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海運昭和二十二年法律第百号現行

船員法

公布日
1947/09/01
最終改正公布
2025/05/14
施行日
2026/05/13
条数
378

直近の改正法: 船員法等の一部を改正する法律

条文

第一章 総則
第一条 (船員)

この法律において「船員」とは、日本船舶又は日本船舶以外の国土交通省令で定める船舶に乗り組む船長及び海員並びに予備船員をいう。

前項に規定する船舶には、次の船舶を含まない。 一総トン数五トン未満の船舶 二湖、川又は港のみを航行する船舶 三政令の定める総トン数三十トン未満の漁船 四前三号に掲げるもののほか、船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和二十六年法律第百四十九号)第二条第四項に規定する小型船舶であつて、スポーツ又はレクリエーションの用に供するヨット、モーターボートその他のその航海の目的、期間及び態様、運航体制等からみて船員労働の特殊性が認められない船舶として国土交通省令の定めるもの

前項第二号の港の区域は、港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)に基づく港の区域の定めのあるものについては、その区域によるものとする。ただし、国土交通大臣は、政令で定めるところにより、特に港を指定し、これと異なる区域を定めることができる。

第一章 総則
第二条

この法律において「海員」とは、船内で使用される船長以外の乗組員で労働の対償として給料その他の報酬を支払われる者をいう。

この法律において「予備船員」とは、前条第一項に規定する船舶に乗り組むため雇用されている者で船内で使用されていないものをいう。

第一章 総則
第三条

この法律において「職員」とは、航海士、機関長、機関士、通信長、通信士及び国土交通省令で定めるその他の海員をいう。

この法律において「部員」とは、職員以外の海員をいう。

第一章 総則
第四条 (給料及び労働時間)

この法律において「給料」とは、船舶所有者が船員に対し一定の金額により定期に支払う報酬のうち基本となるべき固定給をいう。

この法律において「労働時間」とは、船員が職務上必要な作業に従事する時間(海員にあつては、上長の職務上の命令により作業に従事する時間に限る。)をいう。

第一章 総則
第五条 (船舶所有者に関する規定の適用)

この法律の規定(第十一章の二、第百十三条第三項、第百三十条の二、第百三十条の三、第百三十一条(第七号に係る部分に限る。)及び第百三十五条第一項(第百三十条の二、第百三十条の三又は第百三十一条第七号の違反行為に係る部分に限る。)を除く。)及びこの法律に基づく命令の規定(第十一章の二の規定に基づく命令の規定を除く。)のうち、船舶所有者に関する規定は、船舶共有の場合には船舶管理人に、船舶貸借の場合には船舶借入人に、船舶所有者、船舶管理人及び船舶借入人以外の者が船員を使用する場合にはその者にこれを適用する。

第十一章の二、第百十三条第三項、第百三十条の二、第百三十条の三、第百三十一条(第七号に係る部分に限る。)及び第百三十五条第一項(第百三十条の二、第百三十条の三又は第百三十一条第七号の違反行為に係る部分に限る。)の規定並びに第十一章の二の規定に基づく命令の規定のうち、船舶所有者に関する規定は、船舶共有の場合には船舶管理人に、船舶貸借の場合には船舶借入人にこれを適用する。

第一章 総則
第六条 (労働基準法の適用)

労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第一条から第十一条まで、第百十六条第二項、第百十七条から第百十九条まで及び第百二十一条の規定は、船員の労働関係についても適用があるものとする。

第二章 船長の職務及び権限
第七条 (指揮命令権)

船長は、海員を指揮監督し、且つ、船内にある者に対して自己の職務を行うのに必要な命令をすることができる。

第二章 船長の職務及び権限
第八条 (発航前の検査)

船長は、国土交通省令の定めるところにより、発航前に船舶が航海に支障ないかどうかその他航海に必要な準備が整つているかいないかを検査しなければならない。

第二章 船長の職務及び権限
第九条 (航海の成就)

船長は、航海の準備が終つたときは、遅滞なく発航し、且つ、必要がある場合を除いて、予定の航路を変更しないで到達港まで航行しなければならない。

第二章 船長の職務及び権限
第十条 (甲板上の指揮)

船長は、船舶が港を出入するとき、船舶が狭い水路を通過するときその他船舶に危険の虞があるときは、甲板にあつて自ら船舶を指揮しなければならない。

第二章 船長の職務及び権限
第十一条 (在船義務)

船長は、やむを得ない場合を除いて、自己に代わつて船舶を指揮すべき者にその職務を委任した後でなければ、荷物の船積及び旅客の乗込の時から荷物の陸揚及び旅客の上陸の時まで、自己の指揮する船舶を去つてはならない。

第二章 船長の職務及び権限
第十二条 (船舶に危険がある場合における処置)

船長は、自己の指揮する船舶に急迫した危険があるときは、人命の救助並びに船舶及び積荷の救助に必要な手段を尽くさなければならない。

第二章 船長の職務及び権限
第十三条 (船舶が衝突した場合における処置)

船長は、船舶が衝突したときは、互に人命及び船舶の救助に必要な手段を尽し、且つ船舶の名称、所有者、船籍港、発航港及び到達港を告げなければならない。但し、自己の指揮する船舶に急迫した危険があるときは、この限りでない。

第二章 船長の職務及び権限
第十三条の二 (コンテナが海中に転落した場合における通報)

国土交通省令で定める船舶の船長は、その輸送中のコンテナが海中に転落したときは、直ちに、当該コンテナが海中に転落したと見込まれる地点その他の国土交通省令で定める事項を、国土交通省令で定めるところにより、自己の指揮する船舶の付近にある船舶であつて国土交通省令で定める範囲内にあるもの、当該地点の最寄りの海上保安機関及び自己の指揮する船舶の旗国(海洋法に関する国際連合条約第九十一条に規定するその旗を掲げる権利を有する国をいう。)の権限のある機関に通報しなければならない。

船舶所有者その他船舶の運航に関し権原を有する者として国土交通省令で定めるものは、異常気象その他の事由により前項に規定する船長が同項の規定による通報をすることが困難であると認めるときは、当該船長に代わつてこれをするよう努めなければならない。

第二章 船長の職務及び権限
第十四条 (遭難船舶等の救助)

船長は、他の船舶又は航空機の遭難を知つたときは、人命の救助に必要な手段を尽さなければならない。但し、自己の指揮する船舶に急迫した危険がある場合及び国土交通省令の定める場合は、この限りでない。

第二章 船長の職務及び権限
第十四条の二 (異常気象等)

国土交通省令の定める船舶の船長は、暴風雨、流氷その他の異常な気象、海象若しくは地象又は漂流物若しくは沈没物であつて、船舶の航行に危険を及ぼすおそれのあるものに遭遇したときは、国土交通省令の定めるところにより、その旨を附近にある船舶及び海上保安機関その他の関係機関に通報しなければならない。

第二章 船長の職務及び権限
第十四条の三 (非常配置表及び操練)

国土交通省令の定める船舶の船長は、第十二条乃至第十四条に規定する場合その他非常の場合における海員の作業に関し、国土交通省令の定めるところにより、非常配置表を定め、これを船員室その他適当な場所に掲示して置かなければならない。

国土交通省令の定める船舶の船長は、国土交通省令の定めるところにより、海員及び旅客について、防火操練、救命艇操練その他非常の場合のために必要な操練を実施しなければならない。

第二章 船長の職務及び権限
第十四条の四 (航海の安全の確保)

第八条から前条までに規定するもののほか、航海当直の実施、船舶の火災の予防、水密の保持その他航海の安全に関し船長の遵守すべき事項は、国土交通省令でこれを定める。

第二章 船長の職務及び権限
第十五条 (水葬)

船長は、船舶の航行中船内にある者が死亡したときは、国土交通省令の定めるところにより、これを水葬に付することができる。

第二章 船長の職務及び権限
第十六条 (遺留品の処置)

船長は、船内にある者が死亡し、又は行方不明となつたときは、法令に特別の定がある場合を除いて、船内にある遺留品について、国土交通省令の定めるところにより、保管その他の必要な処置をしなければならない。

第二章 船長の職務及び権限
第十七条 (在外国民の送還)

船長は、外国に駐在する日本の領事官が、法令の定めるところにより、日本国民の送還を命じたときは、正当の事由がなければ、これを拒むことができない。

第二章 船長の職務及び権限
第十八条 (書類の備置き)

船長は、国土交通省令で定める場合を除いて、次の書類を船内に備え置かなければならない。 一船舶国籍証書又は国土交通省令で定める証書 二海員名簿 三航海日誌 四積荷に関する書類 五海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二十六条第三項に規定する証明書

海員名簿及び航海日誌に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。

第二章 船長の職務及び権限
第十九条 (航行に関する報告)

船長は、左の各号の一に該当する場合には、国土交通省令の定めるところにより、国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。 一船舶の衝突、乗揚、沈没、滅失、火災、機関の損傷その他の海難が発生したとき。 二人命又は船舶の救助に従事したとき。 三無線電信によつて知つたときを除いて、航行中他の船舶の遭難を知つたとき。 四船内にある者が死亡し、又は行方不明となつたとき。 五予定の航路を変更したとき。 六船舶が抑留され、又は捕獲されたときその他船舶に関し著しい事故があつたとき。

第二章 船長の職務及び権限
第二十条 (船長の職務の代行)

船長が死亡したとき、船舶を去つたとき、又はこれを指揮することができない場合において他人を選任しないときは、運航に従事する海員は、その職掌の順位に従つて船長の職務を行う。

第三章 紀律
第二十一条 (船内秩序)

海員は、次の事項を守らなければならない。 一上長の職務上の命令に従うこと。 二職務を怠り、又は他の乗組員の職務を妨げないこと。 三船長の指定する時までに船舶に乗り込むこと。 四船長の許可なく船舶を去らないこと。 五船長の許可なく救命艇その他の重要な属具を使用しないこと。 六船内の食料又は淡水を濫費しないこと。 七船長の許可なく電気若しくは火気を使用し、又は禁止された場所で喫煙しないこと。 八船長の許可なく日用品以外の物品を船内に持ち込み、又は船内から持ち出さないこと。 九船内において争闘、乱酔その他粗暴の行為をしないこと。 十その他船内の秩序を乱すようなことをしないこと。

第三章 紀律
第二十二条 (懲戒)

船長は、海員が前条の事項を守らないときは、これを懲戒することができる。

第三章 紀律
第二十三条

懲戒は、上陸禁止及び戒告の二種とし、上陸禁止の期間は、初日を含めて十日以内とし、その期間には、停泊日数のみを算入する。

第三章 紀律
第二十四条

船長は、海員を懲戒しようとするときは、三人以上の海員を立ち会わせて本人及び関係人を取り調べた上、立会人の意見を聴かなければならない。

第三章 紀律
第二十五条 (危険に対する処置)

船長は、海員が凶器、爆発又は発火しやすい物、劇薬その他の危険物を所持するときは、その物につき保管、放棄その他の処置をすることができる。

第三章 紀律
第二十六条

船長は、船内にある者の生命若しくは身体又は船舶に危害を及ぼすような行為をしようとする海員に対し、その危害を避けるのに必要な処置をすることができる。

第三章 紀律
第二十七条

船長は、必要があると認めるときは、旅客その他船内にある者に対しても、前二条に規定する処置をすることができる。

第三章 紀律
第二十八条 (強制下船)

船長は、雇入契約の終了の届出をした後当該届出に係る海員が船舶を去らないときは、その海員を強制して船舶から去らせることができる。

第三章 紀律
第二十九条 (行政庁に対する援助の請求)

船長は、海員その他船内にある者の行為が人命又は船舶に危害を及ぼしその他船内の秩序を著しくみだす場合において、必要があると認めるときは、行政庁に援助を請求することができる。

第三章 紀律
第三十条 (争議行為の制限)

労働関係に関する争議行為は、船舶が外国の港にあるとき、又はその争議行為に因り人命若しくは船舶に危険が及ぶようなときは、これをしてはならない。

第四章 雇入契約等
第三十一条 (この法律に違反する契約)

この法律で定める基準に達しない労働条件を定める雇入契約(予備船員については、雇用契約。以下この条、次条、第三十三条、第三十四条、第五十八条、第八十四条及び第百条において同じ。)は、その部分については、無効とする。この場合には、雇入契約は、その無効の部分については、この法律で定める基準に達する労働条件を定めたものとみなす。

第四章 雇入契約等
第三十二条 (雇入契約の締結前の書面の交付等)

船舶所有者は、雇入契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該雇入契約の相手方となろうとする者(次項において「相手方」という。)に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。 一船舶所有者の名称又は氏名及び住所 二給料、労働時間その他の労働条件に関する事項であつて、雇入契約の内容とすることが必要なものとして国土交通省令で定めるもの

前項の場合において、当該雇入契約に係る航海が海上運送法第二十六条第一項の規定による命令によるものであるときは、船舶所有者は、あらかじめ、相手方に対し、その旨を書面を交付して説明しなければならない。

船舶所有者は、雇入契約の内容(第一項第二号に掲げる事項に限る。)を変更しようとするときは、あらかじめ、船員に対し、当該変更の内容について書面を交付して説明しなければならない。

第二項の規定は、前項の場合について準用する。

第四章 雇入契約等
第三十二条の二 (募集受託者又は船員職業紹介事業者を利用した船員の雇入れの制限)

船舶所有者は、次に掲げる者を船員として雇い入れてはならない。 一当該船舶所有者が、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第四十四条第一項の許可を受けないで日本国内において募集受託者(同条第二項に規定する募集受託者をいう。第三号において同じ。)に行わせた船員の募集(同法第六条第八項に規定する船員の募集をいう。同号において同じ。)に応じた者 二船員職業安定法第三十四条第一項の許可を受けて、又は同法第四十条第一項の規定による届出をして船員職業紹介事業(同法第六条第三項に規定する船員職業紹介事業をいう。第四号において同じ。)を行う者以外の者(日本政府、同法第六条第四項に規定する特定地方公共団体及び船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和五十二年法律第九十六号)第七条第二項に規定する船員雇用促進センターを除く。)が日本国内において当該船舶所有者に紹介した求職者 三当該船舶所有者が、外国において、当該外国における船員の募集を適確に実施することができるものとして国土交通省令で定める基準に適合しない募集受託者に行わせた船員の募集に応じた者 四外国において、当該外国における船員職業紹介事業を適確に実施することができるものとして国土交通省令で定める基準に適合しない者が当該船舶所有者に紹介した求職者

第四章 雇入契約等
第三十三条 (賠償予定の禁止)

船舶所有者は、雇入契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

第四章 雇入契約等
第三十四条 (貯蓄金の管理等)

船舶所有者は、雇入契約に附随して、貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。

船舶所有者は、船員の委託を受けてその貯蓄金を管理しようとする場合においては、国土交通省令の定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出なければならない。

船舶所有者は、船員の委託を受けてその貯蓄金の管理をする場合において、貯蓄金の管理が預金の受入れであるときは、利子をつけなければならない。この場合において、その利率が金融機関の受け入れる預金の利率を考慮して国土交通省令の定める利率を下るときは、その国土交通省令の定める利率による利子をつけることとしたものとみなす。

船員は、船舶所有者に管理を委託した貯蓄金については、いつでも、返還を請求することができる。

第四章 雇入契約等
第三十五条 (相殺の制限)

船舶所有者は、船員に対する債権と給料の支払の債務とを相殺してはならない。但し、相殺の額が給料の額の三分の一を超えないとき及び船員の犯罪行為に因る損害賠償の請求権を以てするときは、この限りでない。

第四章 雇入契約等
第三十六条 (雇入契約の成立時の書面の交付等)

船舶所有者は、雇入契約が成立したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を船員に交付しなければならない。 一第三十二条第一項各号に掲げる事項 二当該雇入契約を締結した船員の氏名、住所及び生年月日 三当該雇入契約を締結した場所及び年月日

船舶所有者は、雇入契約の内容(第三十二条第一項第二号に掲げる事項に限る。)を変更したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その変更の内容並びに当該変更について船員と合意した場所及び年月日を記載した書面を船員に交付しなければならない。

船舶所有者は、前二項の書面の写しを船内に備え置かなければならない。

第四章 雇入契約等
第三十七条 (雇入契約の成立等の届出)

船舶所有者は、雇入契約の成立、終了、更新又は変更(以下「雇入契約の成立等」という。)があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、国土交通大臣に届け出なければならない。

第四章 雇入契約等
第三十八条

国土交通大臣は、雇入契約の成立等の届出があつたときは、その雇入契約が航海の安全又は船員の労働関係に関する法令の規定に違反するようなことがないかどうか及び当事者の合意が充分であつたかどうかを確認するものとする。この場合において、国土交通大臣は、必要があると認めるときは、第百一条第一項の規定による命令その他必要な措置を講ずるものとする。

第四章 雇入契約等
第三十九条 (沈没等に因る雇入契約の終了)

船舶が左の各号の一に該当する場合には、雇入契約は、終了する。 一沈没又は滅失したとき。 二全く運航に堪えなくなつたとき。

船舶の存否が一箇月間分らないときは、船舶は、滅失したものと推定する。

第一項の規定により雇入契約が終了したときでも、船員は、人命、船舶又は積荷の応急救助のために必要な作業に従事しなければならない。

前項の規定により応急救助の作業に従事する場合には、第一項の規定にかかわらず、その作業が終了するまでは、雇入契約は、なお存続する。船員がその作業の終了後引き続き遺留品の保全、船員の送還その他必要な残務の処理に従事する場合において、その処理が終了するまでの間についても、同様とする。

前項後段の規定により雇入契約が存続する間においては、船舶所有者又は船員は、いつでも、当該雇入契約を解除することができる。

第四章 雇入契約等
第四十条 (雇入契約の解除)

船舶所有者は、左の各号の一に該当する場合には、雇入契約を解除することができる。 一船員が著しく職務に不適任であるとき。 二船員が著しく職務を怠つたとき、又は職務に関し船員に重大な過失のあつたとき。 三海員が船長の指定する時までに船舶に乗り込まないとき。 四海員が著しく船内の秩序をみだしたとき。 五船員が負傷又は疾病のため職務に堪えないとき。 六前各号の場合を除いて、やむを得ない事由のあるとき。

第四章 雇入契約等
第四十一条

船員は、左の各号の一に該当する場合には、雇入契約を解除することができる。 一船舶が雇入契約の成立の時における国籍を失つたとき。 二雇入契約により定められた労働条件と事実とが著しく相違するとき。 三船員が負傷又は疾病のため職務に堪えないとき。 四船員が国土交通省令の定めるところにより教育を受けようとするとき。

船舶が外国の港からの航海を終了した場合において、その船舶に乗り組む船員が、二十四時間以上の期間を定めて書面で雇入契約の解除の申入をしたときは、その期間が満了した時に、その者の雇入契約は、終了する。

海員は、船長の適当と認める自己の後任者を提供したときは、雇入契約を解除することができる。

第四章 雇入契約等
第四十二条

期間の定のない雇入契約は、船舶所有者又は船員が二十四時間以上の期間を定めて書面で解除の申入をしたときは、その期間が満了した時に終了する。

第四章 雇入契約等
第四十三条 (船舶所有者の変更に因る雇入契約の終了)

相続その他の包括承継の場合を除いて、船舶所有者の変更があつたときは、雇入契約は、終了する。

前項の場合には、雇入契約の終了の時から、船員と新所有者との間に従前と同一条件の雇入契約が存するものとみなす。この場合には、船員は、前条の規定に準じて雇入契約を解除することができる。

第四章 雇入契約等
第四十四条 (雇入契約の延長)

雇入契約が終了した時に船舶が航行中の場合には、次の港に入港してその港における荷物の陸揚及び旅客の上陸が終る時まで、雇入契約が終了した時に船舶が停泊中の場合には、その港における荷物の陸揚及び旅客の上陸が終る時まで、その雇入契約は、存続するものとみなす。

船舶所有者は、雇入契約が適当な船員を補充することのできない港において終了する場合には、適当な船員を補充することのできる港に到着して荷物の陸揚及び旅客の上陸が終る時まで、雇入契約を存続させることができる。但し、第四十一条第一項第一号乃至第三号の場合は、この限りでない。

第四章 雇入契約等
第四十四条の二 (解雇制限)

船舶所有者は、船員が職務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため作業に従事しない期間及びその後三十日間並びに女子の船員が第八十七条第一項又は第二項の規定によつて作業に従事しない期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、療養のため作業に従事しない期間が三年を超えた場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。

前項但書の天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、その事由について国土交通大臣の認定を受けなければならない。

第四章 雇入契約等
第四十四条の三 (解雇の予告)

船舶所有者は、予備船員を解雇しようとする場合においては、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない船舶所有者は、一箇月分の給料の額と同額の予告手当を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は予備船員の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。

前項の予告の日数は、一日について、国土交通省令の定めるところにより算定する給料の額と同額の予告手当を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。

第一項但書の場合においては、その事由について国土交通大臣の認定を受けなければならない。

第四章 雇入契約等
第四十五条 (失業手当)

船舶所有者は、第三十九条の規定により雇入契約が終了したときは、その翌日(行方不明となつた船員については、その生存が知れた日)から二箇月(その行方不明について行方不明手当の支払を受くべき船員については、二箇月から行方不明中の期間を控除した期間)の範囲内において、船員の失業期間中毎月一回その失業日数に応じ給料の額と同額の失業手当を支払わなければならない。

第四章 雇入契約等
第四十六条 (雇止手当)

船舶所有者(第四号の場合には旧所有者)は、左の各号の一に該当する場合には、遅滞なく、船員に一箇月分の給料の額と同額の雇止手当を支払わなければならない。 一第四十条第六号の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。 二第四十一条第一項第一号又は第二号の規定により船員が雇入契約を解除したとき。 三第四十二条の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。 四第四十三条第一項の規定により雇入契約が終了したとき。 五船員が第八十三条の健康証明書を受けることができないため雇入契約が解除されたとき。

第四章 雇入契約等
第四十七条 (送還)

船舶所有者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なくその費用で、船員の希望により、雇入港又は雇入港までの送還に要する費用の範囲内で送還することのできるその他の地(雇入れのため雇入港に招致した船員及び未成年者の船員にあつては、雇入港若しくは雇入契約の成立の時における船員の居住地又はこれらのいずれかまでの送還に要する費用の範囲内で送還することのできるその他の地。次項において「雇入港等」という。)まで船員を送還しなければならない。ただし、送還に代えてその費用を支払うことができる。 一第三十九条の規定により雇入契約が終了したとき。 二第四十条第一号又は第六号の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。 三第四十条第五号又は第四十一条第一項第三号の規定により船舶所有者又は船員が雇入契約を解除したとき。ただし、船員の職務外の負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、この限りでない。 四第四十一条第一項第一号又は第二号の規定により船員が雇入契約を解除したとき。 五第四十二条の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。 六第四十三条第二項の規定により船員が雇入契約を解除したとき。 七雇入契約が期間の満了により船員の本国以外の地で終了したとき。 八船員が第八十三条の健康証明書を受けることができないため雇入契約が解除されたとき。

船舶所有者は、第四十条第二号から第四号までの規定により雇入契約を解除した場合又は同条第五号の規定により雇入契約を解除した場合(船員の職務外の負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のある場合に限る。)において、船員が自己の負担においてその希望する雇入港等まで移動することができないときは、遅滞なくその費用で、船員の希望により、雇入港等まで船員を送還しなければならない。ただし、送還に代えてその費用を支払うことができる。

前二項の規定により船員を送還する場合における輸送手段は、正当な理由がある場合を除き、船員の希望に応じたものでなければならない。

船舶所有者は、第二項の規定により、その費用で船員を送還したとき、又は送還に代えてその費用を支払つたときは、船員に対し、当該費用の償還を請求することができる。

第四章 雇入契約等
第四十八条 (送還の費用)

船舶所有者の負担すべき船員の送還の費用は、送還中の運送賃、宿泊費及び食費並びに雇入契約の終了の時から遅滞なく出発する時までの宿泊費及び食費とする。

第四章 雇入契約等
第四十九条 (送還手当)

船舶所有者は、第四十七条第一項の規定により船員を送還する場合には、船員の送還に要する日数に応じ給料の額と同額の送還手当を支払わなければならない。同項ただし書の規定により送還に代えてその費用を支払うときも同様とする。

前項の送還手当は、船舶所有者が送還するときは、毎月一回、送還に代えてその費用を支払うときは、その際これを支払わなければならない。

第四章 雇入契約等
第五十条 (船員手帳)

船員は、国土交通大臣が交付する船員手帳を受有しなければならない。

船長は、海員の乗船中その船員手帳を保管しなければならない。

船員手帳には、国土交通大臣、船舶所有者その他の者が当該船員手帳を受有する船員の身分関係事項その他の事実を記載するものとする。

前項に定めるもののほか、船長は、その指揮する船舶に乗り組もうとし、又は乗り組む船員について雇入契約の成立等があつたことを知つたときは、遅滞なく、当該船員の船内における職務、雇入期間その他の勤務に関する事項をその船員手帳に記載しなければならない。ただし、船舶所有者が国土交通省令で定めるところにより船員に対し当該勤務に関する事項を記載した書面を交付した場合は、この限りでない。

前各項に定めるもののほか、船員手帳の二重受有の禁止及び記載事項の訂正に係る申請義務並びに船員手帳の返還の手続に関し船員及び船長その他他人の船員手帳を保管する者の遵守すべき事項は、政令で定める。

前各項に定めるもののほか、船員手帳の様式並びにその交付、再交付、訂正、書換え及び返還に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

第四章 雇入契約等
第五十一条 (勤務成績証明書)

海員は、船舶所有者又は船長に対し勤務の成績に関する証明書の交付を請求することができる。

第五章 給料その他の報酬
第五十二条 (給料その他の報酬の定め方)

船員の給料その他の報酬は、船員労働の特殊性に基き、且つ船員の経験、能力及び職務の内容に応じて、これを定めなければならない。

第五章 給料その他の報酬
第五十三条 (給料その他の報酬の支払方法)

給料その他の報酬は、その全額を通貨で、第五十六条の規定による場合を除き直接船員に支払わなければならない。ただし、法令又は労働協約に別段の定めがある場合においては給料その他の報酬の一部を控除して支払い、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は給料その他の報酬で国土交通省令で定めるものについて確実な支払の方法で国土交通省令で定めるものによる場合においては通貨以外のもので支払うことができる。

国土交通省令の定める報酬を除いて、給料その他の報酬は、これを毎月一回以上一定の期日に支払わなければならない。

船舶所有者は、船員に給料その他の報酬を支払う場合においては、国土交通省令で定めるところにより、船員に対し、給料その他の報酬の支払に関する事項を記載した書面を交付しなければならない。

第五章 給料その他の報酬
第五十四条

船舶所有者は、左の場合には、支払期日前でも遅滞なく、船員が職務に従事した日数に応じ、前条第二項に規定する給料その他の報酬を支払わなければならない。 一船員が解雇され、又は退職したとき。 二船員、その同居の親族又は船員の収入によつて生計を維持する者が結婚、葬祭、出産、療養又は不慮の災害の復旧に要する費用に充てようとする場合において、船員から請求のあつたとき。

第五章 給料その他の報酬
第五十五条

船長は、海員の給料その他の報酬が船内において支払われるときは、直接海員にこれを手渡さなければならない。但し、やむを得ない事由のあるときは、他の職員に手渡させることができる。

第五章 給料その他の報酬
第五十六条

船舶所有者は、船員から請求があつたときは、船員に支払わるべき給料その他の報酬をその同居の親族又は船員の収入によつて生計を維持する者に渡さなければならない。

第五章 給料その他の報酬
第五十七条 (傷病中の給料請求権)

船員は、負傷又は疾病のため職務に従事しない期間についても、雇入契約存続中給料及び国土交通省令の定める手当を請求することができる。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、この限りでない。

第五章 給料その他の報酬
第五十八条 (歩合による報酬)

船員の報酬が歩合によつて支払われる場合においては、その歩合による毎月の額が雇入契約に定める一定額に達しないときでも、その報酬の額は、その一定額を下つてはならない。

第三十五条及び前条の規定の適用については、前項に規定する一定額の報酬は、これを給料とみなす。

船員の報酬が歩合によつて支払われるときは、第四十四条の三、第四十五条、第四十六条、第四十九条及び第七十八条の規定の適用については、雇入契約に定める額を以て一箇月分の給料の額とみなす。

前項の額は、第一項の一定額以下であつてはならない。

第五章 給料その他の報酬
第五十八条の二 (報酬支払簿)

船舶所有者は、国土交通省令の定めるところにより、報酬支払簿を備え置いて、船員に対する給料その他の報酬の支払に関する事項を記載しなければならない。

第五章 給料その他の報酬
第五十九条 (最低報酬)

給料その他の報酬の最低基準に関しては、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)の定めるところによる。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十条 (労働時間)

船員の一日当たりの労働時間は、八時間以内とする。

船員の一週間当たりの労働時間は、基準労働期間について平均四十時間以内とする。

前項の基準労働期間とは、船舶の航行区域、航路その他の航海の期間及び態様に係る事項を勘案して国土交通省令で定める船舶の区分に応じて一年以下の範囲内において国土交通省令で定める期間(船舶所有者が就業規則その他これに準ずるものにより当該期間の範囲内においてこれと異なる期間を定めた場合又は労働協約により一年以下の範囲内においてこれらと異なる期間が定められた場合には、それぞれその定められた期間)をいう。

国土交通大臣は、前項の国土交通省令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、交通政策審議会の議を経なければならない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十一条 (休日)

船舶所有者が船員に与えるべき休日は、前条第二項の基準労働期間について一週間当たり平均一日以上とする。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十二条 (補償休日)

船舶所有者は、船員の労働時間(第六十六条(第八十八条の二の二第四項及び第五項並びに第八十八条の三第四項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける時間を除く。)が一週間において四十時間を超える場合又は船員に一週間において少なくとも一日の休日を与えることができない場合には、その超える時間(当該一週間において少なくとも一日の休日が与えられない場合にあつては、その超える時間が八時間を超える時間。次項において「超過時間」という。)において作業に従事すること又はその休日を与えられないことに対する補償としての休日(以下「補償休日」という。)を、当該一週間に係る第六十条第二項の基準労働期間以内にその者に与えなければならない。ただし、船舶が航海の途中にあるときその他の国土交通省令で定めるやむを得ない事由のあるときは、その事由の存する期間、補償休日を与えることを延期することができる。

前項の規定により与えるべき補償休日の日数は、超過時間の合計八時間当たり又は少なくとも一日の休日が与えられない一週間当たり一日を基準として、第六十条第二項及び前条の規定を遵守するために必要な日数として国土交通省令で定めるところにより算定される日数とし、その付与の単位は、一日(国土交通省令で定める場合は、国土交通省令で定める一日未満の単位)とする。

第一項の規定により与えられた補償休日を含む一週間に係る同項の規定の適用については、当該補償休日はそれを与えられた船員が作業に従事した日であつて休日以外のものとみなし、その労働時間は八時間(当該補償休日が前項の国土交通省令の規定による一日未満の単位で与えられたものである場合には、国土交通省令で定める時間)とみなす。

前三項に定めるもののほか、補償休日の付与に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十三条

船舶所有者は、前条第一項の規定により補償休日を与えるべき船員が当該補償休日を与えられる前に解雇され、又は退職したときは、その者に与えるべき補償休日の日数に応じ、国土交通省令で定める補償休日手当を支払わなければならない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十四条 (時間外、補償休日及び休息時間の労働)

船長は、船舶の航海の安全を確保するため臨時の必要があるときは、第六十条第一項の規定若しくは第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて、自ら作業に従事し、若しくは海員を作業に従事させ、又は第六十二条第一項若しくは第六十五条の三の規定にかかわらず、補償休日若しくは休息時間において、自ら作業に従事し、若しくは海員を作業に従事させることができる。

船長は、前項に規定する場合のほか、船舶が狭い水路を通過するため航海当直の員数を増加する必要がある場合その他の国土交通省令で定める特別の必要がある場合においては、国土交通省令で定める時間を限度として、第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて、自ら作業に従事し、又は海員を作業に従事させることができる。

船長は、第一項の規定により、補償休日又は休息時間において、自ら作業に従事し、又は海員を作業に従事させたときは、船舶の運航の安全の確保に支障を及ぼさない限りにおいて、当該作業の終了後できる限り速やかに休息をし、又は休息をさせるよう努めなければならない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十四条の二

船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、その協定で定めるところにより、第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて船員を作業に従事させることができる。

国土交通大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、船員の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。

第一項の協定をする船舶所有者及び労働組合又は船員の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。

国土交通大臣は、第二項の基準に関し、第一項の協定をする船舶所有者及び労働組合又は船員の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十五条

船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、第六十二条第一項の規定にかかわらず、その協定で定めるところにより、かつ、国土交通省令で定める補償休日の日数を限度として、補償休日において船員を作業に従事させることができる。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十五条の二 (労働時間の限度)

第六十四条第二項の規定により第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて船員を作業に従事させる場合であつても、船員の一日当たりの労働時間及び一週間当たりの労働時間は、第六十条第一項の規定及び第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間並びに海員にあつては次項の規定による作業に従事する労働時間を含め、それぞれ十四時間及び七十二時間を限度とする。

第六十四条の二第一項の規定により第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて海員を作業に従事させる場合であつても、海員の一日当たりの労働時間及び一週間当たりの労働時間は、第六十条第一項の規定及び第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間並びに前項の規定による作業に従事する労働時間を含め、それぞれ十四時間及び七十二時間を限度とする。

船舶所有者は、船員を前二項に規定する労働時間の限度を超えて作業に従事させてはならない。

第六十四条第一項の規定により船員が作業に従事した労働時間は、第一項及び第二項に規定する労働時間には算入しないものとする。

第一項から第三項までの規定は、海底の掘削に従事する船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員がこれらの規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶として国土交通省令で定めるものについては、適用しない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十五条の三 (休息時間)

船舶所有者は、休息時間を一日について三回以上に分割して船員に与えてはならない。

船舶所有者は、前項に規定する休息時間を一日について二回に分割して船員に与える場合において、休息時間のうち、いずれか長い方の休息時間を六時間以上としなければならない。

前二項の規定にかかわらず、船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、その協定で定めるところにより、休息時間を、一日について三回以上に分割して、又は前項に規定する場合において休息時間のうちいずれか長い方の休息時間を六時間未満として、船員(海員にあつては、次に掲げる者に限る。)に与えることができる。 一船舶が狭い水路を通過するため航海当直の員数を増加する必要がある場合その他の国土交通省令で定める特別の安全上の必要がある場合において作業に従事する海員 二定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員が前二項の規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶で国土交通大臣の指定するものに乗り組む海員

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十六条 (割増手当)

船舶所有者は、第六十四条から第六十五条までの規定により、船員が、第六十条第一項の規定若しくは第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて又は補償休日において作業に従事したときは、国土交通省令で定める割増手当を支払わなければならない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十六条の二 (通常配置表)

船長は、第十二条から第十四条までに規定する場合その他非常の場合以外の通常の場合における船員の船内作業の時間帯及び作業内容に関し、国土交通省令で定めるところにより、通常配置表を定め、これを船員室その他適当な場所に掲示しておかなければならない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十七条 (記録簿の備置き等)

船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船員の労務管理を行う主たる事務所に記録簿を備え置いて、船員の労働時間及び休息時間並びに船員に対する休日及び有給休暇の付与に関する事項を記載しなければならない。

船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船員に対し、前項の記録簿の写しを交付しなければならない。

船舶所有者は、第一項の記録簿の作成に当たり、国土交通省令で定める方法により、船員の労働時間の状況を把握しなければならない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十七条の二 (労務管理責任者)

船舶所有者は、前条第一項の記録簿の作成及び備置きその他の船員の労務管理に関する事項であつて国土交通省令で定めるものを管理させるため、労務管理責任者を選任しなければならない。

労務管理責任者は、船員の労働時間、作業による心身への負荷その他の船員の状況に鑑み、労働時間の短縮、休日又は有給休暇の付与、乗り組む船舶の変更その他国土交通省令で定める措置を講ずる必要があるときは、船舶所有者に対しその旨の意見を述べるものとする。

船舶所有者は、前項の規定による労務管理責任者の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、船員の健康状態その他の実情を考慮して、同項の措置のうち適切なものを講じなければならない。

船舶所有者は、前項の措置を講ずるため運航計画(内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)第十二条第一項に規定する運航計画をいう。)の作成及び実施に関する事項について変更の必要があると認めるときは、当該船員が乗り組む船舶の運航の管理を行う同法第八条第一項に規定する内航運送をする内航海運業者に対し意見を述べなければならない。

船舶所有者は、労務管理責任者について、必要な研修を受けさせることその他の第一項に規定する事項を管理するための知識の習得及び向上を図るための措置を講ずるよう努めなければならない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十八条 (例外規定)

第六十条から前条までの規定及び第七十二条の国土交通省令の規定は、船員が人命、船舶若しくは積荷の安全を図るため又は人命若しくは他の船舶を救助するため緊急を要する作業に従事する場合(海員にあつては、船長の命令により当該作業に従事する場合に限る。)には、これを適用しない。

船長は、補償休日又は休息時間において、前項の作業に自ら従事し、又は海員を従事させたときは、船舶の運航の安全の確保に支障を及ぼさない限りにおいて、当該作業の終了後できる限り速やかに休息をし、又は休息をさせるよう努めなければならない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第六十九条 (定員)

船舶所有者は、国土交通省令で定める場合を除いて、第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定を遵守するために必要な海員の定員を定めて、その員数の海員を乗り組ませなければならない。

船舶所有者は、航海中海員に欠員を生じたときは、遅滞なくその欠員を補充しなければならない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第七十条

船舶所有者は、前条の規定によるほか、航海当直その他の船舶の航海の安全を確保するための作業を適切に実施するために必要な員数の海員を乗り組ませなければならない。

第六章 労働時間、休日及び定員
第七十一条 (適用範囲等)

第六十条から第六十九条までの規定は、次に掲げる船舶については、これを適用しない。 一漁船 二船員が断続的作業に従事する船舶で船舶所有者が国土交通大臣の許可を受けたもの

前項各号の船舶に係る前条の規定の適用については、同条中「前条の規定によるほか、航海当直」とあるのは、「航海当直」とする。

第六章 労働時間、休日及び定員
第七十二条 (特例)

定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員が第六十条第一項の規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶で国土交通大臣の指定するものに関しては、当該船舶の航海の態様及び当該船員の職務に応じ、国土交通省令で定める一定の期間を平均した一日当たりの労働時間が八時間を超えず、かつ、一日当たりの労働時間が十四時間を超えない範囲内において、船員の一日当たりの労働時間について国土交通省令で別段の定めをすることができる。

第六章 労働時間、休日及び定員
第七十三条

第六十条から第六十九条までの規定の適用を受けない船員の労働時間、休日及び定員に関し船舶所有者の遵守すべき事項は、政令で定める。

国土交通大臣は、前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、交通政策審議会の議を経なければならない。

第七章 有給休暇
第七十四条 (有給休暇の付与)

船舶所有者は、船員が同一の事業に属する船舶において初めて六箇月間連続して勤務(船舶のぎ装又は修繕中の勤務を含む。以下同じ。)に従事したときは、その六箇月の経過後一年以内にその船員に次条第一項又は第二項の規定による日数の有給休暇を与えなければならない。ただし、船舶が航海の途中にあるとき、又は船舶の工事のため特に必要がある場合において国土交通大臣の許可を受けたときは、当該航海又は工事に必要な期間(工事の場合にあつては、三箇月以内に限る。)、有給休暇を与えることを延期することができる。

船舶所有者は、船員が前項の規定により与えられた有給休暇に係る連続した勤務の後に当該同一の事業に属する船舶において一年間連続して勤務に従事したときは、その一年の経過後一年以内にその船員に次条第三項又は第四項の規定による日数の有給休暇を与えなければならない。

第一項ただし書の規定は、前項の場合について準用する。

船員が同一の事業に属する船舶における勤務に準ずる勤務として国土交通省令で定めるものに従事した期間並びに船員が職務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため勤務に従事しない期間、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第二条第一号に規定する育児休業又は同条第二号に規定する介護休業(同法第六十一条第三項に規定する行政執行法人介護休業及び同法第六十一条の二第三項に規定する介護をするための休業を含む。)をした期間及び女子の船員が第八十七条第一項又は第二項の規定によつて勤務に従事しない期間は、連続して勤務に従事した期間の計算については、同一の事業に属する船舶において勤務に従事した期間とみなす。

船舶における勤務が中断した場合において、その中断の事由が船員の故意又は過失によるものでなく、かつ、その中断の期間の合計が一年当たり六週間を超えないときは、その中断の期間は、船員が当該期間の前後の勤務と連続して勤務に従事した期間とみなす。

第七章 有給休暇
第七十五条 (有給休暇の日数)

前条第一項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、連続した勤務六箇月について十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに五日を加える。ただし、同項ただし書の規定により有給休暇の付与を延期したときは、その延期した期間一箇月を増すごとに二日を加える。

沿海区域又は平水区域を航行区域とする船舶で国内各港間のみを航海するものに乗り組む船員に前条第一項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、前項の規定にかかわらず、連続した勤務六箇月について十日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに三日(同項ただし書に規定する期間については、一箇月を増すごとに一日)を加える。

前条第二項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、連続した勤務一年について二十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに五日を加える。ただし、同条第三項において準用する同条第一項ただし書の規定により有給休暇の付与を延期したときは、その延期した期間一箇月を増すごとに二日を加える。

第二項に規定する船員に前条第二項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、前項の規定にかかわらず、連続した勤務一年について十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに三日(同項ただし書に規定する期間については、一箇月を増すごとに一日)を加える。

第七章 有給休暇
第七十六条

船舶所有者が船員に週休日、祝祭日の休日、慣習による休日又はこれらに代わるべき休日を与えているときは、その休日の日数は、これを前条の有給休暇の日数に算入しないものとする。負傷又は疾病に因り勤務に従事しない日数も同様とする。

第七章 有給休暇
第七十七条 (有給休暇の与え方)

有給休暇を与うべき時期及び場所については、船舶所有者と船員との協議による。

有給休暇は、労働協約の定めるところにより、期間を分けて、これを与えることができる。

第七章 有給休暇
第七十八条 (有給休暇中の報酬)

船舶所有者は、有給休暇中船員に給料並びに国土交通省令の定める手当及び食費を支払わなければならない。

船舶所有者は、有給休暇を請求することができる船員が有給休暇を与えられる前に解雇され、又は退職したときは、その者に与うべき有給休暇の日数に応じ前項の給料、手当及び食費を支払わなければならない。

第七章 有給休暇
第七十九条 (適用範囲等)

この章の規定は、左の船舶については、これを適用しない。 一漁船 二船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶

第七章 有給休暇
第七十九条の二

国土交通大臣は、必要があると認めるときは、交通政策審議会の決議により、漁船に乗り組む船員の有給休暇に関し必要な国土交通省令を発することができる。

第八章 食料並びに安全及び衛生
第八十条 (食料の支給)

船舶所有者は、船員の乗船中、これに食料を支給しなければならない。

前項の規定による食料の支給は、船員が職務に従事する期間又は船員が負傷若しくは疾病のため職務に従事しない期間においては、船舶所有者の費用で行わなければならない。

第一項の規定による食料の支給は、遠洋区域若しくは近海区域を航行区域とする船舶で総トン数七百トン以上のもの又は国土交通省令で定める漁船に乗り組む船員に支給する場合にあつては、国土交通大臣の定める食料表に基づいて行わなければならない。

船舶所有者は、その大きさ、航行区域及び航海の態様を勘案して国土交通省令で定める船舶には、第一項の規定による船内における食料の支給を適切に行う能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に該当する者を乗り組ませなければならない。

第八章 食料並びに安全及び衛生
第八十一条 (安全及び衛生)

船舶所有者は、作業用具の整備、船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備その他の船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令で定める事項を遵守しなければならない。

船舶所有者は、国土交通省令で定める危険な船内作業については、国土交通省令で定める経験又は技能を有しない船員を従事させてはならない。

船舶所有者は、次に掲げる船員を作業に従事させてはならない。 一伝染病にかかつた船員 二心身の障害により作業を適正に行うことができない船員として国土交通省令で定めるもの 三前二号に掲げるもののほか、労働に従事することによつて病勢の増悪するおそれのある疾病として国土交通省令で定めるものにかかつた船員

船員は、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令の定める事項を遵守しなければならない。

第八章 食料並びに安全及び衛生
第八十一条の二 (特定雇入契約以外の雇入契約を締結した際の基本訓練)

船舶所有者は、船員と雇入契約(次条第一項に規定する特定雇入契約を除く。第八十一条の四において同じ。)を締結したときは、遅滞なく、当該船員について、国土交通省令で定めるところにより、基本訓練(船舶に急迫した危険がある場合その他非常の場合における海上労働の安全及び衛生を確保するための次に掲げる事項に関する教育訓練をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)を実施しなければならない。ただし、当該船員が次項に規定する証明書であつて当該船舶所有者が交付したものを受有している場合にあつては基本訓練を実施することを要せず、当該船員が次条第二項に規定する証明書であつて当該船舶所有者が交付したものを受有している場合にあつては第三号及び第四号に掲げる事項に係る基本訓練を実施することを要しない。 一船舷から水面への安全な飛び降り方、救命設備の使用方法その他の海上での救命に関する事項(次条第三項第一号において「生存技術」という。) 二火災の化学的性質、消火設備の使用方法その他の船上での消火に関する事項(次条第三項第二号において「消火技術」という。) 三負傷者に対する船内での応急の手当に関する事項 四前三号に掲げるもののほか、船舶に急迫した危険がある場合その他非常の場合における海上労働の安全及び衛生を確保するための国土交通省令で定める事項

船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、基本訓練を修了した者に対し、基本訓練を修了した旨の証明書を交付しなければならない。

第八章 食料並びに安全及び衛生
第八十一条の三 (特定雇入契約を締結した際の基本訓練及び実技講習)

船舶所有者は、船員と特定雇入契約(遠洋区域、近海区域又は沿海区域を航行区域とする船舶その他の国土交通省令で定める船舶において船長その他の国土交通省令で定める職務を行う旨を定めた雇入契約をいう。以下この条から第八十一条の五までにおいて同じ。)を締結したときは、遅滞なく、当該船員について、国土交通省令で定めるところにより、基本訓練(前条第一項第三号及び第四号に掲げる事項に係るものに限る。)を実施しなければならない。ただし、当該船員が同条第二項又は次項に規定する証明書であつて当該船舶所有者が交付したものを受有している場合は、この限りでない。

船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、前項に規定する基本訓練を修了した者に対し、当該基本訓練を修了した旨の証明書を交付しなければならない。

船舶所有者は、船員と特定雇入契約を締結したときは、遅滞なく、当該船員に、国土交通省令で定めるところにより、次の各号に掲げる教育訓練の区分に応じ、当該各号に定める実技講習を受けさせなければならない。 一生存技術に関する教育訓練生存技術に関する知識及び能力を習得させるための実技講習(以下「生存講習」という。)であつて、第八十三条の二の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録生存講習機関」という。)(第八十三条の十四第一項の規定により国土交通大臣が生存講習を自ら行う場合にあつては、国土交通大臣)が行うもの 二消火技術に関する教育訓練消火技術に関する知識及び能力を習得させるための実技講習(第五項第二号を除き、以下「消火講習」という。)であつて、第八十三条の十七の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(第八十三条の十九及び第百三十一条の三において「登録消火講習機関」という。)(第八十三条の十九において準用する第八十三条の十四第一項の規定により国土交通大臣が消火講習を自ら行う場合にあつては、国土交通大臣)が行うもの

前項(第一号に係る部分に限る。)の規定は、特定雇入契約を締結した船員が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する場合には、適用しない。 一特定雇入契約の締結の日前五年以内に前項第一号に定める実技講習の課程を修了したこと。 二特定雇入契約の締結の日前五年以内に船舶職員及び小型船舶操縦者法第四条第二項に規定する登録海技免許講習(次項第二号において「登録海技免許講習」という。)のうち同法別表第一の備考第三号又は第四号に規定する救命講習又は機関救命講習の課程を修了したこと。 三千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約(以下「船員条約」という。)又は千九百九十五年の漁船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約(以下「漁船員条約」という。)の締約国が発給した書面によつて特定雇入契約の締結の日前五年以内に前項第一号に定める実技講習に相当する講習の課程を修了したことを確認することができること。

第三項(第二号に係る部分に限る。)の規定は、特定雇入契約を締結した船員が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する場合には、適用しない。 一特定雇入契約の締結の日前五年以内に第三項第二号に定める実技講習の課程を修了したこと。 二特定雇入契約の締結の日前五年以内に登録海技免許講習のうち船舶職員及び小型船舶操縦者法別表第一の備考第五号に規定する消火講習の課程を修了したこと。 三船員条約又は漁船員条約の締約国が発給した書面によつて特定雇入契約の締結の日前五年以内に第三項第二号に定める実技講習に相当する講習の課程を修了したことを確認することができること。

第八章 食料並びに安全及び衛生
第八十一条の四 (特定雇入契約以外の雇入契約を特定雇入契約に変更した際の実技講習)

前条第三項から第五項までの規定は、船舶所有者が船員と締結した雇入契約を特定雇入契約に変更した場合について準用する。

第八章 食料並びに安全及び衛生
第八十一条の五 (特定雇入契約が存する船員に対する再講習)

船舶所有者は、当該船舶所有者との間に特定雇入契約が存する船員について第八十一条の三第三項第一号又は第四項第二号若しくは第三号に定める講習の課程の修了の日(これらの日が複数ある場合にあつては、直近の日)後五年を経過したときは、遅滞なく、当該船員に、国土交通省令で定めるところにより、同条第三項第一号に定める実技講習又はこれに相当する講習であつて船員条約若しくは漁船員条約の締約国が認めたものを受けさせなければならない。

船舶所有者は、当該船舶所有者との間に特定雇入契約が存する船員について第八十一条の三第三項第二号又は第五項第二号若しくは第三号に定める講習の課程の修了の日(これらの日が複数ある場合にあつては、直近の日)後五年を経過したときは、遅滞なく、当該船員に、国土交通省令で定めるところにより、同条第三項第二号に定める実技講習又はこれに相当する講習であつて船員条約若しくは漁船員条約の締約国が認めたものを受けさせなければならない。

第八章 食料並びに安全及び衛生
第八十二条 (医師)

船舶所有者は、左の船舶には、医師を乗り組ませなければならない。但し、国内各港間を航海するとき、国土交通省令の定める区域のみを航海するとき、又は国土交通省令の定める短期間の航海を行なう場合若しくはやむを得ない事由がある場合において国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りでない。 一遠洋区域又は近海区域を航行区域とする総トン数三千トン以上の船舶で最大とう載人員百人以上のもの 二前号に掲げる船舶以外の遠洋区域を航行区域とする国土交通省令の定める船舶で国土交通大臣の指定する航路に就航するもの 三国土交通省令の定める母船式漁業に従事する漁船

第八章 食料並びに安全及び衛生
第八十二条の二 (衛生管理者)

船舶所有者は、左の船舶(前条各号に掲げるものを除く。)については、乗組員の中から衛生管理者を選任しなければならない。但し、国内各港間を航海する場合又は国土交通省令の定める区域のみを航海する場合は、この限りでない。 一遠洋区域又は近海区域を航行区域とする総トン数三千トン以上の船舶 二国土交通省令の定める漁船

衛生管理者は、衛生管理者適任証書を受有する者でなければならない。但し、やむを得ない事由がある場合において、国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りでない。

国土交通大臣は、左に掲げる者に衛生管理者適任証書を交付する。 一国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣の行なう試験に合格した者 二国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣が前号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認定した者

衛生管理者は、国土交通省令の定めるところにより、船内の衛生管理に必要な業務に従事しなければならない。その業務については、衛生管理者は、必要に応じ、医師の指導を受けるように努めなければならない。

前各項に定めるものの外、衛生管理者及び衛生管理者適任証書に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。

第八章 食料並びに安全及び衛生
第八十三条 (健康証明書)

船舶所有者は、国土交通大臣の指定する医師が船内労働に適することを証明した健康証明書を持たない者を船舶に乗り組ませてはならない。

健康証明書に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の二 (登録生存講習機関の登録)

生存講習を行う者は、申請により、国土交通大臣の登録を受けることができる。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の三 (登録の要件等)

国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者(次項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件に適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。 一生存講習の用に供する施設又は設備が次に掲げる要件に適合すること。イ実習水域(実習期間中においては、原則として占用することができるものに限る。)又は水泳プール及び飛び込み台を備えていること。ロ救命器具及び信号装置を備えていること。 二生存講習を担当させる講師が次に掲げる要件に適合すること。イ十八歳以上であること。ロ過去二年間に生存講習の実施に関する事務(以下「生存講習事務」という。)に関し不正な行為を行つた者又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者でないこと。ハ船舶職員及び小型船舶操縦者法第五条第一項第一号ハに掲げる三級海技士(航海)の資格若しくは同項第二号ハに掲げる三級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格に係る同法第四条第一項に規定する海技免許を有する者又はこれらと同等以上の知識及び能力を有する者であること。

国土交通大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録をしてはならない。 一この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者 二第八十三条の十三の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三法人であつて、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

前条の登録は、登録生存講習機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。 一登録年月日及び登録番号 二生存講習を行う者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名 三生存講習事務を行う事務所の所在地 四前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の四 (登録事項の変更の届出)

登録生存講習機関は、前条第三項第二号から第四号までに掲げる事項を変更しようとするときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の五 (登録の更新)

第八十三条の二の登録は、三年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

第八十三条の二及び第八十三条の三の規定は、前項の登録の更新について準用する。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の六 (生存講習事務の実施に係る義務)

登録生存講習機関は、公正に、かつ、国土交通省令で定める時間数以上の講習を行うことその他国土交通省令で定める基準に適合する方法により生存講習事務を行わなければならない。

登録生存講習機関は、その生存講習の課程を修了した者に対し、生存講習の課程を修了した旨の証明書(次条第二項において「修了証明書」という。)を交付しなければならない。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の七 (登録生存講習事務規程)

登録生存講習機関は、生存講習事務の開始前に、生存講習事務の実施に関する規程(次項において「登録生存講習事務規程」という。)を定め、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

登録生存講習事務規程には、生存講習の実施方法、生存講習に関する料金、修了証明書の交付の手続その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の八 (帳簿の備付け等)

登録生存講習機関は、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を備え、生存講習事務に関し国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の九 (財務諸表等の備付け及び閲覧等)

登録生存講習機関は、毎事業年度、当該事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条及び第百条の十九第二項において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。

生存講習を受講しようとする者その他の利害関係人は、登録生存講習機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録生存講習機関の定めた費用を支払わなければならない。 一財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二前号の書面の謄本又は抄本の請求 三財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 四前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の十 (適合命令)

国土交通大臣は、登録生存講習機関が第八十三条の三第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録生存講習機関に対し、当該要件に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の十一 (改善命令)

国土交通大臣は、登録生存講習機関が第八十三条の六の規定に違反していると認めるときは、その登録生存講習機関に対し、同条第一項の規定により生存講習事務を行うべきこと又は生存講習の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の十二 (生存講習事務の休廃止)

登録生存講習機関は、生存講習事務に関する業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の十三 (登録の取消し等)

国土交通大臣は、登録生存講習機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第八十三条の二の登録を取り消し、又は期間を定めて生存講習事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一第八十三条の三第二項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。 二第八十三条の四、第八十三条の七、第八十三条の八、第八十三条の九第一項又は前条の規定に違反したとき。 三正当な理由がないのに第八十三条の九第二項の規定による請求を拒んだとき。 四第八十三条の十又は第八十三条の十一の規定による命令に違反したとき。 五不正の手段により第八十三条の二の登録又はその更新を受けたとき。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の十四 (国土交通大臣による生存講習の実施等)

国土交通大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、生存講習事務に関する業務の全部又は一部を自ら行うことができる。 一登録生存講習機関がいないとき。 二第八十三条の十二の規定による生存講習事務に関する業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があつたとき。 三前条の規定により第八十三条の二の登録を取り消し、又は登録生存講習機関に対し生存講習事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。 四登録生存講習機関が天災その他の事由により生存講習事務に関する業務の全部又は一部を実施することが困難となつたとき。

国土交通大臣が前項の規定により生存講習事務に関する業務の全部又は一部を自ら行う場合における生存講習事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の十五 (公示)

国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。 一第八十三条の二の登録をしたとき。 二第八十三条の四又は第八十三条の十二の規定による届出があつたとき。 三第八十三条の十三の規定により第八十三条の二の登録を取り消し、又は業務の停止を命じたとき。 四前条第一項の規定により国土交通大臣が生存講習事務に関する業務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行つていた生存講習事務に関する業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。

第一節 登録生存講習機関
第八十三条の十六 (報告徴収及び立入検査)

国土交通大臣は、この節の規定の施行に必要な限度において、登録生存講習機関に対し、生存講習事務に関し報告させ、又はその職員に、登録生存講習機関の事務所に立ち入り、生存講習事務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査し、若しくは関係者に質問させることができる。

前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第二節 登録消火講習機関
第八十三条の十七 (登録消火講習機関の登録)

消火講習を行う者は、申請により、国土交通大臣の登録を受けることができる。

第二節 登録消火講習機関
第八十三条の十八 (登録の要件等)

国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者(次項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件に適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。 一消火講習の用に供する施設又は設備が次に掲げる要件に適合すること。イ実習場(密閉された区画があるものに限る。)を備えていること。ロ水噴霧放射器、泡消火器、炭酸ガス消火器、粉末消火器その他の国土交通省令で定める器具を備えていること。 二消火講習を担当させる講師が次に掲げる要件に適合すること。イ十八歳以上であること。ロ過去二年間に消火講習の実施に関する事務(第三項第三号及び次条において「消火講習事務」という。)に関し不正な行為を行つた者又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者でないこと。ハ船舶職員及び小型船舶操縦者法第五条第一項第一号ハに掲げる三級海技士(航海)の資格若しくは同項第二号ハに掲げる三級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格に係る同法第四条第一項に規定する海技免許を有する者又はこれらと同等以上の知識及び能力を有する者であること。

国土交通大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録をしてはならない。 一この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者 二次条において準用する第八十三条の十三の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三法人であつて、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

前条の登録は、登録消火講習機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。 一登録年月日及び登録番号 二消火講習を行う者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名 三消火講習事務を行う事務所の所在地 四前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

第二節 登録消火講習機関
第八十三条の十九 (準用)

前節(第八十三条の二及び第八十三条の三を除く。)の規定は、第八十三条の十七の登録、消火講習、登録消火講習機関及び消火講習事務について準用する。この場合において、第八十三条の四中「前条第三項第二号」とあるのは「第八十三条の十八第三項第二号」と、第八十三条の五第二項中「第八十三条の二及び第八十三条の三」とあるのは「第八十三条の十七及び第八十三条の十八」と、第八十三条の七中「登録生存講習事務規程」とあるのは「登録消火講習事務規程」と、第八十三条の十中「第八十三条の三第一項各号」とあるのは「第八十三条の十八第一項各号」と、第八十三条の十三第一号中「第八十三条の三第二項第一号」とあるのは「第八十三条の十八第二項第一号」と、第八十三条の十六第一項中「この節」とあるのは「この節(第八十三条の二及び第八十三条の三を除く。)並びに次条及び第八十三条の十八」と読み替えるものとする。

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