に出るものでありますれば、いかにもいいのでありますが、ここに書くのはどうであろうか。これは勞働基準法と憲法から當然出るから、あとはそれを受けたものにして、給與のきめ方は技術的に、職務と責任に應じてなすということを書く程度でよいのではなかろうかと思つて立案した次第であります。もちろんこれに對して受田さんのような御批判があろうかと存じますが、立案いたしました考え方だけを申しておきます。それから勞働協約、團體協約等によつて給與の問題がいろいろときめられていくのだということを、どこかに表わしてらどうかというお話でございましたが、國家公務員につきましても御承知の勞働組合法、勞働關係調整法によりまして、原則として組合結成權及び組合による團體交渉の權利は認められてありますから、その方の問題は勞働關係商整法及び勞働組合法の方に任せる。そうして國家公務員法の方においては、特にその關係についてはプラスしたりマイナスしたりするというような段階というか、研究が至つていないと申しますか、この法として特にこれに對して附け加えたり、これをまて曲げるような案をここにきめるだけのところに至つていない。あるいはまたこの程度でこの國家公務員法としてはよいのだろうというので書いた次第でありまして、團體協約によつて勞働條件をしつかりした公正なものにする、民主的なものにするという仰せの趣旨はわれわれとしても十二分に同感でございまして、それは勞働法制の方でこれを相竝んで運營されていくべきものであろうと考えた次第であります。 それから三十九條のことと、元氣囘復の問題をちよつとお答えいたしたいと思います。昨日私も、日曜日でありましたが、皆さんの御精勵のお供をしましてまいりました。受田さんからも御質問があつて長官から答えをしませんで、私もあとで長官にそのことを申しましたら、長官も非常に申譯ないと言つておりました。實はこの機會を與えられて非常にありがたいと思つております。三十九條は非常にわかりにくい條文でありますが、實はこのいわゆる禁止規定と言いますか罰則のついております規定でありますが、未遂罪を罰しないで、罪自體をつくつていくという立て方をとつております。從つて約束とかそういうようなことを未遂罪というような形でなくて、本來の罪をつくつていく、本來の罪をはつきり書くという書き方をいたしました。そうしと何人もというような表現はいろいろ今までの法令にもたくさんあるのでありますが、またその關係が絡み合つて、三十九條を見ると上げも下げもならぬような感じがあります。私どもも實は公務員法は原案として約二箇年くらいにまたがつてるわけでありますが、大體これだけのことは處罰したいというような、實體的な研究をいたしました結果、こういう内容になりました。この罰則規定が實にたくさん國家公務員法に出るのは、國家公務員というのが大いに國家全體の奉仕者として意氣溌溂し働いてもらいたいというのに、この條文に何だか、罰則が多いのもどうだろうかというので、非常に苦心してこの三十九條一箇條に追いこんだのでありまして、努力はいいけれどもまとめ方が下手だというお叱りに非常にもつともでありますが、苦勞したことは苦勞したのであります。さてどういうことが書いてあるのだろうかということをお聽きになつているのじやないかということを長官が言つておりましたが、この條文は、實現するためにという目的を犯罪構成要件にしております。退職もしくは休職、任用の不承諾、これは自分が退職すること、それから他人を退職せしむること、たとえば任用の不承諾、自分がこの役につかないから、おれに金をよこせ。試驗を受けた者が五人おりまして、一番の者が金をもらいまして、おれは任用を不承諾するからというので金錢その他を授受するということになります。それからおれがやめるから今度はお前があがれるだろうというような場合、この退職という言葉は、自分が退職する場合、あるいは上役がある人を首にするから金をよこせということで、自動詞、他動詞兩方含んでおります。それで一號、二號、三號にまとめておりますから、非常にわかりにくい條文でありますが、その場合五つ、六つにわけるのでなければ困難になるだろうと思いますが、そういう目的を犯罪構成要件にしております。その次は金錢その他の利益を授受し、あるいは提供する。渡さないでもやれるということを約束するという意味なのであります。それから要求する、あるいは授受することを約束する。これは未遂罪になるものまでひつぱりこんだのであります。その次は脅迫、強制その他これに類する方法を用いる。その次には直接たると間接たるとを問わず、公の地位を利用して、たとえばあとのポストにどこかの議員さんみたいな地位を、おれが頼んでやろうというようなことで、利用するというと、表現が非常にむずかしくなりますが、何というか地位を利用する、あるいは利用してやろう、あるいは利用してください、あるいはそれを約束するというようなことで、一つ一つ切れております。またこれらの行為に關與する、これは全體に關係しておりまして、これに類することで脱法してはいけない、あるいはこれに關係のあるようなやり方をやつてはいけない、この判例がはつきりしませんと、いかなるものがそれにはいるか困難でありますが、脱法的またはこれにかかわるようなことがあつてはいかぬ。今申し上げたように、五つぐらいにわけて、それから一、二、三號という條文が、大體自動詞と他動詞と兩方になると、倍になつて、少くとも十箇條ぐらいになるような條文であります。そういう必要はない。もう少し淡白にという御意見もあつたわけでありますが、この國家公務員法としてこれだけのことをはつきりして、この任用制度、その他國家公務員法の運用がまつたく公正に、まつたく純眞的に、純科學的にいくように、他の不純な事情が介在しないようにしようということを現わした次第であります。 それから七十三條、これはこの間長官がお答えしたのでありますが、まさに受田さんの申された通り、實は閣議の内容を申し上げることになりますが、某閣僚なども、いきなり私どもを呼出して、こういうおかしい言葉はないというてしかりとばされたのでありますが、内部でもたびたび練りまして、休養とか厚生とか安全保持とか、保健とかいろいろな言葉を考えてみたが、すべてこれをやめてしまつて、あるいはどこかにはいるかもしれませんが、保健というと人體的な問題に偏る、安全保持というと、物的な危害豫防みたいになる。厚生というと、また少し感じが違うので、人體的な問題も、それから精神的な問題も、兩方くるめまして、いわゆるレクリエーシヨンなのでありますが、休養ということが近いと思いましたが、休み養うということでは、少し靜かな感じがするから、元氣囘復という言葉を書いたら議會あたりで賞められるのであろうということで書いたのでありますが、事實を申しますと、そういう苦心をして元氣囘復と書いたのでありますが、いい言葉がありますれば、滿點とは言えませんからお教え願つて結構であると思いますが、苦心した結果十分な知慧がまわらなかつたということをここに發表しましてお答えといたしておきます。
○受田委員 休養として靜か過ぎると言われるが、健康増進、元氣増進ということではどうですか、休養という靜かな言葉でもいいではないか、元氣囘復とすると、トツカピンでも飲んでやるというようにも感じられるし、これは保健休養及び安全保持というような三つを二號ぐらいにまとめて、つまり教育訓練と健康の問題と最後の厚生の問題と三つぐらいにしたらいかがですか。
○佐藤(達)政府委員 これは三つにすることも可能でございましようし、あるいは二つにすることも、あるいは、わけることも、この邊の問題はいろいろな書き方があると存じます。ただ感覺の問題でありますけれども、詰めてしまつてもあとのできあがりの形というものを考えますと、あまりさびしい感じを表に出すようになつてもどうかということと、それから事柄自身がやはりこれは一つ一つ相當の中味をもつた事柄でありますから、かように一、二、三、四、五と五まであげたわけであります。議論としてはいろいろな議論が立ち得る事柄であろうと思います。
○受田委員 この間からの質問の殘りを大體お尋ねしたわけであります。當局の御熱心なる御答辯を感謝します。最後に私が實際的に非常に心配しておることは、現在の官吏の皆さんがほんとうにどういう氣持をもつておられるだらうか、生活權は十分確保されておらない、しかも社會的に受ける責任は非常に大きい、こういうようなことで、最近新聞を見ますると、全國の檢察關係の檢事のごとき百五十人も不足しておる、こういうようなことを聞きまして、官吏の魅力がなくなつて、漸次民間人として自由にできる方へ進もうという空氣がある。それらが官界を左右するおそれはないが、公務員法ができましてますますそういうことが濃厚になるおそれはないか、國民の奉仕者であつて、國民の使用人となる何らおれたちには魅力がなくなつたのだという感じはないか。いやそうじやなくて、むしろこの機會に新日本建設のために、健全なる社會を構成するために、この際進んで官界に入り、よしいかなる制裁を受けようと、自分は思い切つてその使命に生きようという空氣がうかがわれるかどうか、これは私いつも憂慮しておるところであります。法制局長官として、立法事項の法制的責任者になつておられる長官として、御觀察なさつたところを一應お漏らし願いたうございます。
○佐藤(達)政府委員 まことにありがたい御憂慮であろうと存じます。一抱においてさような御心配のお氣持を拘かれる方がこれはあり得ると存ずるわけであります。ただ全般の法制の建前からいたしまして、いかにも機械的にぎこちなくすべてが律せられるような感じを抱かれる面もこれはあるかと存じますけれども、ただいまの能率増進の關係の條項でありますとか、あるいはまた給與、それから保障關係の條項でありますとか、一應積極的な面を規定しておる箇條もあるわけであります。あとはそれらの條文を根據にいたしまして、温情ある、温たかみのある運營をなされなければいかぬものと考えておるわけであります。世の中にはいろいろな性格の人がおりますが、やはりたくさんの性格の人の中には、こういう公務員に向く性格をもつておる方もあることは否定できない事實であります。そういうような適材が自分の性格に合つた仕事として、公務員の仕事を選んで生涯の職業としてそれにいそしんでもらうということが、今私の觀測において決して悲觀的に考えるべきものではないように思うのであります。いつぞやちよつと觸れましたように、實は御同樣の懸念をひそかに私もちまして、去年からいわゆる高等文官試驗と申しまするか、高等試驗が戰時中止つておりましたのが、去年から復活したわけであります。去年と今年とやつてみました。志願者がこういう世の中でどのくらいあるだろうかという懸念を一應もつたのでありますが、これは以前試驗制度をやつておりましたころと一向遜色はないので、今年あたりはちよつと殖えておる傾向も見えております。從いまして私のひそかに抱いておりました心配も、あるいは杞憂でなかつたのでないか、これはほんのつけたりとして實際に私の抱きました氣持を申し上げる次第でありますけれども、建前としては、見透しにつきましては、さようなことはないものであろうというように考えております。この法案の關係においてはさようなことはないという考えであります。
○受田委員 終りました。
○齋藤(晃)委員 私は先の質問の内容を聽いておりませんために、あるいは重複するかもしれませんが、ただ私一箇條質問しておきたいと思いますことは、第百一條におきまして、職員が政黨行為に對し、あるいは政治的の活動に對して、何ら關與できないというような條項があるのであります。私この條項につきまして、やはり官公職員が公正なる勤勞者として認められて、その意思が自由闊達に憲法治下において認められるという現在におきまして、いやしくも、こういう官公職員だけがその意思の何ら表示の方法が——殊に公選によるところの公職の候補者になることができない、しかも「人事院規則で別段の定をした場合を除いては」とありまするが、どういう場合を除いてはという意味であるか、これをお聽きしたいと思います。私どもはこの政治的活動の部面において意思表示というものが、殊に官廳における職員というものが、何とはなしに型の中にはまつて、そうしてかたくなな氣持で、一般の大衆とはかけ離れたようにも考えておるということが、私どもどうしてもぎごちないと考えるのであります。やはり官廳の職員であろうとも、そこに自由なる意思をもつて、いつも輿論を聞き、輿論をお互いに感ずるという感受性を敏感にもつておるということが、一番私どもはよいのでないかと考えるのであります。私はこの點についてちよつとお聞きしたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 この百一條の問題は、度々皆さんの御心配の對象と申しまするか、そういうようなお心持での御質問の對象になつてまいつたのであります。この根本の趣旨につきましては繰返えして述べることを省略いたしますが、ただいま直接のお尋ねでありますところの人事院規則云々の關係につきましては、これは前囘もたしか申し上げましたが、私どもがさしあたり考えておるようなものとしてあげますれば、要するにこの選擧運動等のために役所の仕事をそう阻害しないで濟ませ得るもので、しかもその公職そのものは政治的な色彩のさほど濃厚でないものというものが、まずこの規則で除外さるべきものであろうと考えるわけであります。從いましてその例をあげますれば、たとえば農地委員というようなものは、選擧によつて選ばれることになつておりまするが、かような公職のごときは、ここで除外しても一向差支えないのでないかという氣持を、ただいまのところもつております。たつた一つの例をあげておるのでありますが、そういうような觀點から、最も妥當、適正と思われる範圍の除外を、この人事院規則できめられることになるであろうというふうにお答え申す次第であります。
○戸叶委員 缺席中にあるいは出た御質問かと思いますけれども、一應お尋ねしたいと思いますが、この公務員法は、すなわちこれまでの官僚の弊風を是正して、そうして官吏を公務員として民主化することを目的としたものであると思います。そうだといたしますと、公務員を人民の公僕とするためには、公務員に對する國民からの直接の意見とか、あるいは註文というものを聽くようにしなければならないと思います。官僚制度とか、あるいは官僚に對する反感というものは、國民が接触していた職場、特にまど口においてもたれたものであると思います。從つてこの面から是正していかなければならないと思うのでありますが、これまでの鐡道の從業員とか、あるいは郵便局のまど口やら、あるいは警察官とか、あるいは經濟警察の當事者というような人たちの不親切だとか怠慢なんかに對する人民の不平や不滿というものが、絶えず新聞紙上を賑わしているのではないかと思います。そうした意味におきまして、人事院におきましてはただ單に各官廳からの人事主任の人たちからの人事關係のことだけを聽くというようなことではなしに、國民からのいろいろな意見を聽くというような、そうした機關というようなものも設ける必要があるのではないかと思います。こういうふうに人事院に國民の聲を聽くようなところができてこそ初めてこの法案の効果が現われるのではないかと存ずるのでありますが、御當局の意見を伺いたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 戸叶委員のおつしやるところまことにごもつともに考えます。要するに全國民の奉仕者でありまするから、その公務員が全國民に對して不滿足な氣持なり不平を懷かせるような行動があつてならないことは當然であります。そこで今お示しの國民の側から何らかこれに對する非難あるいは不平なりを訴え出ることについて、制度上の考慮が必要ではないかというような御趣旨と拜承するのであります。一番大きく考えますならば、公務員は、先ほど申しましたように、全國民の奉仕者でありますから、公務員に對する不平不滿あるいは彈劾的の氣持が最も權威のある形で現われまするのは、國民代表の機關である國會であると思います。從いまして國會がその代辯者として活動する場合が一番大きな段階における事柄であると思います。なおそれに關連しての問題でありますが、御承知のように新憲法に明らかに第十六條という特別の條文をおいて、いわゆる請願のことを規定しておるのであります。その請願の中にも、たとえば公務員の罷免に關してというふうに、少し目立つた書き方でありますが、この公務員の罷免云々というそれだけの文をあげただけでも憲法そのものが重きをおいていることはわれわれとしても理解し得るのであります。從いましてその形があるいは國會に對する意思の表明として現われて、國會の權威の發動になることももちろんありましようし、あるいはまたその手續が當該職員を統括しておりますところの役所の長官の方へ參つて、長官の本來の職權の發動を促すこともございましよう。それからただいま戸叶委員の仰せられましたような、人事院という一つの統括機關の方へその手段が向けられて、人事院の適切なる機能の發動を促すという方面に働いてくることもあろうと思うのであります。從つてこれらのことはすベて相關連し、相竝行してあるベきであると思うのでありまして、どの一つを取上げて制度化するというような問題ではないような氣持をもつておるわけであります。現在の政府の立場といたしまして御趣旨のような事柄が一般の聲となつて、むしろ輿論といつてもいいと思いますが、それに應じて應急の措置といたしましては行政監察委員會というものを中央及び各省に、場合によつてはまた地方に置きまして、一般公務員の、今ちようど御指摘になりましたようなまど口の不親切であるとか、客扱いの不親切であるとかいうようなことを矯正する方の努力をしておるのであります。この委員會の運營につきましても、極力民間の意向を反映していただきますために、まずその構成委員會の構成員に民間の方がはいつていただきますとともに、一般の投書等を歡迎するということを、特に明らかにいたしまして、その機能發揮に遺憾なきを期しておるわけであります。この行政監察委員會の制度が公務員法實施の後にどういう形になりますか、これはわかりませんが、ただいまのところはそういう努力をしております。從いまして公務員法がいよいよ發動する場合におきましては、今の行政監察委員會の行政機構もよく考えまして、また適當の措置を講ずる時期があるのではないかというふうに考えております。ただいまのところでは今のような、監察委員會の制度も今月初めにできたばかりでありまして、まだその結果もわかりませんけれども、これで一つ大いに努力してみよう、そうして將來また公務員法の發動の際に、その成果に顧みて必要があればまた適切な公正なる措置をとろうという考えでおります。
○竹山委員長 なお御質問もあろうと思いますが、明日、先ほど申し上げましたように、兩院の合同審査會を開きます豫定になつておりますので、今まで連日非常に御勉強いただいた審議の状況を、大體私の頭に記憶の範圍において、問題の點だけを大まかに整理をしてみる意味において、一應こういう問題があつた、ああいう問題があつたというふうに申し上げていつて、なお重大な落ちがありましたならば、お氣付きの點を申し出をいただいて、一應中間的に問題のあり方だけを整理してみたいと思います。政府側でも落ちがありましたら一つ申していただきたいと思います。 全般的の問題は今戸叶委員のお話のように、法制全體に對しての御注文なり、御意見なりは各方面からありました。それはまた總括的な場合に讓るといたしまして、ごく條文的な問題の方を先に取上げてみたいと思います。 第一條については、先ほどのお話のように、條文があまりうまくないという意見はありましたが、これに關連しては地方の公務員といいますが、地方團體についての法律を別途に出さなければならぬという問題が、これに關連して起つてまいります。 それから一般職及び特別職の問題は、非常にいろいろな問題があるわけで、今まで出たうちでは各省次官のごとき、それから九號の建設院の長等はどうなるかという問題になつてまいります。それから十二號の現業廳の問題は、非常にはつきりしたようでしない部分があるわけであります。それから十三號についても人事院規制で定めなければならぬ部分が出てまいります。それから十四號についても同樣のことが論ぜられております。それから十七號については、これは出ませんでしたけれども、ほかの委員からの申出もありますが、現在の問題は、これと關連をして何らか考える必要があるかどうかという意見の申出がありました。なお教員等を別に特別職にしたらという意見もありました。これは附則の方で補つてあるから實行上の差支えはなかろうということになつております。 それから第二章の人事院の問題は一番やかましい問題でありますが、全般的には人事院に對しては人事委員會の意見が主張をされておるわけで、それはごく少數の人事院で孤立したものでいくことに意見があるわけであります。それから人事院の部局をどうするかという問題が出ております。 それから第五條は、今申したように、人事院の人事官の問題が關連をして別の意見が出ておるわけであります。 第六條では最高裁判所長官に宣誓をするのはおかしいこと、國會に對して宣誓をする方が筋じやないかという意見が出ておるわけであります。 第七條は、やはり別途の考え方として人事官による任期についての説が出ております。 それから人事官の問題に關連をしておりますが、十條の、國務大臣の怪俸給に準ずる人事官の俸給の問題は、これは會計檢査官との問題と同樣の問題になつておるわけであります。 十三條の事務總局の問題も、この内容の問題と、またもつと簡素な事務局でよろしいという考え方があります。 それからこれは單なる質問でありましたが十八條の給與ま監理をするていうのは會計檢査院のようなことをするのかというようなことがありましたが、これは別の立場でやるのだということであります。 二十一條で、權限の重要でないものは委讓するということ。 それから二十五條の人事主任官の選定の仕方が、もつと民主的にやる方法をとらなければいけないじやないかということ。 二十八條の社會一般の情勢の變化に適應してというのについては、これは條文としての問題ではありませんけれども、内容に給與その他の問題、官職の制度その他の問題が論ぜられておるわけであります。 それから二十九條の職階制についてはまだ十分なる審議が遂げられておりません。 それから三十三條の試驗の問題については、これは人事院規則の内容等に若干の問題があつたのであります。 三十六條の試驗の問題はこれはたびたび各方面から試驗の問題に對する御心配の點がありまして、人事院規則でやるのだということだけでは、どうも安心がしきれない向きがあるわけで、政府もまだ具體的にどうこうという案の示しがありませんから、いろいろ杞憂の點があるわけであります。 三十八條の第五號の政府を暴力で破壊することを主張する政黨の問題でありますが、これは法制局長の説明もありましたが、なお意見があつたわけであります。 それから、試驗については全般的にいろいろ御意見があります。 それから五十九條の條件附の採用というようなことは、教員等の場合、このために能率を落したり、かえつてマイナスの面ができやしないかという心配も出ております。 それから六十二條、六十三條の給與の問題は、いずれ法律で定められる問題でありますが、これについてのいろいろ問題があります。 七十三條は、今受田委員等からも出ましたように、各號について元氣囘復の問題や、再教育の問題、あるいは表彰をしたらよくないかというような、いろいろ能率増進に關する意見があります。 七十七條は、職員の降任、免職等の場合に對する團體協約等の問題があります。 それから八十條の三號についても、あまりあつさりしておつて、團體交渉の問題と關連をして不安の點がある。 それから八十一條には、懲戒の問題が急にやり方が今までと變つておることの可否の問題の意見があり、なおこれに關連して公務員に對する國民の彈劾權の問題等も出ております。 それから九十五條、九十六條等についても、どうもいろいろ書き方の問題等に疑義があり、また少し度が過ぎておるとか、足りないとか、いろいろの意見があります。 百一條については先ほども出ましたように、政黨の關係についていろいろ意見が出ております。 それから百二條について私の企業に對する問題、それから退職後二箇年間の就職禁止の問題は、これは兩面の意見が出ております。 それから第百五條、勤務條件のことについても、團體協約等との關係の意見が出ております。 それから第八節の恩給については、根本的に可否の議論が出ておるわけであります。 附則については、第一條において二十二年十月一日から實施するということは、現にこれは實行不可能でありますから、修正いたさなければならぬ問題が直面しております。なお逐次實施をしていくということについてのそのやり方等に對する意見も出ております。 第二條の臨時人事委員會は、どうも重く考えたり輕く考えたりして、實際の問題と考え方の問題に大分食い違いがあります。これは當然普通の人事官じやないかという書き方のところもあるし、非常に輕く扱われておるところもある。現に眞中ごろで「兩議院の同意に關する部分を除く」というところはけしからぬぢやないかという意見が出ておるわけであります。 十一條の、臨時的職員の扱いの問題、それから十三條の外交官、領事官、教員、裁判所の職員というような特例の問題、これも非常に及ぶところが廣いのと、原則と特例との關係といろいろ問題があります。 十四條においても同樣のことがあります。 まだ落ちがあろうと思いますから御注意願いたいと思いますが、今までに論議された問題の條文的な主たる問題は大體さようなことでありますが、全體を通じては、非常に人事院規則というものが多すぎて、しかもこれは政令でもなければ、中間的なものであるという一つの特例でありますので、これは重くも考えられるし輕くも考えられる。あるいはもつと法律によらなければいかぬぢやないかということもあります。また政治から非常に切離してしまうことがいいか悪いかという問題。勞働組合の團體交渉との關係がこれでは非常に制約されるのかどうかというようなこと。いずれにしても人事が百政のもとである。この法律の運用いかんが非常に重大なことであると同時に、日本の官吏制度の根本的改革を企圖しておるにしては、いろいろ兩面に考えられ、非常に改革をされるようにも考えられるし、もたこれによつて官僚が温存されるようにも考えられるというふうに、今までの議論が鬪わされたように思います。 大體今までの質疑の状況を要約して申し上げましたが、何か重大なる落ちがあれば……。
○受田委員 この條項の中で、人事院規則の中で、懲戒に關する事項と、それから今の任用に關する事項、こういう所で、もつと民主化された委員會のようなものを組織してやれ。採用の所では、三十六條の選考機關というようなものが、非常に民主的なものであるように希望するというような論議があつたわけです。それから懲戒の所では、事前に懲戒委員會のようなものがある點まで必要でないか、この點二樣の意見があつたわけです。それから全體を通じての問題として、一般職と特別職との限界、今の教員のようなもの、檢事のようなものをどうするか、これは附則の十三條とも關連するのでありますが、附則の方では檢察官や教員を特例をもつて規定するように書いてありますが、そういうものは特別職として考えても適當ではないかというような意見もあつた。大體それくらいのことです。
○竹山委員長 ありがとうございました。政府側で何かありますか。
○佐藤(達)政府委員 大體盡きておるように思います。
○竹山委員長 それでは大體明日の兩院合同審査會に際しての衆議院側の審議状況、空氣については、今私が申し述べました線に沿つて參議院側との協議に臨みたいと存じます。もちろん審議の中途でありますから、決定的なことは申し述べられませんが、委員の各位とともに兩院の合同審議に臨みたいと思います。
○受田委員 この大事な法案を審議するにあたりまして、決算委員の責任は非常に重大なのでありますが、委員の出席がまことに寥々といておりますので、この少數をもつてこの重要法案を決定するということは非常に危險であると思いますし、いろいろ合同審査會竝びに合同理事會及び準公聽會のようなものが組織されたとしても、要は本委員會が最後の決定をする機關でありますから、この點かかる重要法案が出たときには、全員殘らず出席するごとく、萬策を盡して御督勵方を委員長にお願いを申し上げます。
○竹山委員長 委員長としても努力をいたします。 それでは本日はこれにて散會いたします。 午後三時四十八分散會