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民事平成二十三年法律第五十二号現行

家事事件手続法

公布日
2011/05/25
最終改正公布
2026/06/24
施行日
2026/06/24
条数
365

直近の改正法: 民法等の一部を改正する法律

条文

第一章 通則
第一条 (趣旨)

家事審判及び家事調停に関する事件(以下「家事事件」という。)の手続については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

第一章 通則
第二条 (裁判所及び当事者の責務)

裁判所は、家事事件の手続が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に家事事件の手続を追行しなければならない。

第一章 通則
第三条 (最高裁判所規則)

この法律に定めるもののほか、家事事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の二 (不在者の財産の管理に関する処分の審判事件の管轄権)

裁判所は、不在者の財産の管理に関する処分の審判事件(別表第一の五十五の項の事項についての審判事件をいう。第百四十五条において同じ。)について、不在者の財産が日本国内にあるときは、管轄権を有する。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の三 (失踪の宣告の取消しの審判事件の管轄権)

裁判所は、失踪の宣告の取消しの審判事件(別表第一の五十七の項の事項についての審判事件をいう。第百四十九条第一項及び第二項において同じ。)について、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。 一日本において失踪の宣告の審判があったとき。 二失踪者の住所が日本国内にあるとき又は失踪者が日本の国籍を有するとき。 三失踪者が生存していたと認められる最後の時点において、失踪者が日本国内に住所を有していたとき又は日本の国籍を有していたとき。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の四 (嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件の管轄権)

裁判所は、嫡出否認の訴えについて日本の裁判所が管轄権を有するときは、嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件(別表第一の五十九の項の事項についての審判事件をいう。第百五十九条第一項及び第二項において同じ。)について、管轄権を有する。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の五 (養子縁組をするについての許可の審判事件等の管轄権)

裁判所は、養子縁組をするについての許可の審判事件(別表第一の六十一の項の事項についての審判事件をいう。第百六十一条第一項及び第二項において同じ。)、養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可の審判事件(同表の六十一の二の項の事項についての審判事件をいう。第百六十一条の二において同じ。)及び特別養子縁組の成立の審判事件(同表の六十三の項の事項についての審判事件をいう。第百六十四条において同じ。)(特別養子適格の確認の審判事件(同条第二項に規定する特別養子適格の確認についての審判事件をいう。第百六十四条の二第二項及び第四項において同じ。)を含む。)について、養親となるべき者又は養子となるべき者の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるときは、管轄権を有する。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の六 (死後離縁をするについての許可の審判事件の管轄権)

裁判所は、死後離縁をするについての許可の審判事件(別表第一の六十二の項の事項についての審判事件をいう。第百六十二条第一項及び第二項において同じ。)について、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。 一養親又は養子の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。 二養親又は養子がその死亡の時に日本国内に住所を有していたとき。 三養親又は養子の一方が日本の国籍を有する場合であって、他の一方がその死亡の時に日本の国籍を有していたとき。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の七 (特別養子縁組の離縁の審判事件の管轄権)

裁判所は、特別養子縁組の離縁の審判事件(別表第一の六十四の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)について、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。 一養親の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。 二養子の実父母又は検察官からの申立てであって、養子の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。 三養親及び養子が日本の国籍を有するとき。 四日本国内に住所がある養子からの申立てであって、養親及び養子が最後の共通の住所を日本国内に有していたとき。 五日本国内に住所がある養子からの申立てであって、養親が行方不明であるとき、養親の住所がある国においてされた離縁に係る確定した裁判が日本国で効力を有しないときその他の日本の裁判所が審理及び裁判をすることが養親と養子との間の衡平を図り、又は適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があると認められるとき。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の八 (親権に関する審判事件等の管轄権)

裁判所は、親権に関する審判事件(別表第一の六十五の項から六十九の項まで及び別表第二の七の項から八の二の項までの事項についての審判事件をいう。第百六十七条において同じ。)、子の監護に関する処分の審判事件(同表の三の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判事件を除く。)及び親権を行う者につき破産手続が開始された場合における管理権喪失の審判事件(別表第一の百三十二の項の事項についての審判事件をいう。第二百四十二条第一項第二号及び第三項において同じ。)について、子の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるときは、管轄権を有する。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の九 (養子の離縁後に未成年後見人となるべき者の選任の審判事件等の管轄権)

裁判所は、養子の離縁後に未成年後見人となるべき者の選任の審判事件(別表第一の七十の項の事項についての審判事件をいう。第百七十六条及び第百七十七条第一号において同じ。)又は未成年後見人の選任の審判事件(同表の七十一の項の事項についての審判事件をいう。同条第二号において同じ。)について、未成年被後見人となるべき者若しくは未成年被後見人(以下この条において「未成年被後見人となるべき者等」という。)の住所若しくは居所が日本国内にあるとき又は未成年被後見人となるべき者等が日本の国籍を有するときは、管轄権を有する。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の十 (夫婦、親子その他の親族関係から生ずる扶養の義務に関する審判事件の管轄権)

裁判所は、夫婦、親子その他の親族関係から生ずる扶養の義務に関する審判事件(別表第一の八十四の項及び八十五の項並びに別表第二の一の項から三の項まで、九の項及び十の項の事項についての審判事件(同表の三の項の事項についての審判事件にあっては、子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判事件に限る。)をいう。)について、扶養義務者(別表第一の八十四の項の事項についての審判事件にあっては、扶養義務者となるべき者)であって申立人でないもの又は扶養権利者(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判事件にあっては、子の監護者又は子)の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるときは、管轄権を有する。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の十一 (相続に関する審判事件の管轄権)

裁判所は、相続に関する審判事件(別表第一の八十六の項から百十の項まで及び百三十三の項並びに別表第二の十一の項から十五の項までの事項についての審判事件をいう。)について、相続開始の時における被相続人の住所が日本国内にあるとき、住所がない場合又は住所が知れない場合には相続開始の時における被相続人の居所が日本国内にあるとき、居所がない場合又は居所が知れない場合には被相続人が相続開始の前に日本国内に住所を有していたとき(日本国内に最後に住所を有していた後に外国に住所を有していたときを除く。)は、管轄権を有する。

相続開始の前に推定相続人の廃除の審判事件(別表第一の八十六の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)、推定相続人の廃除の審判の取消しの審判事件(同表の八十七の項の事項についての審判事件をいう。第百八十八条第一項及び第百八十九条第一項において同じ。)、遺言の確認の審判事件(同表の百二の項の事項についての審判事件をいう。第二百九条第二項において同じ。)又は遺留分の放棄についての許可の審判事件(同表の百十の項の事項についての審判事件をいう。第二百十六条第一項第二号において同じ。)の申立てがあった場合における前項の規定の適用については、同項中「相続開始の時における被相続人」とあるのは「被相続人」と、「相続開始の前」とあるのは「申立て前」とする。

裁判所は、第一項に規定する場合のほか、推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分の審判事件(別表第一の八十八の項の事項についての審判事件をいう。第百八十九条第一項及び第二項において同じ。)、相続財産の保存に関する処分の審判事件(同表の八十九の項の事項についての審判事件をいう。第百九十条の二において同じ。)、限定承認を受理した場合における相続財産の清算人の選任の審判事件(同表の九十四の項の事項についての審判事件をいう。)、財産分離の請求後の相続財産の管理に関する処分の審判事件(同表の九十七の項の事項についての審判事件をいう。第二百二条第一項第二号及び第三項において同じ。)及び相続人の不存在の場合における相続財産の清算に関する処分の審判事件(同表の九十九の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)について、相続財産に属する財産が日本国内にあるときは、管轄権を有する。

当事者は、合意により、いずれの国の裁判所に遺産の分割に関する審判事件(別表第二の十二の項から十四の項までの事項についての審判事件をいう。第三条の十四及び第百九十一条第一項において同じ。)及び特別の寄与に関する処分の審判事件(同表の十五の項の事項についての審判事件をいう。第三条の十四及び第二百十六条の二において同じ。)の申立てをすることができるかについて定めることができる。

民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第三条の七第二項から第四項までの規定は、前項の合意について準用する。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の十二 (財産の分与に関する処分の審判事件の管轄権)

裁判所は、財産の分与に関する処分の審判事件(別表第二の四の項の事項についての審判事件をいう。第百五十条第五号及び第百五十二条の二第二項において同じ。)について、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。 一夫又は妻であった者の一方からの申立てであって、他の一方の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。 二夫であった者及び妻であった者の双方が日本の国籍を有するとき。 三日本国内に住所がある夫又は妻であった者の一方からの申立てであって、夫であった者及び妻であった者が最後の共通の住所を日本国内に有していたとき。 四日本国内に住所がある夫又は妻であった者の一方からの申立てであって、他の一方が行方不明であるとき、他の一方の住所がある国においてされた財産の分与に関する処分に係る確定した裁判が日本国で効力を有しないときその他の日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を図り、又は適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があると認められるとき。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の十三 (家事調停事件の管轄権)

裁判所は、家事調停事件について、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。 一当該調停を求める事項についての訴訟事件又は家事審判事件について日本の裁判所が管轄権を有するとき。 二相手方の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。 三当事者が日本の裁判所に家事調停の申立てをすることができる旨の合意をしたとき。

民事訴訟法第三条の七第二項及び第三項の規定は、前項第三号の合意について準用する。

人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第二条に規定する人事に関する訴え(離婚及び離縁の訴えを除く。)を提起することができる事項についての調停事件については、第一項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の十四 (特別の事情による申立ての却下)

裁判所は、第三条の二から前条までに規定する事件について日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合(遺産の分割に関する審判事件又は特別の寄与に関する処分の審判事件について、日本の裁判所にのみ申立てをすることができる旨の合意に基づき申立てがされた場合を除く。)においても、事案の性質、申立人以外の事件の関係人の負担の程度、証拠の所在地、未成年者である子の利益その他の事情を考慮して、日本の裁判所が審理及び裁判をすることが適正かつ迅速な審理の実現を妨げ、又は相手方がある事件について申立人と相手方との間の衡平を害することとなる特別の事情があると認めるときは、その申立ての全部又は一部を却下することができる。

第一章の二 日本の裁判所の管轄権
第三条の十五 (管轄権の標準時)

日本の裁判所の管轄権は、家事審判若しくは家事調停の申立てがあった時又は裁判所が職権で家事事件の手続を開始した時を標準として定める。

第二章 管轄
第四条 (管轄が住所地により定まる場合の管轄権を有する家庭裁判所)

家事事件は、管轄が人の住所地により定まる場合において、日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときはその居所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属し、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときはその最後の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

第二章 管轄
第五条 (優先管轄)

この法律の他の規定により二以上の家庭裁判所が管轄権を有するときは、家事事件は、先に申立てを受け、又は職権で手続を開始した家庭裁判所が管轄する。

第二章 管轄
第六条 (管轄裁判所の指定)

管轄裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、その裁判所の直近上級の裁判所は、申立てにより又は職権で、管轄裁判所を定める。

裁判所の管轄区域が明確でないため管轄裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより又は職権で、管轄裁判所を定める。

前二項の規定により管轄裁判所を定める裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

第二章 管轄
第七条 (管轄権を有する家庭裁判所の特例)

この法律の他の規定により家事事件の管轄が定まらないときは、その家事事件は、審判又は調停を求める事項に係る財産の所在地又は最高裁判所規則で定める地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

第二章 管轄
第八条 (管轄の標準時)

裁判所の管轄は、家事審判若しくは家事調停の申立てがあった時又は裁判所が職権で家事事件の手続を開始した時を標準として定める。

第二章 管轄
第九条 (移送等)

裁判所は、家事事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。ただし、家庭裁判所は、事件を処理するために特に必要があると認めるときは、職権で、家事事件の全部又は一部を管轄権を有する家庭裁判所以外の家庭裁判所に移送し、又は自ら処理することができる。

家庭裁判所は、家事事件がその管轄に属する場合においても、次の各号に掲げる事由があるときは、職権で、家事事件の全部又は一部を当該各号に定める家庭裁判所に移送することができる。 一家事事件の手続が遅滞することを避けるため必要があると認めるときその他相当と認めるとき第五条の規定により管轄権を有しないこととされた家庭裁判所 二事件を処理するために特に必要があると認めるとき前号の家庭裁判所以外の家庭裁判所

前二項の規定による移送の裁判及び第一項の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

前項の規定による移送の裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。

民事訴訟法第二十二条の規定は、家事事件の移送の裁判について準用する。

第三章 裁判所職員の除斥及び忌避
第十条 (裁判官の除斥)

裁判官は、次に掲げる場合には、その職務の執行から除斥される。ただし、第六号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。 一裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事件の当事者若しくはその他の審判を受ける者となるべき者(審判(申立てを却下する審判を除く。)がされた場合において、その審判を受ける者となる者をいう。以下同じ。)であるとき、又は事件についてこれらの者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。 二裁判官が当事者又はその他の審判を受ける者となるべき者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき。 三裁判官が当事者又はその他の審判を受ける者となるべき者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。 四裁判官が事件について証人若しくは鑑定人となったとき、又は審問を受けることとなったとき。 五裁判官が事件について当事者若しくはその他の審判を受ける者となるべき者の代理人若しくは補佐人であるとき、又はあったとき。 六裁判官が事件について仲裁判断に関与し、又は不服を申し立てられた前審の裁判に関与したとき。

前項に規定する除斥の原因があるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、除斥の裁判をする。

第三章 裁判所職員の除斥及び忌避
第十一条 (裁判官の忌避)

裁判官について裁判又は調停の公正を妨げる事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。

当事者は、裁判官の面前において事件について陳述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。

第三章 裁判所職員の除斥及び忌避
第十二条 (除斥又は忌避の裁判及び手続の停止)

合議体の構成員である裁判官及び家庭裁判所の一人の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判官の所属する裁判所が、受託裁判官として職務を行う簡易裁判所の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が、裁判をする。

家庭裁判所及び地方裁判所における前項の裁判は、合議体でする。

裁判官は、その除斥又は忌避についての裁判に関与することができない。

除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで家事事件の手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。

次に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判をするときは、第三項の規定は、適用しない。 一家事事件の手続を遅滞させる目的のみでされたことが明らかなとき。 二前条第二項の規定に違反するとき。 三最高裁判所規則で定める手続に違反するとき。

前項の裁判は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、忌避された受命裁判官等(受命裁判官、受託裁判官、調停委員会を組織する裁判官又は家事事件を取り扱う家庭裁判所の一人の裁判官をいう。次条第三項ただし書において同じ。)がすることができる。

第五項の裁判をした場合には、第四項本文の規定にかかわらず、家事事件の手続は停止しない。

除斥又は忌避を理由があるとする裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

除斥又は忌避の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

第三章 裁判所職員の除斥及び忌避
第十三条 (裁判所書記官の除斥及び忌避)

裁判所書記官の除斥及び忌避については、第十条、第十一条並びに前条第三項、第五項、第八項及び第九項の規定を準用する。

裁判所書記官について除斥又は忌避の申立てがあったときは、その裁判所書記官は、その申立てについての裁判が確定するまでその申立てがあった家事事件に関与することができない。ただし、前項において準用する前条第五項各号に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判があったときは、この限りでない。

裁判所書記官の除斥又は忌避についての裁判は、裁判所書記官の所属する裁判所がする。ただし、前項ただし書の裁判は、受命裁判官等(受命裁判官又は受託裁判官にあっては、当該裁判官の手続に立ち会う裁判所書記官が忌避の申立てを受けたときに限る。)がすることができる。

第三章 裁判所職員の除斥及び忌避
第十四条 (参与員の除斥及び忌避)

参与員の除斥及び忌避については、第十条、第十一条並びに第十二条第二項、第八項及び第九項の規定を準用する。

参与員について除斥又は忌避の申立てがあったときは、その参与員は、その申立てについての裁判が確定するまでその申立てがあった家事事件に関与することができない。ただし、第十二条第五項各号に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判があったときは、この限りでない。

参与員の除斥又は忌避についての裁判は、参与員の所属する家庭裁判所がする。ただし、前項ただし書の裁判は、受命裁判官(受命裁判官の手続に立ち会う参与員が忌避の申立てを受けたときに限る。)又は家事事件を取り扱う家庭裁判所の一人の裁判官がすることができる。

第三章 裁判所職員の除斥及び忌避
第十五条 (家事調停官の除斥及び忌避)

家事調停官の除斥及び忌避については、第十条、第十一条並びに第十二条第二項から第四項まで、第八項及び第九項の規定を準用する。

第十二条第五項各号に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判があったときは、前項において準用する同条第四項本文の規定にかかわらず、家事事件の手続は停止しない。

家事調停官の除斥又は忌避についての裁判は、家事調停官の所属する家庭裁判所がする。ただし、前項の裁判は、忌避された家事調停官がすることができる。

第三章 裁判所職員の除斥及び忌避
第十六条 (家庭裁判所調査官及び家事調停委員の除斥)

家庭裁判所調査官及び家事調停委員の除斥については、第十条並びに第十二条第二項、第八項及び第九項の規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。

家庭裁判所調査官又は家事調停委員について除斥の申立てがあったときは、その家庭裁判所調査官又は家事調停委員は、その申立てについての裁判が確定するまでその申立てがあった家事事件に関与することができない。

家庭裁判所調査官又は家事調停委員の除斥についての裁判は、家庭裁判所調査官又は家事調停委員の所属する裁判所がする。

第四章 当事者能力及び手続行為能力
第十七条 (当事者能力及び手続行為能力の原則等)

当事者能力、家事事件の手続における手続上の行為(以下「手続行為」という。)をすることができる能力(以下この項において「手続行為能力」という。)、手続行為能力を欠く者の法定代理及び手続行為をするのに必要な授権については、民事訴訟法第二十八条、第二十九条、第三十一条、第三十三条並びに第三十四条第一項及び第二項の規定を準用する。

被保佐人、被補助人(手続行為をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る。次項において同じ。)又は後見人その他の法定代理人が他の者がした家事審判又は家事調停の申立て又は抗告について手続行為をするには、保佐人若しくは保佐監督人、補助人若しくは補助監督人又は後見監督人の同意その他の授権を要しない。職権により手続が開始された場合についても、同様とする。

被保佐人、被補助人又は後見人その他の法定代理人が次に掲げる手続行為をするには、特別の授権がなければならない。ただし、家事調停の申立てその他家事調停の手続の追行について同意その他の授権を得ている場合において、第二号に掲げる手続行為をするときは、この限りでない。 一家事審判又は家事調停の申立ての取下げ 二第二百六十八条第一項若しくは第二百七十七条第一項第一号の合意、第二百七十条第一項に規定する調停条項案の受諾又は第二百八十六条第八項の共同の申出 三審判に対する即時抗告、第九十四条第一項(第二百八十八条において準用する場合を含む。)の抗告若しくは第九十七条第二項(第二百八十八条において準用する場合を含む。)の申立ての取下げ又は第二百七十九条第一項若しくは第二百八十六条第一項の異議の取下げ

第四章 当事者能力及び手続行為能力
第十八条 (未成年者及び成年被後見人の法定代理人)

親権を行う者又は後見人は、第百十八条(この法律の他の規定において準用する場合を含む。)又は第二百五十二条第一項の規定により未成年者又は成年被後見人が法定代理人によらずに自ら手続行為をすることができる場合であっても、未成年者又は成年被後見人を代理して手続行為をすることができる。ただし、家事審判及び家事調停の申立ては、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定により親権を行う者又は後見人が申立てをすることができる場合(人事訴訟法第二条に規定する人事に関する訴え(離婚及び離縁の訴えを除く。)を提起することができる事項についての家事調停の申立てにあっては、同法その他の法令の規定によりその訴えを提起することができる場合を含む。)に限る。

第四章 当事者能力及び手続行為能力
第十九条 (特別代理人)

裁判長は、未成年者又は成年被後見人について、法定代理人がない場合又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、家事事件の手続が遅滞することにより損害が生ずるおそれがあるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、特別代理人を選任することができる。

特別代理人の選任の裁判は、疎明に基づいてする。

裁判所は、いつでも特別代理人を改任することができる。

特別代理人が手続行為をするには、後見人と同一の授権がなければならない。

第一項の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

第四章 当事者能力及び手続行為能力
第二十条 (法定代理権の消滅の通知)

別表第二に掲げる事項についての審判事件においては、法定代理権の消滅は、本人又は代理人から他方の当事者に通知しなければ、その効力を生じない。家事調停事件においても、同様とする。

第四章 当事者能力及び手続行為能力
第二十一条 (法人の代表者等への準用)

法人の代表者及び法人でない社団又は財団で当事者能力を有するものの代表者又は管理人については、この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定を準用する。

第五章 手続代理人及び補佐人
第二十二条 (手続代理人の資格)

法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ手続代理人となることができない。ただし、家庭裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を手続代理人とすることができる。

前項ただし書の許可は、いつでも取り消すことができる。

第五章 手続代理人及び補佐人
第二十三条 (裁判長による手続代理人の選任等)

手続行為につき行為能力の制限を受けた者が第百十八条(この法律の他の規定において準用する場合を含む。)又は第二百五十二条第一項の規定により手続行為をしようとする場合において、必要があると認めるときは、裁判長は、申立てにより、弁護士を手続代理人に選任することができる。

手続行為につき行為能力の制限を受けた者が前項の申立てをしない場合においても、裁判長は、弁護士を手続代理人に選任すべき旨を命じ、又は職権で弁護士を手続代理人に選任することができる。

前二項の規定により裁判長が手続代理人に選任した弁護士に対し手続行為につき行為能力の制限を受けた者が支払うべき報酬の額は、裁判所が相当と認める額とする。

第五章 手続代理人及び補佐人
第二十四条 (手続代理人の代理権の範囲)

手続代理人は、委任を受けた事件について、参加、強制執行及び保全処分に関する行為をし、かつ、弁済を受領することができる。

手続代理人は、次に掲げる事項については、特別の委任を受けなければならない。ただし、家事調停の申立てその他家事調停の手続の追行について委任を受けている場合において、第二号に掲げる手続行為をするときは、この限りでない。 一家事審判又は家事調停の申立ての取下げ 二第二百六十八条第一項若しくは第二百七十七条第一項第一号の合意、第二百七十条第一項に規定する調停条項案の受諾又は第二百八十六条第八項の共同の申出 三審判に対する即時抗告、第九十四条第一項(第二百八十八条において準用する場合を含む。)の抗告、第九十七条第二項(第二百八十八条において準用する場合を含む。)の申立て又は第二百七十九条第一項若しくは第二百八十六条第一項の異議 四前号の抗告(即時抗告を含む。)、申立て又は異議の取下げ 五代理人の選任

手続代理人の代理権は、制限することができない。ただし、弁護士でない手続代理人については、この限りでない。

前三項の規定は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人の権限を妨げない。

第五章 手続代理人及び補佐人
第二十五条 (手続代理人の代理権の消滅の通知)

手続代理人の代理権の消滅は、家事審判事件(別表第二に掲げる事項についてのものに限る。)及び家事調停事件においては本人又は代理人から他方の当事者に、その他の家事事件においては本人又は代理人から裁判所に通知しなければ、その効力を生じない。

第五章 手続代理人及び補佐人
第二十六条 (手続代理人及びその代理権に関する民事訴訟法の準用)

民事訴訟法第三十四条(第三項を除く。)及び第五十六条から第五十八条まで(同条第三項を除く。)の規定は、手続代理人及びその代理権について準用する。

第五章 手続代理人及び補佐人
第二十七条 (補佐人)

家事事件の手続における補佐人については、民事訴訟法第六十条の規定を準用する。

第一節 手続費用の負担
第二十八条 (手続費用の負担)

手続費用(家事審判に関する手続の費用(以下「審判費用」という。)及び家事調停に関する手続の費用(以下「調停費用」という。)をいう。以下同じ。)は、各自の負担とする。

裁判所は、事情により、前項の規定によれば当事者及び利害関係参加人(第四十二条第七項に規定する利害関係参加人をいう。第一号において同じ。)がそれぞれ負担すべき手続費用の全部又は一部を、その負担すべき者以外の者であって次に掲げるものに負担させることができる。 一当事者又は利害関係参加人 二前号に掲げる者以外の審判を受ける者となるべき者 三前号に掲げる者に準ずる者であって、その裁判により直接に利益を受けるもの

前二項の規定によれば検察官が負担すべき手続費用は、国庫の負担とする。

第一節 手続費用の負担
第二十九条 (手続費用の負担の裁判等)

裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における審判費用(調停手続を経ている場合にあっては、調停費用を含む。)の全部について、その負担の裁判をしなければならない。ただし、事情により、事件の一部又は中間の争いに関する裁判において、その費用についての負担の裁判をすることができる。

上級の裁判所が本案の裁判を変更する場合には、手続の総費用(調停手続を経ている場合にあっては、調停費用を含む。)について、その負担の裁判をしなければならない。事件の差戻し又は移送を受けた裁判所がその事件を完結する裁判をする場合も、同様とする。

調停が成立した場合において、調停費用(審判手続を経ている場合にあっては、審判費用を含む。)の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。

第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件についての訴訟が係属する裁判所が第二百五十七条第二項又は第二百七十四条第一項の規定により事件を調停に付した場合において、調停が成立し、その訴訟についての訴訟費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。

第一節 手続費用の負担
第三十条 (手続費用の立替え)

事実の調査、証拠調べ、呼出し、告知その他の家事事件の手続に必要な行為に要する費用は、国庫において立て替えることができる。

第一節 手続費用の負担
第三十一条 (手続費用に関する民事訴訟法の準用等)

民事訴訟法第六十九条から第七十四条までの規定(同法第七十一条第二項(同法第七十二条後段において準用する場合を含む。)及び第八項(同法第七十二条後段及び第七十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定を除く。)は、手続費用の負担について準用する。この場合において、同法第七十二条中「当事者が裁判所において和解をした場合」とあるのは「調停が成立した場合」と、「和解の費用又は訴訟費用」とあるのは「家事事件手続法第二十九条第三項の調停費用又は同条第四項の訴訟費用」と、同法第七十三条第一項中「裁判及び和解」とあるのは「裁判及び調停の成立」と、「補助参加の申出の取下げ又は補助参加についての異議の取下げ」とあるのは「家事事件手続法第四十一条第一項若しくは第四十二条第一項の規定による参加の申出の取下げ又は同条第二項の規定による参加の許可の申立ての取下げ」と、同条第二項中「第六十一条から第六十六条まで及び」とあるのは「家事事件手続法第三十一条第一項において準用する」と、「について、同条第二項の規定は前項の申立てについて」とあるのは「について」と、「第八項まで」とあるのは「第七項まで」と、「準用する。この場合において、同条第二項中「訴訟費用の負担の裁判が確定した」とあるのは、「訴訟が完結した」と読み替えるものとする」とあるのは「準用する」と読み替えるものとする。

前項において準用する民事訴訟法第六十九条第三項の規定による即時抗告並びに同法第七十一条第五項(前項において準用する同法第七十二条後段において準用する場合を含む。)、第七十三条第二項及び第七十四条第二項の異議の申立てについての裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。

第二節 手続上の救助
第三十二条

家事事件の手続の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者又はその支払により生活に著しい支障を生ずる者に対しては、裁判所は、申立てにより、手続上の救助の裁判をすることができる。ただし、救助を求める者が不当な目的で家事審判又は家事調停の申立てその他の手続行為をしていることが明らかなときは、この限りでない。

民事訴訟法第八十二条第二項及び第八十三条から第八十六条まで(同法第八十三条第一項第三号を除く。)の規定は、手続上の救助について準用する。この場合において、同法第八十四条中「第八十二条第一項本文」とあるのは、「家事事件手続法第三十二条第一項本文」と読み替えるものとする。

第七章 家事事件の審理等
第三十三条 (手続の非公開)

家事事件の手続は、公開しない。ただし、裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。

第七章 家事事件の審理等
第三十四条 (期日及び期間)

家事事件の手続の期日の指定及び変更は、職権で、裁判長が行う。

家事事件の手続の期日は、やむを得ない場合に限り、日曜日その他の一般の休日に指定することができる。

家事事件の手続の期日の変更は、顕著な事由がある場合に限り、することができる。

期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。

民事訴訟法第九十四条第三項及び第九十五条から第九十七条までの規定は、家事事件の手続の期日及び期間について準用する。この場合において、同法第九十四条第三項中「第一項各号に規定する方法」とあるのは、「呼出状の送達及び当該事件について出頭した者に対する期日の告知」と読み替えるものとする。

第七章 家事事件の審理等
第三十五条 (手続の併合等)

裁判所は、家事事件の手続を併合し、又は分離することができる。

裁判所は、前項の規定による裁判を取り消すことができる。

裁判所は、当事者を異にする家事事件について手続の併合を命じた場合において、その前に尋問をした証人について、尋問の機会がなかった当事者が尋問の申出をしたときは、その尋問をしなければならない。

第七章 家事事件の審理等
第三十六条 (送達及び手続の中止)

送達及び家事事件の手続の中止については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百条第二項、第三款及び第百十一条を除く。)及び第百三十条から第百三十二条まで(同条第一項を除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第百十二条第一項本文中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨の裁判所の掲示場への掲示を始めた」と、同項ただし書中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「当該掲示を始めた」と、同法第百十三条中「書類又は電磁的記録」とあるのは「書類」と、「その訴訟の目的である請求又は防御の方法」とあるのは「裁判又は調停を求める事項」と、「記載又は記録」とあるのは「記載」と、「第百十一条の規定による措置を開始した」とあるのは「裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨の裁判所の掲示場への掲示を始めた」と読み替えるものとする。

前項において準用する民事訴訟法第百十条第一項の規定による公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。

第七章 家事事件の審理等
第三十七条 (裁判所書記官の処分に対する異議)

裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては、その裁判所書記官の所属する裁判所が裁判をする。

前項の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

第八章 電子情報処理組織による申立て等
第三十八条

家事事件の手続における申立てその他の申述(以下この条及び次条において「申立て等」という。)のうち、当該申立て等に関するこの法律その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次項及び第四項において同じ。)をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この項及び第三項において同じ。)と申立て等をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いてすることができる。

前項の規定によりされた申立て等については、当該申立て等を書面等をもってするものとして規定した申立て等に関する法令の規定に規定する書面等をもってされたものとみなして、当該申立て等に関する法令の規定を適用する。

第一項の規定によりされた申立て等は、同項の裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に、当該裁判所に到達したものとみなす。

第一項の場合において、当該申立て等に関する他の法令の規定により署名等(署名、記名、押印その他氏名又は名称を書面等に記載することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、当該申立て等をする者は、当該法令の規定にかかわらず、当該署名等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、氏名又は名称を明らかにする措置を講じなければならない。

第一項の規定によりされた申立て等が第三項に規定するファイルに記録されたときは、第一項の裁判所は、当該ファイルに記録された情報の内容を書面に出力しなければならない。

第一項の規定によりされた申立て等に係るこの法律の他の規定による家事事件の記録の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付は、前項の書面をもってするものとする。当該申立て等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。

第九章 当事者に対する住所、氏名等の秘匿
第三十八条の二

家事事件の手続における申立て等については、民事訴訟法第百三十三条、第百三十三条の二第一項並びに第百三十三条の四第一項から第三項まで、第四項(第一号に係る部分に限る。)及び第五項から第七項までの規定を準用する。この場合において、同法第百三十三条第一項中「当事者」とあるのは「当事者若しくは利害関係参加人(家事事件手続法第四十二条第七項(同法第二百五十八条第一項において準用する場合を含む。)に規定する利害関係参加人をいう。第百三十三条の四第一項、第二項及び第七項において同じ。)又はこれらの者以外の審判を受ける者となるべき者(同法第十条第一項第一号に規定する審判を受ける者となるべき者をいう。)」と、同条第三項中「訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは「家事事件の記録」と、「について訴訟記録等の閲覧等(訴訟記録の閲覧等、非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等又は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは「の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付」と、同法第百三十三条の二第一項中「に係る訴訟記録等の閲覧等」とあるのは「の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付」と、同法第百三十三条の四第一項中「秘匿決定、第百三十三条の二第二項の決定又は前条第一項の決定(次項及び第七項において「秘匿決定等」という。)に係る者以外の者は、訴訟記録等」とあるのは「秘匿決定(家事事件手続法第二百七十七条第一項に規定する事項以外の事項についての家事調停の手続に係るもの並びに同法第二百八十九条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による調査及び勧告の事件の手続に係るものを除く。次項、第四項第一号及び第七項において同じ。)に係る者以外の当事者又は利害関係参加人は、当該秘匿決定に係る事件の記録」と、同条第二項中「秘匿決定等に係る者以外の当事者は、秘匿決定等」とあるのは「秘匿決定に係る者以外の当事者又は利害関係参加人は、秘匿決定」と、「訴訟記録等の存する」とあるのは「前項の事件の記録の存する」と、「訴訟記録等の閲覧等」とあるのは「閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製」と、同条第四項第一号中「秘匿決定又は第百三十三条の二第二項の決定」とあるのは「秘匿決定」と、同条第七項中「当事者」とあるのは「当事者若しくは利害関係参加人」と、「秘匿決定等」とあるのは「秘匿決定」と読み替えるものとする。

第一節 家事審判の手続
第三十九条 (審判事項)

家庭裁判所は、この編に定めるところにより、別表第一及び別表第二に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。

第一節 家事審判の手続
第四十条 (参与員)

家庭裁判所は、参与員の意見を聴いて、審判をする。ただし、家庭裁判所が相当と認めるときは、その意見を聴かないで、審判をすることができる。

家庭裁判所は、参与員を家事審判の手続の期日に立ち会わせることができる。

家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が参与員との間で音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、参与員に家事審判の手続の期日に立ち会わせ、当該期日における行為を行わせることができる。

参与員は、家庭裁判所の許可を得て、第一項の意見を述べるために、申立人が提出した資料の内容について、申立人から説明を聴くことができる。ただし、別表第二に掲げる事項についての審判事件においては、この限りでない。

参与員の員数は、各事件について一人以上とする。

参与員は、毎年あらかじめ家庭裁判所の選任した者の中から、事件ごとに家庭裁判所が指定する。

前項の規定により選任される者の資格、員数その他同項の規定による選任に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

参与員には、最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。

第一節 家事審判の手続
第四十一条 (当事者参加)

当事者となる資格を有する者は、当事者として家事審判の手続に参加することができる。

家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の申立てにより又は職権で、他の当事者となる資格を有する者(審判を受ける者となるべき者に限る。)を、当事者として家事審判の手続に参加させることができる。

第一項の規定による参加の申出及び前項の申立ては、参加の趣旨及び理由を記載した書面でしなければならない。

第一項の規定による参加の申出を却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

第一節 家事審判の手続
第四十二条 (利害関係参加)

審判を受ける者となるべき者は、家事審判の手続に参加することができる。

審判を受ける者となるべき者以外の者であって、審判の結果により直接の影響を受けるもの又は当事者となる資格を有するものは、家庭裁判所の許可を得て、家事審判の手続に参加することができる。

家庭裁判所は、相当と認めるときは、職権で、審判を受ける者となるべき者及び前項に規定する者を、家事審判の手続に参加させることができる。

前条第三項の規定は、第一項の規定による参加の申出及び第二項の規定による参加の許可の申立てについて準用する。

家庭裁判所は、第一項又は第二項の規定により家事審判の手続に参加しようとする者が未成年者である場合において、その者の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮してその者が当該家事審判の手続に参加することがその者の利益を害すると認めるときは、第一項の規定による参加の申出又は第二項の規定による参加の許可の申立てを却下しなければならない。

第一項の規定による参加の申出を却下する裁判(前項の規定により第一項の規定による参加の申出を却下する裁判を含む。)に対しては、即時抗告をすることができる。

第一項から第三項までの規定により家事審判の手続に参加した者(以下「利害関係参加人」という。)は、当事者がすることができる手続行為(家事審判の申立ての取下げ及び変更並びに裁判に対する不服申立て及び裁判所書記官の処分に対する異議の取下げを除く。)をすることができる。ただし、裁判に対する不服申立て及び裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては、利害関係参加人が不服申立て又は異議の申立てに関するこの法律の他の規定によりすることができる場合に限る。

第一節 家事審判の手続
第四十三条 (手続からの排除)

家庭裁判所は、当事者となる資格を有しない者及び当事者である資格を喪失した者を家事審判の手続から排除することができる。

前項の規定による排除の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

第一節 家事審判の手続
第四十四条 (法令により手続を続行すべき者による受継)

当事者が死亡、資格の喪失その他の事由によって家事審判の手続を続行することができない場合には、法令により手続を続行する資格のある者は、その手続を受け継がなければならない。

法令により手続を続行する資格のある者が前項の規定による受継の申立てをした場合において、その申立てを却下する裁判がされたときは、当該裁判に対し、即時抗告をすることができる。

第一項の場合には、家庭裁判所は、他の当事者の申立てにより又は職権で、法令により手続を続行する資格のある者に家事審判の手続を受け継がせることができる。

第一節 家事審判の手続
第四十五条 (他の申立権者による受継)

家事審判の申立人が死亡、資格の喪失その他の事由によってその手続を続行することができない場合において、法令により手続を続行する資格のある者がないときは、当該家事審判の申立てをすることができる者は、その手続を受け継ぐことができる。

家庭裁判所は、前項の場合において、必要があると認めるときは、職権で、当該家事審判の申立てをすることができる者に、その手続を受け継がせることができる。

第一項の規定による受継の申立て及び前項の規定による受継の裁判は、第一項の事由が生じた日から一月以内にしなければならない。

第一節 家事審判の手続
第四十六条 (調書の作成等)

裁判所書記官は、家事審判の手続の期日について、調書を作成しなければならない。ただし、証拠調べの期日以外の期日については、裁判長においてその必要がないと認めるときは、その経過の要領を記録上明らかにすることをもって、これに代えることができる。

第一節 家事審判の手続
第四十七条 (記録の閲覧等)

当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、家事審判事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は家事審判事件に関する事項の証明書の交付(第二百八十九条第六項において「記録の閲覧等」という。)を請求することができる。

前項の規定は、家事審判事件の記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、これらの物の複製を請求することができる。

家庭裁判所は、当事者から前二項の規定による許可の申立てがあったときは、これを許可しなければならない。

家庭裁判所は、事件の関係人である未成年者の利益を害するおそれ、当事者若しくは第三者の私生活若しくは業務の平穏を害するおそれ又は当事者若しくは第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより、その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じ、若しくはその者の名誉を著しく害するおそれがあると認められるときは、前項の規定にかかわらず、同項の申立てを許可しないことができる。事件の性質、審理の状況、記録の内容等に照らして当該当事者に同項の申立てを許可することを不適当とする特別の事情があると認められるときも、同様とする。

家庭裁判所は、利害関係を疎明した第三者から第一項又は第二項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

審判書その他の裁判書の正本、謄本若しくは抄本又は家事審判事件に関する事項の証明書については、当事者は、第一項の規定にかかわらず、家庭裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、その交付を請求することができる。審判を受ける者が当該審判があった後に請求する場合も、同様とする。

家事審判事件の記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、家事審判事件の記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。

第三項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

前項の規定による即時抗告が家事審判の手続を不当に遅滞させることを目的としてされたものであると認められるときは、原裁判所は、その即時抗告を却下しなければならない。

10 前項の規定による裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

第一節 家事審判の手続
第四十八条 (検察官に対する通知)

裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上検察官の申立てにより審判をすべき場合が生じたことを知ったときは、管轄権を有する家庭裁判所に対応する検察庁の検察官にその旨を通知しなければならない。

第一節 家事審判の手続
第四十九条 (申立ての方式等)

家事審判の申立ては、申立書(以下「家事審判の申立書」という。)を家庭裁判所に提出してしなければならない。

家事審判の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一当事者及び法定代理人 二申立ての趣旨及び理由

申立人は、二以上の事項について審判を求める場合において、これらの事項についての家事審判の手続が同種であり、これらの事項が同一の事実上及び法律上の原因に基づくときは、一の申立てにより求めることができる。

家事審判の申立書が第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。

前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、家事審判の申立書を却下しなければならない。

前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

民事訴訟法第百三十七条の二の規定は、申立人が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い家事審判の申立ての手数料を納付しない場合について準用する。

第一節 家事審判の手続
第五十条 (申立ての変更)

申立人は、申立ての基礎に変更がない限り、申立ての趣旨又は理由を変更することができる。ただし、第七十一条(第百八十八条第四項において準用する場合を含む。)の規定により審理を終結した後は、この限りでない。

申立ての趣旨又は理由の変更は、家事審判の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。

家庭裁判所は、申立ての趣旨又は理由の変更が不適法であるときは、その変更を許さない旨の裁判をしなければならない。

申立ての趣旨又は理由の変更により家事審判の手続が著しく遅滞することとなるときは、家庭裁判所は、その変更を許さない旨の裁判をすることができる。

第一節 家事審判の手続
第五十一条 (事件の関係人の呼出し)

家庭裁判所は、家事審判の手続の期日に事件の関係人を呼び出すことができる。

呼出しを受けた事件の関係人は、家事審判の手続の期日に出頭しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、代理人を出頭させることができる。

前項の事件の関係人が正当な理由なく出頭しないときは、家庭裁判所は、五万円以下の過料に処する。

第一節 家事審判の手続
第五十二条 (裁判長の手続指揮権)

家事審判の手続の期日においては、裁判長が手続を指揮する。

裁判長は、発言を許し、又はその命令に従わない者の発言を禁止することができる。

当事者が家事審判の手続の期日における裁判長の指揮に関する命令に対し異議を述べたときは、家庭裁判所は、その異議について裁判をする。

第一節 家事審判の手続
第五十三条 (受命裁判官による手続)

家庭裁判所は、受命裁判官に家事審判の手続の期日における手続を行わせることができる。ただし、事実の調査及び証拠調べについては、第六十一条第三項の規定又は第六十四条第一項において準用する民事訴訟法第二編第四章第一節から第六節までの規定により受命裁判官が事実の調査又は証拠調べをすることができる場合に限る。

前項の場合においては、家庭裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。

第一節 家事審判の手続
第五十四条 (音声の送受信による通話の方法による手続)

家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家事審判の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うことができる。

家事審判の手続の期日に出頭しないで前項の手続に関与した者は、その期日に出頭したものとみなす。

第一節 家事審判の手続
第五十五条 (通訳人の立会い等その他の措置)

家事審判の手続の期日における通訳人の立会い等については民事訴訟法第百五十四条の規定を、家事審判事件の手続関係を明瞭にするために必要な陳述をすることができない当事者、利害関係参加人、代理人及び補佐人に対する措置については同法第百五十五条の規定を準用する。

第一節 家事審判の手続
第五十六条 (事実の調査及び証拠調べ等)

家庭裁判所は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをしなければならない。

当事者は、適切かつ迅速な審理及び審判の実現のため、事実の調査及び証拠調べに協力するものとする。

第一節 家事審判の手続
第五十七条 (疎明)

疎明は、即時に取り調べることができる資料によってしなければならない。

第一節 家事審判の手続
第五十八条 (家庭裁判所調査官による事実の調査)

家庭裁判所は、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。

急迫の事情があるときは、裁判長が、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。

家庭裁判所調査官は、事実の調査の結果を書面又は口頭で家庭裁判所に報告するものとする。

家庭裁判所調査官は、前項の規定による報告に意見を付することができる。

第一節 家事審判の手続
第五十九条 (家庭裁判所調査官の期日への立会い等)

家庭裁判所は、必要があると認めるときは、家事審判の手続の期日に家庭裁判所調査官を立ち会わせることができる。

家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項の規定により立ち会わせた家庭裁判所調査官に意見を述べさせることができる。

家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、家事審判の手続の期日において、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が家庭裁判所調査官との間で音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家庭裁判所調査官に家事審判の手続の期日に立ち会わせ、当該期日において前項の意見を述べさせることができる。

家庭裁判所は、家事審判事件の処理に関し、事件の関係人の家庭環境その他の環境の調整を行うために必要があると認めるときは、家庭裁判所調査官に社会福祉機関との連絡その他の措置をとらせることができる。

急迫の事情があるときは、裁判長が、前項の措置をとらせることができる。

第一節 家事審判の手続
第六十条 (裁判所技官による診断等)

家庭裁判所は、必要があると認めるときは、医師である裁判所技官に事件の関係人の心身の状況について診断をさせることができる。

第五十八条第二項から第四項までの規定は前項の診断について、前条第一項から第三項までの規定は裁判所技官の期日への立会い及び意見の陳述について準用する。

第一節 家事審判の手続
第六十一条 (事実の調査の嘱託等)

家庭裁判所は、他の家庭裁判所又は簡易裁判所に事実の調査を嘱託することができる。

前項の規定による嘱託により職務を行う受託裁判官は、他の家庭裁判所又は簡易裁判所において事実の調査をすることを相当と認めるときは、更に事実の調査の嘱託をすることができる。

家庭裁判所は、相当と認めるときは、受命裁判官に事実の調査をさせることができる。

前三項の規定により受託裁判官又は受命裁判官が事実の調査をする場合には、家庭裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。

第一節 家事審判の手続
第六十二条 (調査の嘱託等)

家庭裁判所は、必要な調査を官庁、公署その他適当と認める者に嘱託し、又は銀行、信託会社、関係人の使用者その他の者に対し関係人の預金、信託財産、収入その他の事項に関して必要な報告を求めることができる。

第一節 家事審判の手続
第六十三条 (事実の調査の通知)

家庭裁判所は、事実の調査をした場合において、その結果が当事者による家事審判の手続の追行に重要な変更を生じ得るものと認めるときは、これを当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。

第一節 家事審判の手続
第六十四条 (証拠調べ)

家事審判の手続における証拠調べについては、民事訴訟法第二編第四章第一節から第六節までの規定(同法第百七十九条、第百八十二条、第百八十五条第三項、第百八十七条から第百八十九条まで、第二百五条第二項、第二百七条第二項、第二百八条、第二百十五条第二項、第二百二十四条(同法第二百二十九条第二項及び第二百三十二条第一項において準用する場合を含む。)、第二百二十七条第二項、第二百二十九条第四項及び第二百三十二条の二の規定を除く。)を準用する。この場合において、同法第二百五条第三項中「事項又は前項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項」とあり、及び同法第二百十五条第四項中「事項又は第二項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項」とあるのは「事項」と、同法第二百三十一条の二第二項中「方法又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する方法」とあるのは「方法」と、同法第二百三十一条の三第二項中「若しくは送付し、又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する」とあるのは「又は送付する」と読み替えるものとする。

前項において準用する民事訴訟法の規定による即時抗告は、執行停止の効力を有する。

当事者が次の各号のいずれかに該当するときは、家庭裁判所は、二十万円以下の過料に処する。 一第一項において準用する民事訴訟法第二百二十三条第一項(同法第二百三十一条及び第二百三十一条の三第一項において準用する場合を含む。)の規定による提出の命令に従わないとき、又は正当な理由なく第一項において準用する同法第二百三十二条第一項において準用する同法第二百二十三条第一項の規定による提示の命令に従わないとき。 二書証を妨げる目的で第一項において準用する民事訴訟法第二百二十条(同法第二百三十一条及び第二百三十一条の三第一項において準用する場合を含む。)の規定により提出の義務がある文書(同法第二百三十一条に規定する文書に準ずる物件及び同法第二百三十一条の二に規定する電磁的記録を含む。)を滅失させ、その他これを使用することができないようにしたとき、又は検証を妨げる目的で検証の目的を滅失させ、その他これを使用することができないようにしたとき。

当事者が次の各号のいずれかに該当するときは、家庭裁判所は、十万円以下の過料に処する。 一正当な理由なく第一項において準用する民事訴訟法第二百二十九条第二項(同法第二百三十一条において準用する場合を含む。)において準用する同法第二百二十三条第一項の規定による提出の命令に従わないとき。 二対照の用に供することを妨げる目的で対照の用に供すべき筆跡又は印影を備える文書その他の物件を滅失させ、その他これを使用することができないようにしたとき。 三第一項において準用する民事訴訟法第二百二十九条第三項(同法第二百三十一条において準用する場合を含む。)の規定による決定に正当な理由なく従わないとき、又は当該決定に係る対照の用に供すべき文字を書体を変えて筆記したとき。

家庭裁判所は、当事者本人を尋問する場合には、その当事者に対し、家事審判の手続の期日に出頭することを命ずることができる。

民事訴訟法第百九十二条から第百九十四条までの規定は前項の規定により出頭を命じられた当事者が正当な理由なく出頭しない場合について、同法第二百九条第一項及び第二項の規定は出頭した当事者が正当な理由なく宣誓又は陳述を拒んだ場合について準用する。

第一節 家事審判の手続
第六十五条

家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見に関する家事審判その他未成年者である子(未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。)がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法により、子の意思を把握するように努め、審判をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない。

第一節 家事審判の手続
第六十六条 (合意管轄)

別表第二に掲げる事項についての審判事件は、この法律の他の規定により定める家庭裁判所のほか、当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する。

民事訴訟法第十一条第二項及び第三項の規定は、前項の合意について準用する。

第一節 家事審判の手続
第六十七条 (家事審判の申立書の写しの送付等)

別表第二に掲げる事項についての家事審判の申立てがあった場合には、家庭裁判所は、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、家事審判の申立書の写しを相手方に送付しなければならない。ただし、家事審判の手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められるときは、家事審判の申立てがあったことを通知することをもって、家事審判の申立書の写しの送付に代えることができる。

第四十九条第四項から第六項までの規定は、前項の規定による家事審判の申立書の写しの送付又はこれに代わる通知をすることができない場合について準用する。

裁判長は、第一項の規定による家事審判の申立書の写しの送付又はこれに代わる通知の費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときは、命令で、家事審判の申立書を却下しなければならない。

前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

第一節 家事審判の手続
第六十八条 (陳述の聴取)

家庭裁判所は、別表第二に掲げる事項についての家事審判の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当事者の陳述を聴かなければならない。

前項の規定による陳述の聴取は、当事者の申出があるときは、審問の期日においてしなければならない。

第一節 家事審判の手続
第六十九条 (審問の期日)

別表第二に掲げる事項についての家事審判の手続においては、家庭裁判所が審問の期日を開いて当事者の陳述を聴くことにより事実の調査をするときは、他の当事者は、当該期日に立ち会うことができる。ただし、当該他の当事者が当該期日に立ち会うことにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。

第一節 家事審判の手続
第七十条 (事実の調査の通知)

家庭裁判所は、別表第二に掲げる事項についての家事審判の手続において、事実の調査をしたときは、特に必要がないと認める場合を除き、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。

第一節 家事審判の手続
第七十一条 (審理の終結)

家庭裁判所は、別表第二に掲げる事項についての家事審判の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定めなければならない。ただし、当事者双方が立ち会うことができる家事審判の手続の期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。

第一節 家事審判の手続
第七十二条 (審判日)

家庭裁判所は、前条の規定により審理を終結したときは、審判をする日を定めなければならない。

第一節 家事審判の手続
第七十三条 (審判)

家庭裁判所は、家事審判事件が裁判をするのに熟したときは、審判をする。

家庭裁判所は、家事審判事件の一部が裁判をするのに熟したときは、その一部について審判をすることができる。手続の併合を命じた数個の家事審判事件中その一が裁判をするのに熟したときも、同様とする。

第一節 家事審判の手続
第七十四条 (審判の告知及び効力の発生等)

審判は、特別の定めがある場合を除き、当事者及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。

審判(申立てを却下する審判を除く。)は、特別の定めがある場合を除き、審判を受ける者(審判を受ける者が数人あるときは、そのうちの一人)に告知することによってその効力を生ずる。ただし、即時抗告をすることができる審判は、確定しなければその効力を生じない。

申立てを却下する審判は、申立人に告知することによってその効力を生ずる。

審判は、即時抗告の期間の満了前には確定しないものとする。

審判の確定は、前項の期間内にした即時抗告の提起により、遮断される。

第一節 家事審判の手続
第七十五条 (審判の執行力)

金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずる審判は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。

第一節 家事審判の手続
第七十六条 (審判の方式及び審判書)

審判は、審判書を作成してしなければならない。ただし、即時抗告をすることができない審判については、家事審判の申立書又は調書に主文を記載することをもって、審判書の作成に代えることができる。

審判書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一主文 二理由の要旨 三当事者及び法定代理人 四裁判所

第一節 家事審判の手続
第七十七条 (更正決定)

審判に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、家庭裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。

更正決定は、裁判書を作成してしなければならない。

更正決定に対しては、更正後の審判が原審判であるとした場合に即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。

第一項の申立てを不適法として却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

審判に対し適法な即時抗告があったときは、前二項の即時抗告は、することができない。

第一節 家事審判の手続
第七十八条 (審判の取消し又は変更)

家庭裁判所は、審判をした後、その審判を不当と認めるときは、次に掲げる審判を除き、職権で、これを取り消し、又は変更することができる。 一申立てによってのみ審判をすべき場合において申立てを却下した審判 二即時抗告をすることができる審判

審判が確定した日から五年を経過したときは、家庭裁判所は、前項の規定による取消し又は変更をすることができない。ただし、事情の変更によりその審判を不当と認めるに至ったときは、この限りでない。

家庭裁判所は、第一項の規定により審判の取消し又は変更をする場合には、その審判における当事者及びその他の審判を受ける者の陳述を聴かなければならない。

第一項の規定による取消し又は変更の審判に対しては、取消し後又は変更後の審判が原審判であるとした場合に即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。

第一節 家事審判の手続
第七十九条 (審判に関する民事訴訟法の準用)

民事訴訟法第二百四十七条、第二百五十六条第一項及び第二百五十八条(第二項後段を除く。)の規定は、審判について準用する。この場合において、同法第二百五十六条第一項中「言渡し後」とあるのは、「審判が告知を受ける者に最初に告知された日から」と読み替えるものとする。

第一節 家事審判の手続
第七十九条の二 (外国裁判所の家事事件についての確定した裁判の効力)

外国裁判所の家事事件についての確定した裁判(これに準ずる公的機関の判断を含む。)については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第百十八条の規定を準用する。

第一節 家事審判の手続
第八十条 (中間決定)

家庭裁判所は、審判の前提となる法律関係の争いその他中間の争いについて、裁判をするのに熟したときは、中間決定をすることができる。

中間決定は、裁判書を作成してしなければならない。

第一節 家事審判の手続
第八十一条 (審判以外の裁判)

家庭裁判所は、家事審判の手続においては、審判をする場合を除き、決定で裁判をする。この場合には、第七十三条から第七十九条まで(第七十四条第二項ただし書、第七十六条第一項及び第七十八条第三項を除く。)の規定を準用する。

家事審判の手続の指揮に関する裁判は、いつでも取り消すことができる。

審判以外の裁判は、判事補が単独ですることができる。

第一節 家事審判の手続
第八十二条 (家事審判の申立ての取下げ)

家事審判の申立ては、特別の定めがある場合を除き、審判があるまで、その全部又は一部を取り下げることができる。

別表第二に掲げる事項についての家事審判の申立ては、審判が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。ただし、申立ての取下げは、審判がされた後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。

前項ただし書、第百五十三条(第百九十九条第一項において準用する場合を含む。)及び第百九十九条第二項の規定により申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合においては、家庭裁判所は、相手方に対し、申立ての取下げがあったことを通知しなければならない。ただし、申立ての取下げが家事審判の手続の期日において口頭でされた場合において、相手方がその期日に出頭したときは、この限りでない。

前項本文の規定による通知を受けた日から二週間以内に相手方が異議を述べないときは、申立ての取下げに同意したものとみなす。同項ただし書の規定による場合において、申立ての取下げがあった日から二週間以内に相手方が異議を述べないときも、同様とする。

民事訴訟法第二百六十一条第三項及び第四項並びに第二百六十二条第一項の規定は、家事審判の申立ての取下げについて準用する。この場合において、同法第二百六十一条第四項中「口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)」とあるのは「家事審判の手続の期日」と、「電子調書」とあるのは「調書」と、「記録しなければ」とあるのは「記載しなければ」と読み替えるものとする。

第一節 家事審判の手続
第八十三条 (家事審判の申立ての取下げの擬制)

家事審判の申立人(第百五十三条(第百九十九条第一項において準用する場合を含む。)及び第百九十九条第二項の規定により申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合にあっては、当事者双方)が、連続して二回、呼出しを受けた家事審判の手続の期日に出頭せず、又は呼出しを受けた家事審判の手続の期日において陳述をしないで退席をしたときは、家庭裁判所は、申立ての取下げがあったものとみなすことができる。

第一節 家事審判の手続
第八十四条

高等裁判所が第一審として家事審判の手続を行う場合におけるこの節の規定の適用については、同節の規定(第五十八条、第五十九条第一項から第四項まで、第六十一条第一項及び第二項並びに第六十五条の規定を除く。)中「家庭裁判所」とあるのは「高等裁判所」と、第三十九条、第四十七条第六項、第四十九条第三項、第五十六条第二項、第六十五条、第七十二条、第七十三条、第七十四条第一項から第三項まで(第二項ただし書を除く。)、第七十五条、第七十七条第一項、第七十八条(第一項第二号及び第四項を除く。)、第七十九条、第八十条第一項、第八十一条第一項並びに第八十二条第一項及び第二項中「審判」とあるのは「審判に代わる裁判」と、第四十二条第二項中「審判の結果」とあるのは「審判に代わる裁判の結果」と、第五十八条第一項、第五十九条第一項から第四項まで、第六十一条第一項及び第六十五条中「家庭裁判所は」とあるのは「高等裁判所は」と、第五十八条第三項中「家庭裁判所に」とあるのは「高等裁判所に」と、第五十九条第三項中「家庭裁判所及び」とあるのは「高等裁判所及び」と、第七十六条中「審判書」とあるのは「裁判書」と、同条第一項中「審判は」とあるのは「審判に代わる裁判は」と、同項ただし書中「即時抗告をすることができない審判」とあるのは「家庭裁判所の審判であるとした場合に即時抗告をすることができない審判に代わる裁判」と、第七十八条第一項第二号中「即時抗告をすることができる審判」とあるのは「家庭裁判所の審判であるとした場合に即時抗告をすることができる審判に代わる裁判」とする。

第四十条及び第四十八条の規定は、高等裁判所が第一審として家事審判の手続を行う場合については、適用しない。

第二節 不服申立て
第八十五条 (即時抗告をすることができる審判)

審判に対しては、特別の定めがある場合に限り、即時抗告をすることができる。

手続費用の負担の裁判に対しては、独立して即時抗告をすることができない。

第二節 不服申立て
第八十六条 (即時抗告期間)

審判に対する即時抗告は、特別の定めがある場合を除き、二週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

即時抗告の期間は、特別の定めがある場合を除き、即時抗告をする者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては申立人が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から、それぞれ進行する。

第二節 不服申立て
第八十七条 (即時抗告の提起の方式等)

即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。

抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一当事者及び法定代理人 二原審判の表示及びその審判に対して即時抗告をする旨

即時抗告が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、原裁判所は、これを却下しなければならない。

前項の規定による審判に対しては、即時抗告をすることができる。

前項の即時抗告は、一週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

第四十九条第四項及び第五項の規定は、抗告状が第二項の規定に違反する場合及び民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い即時抗告の提起の手数料を納付しない場合について準用する。

第二節 不服申立て
第八十八条 (抗告状の写しの送付等)

審判に対する即時抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。ただし、抗告審における手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められる場合には、即時抗告があったことを通知することをもって、抗告状の写しの送付に代えることができる。

裁判長は、前項の規定による抗告状の写しの送付又はこれに代わる通知の費用の予納を相当の期間を定めて抗告人に命じた場合において、その予納がないときは、命令で、抗告状を却下しなければならない。

第二節 不服申立て
第八十九条 (陳述の聴取)

抗告裁判所は、原審における当事者及びその他の審判を受ける者(抗告人を除く。)の陳述を聴かなければ、原審判を取り消すことができない。

別表第二に掲げる事項についての審判事件においては、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者(抗告人を除く。)の陳述を聴かなければならない。

第二節 不服申立て
第九十条 (原裁判所による更正)

原裁判所は、審判に対する即時抗告を理由があると認めるときは、その審判を更正しなければならない。ただし、別表第二に掲げる事項についての審判については、更正することができない。

第二節 不服申立て
第九十一条 (抗告裁判所による裁判)

抗告裁判所は、即時抗告について決定で裁判をする。

抗告裁判所は、即時抗告を理由があると認める場合には、家事審判事件について自ら審判に代わる裁判をしなければならない。ただし、第九十三条第三項において準用する民事訴訟法第三百七条又は第三百八条第一項の規定により事件を第一審裁判所に差し戻すときは、この限りでない。

第二節 不服申立て
第九十二条 (原審の管轄違いの場合の取扱い)

抗告裁判所は、家事審判事件(別表第二に掲げる事項についての審判事件を除く。)の全部又は一部が原裁判所の管轄に属しないと認める場合には、原審判を取り消さなければならない。ただし、原審における審理の経過、事件の性質、抗告の理由等に照らして原審判を取り消さないことを相当とする特別の事情があると認めるときは、この限りでない。

抗告裁判所は、家事審判事件が管轄違いであることを理由として原審判を取り消すときは、その事件を管轄権を有する家庭裁判所に移送しなければならない。

第二節 不服申立て
第九十三条 (家事審判の手続の規定及び民事訴訟法の準用等)

審判に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前節第一款から第八款までの規定(第四十条、第四十一条第四項、第四十二条第六項、第四十三条第二項、第四十四条第二項、第四十七条第八項から第十項まで、第四十八条、第四十九条第六項、第六十六条、第六十七条第四項、第七十四条第二項ただし書、第四項及び第五項、第七十六条第一項ただし書、第七十七条第三項から第五項まで、第七十八条第四項、第八十一条第三項並びに第八十三条の規定を除く。)、第四節の規定(第百五条第二項、第百十条、第百十一条及び第百十三条の規定を除く。)及び次章の規定(家庭裁判所の管轄及び即時抗告に関する規定を除く。)を準用する。この場合において、第七十八条第一項第二号中「即時抗告をすることができる審判」とあるのは、「家庭裁判所の審判であるとした場合に即時抗告をすることができる審判に代わる裁判」と読み替えるものとする。

抗告裁判所は、第八十八条第一項の規定による抗告状の写しの送付及びこれに代わる即時抗告があったことの通知をすることを要しないときは、前項において準用する第七十一条の規定による審理の終結の手続を経ることなく、即時抗告を却下し、又は棄却することができる。

民事訴訟法第二百八十三条、第二百八十四条、第二百九十二条、第二百九十八条第一項、第二百九十九条第一項、第三百二条、第三百三条及び第三百五条から第三百八条までの規定は、審判に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同法第二百九十二条第二項中「第二百六十一条第三項及び第四項、第二百六十二条第一項並びに第二百六十三条」とあるのは「家事事件手続法第八十二条第五項及び第八十三条」と、同法第三百三条第五項中「第百八十九条」とあるのは「家事事件手続法第二百九十一条」と読み替えるものとする。

第二節 不服申立て
第九十四条 (特別抗告をすることができる裁判等)

家庭裁判所の審判で不服を申し立てることができないもの及び高等裁判所の家事審判事件についての決定に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。

前項の抗告(以下「特別抗告」という。)が係属する抗告裁判所は、抗告状又は抗告理由書に記載された特別抗告の理由についてのみ調査をする。

第二節 不服申立て
第九十五条 (原裁判の執行停止)

特別抗告は、執行停止の効力を有しない。ただし、前条第二項の抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特別抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。

前項ただし書の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

民事訴訟法第七十六条、第七十七条、第七十九条及び第八十条の規定は、前項の担保について準用する。

第二節 不服申立て
第九十六条 (即時抗告の規定及び民事訴訟法の準用)

第八十六条第二項、第八十七条から第八十九条まで、第九十一条第一項及び第九十三条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、第八十七条第六項中「及び第五項」とあるのは、「から第六項まで」と読み替えるものとする。

民事訴訟法第三百十四条第二項、第三百十五条、第三百十六条(第一項第一号を除く。)、第三百二十一条第一項、第三百二十二条、第三百二十五条第一項前段、第二項、第三項後段及び第四項、第三百二十六条並びに第三百三十六条第二項の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同法第三百十四条第二項中「前条において準用する第二百八十八条及び第二百八十九条第二項」とあるのは「家事事件手続法第九十六条第一項において読み替えて準用する同法第八十七条第六項」と、同法第三百十六条第二項中「対しては」とあるのは「対しては、一週間の不変期間内に」と、同法第三百二十二条中「前二条」とあるのは「家事事件手続法第九十四条第二項の規定及び同法第九十六条第二項において準用する第三百二十一条第一項」と、同法第三百二十五条第一項前段及び第二項中「第三百十二条第一項又は第二項」とあるのは「家事事件手続法第九十四条第一項」と、同条第三項後段中「この場合」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所が裁判をする場合」と、同条第四項中「前項」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所」と読み替えるものとする。

第二節 不服申立て
第九十七条 (許可抗告をすることができる裁判等)

高等裁判所の家事審判事件についての決定(次項の申立てについての決定を除く。)に対しては、第九十四条第一項の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。ただし、その決定が家庭裁判所の審判であるとした場合に即時抗告をすることができるものであるときに限る。

前項の高等裁判所は、同項の決定について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、抗告を許可しなければならない。

前項の申立てにおいては、第九十四条第一項に規定する事由を理由とすることはできない。

第二項の規定による許可があった場合には、第一項の抗告(以下この条及び次条第一項において「許可抗告」という。)があったものとみなす。

許可抗告が係属する抗告裁判所は、第二項の規定による許可の申立書又は同項の申立てに係る理由書に記載された許可抗告の理由についてのみ調査をする。

許可抗告が係属する抗告裁判所は、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原決定を破棄することができる。

第二節 不服申立て
第九十八条 (即時抗告等の規定及び民事訴訟法の準用)

第八十六条第二項、第八十七条(第四項及び第五項を除く。)、第八十八条、第八十九条、第九十一条第一項、第九十三条及び第九十五条の規定は、許可抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、第八十六条第二項、第八十七条第一項、第二項第二号及び第三項、第八十八条第一項並びに第八十九条第二項中「即時抗告」とあり、第八十七条第六項中「即時抗告の提起」とあり、並びに第九十五条第一項本文中「特別抗告」とあるのは「第九十七条第二項の申立て」と、第八十七条第一項、第二項及び第六項、第八十八条並びに第九十三条第二項中「抗告状」とあるのは「第九十七条第二項の規定による許可の申立書」と、第九十一条第一項並びに第九十三条第一項前段、第二項及び第三項中「即時抗告」とあり、並びに第九十五条第一項ただし書中「特別抗告」とあるのは「許可抗告」と読み替えるものとする。

民事訴訟法第三百十五条及び第三百三十六条第二項の規定は前条第二項の申立てについて、同法第三百十八条第三項の規定は前条第二項の規定による許可をする場合について、同法第三百十八条第四項後段、第三百二十一条第一項、第三百二十二条、第三百二十五条第一項前段、第二項、第三項後段及び第四項並びに第三百二十六条の規定は前条第二項の規定による許可があった場合について準用する。この場合において、同法第三百十八条第四項後段中「第三百二十条」とあるのは「家事事件手続法第九十七条第五項」と、同法第三百二十二条中「前二条」とあるのは「家事事件手続法第九十七条第五項の規定及び同法第九十八条第二項において準用する第三百二十一条第一項」と、同法第三百二十五条第一項前段及び第二項中「第三百十二条第一項又は第二項」とあるのは「家事事件手続法第九十七条第二項」と、同条第三項後段中「この場合」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所が裁判をする場合」と、同条第四項中「前項」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所」と読み替えるものとする。

第二節 不服申立て
第九十九条 (不服申立ての対象)

審判以外の裁判に対しては、特別の定めがある場合に限り、即時抗告をすることができる。

第二節 不服申立て
第百条 (受命裁判官又は受託裁判官の裁判に対する異議)

受命裁判官又は受託裁判官の裁判に対して不服がある当事者は、家事審判事件が係属している裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、その裁判が家庭裁判所の裁判であるとした場合に即時抗告をすることができるものであるときに限る。

前項の異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

第二節 不服申立て
第百一条 (即時抗告期間等)

審判以外の裁判に対する即時抗告は、一週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

前項の即時抗告は、特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有しない。ただし、抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、即時抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。

第九十五条第二項及び第三項の規定は、前項ただし書の規定により担保を立てる場合における供託及び担保について準用する。

第二節 不服申立て
第百二条 (審判に対する不服申立ての規定の準用)

前款の規定(第八十五条第一項、第八十六条第一項並びに第八十八条及び第八十九条(これらの規定を第九十六条第一項及び第九十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定を除く。)は、裁判所、裁判官又は裁判長がした審判以外の裁判に対する不服申立てについて準用する。

第三節 再審
第百三条 (再審)

確定した審判その他の裁判(事件を完結するものに限る。第五項において同じ。)に対しては、再審の申立てをすることができる。

再審の手続には、その性質に反しない限り、各審級における手続に関する規定を準用する。

民事訴訟法第四編の規定(同法第三百四十一条及び第三百四十九条の規定を除く。)は、第一項の再審の申立て及びこれに関する手続について準用する。この場合において、同法第三百四十八条第一項中「不服申立ての限度で、本案の審理及び裁判をする」とあるのは、「本案の審理及び裁判をする」と読み替えるものとする。

前項において準用する民事訴訟法第三百四十六条第一項の再審開始の決定に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。

第三項において準用する民事訴訟法第三百四十八条第二項の規定により審判その他の裁判に対する再審の申立てを棄却する決定に対しては、当該審判その他の裁判に対し即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。

第三節 再審
第百四条 (執行停止の裁判)

裁判所は、前条第一項の再審の申立てがあった場合において、不服の理由として主張した事情が法律上理由があるとみえ、事実上の点につき疎明があり、かつ、執行により償うことができない損害が生ずるおそれがあることにつき疎明があったときは、申立てにより、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の一時の停止を命じ、又は担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。

前項の規定による申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

第九十五条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定により担保を立てる場合における供託及び担保について準用する。

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