運輸及び交通委員会 第25号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1947/10/09
会議録
○正木委員長 會議を開きます。 今日まで道路運送法案を議題として、まず最初に總括的質疑により始まりまして、さらに逐條的審議まではいり、大體これを終つたのでありますが、なお未だ疑義を含む點が多々ありますので、政府側より明快率直なる答辯を望んで、さらに質問を續行いたします。質疑はこれを許します。志賀健次郎君。なお志賀君にお斷りします。國土局長の出席の要求でありましたが、局長は用件がありまして、説明員として金子道路課長が見えておりますから、その點含んでおいてください。
○志賀委員 道路の問題についてちよつとお尋ねいたしたいのでありますが、この委員會は道路行政の一環をなす道路運送法の審議に當つておるのであります。この際路面の管理に當つておる内務省の方から、現在施行しつつある國道なり、橋梁、あるいはまた府縣をしてやらせておる府縣道の改修整備、橋梁も含むのでありますが、これらの状況を詳細にお伺いいたしたいのであります。いくら道路運送法が實施されましても、路面が整備されなければ、本法の成果が十分の期し得られないと思うのであります。そこで現在施行中の道路の改修整備の問題、また計畫中の問題、それらについて内務當局からちよつと御説明願いたい。
○金子説明員 お答え申し上げます。今日は突然のお呼び出しで、準備も十分整つておりませんから、概略のことを申し上げたいと思いますが、まず道路の現況について申し上げますと、道路は國道、縣道、市町村道と現在わかれております。國道の全體の延長が約九千キロ、正確な數字を申し上げますと八千九百十キロ、そのうちで道路構造令によつてきめております規格によつて改修の濟んだのが二三%、それから府縣道について申し上げますと、全體の延長が十一萬五千三百キロになつておりますが、そのうち規格通りに改修の濟んでおりますのが一四%、それから自動車交通の可能な延長、これは有效幅員を三・六〇メートルに押えて調べたのであります。それは國道では八七%になつております。それから府縣道について申し上げますと、五〇%は自動車が通れるということになつております。鋪裝の點で申し上げますと、國道では一九%が鋪装せられております。それから府縣道ではまだ四%しかできておりません。全般的に見まして、道路の整備が非常に遲れておるというのか現状であります。なお道路の改修が遲れておるほかに、戰爭中から現在に引續きまして、いろいろな困難な事情がありまして、路面の整備を怠つておりましたために、路面が非常に傷んで、自動車交通に非常に大きな支障を來しておるということもこれまた事實であります。また橋梁の面で申し上げますと、全國で大體四十萬橋ありますが、そのうち二十三萬が木橋になつております。それでこれもやはり戰時中架替とか修理とかの工事が進みませんでしたために、相當橋梁が腐朽して架けかえなければならぬものもありますし、また交通制限をやつておるという橋梁も相當あります。そういう程度で現在自動車交通を十分にさせるという面には、非常に遺憾な點があると考えております。現在私どもが道路整備について重點を置いておりますのは、まず幹線道路を十分に整備する。これは國道について考えておりますが、國道の重要な部分をできるだけ早く一貫した交通の線として完成する。もう一つは、大體山方でありますが、生産面と直接に關係のある生産道路、これをできるだけ早く必要に應じてつくり上げていく。もう一つは路面の整備、鋪裝が傷んでいる所、砂利道の傷んでいる所をできるだけ早くりつぱなものにし上げる。大體こういう方針でやつております。橋梁の面では、現在事務的な橋梁を架けますにはセメントとか木材、そういう重要資材が相當要りますので、この點なかなか十分に參りません。木橋の架替という點ではある程度まで進みます。そういう面でただいま仕事は進めております。ただ來年度の工事についてでありますが、實は路面の補修について申し上げますと、これは道路の管理者、すなわち府縣道について申しますと府縣知事、市町村道について申しますと市町村長、そういう道路の管理者が地方の單獨の費用でこれを修理していくことが建前になつておりますので、現在では地方の財政が非常に窮迫しておりますために、大きな道路の修理を見込むということはなかなかできません。この點非常に苦慮しているわけであります。ただ連合軍の方の關係から、いわゆる特別整備という名目で、道路の改修、橋梁の架替、あるいは路面補修、そういう相當大きな仕事をしております。今年度としましては、總額で約二十三億程度の工事になつておりますが、しかしこの工事の量は、戰前と比べますと物價が高くなつておりますために、非常に少い工事であります。來年度は、ただいまの補修の面でも地方廳ではなかなか十分手がまわりませんので、國庫補助金で路面補修を十分にやりたいと考えております。道路の概況につきましてはこの程度でございます。
○佐伯委員 私は道路運送法案の内容中、内務省管理の部分についていささかお伺いしたいのであります。この法案の管理と申しますか、主管廳の權限竝びにこれを執行する運用の方法でありますが、本法案の運用につきまして、監督官廳の系統がどうなつているかということは、參考のためにお出しになつた道路運送法施行令によつてうかがうことができるように考えられるのであります。ところで、この施行令の監督系統と申しますのは、運輸省の主體にしたものが多いのであつて、下級官廳というものは運輸省の地方鐵道局、それから都竝びに縣市町村というところで、監督が細部にわたつているように見受けるのであります。私が根本的問題にわたりましてお伺いをしてみたいと思いますのは、内容を見ますと、非常に複雜であるということで、輕車輛にいたしましても、運輸省が監督をするもの、あるいはまた都竝びに縣、市町村というように、たいへん複雜なように思われるのです。この問題は大きくさかのぼりまして、運輸省として地方鐵道局が監督行政を行うか行わざるかという問題になるのであります。戰前までは、あまり地方鐵道局は監督業務をとつていなかつたのではないかと思われるが、私はあらゆる角度から考えてみまして、一番この法案の骨子になつておりますのは、管理ということであると思う。もし現在の運輸省が、地方局を中心にした監督行政をとろうというお考えでつくられたものといたしますと、到るところに矛盾が起つてくる、私にはかように考えられ得る。これは言うまでもないことでありまするが、私の考えといたしましては、運輸省が監督局を設けられ、そうして一元的に輸送業務を統一せられることは、これはよかろうと思うのでありますけれども、これをやはり地方自治體を通じて監督なさつた方が、道路行政の上から申しましても、道路管理は地方廳にあるのでありまするし、あらゆる方面からまことに圓滑に行く、かように考えられますのみならず、大體に鐵道局が現業をもつておらるる上に、さらに行政部門をもたるるということは、私どもは反對せざるを得ないと考えるのです。むしろもう一歩進んで、運輸省それ自體が現業を分離する。もししからずんば、運輸省の監督部門だけを分離して、内閣に直屬するというがごときことまで考えられ得るのである。しかるに運輸省が現在の現業業務をもつておられるのみならず、非常に行き詰まつて鐵道を打開する上におきまして、なお複雜な行政部門までもおもちになることは、つとめて避けねばならぬ、かように私は考えます。今ただちに監督部門だけを分離するということも困難でありましようから、これを鐵道本省におけるところの監督局に直結するという御方針、それならばこの法案はよかろうけれども、とにかくやはりこれを地方自治體、下級官廳に事務を取扱わせるようになされて、鐵道局の監督行政はこの際一切おやめになつた方が私はいいのであると、かように考えられ得る。のみならず内務省が解體いたしまする上におきましても、道路行政の運營、あるいはまた行政の簡素化ということが呼ばれておりますように、鐵道省がかかる輕車輛のごとき細部にわたつても現場を御監督になるということは、やはり地方に多くの出張所をおつくりにならなければならぬというような問題も起つてまいりますし、それからまた運輸省が現業を除いてしまつての結果を考えてみましたときに、これはやはり地方廳に取扱わせるに違いない。現業を除いても、なおかつこの監督行政をとられるために、地方局を設けたり、出張所を設けたりするというようなことは、仕事の量もさほどなかろうと考えますので、これの運營の方法については、地方鐵道局は現業一本建の仕事に專念していただきたい。そうしてこういう監督行政の部分はまつたく道路行政と切り離すことができない、しかもむしろ警察行政というようなものとも仕事の上の大きな關係があるのであります。御承知の通り昔弊害があつた時代があるのであります。地方にこの業務をとらせますと、いろいろな弊害がございましたけれども、今と昔とはたいへん違つた、行政機構の改革が行われたのでありますから、この際に、そういうように監督部門を御改正になる御意思があるかないかということを伺つてみたいと思います。
○田中(源)政府委員 管理につきましての佐伯委員のお説に對しましてお答えをいたします。行政と監督との二元的立場にあります運輸省におきましては、お説のごとき御意見の出ることはもつともだと考えます。將來運輸行政の面におきましては、しばしば當委員會において大臣もお答え申しております通り、現業と監督面とを分離いたし、できるだけ行政の簡素化をはかり、しかもそれが敏速かつ圓滑に行政面の運用できるように考慮いたしてみたいと考えておるのでありまして、目下政府におきましての行政調査會におきましても調査中でありますし、また運輸省におきましてもこの面につきまして考えておるようなわけであります。根本といたしましては右ようお答えをいたしまして御了承を願いたいと思います。 なお本法案につきましての管理、行政の監督竝びに行政の面、その根本方針からさらに進んで、運輸省内におきまする行政監督の面と現業の面とにつきましては、大體において將來はその方針をとつていきたいと考えております。從つて個々の面におきまするところの行政の簡素化の上におきましては、お説のごとく道路行政の上において、その國家より管理を委託されておりまする地方廳との間において、いろいろの面において重復する點も生じてくる點がなきにしもあらずと考えております。これらの面につきまして、でき得る限り簡素化をはかつていきたい、かように考えておる次第であります。以上大綱と方針とを申し上げまして御了承を願いたい。
○佐伯委員 今おつしやつた問題でありまするが、さいわいに道路運送法案を新しくおつくりになるという場合であるから、今田中さんが言われたようなことの御意思であるならば、この際になされてしかるべきものではないか、またなし得ないこともない。地方に自動車事務を取扱う部門が新しく出先官憲として生れ出でましたのが最近のことのように聞いておるのであります。私は何の必要でああいうものが生れたのかと考えておつたのでありますが、この道路運送法施行令のお考えをもつて當られれば、なるほど必要であるというふうに私は頭に浮ぶのであります。それからまた一番重要な管理の部門たるところの第八條、道路運送委員會の構成、これ自體と申しまするものは、少くてもこの監督系統がどうなるかということにおいて、この構成がたいへん違うように考えられる。と申しますことは、鐵道省がこの道路上におけるところの運送行政を一元化するという頭があるか否かわからぬが、あり得るとするならば、やはり直轄官廳である地方鐵道局に取扱わした方が便利である。そこでこの法律に規定してあるところを見ますると、中央と地方運送委員會というものを組織する。この地方運送委員會は、私は誤つておるかもしれませんが、現在の地方鐵道局を中心におつくりになるのではないかと考えられる。そういたしますると、たいへんに重大なる問題が起つてまいるのであります。もし今田中政務次官のお答えになつたようなぐあいに、地方鐵道局でこれをお取扱いにならぬというようなことになりますると、この地方道路運送委員會の構成ということに對してたいへんに考えが違つてくる。もう一つは、各縣から一人ずつ選んだ委員が、今の地方鐵道局というものを中心にして一まとめになりましても、複雜多樣な道路上における行政を御相談になる關係が少いように私は思う。つまり地方鐵道局というものを一まとめにいたしまして、各縣の一人一人が寄つて——共通性格のものは別問題でありますが、その縣その縣の地方廳における特殊の性格のあるものが、その地方鐵道局に寄つても、何らの效果は私はないと思う。でありますから、この地方鐵道局というものがないと考えますると、各縣というものが一つの單位になると考えられる。そこで組織されてそして中央に本部をつくられる。こういう組織に變つてくるように思う。またそれがほんとうの實際の運用になる。かりに申し上げますならば、各縣各縣の代表が何人か寄つて、地方は地方でつくられるということになります。それから全國の各府縣から一人ずつ出ても四十四人という數字にしかなりませんから、それが中央の組織をつくられるということが、非常に妥當であり、實情に即する。今の地方委員と申しまするものが鐵道局を中心につくられるならば、私どもは實際にこれは國有鐵道の免許、あるいは省營のバスをつくる——二府縣、三府縣にまたがつて專用道路なり、また自動車を免許するという問題ならいざ知らず、この地方鐵道局中心の地方委員會の構成というものはまつたく何らの實情に副わないものである。これはやはり各府縣を單位にした組織をおつくりになつて、これが中央に大きくつくられるという形にならなければならぬ。そういうことのみではありません。私の一貫してながめましたところによりますると、この道路運送法の立案の根本精神と申しまするのは、やはり運輸省が道路行政の一元化をはかるという一つの理想的希望が、あらゆる方面に動いておるように考えられるのでありまして、これは非常に結構なことに考えられるかもしれませんが、私はこの點當局に反省していただきたい。と申しますることは、鐵道省が現業官廳というものを兼ねておるという現状におきまして、現業官廳を通じていわゆる行政部門を擔當せられるということは、これは行政と現業の紛淆を來す原因であつて、私は憲法の精神におきましても、斷じてよろしくないことであると考えられます。いわんや、また内務省が解體をして國土設計畫をどこへもつていこうかと迷つておるときでありますから、もう一歩進められて、この道路管理部門までも運輸省に接收せられるというようなお考えがあるならば結構でありましようけれども、この小運送の輸送の行政と申しまするものは、道路行政とは一體不可離である。道路部門は地方自治體が管理をしておりのでありまするから、かく考えましても、今のところ運輸省が從來の監督局で中央に直結せられるということは結構だと思いまするけれども、地方鐵道局の一切の監督行政權というものを全然おやめになられるということを私は切にお勸めしたい思うのであります。またそんなことはすこぶる簡單なことで、この權限を現在地方自治體に委任しておりまする部門がありますから、縣當局に委任しておるものを地方廳に委任をして何ら支障を來さない。非常に統一されて圓滑に行きます。簡單明瞭なものであると私は考えるのであります。切にそこの點をお勸め申し上げてみたいと思うのであります。なお政府におかれても行じ機構の改革と申しますることは、非常に大きな問題となつて御研究になつておられるのでありますが、地方制度の委員會、あるいは國土委員會と申しまするものも、いろいろこの問題に關連して、大きくこれは國家的に連絡をとつて考えていくべきものであつて、單なる運輸省だけの考え方でつくるべきものじやなかろうと考えられますが、これについて參考までにひとつ承りたいと思います。
○田中(源)政府委員 佐伯委員からるるまことに有益なる御意見竝びに將來についての御指示を拜承いたしました。行政の民主化と行政の簡易化という根本的理念から、本法案を御檢討になつた御意見と拜承しましたが、運輸行政の上におきましても、また他の行政の上におきましても、できるだけ行政の民主化、簡易化ということは考えていかなければなりません。また最近にはこれに伴つて、中央の機構が終戰末期、終戰後等において、出先機關を非常に多くつくつた、これを廢止せよという陳情が多々まいつております。これは公選されたる知事の權限を保障し、自治體の運營及び健全なる地方分權を阻害するものなりという觀點から論議されておるのであります。こういう地方の御意見と、先ほど申しました行政の民主化、行政の簡易化といつた點と相通ずる點もあります。同時に地方自治體の健全なる發達を育成していく上においても、阻害されるのではないかという面も一應考えてみたいのであります。しかしここでまた總合的な見地からも一應の考えをもつてみなければならぬので、これは政府全般にわたる、國政全般にわたる行政機構の根本改革、あるいはまた官業というものに對するところの根本的施策の上に立つた觀念に基いて、この面も考えていかなければならぬと思うのであります。從つて先ほど簡潔に要點を申し上げました通りに、できるだけ行政の民主化、簡易化のためには、現業と行政とを分離して、その機構の總合的なる面において運用を圓滑ならしめ、またこれが地方自治體の上においての最も有機的な一貫性を有する面も考えていかなければならぬという意味で私は申し上げたのであります。從つて運輸行政の上におきましても、今國鐵の鐵道部門におきましては、獨立採算制ということを考えておりまして、しかも一面においては小運送において政府みずから、國家みずからが一つの現業を開始いたしております。この現業面と監督面とを分離していくということにおいて、私どもはこの企業の合理化という面と、企業の確實性を保たしてまいりますという面から考えまして、將來は現業と監督行政を二分していく。從つてその行政面を簡易化し、これに一貫性をもたせる。そして地方行政の上においてもつと有機的なつながりをもたせるような運營を行つていきたい。かように根本の方針は立てておるのであります。從つてその概念に基いて目下調査を進め、内閣の行政調査部等においていたしております調査とも竝行していたしておるようなわけであります。この道路行政の上から見まするならば、なるほど國家が道路の上におきましての管理は、國道といえども、地方官憲に委任をいたしておるのであります。實際面の現業におきましては、先ほど申しましたように、この道路上におきまするところの運送すべてのものが、總合的にかつこれが有機的に機能を發揮していくところの行政をとり、これが監督を行い、しかもそれらのすべての事務が簡易化されて、最も有機的な效力を發生していくように及ぼしていかなければならぬのであります。そこで道路行政の上におきましては、道路の建設をしていくところの面と、それからこれの有效的な使用面において行わるべきところの運營の面との二つの面を考えていきたいと思います。建設というものは、國家において建設をいたしておる所もありまするし、自治體の財政によつてやつていくものもありますが、道路面のつながりは國家全體の一つの有機的なつながりであります。これを個々に分擔をして解釋し、個々の分擔のものにおいて運營を考慮していくということはあり得ないのであります。從つてただその行政面、財政面におけるところの事柄が、政府竝びに地方自治體との間において、分割されておるということだけでありまするので、運營の上においてはつながりの面をもつていかなければならぬ。そこでこれらの上において行われておるところの輸送力に對して、私は一貫的な、いわゆる輸送能力を發揮し得る行政の監督の面と、實施面とを考慮していかなければならぬと思うのであります。これは實施面においてはいわゆる政府のやつておりまする現業、民間のやつておりまするいわゆる私企業であります。また小運送その他の輕車輛の小運送であります。しかしこの小運送は港を通じ、町を通じ、工場を通じての一貫性を有しているのでありまして、この監督面におきましては、私は中央の監督と一貫された監督の面とにおいてのつながりをもつていかなければならぬと思うのであります。また現業面におきましては、そのおのおのの企業が、中央と地方と一貫された監督行政の面において、おのおのの與えられたる機能を自由にかつ最も效果的に有機的に發揮していくように、その企業が行われていかなければならぬと考えておるのであります。こういう點から考えてみました場合に、行政面においては、中央と地方とを統括するところの二つの大きなこのつながりのスタツフで結構であろうと思うのであります。そうしてその監督面の町村に委讓すべきところの權限は町村に委讓し、また町村において委讓することの能わざる權限、少くとも現在のわが國の經濟過程と、いわゆる國際的環境における日本の財政諸般の面において、考慮いたしましたる場合において行つていくところの事柄と、この面を考慮していかなければならぬと思うのであります。そこで私は今中央と地方の二つの總合的なるスタツフのつながりをつけた場合において、道路運送業の中において、地方長官に御説のごとく委讓し、業務の簡素化をはかり得るものもあろうとは思いますが、經濟面において、資材の面において今日これがどうしても地方長官に、委讓すること能わざるものがあり得るのであります。しかもそれが國家の豫算を増加せずして、國庫の支出を増加せしめずして、現業においてなり得るときにおいては、當然今の經濟事情においても、わが國の資材面においてもそれをとらざるを得ないのであります。それを具體的に申しまするならば、たとえば自動車事務所等のごときは、まことにこれは無用の長物のごとく解されております。過般來も政務次官會議におきまして、新聞紙上に現われましたる出先官憲の整理について論議が行われたのでありますが、自動車事業の重要性から、今日の資材面を有效的に、かつ道路面におけるところの有機的なる運行をいたし、輸送力の效力を發揮いたしますためには、どうしても必要であるということが今日言い得られるのであつて、これらのごときはその地方における一つの出張したスタツフで、決してこれを人的の上においても豫算を増加するということではなく、まだ地方出先官憲の權限が、地方自治體の權限の確立を阻害するということにもならないのでありまして、經濟面と相マツチした一つの機關である。こういう面をお考え願つてみるならば、これを總合した一つのスタツフとのつながりをもつてやることは、行政監督面においても、また私鐵の監督におきましても、その他の監督におきましてもその通りであると思います。そうして企業面だけを分離して、企業は企業だけの獨立採算制をとれるようにしていく。これは大きく言うならば運輸省全體においてもそうであります。しかもこれは單に陸上運送のみならず、海運統制におきましても、海運の保安監督におきましても、その通りでございまして、かような二元的なものも、總合的な面からいきますならば、佐伯委員の御説の趣旨にかない、しかし將來においてわが日本の國の自治體の健全なる發達の目途がつき、しかもわが國の經濟事情及び資材面が許されるときにおいて、大幅の權限委讓をしてくることはあり得ると考えるのであります。現在の過渡期の政治的かつ經濟的段階においては、私はかくとるべきがわが日本の國の運輸行政の上におきましてしかるべきことであり、また今日の運輸行政の合理的なる企業面を確立して、行政と監督と現業を分離すべきところの漸進的なる處置であろうと考えておる次第でございます。この點御了承を願いたいと思います。
○佐伯委員 今田中さんのお話を承りましたが、今のお話では私は承服し得ない。御説では資材竝びに緊迫した經濟情勢下において、この方法によることが、よりよく資材をゆたかに經濟危機を切抜け得るのだというお話でありますが、これは何か立案者の主觀的な獨善の考えではなかろうか。いわゆる現實的、具體的に、何によつてそれ自體そういうものをもたらし得るやという嚴然たる事實については、私どもは決して首肯し得ない。殊に今おつしやつたお話を承りますと、あたかも右手に現實の經濟現象を握られて、左手には行政監督をする、その方が有機的な一つの運用を期すると言われることにつきましては、私は根本問題として反對であります。私はどこまでも行政と經濟、現業と監督は分離すべきであるという考え方をもつておるのでありますが、しかし私は今ただちにそれを實施しろということを希望したのではありません。私も行政の簡素化竝びに道路行政の一元化ということについては田中政務次官と同一の見解をもつておりますが、現在における輕車輛において旅客の方は地方廳、貨物の方は地方鐵道局、それをもつてもなをかつ行政の有機的一元化をはかられたとは言い得ないと思うのであります。殊にまた輸送上の面から見ますれば、なるほど統一はつきましようけれども、少くとも輸送と道路面とは不可分一體であつて、その面から見ますれば分離したものになると私は思います。そこで中央廳はやむを得ぬと思いますが、せめて地方廳だけはやはり實際の取扱いをしておるのでありますから、この中で地方鐵道局と地方廳との兩面から紛淆してまいりますれば、まことに行政の一元化を亂すことは爭えない事實であります。また私どもの經驗では——私の主觀的な考えになるかもしれませんが、現在の自動車事務所とか、あるいは地方鐵道局における監督行政をとつておられる實際の效率と申しますものは、私はないと斷言せざるを得ないであります。これはあつてもなくても何らの效果はありません。むしろ中央における現在の監督面が、もし小さいといたしますならば、監督廳にでもなさいまして、そこに幾多の局をお設けになる。それがほんとうに行政の一元化をはかるゆえんであると信じております。 もう一つ、今おつしやいますことは應急策としてやむを得ぬというようなお考えでありますが、この案の骨子と申しますものはさように簡單には考えられません。今だからこそやりやすいのであります。古い者に還ればいいのであつて、みな昔に還つて——そうしてこまかいところまでお世話をしなければならぬと言われますが、いやしくも經濟というものは自主的なもので、國民それ自體が企業を經營しております限りにおいては、だれしも自分で見透しをつけてある程度自分で立つていくのであります。そういうこまかいところまでお世話をくださる國の御精神は、それは感謝しなければなりませんけれども、そこまでお世話にならなくても自立していけると思うものであります。かたがた私は非常に簡單だと思うのであつてこの際こそ昔の鐵道局——鐵道局は現業一本であつたのでありまして、そうして日本の國は驚くべき發達をしてきた。戰時中における統制なるものは日本を幸福にしたとはだれしも言い得ないと考えるのであります。しこうしてその後の法令一切がみんな戰時中の統制を瓦解さしておるのでありますから、現在道路運送法の施行される場合におきまして、實に簡單なことではないか。この機會こそ絶好の機會であるということと、なおこれが一番問題になる——と申しますことは、要するに道路行政の民主化、道路運送法案の精神とも言うべきところの民主化、これがどこにあるかと申しますと、第八條の委員會の結成にあるのでありまして、この委員會の結成という一つの理念が、今申し上げた運輸省が地方鐵道局に監督行政をとらすや否やということの基礎的な觀念になつてくると考えますので、私としてはもう一度御再考を皆さんに願いますと、同時に事きわめて簡單のようでありますけれども、法の生きるか生きざるかということはこの點にあると信じられますから、面子にとらわれず、御提案になつたからとのみお考えにならず、どうか御再考のほどをお願いしたいと思うのであります。
○田中(源)政府委員 ごく簡單に要點を申し上げて、佐伯委員の御了解を得たいと思います。私の申し上げたことのおくみとりが少し違つた方面に向つておるのでなかろうかと思われる節がございます。私は行政の監督と現業の分離ということをはつきり申し上げたのであります。しかもその行き方は、これを運輸行政の上におきますならば、現業に企業の獨立採算制をとらせるということは、企業の實勢によつて合理化をはからしめることであります。これはおのずから分離されることであります。從つて監督行政は、中央の監督行政面と、地方におけるところの監督行政面とが、縱の一貫した大きなわく内においてこの二つが行われてまいるのであつてこの監督行政面は企業の實勢を尊重するばかりでなく、企業の發達を援助いたしこそすれ、決してこれを拘束し、二重的行政を行うという意味でないのでありますから、ここに不可分的に行われていくということを御了解願わなければならぬのであります。同時にこの委員會なるものは、今私の申し上げました意味からお考えくださいますならば、佐伯委員のいわゆる現業なるものは、ここに獨立をいたして、別個の一つの獨立的企業としての機能を發達してまいります。ただ先ほど委員會が局々において構成されると申しましたが私どもの考えでは、局の區域内と限定したのみでございまして、これは輸送面においての流通的な機能的な、有機的な關係から、現行行政面において一應の區域を局以内と考えたのであります。しかし、もしこれがはたして國家の上において悪いということでありますならば、改組することは決してやぶさかでないのでありまして、とらわれて申すわけでありません。一應立案をいたしまして、これを有機的に運用せしめる上におきまして考慮いたしましたのが、その鐵道局以内においての地域を限定したものでありまして、しかもその構成される委員は、各府縣の有能なる分子において、しかも委員長をこれによつて互選し、まつたく現業の局というものから別個の獨自性をもつた委員會が、すべての運營に當つてまいるのでありますから、これは民主的に構成され、運營されていくものと考えておるのであります。こういうふうにお考えを願えますならば、おそらく佐伯委員のお考えになつておることと相通ずるものではなかろうかと私どもは考えるのでありますから、私はまことに説明が足りないかもしれませんが、私の根本理念というものから、この面について申し上げたことにつきまして、御了解を得たいと存ずるのであります。
○佐伯委員 なお一言申し上げておきたいのは、私が先ほど道路運送委員會の構成のことにつきましてあまり申し上げなかつたのは、その基本的問題の管理部門の方がきまらなければいかぬと思つて、申し上げておらなかつたのでありますが、元來中央の委員會でありますれば、國家的な觀察のもとに、いろいろの問題が取上げられ得るのでありますけれども、地方と申しますと、御承知の通り運送委員會にかけられ得るものはほとんど個々の問題が多い。特殊の性格なんです。普遍的なものではない。全國的に統一された運賃の問題であるとか、あるいはまた法律をどうするかというような問題ではないのでありまして、この委員會は今度どこを免許しようかどこにどんなものをやらせようとか、現實の問題が多いのであります。そういたしますと、今の日本の國情から申しますと、その一縣の中の一部分の仕事が取上げられるのが多い。それを判斷いたしますのに、一縣から一人出て、關係のない地方區域内のものが寄つて何の效果があらう。實情に絶對副わない。でありますから、私の考えておりますところでは、委員會をお設けになるならば、やはり地方廳々々々でほんとうにその地方の實情を、どつから見ましてもこの組織であれば公平な判斷がつくというような、幾人かの構成をおつくりになつて、その委員長が一人ずつ出て全國にできる中央委員會を構成なさる。こういうことでありますと、ほんとうに實情に即すると私は思うのであります。せつかく民主化ということをお考えになつておりながら、この組織では、形だけは、民主化という名前だけはおとりになるが、民主化には絶對になり得ないと私には思われます。しかしその根本はどつから出ておるかと申しますと、運輸省の監督行政それ自體の考え方、現業と監督とを分離するという根本の考え方があるかないかということが、出發點となつておるように思われる。現業と切り離されたところの運輸省の監督行政から申しますと、地方廳、地方鐵道局のような局をおつくりにならなければならぬということは、量もありませんし、必要もございません。そういうことを想像いたしましても今囘の改正にあたられてはこれが骨子ある——昔に還られてやはり地方鐵道局の監督部門をおとりになつて、中央で一元的に統制するというような組織になさることは、簡單にできることではないかと考えられますし、お考え方さえお直しになれば、私はすぐこれは統制されるべきものである、かように思つたのでございまして、いずれこれは今日おきめになるわれでもございますまいし、あまり私一人の質問が長くなるので、私も考えさしていただきますが、當局におかれましても御參考にして御再考のほどをお願い申し上げます。
○正木委員長 田村虎一君。
○田村委員 第八條の運送委員會のことについてでありますが、第八條には「行政官廳は、左の事項で重要なものは、道路運送委員會の意見を徴してこれをしなければならない。」として一から五まで列擧してあるのであります。この條文自體を見ますと、ただこれだけのことで、重要なものだけをすればよいのだということにも見えるし、さらにまた重要なる事項、もしくは運送委員會の意見を徴することが至當なりと認められる場合においては、運送委員會の意見も求めることができるのである。だからこの第八條は列擧事項であるか、例示的事項であるか、その點お伺いいたします。
○郷野政府委員 第八條の第一項の各號に掲げてありまする事項につきまして、重要な事項は、道路運送委員會の意見を徴さなければならないということになつております。この事項につきまして、重要なるものは必ず諮問しなければならないという建前をとつておりまして、これ以外のものにつきましても、またこれに關しまして重要の程度につきましての考え方も、いろいろあろうかと思いますが、その必要を認めます場合には、この立法の精神から申しまして、行政官廳は道路運送委員會の意見を運用におきましてできるだけ廣く徴して、行政處分をするという行き方をとるべきものと考えております。
○田村委員 それではつきりいたしたのでありますが、たとえばかつて委員會におきまして質疑が出ました自動車業、もしくは自動車業免許その他十一條の國鐵と民間事業とが競立して運送事業をした場合において、民間におけるこの事業に對する損失の程度もしくは營業不能になりましたる程度というようなことが重要な事柄であるように思うのであります。從つてこの八條の條文がただ「左の事項」とあるので、左の事項以外のことについては、委員會の意見を徴しないのだということになるのでありますれば、多少その間に考慮の餘地があるのではないかと思つてお尋ねをしたのであります。 それからその次にお尋ねしたいことは、地方運送委員會と中央運送委員會とに諮問すべき事項の範圍の標準といいますか、限界といいますか、それについてお尋ね申し上げたいのであります。私こういうふうに考えるのですが、もしそれが問違いでありましたならば御指摘を願いたいと思います。中央運送委員會にかけるべき事項はいわゆるこの五つの事項、その他重要なる事項で、主務大臣が他に職權を委任することができないいわゆる主務大臣專屬の事項について中央運送委員會にかける。それから地方運送委員會にかけるべき事項は、この列擧の中のおそらく三だけではないかというふうに考えられるのですが、それは地方鐵道局長あたりに主務大臣から權限を委讓しましたその委讓の範圍、言いかえればこの地方運送委員會と中央運送委員會との諮問事項の區別の標準は、主管事務が大臣にあるか、局長に委任されたかによつて、そこに區別の標準があるのかということを聽きたいのであります。
○郷野政府委員 地方道路運送委員會に諮問せらべき事項でありますが、中央の運送委員會につきましては、運輸大臣がその職權に屬してみずから處分すべき事項を掲げたのでございますから、地分道路運送委員會につきましても同じような考え方からその行政官廳でありまする鐵道局長が、その職權に屬しまする事項につきまして、ここに掲げられました處分をしまする場合に、地方道路運送委員會の意見を徴することになります。從いまして現在私どもの考えておりまする職權の配分から申しますると、地方道路運送委員會に諮問せられます事項は、三と四に關することではないかと思います。自動車運送事業につきましても、路線事業につきましての臨時免許は、鐵道局長に委任せられることになりますから、これにつきましては、地方道路運送委員會が諮問を受けることになります。四につきましてこういう處分をいたします場合も同様でございます。しかし先ほども申し上げましたように、これは諮問を必要といたしまする事項でございます。從いましてここに掲げない事項につきましても諮問せらるべき場合のありますることは、前に申し上げた通りであります。
○田村委員 具體的の實例をとらえて申し上げますならば、こういう場合はどうでございましようか。今までのような三十日の期限を切つて一時的の免許をする場合は地方局長でありますが、そうでない場合は、たとえばバス事業の免許のごとき場合におきましては、免許權が主務大臣にありますから、これは中央運送委員會にかける。その一例をあげてみると、たとえば九州においてバス事業經營の免許を受けようとする際は、九州の鐵道局管内におけるところのいわゆる地方運送委員會には諮問せずして、ただちにその地方鐵道局の區域内の代表者が中央に出て、中央運送委員會にかければそれでいいということになるのか。つまり地元の地方運送委員會の意見は徴しなくても、中央運送委員會だけでやるという御方針なんでありましようか。
○郷野政府委員 お話のような場合におきましては、實際の運用においては、地方の鐵道局長の意見をその事業の免許につきまして徴することになると存じます。從いましてこの場合におきまして、地方の委員會に諮問されることになるのが當然であろうと考えます。また中央の道路運送委員會におきまして、獨自の立場で、地方の委員會の意見を聽く場合も、實際の運用としては考えられると存じます。
○田村委員 よくわかりました。
○正木委員長 木下榮君。
○木下委員 先ほどの佐伯委員の御質問と關連しまして、道路運送の行政に對しまして質問したいと思います。結論から先に申しますと中央における監督指導、そういうことは運輸省がなさるのがいいが、地方における監督、取締りその他のことはもちろん、資材の配給等は從前通り地方自治體、地方廳に任せるので一番いいんじやないかと考えるのであります。なるほど運輸省が地方の鐵道局管内の各府縣に自動車事務所を設けて、資材配給とか、自動車の檢査とかいうふうなことをやらせることは、形式的にはまことに完備しておりまして、その方がいいようにも思われますけれども、實際にはこれは非常に不便になる。またそういうふうなやり方では、將來自動車事業の發達ということはどうも望み得ない。こういうふうに考えるのであります。言うまでもなくかんじんの道路というものは地方廳が管理している。また田中政務次官は經濟の現段階において、資材の面で地方廳に委讓ができないと言うけれども、私は逆に經濟の現段階においてこそ地方廳に任せなければならぬ。早い話が、今自動車に最も必要な燃料、薪炭というものを地方廳がもつておる。またすべての機關が備わつておる。鐵道局が道路の運送を管理しようということは、私はこれは非常に不便があると思う。つまり末端の機關が備わつていない。あるいは天災とか何とかいうような場合に、輸送をどういうふうにするということも鐵道局では私はうまく行くまいと思います。自動車事務所ができて、全國各府縣を通じてその不便に悩まされておる。われわれは現にその一人である。二重監督になる。そうして資材の點で自動車事務所でなければいけないと言うが、どういう資材が自動車事務所でなければいけないのか、もしそういうことがあれば參考のためにお伺いしたい。材料、燃料といい、タイヤといい、油といい、何でも自動車事務所であるがためにうまく行くということは私は一つもないと思う。むしろまずく行つておる。これは商工省がタイヤとか油とかを掌つておる。また自動車の部分品も商工省の管轄になつておる。であるから運輸省の人はこういう方面に向つてはなはだ便利が少い。地方廳の人の方が便利が多い。俗に押しがきく。だからわれわれ業者は非常に困つておる。しかも人事というものはなつていない。最近新聞によると、行政調査部でも人事は運輸省が掌り、地方の自動車部は廢止してこれを地方廳に委讓するということである。これが一番いいことと思う。またこうなくては、自動車の發展は、われわれの經驗によるとなかなか期し得ない。これは悪口を言うのじやないけれども、悪くとると、運輸省のセクシヨナリズムというか、なわばりの擴張のようにもとれる。鐵道局が自動車部を置いて、自動車部がすべての道路の運送を一手に握ろうということは、これは非常に形式的にはいいけれども、實際には不便であつて、自動車事業の發達を阻止するものである。われわれは極端に言えばそういうふうにも考えておる。さいわい行政調査部でもそういう議論が起つておるときであるから、この際道路運送法の制定と同時に、思い切つてそういうふうに改正をされる御意思があるかどうか伺いたい。
○田中(源)政府委員 木下委員にお答えいたします。地方におけるところの出先機關が、運輸事業の發達を阻害する傾向を示しておる、速やかに地方にありまする自動車等のごとき出先機關は、これを廢止せよという、ことであります。これは一應ごもつとものように受けとれるのでありますが、先般來新聞紙上に出ました事柄については、相當政府部内においても、その筋から強い戒告があつたと聞いております。また行政機構の改革の上において、私どもは先ほど申した通り、決して地方自治體の進展を阻害し、地方分權の確立を阻害するような行政運營の面のないように、少くとも官僚でない私どもにおいては、十分に考慮いたしておるのであります。先般來次官會議においてもこの面について十分檢討いたしておるのであります。しかしながら現在の日本の財政と輸入の面におきまして——なるほどチユーブ・タイヤ等の生産が商工省の所管事項になつておりまするけれども、その資材面についても、日本の行政監督をしておる面において、これらの事業の健全なる發達のために、一定資材の確保をしていかなければならぬのであります。この面は業者諸君のお力よりも、運輸省自體が業者育成のために、事業の確立をはかるために、自動車の輸入促進竝びに自動車タイヤのすべての原料の輸入等について多大の努力をいたし、過般來の割當においてもある程度の一定水準を確保してきたようなわけであります。また輸入燃料においても、ガソリン、その他のオイルにおいてもその通りであります。またこれに必要なる綿花の輸入においてもその通りであります。それらの生産における資材の確保の上においてもその通り、私どもは企業の確立、進展のために一定資材を確保していく方策をとつておるのであります。なるほど一面、從來の地方長官は輸送行政の一元の上において、出先機關よりも把握力をもつておる。またこれが自主的の力をもつておると申されることは、あるいは私はその點認めざるを得ない點もございます。しかしながらこの資材の面を、監督行政の統制からそういたします場合には、過去において企業自體がややもすればばらばらになり、ややもすれば地方勢力によつて左右せられて、眞に公正なる資材の配分その他のことが阻害されてきておつた點が多々あるのであります。現状においても各種の面において、國民の聲と企業者の聲との間にいろいろ反對の意見が出てくるのも、よつて歸するところは、そこに一つの原因を認めざるを得ない點も生じておるのでございまして、かような面が、結局今日の經濟事情を統制せざるを得なくなつた現状を來したのであります。かような見地から考えてみて——私どももいつまでも地方自治體の發達のために把握していこうとは考えておりません。先ほど私が申した通りに、この現業と監督を區分的に確立していく。監督は監督の面で、現業は現業の面で行つて、おのおのその分野において存立していく、行政の面を確立していくというような考え方をもつており、またこれを少くとも近い期間において實施していきたいということも言明申し上げた次第でありまして、私どもは必ずしもこれを固守しようとは考えておりません。しかしながら、ただいまの日本の國民のある一つのアイデアのごとくに、また今日向いつつある國際情勢と、日本の經濟力と、日本の資源とをにらみ合わせたときに、はたして日本の地方自治體にこれを全面的に渡して、これが完全に運用できるかということに多大の不安をもつのであります。一定の期間内、私どもがこれを軌道に乘せていく期間においては、これは今日やむを得ない状態であろうと思います。また輸入資材面において、これが公正に流れざるときにおいては、今後の輸入量に一大阻害を來す原因を生じまするがゆえに、この點については、私どもは企業家も、われわれ監督行政面にある者も相協力一致して、自然的に民營の確立を期するような方向に向けていくことがいいのではないかと考えておるのであります。現實ただちにもつてこれを地方廳に委任するということについては、未だ時期尚早であろうと考えておるのであります。
○木下委員 よくわかりましたが、自動車の輸入とか、製造とか、ゴムの輸入、油類その他について、運輸當局が非常に努力していただいておることは、われわれ十分承知しております。また常に感謝しておるところでありますが、それは運輸省として當然すべきことであるとも言えるのであります。私は地方廳がそういうことをやられるということを申し上げたのでないのであります。地方の自動車事務所で扱う事務のことを申しておるのであります。こういう大きな國策的の問題は、これは當然本省がやるべきことであつて、またよくやつていただいておるので、われわれ感謝いたしておりますが、今の各府縣の自動車事務所、この扱つておること、ただ問題はそれなんです。本省の問題とは切り離します。地方の出先の事務所、あるいは地方鐵道局の陸運、こういうところでやつておられることは、どうも今までの自治體に任した方がいい。これは實際においてわれわれが何十年間地方廳の監督を受けてきて、最近になつて事務所というものができて、そして實際にぶつかつて知つておるのであります。あるいは考え方によつたら田中政務次官のごとく、從來は不公平であつた、だから事務所をつくつて公正に直さなければいかん。これはごもつとも、その通りであります。私はそれが逆にいつておると思うのであります。これはもし一、二の實例をあげろと言われるならば、この席では困りますけれども、いつでもあげます。的確な事例をあげます。何もわれわれだけじやない。全國を通じてこの自動車事務所というものがない方がいいと言つております。こういう世論です。中央において皆さんがお考えになるのと違う、地方の自動車事務所の扱い方や、いろんなものが大分お考え通りにいつていない。であるから、行政調査部なんかでそういう議論が出るようならば、むしろ思い切つてこの際地方廳に委讓なすつたらいい。また地方廳がそういう不都合な配給をやつたり、資材の扱い方をするのはいくらも監督方法があると私は思う。どう考えても、道路運送を鐵道の手一本でやらなければならぬ。七つか九つの鐵道局を通じて、そして自動車事務所を通じて、これを指導し、發展さしていこうということは——實際道路を管理し、また現在では燃料のほとんど大部分をつくつておる、また警察力ももつてある、そういう地方廳に委讓した方がよい。これは經理の點も相當冗費が多いのじやないかと思う。新しい官廳を一つ置くということは——さいわい行政の調査部の方でもそういう御議論もあつたようでありますから、この際よく御研究なすつて、そして實情もよくお調べになつて、ああいうものは廢止して、そろそろここで地方廳の方へ委讓なされた方が、實際においてこの業界發展のためにも、何のためにも非常にいいのじやないか。私はこの大きな問題が地方長官でできるとか、できないとかいうことじや決してない。地方の自動車事務所が扱う事務のことを言うておるのでありますから、誤解のないように特にそれを申し上げておきます。
○田中(源)政府委員 簡單に私の考えを申し上げて、地方の業界の各位の人も御研究を願いたいと思います。今木下氏は、煩雜極まることであり、また地方におけるすべての生産を監督いたしておりまするところの地方長官等、地方廳の方が緊密な連絡があるというふうに申されておりましたが、私はここでひとつお考えを願いたいと思うのであります。過去においてもいろいろと弊害があつて、しかも今日の日本の現状の財政と、資材においては、一應それが末端にまで浸透し、效果的な效率をあげるという見透しをつけることにおいて、はたして地方廳ででき得るか否か。しかも從來の地方廳の權限と、公選されたる今日の地方廳の權限との上において、各種の自治的なる團體が、過去のごとくに地方長官の權限が行われ、かつもつて速かにそれが現實の面に現われてくるかということを考えてみまする場合に、必ずしもそうでないのであります。今日の米の供出においてすら、その點において私どもはよく事例を見受けるのであります。出先官憲が事務上において、はなはだ效率のあがらざることが多々にあると仰せられまするが、なるほどあるいはその通りかも存じません。しかし從來においても、地方官憲のやり方に、幾多の弊害、幾多の情實等があつて、これが正しく運營されていなかつた點は多々あるのであります。こういう點を考えてみまする場合において、私はもし木下委員の仰せられるごとくに、そういう事例があるといたしますならば、今日の時勢において總合的に、達觀的にこれを見て、よく業者と地方の事務所とが連絡をし、そうしてその事務の運營に當つていきまするならば、御懸念の點は取除かれるのではないかと思うのであります。とくと私どもの方も研究をいたしまして、一應この點についての考えをまとめたいと思いまするが、今行政調査部において云々されておりますることは、あれは新聞に出ておりましたけれども、この問題については相當強い根據が横たわつているものと私どもは考えております。しこうして簡單にそれを廢止するということは、今日容易でないということも想像し得られるのでありまして、十分に總合的に研究をいたしまして、またしかるべき時期に意見を開陳いたしたいと存じます。
○木下委員 よろしゆうございます。
○正木委員長 原彪君。
○原(彪)委員 先ほど田村委員からの御質問に對する郷野政府委員の御答辯は、私ども何だかはつきりわからないような氣がするのでありますが、地方道路運送委員會と、中央道路委員會との取扱内容の點であります。地方道路運送委員會の取扱内容はあまりに小さいようなものじやないかと思うのであります。臨時免許の基準というようなことをおつしやつておられましたが、もう少し詳しく内容を御説明願いたいと存じます。
○郷野政府委員 地方道路運送委員會の必須的諮問事項と申しまするか、行政官廳が必ず諮問しなければならない事項として考えられまするものは、ただいま考えておりまする案によりますると、鐵道局長の職權に屬する第八條の第三項各號に掲げられておりまする事項に該當するものでございます。これを實際の例について申し上げてみますと、先ほど申し上げましたように、バス及びトラツク事業につきましては、路線事業の臨時免許の問題がございます。それから事業の停止、これについての問題でございます。 次にタクシー、ハイヤーの仕事につきましては、免許につきましても、これは鐵道局長に委任する考えでございますので、この事項につきましては、地方委員會が諮問を受けることになつております。また事業の停止、免許の取消につきましても、ハイヤー、タクシーの仕事及び特定のバス事業につきましては、同樣に地方におきまして重要な事項は諮問を受けることになるのでございます。その詳細な内容につきましては、別にお手もとにごらんに入れております政令案の第二章の第四A、B及び第五にただいまお話申し上げた事柄が掲げてあるのでございます。
○正木委員長 この機會に委員長からもこの問題についてお尋ねしたいのですが、第四條と關連して職權の問題です。政令案の第二章の職權の委任事項に關する限りは、ただいま御答辯のように地方委員會に局長が諮問されると思うのでありますが、どうもよくわかりませんから、御參考にいただいた政令案の第一章、第二章等についてわかりやすく具體的に御説明をいただくと、このことがより明確になつてくるのではないかと思いますので、この點御説明を願いたいと思います。
○郷野政府委員 それではこの政令案の要綱につきまして御説明申し上げます。 第一章の主管行政廳についてでございますが、第一に規定いたしておりますのは、「道路運送法中主務大臣」と書いてあるのがございますが、この主務大臣が、具體的な事項につきましてどの大臣であるかという點につきましては、運賃及び料金につきましてただいま物價統制令が施行されておりますので、これは物價統制令の規定によりまして物價廳長官ということになります。自動車事業につきましては、使用料金に關する場合を除きますほか運輸大臣及び内務大臣となります。使用料金はやはり物價廳長官でございます。その他の場合につきまして主務大臣とありますのは、すべて運輸大臣という考え方をいたしております。 第二に行政廳という言葉につきまして説明をいたしておるのでございますが、この行政廳は行政官廳のほか地方廳も含めまして廣い觀念でございます。輕車輛運送事業に關しましては、次の一、二、三に掲げております事項を除きまして旅客輕車輛運送事業にありましては、これは東京都の區の存する區域内に限るのでございますが、區長を總合しての立場において都知事にお願いいたしたいと考えております。都知事または東京都の區の存するところ以外の分につきましては、市町村長という考え方にいたしております。貨物輕車輛運送事業につきましては、鐵道局長、これは實際におきましては自動車事務所長にその職務を取扱わせるつもりでございます。鐵道局長を政令に入れておりますのは、現在の官制におきまして自動車事務所長が鐵道局長の職務を取扱う官職ということになつておるからでございます。 次に掲げております事業の停止、公共の福祉に反する行為の禁止、運送命令、これにつきましては都知事また市町村長のほかに、必要に應じまして旅客輕車輛に關しまする場合は、なお運輸大臣、鐵道局長もこの權限を行使することにする必要もあると考えておりますので、これを加えたいと思つております。貨物輕車輛につきましては鐵道局長が建前でございますが、運輸大臣もその職權を行使することのできるようにいたしたいと考えております。 次に自動車道の工事のためにする土地の立入及び使用についてでありますが、これは事柄の性質上、都道府縣知事がといたしたいと考えております。これは法律の第四十一條に掲げてございます。 次に車輛の檢査及び整備についてでありますが、自動車につきましては鐵道局長、旅客輕車輛につきましては都知事または市町村長ということにいたします。都知事は東京都の區の存する區域内でございます。以上の場合におきまして鐵道局長とおりますのは、やはり前に申し上げましたように自動車事務所長をしてその職務を取扱わせるということを豫想しております。 次に道路運送法第五十六條の登録の仕事であります。ここには行政官廳という言葉を使つておりますが、これは鐵道局長、自動車事務所長が實際において取扱うということを考えております。 次に職權の委任でございますが、鐵道局長に主務大臣の職權を委任せられます場合は次の場合を考えております。自動車運輸事業につきましては一般乘合旅客自動車運送事業、一般貸切旅客自動車運送事業、これはいわゆる大型貸切でございますが、これ及び貨物自動車運送事業に關する事項につきまして次に掲げておりますもの、すなわち臨時の必要によりまして一箇月以内の免許をいたしまする定路線の事業であります。 その次に運輸開始及び專用自動車道の工事施行に關する期間の伸長であります。特定貨物自動車は別のところに規定いたしておりますので、ここから除いております。 次に專用自動車道の供用の開始でございます。次に事業計畫の變更、次に專用自動車道の工事方法の變更、但し重要事項を除くことになつておりまするが、これは現行におきましても、同樣になつておりますので、特に重要な事項を除きまして、一般にすべて職權を委任いたしております。次に事業用自動車の貸渡しにつきましても職權を委任をいたします。それから前項に掲げまする事業に關して運輸大臣の職權で左に掲げる事項に關するものは、當該大臣の許認可を要する事項を除きまして、鐵道局長もこれを行うことができるようにいたします。これは運輸大臣の職權に保留はいたしておりまするが、同時に特に運輸大臣の許認可を要する事項、あるいは物價廳長官の許認可を要する事項、こういうものを除きましては、鐵道局長も輕易の場合におきまして、必要に應じて行うことができるようにいたしております。それがすなわち公共の福祉に反する行為の禁止事業の改善命令、運送命令、事業の停止、これでございます。 次に一般貸切旅客自動車運送事業、これはいわゆる大型のものを除いておるのでございます。すなわちこれはハイヤー及びタクシーでございます。この仕事及び特定旅客自動車運送事業に關する三つのもの以外のものは、職權を委任いたします。この三つの場合、すなわち公共の福祉に反する行為の禁止、運送命令、事業の停止及び免許の取消、これにつきましては運輸大臣の職權で當該大臣の許認可を要する事項及び免許の取消を除きまして、鐵道局長もこれを行うことができるということにいたしまして、これらの事項につきましては、運輸大臣と鐵道局長の兩方ができるという規定の建前をここに示しておるのでございます。 次に自家用自動車でございますが、自家用自動車の貸渡し、自家用自動車の使用の制限及び禁止に關する職權は、これは鐵道局長も行うことができるという建前にいたしまして、大臣と竝行いたしまして、鐵道局長にも職權を委任いたします。 次に第五でございますが、自動車道事業に關します運輸大臣及び内務大臣の職權で次に掲げます事項に關するものは、鐵道局長及び都道府縣知事にこれを委任することにいたします。自動車道事業につきましては、運輸大臣、内務大臣の共管でございます。從いまして職權委任も兩方面にすることにいたしております。すなわち一般自動車道の工事施行の認可申請期間の伸長、一般自動車道の完成期間の伸長、一般自動車道の供用の開始、事業計畫の變更、これは專用自動車道につきまして申し上げましたと同樣、現行法におけると同樣、重要な事項を除くようにいたしたいと思います。 次が事業の一部の休止でございます。自動車道事業に關する運輸大臣及び内務大臣の職權で、次に掲げております事業の改善命令、事業の停止、これは同時に鐵道局長、都道府縣知事も主務大臣と竝んで職權を行うことができるようにいたしております。 第六の一般の貸切旅客自動車運送事業、これは乘車定員八人以上の大型と稱する自動車を除いておりますが、すなわちハイヤー、タクシーでございます。これと特定旅客自動車運送事業の運賃及び料金に關する物價廳長官の職權は、ただいま地方長官に委任されておりますが、地方鐵道軌道と同樣、鐵道局長にこれを委任することにいたしたいと考えております。
○正木委員長 そうしますと、あらためてお尋ねしますが、地方委員會にかかりますものが、この職權の委任事項から見ますと、當該營業者にとつては相當重要なものがある。こう私には考えられるのです。そこで先ほど田村委員からの質問の場合に、局長はこういう御答辯をなさつたやに私は承つたのであります。當局としては局長の意見を徴するので、實際の運用に當つては地方委員會に諮問する、かように私は聽いたのであります。地方委員會に相當重要なことが諮問されるとすれば、そのことが同時に中央委員會に反映してくるのでありますから、この地方の委員會の任務というものは相當重いものだと、こう考えてよろしいかどうか、この點お伺いします。
○郷野政府委員 お話の通りだと私ども考えております。
○正木委員長 さらにお尋ねいたします。そうしますと、この第八條の委員會の組織の點にはいるわけですが、しばしば當委員會で御答辯になつておるところによると、北海道は除きますが、まず各縣から一名というような御答辯であります。今の地方委員會というものがさように任務が重いものだとするならば、どのような委員を縣知事がお選びになつても、實際の運用に當つては無理ではないでしようか。少くとも各縣に委員會を設けるということが、私としては理想だと思いますが、各縣に委員會がかりに設けられないような場合であつても、各縣ごとに、たとえば自動車事業に關係する業者の代表であるとか、あるいは物を生産及び消費する面の代表者であるとか、あるいは學識經驗者の代表であるとかいう、相當數の委員をつくられることの方が、實際の運用に當つては效果があがるように私には考えられますが、この點について御意見を、あらためてお伺いしたいと思います。
○郷野政府委員 この點につきましては、私どもは次のように考えております。道路運送委員は、この重大な職責を果しますために、關係の都道府縣知事から選任されるのでございますが、その立場は、おのおの選任せられました都道府縣の國民すべてを代表した立場におきまして職務を執行されるものと存ずるのであります。道路運送委員會は、その本質におきまして、官廳の取り行います行政部面につきまして、またその他の行政事務につきまして、實質的に官廳の意向を支配いたしますような意見を出す機關であります。從いまして道路運送委員會の委員になられます方々が、やはりその選出されました場所の國民全體を代表する立場におきまして、公正な意見を立てていただくという考え方でまいりますと、ある種類の方々の意見を代表し、あるいは利益を代表されるという關係におきましては、完全に職務を實施されることができないであろうと存じますし、またその責任を完全に果していく上におきましても、廣くすべてを代表したという關係にすることが一層徹底をするのじやないかと存じておるのであります。なお委員會の權限といたしまして、必要のあります場合には調査の囑託もできますし、報告、情報、資料を求めることもできることになつておりますし、事件の關係人または參考人に對しまして出頭を求め、意見、報告を徴するということにもなつておりますので、委員のお立場におきまして、御自身で判定のつかない事柄につきましては、こういう方法を利用されることもできると存じます。また進んでこういう方法によりまして、廣い立場から意見を立てられることを豫想いたしておるのでございます。從いまして、都道府縣の關係におきましては、一人の委員を推薦していただくということで、完全に職務をとつていただく態勢ができ上るのではないか、かように信じておる次第でございます。なお前にも申し上げましたが、アメリカやイギリスのこの種の委員會におきましても、少い場合は三名の場合もあるようでございますけれども、やはり數人の委員が同じような關係におきまして、選任せられました地方を代表いたしまして、職務をとるような建前をとつておる例も十分に參考にいたしたいと考えておる次第でございます。
○正木委員長 私局長と議論をしようと思うのでありませんから、そのおつもりでお聽きを願いたいと思うのですが、現實の日本の姿として、この道路運送委員會のもつ役割というものは、その地方において營業いたしております各般の事業者にとつても、これは非常な權限をもつ委員會であると思いますし、同時にその地方民にとつては、この委員會の最後の決定ということについては、重大なる關心をもたれるところの重要なる委員會になることは間違いないと思うのです。そういう場合に、アメリカがどうか、イギリスがどうか、私は知らぬが、國民のすべてを代表する公平な立場に立つて——なるほどこの委員會はそれぞれの方法によつて職務を完全に遂行する途は開かれておりますけれども、はたして一人でもつて背負い切れるかどうかということなのです。もしこの委員會の運用が誤まりますと、これは全國的に非常に大きな政治問題化すということは、間違いない思うのです。ということは、現に當委員會にかかつております百數十件の請願、陳情を見ましても、一つの例をとれば、一方では省營バスを一月も早くやつてくれと言うし、一方では省營バスを絶對まかりならぬ、民營を助長さしてくれというように、この二つの問題においてさえも、かように非常な請願、陳情が來ておるわけです。そのことから想像いたしましても、この委員會の運用というものについては、細心の用意とくふうが用いられなければならぬと私は思うのです。そこで結論として、具體的に局長の言うように、國民をすべて代表するものとして、公平なる立場に立つてこうした問題を處理するということになつてきますと、一體どういう人がいいのでしようか。實際問題として、一番知つておるのは、從來の事業をやつておつた各縣の自動車會社の社長であるとか、あるいは從來の行政の實際の監督權をもつておつた各縣廳の運送課長というのですか、もとは保安課長といつておつたのですが、そういう人、あるいはそれでなければ、鐵道局長かあるいはその下におる業務課長か、そういう人たちであつて、普通の全然何もわからぬ民間人をこれに出しては、實際問題として、今あなたの言われたような、國民をすべて代表して公平な立場に立つてその兩方を納得させるような、すぐれた委員というものは出てこないと思うのですが、この點について、抽象的でなく、具體的にひとつ御所信を承つておきたいと思います。
○郷野政府委員 委員としては、廣く自由な立場で都道府縣知事に御推薦を願うということを建前としては考えておるのでございますが、實際に、やはり、委員長のお話のごとく、業界の實情につきましても、まて廣くその附近の交通經濟全般の問題につきましても、精通しておられる方が理想であろうかと存じます。先般もこの委員會におきまして、事業の經營を直接やつておられるような方につきましてはどうか、というふうな御意見もございました。私どもの立場から申し上げますと、現在その事業に重大な利害をもつておられるというふうな場合は別といたしまして、かつてそういう事業を經營することについて豐富な經驗をもつておられる方でありますとか、この委員として就任せられるにあたりまして、そういう關係を絶つて、公平な立場で仕事を行おうというような方でありましたならば、委員としての職務を行つていただく上におきまして非常にいいのではないか、かようにも考えておるのでございます。しかしながら、こういう經歴などにとらわれませんで、ほんとうに熱心に、また任期もあることでございますが、相當の任期が豫定せられるといたしますれば、その間にその方面の御勉強を願つて、御努力を願える方でありましたならば、そういう直接の知識經驗は必ずしもおもちにならなくてもいい場合も考えられると存ずるのでございます。
○正木委員長 最後にもう一點御所信を承つておきたいと思うのです。この施行令に基く政令をただいま承つたのでありますが、ある場合においては運輸大臣と内務大臣の共管、兩方でやられる場合もありますし、知事の場合もございますし、市町村長の場合もございます。一方委員の數いかんは別として、地方の局長が職權を握るわけですれども、この知事とかそれから市町村長とかいうものについては、全然この委員會と接觸面をもたなくて、今のこの法律のように切り離しておいても實際の運用をいたします場合に差支えがございませんか。この點もひとつ承つておきます。
○郷野政府委員 委員の方々は都道府縣知事の御推薦による建前に考えておりますので、その關係におきまして、實際上都道府縣知事竝びに都道府縣のそれぞれの機關とも御連絡はとつていただけるものと考えております。そしてなお道路運送委員會が職務を行いますために必要があります場合には、都道府縣その他官公署、公務所というようなものにつきましても十分に意見を求め、また必要な連絡をとつて仕事をしていただく建前になつておりますので、この面から、必ずしもこの委員の選出せられました關係からのみでなく、委員會全體としましても、關係の都道府縣との連絡も十分にしなければならない、またできる建前になつておるのでございます。しかしながら、法律の上におきましてこれを明らかに規定いたしたものはございませんが、その精神は、今申し上げましたようなところで十分に運用によりまして達成できると考えておる次第でございます。
○正木委員長 委員長の質問はこれで終ります。他に質問はございませんか。——井谷正吉君。
○井谷委員 今の局長のお話についてちよつと附け加えて承りたいのでありますが、この中央委員會というものは、これは大した權限になると察せられる。お話のようだと、國民の代表とか、それから運輸省の道路行政とかを左右するほどの大きな發言をなす權限があり得るというように承つた。そうしますと、私どもこの交通運輸委員會の立場と、ここに非常な混線する状態ができてきはしないかと思う。というのは、この案によりますと一方任期が五箇年も勤められる。われわれはあす知れぬ命、とこういうことになりまして、請願、陳情というものもたくさん來るのだが、これについてわれわれの意見と、またその方々の意見と相違するということもあり得ることなのであります。ところが實際に運營に當つた場合に、これをよほどはつきりしていただかぬと、こういう大した權限を與えられるものは、いかに本省の諮詢とは言いながら、私どもは自分たちの立場として大いに考慮しなければならぬ問題ができると思うのであります。その點をひとつはつきりしていただきたいと思います。
○郷野政府委員 根本は立法府と行政府との關係になつてくることと存じます。國會の御意思が法律といたしまして出てまいります場合におきまして、行政府またその諮問機關であります道路運送委員會がこれに拘束せられまして、その立法の精神に從つて仕事を擔當してまいるということは當然であろうと存じます。また豫算その他の關係におきましても、國會の御意思はやはり現われてまいることと存じます。從いまして私どもの考えといたしましては、運輸大臣が、またその他の主務大臣である場合もございますが、この法律の實施につきまして國會に責任を負うという立場におきまして、實際に行政處分をしてまいります場合に、この委員會に諮問して、その意見によつて行政をするということになるのでございますが、國會に對しまして責任を負うという立場からいたしまして、國會の示されました立法、豫算その他の面につきましての御意向というものは、やはりこの道路運送委員會にも十分に反映させまして、運輸大臣としてはその職責を盡していかれるという立場で、法律の運用に當らるべきものであろうと考えておる次第でございます。
○正木委員長 なお質問があろうかと思いますが、本日はこの程度で散會したいと思いますが、いかがでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○正木委員長 では本日はこの程度で散會いたします。次會の日程は公報をもつてお知らせいたします。 午後四時三十六分散會