運輸及び交通委員会 第36号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1947/11/19
会議録
○高瀬委員長代理 會議を開きます。 これより本委員會に付託になりました各請願につき審査をいたしますが、その議決は後日に讓りたいと思います。なお議事進行上隨時日程の順序を變更して議事を進めます。 日程の順序を變更して、まず日程第一四、村崎信號所を一般驛に昇格の請願、文書表第八一號、高田弥市君ほか三名紹介を議題として、紹介議員高田君の紹介説明を聽取いたします。
○高田弥市君 東北本線黒澤尻、花巻兩驛間にある村崎野信號所の停車場昇格は、大正十二年以來數囘にわたり請願いたしてありましたが、今なお實現を見ないのは遺憾であります。今囘日本化學肥料株式會社岩手工場が設立せられ、なおまた當地を中心とする約八百町歩の國營開墾と集團移民の計畫も立てられておるのであります。從つてその利用價値は甚大でありまして、驛昇格の必要性は自明であります。特に農産開發については國家の要請にこたえ得るものがあると思います。なお別紙要圖のごとく信號所の位置變更をいたしますことは、一層當驛の利用價値を増加するものと信じます。ゆえに今囘の驛昇格を契機として位置の變更を併せ斷行せられますことをここにお願いする次第であります。
○高瀬委員長代理 次に本請願に對する政府側の意見を聽取します。
○田中(源)政府委員 黒澤尻、花巻く間の村崎野信號所を一般驛に昇格の請願でございますが、これは九十一議會で衆議院の採擇になりまして、政府におきましても調査いたしましたが、請願趣旨の御要望になつておりまするのは、信號所を現在の位置から北方約一キロ半に移轉の上で一般驛に昇格せよということであります。その當該地點は研究の結果勾配が千分の十でございまして、一般驛を設置いたしますにはまことに都合の惡い場所でございます。それに現在の信號所からは專用線が分岐しておりますので、それとの關係も調節する必要あり、相當困難な問題が殘されるのではないかと存じますが、一應本請願はさらに十分に檢討いたしまして、調査研究いたしまして善處いたしたいと考えております。
○高瀬委員長代理 本請願に對する質號はございませんか……。 —————————————
○高瀬委員長代理 それでは日程第七、大畑、大間間鐵道速成の請願、山崎岩男君ほか二名紹介、文書番號第五三號を議題として紹介議員山崎君の説明を聽取いたします。
○山崎(岩)委員 大間鐵道速成の請願について紹介のために申し上げたいと存じます。大間鐵道と申しまするのは、本州の最北端でありまするところの青森縣の下北半島の大畑という所から、大間という、ちようど函館の對岸までに至りまするところの鐵道敷設に關する請願なのであります。これは本來は大湊線の延長でございます。大湊線が大正十二年ごろに開通いたしまして、それから大湊より大畑という所までこの鐵道の敷設計畫をまず實行いたしましたのが昭和十四年の十二月六日で、その昭和十四年十二月六日に大畑までの鐵道が開通したのであります。從いまして下北郡の郡民は産業上におきましても、また文化の面におきましても少からざる利益を受けておるのでありまするけれども、大畑から大間に至りまするところのこの鐵道が殘されておるのであります。これは鐵道の敷地造成はちやんとできておるのでありまして、レールさえ敷いたならば、もう大間まで開通することができるような状態になつておるのであります。それが昭和十六年において完成する豫定でありましたが、戰時中のことでありますので遂にその願望が容れられずして今日に至つたのであります。大間と言いますると、これは北海道との連絡上きわめて重要な地位にあるのでありまして、北海道との最短距離であります。現在連絡船は青森と函館の間の連絡をつけておるのでありますが、それは三千トン級の優秀船でもつて約七時間かかつている。この大間と函館とをつなぎますと、二、三百トンの機帆船で半分の時間で、函館に達することができる。從いまして北海道と本州との連絡が、この鐵道の完成によつてすこぶる便益を得るということになるのでありますけれども、戰時中のことでありましたので、資材等の關係があつて、遂に今日に至つて、なおその實現を見ることはできません。しかしながらほとんど鐵橋もできあがりましたし、トンネルも開鑿されておりまして、レールさえ敷けばよいのであります。本郡は未だ未開の地と申し上げなければならぬのでありまして、その生産されるところのものは、森林から——しかも青森特有のひば材の名産地であります。それにまた津輕海峽から日本海、太平洋という各方面に海洋を控えていますので、非常な海産物の寶庫と申し上げることができると思うのであります。この海産物を中央方面に運搬するにいたしましても、また美林でありますひば、殊に鐵道におきまして、このひば材の枕木が非常な利益を受けていることは、私がここに申し上げるまでもないことであります。それに下風呂という所には硫黄の温泉がありますが、その山嶽地帶には莫大なる硫黄の鑛脈があるのでありまして、これを開發することによつても非常な便益を受けることになるのであります。從つてこの鐵道が開通されるということになると、これは北海道との連絡上から見ましても、また下北郡の開發ということからいたしましても少からざる國家の寶庫を開發することに相なりますので、何とぞこの點にも御當局におかれましては、御名鑑を垂れさせられまして、一日も早くこれが完成に御努力願いたいと思うのであります。本件は再三再四前の帝國議會におきまして、衆議院におきましても、貴族院におきましても、滿場一致をもつて採擇されておるのでありまして、今初めてここにこの請願をするものではございません。從いまして、その衆議院、貴族院の意思がくまれまして、昭和十四年には大畑まで鐵道の開通を見ている。これがまだ半分しかできていないという結果になつておりますので、あとの半分のところでありますから、何分にも御當局におかれましては、御名鑑を垂れさせられまして、一日も早くこれが開通のために御努力あらんことをお願い申し上げる次第でございます。以上御紹介のため申し上げました。
○高瀬委員長代理 次に本請願に對する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 大畑、大間間はただいま請願の要旨をお述べになりましたように、重要なる路線でございまして、すでに七十議會におきましては、建設費、竝びにその追加延長の豫算も決定せられた線路でもございます。請願要旨の趣旨辯明にありましたように、大畑から桑畑まで約十六キロ六分というものに對する土工工事は完成いたしました。すなわち路盤はでき上つておりますが、資材その他の關係から軌道工事が中止されております。桑畑、大間間十三キロ六分、これは線路の設計は濟んでおりますが、まだ工事に著手いたしておりません。もちろん請願の要旨にこたえるべく當局といたしましては、一日も早くこの路線を建設いたしたいのでございます。しかしながら御承知の通りの今日の資材及び豫算の關係上、請願の要旨に副いかねているような實態にあるわけであります。今後この資材竝びに豫算の面において許されるときが參りますならば、一日も早くその機會に本工事に著工いたしたいと考えているような次第であります。以上政府の所信を申し上げまして、お答えといたします。
○高瀬委員長代理 本請願に對する質疑はありませんか。
○山崎(岩)委員 お尋ね申し上げます。政府におかれましても、まことにいろいろ御苦心遊ばされておりますことはわかつておるのでありますけれども、この路線に關しまして、一體いつごろから著手するということに對する見透しはつきませんか。その點お尋ね申し上げます。
○田中(源)政府委員 全國にはかように路盤のできております線路は多數ございます。かつまた戰時中線路を撤去した路線もございます。これらのものは一日も早く舊に復し、新たに地方の民意に副うべく、また國家産業の開發の見地から、開通いたしたいのはやまやまでありますが、ただいま申しました通り、第一、レールとか、あるいは橋臺であるとかいう鐵資材において非常に困難な實態に今日おかれておりますとともに、鐵道總局におきましての特別會計の面から考えてみます場合には、來年度は特別會計といたしまして、獨立採算制をとつていかなければならぬのでありまして、資材竝びに財政の面から考えまして、許される時期が參りますならば、かような重要なる路線は第一に著手いたしていくべきであると考えておりますが、目下のところ、來年度これを實施いたしますが、あるいは實施いたさないかということにつきましては、はつきりとしたお答えを申し上げかねる實情にあるのでありまして、右のような事情を特に御了察願いたいと存じます。
○山崎(岩)委員 了承いたしましたが、それにつきましては、大畑から大間に至る區間は民營の乘合自動車が運行されておるような次第でありますけれども、資材その他の關係から申しまして、この自動車もまことにボロ自動車であつて、なかなか地方民の思う通りの運行をしていない。そこでこの大間鐵道が開通いたしますまで、省營自動車を運行するというようなことに對する御熱意を政府はもつていないものであろうかどうか。私ども地方民といたしましては、ぜひこの路線ができ上るまで省營自動車を運行してもらいたい。それに對する熱意ももつておるわけでありますが、この點について御當局の御意見を承りたいと思います。
○田中(源)政府委員 大體省營自動車の原則といたしまして、鐵道豫定線の未著手その他の線路に對してできるだけ省營を開通いたし。將來鐵道が開通いたしました場合にはこれを撤去するという方針は今でも變つておりません。從つて資材その他の面から考えまして、民間私企業のある場合には、その私企業の實態をできるだけよく調べて、これを助成して、民意に副うようにいたしますとともに、萬一民間企業においてなし得ない場合におきましては、御趣旨の點につきましては、一應路線と道路とを調査の上、とくと考慮の上適當に處置いたしたいと考えます。
○山崎(岩)委員 了承いたしました。 —————————————
○高瀬委員長代理 それでは日程第四一、八橋驛に貨物取扱開始の請願、堀江實藏君紹介、文書表第三三七號を議題として、紹介議員堀江君の紹介説明を聽取いたします。
○堀江實藏君 山陰線の八橋驛に貨物を取扱つていただきたいという請願の趣旨でありますが、それを簡單に説明いたしたいと思います。八橋驛は昭和十三年旅客驛として開設され、爾來當地方民の恩惠と利益を受くること多く、感謝いたしておるところであります。しかし開設當時も貨物を一緒にやつていただきたいと熱望しておつたのでありますが、勾配の關係等で、まず旅客驛だけが開設されたわけであります。しかるに現在の食糧事情は、本町主要生産である農産物及びその加工業、殊に製粉、製麺事業の振興と、同驛奥地に建設されました縣營の開拓地約百町歩の農産物出荷には、急速に輸送路の開設を要請されております。また當町特産物である二十世紀梨、その他果樹類及び柳行李製品等は、世界貿易再開を目前に控え、日本國再建に重要なる一環を負うておるものと考えます。その他附近町村の魚類、木材、薪炭類の輸送等、現下竝びに將來の經濟状況に即應し、これら運送の遲速、遠近、便不便は、各種産業の振興、再建に至大の影響があります。現在本町の貨物は、本町より約四キロの坂道を登り、東八橋驛まで積み出すので、多大なる時間と費用及び不便を費しているのであります。現在の八橋驛は町の中央に位しておりまして、貨物取扱いができれば、まことに近郷近在が助かるのであります。從つてこの八橋町住民の要望切なるものがありまして、これまでもたびたび請願とか、あるいはその筋に運動しておつたのでありますが、まだ實現いたしておらないわけであります。なおこの貨物取扱いを開始していただけることになりましたなら、その工事費につきましては、町民としても相當な負擔をしたいという熱望、——費用の負擔をしてまでもこれをやつていただきたいということを考えており、いろいろ期成同盟會なんかをつくりまして、そうした準備もやつておる次第でありまして、何とぞ本請願を御採擇相なり、至急に著手あられんことをお願いいたしまして、簡單でありますが、請願の説明にかえる次第であります。
○高瀬委員長代理 次に本請願に對する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 山陰本線の八橋驛に貨物の車扱いを開始せよという御希望であります。この請願の要旨は、現在は小口扱いの貨物を取扱いいたしておりますが、車扱い貨物の取扱いをせよというのであります。御承知の通り單線で列車扱いをいたしております關係上、取扱いがまことに困難でございます。この問題は前にも請願書が本省に出てまいつておりますので、目下大鐵局において實情を調査中でざざいますから、何らか大鐵局の方から意見を添えて、本省に上申してまいることであろうと思います。しかし驛は單線でございますので、これを貨物車扱いをいたすことになりますならば、いきおい貨物の側線もつくらなければなりませず、またそれに對する信號装置であるとか、第一に貨物ホームをつくつていかなければならないと考えます。それらに關するところの必要な資材及び豫算の關係が伴つてまいりますので、今ただちにこの問題についてこれをいたすことは、ちよつと困難かと思いますが、しかしながら大鐵局より何らかの實情の調査の書類、意見書をつけてまいつた場合には、一應考えまして、適當に本問題を處理していきたいと考えております。
○高瀬委員長代理 堀江君、本請願に對する質疑はございませんか。
○堀江實藏君 ちよつと質疑というわけでもありませんが、今御説明になつたのでありますけれども、まだ貨物の小口扱いもやつていない。目下その工事はやつておりますが、町民としては、その工事と一緒に貨物取扱いをやつていただきたいというのでありまして、さつき申し上げましたように、應分の費用も負擔するというような熱烈なる要望があるわけでありまして、なるべく早く、そうした大鐵局の方から書類が參りましたならば、御處置をお願いいたします。 —————————————
○高瀬委員長代理 それでは日程第二一、久栗坂に停車場設置の請願、山崎岩男君紹介、文書表第二〇七號を議題として、紹介議員山崎岩男君の説明を聽取いたします。
○山崎(岩)委員 趣旨の御説明を申し上げたいと思います。久栗坂驛と申しますのは、東北本線の青森驛から間もない所でありまして、ちようど淺蟲と野内驛との中間に位する所なのであります。淺蟲と野内の停車場は、あまり遠い距離にあるのではありませんので、ここの久栗坂に停車場を設けることは、なかなか至難なわざでありまして、今日まで數囘にわたりまして、衆議院の採擇を受けておるのでありますけれども、これが實現されなかつたのでありまして、地方民はまことに遺憾に存じておるようなわけであります。しかるところ青森市が戰災を受けましたので、その復興はなかなかはかばかしくいきません。そこで青森市の效外であるところのこの野内村、わけて久栗坂、淺蟲方面にたくさんの疎開者がおるのでありまして、その人は戰前の約三倍になつておるのであります。ところでこの久栗坂から青森市に通勤しておりますところの人々は、ただいまのところ野内の停車場へ約一里歩いて通うか、あるいは淺蟲の停車場に同様やはり一里くらい歩いて通うかの途をとらなければなりません。さいわいに省營バスが淺蟲から青森まで開通しておるのでありますけれども、この省營バスもとても滿員鈴なりの状態でありまして、通勤者はまことに迷惑をしておるようなわけであります。かてて加えて、この久栗坂に結核療養所が設けられまして、ただいまこの久栗坂の結核療養所というものは、非常に利用されておるといつたような状態であります。ただいままでは醫療團がこれを經營しておつたのでありますが、今度醫療團の解體によつて、ただいまは國立病院に相なつておるようなわけであります。この結核療養を受ける患者のためにも、また青森市の通勤者のためにも、ぜひこの際この久栗坂に、せめて簡易停車場でもよろしいのでありますから、設けられまして、何とかしてこれら地方民の便益をひとつはかつていただきたいというのが、本請願の趣旨なのでございます。東北本線というような、まことに重要なる路線の一驛でありますが、せめて朝一囘、夕方一囘でいい、ここに停めていただきたい。また御當局においても、これにりつぱな停車場を設けることは至難かと考えられます。しかる場合は、通勤者のために簡易停車場を設けて通わせるという處置でも、私どもはまことに助かると考えておるようなわけでありますから、何分にも本請願を御採擇くださいまして、政府當局を御鞭撻の上に、一日も早く本請願の趣旨が達せられますように御勘案くださるよう、お願い申し上げる次第であります。
○高瀬委員長代理 本請願に對する政府側の意見を聽取します。
○田中(源)政府委員 請願の御趣旨はごもつともと存じまするが、同位置に驛を設けるといたしますと、ここには根井川の橋梁がございますし、これを避けて國道との交叉箇所を見ますと、カーヴと勾配にかかるので、工事はまことにむずかしいと思います。こういう條件にありますので、一應とくと調査をいたしてみます。しかし日本は一里に一つくらいの驛がありまして、ほとんど大量輸送機關の效をなさないくらいにまでたくさん驛があるのであります。一つの驛をこしらえますにつきましても、いろいろ條件もございまするし、かつまた相當の豫算もかかるので、こういう點に關しましては、青森市と近距離の間でもございますから、でき得る限りバスを利用いたしまして、その交通網を補強いたしていく方がいいのであります。萬一民間のバスがないということでございますならば、淺蟲から省營バスが通つておるのでありますから、この點について一應の調査、考慮をいたしてみる必要もあると思います。もし民間のバスがありますならば、これを補強、強化いたしまして、御趣旨に副うようにいたしていきたいと思うのでありまして、今後驛の設置に對しましては、愼重に考慮いたしていきたいと考えております。右よう御了承をお願いいたします。
○山崎(岩)委員 御承知の通り東北地方は約五箇月間雪に埋もれております關係もありますので、省營バスの運行がございますけれども、冬季間はなかなか容易ならぬ状態であります。わけても雪の中を通うことはなみなみならぬ困難があるのに何とかできることならば請願の趣旨を達成せられまするように、御努力のほどをお願いいたします。 —————————————
○高瀬委員長代理 では日程第二五、日本通運株式會社の現業を解放の上舊關係業者にその營業權竝びに設備返還の請願、山崎岩男君紹介、文書表番號第二四七號を議題として、紹介議員山崎君の紹介説明を聽取いたします。山崎君。
○山崎(岩)委員 本請願は青森縣舊マル通復元期成同盟會の鈴木武君から請願されたものでありまして、私からその趣旨を御説明申し上げたいと存じます。 政府は戰時中戰爭目的達成のために、業者の營業權竝びに設備を強制的に日本通運株式會社に移讓せしめたのでありますけれども、今日すでに平和日本誕生の曉におきましては、その目的、事由ともに消滅したものと考えるのであります。今後においてまた存續の必要を認めるというような事態は、ただいまのところないように考えられます。戰時體制を解きました今日におきましては、戰時下重要なる統制のために日本通運株式會社というものを設けて、それを統制いたしました事由はもはや解消したものと考えられますので、この機會におきまして、ぜひこれをもとの關係者にかえしてもらいたい。こういう請願の趣旨なのであります。そもそも小運送業の獨占というものが、再生日本經濟の興隆に非常な障害を與えておるのは、いまさら贅言を要しないのであります。そこでこれを機會としまして、もとのごとくに一驛に數店を設けまして、互いに刺激し合う、互いに牽制し合いまして、正しい意味においての自由競爭のもとに、健全な發達を遂げしむる制度を確立することによつて、初めて小運送業の民主化ということができると考えるのであります。これこそ新憲法の精神に副うところの經濟機構の再確立ということにもなるかと考えるのであります。そこでこの小運送全體としての能率の向上をはかり、さらにまた國民負擔の輕減をはかる意味からしましても、この際日本通運というものを解體いたしまして、舊の業者にこれを復元せしむるということが必要でなかろうかと思うのであります。一體日本通運株式會社は、當初いかなる目的をもつてつくられたかと申しますと、これは事業の統制ということではなくして、交互計算、貨物引換證の整理、こういう點に非常な便宜があるというので、全國の小運業者を統括いたしまして、これを助長することを本來の目的として國策會社を設立したのが、ただいまの日本通運株式會社なのであります。この會社の使命というものは、交互計算、貨物引換證の整理ということにあつたのでありますが、たまたま戰局が非常に不利になつてまいりまして、どうしてもこれを整理統合していかなければならぬという政府の方針によつて、本來の設立の目的がゆがめられまして、そしてここに事業の統一ということに相なつたのであります、そういう日本通運の發足するにあたりましての行きかがりというものもございますので、この機會におきまして日本通運を解體いたしまして、舊の業者にこれを還えせしめいただくということが、きわめて時局的なやり方ではなかろうか。さらに政府のただいま發布いたそうといたしております、たとえば經濟力の集中排除法におきましても、あるいはまた獨占禁止といつたような建前からいたしましても、これはすこぶ時局的なやり方でなかろうかと考えるのです。青森縣におきましても、舊マル通の復舊期成同盟會というものを設けまして、そしてこれが目的達成のために、ただいまいろいろな奔走をいたしておるような次第であります。本委員會におかれましては、この時局的なる問題の解決につきまして御明鑑を垂れさせまして、御採擇をいただき、政府をして一日も早くこの目的を達成せしめる處置をとられるよう、お願いしたいというのが本請願の趣旨てございます。ここに御紹介を申し上げる次第であります。
○高瀬委員長代理 では政府側の意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 本請願の要旨をただいま拜聽いたしたのでありますが、なるほど日通の設立當初の目的と申しますか、その中には請願の紹介議員の御説明の點も含まれておることと存じます。本問題は單に青森縣の復舊期成同盟會の請願として考えることはできないのでありまして、日本全體の小運送面に關する考え方をしていかなければならぬと思います。日本通運の現在のあり方につきましては、政府でも考慮しております。今後の小運送の目標、そのあり方につきましては、本議會に通運事業法案を提案いたしまして、これによつて畫然としていきたいと考えておつたのでありますが、それも未だ決定を見ない點がございますので、遺憾ながら本議會に提出することは間に合わないと思います。しかしながら來議會には必ず提出いたします。しかして日通の問題はその通運事業法とにらみ合わせて處置をしていかなければならぬと思うのであります。これはただ交互計算なるものばかりでありませず、——交互計算は今後において交互計算會社を設立する考えを政府はもつております。なおかつ、いかなる形態において、これをただちに鐵道の輸送面とマツチして支障なからしむるかという問題であります。この事前準備が行われなくして、日通の解體をいたすということは困難であります。從つて通運事業法を來議會に提出いたしまして、その通過と相まつてこの法案と伴つて諸種の設備を整えた上で、日通に對する諸般の處置を講じていきたいと考えております。從つてそれを行います上におきまして、いたずらに小さな業者が濫立をするということも一面防いでいかなければなりません。たとえば一驛一店主義の制度を打破するにいたしましても、小さな、荷物のないところに三つも四つも運送店ができて、業者を濫立せしめて運送を混亂に陥れるということもあつてはなりませんので、適當にその地方の情勢を勘案いたしまして、輸送上小運送の面において遺憾なきを期していきたいと考えております。それまで本請願に對するところの全國的なる處置といたしまして、しばらく政府の處置に對する御猶豫をお願いいたしたいと考えております。
○山崎(岩)委員 ただいまの御説明によりまして、政府におきましては、十分に關心をもたれて御研究であるという點は了承いたしました。何分にも速やかにこの請願の趣旨が達せられるように、今後とも一段の御努力のほどをお願い申し上げます。
○高瀬委員長代理 次に日程第二七、五條、新宮間鐵道速成の請願、前田正男君紹介、文書表番號二六三號を議題として、紹介議員前田君の紹介説明を聽取いたします。前田君。
○前田(正)委員 本請願は奈良縣の南部にあります宇智郡と内吉野方面との關係の者を集めまして、内吉野開發委員會というものを組織しております。この委員會の會長の西尾修五郎氏の名前で出ておるわけであります。この請願の趣旨は請願書にも大體書いてありますが、奈良縣の南部地方にあります五條という町から、和歌山縣の新宮に至る間の鐵道を早く貫通してもらいたいという趣旨であります。實はこの五條、新宮間の鐵道につきましては、これはずいぶん古い昔の歴史からいたしまして、大正八年時分にこの五條、新宮間の貫通期成同盟會ができまして、その後數十囘のいろいろな交渉とか、あるいは政治方面のいろいろ關係筋の方の御協力によりまして、ようやく昭和十四年の三月、五條驛から途中の大塔村の阪本に至る約二十四キロの間を、第一期工事として著工することになつた次第であります。そうしまして現在のところ、そのうち賀名生までの約六キロの間は大體基礎の土木工事が完了しておりまして、途中の吉野川の鐵橋の基礎工事だけはできておる次第であります。ところが大東亞戰爭が勃發いたしまして、これが一時中止になつて今日に及んでおる次第であります。この五條、新宮間の鐵道の非常に必要性があるということは、すでにもう十分御了解になつて、運輸省自身も現在までの間にこれだけの工事を進めていただいてあるわけでありますが、この請願の趣旨といたしましては、ぜひともこれを貫通してもらいたいという意味でありまして、現在この地方にありますところの林業の生産というものは、實に莫大なるものがあるのであります。年産供出量だけにつきましても約五十萬石供出があるのであります。木炭も三十五萬俵、薪にいたしましては五十五萬束、年産の供出量をもつておるのであります。その他地下資源の鑛産物でありますとか、あるいは特殊農産物であるところの果樹類であるとか、あるいはまた最近盛んにやかましく言つておる輸出用のしいたけであるとかいつたものが非常にたくさん出てくるばかりでなしに、この地方は吉野熊野國立公園を貫通することになりまして、現在吉野熊野國立公園にはいります交通路といたしましては、ただわずかな自動車道路が、未完成ではありますが、あるはずであります。そのほかは川に船を浮べて、プロペラ船によつてこの吉野熊野國立公園の奥深くはいるというような状態でありまして、この國立公園に對する唯一の交通路になるばかりでなしに、この地方には非常に有名な舊跡もあり、あるいはまた温泉地帶もありまして、將來の日本の觀光地といたしましても、非常に有望な地點であるのであります。また戰災復興用のいろいろな地下資源、あるいは林産物等をまわします上にも、現在近畿地方においてはこの地方を除いてはほかにないと言つておるばかりでなしに、實は鐵道自體におきましても、鐵道電化に必要でありますところの電力も、この地帶の發展を期する場合において、近畿地方においては電源が得られないというような實情になつております。從いましてこの間の道路につきましては、現在まで鐵道省におきましても、特に昭和二十一年の二月、この鐵道の先行といたしまして、省營の貨物自動車の増車の援助をいただいております。最近に至りましては進駐軍の車も多數ありまして、十二月の半ばごろにはいよいよその運行を開始することになりまして、近く自動車區間が設定されることになつておるようであります。そういうふうに現在運輸省自身といたしましても、その必要性を認めておられる次第であります。しかも私たちから見ましたならば、この工事が途中で放棄されておることは、まことに殘念な次第でありまして、この關係地方の者はぜひとも一日でも早くこの鐵道が貫通することを期待しておる次第であります。このことにつきましては實は大阪の地方施設部においても私たちとまつたく同意見でありまして、昨年來特に表面的な豫算はなかつたのでありますが、その測量に從事して、いろいろと資料を整えていただいておる次第でありまして、いつでも工事にかかるというばかりでなしに、施設部においても、ぜひともこの工事には協力していくというような非常な熱意をもつていただいております。もちろんこれに關係ある町村におきましては、從來多額の費用をかけて、この工事完成のため運動してきたばかりでなしに、今後におきましても、みんなできるだけの援助努力はしたい。こういう非常な熱意をもつておりまして、これができると否とは、この地方の開發ばかりでなしに、全體の開發に重大なる影響を與えるという點で、みんな非常な熱望をいたしておる次第であります。ぜひともこの點を御考慮願いまして、本請願を御採擇願いたい。なお私たちといたしましては、實は二十二年度の豫算にもこれが載るということで非常な期待をしておつたのでありますが、遂に載らなかつたのであります。ぜひとも來年度の豫算にはこれを載せていただきたいという非常な熱望がありますので、特別の御考慮のほどをお願いしたいと私は思うのであります。大體以上が請願の趣旨でありますが、現在のところ鐵道を新設されるということにつきましては、いろいろと困難な事情もあることとは存じますが、日本の再建、殊に近畿地方におきましては、この鐵道によりまして再建のため得るところ非常に大なる點もありますので、ぜひともこの未完成工事を著手していただきますように、特別の御配慮のほどをお願いいたしまして、私の説明を終りたいと思います。
○高瀬委員長代理 政府側の意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 ただいま當請願に關する趣旨をお述べになりました。至極同感であります。申すまでもなく同地方には日本の舊跡、名所、史跡が多數ある。殊に日本でも有名な林産資源をもつておる所でございまして、かつては建設費の豫算に計上された線でございます。それがために五條から賀名生までは路盤工事が進行しておりますが、資材その他の關係で工事が一時中止されております。賀名生から阪本まではいまだ著工いたしておりません。しかし本線は吉野山脈の熊野川流域に沿つて本宮から新宮に出るという難工事をいたしていかなければなりません。同時に一キロ以上のトンネルも數箇所を豫定しなければならぬと存じます。現行の國家財政竝びに資材面から申しまして、當請願の御趣旨はもつともでございまするが、豫算面及び資材面に制約されましてこの工事を促進していくということは、來年度におきましてもほとんど困難であろうと思うのであります。從つて過般來これが豐富なる林産物の輸送に關しまして、貨物自動車の線路を考えまして、五條、十津川間の自動車を開通いたすことにいたした次第であります。道路さえよくなりまするならば、また民營のバスの同意を得られ、これに對する協力も得られまするならば、民營のバスを運行してはいかがかとも考えております。そういうことで一應これによつてこの地方の請願の御趣旨におこたえをいたし、國家財政が許す、あるいは資材が許す時期に至りましたならば、これらの資源の豐富なる地域の開發をいたすためには、ぜひともこの豫定線を實行いたしていきたいと考えておるようなわけでございますから、まことに地元民の方々の御要望に對してはお氣の毒とは存じまするけれども、右ようの點を御了察願いまして、當分の間は政府の代行機關によるものをもつて御了承を願うよりいたし方がないと存じておるようなわけであります。この點特に御了承をお願いいたしておきたいと存じます。
○前田(正)委員 これを新宮まで開通いたしますのには多數の工事があるのでありますが、第一工事の坂本までは何とかぜひ開通していただきたいと私ども思つております。自動車によりましてこの間の資源を運び出すということもできるのでありますが、實は坂本までの途中に非常に大きな天辻という峠がございまして、これは自動車によつては運びきれない輸送路をもつておる非常な難道でありますので、ここにどうしても鐵道によるトンネルの開通を非常に期待しております。これさえできれば、あとは大體現在の道路で自動車の運行によつても、ある程度資源を運び出すことができるのではないか、こういうふうに期待しておるのであります。從いましてただちにこの既設の地盤に鐵道を敷いていただくことも困難でありますし、さらに賀名生から先に土木工事を進めていただくことも困難かもしれませんが、私といたしましては、できたらひとつ土木の方面だけでも、あるいは調査の方面からでも結構でありますから、來年度からでも著手していただきたい。また私たちの方にたびたびおいで願つておる大阪地方施設部の方も、その點について理解ある協力をしていただいております。私たち關係町村の方もできるだけの援助をしたいと申しておりますので、できたら調査方面からでも、あるいは測量方面からでも結構でありますので、來年度からでも坂本までで結構ですからやつていただきたい、こういうことをぜひ御考慮をお願いしたいと思うのであります。自動車だけの輸送量では實は運び切れないばかりでなく、いずれはこの地方の森林資源の開發もやらなければなりませんし、電源の開發もやらなければならないことになつております。これは奈良縣自體におきまして現在電源の開發をやつておりますばかりでなく、鐵道省自體におきましても、この方面にはたびたび御調査に來ておられるわけでありますので、この峠の資源を運びます一番難關になつております第一工事だけについては、できるだけ積極的な著手をお願いしたいということを私から申し上げまして、ぜひともこの趣旨を貫徹していただきたいと存じます。 —————————————
○高瀬委員長代理 それでは日程第三六、松戸、土浦間電化促進の請願、文書表番號第三二四號を議題として、紹介議員原君の紹介説明を聽取いたします。
○原(彪)委員 私は松戸、土浦間電化促進の請願に關する紹介議員としてその趣旨を御説明申し上げ、御贊同を賜わりたいと存じます。御承知のように今日の國鐵の現状がまさに危機線上にあることは、先般發表されました國鐵實相報告書におきましてもすでに御承知の通りであります。いかにして今日の國鐵の危機を打開するかということにつきましては、先ごろの委員會におきましても、一日も早く國鐵再建の根幹ともなるべき方針を委員會において御發表あらんことをお願い申し上げたのでありますが、いろいろ豫算の關係、あるいは人の關係等がありまして、未だ確たる御發表がないのであります。これは私の卑見から申しますならば、國鐵の再建ということは、現在のこの百二十三億の厖大なる赤字を克服することがまず先決問題でありまして、これをやるためには、いわゆる年度計畫によつて、この赤字を埋め合わせるということがまず根本の問題であろうと思うのであります。一方におきましては國鐵のあらゆる經費の節減をはかり、また經營の面におきましては、各方面における經營の合理化ということがなされなければならぬと思うのであります。かかる意味におきましてまず取上げられる問題は、國鐵の最大消費物であるところの石炭の節約ということが、最も大事ではないかと思うのであります。この石炭の節約をするためにまず考えられる問題は電化の問題でございます。昨日の新聞紙上を見ますると、運輸大臣は豫算委員會におきまして、國鐵再建のためには九州、北海道を除く全國の電化が必要であるというようなことを御答辯に相なつたように拜見いたしておるのでありますが、まことに結構な御方針であると思うものでございます。何とぞ英斷をもつて國鐵再建の切替をなされるために、電化というものを大きくお取上げあらんことをお願いし、またこの委員會におきましても、委員諸君に電化問題につきましては十分なる御贊同を賜わりたいと存ずるのでございます。電化になりますればあらゆる方面におきまして——私から贅言を申し上げるまでもなく、石炭の節約、輸送力の増強、サービスの改善、勞働條件の改善、能率の増進、あるいは失業の救濟等、國鐵再建上幾多の利點をもつておるものでございます。しかるに現状をもつて見るならば、かかる利點があるにかかわらず、今なされつつある電化というものは、總走行キロ數におきまして約一割にしか當つておりません。かかる現状におきまして電化が必至であるにかかわらず、當局が現在のところ、何らこれに對して手を打つてないことは、まことに遺憾であると思うものでございます。今囘請願書にありまする松戸・土浦間の電化計畫は、これを歴史的に申しますならば、十數年からたびたび陳情をもつて運動を起しておつたのでございます。私もまだ議席を占めない一地方民としてありまするとき、田中武雄運輸大臣、さらに平塚運輸大臣にもお目にかかりまして再三再四陳情をいたしてまいりましたし、この前の議會におきましても、その前の議會におきましても、貴衆兩院で請願の採擇になつたにかかわらず、請願採擇のみであつて、何ら手を打つていただけなかつたというような現状でございます。この歴史を申しまするならば、昭和八年に土浦までの電化の計畫がされまして、その次に内田信也が鐵相當時これが豫算化され、當時の豫算の書類を私は探してみたのでありますが、不幸にして戰災にかかつてその豫算の具體的數字を知ることができないのは殘念でございまするけれども、上野から我孫子までこれを著工するということになつたのであります。しかしてあらゆる資材を整え、我孫子には變電所までつくり、準備萬端整え、ようやく松戸までの電化が完成したときに、戰爭の勃發と相なりまして、あらゆる資材が戰爭に集中しなければならぬときでありましたので、この電化もまた中止のやむなきに至つたのございます。しかるに今や戰爭は終結を告げるに至りまして、平和と文化と産業日本を再建せねばならないときにあたりまして、實に本線の交通難というものは言語に絶しております。まさに全國一でありまして、關東におきまして、否全國におきまして、常盤線の交通地獄というものは一つの名前となつております。そればかりではなく、地元民には、むしろ當局の善處が何らされないことに對して、怨嗟の聲が滿ちておる次第であります。わが國の主要都市がほとんど戰災によつて燒失し、特に東京の戰災は最も大きく、家を失つた都民は非戰災地へその居を求め、現在この沿線に東京から移住しておる者は數萬を超えるのでございます。しかして毎日混雜列車にゆられて通勤するのやむなきに至つておる状況でございまして、それが官廳ばかりでなく、會社、あるいはまた學校にまで、通勤列車の混雜にゆられて通つておるのでございます。またそればかりではなく、全國の各地方から來る學生で東京の大學に通つておる者が、東京に下宿先がないために、常磐線の沿線に下宿を求めて間借をして、そこから通つておる者が數萬おるということが實際の状態でございます。戰前においてすら郊外通勤のために、東京都を中心にして二十キロの電車化というものが計畫されて實施されたのでありますが、今日においては都會の人口が近郊に分散して殖えてまいりまして、この二十キロの通勤のわくがさらに擴大されなければならない状態に相なつておるのでございます。この列車の毎日の混雜さは文字通り殺人的でありまして、これを死傷事故數において見まするのに、昨年の七月から本年の六月まで一箇年間に統計をとつてみますと、常磐線は六十四件の死傷者、東北本線は六十三件、高崎線は六十二件でございます。この列車の混雜というものは特に朝晩がひどいのでございますが、通路は言うに及ばず、便所、洗面所まで立錘の餘地なきありさまでありまして、はなはだしきに至つては窓からぶら下つて、まことに危險千萬でございます。かかる混雜列車に身を委ねまして、朝は未明に起き、夕は八時、九時ごろに歸宅しまして晩飯にありつくような始末でありまして、肉體的にも、精神的にも、非常に非能率的であります。これを實際の面において見まするならば、ほかの線と比較いたしてみましても、全國でかような混雜をしておるところは——私自身東海道線にも、あるいは高崎線にも乘つてみましたが、かような混雜の列車というものはございません。むしろほかの線に乘つて、非常にすいておるのを見て驚くようなわけであります。東海道線などは、熱海からの通勤列車にも試乘いたしてみましたけれども、もう出發間ぎわに行きましても席がとれるような始末であります。從來當局のやり方というものは南進政策であつて、東京から南というと——もつとも五大都市というのがあるせいかもしれませんが、南というと何でもよき待遇を與え、東京から北というと——もつとも氣候が寒いせいもあつて文化的に發展しない關係があるかもしれませんが、非常に冷遇しておるのでございます。それは上野から北をごらんになればおわかりだと思いますが、今や敗戰になりまして南進政策というものがないのでございますから、しかも豐饒の土地東北竝びに北海道を控えておりまして、ぜひともこれは、そんな從來の南方政策をこの際改めていただかなければならぬと痛切に感ずるものであります。 東京を中心とする現在の電化の線の距離を計算いたしますると、東海道方面は沼津まで百二十三・五キロ、中央線は甲府まで百三十キロ、總武線は千葉まで三十九キロ、大宮まで二十七キロ——これらの平均をとりますると、平均七十七キロになります。しかるに常磐線は松戸まで二十一キロしか電化されていない。その虐待ぶりが數字上でおわかりであると思うのであります。 常磐絲の輸送の現状をさらに詳しく申し上げますると、まずほかの線との比較になりまするが、これを通過人員で比較いたしてみますと、本年七月十八日の調べでございますが、松戸、我孫子間は通過人員六萬三千百五十九人、乘る率は二二〇%でありまして、それが全國第一位になつております。その次は大宮、熊谷間であります。通過人員五萬六千五人、乘る率が二一六%で、全國第二位であります。第三位は横濱、大船間でございます。數字上から見ましても、實際上からいたしましても、全國一の混雜地區であるということはおわかりに相なると思うのであります。さらにまたこれを土浦の一日平均を見ますと、通勤者だけでも——パスをもつて東京に通勤する者は土浦驛一つだけでも、正確な數字でありますが、一日に九千九十人であります。普通の乘客を入れれば上りが一萬二千九百人、下りが一萬二千五百人、一驛だけでかようでございます。この沿線から通つておる者は通勤者だけでも一日五萬は下るまいという數字が出てまいるわけであります。現在、先ほども申しましたような安孫子の變電所の建物もできておりまするし、殘るは松戸から土浦までの電化でございまして、ぜひともこれを御取上げ願つて委員諸君の方々の御贊同を特に賜わりたいと思うものでございます。本年も參議院の請願は無事採擇をされました。どうかこの委員會におきましても採擇されるばかりじやなく、ぜひ實行していただきたい。私も東京に居はあるのであります、この議會に通うにつきましては、毎日通勤者の身をみずから體驗して、二時間ゆられて通勤しておるような次第でございます。これは私の代議士生活における一つの地方的問題ばかりでなく、公平に見ましても、かかる虐待ぶりというものは、文化國家として立ち上ろうとする日本において、まことにはなはだえこひいきな、非文化的なことだと思いますので、ぜひ皆様の御贊同を願いまして、御採擇賜わらんことを切にお願い申し上げまして、私の趣旨辯明を終る次第であります。
○高瀬委員長代理 それでは政府側の御意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 ただいま請願の要旨につきまして、詳細きわまる請願の要旨を原君からお述べになりまして、まことにわれわれも敗戰の姿といえども、地方民に對して御迷惑をかけておることは恐縮に存じておる次第でございます。一日も早くこの苦難を皆様から脱していただきたいという考えをもちまして、目下いろいろ考慮いたしておるような次第でございます。私は電化問題に關する一般的な政府の考慮いたしておりまする面につきましての事柄は、この電化事業に對するすべての請願を一括いたしましてお答えをいたす方が、再三同じことを繰返すよりいいかと思います。それてこの請願に沼津、濱松間の電化促進が二件出ており、なお常磐線電化に關する問題及び水戸までの電化問題も他に二件出でおりますので、單に地方的な請願に對するお答えは別といたしましても、根本的な省の考えておりまする電化方針につきまして一緒に御説明を申しまして、これによつて請願者各位の御了承を仰げば非常に結構かと思うのでありますが、この點につきましては一應ただいまは、單に松戸、土浦間に關する請願の原さんの要旨だけにお答えをいたしておきたいと存じます。この請願の趣旨につきまして、るる原さんからお述べになりましたが、政府もできるだけ早く御趣旨の通りにいたしたいと考えております。ただ問題は要するに資材と豫算だけにかかつているのでありまして、すでに説明の中にありましたごとく、安孫子におきまする變電所もできているようなわけでございますから、でき得る限り豫算の面を考慮いたしまして、請願の御趣旨に副つていきたいと考えているようなわけであります。
○高瀬委員長代理 原君別に質疑はございませんか。
○原(彪)委員 たいへん御鄭重なる御答辯をいただいて感謝いたしている次第であります。いずれこれが電化計畫を、ほかの各地方の線も一緒に總合しておやりになるという場合において、この委員會が年度計畫についてどこを先にするかというようなことを、はたしてきめるべきものかどうかということについては、多少疑義があるのでありまして、行政の面にまでわれわれがあまりにくちばしを容れることはどうかと思いますが、五箇年計畫なら五箇年計畫とする場合において、一番混雜して一番ひどい所が、まず第一次の初年度に上げられるということを、われわれは熱望しているのでありまして、この點についてお答えを賜わりたいと思うのであります。
○田中(源)政府委員 いずれの線よりいたしますかということについては、この際お答えいたすことを避けたいと思います。ただ電化計畫をいたしました場合に、主要幹線及び交通量の面を最も考慮いたしまして、その順位を決定いたし、豫算と勘案いたしまして、今後におきまする施策の上に、できるだけ多くの線路を電化いたしていきたいと考えております。なお私どもの考えておりまする面といたしましては、主要幹線竝びに最も交通量の多い箇所及び特定の場所、こういうふうに考えております。特定の場所と申しまするのは、山間におきまする勾配の關係、そういつたような技術面を考應いたしまして、路線を決定していきたいと存じております。いずれ總括的な電化の所見を申し上げまするときにおいて、その點から御推察を賜わりましたならば、結構かと存じます。 —————————————
○高瀬委員長代理 では日程第二、沼宮内驛改築促進の請願、山本猛夫君紹介、日程第三、葛巻く、落合間竝びに沼宮内、盛岡間省營バス運輸開始促進の請願、日程第四、御堂信號所を一般驛に昇格の請願、山本猛夫君紹介、これを一括議題として志賀健次郎君より代つて紹介説明を願います。
○志賀委員 紹介議員山本猛夫君に代りまして、一括いたしまして請願の趣旨をお話し申し上げます。 まず第一に沼宮内驛舎の改築促進の請願であります。東北本線を御旅行なさる方はたれでもわかるのでありますが、この驛舎は今からちようど六十年前、明治二十一年に日本鐵道株式會社が建設したそのままの驛舎であります。まさに國鐵發達の一つの好個の遺物になつておるのであります。この沼宮内驛はただいま申し上げたように六十年前の建物でありますから、列車、バスの發著時における混雜というものは名状すべからざる状態であります。殊に東北ですから、雪が降つた場合、雨の降つた場合などは乘客は狹隘な驛舎にあふれまして、雨雪にさらされて、まことに氣の毒な状態であります。さらに驛舎の事務室が非常に狹くて、驛員はおちついて仕事ができないのであります。事務の能率が上らないのはもちろん、驛舎が古いためにときどき事故の發生などを見ておるのであります。最近この沼宮内驛は國營自動車路線の中心點となつておりまして、旅客の乘降は非常に増加いたしておるのであります。昨年運輸省から驛舎の改築の趣きが御發表になりましたので、地元民は非常に喜んでおつたのでありますが、未だにその工事の著手を見ておらないような状態であります。どうか一日も早く改築を急がれて、旅客の利便に供されるようにお願いいたしたいというのが第一の請願の趣旨であります。 それから第二の請願でありますが、これは葛巻く、落合間竝びに沼宮内、盛岡間の省營バス運行開始促進の請願であります。これまた運輸省におきましては國營自動車路線に編入しておると承つておるのでありまして、沿道市町村民は非常にその達成されることを待つておるのであります。どうか地方開發、畜産振興のためにも、一日も速やかにこれが實現を果していただきたいというのが請願の趣旨であります。 第三の請願は、東北本線の沼宮内驛と吉谷信號所の間に御堂信號所というのがあるのでありますが、この信號所を中心といたしまして約數百戸の民家があるのでありまして、豐富な林産あるいは畜産というものが未だに交通不便なため開發せられないような状態であります。これまた本委員會において特別の御詮議をもつて、速やかに一般驛に昇格させていただくようにお願いする次第であります。
○高瀬委員長代理 政府側の意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 請願要旨に對しましてお答えをいたします。沼宮内驛改築促進の請願の御趣旨ごもつともと存じます。本年度に實施する運びに至りませんでしたが、請願の趣旨に副い、できるだけ近い時期に實施いたしたいと思います。 第二の請願でありますが、すでに葛巻く、落合間は最近に開始することになつております。沼宮内、盛岡間の路線につきましては、民間の業者もあることでございますし、また岩手縣内における各方面からの省營自動車開始の要望もございまして、その他の路線との比較關係もありますので、その方はただいまただちに實施するという考えはもつておりません。 第三點につきましては、御堂信號所を一般驛にせよとの請願の趣旨でございます。これは請願の趣旨はごもつともでございますけれども、その地方の實態をよく調査をして、技術的な面から考慮いたしていかなければならぬと思うのであります。大體において技術的な面におきましては、客扱竝びに貨物扱の驛をここに設置いたすことについては、困難な實態にあるのではなかろうかと思うのでまります。かりにこれを技術的に種々くふうしていたすとしても、國家の財政上及び資材の關係から、當分の間請願の趣旨に副い得ることは非常に困難な實態であろうかと存ずる次第でありますから、この點さよう御了承を願いたいと存じます。
○高瀬委員長代理 御質問はございませんか。——それでは次に移ります。 —————————————
○高瀬委員長代理 日程第四九、沼津、濱松間電化促進の請願、神田博君はか九名紹介。日程第五〇、沼津、濱松間電化促進の請願、神田博君ほか十一名紹介を議題として神田君の紹介説明を聽取いたします。
○神田博君 ただいま議題になりました沼津、濱松間鐵道電化のことに關しまして請願の説明を申し上げたいと思います。請願者は沼津、濱松間鐵道電化期成同盟會會長小林武治君——今の靜岡縣知事であります。それから今一つは財團法人靜岡縣觀光協會會長中山均君、この兩君であります。この請願を出すにあたりましては、しばしば靜岡縣といたしまして縣民大會を靜岡あるいは濱松、清水その他で開きまして、關係市町村長はもとよりでありますが、商工會議所會頭あるいは産業團體、經濟團體その他重要な指導的立場にある者はもとよりといたしまして、縣民二百三十六萬人を代表いたしまして、大方の盛り上る力によりまして、沼津、濱松間をぜひ電化をしていただきというのが要旨であります。靜岡縣民といたしましては、政府がさきに急迫せる石炭對策と、失業救濟の見地より、大規模な國鐵電化計畫を發表せられまして大きな期待をもつておつたのでございます。沼津、靜岡間鐵道電化に關しましては、本年の春早々起工式までおあげになりまして、諸般の準備が整つたというように伺いまして大いに待望いたしておつたのでありますが、その後いろいろの事情によりまして中止になつておるのはまことに遺憾にたえないのでございます。靜岡縣は石炭生産地より非常に遠隔の地でございます。またその反面電源を豐冨にもつておる縣でございます。濱松、沼津間の列車削減前の石炭の消費量は年十一萬トンというふうに伺つております。ただいま石炭需給の關係が非常に悪いことを考えますと——なおまた沼津、東京間の一日の列車運轉囘數は二十數囘になつておりますが、沼津以西におきましては非常に少い状態でありまして、旅客の混雜また物資輸送の非常な困難を來しておる實情でございまして、どうしても早く沼津、濱松間の電化を完成していただきたい。昨年の議會におきましても、この種請願が通過しております。また先般は參議院の請願も通過いたしておりまして、われわれ縣出身代議士諸君は一致いたしまして、この請願の紹介をいたしまして、ぜひとも來年度豫算には計上していただきたい。先ほど常磐線の電化につきまして、原君かちいろいろ電化計畫のことに關しまして御説明があつたようでありますが私お運輸政務次官とされまして練達堪能、大いに手腕を揮われるであろう田中政務次官を信頼いたしまして、るる申し上げることはいたしません。詳しく申し上げろと言われれば、ここにたくさんの材料がございますから、何時間、何日でもお願い申し上げる用意はしておりますが、請願の趣旨が請願の趣旨でありまして、一日も早く電化していただきたい。田中政務次官は郷里に行かれるたびごとに通過されておりますから、大體おわかりのこととは思いますけれども、ローカル列車についてはそう詳しくないと思います。しかし鐵道にはいろいろのデーターがございますから、よくごらんになつていただきますれば十分御承知願えるし、高瀬委員長代理も靜岡の運輸事務所に相當永く御在勤の經驗もございまして、この方面にかけては、これはもう私が申し上げるまでもなく、御理解がお深いというように確信いたしておりますので、これまたるる申し上げません。委員の各位もまた私どもの先輩であり、同僚であり、大方東海道を御旅行なさつておられる諸君でありますので、諸君の絶大なる御支援をお願いいたすことにいたしまして、ぜひとも來年度豫算に計上していただきまして、御完成を急速にしていただきたい。電化計畫は各種各地に要望されているようでありまして、その割振りということにつきましては、これは運輸省といたしましても、いろいろ御苦心なさると思いますし、當委員會といたしましても、いずれもなかなか御苦心のあることと思います。特にこれは東海道本線の國鐵幹線であり、また豐冨な電源のある所でありますし、石炭生産地からは遠い。また産業、經濟、文化という面、また最近におきましては國際收支の關係から、觀光という方面についても相當これは考えなければならない。そういうことを考えますならば、靜岡縣は觀光縣として天與の資源をもつている地でございます。諸般の角度から勘案いたしましても、まさに來年度のこの種計畫をいたしまするには、景も右翼の方におるのではないかと考えているのであります。しかしなかなかこれは豫斷を許しませんので、各位にお願いいたしまして、ぜひ當委員會を御通過さしていただくことはもとよりでありますが、政府側におきましても、一日も早く豫算化していただきまして、この電化完成に御配慮願いたい。これがこの請願の趣旨であります。よろしくお願いいたします。
○高瀬委員長代理 政府側の意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 この機會に政府の所信を簡單に申し上げまして、請願の要旨にお答えいたしたいと思うのであります。政府、特に運輸省におきましては、まず第一に現在の赤字をいかにするかという問題があります。かつまた將來におきましての國鐵經營をいかに處理していくかという問題があります。この國鐵を再建いたします上におきましては、いかにして最も合理的な經營を行つていくか。その企業ということについて考えていかなければならぬのであります。これが獨立採算制をとつていく場合においては、純然たる企業形態という觀點に立つていかなければならぬのであります。本日參議院の豫算分科會におきましても、運用の點を申してきたのでありますが、まずこの企業形態を獨立採算制をとつてまいります上においては、第一には積極的なる經營形態をとるということ、内面的には消極的ではありますが、最も合理的に、かつすべてこの資材の能率を高めていくと同時に、できるだけ配置轉換その他の方法によりまして、適當なる人員をもつてこれを運營していく、さらに進んで各種の資材使用の面におきましても、節約をいたしまするのみならず、購買の面におきましても、十分に注意をいたしていかなければならぬのであります。要するに、經營面における物件費の合理的なる使用、物件費に對する節約ということを考慮していかなければならぬのであります。そういう面から考えてみまして、國鐵の將來の企業面においては、まず電化をいたしまして、これによつて七百萬トン近い消費炭を、その二分の一まで、減していく、いわゆる物件費を減ずるという施策をとつていかなければならぬのであります。今日電化をいたしますについても、まず必要なる資材といたしまして、鐵が要りますし、かつまた銅、セメント、木材というものが要ります。このセメントとか、あるいは木材とかいうものは、國内自給をいたすことは可能でございますが、何としても鐵及び銅に至つては輸入にまつより途がないと思います。現下の日本の製鐵能率におきまして、今日積極的施策を行うところの經營の面に必要なる鐵及び銅の所要量の配分を受けることは、まず不十分と私どもは考えておりますので、為替囘轉資金の一部をこれに利用いたしまして、輸入にまつて、それらの資材を確保していきまするとともに、他面電源を確保していかなければならぬのであります。これは日本の總合的電力量使用という面につきまして、その筋との了解をまず得ていかなければなりません。資材の確保及び電源の設置に關するその筋の了解と、電力の確保に對するその筋の了解を得るということと、また併せてここに考慮いたさなければならないことは、その豫算面であります。今日電化を行いますならば、複線におきましてキロ當り少くとも六百六十萬圓、これを單線にしました場合におきましても、四百三十萬圓の費用が要るのであります。資材においても鐵は一キロ當り四十五トン、銅は十七トン、セメントは四十トン、木材は六百三十石要るのであります。これらの面におきます豫算を、どの程度まで國家が積極的に經營合理化の上におきまするところの企業豫算として認めてくれるかという問題であります。かような見地から、今申しましたように、私どもは國内的に……内面的におきましては、まだいろいろな從業員に對するところの問題、あるいは國鐵勞働組合の問題につきましても申し述べることもございまするが、要するにこの問題は一にかかつて資材と資金、同時に電源をいかにして確保し、いかにしてこれをなし得るかという問題でございまして、この問題につきましては、まず資材に關しては輸入にまつという方途をとり、しかも電源に對してはその筋の了解を得、豫算の上においては、事業資金といたしまして、いわゆる建設公債というものを特別に發行することを認めてもらいまして、そうしてこれを年次的に、わが日本の主要幹線及び特定の地域、すなわち山間部におきますところの勾配の關係等によります特定の地域を、まず電化いたしていきたいと考えておる次第であります。申すまでもなく主要幹線は山陽、東海道、東北線でございますが、このうち最も石炭の消費を要する方面から行つてまいりたいと思つておるような次第でありまして、ただいま申しましたような點につきまして、大體年次計畫の上にいたすならば、七箇年以内においてある一定の電化をいたして、この獨立採算制が確保できるようにいたしていきたいと考えておるわけであります。從つてその七箇年間における年次計畫に要する所要資材、豫算等が、許しまするならば、來年度よりただいま申しました線に沿つて、この電化を行つていきたいと考えております。從つてその面から東海道及び山陽線のごときは、最も石炭消費量が多いのでありますから、さような處置に出ます場合には、まず第一に請願の要旨に副うように、できるだけ進んで處理していきたいと考えておるような次第であります。以上大體電化方針に關する政府の考えの一端を申し上げまして御了承を仰ぎ、かつ請願の要旨に對するお答えといたしたいと存じます。
○神田博君 ただいま田中政務次官から懇切な答辯を拜聽いたしました。ただいまの御答辯によると、七箇年計畫というような一つの計畫をお立てになりまして、それに資金、資材を勘案、配分、調整いたしまして、そうして運輸省が最も必要とする方面から著手するつもりであるということが明らかになつたのでございます。しかしてまた東海道本線、あるいは山陽線は特に電化しなければならぬ點が高度であるというふうに拜聽したのであります。そこで私繰返すわけではありませんが、電化計畫は途中からお始めになる場合もありましよう。いろいろ勾配等の關係その他特殊關係もあるでありましよう。しかし何というても東海道本線、これは沼津まで行つておるのでありますから、そこから先だけ工事にかかる、沼津の先で車庫のありますのは濱松になつておりますから、濱松まで一氣にこれをやつていただくということになると、非常に經濟的な利便が多いじやないか、靜岡までもつてきて、また一年經つて濱松にもつていく、あるいは二年經つてもつていくということになると、靜岡にも車庫をつくらなければならぬ。濱松にはりつぱな車庫の施設がありますから、あそこまで一氣にもつていけば、たいへんぐあいがいいではないかと考えるのであります。立ち入つて内部のことを私どもとやかく申し上げる意味ではありませんが、東海道本線と山陽線が運輸省としても電化計畫の一番對象になる點であるということを聽きました。また電化するということは、どうしてもこれは電源の問題と離れることのできない因果關係があるわけでありまするから、そういうことを考えますと、東海道線の沿線におきましては、靜岡縣ほど電化に惠まれたところはないのでありまして、靜岡縣、岐阜縣等が最も尤なる電源保有縣でありますので、どうしてもこれはひとつ沼津、濱松間を特別の御詮議をもつてお願いいたしたい。これは縣民の非常な熱望でありまして、もうどのくらい運輸省に陳情に來ておられるか、あるいは關係方面に陳情されておるかわからないくらいであります。文書をもつて厖大な陳情もされておるような實情でありまして、われわれ出身の者といたしまして、一番この間の事情を承知しておるのでありますが、特別のお計らいによりまして、明年度豫算には特に御配慮願いまして、明年度中には完成していただくようにしていただきたい。くどいようでありますが、重ねて各位にお願いいたしまして、本請願の説明を終ることにいたしたいと思います。
○高瀬委員長代理 では日程第四五、邊富内線速成竝びに十勝側分岐點を清水とするの請願、高倉定助君外二名紹介を議題として紹介議員の説明を聽取いたします。高倉定助君。
○高倉定助君 本線は十勝、釧路、根室等のいわゆる東部北海道より日高、瞻振を經まして、室蘭市を經て本州に連絡するところの最短距離でありまして、本十勝清水驛から根室線の狩勝峠を越えまして、瀧川、岩見澤を經まして、瞻振の苫小牧に至る現行の路線は實に二百五十キロ餘あるのであります。本線によりまして、日高の右左府から邊富内あるいは鵡川を經まして苫小牧に至りまするときには、わずかに百八十一キロの短距離になるのでありまして、この間八十四キロの短縮となるのであります。本州、北海道間の主要幹線でありますところの使命を有することは論をまたないのでありまするが、本沿線には數萬町歩の國有林あるいは農耕適地たる未開地がありますとともにこれらは千古斧鉞のはいらない處女林であります。殊に地下資源におきましてあらゆる鑛物が埋藏されておりまして、わが國再建上に不可缺の大寶庫、大資源であると思うのであります。 〔高瀬委員長代理退席、田村委員長代理著席〕 これが開發にあたりましては、あの輸送に制限がありますところの狩勝峠の隘路を打開するとともに、これによつて相當な大きな影響が輸送の面において生ずるものと思うのであります。さらに北海道の拓殖鐵道及び十勝鐵道が清水驛から分岐いたしまして、鹿追の方に出、さらに上士幌に出ておるのでありまして、あの鹿追にありますところの大雪山國立公園の然別湖に達することができるのであります。かように兩者はいずれも國費と地方費の補助を得ましてようやく運轉いたしておるのでありますが、この分岐點の決定と同時に、兩會社が併合されまして、十勝清水驛から現在の人舞驛を經まして、一路屈足を經由いたしまして上士幌に通ずるところの兩線を一線といたしますときには、一大改革ができまして、現在の輸送の困難を除去することができるとともに、また關係町村民のこうむる利便は大なるものがあると信ずるのであります。さらにまたこれは上士幌から釧路國の足寄を經まして、阿寒の裏玄關として、阿寒國立公園の近道といたしまして大きな利便を得ますとともに、雄別炭鑛、標茶驛に向うところの縦貫線の開通を見ました場合におきましては、十勝と北見、釧路及び根室方面の重要産物はこの縦貫線によりまして室蘭に集荷されまして、現下の輸送難を克服することを得ますし、北海道交通の樞要線として重要なものとなると信ずるものであります。以上の觀點よりいたしまして、清水町は西部十勝の中心に位しておりまして、ますます今後進展の諸條件に惠まれておりますと同時に、將來の發展は自他ともに承認するところでありまして、本線分岐點といたしまして最適の地であると存ずるのであります。 〔田村委員長代理退席、高瀬委員長代理著席〕 かような意味におきまして、この鐵道は昭和十一年にすでに測量濟であります。從つてこれは當時のまま瞻振國邊富内より右左府を經て十勝御影附近に至る鐵道ということになつておりますが、御影附近ということを十勝清水に至るというように改正いたしていただきまして、そうしてこの鐵道の促進とともに、清水町をして分岐點にしていただきたいということをお願いするのであります。昭和九年よりいろいろと請願をしておりまして、これが實現をするべく測量も終つておるようなわけでありますが、戰爭のために遲延をいたしておるように存じておるのであります。この點につきまして、いろいろ豫算その他の事情もありましようが、この日本再建のホープである北海道の農國十勝と畜産日高を結ぶところの一線であり、また最短距離になりますところの内地と交通との大きな利便にもなりますので、この點御考慮をくださいまして、ぜひ明年度より實施されますとともに、清水驛を起點として實施に相なりますようにお願いする次第であります。以上請願の簡單な理由でございますが、どうか委員各位におかれましても十分御了承願いまして、御採擇くださるとともに、これが一日も早く實施されるに至りますようにお願いいたす次第であります。以上請願の趣旨を申し上げた次第であります。
○高瀬委員長代理 政府側の意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 邊富内線速成竝びに十勝側分岐點を清水とせよという請願の要旨と拜承したのであります。この線は六十九議會で運輸系統竝びに線路の開發路線といたしまして建設費の豫算に計上された線路でありまして、百十六キロという長いものでございます。このうち、邊富内、振内間は路盤工事が大部分竣功しております。二十二年度には日高、瞻振の國境のトンネルの工事を繼續いたしますとともに、順次工事に著手いたしたいと存じております。沿線には鑛物、林産物の資源がきわめて豐富でありますので、とりあえず省營トラツクを運行いたしまして、地方のこれらの資源、物資の輸送に當つておるようなわけであります。なお、十勝側分岐點を清水とする問題でございます。これは今どこにするかということは決定いたしておりませんので、いろいろの條件もございますが、主として技術上最も適當なる點、またでき得る限り地方經濟上及び公益上の利便に合致する點を選擇いたしまして、決定いたしたいと存じておるのであります。十分調査の上で決定いたしたいと思いますので、御諒承願いたいと思います。 —————————————
○高瀬委員長代理 日程第六、古樋、上札鶴間鐵道敷設の請願、飯田義茂君紹介、日程第二十六、常呂、中佐呂間鐵道速成の請願飯田義茂君紹介を一括して議題とし、紹介議員飯田義茂君の説明を聽取いたします。
○飯田委員 本請願は、北海道釧網線古樋驛、上札鶴驛間に縦貫國有鐵道の新設の請願でありまして、この請願は第九十議會におきましても採擇になつておるのでありますが、釧網線の古樋驛は海岸線でありまして、斜里驛を迂囘して上札鶴に出ておるのであります。その行程は五十五キロでありますが、この請願の要旨のごとく、奥地すなわち小清水市街を經まして古樋驛から上札鶴驛に縦貫するようになりますと三十五キロになりまして、二十キロの短縮をすることになるのであります。のみならず、小清水村は至つて平坦なる地形をなしておりまして、農村といたしまして、現在の戸數が千六百餘戸、九千四百餘人の人口を有しておるのであります。それから耕地といたしましても六千七百餘町歩を有し、あらゆる農産、畜産に、はたまた林産に富んでおる所でありまするが、今後またこの開通によりまして、奥地の開發すべきところの農耕適地約五千町歩を有しておるような次第であります。從つてこの鐵道の新設は地方住民の便利に資するのみならず、國家といたしましても裨益するところ實に大なるものがあるのであります。この釧網線全通は大正三年であつたと思うのでありまするが、この線の測量の當時は、實は今の請願の小清水村を通過しまして建設するものであつたのでありますが、この斜里という漁村がありましたので、これがためにここに迂囘して建設したということになつております。ここから見ますときには、この小清水村は決して捨ておけないところの路線でもあるのであります。御承知の通り北海道の今後の使命といたしましては、全國の開拓事業の大使命を帶びております。殊に北海道といたしましても東北端に位しておりますところの小清水でありますから、なお一層この開拓の餘地があるところであります。ゆえにどうか政府當局におかれましても、今日の國家經濟から考え、また資材面から考慮いたしましても容易でないとは思いまするけれでも、そういうような開拓の使命を帶びておりますところの地方でありまするから、特に御詮議の上、委員會としましては採擇せらるるとともに工事の實施に移られんことを切望する次第であります。はなはだ簡單ではありまするけれども、ここに説明申し上げた次第であります。 それからもう一つは常呂、中佐呂間の鐵道敷設でありまするが、昭和十二年に湧網東線及び西線と相まちまして開通しまして、中間のわずか三十キロというものが殘つておるのであります。言うまでもなくこの北海道の開拓は、明治の當初に第一期線、第二期線と區別して計畫を立てたのであります。この線は第一期線になつておりましたが、いろいろの事情でたいへん遅れまして、やつと昭和十二年にややその目的を達することになつたのであります。この線は旭川、網走間の二百キロのうち、双方から工事を行いまして、申し上げます通り、三十キロ殘つておるのであります。その三十キロにしましても、土工なり橋梁また一部には驛の建設までしておつたのでありまして、昭和十五年にはもう全通することになつておつたのでありますが、戰爭が始まりましたので、中止になつておるようなわけであります。そこで昨年の春に至りまして、この工事に著手したのでありまするが、何ゆえかこれがまた見合せになつたのであります。この地方も同様に、農産に畜産また海産、林産というように、いろいろな資源の豐富なところであります。この路線の必要はいまさら申し上げるまでもなく、すでに双方から二百キロの工事を始めまして、わずか三十キロ殘り、しかもそれが土工も橋脚もできておる。それが手をつけても何かの事情でこれを中止にしておるという事情でありまして、もうわずかのところで目的を達することになるのでありますから、どうか特に御詮議の上、これも御採擇、併せて政府におかれましてもただちにこの工事の完成せられんことを望む次第であります。簡單ながら紹介いたします。
○高瀬委員長代理 それでは政府側の意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 古樋、上札鶴間の鐵道の請願の要旨は拜承いたしましたが、現在斜里に比べましてなるほど三十七キロほど説明の通りに距離が短かくなるのでありますけれども、路線勾配は四十分の一でかえつて悪くなるというような結果になります。これは技術的に見まして、かつまた現在の豫算、資材の面から見まして、建設は非常に困難と思います。なおこの古樋驛から北見川間の約十五キロは北海道の興農株式會社の專用鐵道がございまして、現在毎日定期的に運轉をいたしまして、一般住民の便利もはかつておりますし、北見川から札鶴まで約六キロの箇所も專用線でございますから、同會社がこの工事を著手いたしますならば、自然この邊も開通されることと存じます。なお御希望の請願の要旨等の點もあることでございますから、斜里から札鶴、小清水、古樋までに至りまするこの間の貨物自動車は、輸入自動車をもつて今度省營トラツクを開始することになつておるようなわけであります。今後もし將來におきまして、どうしてもこの地方の經濟竝びに交通量が多量であるという場合になりますならば、そうして民間自動車及び民間企業者との間の競合が整いますならば、省營のバスも考慮するときもあるかもしれないと思うのであります。しかしこれも來年度におきましては、省營バスにつきましては非常な豫算、資材に制約されておるのでありまして、まこと容易でないと思います。まずさしずめ省營トラツクを動かしまして、大體の經濟的輸送處置に努めていきたい、かように考えておるような次第であります。 なお次の常呂、中佐呂間の鐵道の問題でございますが、路盤もできておりますし、この間の網走から稚内に參りますのも約四十キロ、旭川方面は約六キロばかりになる路線でありますから、どうしてもこの工事は進めていきたいと思います。しかしながら來年度豫算につきましては、過般來當運輸交通委員會におきましても、あるいは豫算委員會におきましても申し述べております通りに鐵道の獨立採算制という面から考えまして、資材と豫算との上から考えまして、急遽これが來年度再開できるかできぬかということはまだ未定でございます。しかしながら省の考えといたしましては、何とかして資材及び豫算が許されるならば、この線は一日も早くやつていきたい、かように考えておりますから、その邊を十分に御了察願いまして、本請願に對する政府の答辯として御了承願いたいと思うのであります。
○高瀬委員長代理 何か御質問ありませんか——では次に移ります。 —————————————
○高瀬委員長代理 日程第一七、貝田信號所を一般驛に昇格の請願、庄司一郎君紹介、文書表番號第一五七號、日程第一八、湯本、石川間國營バス運輸開始の請願、關内正一君紹介を一括議題として、紹介議員關内君の紹介説明を聽取いたします。
○關内正一君 ただいま議題と相なりました福島縣湯本、石川間の省營バスに關する請願の趣旨を簡單に申し上げます。本路線は國鐵の豫定線に相なつておりまするが、末だその實現に至りませんので、本請願に及んだのであります。延長は七十五キロ、そ 關係町村は十一箇町村にまたがつております。うち六箇町村が常磐炭鑛の採掘地點に相なつており、きわめて重要なる路線であります。關係町村においては約十七箇年にわたり、これが實現を當局に請願いたし、また福島縣會においても、數囘にわたり滿場一致決議して、これが實現について建議案を當國會に提出しておる次第であります。今年の二月に東鐵においては、福島縣下の各方面の權威者を網羅する諮問委員會を開催して、出席約五十名のうち、業者六名がこの諮問に反對し、殘餘の四十四名はこの東鐵の諮問に對し、建設すべしという答申をしておるのであります。さような關係になつておりますし、さらに本年の七月におきましては、湯本町の一般人民投票をいたしました結果、促進を可とするというのが九割九分あつたような次第であります。さようなわけで、長い歴史をもつきわめて重要なる路線でありますので、これが一日も早く實現さしてもらいたい、こういうのが請願の趣旨であります。 なお貝田信號所を一般驛に昇格の請願については、紹介議員である庄司一郎君に代つて私より簡單に御説明申し上げたいと思います。本請願は福島縣伊達郡大木戸村大字貝田は百三十戸の密集部落で、山根、光明寺、大枝等の隣接部落があります。なお當地方の産業經濟の中心地であるばかりでなく、東北本線藤田驛まで五キロ七分、越河驛まで三キロ六分で、兩驛に通ずる道路は非常に急坂が多く、附近住民の交通、通勤、通學の不便が多いから、現在の貝田信號所を簡易停車場に昇格してもらいたい、こういうのがこの請願の趣旨であります。何とぞよろしく御配慮のほどをお願いいたしたいと思います。
○高瀬委員長代理 政府側の御意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 湯本、石川間の請願要旨に對してお答えいたします。これは省營バスを動かしてくれという御希望であります。先般私はあの地方をまわつてまいりまして、實情もよく了承しております。トラツクの方は省營トラツクを開始することにしましたが、バスの方はまだ地方民間企業者との關係もあつて、ただちに請願の要旨におこたえをすることは困難である。もつとよく調査した上で決定したいと考えております。 なお東北本線の貝田信號所を一般驛に昇格の請願でございまするが、これはこの地方の状況等を十分に調査した上で決定したいと思います。まだ本請願に對する調査をいたしておりませんので、採否は省といたしまして決定いたしかねます。十分に調査をして、將來請願に對するお答えをしたいと心得ております。
○關内正一君 省營バス開始の件でありますが、ただいまのお話によると、民間業者と完全な了解がなければというお話でありましたけれども、これはなかなか容易なことではない。ひとりこの路線ばかりでなく、全國にわたる省營バスの請願がたくさん出ておるようでありますが、これらのものを實現させるために、民間業者との完全なる了解というものは、相當困難ではなかろうか。從つて當國會に提出に相なつております請願は、この見地から言えば、一つのことを實現するにも、なかなか容易なことではなかろうと思いますが、その間の事情を今少しはつきりと承つておきたいと存じます。
○田中(源)政府委員 バスに對する根本方針といたしましては、省營のトラツクといわず、バスといわず、現在鐵道では同一の特別會計になつております。われわれは企業の獨立採算制をとります上に、企業實態の企業性をもたせるために、今囘は特別會計を二分いたしまして、そうして省營自動車というものの企業體の實態を明らかにし、收支の均衡を保つていきたいと考えておるようなわけであります。なお私どもは民間既設業者の營業に對して、民間の既設業者がその公共的福祉に反し、利潤追求をいたすという場合においてのみ、十分これに戒告を與え、これを用いざる場合においては、その營業權の取消をするということになつておるのであります。なお御承知のごとく、當委員會に對しても今提出しております道路運送事業法が今後當委員會を通過して、參議院に送られ、國會を通過する場合においては、たとえ省が今後この企業をいたそうとしても、新たなる路線はこれを地方道路運送委員會に諮問して、この答申によらざればなし得ないという状態になつておるのでありまして、その邊を十分御了承賜わり、かつまた私どもは民間企業がその機能を十分に全うせしめるだけの助成もいたしますとともに、民間企業を民意に副うように營業せしめていきたいと考えておるのでありまして、いたずらに民間企業のあるところを壓迫して、ただちにもつて省にかえると申しましても、省自體ももちろん豫算竝びに資材の面において、非常に困難な實態に遭遇しておるのであります。かような點でございまして、トラツクにしても、やはり民間企業がその地方にあると思いますが、一般の産業の面から考えて、トラツクのみまずここにいたしまして、その後にこの地方の民間企業が、ただいま言うように公共の福祉に副わざる場合において、初めて考慮いたしたいと考えておるようなわけであります。今當地方においては二つの民間企業かございます。さようなわけでありますから、その邊をよく調査した上で決定いたしたいと思います。 —————————————
○高瀬委員長代理 次に日程第四〇、江差、東瀬棚間國營バス運輸開始の請願、館俊三君紹介を議題といたしまして、紹介議員館俊三君の紹介説明を聽取いたします。
○館委員 江差、東瀬棚間は約九十キロございまして、約三年越しで請願もしておりますし、また運輸省においても、そのことについては十分御了解になつておられることと思いますが、この新しい議會にあらためてもう一度請願をしてくれろというわけで、私が紹介申し上げるのであります。江差というのは御存じの通り有名な江差追分の江差でありまして、古い北海道の文化の發祥地であります。もとにしんが非常にとれた時分の江差地方の殷盛、江差の五月の榮えは、江戸にもないと言われたほどの繁榮を來しておつたのであります。しかもこれがなぜ先に開けたかと言いますと、内地と北海道の交通が非常に原始的であつた場合に、一番とつつきやすい所が江差でありましたので、そういうことになつておりましたが、その後にしんがとれなくなつてからというものは、土地柄が非常に衰えていつたのであります。それに北海道の拓植計畫が、大體運輸省といたしましても、道廰といたしましても、北海道の南の方を越えて全部旭川、帶廣、あるいは札幌、室蘭地方にのみ施設が加えられたという關係で、古くからの道南地方の交通事情は、單に噴火灣の沿岸における鐵道だけでもつておるという形になつておるのであります。從つてその噴火灣の沿岸でない反對の東瀬棚から江差間は、非常に豐かな天然資源をもつておりましたけれども、開發のための交通事情が非常に悪いために今もつて舊態を示しておる。これは非常になさけないことであります。しかしながらどうしてそれがしばらく止まつておつたかと申しますと、にしんの會社がなくなつてからの漁村の人々は、全部日魯會社に買われまして、カムチヤツカなり北千島へ、この沿岸からほとんど一萬人近い壯年漁夫だとか、青年漁夫が出ておつたのであります。それでこの土地が生活をしておつたところ、この大戰以來それがばたんとできなくなつて、青壯年たちの失業者が途方に暮れておるというのが現状なのであります。それで魚がないのかと言うと、ここには御承知の通りたくさんの海産物が豐富に出るのでありまして、ただ汽車がないために、漁獲物を取入れる資材だとかいうものの輸送が困難である。それからこのごろは食糧品の輸送が困難である。あるいはとつた魚のもつて行き場所がないというわけで、非常に困難を來しておるということと、青壯年の失業が非常な問題になつておるという點が社會問題として重要に考えられてきたのでありまして、さらに一層の交通事情の進展を、十三箇町村民が一致して希望しておるのであります。殊にこの江差というのは檜山支廳のある所でありまして、檜山支廳と申しましても、大きさは石川縣くらいの大きさがあるのであります。この檜山支廳の中心の江差から自分の管内に行く場合に、たとえば石川縣の人が能登に行く場合には自分の縣内線を通つて行くのでありますが、江差は隣りの縣を通つて自分の管内をまわらなければならないという不便な場になつております。産業の開發ということは——噴火灣にも魚がおるのですか、反對側の方にも非常に魚族が多いのが開けないというのは、そういう關係であろうと私は考えております。殊に大局的に考えて、これも遠い話ですが、青函間のトンネルができることになります、北海道のトンネルの入口がやはりこの近くになるのであります。建設資材とか人を運ぶことが、現在の交通事情であつては非常に困るのではないか。私はそういう意味においてもこの線に今から交通の地ならし的に、省營トラツクなり省營バスの運轉が必要ではないかと考えておるのであります。これは大體去年ここに省營バスができることに平塚さんの時分になつておつたらしいのでありますが、ある事情のために別の所へ建設されたということになつておるようであります。それから今年二十二年にはいつてから、省營バスはとにかくとして、トラツクを通すということで、地元におきます關係民も、運輸省あるいは局からの視察もあり、ほぼそういう見當をつけて三、四月までおつたのだそうでありますが、これも何かの事情で今停頓を來しておる次第であります。その必要性については、いまさら申し上げなくても、そういう御計畫もあつたように思いますから、十分お調べになつておることだろうと思います。ぜひひとつこれを實現していただきたいというのが、これは檜山郡一帶の町村長の希望でもありますし、またそういう大局的な意味から道南地方の交通がほとんど線路一本だということから見ても、ぜひ北海道の道南地方の開發をして、無理をしてでも何かの形でひとつ實現させていただきたいと考えるのであります。時間がありませんので、くどくどとは申しませんが、資源がないのではない、廣い地域における北海道の交通事情は、そつちの方ばかり飛びこんでしまつて、ほんとうに内地と最も近い道南地方の交通事情が忘れられがちであつた。資源については森林などは他の請願地區もありますから申しませんが、そういう事情をよく辨えていただいて、なるべく御無理をお願いできぬかと考えております。
○高瀬委員長代理 政府委員の意見を聽取いたします。
○田中(源)政府委員 この機會において一通りの省營バス竝びに省營トラツクに對する今後の開設に對する所見を一言申し上げて、委員各位の御了解を得たいと思います。今後は收支採算のとれない路線は一切やらないという考え方をもつておるのであります。省營自動車の獨立採算制の面から考えまして、なるべく收支採算がとれるということを前提といたしておるのであります。國家企業でありますから、資源開發のためには利害を度外視してやらなければならぬ面もあるとは存じまするけれども、原則をそこにおきましてやつていきたいと存じております。これは今後におきます省營バス竝びにトラツクにおきまする一つの原則として進めていきたと存じておりますので、この點御了承願つておきたいと存じます。 それから本請願の趣旨に對しましては、館委員からお述べになりましたごとくに、よく了承いたしておりまするし、私も陳情を受けまして本路線に對することは了承いたしております。過般一應計畫をしてみたことはあるようでありまするが、結局これは豫算の面において制約されておると存じております。從つて今後豫算が許されますならば、一應考慮いたしてみたいとも思いまするが、その考慮の條件といたしまして、ただいま申し上げました本路線が收支の均衡を維持されるかどうかということが一點。第二點におきましては民間企業との間における摩擦がどうか、この二點であります。民間企業者としてここに函館自動車というものがあるのでありまするが、この業者が民間の要請にこたえないで、いたずらなる營業休止をいたしますならば、私の方より警告を發します。この會社に定時の運轉を命ずることができると思います。萬一定時の運轉にこたえないで、依然として路線を營業休止をいたすという場合がありますならば、そのときはあらためて本路線の營業許可を取消してもいいと思います。この民間企業は、貨物自動車については道南貨物株式會社というのがあつて、資本金七十七萬圓で、保有車輛が百五十七輛あります。實動車輛が百二輛ありますから、この地方の民間の要請に、百二輛の自動車がありますればこたえ得べきはずのものと思います。これを一應調べてみます。それからなお函館乘合自動車株式會社は六十五萬圓の資本金で、保有車輛が七十二輛、實動車輛が四十二輛ありまして、免許路線が六〇一・四キロあります。現在運行路線が三四〇・四キロ、路線内運轉區間は江差、東瀬棚、キロ程は一〇八キロで二往復いたしております。一〇八キロで二往復ですから、車輛數はまつたく二輛もしくは三輛程度くらいしかこれに充當しておるまいと想像されます。それで四十二輛も實動車輛がありまするならば、もつとこの間に車輛の配置をいたしまして、三往復も四往復も——倍往復やる、あるいは五往復やるというふうに、運行囘數を増加せしめる必要があると思います。増加せしめまして、そうしてこれにこの會社の運轉能率を上げさせるということも必要であろうと思います。この會社の實態は、六〇一キロもつておりまして、これが現在半分運行しておる。三四〇キロに對して四十二輛でありますから、このうち一〇八キロのキロ數に對して——この約三分の一の營業キロ數に對して、四十二輛の實車輛をもつておる會社が、わずか二往復しかやらないというのは、そこに輸送量がないか、もしくは會社が故意でやらないか、この表からこの二點が考え得られるのであります。從つてこれは嚴重に北海道の自動車部より一應會社に警告を發すると同時に調べまして、會社がどうしてもやらないというならば、その上において考慮してみたいと思います。今申しましたように、この二點の面が解決いたしまするならば、請願の要旨におこたえしていきたい、かように考えておるわけであります。御了承願いたいと思います。
○館委員 ちよつと私その會社の運行状態の實情についてお話しておきます。函館乘合自動車及び道南トラツク會社はどの地點を營業しておるかと申しますと、道南地方は檜山支廳と渡島支廳と函館市ということになつております。この面積はほとんど石川縣と富山縣と福井縣を合わせたくらいあるのではないかと思う廣い地區なのであります。そこへ完全な交通機關といいますと、江差線と函館本線だけが鐵道で完全な交通路線になつておりますので、この地方は交通にはほとんど惠まれておりません。從つて既往において函館乘合と道南トラツクというものが、そこの交通に非常な好影響を與えておつた功績は、見逃すことができないのであります。しかしこの會社がどうしてできたかというと、これはもと個々の數會社が合併をしたのでありまして、その個々の數會社の大部分は函館にありまして、函館近郊の交通事情のためにのみ營利的に存在しておつた。そのほかに瀬棚線とか、あるいは森の近所の邊鄙な所、そういう所にも小會社が散在しておりましたが、それを戰時統制か何かで全部乘合とトラツクに合併した。從つて會社の性質上、最も交通事情のいい場所へもつていけば、會社の自動車なりトラツクなりが能率を上げて、營業收益を十分上げることができることはわかつておりますが、邊鄙な所にあつたバス、あるいはトラツクをそこへ集中することは、村民に對して申譯のないことであるから、自動車の車輛が八十臺あるとか百臺あるとかいつても、これを今申しました廣い地域に分散してしまなければならない歴史的な會社の經營の仕方がありますので、從つて今次官が御説明になつた長い各路線に對して少しづつの配車をしなければならぬ状態であります。どの路線にも車は一臺、二臺はおるのでありますが、全部の沿道の村民の要求を滿たすだけの車輛を配置できない。そこでその土地の人たちはバスに乘り切れない者は、トラツクや、あるいは郵便車の上に山盛りになつて乘つていくというのが、函館周圍の路線においても、檜山線においてもみな同様に見られることなのであります。そこで私考えますのに、會社の收支決算というものをもし十分に上げ得るという建前からいうならば、それは函館中心にそのトラツクなりバスなりを集結し、たとえば檜山線とか上磯線とか、あるいは大沼からの線とか、そういう所へトラツクなりバスなりを集中してもつていけば、かえつて十分に營業能率が上り、しかもトラツクに村民を乘せないで濟み、郵便遞送車に村民を乘せないで濟んで、そうして從業員の配置なり車庫の形態を壓縮することによつて、困難な現在の函館乘合なり道南トラツクの營業状態がよろしくなるのではないかと私は考えるのであります。キロ數が長く、ずいぶん方々の路線をもつていることは、そういう歴史的な會社の事情から考えて無理からぬことと思いますが、一應そういう所はそういう所で、十分充實した交通行政を會社自身がやることが、最も今の時代に正しい物の考え方であつて、その手に餘つた所を省營バスなり、省營トラツクなりで補つていくことが、ほんとうの會社の考えでないかと思う。會社自身としても從來の面子もあろうが、そういうことをさつぱりと捨てて考えるならば、そこへやつていけると思います。但し運輸省でもこの檜山地方の會社の實際の營業については、先日から地元の局長に對してお調べを命じておられるそうでありまして、それの返事が來たか來ないかは知りませんけれども、それの返事をまつて、處斷されるものは處斷されるというような手荒なことではないでしようが、そういうふうな方針で出ていつてもらいたいと私は思つておるのであります。とかく省營などというものは、どの地元からも非常に拒まれるのでありまして、それの障害から常にその土地の交通事情が逼塞されておることが一つの反面の事實であろうと私は考える。殊に道南トラツクにしろ函館乘合にしろ、名前は違つても同じ土地の舊來の古株の集りであります。會社自體といたしましても經營が非常に困難を極めておることは事實なのであります。また村民といたしましても、何とか現在やつておる會社に對して應援をいたしまして、これを活溌に動かそうとして去年から今年にかけてやつた經緯もあるのでありまして、それによつて會社がたとえばタイヤを見つけてきたり、あるいは木炭を見つけてきても、すぐまた交通がたるむという形で、村民自身も自分たちが協力してやつと見つけてやつたものが、よその路線に使われておるというような、非常な營利主義的な利己的な會社の存在に對しては、不滿をもつておるのであります。そういうこともありますし、またさらに今年の三月までは鐵道當局の函館管理部もここにトラツクが通るという建前のもとに、また本省からも調査をしてもらつて、そうしてそれをこしらえたときにはどれだけの車庫ができ、どれだけのトラツクが要るということまでも實はきまつておいたのであります。かかつたのは四月ごろからであります。そういう點から考えまして、今どういう調べが地方廳から運輸省にもつてこられるかはわかりませんですけれども、その調べの内容については一應村民も首肯し得られ、また私どもも首肯し得られるものでなくてはいけないと思つております。その土地のある業態におきましては、實際私が見聞したところによりますと、營業規定といいますか、それを何もやつておりませんので、村民はそういう業態が新たにこの正月から履行されておるということを知らないでおつて、私が行つて見てそういうことを指摘いたしまして、それではということに氣がついたくらいに、非常に人口まれな所で、交通が不便だから、あるいは土地の運輸交通の關係官も氣がつかないでおつた筋合もございまして、その會社の悪口を言つてはいけませんが、非常に不親切なことが純朴な村民の聲として聞かれておるわけであります。こういう地點に對しては多分な經費でもありませんので、少くもトラツクというものについては、すでに江差の隣りの上ノ國までトラツクが來ておるのであります。ところがそれが上ノ國から江差までの間の隣りの線にはいることができないために、鐵道省の省營自體の隣りまで來ておる國營トラツクの運營が、かえつて逼塞されておるというのが實情であります。そこのところは、先日も自動車の方の監理局長にもお話してございますが、十分お聽きわけを願いまして、この點最も北海道で早く開けておつて、しかも最も交通機關が投げやりになつておつた土地のために、政務次官の大努力をひとつお願いいたす次第であります。
○田中(源)政府委員 簡單にお答え申し上げます。御説明は十分了承いたしました。本線に對しまする會社側の經營實態は北海道の自動車部長から詳細報告を求めておりますから來ると思いますが、なお北海道長官から實際の會社の状態につきましての詳細なる御報告をいただきまするならば、私どもは北海道長官の報告と、自動車事務所の報告とを總合いたしまして、會社に今後における經營の面について注意をいたしまして、聽かざる場合におきましては、一應本省におきましても適當な處置を講じたいと思います。御了承を願います。
○館委員 北海道知事に對しては、増田北海道長官の時代にも北海道知事からの意見が出ておつたのでありますが、運輸大臣になられたとたんにおかしくなつてしまつて、私たちも弱つてしまつたのであります。現在の田中知事に對しても、よく私からお話いたしまして、そこの交通の必要性その他についてお願いをして、次官までお返事の届くようにいたしたいと考えておりますから、何分ひとつよろしくお願いいたします。
○山崎(岩)委員 關連してちよつとお許し願います。館委員から本請願に對しまして非常に御懇切なる御説明をいただき、また政務次官からもすこぶる懇切丁寧なる御説明をいただいたわけでありまして、私委員として感謝にたえないのであります。と申しますのは、實は私は北海道において今から四十七年前、この江差と東瀬棚の間にあります久遠村という所に生れた者でありまして、親父は青森縣におりましてにしんとりでありますが、この地方へにしんをとりに來る。大正三年までたいへんにしんの漁があつたのでありますが、爾來今日に至るまで一尾もにしんがとれない。そのうちに倒産いたしまして今親父の郷里の八戸まで歸つてきたのでありますが、私が十三歳になるまでこの邊鄙な久遠という村で育つて、そこの小學校を卒業しまして、親父がにつちもさつちもいかなくなつてから、親父の郷里の八戸へ歸つてきたというわけなのであります。それで昨年實は何十箇年ぶりで食糧緊急對策委員としまして北海道へ派遣されたのを機會としまして、自分の生れ故郷である久遠の村へ參りました。そうしてはしなくも今度のこの請願の問題が話題に上つたのでありますが、私が北海道の局長さんにお目にかかつた際には、この路線ができるということを言明しておられました。それから私歸りまして本廳におきまして施設局長にお目にかかつた際にも、これは必ずできるということを聽いてたいへん喜んでおつたのでありましたが、はからずも今日になつてまだできていないのであります。まことに私も殘念この上ない次第でございまするが、この地方は決して採算のとれない地方ではございません。たいへん漁のある土地でありまして、にしんこそとれませんけれども、たらの漁にいたしましても、あるいはほつけの漁にいたしましても、いわしの漁にいたしましても莫大なものである。ところがこれは非常に交通不便でありますので、その魚は一體どこへ來ておるかと申しますると、全部青森縣へ來ておる。ただいま私は青森市に居住しておるのでありますが、はしなくもその自分の生れ故郷の久遠から魚が青森にりつぱに機帆船で運ばれまして、私の口にもはいつているような事情なんであります。必ず採算のとれること疑いありません。それが會社の怠慢によつて、この地方の人々がたいへん困つておるようなわけでありますので、政務次官におかれましても何とかひとつ御研究くださいまして、館さんの御意思通り促進されるようにお願い申し上げたいと思います。
○高瀬委員長代理 それでは本日は紹介議員の都合によりまして、その他の請願の審査は後日に延期いたします。 ではこれにて散會いたします。 午後四時四十六