議院運営委員会 第37号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/10/22
会議録
○淺沼委員長 それではこれより會議を開きます。 最初に昭和二十二年法律第八十號(國會議員の歳費、旅費及び手當等に關する件)の一部を改正する法律案を議題に供します。この點については昨日懇談會の席上において御報告申し上げて、改正の要項のとりまとめを一任されておつたわけでありますが、大體でき上りましたから、事務總長より御報告願いたいと思います。
○大池事務總長 ただいま議題になつております國會議員の歳費、旅費及び手當等に關する件の法律、これは先日一應まとまつておりました案は、九條の月額百二十五圓というものを、月額千圓ということで、ただいままで月額百二十五圓ずつ現金で差上げておつたものを、千圓にしたいという案でございました。それをその後の交渉の結果、現金よりもむしろ郵便切手購入券をクーポン式にやるのがよかろうということになりました結果、九條の文章を少し書きかえたに過ぎません。第九條の百二十五圓というものを千圓ということに直すことの修正だけであります。讀んでみますと、「第九條 各議院の議長、副議長及び議員は、公の書類を郵送し及び公の性質を有する通信をなすため」、ここまでは從來の文章と變りはございません。現在書いてある通りであります。その下に現在のところでは「通信費として月額百二十五圓を受ける」、こうありますのを、「その請求に從い月額千圓以内において郵便切手購入券を受ける。」ということに書きかえてあるわけであります。 十條の方はこの前の原案と同じでありまして、事務補助員の千百五十圓を二千五百圓に一律にあぐるということにしたのに過ぎません。そこで九條の問題はこれでは月額千圓以内においてとありますために、もし議員が千五百圓の公の通信があつても、千圓以内で千圓までしかもらえない。それからもしそれだけの必要がなくて五百圓なら八百圓で濟めば、その八百圓の請求をすればいいという文面になつております。從いまして請求さえあれば千圓までは郵便切手購入券を差上げ、その郵便切手購入券をもつていつて郵便切手を自由に購入することができるという形になつております。一應文章だけの御説明を申し上げました。
○川野委員 この郵便切手購入券はあるいは二月、三月になつても使えるものか、またはその月に限つてでなくてはならないものか。その解釋を伺いたい。
○大池事務總長 その郵便切手購入券が何箇月の期間有效な購入券であるかということは、結局郵便切手というものは現在購入する場合に現金でなければならぬことに遞信省の内規ができております。この法律が通りますれば當然に起つてくる問題は、遞信省と交渉をいたしまして、購入券の發行の方法を打合せの上で内規なら規定をかえていただくことになると思います。場合によつて衆議院の方で現金を納めて、購入券をもらつてきて、その購入券を議員の要求に應じて差上げるという形になる。結局の本旨におきましては衆議院の方で差上げるものでありますから、衆議院が購入券を買取つてそれを渡す。その購入券の有效期間を何箇月にするというようなことは遞信省と打合せをしてきめる。
○淺沼委員長 この案はこれでよろしうございますか。
○小島委員 第九條ですが、電話というものは通信の中に含まれておるのですか。
○大池事務總長 電話は切手を使い得るものならばその切手が利用できる。郵便切手とありますが、私はこの購入券の中で切手でなくて葉書も購入できる、こう解釋できると思います。
○淺沼委員長 それではただいま事務總長から説明をいたしました法律の改正については御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 そういたしますと、これを各黨共同提案にするか、本委員會の提出にするか等は關係筋と交渉の結果きめることにして、交渉は事務當局に御一任願つて異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 ではさよう決定いたします。 —————————————
○淺沼委員長 次に議院における證人の宣誓及び證言に關する法律案を議題に供します。事務總長から御説明を願います。
○大池事務總長 一昨日の御決定に基きまして、民事訴訟法等の關係とにらみ合せて、議院の證人に對する宣誓竝びに證言に關しても、その證言の拒否竝びに宣誓の拒否というような途が、刑事裁判の場合には議會にまいりますとそれが全部除けられてしまつて、全部がこれにいくということになるのは非常に不都合な感があるから、それを一應全面的に正當の理由の中に入れるということに修正したらどうかという御意見に基きまして第二條を入れたわけであります。第一條はこの前と全然變りはございませんで、「各議院は、議案その他の審査又は國政に關する調査のため、出頭した証人に證言を求めるときは、その前に宣誓をさせなければならない。」宣誓を前提といたします。そこで 「第二條 各議院は、前條の規定にかかわらず、證人に正當の理由があると認めるときは、宣誓をさせ、又は證言を求めてはならない。 前項の正當の理由については、宣誓又は證言を拒むことができる場合に關し民事訴訟法の定めるところの例により、これを認定するものとする。」 民事訴訟法の場合は、拒み得る場合は拒んでも、それは正当の理由ということに、全面的にこれを準用したわけであります。次に 「第三條 宣誓を行う場合は、證人に宣誓書を朗讀させ、且つ、これに署名捺印させるものとする。 宣誓書には、良心に從つて、眞實を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓う旨が記載されていなければならない。 第四條 この法律により宣誓した證人が虚僞の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に處する。 前項の罪を犯した者がその議院において證言をした事件の審査又は調査の終了前に自白したときは、その刑を減輕又は免除することができる。 第五條 證人が正當の理由がないのに出頭せず、又は宣誓若しくは證言をしないときは、三千圓以下の過料に處する。」 ということにただ二條をさし加えただけであります。一昨日の法案で最後のときに、「證言を拒んだときは」とありましたが、これには「證言をしないときは」とあります。これは證言をいたしませんと、現實に拒否の行動をした場合と、全然默つておつてしなかつた場合と兩方入れませんと、こういう刑罰規定の問題については、それは拒んだのじやないというような、拒むという言葉がまた議論のもとになり得るので、證言をしないという方が、むしろすべてを含んでよかろうという法制部からの御意見がありまして、「證言を拒んだ」を「しない」に直したのであります。
○淺沼委員長 御意見ございませんか。
○小澤(佐)委員 宣誓を拒むことについて、拒む理由があつて拒んだ人は、證人として調べることができる建前ですか。
○大池事務總長 それは一番最初に證人にはすべて宣誓させる。ところが「證人に正當の理由があると認めるときは、宣誓をさせ、又は證言を求めてはならない。」こういうわけですから、證人として喚ばれた者が正當な理由で、民事訴訟法等の規定を準用されて宣誓をしない。自分が證言しない。こういうことになればそれを拒否できるわけでありますから、拒否されたものは證人として、あとどうにもならない。この文章では私どもはかように解釋しております。
○淺沼委員長 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○大池事務總長 それでは第二條を「各議院は前條の規定にかかわらず、證人に正當の理由があると認めるときは、宣誓をさせないことができる。前項の正當の理由については宣誓または證言を拒むことができる場合に關し民事訴訟法の定めるところの例によりこれを認定するものとする。」かう改めます。
○淺沼委員長 御意見ございませんか。
○小島委員 そうすると第五條はこれにかかつてくるね。證人が正當な理由があると認めるときは、宣誓を拒絶する理由があつたところで證人として出頭を求められたんだから第五條にかかつてくる。
○淺沼委員長 ほかに御意見等がなければ案を假決定することに異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 さようにしたします。それからこの取扱いですが、各黨共同提案にするか、本委員會の提案にするかについては關係筋との事前審査を行つた後にきめることにして異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 それから罰則を伴いますから、主張があれば小委員會との合同審査をすることも異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 さように決定いたします。
○大池事務總長 そこで大體假決定されましたが、ただ一つこういうことは差支えないかどうかちよつと私だけの疑問ですが、實はこの證人を喚ぶ權利は憲法六十二條で各議院は證人を求めることができる。求める方だけはあるわけです。求められた場合に出頭しなければならぬという法律による義務規定はどこにもない。求める權利だけはあるからその憲法の求める權利に基いて當然出頭義務があるかどうかということははつきりしていない。はつきりしていないのに第五條で正當の理由がないのに出頭せざるときに三千圓以下の過料というと、これはちよつと行過ぎる關係がありはしないか。そこでこの一條のところではこれこれに關する調査のため出頭した證人とありますが、むしろ一條を二つに書きわけて、各議院から議案その他の審査または國政に關する調査のため、證人として出頭を求められたときには何人とても求めに應じなければならないという義務規定にして、その次に、出頭した證人に證言を求める場合にはその前に宣誓をさせなければならないと、二つに書きわけておかなくてもいいであろうかどうかということをちよつと氣づいたのです。
○小島委員 そうすると、裁判所の方はどうなつているか。
○大池事務總長 裁判所の方は必ず出頭義務を書いてあるのだそうです。
○小澤(佐)委員 解釋のしようでどつちでもいいと思うが、罰則を設ける以上はあつた方がいい。罰則がなければ問題はないが……。
○大池事務總長 罰則がなければ問題はなかつたが、罰則があるから、同じことなら一條、二條に書きわけたらどうかということです。
○小澤委員 證人の義務違反を明確にする。その方がいいかもしれん。
○大池事務總長 そうしますと、各議院から議案その他の審査または國政に關する調査のため證人として出頭を求められたときは、何人とてもその求めに應じなければならないという義務を書き込む、こう書いておいて、第二條に各議院は出頭した證人に證言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならない。
○小島委員 裁判所の方は何人とても證人として訊問することを得と書いてあるだけで、證人として出頭する義務とは書いてない。これでできる。だから國會でも求めることができると書いたらいいじやないか。
○工藤委員 出頭を拒む場合がある……。
○淺沼委員長 ちよつと速記をとめて‥‥。 〔速記中止〕
○淺沼委員長 それでは今總長の意見のありました通り、憲法に權利の規定があつても、さらにそれを明確にして義務規定を設けることに異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 ではそういうことにして一條を修正することにいたします。取扱いは先ほど決定した通りでよろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 その通りにいたします。 —————————————
○淺沼委員長 次囘の自由討議に關する件を議題に供します。この件につきまして、昨日いろいろ打合せしてもらつたのでありますが、議長から諮問がありますから、それに答申するために御協議願いたいと思います。事務總長から御説明を願います。
○大池事務總長 この前の交渉會のお話で、次囘の自由討議が農業生産調整法を問題としようということでございました。その問題の御決定と竝びに發言者をこの前通りといたしますか。
○淺沼委員長 この間各派交渉會でも次の議題は農業生産調整法を自由討議の議題に供することに申し合わせたわけでありますが、この委員會において交渉會の申し合せ通りするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 さよう決定いたします。日時は二十八日木曜日の本會議と決定して異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 さよういたします。所要時間及び人數等は前例通りとし、動議で説明を求めますか。
○小澤(佐)委員 説明もあまり簡單でなく重大な法律だから、できるだけ詳細にやつていただきたい。
○淺沼委員長 ただいま決定した通り議長に答申することに異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 さよう決定いたしまして答申することにいたします。 —————————————
○淺沼委員長 次に豫算委員會の議事録音に關する件を議題に供します。
○大池事務總長 これは今まで委員會の實際の運行状況をニユース寫眞ではとつております。それはただどういう運行をしているかということを、目で一般國民に知らすという意味で、各委員長の御許可を得てニユースの方は適宜やつておつたように承知しておりますが、正式に放送局から、近く提案せられる豫算案が出た場合に、豫算案員會の審議の状況を放送局が録音をしておいて、その夜なら夜にかけて出したい。それを許可してくれという申出があつたわけであります。これは今まては豫算に限らず、すべての委員會が非公開の性格をもつておりましたために、從來からしばしば申し込まれておつたわけですが、非公開の原則の建前上、許可にならずにおつたわけであります。今度は委員會は原則として公開されることになりましたが、ただ人數の關係で一定範圍しかはいれないという形になつたものですから、放送局の方としては、ぜひこれを録音さして出してくれ、こういう要求があつたのでございます。事柄といたしましては、私決して惡いとも思いませんし、むしろ國會の實際を知らせる意味で、結構なことと思つているわけでありますが、ただ問題は豫算委員會で録音をするということになれば、今後重大法案の場合には、ことごとく録音ということが行われるのではないか。その場合に委員會の進行上かりにもし支障を來すようなことがあつては、運營の上から見ておもしろくない。また録音をする場合はなかなかむずかしい技術的な問題がありはしないか。たとえて申しますれば、反對黨なら反對黨の演説が非常に長くなつて、あとのこれに對する贊成的な意見が時間の關係でカツトされて一つもはいらなかつたということになれば、その一部面の意見のみが報ぜられる。逆にまた贊成的な方面の質疑だけがとられて、反對的な立場の方の演説とか質疑というようなものは一つもはいらなかつたということになつてもどうか。ただ偏頗な放送許可になつてはいかぬじやないかということも、ちよつと考えられますので、事柄としては惡いことじやないが、議院運營の建前から許すか許さぬか、もし許すにいたしましても、もちろん委員長と御相談になつて、委員長の方で構わぬというならば問題はないのでありますが、議院運營としては、これに對してどういう態度をとつたらいいだろうということを事務局の方へ申し込まれましても、一存で何とも決定いたしかねますので御意見を承つて委員長と御相談申し上げたい。こう思いまして議題の中へ入れたわけであります。
○小澤(佐)委員 録音というのはピツク・アツプして向うの都合のいいところだけとるのですか。
○大池事務總長 一應は全部とつてあるかもしれませんが、時間の關係で出す場合は全部出すことは不可能になる。
○小澤(佐)委員 實際に社會に發表される面は向うの取捨による。
○後藤委員 そうすると編修技術によつては效果がどうにでもなるわけですね。
○小島委員 朝から晩まで毎日やるのならいざ知らず、質問の間は一人だけで一日中かかることもあるのだし、そうなると、その日一日だけとつたのでは、その人だけで濟んでしまつて、あとの人が出て來ないことになり、不公平になるおそれが多分にあると思います。それでむしろとるなら討論のときに全部をとるのがいいと思う。
○後藤委員 討論で各黨の時間をある程度まぜ合わせて各黨の意見を公平に織り込めれば民主議會の建前からいつてやることもよいと思います。
○淺沼委員長 ほかに御意見はありませんか。——それでは質問の際は別として、討論の際はとつてもよろしい。しかし時間及び各黨との割當等については相談し合うということで、委員長と事務當局との間で折衝することにして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺沼委員長 御異議がなければさように決定して、これで散會いたします。 午前十一時四十四分散會