議院運営委員会 第8号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1947/07/28
会議録
○土井委員長代理 ただいまから会議を開きます。 最初に常任委員会の國政調査承認について議長から諮問事項があります。これを議題といたします。事務総長から説明を願うことにいたします。
○大池事務総長 ただいま議長の方から常任委員会の調査の承認要求が來ております。これは司法委員会において裁判官國民審査に関する事項を調査するものであります。
○土井委員長代理 ただいま國政調査要求について、議長より承認を與えてくれということでありますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土井委員長代理 御異議がなければ、そのように決して答申することにいたします。 —————————————
○土井委員長代理 次に國会附属建築物の設計に関する件を議題に供します。事務総長から御説明を願います。
○大池事務総長 この前、皆さんの方からいろいろ御意見がございましたので、その後計画を多少変更しました。ただいまお配りしました青写眞について、庶務部長から大体説明していただきます。
○山崎説明員 これは議員面会所と事務室を一緒の建物にした設計図であります。場所の関係からこういうことにいたしたのであります。先般お諮りいたしました際の面会所の設計は、予算上百九十二坪になつております。その際にお話がございまして、小面会室をつくつたらどうかということでございましたので、三十坪増して二百二十二坪になつております。これは、一番下の階下の図面でございますが、まん中に大きな待合室がございます。この待合室の傍に細長い受付がございまして、この長さは五間に一間であります。この受付のところで面会を受付けます。横の大きな第一面会室は、團体の面会室に充てております。二階には小さな面会室を七つと、給仕の部屋を置きまして、面会人にお茶を出すような設備をいたしております。これは大体この前の御趣旨をくんで一應つくたのでありますが、坪数の増加等はこの度の追加予算に計上しなければならぬと思つております。 なお横の方に事務室がありますが、これは議会建築物のそばでないと連絡上不便でありますが、本館の方はそのゆとりがありませんので、面会室の先の方を借りたいと思つております。本館の方が事務室、供待所などつくつて無理しておりますが、それでも何とかしたいと考えているわけでありまして、予算的には從來の既定経費の中には計上されておりませんので、このたびの追加予算にあらためてお願いしたいと思つております。 小さい図面の方は建物の裏の配置図であります。面会所の飛び出た所が今の玄関の受付所で、地下道を通つた所が常任委員の調査室であります。ここだけでは建物が收まりませんので、第一議員会館としてあります。 今お配りした図面は、議員會館の設計図であります。これでよろしければ、全般的な図面をつくり、着工いたします。それは問口は一間半でありまして、この前のお話では一人一室にしたらどうかという話があり、なお議会の遅いときはそこへ臨時的に宿泊できることを必要と考えて、議員室として四疊半より大きく、六疊より小さいもの、事務員室として三疊より少し大きいもの、つまり六疊と三疊の重なつた部屋でありまして、ここに机を置き、泊る場合には板をおろして速成ベツドにできるようになります。上の図面は非常にりつぱな家具がはいつておりますが、これは予算によつて影響を受けるわけであります。 右下の図面は、これだけの部屋ができれば、相当長く使えますので、なるべく本建築にしたいのでありますが、それができませんときは、一間半の間口では狹いので、三メーターにいたします。これで一尺以上廣くなりまして、部屋の感じがすつかり違うという意味で作つた図面であります。ただ問題は今まで既定経費の議員会館の全体の坪数は四人一室を考えていましたので、三千七百七十七坪で濟んでおりましたが、一人一室では四千七百坪、三メーターの場合は五千六百坪になります。建築場は今まで本館の裏だけを考えていましたが、それでは收まらないので、建設も二箇所、三箇所に分散してつくらなければならない状況であります。これでよろしければ、早速全般的な設計図をつくり、着工いたします。 今お配りした図面は常任委員会廳舎として地下道の入口のそば、現在の新聞記者会館の隣に設計いたしたものでございます。坪数は三百七十六坪ということにいたしております。一應会議室となつておるのは、実は十九坪しかございませんので、実際に委員会をお開きになるには、少し狹いのではないか。それで一應考えたのは、委員会の部屋をつくるべきかということでありますが、とりあえず專門調査員、書記等の方々の部屋として考えまして、もし委員長の考えで会議室にお使いになるということであればそれは御自由でありますが、あの構造としては、その程度に收めるほかないのじやないかという考えでいきました。何かの場合には二室の間の間仕切りを取除き得ることにいたしまして、二部屋続けますと三十八坪になるので、そういうような構造にいたしてもよろしいかと思います。とりあえず、十九坪の部屋が大体これだけあるというふうに、一應案を立てた次第であります。
○石田(一)委員 さつきの常任委員会の場合に部屋をとられる、また常任委員会の何かのためにつくられていて、調査員とか書記にこの部屋が使われる。それであつたら、初めから仕切りをしないで、会議室として廣くして、二つでも三つでもこしらえておいたらどうか。
○大池事務総長 それはもちろん考えられるけれども、現状においては、同時に各委員会が二十一開かれることは、速記の関係でできない。実際の方から言いますと專門調査員の居どころがなくて、どうしてくれるかと言われておる。今現実に委員室をよこせよこせといつても、まだ三分の一しか調査員ができていないが、調査員が充実して書記が二人できてくると、みんなで四人ずつ、八十人になる。これが事務をとらなければできないわけです。結局事務室々々々と申しますが、委員会が使う事務室で、われわれの方で使うものではない。向うで專門の調査の下働きをやつて、こつちは本格的に使うことにしたい。これはバラツクだから、もし必要があれば、それをぶち拔いて大きくすることは簡單であります。
○後藤委員 面会所は現在の面会所と併用されるのですか。
○大池事務総長 そちらの方が体裁がよくなりますから、なるべくそちらでやつて、なおかつ足りなければこちらでやる。
○後藤委員 受付なども二つできるのですか。
○大池事務総長 そうです。
○後藤委員 議員会館は、必ずしも四百六十いくつなければならぬこともないので、共通に使えるクラブのロビーのようなものをとつて、少し数は減つてもいいのですが、議員一人当りという原則だけにとらわれずに、思い切つた仕事のできる部屋を八十ぐらいにとつてはいけないですか。なんだか安いアパートの一室みたいで、うつとうしくて‥‥
○土井委員長代理 議員の事務室の関係は大体一と二がサンプルになつておりますが、どちらがよろしいですか。
○石田(一)委員 廣い方がいい。
○土井委員長代理 それではこれで御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土井委員長代理 大体御異議がなければ、そのように決定いたしたいと思います。
○林(百)委員 議員面会所に使う事務室というのはどういうことですか。
○大池事務総長 現実にこちらの事務室が余裕がなくなつて、供待所なども飜訳所に使つております。そういうものができれば、そちらへ移していく。下の方だけ面会所で、上の方を事務室という案があつた。それが両方とも面会所で事務室は取上げられたものですから、それだけを左の方につけた。そこの上手のところになります。
○田中(久)委員 何かホールのようなものはないのですか。
○山崎説明員 一番最初の案によると、図書館とか談話室とか食堂關係、そういうものがあります。今度もやはり共通の施設はあります。
○大池事務総長 もう一つ、この際議院運営委員会として態度をおきめ願いたいと思いますのは、先日來問題となつておりました行政調査部の顧問就任の件であります。参議院の方は今日の本会議でこれを正式に否決をしてしまつた。これは昨日一日あつたわけですから、私の方も事務局等を通じていろいろ樣子を聽いてみました。議院運営委員会では、一人の異議もなくこれを否決することにきまつて、各派へ持ち帰つて、各派でもまたその通り態度を決定した後でありまして、木内委員長等に小林事務総長も会つていただいて、いろいろ話を聽いたわけでありますが、たれ一人異議なくきまつたことであるから、委員長たる自分としてはどうも手のつけようがないということで、こういうことになつたわけであります。そのだめになつた理由は、行政調査の調査並びに研究ということだけでは問題なかつたのですが、官制の中を見ますと、調査研究並びに立案という言葉があるわけです。行政調査部臨時設置制というのが官制でできておつたわけですが、その第一條に、「行政調査部は、内閣総理大臣の管理に属し、行政機構及び公務員制度並びに行政運営の改革に関する調査、研究及び立案に関する事務を掌る——この立案に関する事務を掌る」というのが、立法と行政との紛淆を來すおそれがあるというところへ、議論をもつていつたようであります。これは議員が一切やることでありますが、第七條に顧問のことを書いてありまして、それは「行政調査部に顧問若干人を置き、重要な部務に参画せしめる。顧問は、内閣総理大臣の奏請により、内閣で、これを命ずる。」こういう制度になつております。その立案というのがあるために、やはり三十九條の本旨に反するであろうということのように伺つております。そういうわけでこれが向うで否決されまして、衆議院は可決をいたしまして承認をいたしましたから、結局両院意思を一致することが出來ませんので、國会の議決ということがあり得ない情勢に、今日なつておるのであります。そのあとをどうするか。これにつきましてはこれが議案でないから、両院協議会が開けないじやないか、國会法の八十七條によつて、先議後議の関係で、先議の院がこれを要求することが出來るという問題については、議案に関して書いてありますので、こういう議案でない承認を求めた事件については、そういうことが法律上無理じやないかという議論もございましよう。これも法理論としてりつぱに立ち得る議論と思います。けれども、そういうことがありますために、この三十九條の要求を受けた場合の取扱いをどうするかということを、議院運営委員会でこちらの方はきめていただきまして、この問題は議案としては取扱わないけれども、やはり手続上は議案に準じて取扱うということで、両院の議決が一致しなかつた場合には、先に議決した議院から両院協議会を開くことが求められるということを取扱い上きめてあるわけでございます。これは衆議院の運営委員会がきめたばかりではありませんで、当時この問題の取扱い方を内閣等とも打合わせまして、参議院の議院運営委員会でも同じくこれを認めて、同じような取扱いを了承しておるわけであります。從つてもしこの取扱規定に基いてこういうことをするかしないかということを一應御決定を願つて、しないということになりますれば、全然両院は一致しませんから、國会の議決は得られなかつたということになりますが、両院の運営委員会で取扱いを決定した、それに基いて両院協議会を一應求めるかどうかということが残つているわけですが、どうなさいますか。これを一つおきめ願いまして、もしそれをするということになれば、明日の本会議でこれを御決議になつて請求しなければならないと思います。
○林(百)委員 その三十九條の場合も、議案の場合に準じて、両院協議会を開くことができるという取扱規定かなんかは、規定として正式にきまつていますか。
○大池事務総長 衆議院も参議院も正式にきめまして………
○林(百)委員 何規定というのですか。
○大池事務総長 規定と言わずに、ただ取扱いをきめただけなんです。 國会議員が内閣行政各部における各種の委員、顧問、嘱託その他これに準ずる職務に就くことに関して内閣より國会法第三十九條第二項による議決を求められた場合の取扱 一、右は議案として取扱わないで、議長から議院にこれを諮りその議決を得ること。 二、議決の結果は、各院の議長より他の院の議長に通知すること。 三、両院の議決が一致したときは、衆議院議長から内閣に通知すること。 四、両院の議決が一致しなかつたときは、先に議決した議院から両院協議会を開くことを求めること。 五、両院協議会において成案ができたときは、更にこれにつき各院で議決する。この場合両院が、成案を可決したときは、三、による。一院が、否決したときは、六、によること。 六、両院協議会を開いても意見が一致しなかつたときは、國会の議決がなかつたものとしてその旨衆議院議長から内閣に通知すること。 こういうように取扱いを議院運営委員会で両方できめて、こういう取扱いにしようということできまつているわけです。
○後藤委員 はつきりしているのですね。
○大池事務総長 根拠ははつきりしているのです。
○林(百)委員 私個人的な意見としては、この三十九條の國会の議決による内閣行政各部の委員、顧問、嘱託につくことは好ましくないことと思つています。しかし取扱規定には、両院協議会を求めるとある。求めることを得ではないのですね。
○大池事務総長 求めることとありますけれども、これは法を受けておりまして、法の方ではこれは義務上しなければならぬということじやないのです。することができるという方で、義務づけられたものではない。
○林(百)委員 できるという程度なら止めた方がいい。
○大池事務総長 求めて、見込みがあれば…………
○林(百)委員 その程度でしたらやる必要はない
○中野(四)委員 大体議論も盡きたようだし、向うと話合いのつく見込みのないのに、協議会を開く必要はないと思う。これはこのまま放棄したらどうでしよう。
○土井委員長代理 中野君の御意見に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小澤(佐)委員 この問題は中野君の説に私も賛成だけれども、こういう小さい問題だからいいが、大きい問題のときのことも相当考えていかぬと、衆議院が非常に威信を失墜するような問題が起る。
○中野(四)委員 これはこの場合だけで、今後は大いに愼重にせられたい。
○土井委員長代理 この事務局の取扱いの問題は、もつと両院の間における、たとえば議院運営委員会が、衆議院の方でこういうことを決定すれば、参議院の方の議院運営委員会と直接委員長同志の協議をして、大体事前協議の上においてやらないと、あげられた当人も非常に迷惑する。將來は大いに留意をしてやるように。
○小澤(佐)委員 政府の方の要求でやつたのだけれども、それによつて政府は何ら支障を來さないでしようか。
○田中(久)委員 また別な者を出す。
○大池事務総長 國会の承認を得られないときは、議員をもつてくるわけにいかないから、置くとなれば、議員以外から選ぶ。
○小島委員 要するに実際の理由は、川上さんに対する個人的なことがあつたようだ。表向きの理由は立法部の者は行政部の立案に参画するということはできないとなつているから、今度は任命するのに、議員をもつていけば常に参議院との間の衝突が起るということになるから、そういうことなら根本の表面の理由を、あくまでそういう建前をとるのかとらぬのかということを聽いておかぬと、今後とも政府としても困る場合が起きてくる。議員としても必ずしもそう狹く解釈する必要はないと思う。議員が個人の資格で参画するのであつて、議員を代表していくのではないのだ。だから今後ともそういうことがあるとすると、議員は永久に絶対にそういうことは許されぬということになつてくる。
○石田(一)委員 これは松岡議長の場合は今度当選したから、議長になつたから議員として選ばれたのではなくて、もともと労働代表というような意味で選ばれたものが、再び当選し、しかも議長になつた。向うの川上氏も以前から議員であつたが、それがたまたま参議院議員に当選したために、こういう手続を必要とすることになつたので、いろいろの事前工作が足りなかつたのだと思う。だから本人としては非常に氣の毒だ。
○林(百)委員 小島さんの意見もそうだが、議員はなるべく原則としてそういうことはしない方がよい。
○土井委員長代理 それじや決をとつていきましよう。大体この場合、両院協議会を請求しないことに決定しておきたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土井委員長代理 それではさように決定いたします。 —————————————
○土井委員長代理 次に政党法及び選挙法に対する特別委員会並びに海外同胞引揚に関する特別委員会設置を議題といたします。
○中野(四)委員 これは大体定数がきまつておつたようですが、ただ問題は比例して小会派に割当が來るとか來ないとかいう問題でありますから、これはお互いに暑い時でもあるから、笑つて話し合いたい。
○大池事務総長 政党法の方は四十五、引揚の方は三十です。
○中野(四)委員 これはお互いに各党派を超越した目的をもつたものですから、各派から出られるように考えていただきたい。
○大池事務総長 各派交渉会が明日ありますから‥‥
○土井委員長代理 それでは政党法及び選挙法に関する特別委員の員数は四十五、海外同胞引揚に関する特別委員の員数を三十名とし、次の本会議において設置することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
○中野(四)委員 それをきめる前に、速記の上にお断りしておかなければならぬことがある。それは引揚同胞の問題は党派を超越した問題ですから、原則論はとにかくとして、各党から必ず一名づつは割振つていただくという前提の下に、三十名というように御了承願いたい。これは一つお含みおきを願いたい。
○土井委員長代理 御異議ありませんね。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土井委員長代理 御異議がなければさように決定いたします。 —————————————
○大池事務総長 これは明日の交渉会でしてよいことかもしれませんが、ちようど運営委員会がありますからお願いいたしたいと思います。一昨日大体きまりましたような形でありました健全財政、健全金融の決議案、それから救國貯蓄運動の決議案、これを明日の本会議に委員会審査省略として上程するというお話でありまして、この提案の形等をこの前きめたいただいたわけです。これに対して共産党の方では、この両決議案に対して修正の御意思があるようで、あのままでは御反対のようであります。從つて各党一致の提案ということでなく、やはり提案者の方から除いておいてもらいたいというお話でございます。そこでこれが上程された場合には、満場一致というわけに参りません。やはり反対の声があるわけであります。
○中野(四)委員 修正の意思があるというならば、反対というのではないのであるから、むしろここで協議をして、その修正がお互いの了承のでき得る程度ならば修正をして、各党ともに満場一致賛成といつた方が響きがよいと思います。反対というと、何か共産党にとつても誤解されるおそれがある。
○林(百)委員 実は昨日いろいろやりましたが、ちよつと修正では間に合わない。
○中野(四)委員 明日の本会議に上せなくても、次の本会議に上せてもよい。一日を爭う問題ではないから、反対というかつこうよりも、修正というならば、お互いに相談する余地があると思います。
○林(百)委員 これがあまりに過大になると、このためにわが國の財政が破壞されるという。しかし賃金物價よりも、やみや擬制資本の方がインフレーシヨン高進の材料になるので、決して賃金が少しくらい上つたからといつて、経済が破綻になるということはない。だからこれを除いてもらえばよい。民主党、自由党の提案者側はそれが重大だ。
○佐々木(更)委員 そうしますと一部分賛成しがたいものがあるので、修正動議を出さぬでよい部分までも反対するということになりますか。
○林(百)委員 そういうことになります。
○後藤委員 主義の問題で健全財政を反対するということになると、角をためて牛を殺すことになる。
○佐々木(更)委員 修正動議も出さぬで、部分的に賛成しがたいものがあるので、みな反対するというのはおかしい。
○林(百)委員 この決議案の実質的の内容は、賃金と物價を安定させて、それによつてインフレーシヨンを防ごうというのが根本だろうと思います。しかし一部というもよりも、共産党の反対するのは、この決議案はあまり賃金を要求してくれるな、そのために國家の財政が破綻するからという意味だと思います。われわれは擬制資本を打切るとか、あるいは新円所得者に対して重税をかけてインフレーシヨンを防ごうということがあればよい。これは賃金だけを取立てて、これを抑えることによつて財政の健全、金融の健全化をはかろうというのです。
○土井委員長代理 ちよつと速記を止めて懇談にします。 〔速記中止〕
○土井委員長代理 それでは再開します。ただいま問題になつております事柄につきましては、各派一致というわけにはいきませんので、どうしますか。提案者から除いて反対の討論をやりますか。
○林(百)委員 残念ながらこういう意味で反対します。
○石田(一)委員 しかし、これほど重大な、たとえば救國貯蓄の方はともかくとして、健全財政、健全金融に関する表題に対しては反対の意思がないのに、中の文章で反対ということで、これが全院一致でなされないということになると、およそ意味がないと思う。
○林(百)委員 石田さん、よくお話しますが、字句ではないのです。内容全体が、どちらの負担によつてインフレーシヨンを防ごうとするかという点、負担をかける側がこれでいくと、俸給生活者の方の犠牲でやろうとする。これはわれわれ賛成できない。字句でなく決議の精神です。
○石田(一)委員 表題には賛成なんでしよう。
○林(百)委員 表題には賛成なんです。
○佐々木(更)委員 もう少し提案者と話し合つてみればいいじやないか。
○林(百)委員 時間の余裕があれば話合うのもいい。
○中野(四)委員 この案の性質から考えましても、一党が反対だというような場面は、必ずしもそう端的に取上げられない問題ですから、これはやはり佐々木君の御意見の通り、民主党の提案者と、共産党側との意見が十二分に交されて後に、この問題を決定する方が、賢明な策だと思う。あわてて今日出さねばならぬ、明日出さねばならぬというほどの問題でないと思う。これは時間の問題にあらずして、——もちろん時間を無視してはできませんけれども、時間を急ぐために、むしろまとまり得る可能性のあるものを、あえて反対のある形において提案する行き方は、まずい行き方だと思う。時間的にもう少し相談する余裕を與えたらどうだろう。
○土井委員長代理 問題は、先ほど林さんが言つているように、並行線だということになれば、話合いをしてみたところで、一致をみることは困難である。原則的に反対だということが表明されているわけである。趣旨には賛成だけれども、中の一部分の字句の問題について反対だということであるならば、字句上の問題は技術的な関係だから適当に話合いをすることも、これはそうむずかしいことではないのじやないかと思われる。
○中野(四)委員 林君の言われた最初の議論と、話が大分違うようですね。それから民主党側でも、提案者に相談すれば、十分にその余地があるような口ぶりもあるのだから、これは双方相談する時間をもつことが必要だと思う。
○佐々木(更)委員 共産党側もよくこの趣旨の意味がのみこめないところがあるのではないかと思う。但書のようなものがはいつて賃金物價の安定のためには、若干の増加もやむを得ないが、厖大な歳出の増加を生じて、そのために財政收支の不均衡を來すという意味であつて、これは話し合えば字句のことは解決できると思う。
○後藤委員 賃金の犠牲においてということをテーマにした決議案を出す考えは、露さらもたない、惡循環を断ち切つていこうというのです。
○林(百)委員 金を少しぐらいなら出すが、あまり出すことはできない。多く出すことのできないことを決議しようとする。
○後藤委員 賃金物價の惡循環を抑えたい。
○林(百)委員 そうではない。賃金は安いのだ。これは基本的な理念が違う。
○石田(一)委員 共産党だけがそう解釈してこれに反対だと、本会議で意思表明があつた場合は、共産党の言うところが間違つておるという、他会派のものすごい討論が展開されなければならぬ。そういうことをしてこれをやつて、何んの價値があるか。みんながそうだといつてすることでなくちやならぬ。
○小澤(佐)委員 林君の解釈のしかたは、実は字句の問題ではない。いわゆる健全財政を維持していく上において、非常に異つた点がある見方だと思う。委員長は字句だけだといい、民主党はそういう意味じやないといつておるが、共同提案にしようとするなら、その点をはつきりしたい。
○後藤委員 新物價体系だけでも執行予算が立たなくなつてくる。それに随伴して各省から大藏省へ要求されると、大藏省はまいつてしまう。時局の要請する追加もやつていかなければならぬ。そのこと自体がインフレを助長することになつていく。だからわれわれはやりたい仕事もあるが、同時に財政面からインフレを助長することがあつてはいかぬ。そこに健全財政の決議案をもつて、國民の各階層に要求はあろうが、國家全体としては健全財政の線を死守していかなければならぬ。要望と健全財政の線としつくりしていくためには、各界層にわたつて、労働面、生産面もお互いに辛抱しなければならぬということをうたおうというのである。
○林(百)委員 物價はすでに新物價体系で三倍半に上つておる。あと將來増加する危險があるというのは賃金しかない。
○土井委員長代理 民主党、共産党の方にお聽きしたい。他会派の方々は、できるならば同調して一致点を見出してやつてもらいたいという意見が相当ある。多少時間を與えることによつて、両者で同調できる可能性があるかどうか。可能性がないなら、時間を與えることは何ら意味がないから、明日上程したい。しかし同調の余地があれば、中野さんの言うように、きよう、あす上げなければならぬこともないから、全会一致で通過できる形にした方が印象的にもよいと思う。いかがでしようか。
○林(百)委員 民主党の方に聽きますが、賃金という二字はとられますか。
○後藤委員 こういうことにしよう。今、委員長からお話のあつたように、一應双方時間をもつことにしたい。共産党も健全財政には異議はない民主党も健全財政をうたつておる。それで民主党の提出した決議案は、勤労者の犠牲だけを強要することが本旨ではない。共産党も健全財政に同調すれば、それに同調したために辛抱しなければならぬ面が起つてくるのは同じだから、やはり協議して、時間をもつてあす会同するようにしたらどうか。
○佐々木(更)委員 民主党の方にも考えていただきたいと思うが、民主党の方も必ずしも賃金を針づけしようとは考えていないであろう。共産党の反対するわけは、犠牲を労働階級の負担にする。こういう説明をするに違いない。そうすると、いかにも他会派は賃金を針づけにするのだという印象を與えて、それの及ぼす影響は社会的に非常に甚大であると思いますから、これは何とか話合いをつけて、民主党の意見も生きるよう努力せられたいと思います。
○後藤委員 佐々木さんの御議論もごもつともだが、全文を見れば、識者の批判にまてば、共産党の行き方は曲解あるいはこじつけ議論だというふうに、識者は見ると思います。それで円満のためにあす会同することにして、時間をもつて、今日決定しないことにしようではないか。
○土井委員長代理 委員会としては大体こういう取扱いにしましようか。字句的な修正並びにその他については、両党の協議に一任する。そして妥結ができれば、さらに議会運営委員会を開くというわけにいかないので、明日の各派交渉会にこれを諮つて、了解を得れば、ただちに上程できるように取運んで、逐條的な修正は、他会派の方々は、兩党でもつて妥協がつくならば、それをうのみに御承認を願うということができますか。
○小澤(佐)委員 それはできない。大きな問題だ。
○中野(四)委員 共産党が反対の態度をとる場合には、おそらく各派共同提案というわけにはまいるまいと思う。やはりわれわれもわれわれの態度をそこで明らかに表現しなければならぬ場合が起るかと思います。うのみというわけにはいかない。
○林(百)委員 何でも反対だというわけではない、賃金という問題さえ削ればいい。
○土井委員長代理 一應まとめ方は両党でさらにお打合せ願い、成文されておるものを、あらためて明日の各派交渉会にかけてもろう。そしてそれで納得できれば本会に上程するということにいたしたいと思います。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十一分散会